JP2011221107A - 画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】感光体ヒーターにより昇温させた感光体を用いて画像形成を行う画像形成装置において、感光体の軸方向に温度分布が生じていると、画像に濃度ムラが生じる場合があった。
【解決手段】感光体ヒーターにより昇温させた感光体を用いて画像形成を行う画像形成装置において、感光体の全体を一定の温度の下で測定したとき、感光体は帯電能が相対的に高い高帯電能領域と帯電能が相対的に低い低帯電能領域を有し、画像形成装置の中で感光体ヒーターにより昇温させられたとき、感光体は温度が相対的に高い高温領域と温度が相対的に低い低温領域を有し、高帯電能領域と高温領域とが一致し、低帯電能領域と低温領域とが一致していることを特徴とする。
【選択図】 図3

Description

この本発明は、複写機、プリンタ、ファクシミリ等の画像形成装置に関する。
近年、複写機、プリンタ、ファクシミリ等に使用される感光体に用いる素子部材の技術としては、セレン、硫化カドミニウム、酸化亜鉛、フタロシアニン、アモルファスシリコン(以下「a−Si」と記す)等、各種の材料が提案されている。中でもa−Siに代表されるケイ素原子を主成分として含む非晶質堆積膜、例えば水素及び/又はハロゲン(例えばフッ素、塩素等)で補償されたa−Si等のアモルファス堆積膜は優れた耐摩耗性、光感度特性、また環境面より広く普及している(特許文献1参照)。
特開2008-287220号公報
しかしながら近年、ますます電子写真装置の高性能化が求められる中で、a−Siを用いた電子写真装置にも、従来にも増して高画質、高解像度が求められている。
従来、電子写真装置、例えば普通紙複写機、レーザープリンター、LEDプリンター、液晶プリンター等に用いられる感光体への帯電装置はコロナ帯電器を使うのが一般的であり、広く使われている。コロナ帯電器とは直径50〜100μm程度の金属ワイヤーに5〜10kV程度の高電圧を印加し、雰囲気を電離することで対向物を帯電するものである。
コロナ帯電器は、その構造上、コロナ放電にともない、オゾンが大量に発生してしまうという欠点を有しており、繰り返し使用によりオゾンやコロナ生成物が感光体表面に付着し、この影響で感光体の表面が湿度に敏感となり水分を吸着し易くなる。これが高湿環境下で感光体表面の電荷の横流れの原因となり、画像流れ(いわゆる画像ボケ)と言われる画像品質低下を引き起こすという問題があった。
特にa−Siを用いた感光体は表面硬度が高く、耐刷枚数が多いという利点がある反面、表面が削れにくいため、一度付着したコロナ生成物が取り除きにくく影響が大きいという問題があった。
そのため、現状では感光体内部に感光体を加温するための感光体ヒーターを内蔵して感光体表面を加温(35〜50℃)して乾燥状態に保たせる。このようにすることにより感光体表面に付着しているコロナ放電生成物の吸湿による感光体表面の実質的な低抵抗化を抑えて画像ボケや画像流れ現象を防止する処置が取られている。特にa−Si感光体の場合は、この加温乾燥手段は不可欠なものとして組み込まれている。
ところで感光体ヒーターは感光体を均一に加熱出来るように、出来るだけ均等な間隔で発熱体が配置されるように工夫されている。このようなシンプルな配置とすることで感光体ヒーターのコストも最小限に抑えることが可能となる。
ところが、感光体ヒーター自体が均一に発熱していても、感光体の端部では温度が下がり気味になる。これは、感光体ヒーターを感光体の端部ぎりぎりまで設置することが実際上困難であることや、端部においては、更にその外側からの熱伝導がないため、中央部に比べてどうしても温度が下がりやすくなるのである。また、感光体が複写機やプリンター本体に設置される場合には、多くの場合、感光体の両端に、感光体を保持するためのフランジを取付け、さらにそのフランジに回転軸が取り付けられることが多い。これらのフランジや回転軸は、a−Si感光体が多く搭載されている高速、高耐久の電子写真装置の場合、金属材料で構成されていることが多い。このため、例え感光体ヒーターによって感光体を均一に加熱しても、特に感光体の端部付近では、これらの金属製のフランジや回転軸から熱が逃げてしまう場合があった。以上のような理由から、感光体が実際に複写機やプリンター等の画像形成装置の中で用いられる際の感光体の温度は、中央付近は均一に保たれるものの、端部に近づくにつれて温度が下がり、結果的に軸方向に温度分布を持って使用される場合があった。
一方、a−Si感光体には温度特性というものがあり、感光体を一定の帯電電流で帯電していても、感光体の温度が上昇すると表面電位が下がるという性質がある。このため、実際に複写機やプリンター等の画像形成装置の中で用いられる際に、感光体の軸方向に温度ムラが生じていると、この温度差により軸方向の表面電位が変化し、結果として表面電位分布が生じる場合があった。その結果、写真やグラフィックといった中間調の多い画像を印字する場合、画像に濃度ムラが生じ、画像劣化の原因となっていた。
本発明は、かかる背景のもとで成されたもので、a−Si感光体が複写機やプリンター等の画像形成装置に設置され、実際に使用される際に、a−Si感光体の表面電位分布が軸方向に均一になるように工夫された構成を提供することを目的とする。また、この発明は、a−Si感光体を用いて、良好な画像形成ができる画像形成装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明は、感光体ヒーターにより昇温させた感光体を用いて画像形成を行う画像形成装置において、感光体の全体を一定の温度の下で測定したとき、感光体は帯電能が相対的に高い高帯電能領域と帯電能が相対的に低い低帯電能領域を有し、画像形成装置の中で感光体ヒーターにより昇温させられたとき、感光体は温度が相対的に高い高温領域と温度が相対的に低い低温領域を有し、高帯電能領域と高温領域とが一致し、低帯電能領域と低温領域とが一致している。
本発明の構成とすることで、たとえ感光体が複写機やプリンター等の画像形成装置の中で用いられる際に感光体ヒーターによって加温(昇温)され、感光体の軸方向に温度分布が生じる場合でも、感光体の軸方向に均一性の高い表面電位が得られる。その結果、画像全面に渡って濃度の均一性の高い、良好な画像が得られる画像形成装置を提供できるものである。
本発明の画像形成装置におけるa−Si感光体周辺の構成を示す概略図である。 感光体ヒーターの構成の一例を示す板厚方向および上面方向の断面図である。 本発明の原理を説明した図である。 高周波プラズマCVD法による感光体の製造装置の一例を示す模式的な構成図である。 (a)及び(b)は本発明の画像形成装置の中で使用される感光体を形成するために使用される原料ガス導入管のガス吹き出し穴の分布を示す図である。(c)は従来の画像形成装置の中で使用される感光体を形成するために使用される原料ガス導入管のガス吹き出し穴の分布を示す図である。 感光体ヒーターの別の構成を示す板厚方向および上面方向の断面図である。 本発明の感光体における感光体の温度分布、及び感光体自体が持つ帯電能分布を示す図である。
以下には、図面を参照して、この発明の実施形態について具体的に説明する。
図1は、本発明の画像形成装置100におけるa−Si感光体101の周辺の構成を示す概略図である。
図1において、本画像形成装置は中央部にa−Si感光体101が配設され、その内部には、感光体を加温して高湿流れを防止する機能を有する感光体ヒーター102が感光体101の内面に密着するように設置されている。その周囲にコロナ帯電器103、画像露光光114を照射する画像露光器(不図示)、現像器104、転写帯電器105、分離帯電器106、クリーニングローラ109、クリーニングブレード110を有するクリーナー108、前露光器107が備えられている。
コロナ帯電器103は5〜10kVの高圧DC電圧を印加してコロナ放電を生じさせ、感光体101を帯電させる。画像露光光114は印字データに基づいて変換された光信号である。画像露光光114によって感光体101を露光し、感光体101の表面に静電潜像を形成する。現像器104は感光体101の表面に形成された静電潜像をトナーにより顕像化する。転写帯電器105は搬送手段113により搬送される被転写材112にトナー像を転写する。転写が行われた後、分離帯電器106により被転写材112は感光体101から分離される。前露光器107は感光体101を露光させ、残留電荷を除去する。クリーニングローラ109及びクリーニングブレード110は転写後に感光体101に残留した転写残留トナーを感光体101表面より除去する。その後、除去されたトナーは廃棄トナーボトル(図示せず)へ搬送される。
図2は図1における感光体ヒーター102の構成を示す上面方向および板厚方向の断面図である。
この感光体ヒーター200はシート状の形状をしており、内部に発熱体が配設されている。この感光体ヒーター200を丸めて感光体の内面に密着するように配設することにより、内面より感光体を所定の温度に加熱する。
感光体ヒーター200は絶縁性樹脂ベース201、発熱体202、固定シート203の3層構造を有している。発熱体202は例えばニクロム線からなり、絶縁樹脂ベース201の表面に均等な間隔で一筆書き様に配置され、感光体ヒーター200の単位面積当たりの発熱量が出来るだけ均一になるように工夫されている。発熱体202は、更にその上に固定シート203により絶縁性樹脂ベース201に固定されている。発熱体202が絶縁されていない場合は、絶縁性の樹脂からなる固定シート203を接着することにより、発熱体202を固定することが好ましい。発熱体202がその表面を絶縁されている場合は、固定シート203は例えばアルミ粘着シートなどの金属材料から成るシートを用いても良い。この場合、金属材料から成るシート自体の熱伝導性が高いため、より感光体ヒーター200の単位面積当たりの発熱量が均一になり、好ましい。
更に感光体ヒーター200の中央にはサーモスイッチ、或いはサーミスタ等からなる温度センサー204が設置されている。サーモスイッチによるON/OFF、或いはサーミスタの抵抗変化を温調器(不図示)に入力し、感光体ヒーターへ印加する電力を調整することにより、所望の温度にコントロールされるようになっている。不図示の温調器へは、一例としてAC電圧(例えば100V)が印加される。
ところで感光体ヒーター200自体の発熱量は、先にも述べたように単位面積当たりの発熱量が出来るだけ均一になるように発熱体が配置されている。このため、感光体ヒーター200によって感光体を加熱した場合、感光体の中央領域は比較的均一な温度に保たれる。ところが、感光体に比べて感光体ヒーター200の軸方向の長さは若干短めに作らざるを得ないため、感光体の両端部ではどうしても温度が下がり気味になる。さらに、感光体の両端には、例えば、感光体を保持するためのフランジや回転軸が取り付けられている。これらのフランジや回転軸は金属から出来ていることが多く、ここから感光体の熱が逃げることがある。このために、たとえ感光体ヒーター200が均一に発熱するように設計されていたとしても、感光体が実際に複写機やプリンター等の画像形成装置の中で用いられる際には、感光体の軸方向に温度分布が生じる場合があった。特に両端部において中央領域に比べて温度が低い状態で用いられることがあった。
本発明で用いられる感光体101は円筒状の基体の外周面にa−Siを感光層として積層したものである。a−Si感光層は半導体特性を持つため、感光体の温度が変化すると、同一帯電電流で帯電させたときの表面電位も必然的に変化する。これは、感光体温度が高くなるほど、熱キャリアがa−Si感光層内で生成し、この熱キャリアが表面電荷を打ち消すためである。この結果、a−Si感光体では、感光体温度が高くなると表面電位が下がるという温度特性を示すことになる。
本発明では、a−Si感光体が実際に複写機やプリンターの中に設置されて使用される際の温度分布を予め把握しておく。そして、使用時のa−Si感光体の温度分布によって生じる表面電位の分布を打ち消すように、感光体自体が持つ帯電能分布を予め設定しておくことを特徴とする。
なお、本発明において、「感光体自体が持つ帯電能分布」とは、予め決められた温度で、感光体中央の電位が予め決められた表面電位になる帯電電流を求め、次にその温度、帯電電流の条件で、感光体の軸方向各点の表面電位を測定したときの電位分布を指している。予め決められた温度とは、本発明では、感光体が実際の複写機やプリンターの中で用いられるときの標準的な温度を指している。また、予め決められた表面電位とは、同様に、感光体が実際の複写機やプリンターの中で用いられるときの標準的な電位を指している。従って、これらの温度や表面電位は、複写機やプリンターの機種によって適宜異なる値を取っても良いものである。
本発明の画像形成装置100においては、感光体ヒーター102により昇温させた感光体101を用いて画像形成を行う。感光体101の全体を一定の温度の下で測定したとき、感光体101は帯電能が相対的に高い高帯電能領域と帯電能が相対的に低い低帯電能領域を有する。画像形成装置100の中で感光体ヒーター102により昇温させられたとき、感光体101は温度が相対的に高い高温領域と温度が相対的に低い低温領域を有する。そして、高帯電能領域と高温領域とが一致し、低帯電能領域と低温領域とが一致していることを特徴とする。
本発明の原理を、図3を用いて説明する。まず、a−Si感光体が、実際に複写機やプリンターの中に設置されて使用される際の温度分布を測定する。例えば感光体ヒーターで一定の温度に加温し、充分安定した状態で感光体の温度を軸方向に表面温度計を用いて測定していく。すると、例えば、図3(a)に示したように、中央領域では複写機やプリンターで用いられる標準温度に加温されているが、両端部ではその温度よりも若干温度が下がってしまっている。
次に、この感光体の温度特性(表面電位の温度特性)を調べる。まず、通常の使用条件である標準温度でコロナ帯電を行い、感光体の中央位置の表面電位が所望の値となる帯電電流を決定する。次に、感光体ヒーターを一旦OFFにして、感光体を室温まで冷却した後に、帯電器に先ほど決めた帯電電流を印加してコロナ帯電を行い、感光体の中央位置の表面電位を測定する。同時に感光体ヒーターを制御して感光体の温度を通常使用温度の±5℃の範囲で変化させながら表面電位を測定する。表面電位の変化量を温度の変化量で割った値を表面電位の温度特性とする。
このようにして測定した一例として、5V/℃の温度特性があったとする。この場合、もし、感光体自体が持つ帯電能分布が軸方向で均一になるように製造された感光体を用いたとすれば、中央部に対して両端部では、温度が低くなるために表面電位が高くなり、(中央の温度−端部の温度)×5Vだけ表面電位が高くなる。このため、実際に複写機やプリンターの中に設置されて使用される場合には、軸方向に上記の表面電位分布が生じた状態で使用されることになる。
本発明においては、複写機やプリンターの中で実際に使用される時の表面電位分布の均一性を高めるために、感光体自体が持つ帯電能分布を図3(b)に示すように中央領域に対して両端で(中央の温度−端部の温度)×5Vだけ低くなるように感光体を製造する。この、感光体自体が持つ帯電能分布を測定する場合には、軸方向の各測定位置ごとに表面温度計により感光体温度を測定する。もし、予め決められた温度からずれていたときは、感光体ヒーターに投入している電力を調整して予め決められた温度に合わせ、その状態で表面電位を測定すればよい。
このように調整された感光体を上記の複写機やプリンターに設置すれば、温度分布による表面電位の変化分を、感光体自体が持つ帯電能分布が打ち消し、結果として図3(c)のように、感光体の軸方向全面に渡って均一性の高い表面電位が得られることになる。
本発明で用いられる感光層は、シリコン原子を母体とし、更に水素原子及び/又はハロゲン原子を含む非晶質材料で構成される。
a−Si膜は、プラズマCVD法、スパッタリング法、イオンプレーティング法等によって形成可能であるが、プラズマCVD法を用いて形成すると特に高品質の膜が得られるため好ましい。中でも13.56MHzのラジオ波を用いるRFプラズマCVD法は、a−Siを製造する実用的な方法として広く用いられている。
a−Si感光層を形成する原料としてはSiH、Si、Si、Si10等のガス状態の、またはガス化し得る水素化ケイ素(シラン類)を用いる。このような水素化ケイ素を、高周波電力によって分解することによってa−Si感光層を形成する。層形成時の取り扱い易さ、Si供給効率の良さ等の点でSiH、Siが好ましい。
本発明においては、感光体自体が持つ帯電能分布を軸方向で変えることが必要となるが、具体的手法としては、感光層の膜厚を制御することで行うことができる。例えば、膜厚を厚くすると帯電能が上がり、薄くすると帯電能が下がる。原料ガスの導入分布を変化させることによって、このように感光体の軸方向に膜厚を変化させることができる。
本発明においては、感光層には必要に応じて伝導性を制御する原子を含有させることができる。伝導性を制御する原子としては、半導体分野における、いわゆる不純物を挙げることができ、p型伝導特性を与える周期表第13族に属する原子またはn型伝導特性を与える周期表第15族に属する原子を用いることができる。
周期表第13族原子としては、具体的には、硼素(B)、アルミニウム(Al)、ガリウム(Ga)、インジウム(In)、タリウム(Tl)等があり、特にB、Al、Gaが好適である。周期表第15族原子としては、具体的には燐(P)、砒素(As)、アンチモン(Sb)、ビスマス(Bi)等があり、特にP、Asが好適である。
感光層に含有する伝導性を制御する原子の含有量としては、1×10-2〜1×10原子ppmが好ましく、5×10-2〜5×10原子ppmがより好ましく、1×10-1〜1×10原子ppmが最も望ましい。
本発明における円筒状の基体には特に限定はなく、使用目的に応じた材質や形状等を有するものであればよいが、例えば、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、ニッケル(Ni)、コバルト(Co)、鉄(Fe)、クロム(Cr)、モリブデン(Mo)、チタン(Ti)やこれらの合金を用いることができる。中でも加工性や製造コストを考慮するとアルミニウムが優れている。この場合、Al−Mg系合金、Al−Mn系合金のいずれかを用いることが好ましい。
次に、本発明の感光体を製造するために用いられる堆積装置及び形成方法について詳述する。
図4は、電源周波数としてRF帯を用いた高周波プラズマCVD法による感光体の製造装置の一例を示す模式的な構成図である。図4(a)は縦断面図、図4(b)は横断面図である。
真空処理装置400の減圧可能な円筒状の反応容器(カソード)401の内部には、円筒状の基体402と、基体加熱用のヒータ403と、原料ガス導入管406が設置されている。反応容器401の側面に排気口410が設けられ、そこに排気配管411が接続された、いわゆる横排気構成になっている。このような構成とすることで、原料ガス導入管406から反応容器401の中に導入された原料ガスは、基体402の側面を周方向に沿って流れ、排気口410から排気される。
本発明に用いられる真空処理装置では、原料ガスを導入するための原料ガス導入管406からはSiH、CH、H2、、PH等のa−Si堆積膜を形成する原料ガスが導入される。
原料ガス導入管406のガス吹き出し穴は、必要に応じて分布が設けられ、感光体の膜厚を軸方向で変化させることが可能なっている。図5に原料ガス導入管406に設けられるガス吹き出し穴の一例を示す。図5(c)に示す従来の原料ガス導入管では、全てのガス吹き出し穴が均等な間隔で設けられており、感光体の膜厚が軸方向で均一になるように設計されている。図5(a)に示す本発明で用いられる原料ガス導入管は、中央領域のガス吹き出し穴は均等な間隔で設けられているが、上下ではガス吹き出し穴が少なくなるように設計されている。このようなガス吹き出し穴の分布が不均一な原料ガス導入管を用いることで、軸方向の膜厚分布を制御することができ、結果として感光体自体が持つ帯電能分布を所望の分布に製造することが可能となる。
真空処理装置400は、原料ガス導入手段である、原料ガス混合装置414と、原料ガス流入バルブ415を備えている。原料ガス混合装置414には、SiH、H、CH、B、PH、CF、N、O、NO、He、Ar等から選ばれる不図示のガスボンベが接続されている。原料ガス混合装置414は、不図示のバルブ及びマスフローコントローラを内蔵し、各原料ガスの流量を制御して混合した後、原料ガス流入バルブ415、原料ガス導入管406を介して反応容器401の中に原料ガスを供給する。
高周波電源409はマッチングボックス408を介して高周波電極を兼ねた反応容器401に高周波電力を供給する。
更に、真空処理装置400の下部には、基体402を保持する基体ホルダ404と基体ホルダ404を回転可能に支持する回転支持機構405が設けられている。この回転支持機構405は、基体ホルダ404を支持する支軸と、支軸を回転させるためのモーターとを有している。
そして、成膜中に基体402が回転することにより、基体402には周方向に均一に堆積膜が形成される。
反応容器401の中を減圧する排気系は、反応容器401の排気口410に連通された排気配管411と、排気メインバルブ412と、例えばロータリポンプ、メカニカルブースターポンプ等の真空ポンプ413とを有する。反応容器401の中の圧力は、真空処理装置400に設けられた真空計418を見ながら所定の圧力に維持される。
この装置を用いたプラズマ処理は、例えば以下のように行うことができる。
先ず、反応容器401の中の基体ホルダ404の上に基体402を設置し、真空ポンプ413により反応容器401の中を排気する。
次に、基体402を回転支持機構405によって所定の速度で回転させる。ここでは、原料ガス導入管406として、図5(a)に示すように、ガス吹き出し穴が上部及び下部(両端部)で少なくなっているものを用いた。反応容器401の中を充分に排気して、真空計418の読みが約0.1Pa以下になった時点で原料ガス流入バルブ415を徐々に開けて、所望のガスを所望の混合比、所望の流量で反応容器401の中に導入する。例えば基体を加熱する場合、加熱用のガス、一例としてArを所望の流量で真空処理装置400の中に導入し、ヒータ403により基体402の温度を150℃乃至350℃の所定の温度に制御する。
以上のようにして成膜の準備が完了した後、以下の手順で各層の形成を行う。
基体402が所定の温度になったところで原料ガスを原料ガス混合装置414の中でマスフローコントローラ(不図示)によって所定の流量になるように調整、混合して原料ガス導入管406を介して反応容器401の中に導入する。図5(a)に示すように、原料ガス導入管406のガス吹き出し穴は、基体402に対向する領域503の中央部501に多く、上下部(両端部)502に少なく分布するように設けられている。このため、原料ガスは基体402の軸方向に中央で多く、上下で少なく供給される。
その際、反応容器401の中の圧力が1×10Pa以下の所定の圧力になるように真空計418を見ながらメインバルブ412の開口を調整する。内圧が安定したところで、周波数13.56MHzの高周波電源409を所望の電力に設定して、マッチングボックス408を通じて反応容器401に高周波電力を印加し、グロー放電を励起させる。
反応容器の中に導入された原料ガスが高周波電力によって分解され、基体402の上に所定の堆積膜が形成される。所望の膜厚の堆積膜が形成された後、高周波電力の供給を止め、バルブを閉じて反応容器へのガスの流入を止め、堆積膜の形成を終える。
同様の操作を複数回繰り返すことによって、所望の積層構造の感光体が形成される。また、これらの操作の間で、それぞれのガスが反応容器401の中や、反応容器401に至るガス配管の中に残留することを避けるために、原料ガス流入バルブ415、メインバルブ412を開にして系内を一旦高真空に排気する操作を必要に応じて行う。
さらに、上述のガス種及びバルブ操作は各々の層の作製条件にしたがって変更が加えられることは言うまでもない。
以下実施例により、本発明の効果を具体的に説明するが、本発明は、これにより何ら限定されるものではない。
[実施例1]
まず、実施例の感光体を作製するのに先立ち、感光体の温度分布、及び表面電位の温度特性測定用の感光体を以下の手順で作製した。
図5(c)に示す、ガス吹き出し穴が均等に開けられた原料ガス導入管を取付けた図4に示す感光体の製造装置を用いる。アルミニウムよりなる直径80mm、長さ358mm、肉厚3mmの円筒状の基体402を基体ホルダ404の上に取り付け、先に詳述した手順に従って、高周波プラズマCVD法により表2に示す標準作製条件で温度特性測定用の感光体を作製した。
Figure 2011221107
作製した温度特性測定用の感光体をキヤノン製複写機iR5000改造機に設置し、図2に示す感光体ヒーターを用いて感光体を加温して感光体の温度分布を測定した。
<感光体の温度分布>
感光体を複写機に設置し、通常の使用条件で加温し、充分に安定させた。次に表面温度計(例えば安立計器(株)製HFT−52)にて感光体の軸方向2cmおきに温度測定を行った。
その結果、感光体の温度分布は中央に比べて両端で4℃ほど温度が低いことが判明した。
次にプロセススピード265mm/sec、前露光(波長660nmのLED)光量4[lx・s]、主帯電器の電流値1000μAの条件にて、表面電位の温度特性の評価を行なった。
<表面電位の温度特性>
まず帯電器に帯電電流を印加してコロナ帯電を行い、現像位置に表面電位計(例えばTREK社製 Model344)を設置し、感光体の中央位置の表面電位が450Vになるように帯電電流を決定した。そして、感光体ヒーターを一旦OFFにして、感光体を室温まで冷却した。この状態で帯電器に先ほど決めた帯電電流を印加してコロナ帯電を行い、感光体の中央位置の表面電位を測定した。
次に、感光体ヒーターを制御して感光体の温度を35℃から45℃まで2℃刻みで変化させながら中央位置の表面電位を測定した。表面電位の変化量を温度の変化量で割った値を表面電位の温度特性とした。
このようにして測定した結果、この標準作製条件で作製した感光体は5V/℃の温度特性を持つことが分かった。
以上の結果から、感光体が複写機に設置されて実際に使用されるときに、表面電位の均一性が高い状態にするためには、予め感光体自体が持つ帯電能分布を中央に対して両端が4℃×5V/℃=20V下がるように調整しておけば良いことが分かる。こうすることで、感光体の両端の温度が4℃下がっていることによって表面電位が両端で20V上がるため、予め設けておいた感光体自体が持つ帯電能分布20Vと相殺しあい、結果として均一性の高い表面電位が得られることになる。
次に、本実施例の感光体を作製した。
図4に示す感光体の製造装置を用い、アルミニウムよりなる直径80mm、長さ358mm、肉厚3mmの円筒状の基体402を基体ホルダ404の上に取り付けた。そして、先に詳述した手順に従って、高周波プラズマCVD法により表1に示す標準作製条件で感光体を作製した。
本実施例では、感光体の両端で帯電能が下がった感光体を作製した。感光体の両端で帯電能を下げるために、両端で感光層の膜厚を中央より薄くした。両端で膜厚を薄くするために、原料ガス導入管406のガス吹き出し穴分布を変えた。本発明においては図5(a)に示すように、ガス吹き出し穴分布が基体402に対向する領域503の上下端近傍で少ない原料ガス導入管を用いた。
こうして作製された感光体は、キヤノン製複写機iR5000改造機に設置し、プロセススピード265mm/sec、前露光(波長660nmのLED)光量4[lx・s]の条件で、感光体自体が持つ帯電能分布、及び画像の濃度ムラを測定した。
<感光体自体が持つ帯電能分布>
感光体を複写機に設置し、感光体ヒーターがONの状態で電位測定を行った。現像位置に表面電位計(TREK社製
Model344)を設置し、均一に帯電されるように調整された帯電器に電流を印加してコロナ帯電を行い、感光体の中央位置の帯電能が450Vになるように帯電電流を調整した。次に、この帯電電流を保ったまま感光体の軸方向に2cm刻みで表面電位計を移動させ、軸方向の帯電能分布を測定した。このとき、同時に表面温度計により感光体温度を測定し、もし、中央の温度からずれている場合には、感光体ヒーターに投入している電力を調整して中央の温度に合わせた後に帯電能を測定した。以上の手順で、感光体自体が持つ帯電能分布を測定した。
実施例1では、感光体の軸方向の中央部が、高帯電能領域かつ高温領域となる。また、感光体の軸方向の両端部が、低帯電能領域かつ低温領域となる。
<画像の濃度ムラ>
まず、現像器位置での帯電能が450Vとなるよう帯電器へ印加する帯電電流を調整した後、原稿に反射濃度0.1以下の所定の白紙を用い、現像器位置での明部電位が100Vとなるよう画像露光光量を調整した。次いで中間調チャートを原稿台に置き、A3用紙にコピーしたときに得られたコピーを目視により評価した。
◎… 画像全面に渡って濃度ムラがなく、非常に良好
○… 画像のごく一部分に微小なムラがあるが、大部分は均一で良好
△… 画像の1/4程度に僅かなムラがある
×… 画像全面に渡ってムラがある
[実施例2]
本実施例では、図6に示したように、軸方向の一方の端部に発熱体602が偏って設けられた、実験用に特別に準備した感光体ヒーター600を用いた画像形成装置を用意した。そして、感光体ヒーターの発熱体が多い側を感光体の上部側にセットし、実施例1と同様に感光体の温度分布を測定した。
次に、本実施例では、感光体の上部で帯電能を上げるために、図5(b)に示した、上側でガス吹き出し穴を多くした原料ガス導入管を用いて成膜することにより、感光体の上側の膜厚を厚くした。作製方法は実施例1と同様に行った。
こうして作製された感光体について、実施例1と同様に感光体自体が持つ帯電能分布、及び画像の濃度ムラの評価を行った。
実施例1、2の結果をまとめて表2及び図7に示す。
Figure 2011221107
表2及び図7に示すとおり、感光体の軸方向の温度分布が高いところで感光体自体が持つ帯電能分布が高く、温度分布が低いところで感光体自体が持つ帯電能分布が低くなるように設計した。このように設計することで、実際の使用時には互いの分布が相殺し合い、結果として軸方向の表面電位分布の均一性は高くなるため、実際に中間調チャートを複写した画像は、全面に渡って濃度の均一性が高い、良好な画像が出力されることが判明した。
[比較例1]
図4に示す感光体の製造装置を用い、アルミニウムよりなる直径80mm、長さ358mm、肉厚3mmの円筒状の基体402を基体ホルダ405の上に取り付け、先に詳述した手順に従って、高周波プラズマCVD法により表1に示す標準作製条件で感光体を作製した。
本比較例では、図5(c)に示す、ガス吹き出し穴分布が均等に開いた原料ガス導入管を用いて、膜厚がフラットになるように感光体を作製した。このように作製することにより、感光体自体が持つ帯電能分布がフラットな感光体が得られた。
得られた感光体は、実施例1と同様に図2に示した感光体ヒーターを用いた複写機に設置し、実施例1と同様に画像の濃度ムラの評価を行った。
その結果、感光体の軸方向の両端部で濃度が濃く、中央部で薄いムラの大きい画像が得られ、評価ランクとしては△であった。
[比較例2]
比較例1で作製した感光体を実施例2と同様に、図6に示した感光体ヒーターを用いた複写機に設置し、実施例1と同様に画像の濃度ムラの評価を行った。
その結果、感光体の軸方向の上部で濃度が低くく、下部で濃度の濃いムラの大きい画像が得られ、評価ランクとしては△であった。
100 画像形成装置 101 a−Si感光体
102 感光体ヒーター 103 コロナ帯電器
104 現像器 105 転写帯電器
106 分離帯電器 107 前露光
108 クリーナー 109 クリーニングローラ
110 クリーニングブレード 112 被転写材
113 搬送手段 114 画像露光

Claims (3)

  1. 感光体ヒーターにより昇温させた感光体を用いて画像形成を行う画像形成装置において、
    前記感光体の全体を一定の温度の下で測定したとき、前記感光体は帯電能が相対的に高い高帯電能領域と帯電能が相対的に低い低帯電能領域を有し、
    前記画像形成装置の中で前記感光体ヒーターにより昇温させられたとき、前記感光体は温度が相対的に高い高温領域と温度が相対的に低い低温領域を有し、
    前記高帯電能領域と前記高温領域とが一致し、前記低帯電能領域と前記低温領域とが一致していることを特徴とする画像形成装置。
  2. 前記一定の温度は、前記画像形成装置の中において用いられる際の前記感光体の軸方向の中央領域の温度であることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
  3. 前記感光体の軸方向の中央部を、前記高帯電能領域かつ前記高温領域とし、前記感光体の軸方向の両端部を、前記低帯電能領域かつ前記低温領域とすることを特徴とする請求項1又は2に記載の画像形成装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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