JP2011220220A - 内燃機関の排気還流装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】EGRガスを導入する内燃機関において冷却損失を低減しノッキングの発生を抑制する。
【解決手段】燃焼室に連通する2つの吸気ポートと、前記各吸気ポート内部を上下方向に区画し上側通路及び下側通路を形成する隔壁と、前記各吸気ポートの前記下側通路以外に燃料を噴射する燃料噴射弁と、前記下側通路に連通し前記内燃機関の排気通路を流れる排気の一部をEGRガスとして前記下側通路に流入させるEGR通路と、を備え、前記2つの吸気ポートは、前記燃焼室の中心軸線を含む平面に対して対称に設けられ、各吸気ポートから前記燃焼室内に流入するガスにより形成されるタンブル流の流れベクトルが前記燃焼室の中心軸線を含む前記平面に垂直な方向において互いに対向するように構成され、前記上側通路は、前記下側通路よりも前記燃焼室の中心軸線に近い側にガスを流入させるように構成される。
【選択図】図4

Description

本発明は、内燃機関の排気還流装置に関する。
筒内噴射式内燃機関において、吸気ポート及び排気ポートをそれぞれ上側通路と下側通路に区画するための隔壁を備え、筒内温度が低い特定の運転条件下において、吸気ポート及び排気ポートの上側通路を閉塞するとともに吸気行程中の所定期間に排気弁を開くことにより、筒内の新気及びEGRガスを成層化することを図る技術が提案されている(特許文献1を参照)。
特開2009−041531号公報 特開2007−231916号公報 特開2002−106419号公報 国際公開2005/017348号公報
上記特許文献1に記載の技術では、燃料の燃焼により発生した熱エネルギーがシリンダ壁面を介して失われる冷却損失が生じる。また、直前の燃焼によって生成された高温の排気がEGRガスとして排気ポートから気筒内に導入されるため、筒内温度が上昇し、ノッキングの発生を抑制できない場合があった。
本発明はこの点に鑑みてなされたものであり、EGRガスを導入する内燃機関において冷却損失を低減しノッキングの発生を抑制することを目的とする。
上記目的を達成するための本発明に係る内燃機関の排気還流装置は、
燃焼室に連通する2つの吸気ポートと、
前記各吸気ポート内部を上下方向に区画し上側通路及び下側通路を形成する隔壁と、
前記各吸気ポートの前記下側通路以外に燃料を噴射する燃料噴射弁と、
前記下側通路に連通し前記内燃機関の排気通路を流れる排気の一部をEGRガスとして前記下側通路に流入させるEGR通路と、
を備え、
前記2つの吸気ポートは、前記燃焼室の中心軸線を含む平面に対して対称に設けられ、各吸気ポートから前記燃焼室内に流入するガスにより形成されるタンブル流の流れベクトルが前記燃焼室の中心軸線を含む前記平面に垂直な方向において互いに対向するように構成され、
前記上側通路は、前記下側通路よりも前記燃焼室の中心軸線に近い側にガスを流入させるように構成されることを特徴とする。
2つの吸気ポートから燃焼室内に流入するガスは対向する2つのタンブル流となる。2つの吸気ポートは燃焼室の中心軸線を含む平面に対して対称に設けられるので、この2つのタンブル流は燃焼室中心軸近傍で衝突する。この時、上側通路からのガスは中心軸線に近い側に流入するため、各吸気ポートの上側通路から流入したガス同士が中心軸線近傍で衝突し、燃焼室上方の中心軸線近傍に滞留する。
一方、下側通路から流入したガスは、タンブル流によって燃焼室内を下降するが、燃焼室上方の中心軸線近傍に上側通路から流入したガスが滞留しているため、その外側に滞留する。このようなガス流動の結果、各吸気ポートの上側通路から流入したガスは燃焼室中央部上方に滞留し、各吸気ポートの下側通路から流入したガスは当該中央部上方に滞留するガスを包み込むように燃焼室壁面及びピストン頂面付近に滞留し、燃焼室内で層状のガス分布が形成される。
本発明の構成によれば、上側通路から燃焼室に流入するガスは空気と燃料との混合気であり、下側通路から燃焼室に流入するガスは空気とEGRガスの混合気(燃料噴射弁が上側通路及び下側通路より上流側の吸気ポートに燃料を噴射する構成の場合)又は空気と燃料とEGRガスの混合気(燃料噴射弁が上側通路に燃料を噴射する構成の場合)である。
従って、燃焼室内では、燃焼室中央部上方の領域に空気と燃料の混合気が局在し、この混合気を外側及び下方から上記のEGRガスを含むガスが包み込むような層状のガス分布が形成される。点火プラグは燃焼室上部の燃焼室中心軸線又はその近傍の位置に設けられるので、空気と燃料の混合気が点火プラグ周囲に局在し、この混合気と燃焼室壁面やピストン頂面等の熱散逸の原因となる低温部材との間にはEGRガスを含むガスの層が介在することになる。
このEGRガスは、排気通路を流れる排気がEGR通路を介して下側通路に流入するいわゆる外部EGRガスであるため、冷却が容易であり、燃焼ガスの温度や排気ポートから燃焼室に吸入されるいわゆる内部EGRガスの温度と比較して低温にすることができる。従って、燃焼室壁面やピストン頂面等の低温部材との温度差が小さく、これら低温部材を介した熱散逸を抑制できる。これにより、冷却損失を低減することができる。
また、エンドガスはEGRガスを主成分とするガスになるため、自着火しにくくなる。これにより、ノッキングの発生を抑制することができる。
上記構成において、燃料噴射弁は、前記上側通路に燃料を噴射するようにしても良い。
これにより、燃焼室中央部上方に局在するガスの層が空気と燃料の混合気となり、このガスの層を包み込み燃焼室壁面やピストン頂面等の低温部材との間に介在するガスの層が空気とEGRガスの混合気となる。従って、冷却損失をより低減することができるとともに、ノッキングの発生をより確実に抑制することができる。また、燃焼室中央部上方の空気の層にのみ燃料が存在し、EGRガスの層には燃料が存在しないガス分布となるため、燃焼悪化、HCやCOの発生、効率低下を抑制することができる。また、ストイキ運転を行なった場合には三元触媒を良好に機能させることが可能になるため、排気の悪化を抑制できる。
本発明は、筒内噴射方式の内燃機関にも適用することができる。その場合の本発明に係る内燃機関の排気還流装置は、
燃焼室に連通する2つの吸気ポートと、
前記各吸気ポート内部を上下方向に区画し上側通路及び下側通路を形成する隔壁と、
前記燃焼室内に燃料を噴射する燃料噴射弁と、
前記下側通路に連通し前記内燃機関の排気通路を流れる排気の一部をEGRガスとして前記下側通路に流入させるEGR通路と、
を備え、
前記2つの吸気ポートは、前記燃焼室の中心軸線を含む平面に対して対称に設けられ、各吸気ポートから前記燃焼室内に流入するガスにより形成されるタンブル流の流れベクト
ルが前記燃焼室の中心軸線を含む前記平面に垂直な方向において互いに対向するように構成され、
前記上側通路は、前記下側通路よりも前記燃焼室の中心軸線に近い側にガスを流入させるように構成され、
前記燃料噴射弁は、燃料噴霧が前記上側通路から前記燃焼室内に流入するガスが形成する層を前記下側通路から前記燃焼室内に流入するガスが形成する層よりも長く通過するように構成されることを特徴とする。
この構成によれば、上側通路から燃焼室に流入するガスは空気であり、下側通路から燃焼室に流入するガスは空気とEGRガスの混合気である。
従って、燃焼室内では、燃焼室中央部上方の領域に空気が局在し、この空気を外側及び下方から上記のEGRガスを含むガスが包み込むような層状のガス分布が形成される。
燃料噴射弁から噴射される燃料噴霧は上側通路から燃焼室内に流入するガスが形成する層、すなわち空気の層を、下側通路から燃焼室内に流入するガスが形成する層、すなわちEGRガスを含むガスの層よりも長く通過するので、燃焼は主に燃焼室中央部上方の空気の層において起こる。そして、この燃焼が起こる空気の層と燃焼室壁面やピストン頂面等の低温部材との間にはEGRガスを含む層が介在するので、燃焼により生じたエネルギーが低温部材を介して熱散逸することを抑制でき、冷却損失を低減することができる。また、燃焼が主に空気の層で起こるため、燃焼悪化、HCやCOの発生、効率低下を抑制することができる。
本発明において、前記下側通路の上流側から前記下側通路へのガスの流入を遮断することができる遮断手段を備えても良い。
下側通路の上流側からは空気が流入するため、下側通路から燃焼室に流入するガスは上記のように空気とEGRガスの混合気であるが、遮断手段により下側通路への空気の流入を遮断することにより、下側通路から燃焼室に流入するガスはEGRガスのみになる。これにより空気層における燃焼を向上させることができるとともに、冷却効率低減及びノッキング抑制の効果をより一層高めることができる。
本発明において、前記EGR通路から前記下側通路へ流入するEGRガスの流量を調整する流量調整手段を備えても良い。
これにより内燃機関の運転状態に応じて適切な流量のEGRガスを還流させることができる。また、EGRガスを還流させない運転条件において、EGR通路から下側通路へのEGRガスの流入を遮断することができる。EGR通路から下側通路へのEGRガスの流入を遮断した場合、燃焼室中央部上方には燃料と空気の混合気の層が局在し、その外側及び下側に空気のみの層が分布する(燃料噴射弁が上側通路に燃料を噴射する構成の場合)。従って、点火プラグ近傍に可燃混合気が局在するとともに、燃焼室壁面やピストン頂面等の低温部材と混合気との間に空気のみの層が介在することになるため、特に機関始動時や冷間時の着火性を向上させることができ、燃焼安定性と燃費性能や排気特性を両立させることが可能になる。
上記目的を達成するために本発明に係る内燃機関の排気還流装置は、
燃焼室に連通する2つの吸気ポートと、
前記各吸気ポート内部を上下方向に区画し上側通路及び下側通路を形成する隔壁と、
前記下側通路の上流側から前記下側通路へのガスの流入を遮断することができる遮断手段と、
前記各吸気ポートの前記下側通路以外に燃料を噴射する燃料噴射弁と、
前記各吸気ポートを開閉する吸気バルブと、
前記燃焼室に連通し前記内燃機関の排気通路を流れる排気の一部をEGRガスとして前記燃焼室内に流入させるEGR通路と、
前記EGR通路から前記燃焼室内へ流入するEGRガスの流量を調整する流量調整手段と、
前記内燃機関の運転を制御する制御手段と、
を備え、
前記2つの吸気ポートは、前記燃焼室の中心軸線を含む平面に対して対称に設けられ、各吸気ポートから前記燃焼室内に流入するガスにより形成されるタンブル流の流れベクトルが前記燃焼室の中心軸線を含む前記平面に垂直な方向において互いに対向するように構成され、
前記上側通路は、前記下側通路及び前記EGR通路よりも前記燃焼室の中心軸線に近い側にガスを流入させるように構成され、
前記制御手段は、
1サイクル中の前記吸気バルブが開く前の所定期間は前記燃焼室内へEGRガスが流入し、それ以外の期間は前記燃焼室内へEGRガスが流入しないように前記流量調整手段を制御し、
1サイクル中の前記吸気バルブが開弁する期間は前記下側通路の上流側から前記下側通路への吸気の流入を遮断するよう前記遮断手段を制御することを特徴とする。
この構成によれば、吸気バルブが開く前の所定期間に、上側通路から流入するガスよりも燃焼室中心軸線から遠い側からEGRガスが流入し、燃焼室下方の領域(ピストン頂面付近)及び燃焼室壁面付近に局在して滞留する。その後、吸気バルブが開弁すると、2つの吸気ポートの上側通路のみから空気と燃料の混合気が流入し、対向する2つのタンブル流を形成する。2つの吸気ポートは燃焼室の中心軸線を含む平面に対して対称に設けられるので、この2つのタンブル流は燃焼室中心軸近傍で衝突する。この時、上側通路から流入する混合気は上記のEGRガスよりも中心軸線に近い側に流入し、中心軸線近傍で衝突し、燃焼室中央部上方の領域に局在して滞留する。
このようなガス流動の結果、燃焼室内には、中央部上方に滞留する空気と燃料の混合気の層と、それを包み込むように燃焼室壁面及びピストン頂面付近に滞留するEGRガスの層と、からなる層状のガス分布が形成される。
点火プラグは燃焼室上部の燃焼室中心軸線又はその近傍の位置に設けられるので、空気と燃料の混合気が点火プラグ周囲に局在し、この混合気と燃焼室壁面やピストン頂面等の熱散逸の原因となる低温部材との間の点火プラグから離れた位置においてEGRガスの層が介在することになる。
このEGRガスは、排気通路を流れる排気がEGR通路を介して下側通路に流入するいわゆる外部EGRガスであるため、冷却が容易であり、燃焼ガスの温度や排気ポートから燃焼室に吸入されるいわゆる内部EGRガスの温度と比較して低温にすることができる。従って、燃焼室壁面やピストン頂面等の低温部材との温度差が小さく、これら低温部材を介した熱散逸を抑制できる。これにより、冷却損失を低減することができる。
また、エンドガスはEGRガスを主成分とするガスになるため、自着火しにくくなる。これにより、ノッキングの発生を抑制することができる。
この構成において、燃料噴射弁を上側通路に燃料を噴射する構成としても良い。上記の構成では、下側通路への吸気の流入は遮断されるので、燃料噴射弁が上側通路及び下側通
路より上流側の吸気ポートに設けられる場合も上側通路に設けられる場合も、燃焼室中央部上方の空気の層にのみ燃料が存在し、EGRガスの層には燃料が存在しないガス分布となるため、燃焼悪化、HCやCOの発生、効率低下を抑制することができる。また、ストイキ運転を行なった場合には三元触媒を良好に機能させることが可能になるため、排気の悪化を抑制できる。
上記のように構成される本発明は筒内噴射式の内燃機関にも適用可能である。その場合、本発明に係る内燃機関の排気還流装置は、
燃焼室に連通する2つの吸気ポートと、
前記各吸気ポート内部を上下方向に区画し上側通路及び下側通路を形成する隔壁と、
前記下側通路の上流側から前記下側通路へのガスの流入を遮断することができる遮断手段と、
前記燃焼室内に燃料を噴射する燃料噴射弁と、
前記各吸気ポートを開閉する吸気バルブと、
前記燃焼室に連通し前記内燃機関の排気通路を流れる排気の一部をEGRガスとして前記燃焼室内に流入させるEGR通路と、
前記EGR通路から前記燃焼室内へ流入するEGRガスの流量を調整する流量調整手段と、
前記内燃機関の運転を制御する制御手段と、
を備え、
前記2つの吸気ポートは、前記燃焼室の中心軸線を含む平面に対して対称に設けられ、各吸気ポートから前記燃焼室内に流入するガスにより形成されるタンブル流の流れベクトルが前記燃焼室の中心軸線を含む前記平面に垂直な方向において互いに対向するように構成され、
前記上側通路は、前記下側通路及び前記EGR通路よりも前記燃焼室の中心軸線に近い側にガスを流入させるように構成され、
前記燃料噴射弁は、燃料噴霧が前記上側通路から前記燃焼室内に流入するガスが形成する層を前記EGR通路から前記燃焼室内に流入するガスが形成する層よりも長く通過するように構成され、
前記制御手段は、
1サイクル中の前記吸気バルブが開く前の所定期間は前記燃焼室内へEGRガスが流入し、それ以外の期間は前記燃焼室内へEGRガスが流入しないように前記流量調整手段を制御し、
1サイクル中の前記吸気バルブが開弁する期間は前記下側通路の上流側から前記下側通路への吸気の流入を遮断するように前記遮断手段を制御することを特徴とする。
この構成によれば、上側通路から燃焼室に流入するガスは空気である。従って、燃焼室内では、燃焼室下方の領域(ピストン頂面付近)及び燃焼室壁面付近にEGRガスが局在して滞留し、燃焼室中央部上方の領域に空気が局在して滞留する。この結果、燃焼室内には、中央部上方に滞留する空気の層と、それを包み込むように燃焼室壁面及びピストン頂面付近に滞留するEGRガスの層と、からなる層状のガス分布が形成される。
燃料噴射弁から噴射される燃料噴霧は上側通路から燃焼室内に流入するガスが形成する層、すなわち空気の層を、EGR通路から燃焼室内に流入するガスが形成する層、すなわちEGRガスの層よりも長く通過するので、燃焼は主に燃焼室中央部上方の空気の層において起こる。そして、この燃焼が起こる空気の層と燃焼室壁面やピストン頂面等の低温部材との間にはEGRガスの層が介在するので、燃焼により生じたエネルギーが低温部材を介して熱散逸することを抑制でき、冷却損失を低減することができる。また、燃焼が主に空気の層で起こるため、燃焼悪化、HCやCOの発生、効率低下を抑制することができる。
上記構成において、前記内燃機関の吸気通路を流れる吸気の一部を前記EGR通路に流入させる通路と、
前記排気通路から前記EGR通路への排気の流入を遮断することができる排気遮断手段と、
を備え、
前記制御手段は、前記内燃機関の所定の運転状態において、前記排気通路から前記EGR通路への排気の流入を遮断するように前記排気遮断手段を制御することにより、前記EGR通路から前記燃焼室内に吸気の一部を流入させるようにしても良い。
この構成によれば、EGRガスの還流を行なわない運転条件において、EGR通路から燃焼室内へEGRガスの代わりに空気を流入させることができる。この場合、燃焼室中央部上方には燃料と空気の混合気の層が局在し、その外側及び下側に空気のみの層が分布する。従って、点火プラグ近傍に可燃混合気が局在するとともに、燃焼室壁面やピストン頂面等の低温部材と混合気との間に空気のみの層が介在することになるため、特に機関始動時や冷間時の着火性を向上させることができ、燃焼安定性と燃費性能や排気特性を両立させることが可能になる。
本発明によれば、EGRガスを導入する内燃機関において冷却損失を低減しノッキングの発生を抑制することが可能になる。
実施例1及び2に係る内燃機関の概略構成を示す図である。 吸気ポートから燃焼室内に流入するガスの流れを説明するための図である。 吸気ポートの内部構造を説明するための図である。 実施例1に係る内燃機関の概略構成を示す図である。図4(A)は図1の矢印Aで示す方向から見た内燃機関の断面を示し、図4(B)は図1の矢印Bで示す方向から見た内燃機関の断面を示す。 実施例1に係る内燃機関おいてEGR弁を閉弁するとともに遮断弁を開弁した場合の作用を説明するための図である。図5(A)は図1の矢印Aで示す方向から見た内燃機関の断面を示し、図5(B)は図1の矢印Bで示す方向から見た内燃機関の断面を示す。 実施例2に係る内燃機関の概略構成を示す図である。図6(A)は図1の矢印Aで示す方向から見た内燃機関の断面を示し、図6(B)は図1の矢印Bで示す方向から見た内燃機関の断面を示す。 実施例2に係る内燃機関おいてEGR弁を閉弁するとともに遮断弁を開弁した場合の作用を説明するための図である。図7(A)は図1の矢印Aで示す方向から見た内燃機関の断面を示し、図7(B)は図1の矢印Bで示す方向から見た内燃機関の断面を示す。 実施例3及び4に係る内燃機関の概略構成を示す図である。 実施例3に係る内燃機関の概略構成を示す図である。図9(A)は図8の矢印Aで示す方向から見た内燃機関の断面を示し、図9(B)は図8の矢印Bで示す方向から見た内燃機関の断面を示す。 実施例3に係る内燃機関においてEGR通路から燃焼室に空気を流入させるための構成を説明するための図である。図10(A)は図8の矢印Aで示す方向から見た内燃機関の断面を示し、図10(B)は図8の矢印Bで示す方向から見た内燃機関の断面を示す。 実施例4に係る内燃機関の概略構成を示す図である。図11(A)は図8の矢印Aで示す方向から見た内燃機関の断面を示し、図11(B)は図8の矢印Bで示す方向から見た内燃機関の断面を示す。 実施例4に係る内燃機関においてEGR通路から燃焼室に空気を流入させるための構成を説明するための図である。図12(A)は図8の矢印Aで示す方向から見た内燃機関の断面を示し、図12(B)は図8の矢印Bで示す方向から見た内燃機関の断面を示す。
以下、本発明の実施の形態について、詳細に説明する。本実施例に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対配置等は、特に記載がない限りは、発明の技術的範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
(実施例1)
図1は本発明の第1の実施例に係る内燃機関の概略構成を示す図である。図1に示す内燃機関1は、4つの気筒2を直列に備えた火花点火式エンジンである。図1では紙面の上側が排気マニホールドが備わる排気側、紙面の下側が吸気マニホールドが備わる吸気側とする。図面が煩雑になることを避けるために図1では点火プラグ、吸気バルブ、排気バルブ、吸気マニホールド、排気マニホールドについて図示を省略した。
各気筒2には、気筒2の燃焼室内に連通する2つの吸気ポート3A,3B及び2つの排気ポート4A,4Bが備わる。2つの吸気ポート3A,3Bは、気筒2の中心軸線(燃焼室の中心軸線。紙面に垂直な直線)Cを含む平面S1(紙面に垂直な平面)に対して対称の位置に設けられ、2つの排気ポート4A,4Bは、気筒2の中心軸線Cを含む平面S1に対して対称の位置に設けられる。また、吸気ポート3A,3Bが接続される燃焼室開口部と、排気ポート4A,4Bが接続される燃焼室開口部とは、中心軸線Cを含みクランクシャフトに平行な面に対して異なる側に配置される。図1では右端の1つの気筒2についてのみ吸気ポート3A,3B及び排気ポート4A,4Bを図示したが、他の3つの気筒2も同様に吸気ポート及び排気ポートを2つずつ備える。
図2は吸気ポート3A,3Bから燃焼室内に流入するガスの流れを説明するための図であり、図1の矢印Aで示す方向から見た内燃機関1の断面を示す。なお、図2は本実施例の内燃機関1が備える後述するいくつかの構成要素について図面の煩雑さを避けるために図示を省略している。図2に示すように、気筒2にはピストン16が上下方向に摺動可能に挿入されている。符号17はピストンピンを表す。ピストン16の頂面と気筒2の内壁面とにより燃焼室20が区画される。吸気ポート3Aが接続される燃焼室20の開口部は吸気バルブ8Aによって開閉され、吸気ポート3Bが接続される燃焼室20の開口部は吸気バルブ8Bによって開閉される。吸気バルブ8A,8Bはそれぞれ図示しないバルブ駆動装置により開閉駆動される。燃焼室20の上部中央(中心軸線Cが通る位置)には燃焼室20内の混合気に点火するための点火プラグ14が備わる。
2つの吸気ポート3A,3Bは、2つの吸気ポート3A,3Bから燃焼室20に流入するガスがそれぞれタンブル流を形成し、このタンブル流の流れベクトルが燃焼室20の中心軸線Cを含む平面S1に垂直な方向において互いに対向するように構成されている。2つの吸気ポート3A,3Bは燃焼室20の中心軸線Cを含む平面S1に対して対称の位置に設けられるので、各吸気ポートから燃焼室20に流入したガスによる2つのタンブル流は中心軸線Cの近傍で衝突し、吸気ポート3Aから流入したガスGAが吸気バルブ8Aの下方に滞留するとともに、吸気ポート3Bから流入したガスGBが吸気バルブ8Bの下方に滞留する。これにより、吸気ポート3A,3Bから流入したガスGA,GBは、図2に示すように、燃焼室20内で層状に局在する。なお、2つの吸気ポート3A,3Bは共に図示しない吸気マニホールドに接続され、吸気マニホールドは図示しない吸気通路が接続されている。吸気通路から吸気マニホールドに流入した空気が、吸気ポート3A,3Bを
通過して各気筒2の燃焼室20に流入する。
図3は吸気ポート3A,3Bの内部構造を説明するための図であり、図1の矢印Aで示す方向から見た内燃機関1の断面を示す。なお、図3は本実施例の内燃機関1が備える後述するいくつかの構成要素について図面の煩雑さを避けるために図示を省略している。図3に示すように、本実施例の吸気ポート3A,3Bは、内部を上下方向に区画し上側通路11A,11B及び下側通路12A,12Bを形成する隔壁9A,9Bを備える。
上述したように、吸気ポート3A,3Bから燃焼室20に流入するガスは中心軸線Cの近傍で衝突する対向タンブル流を形成するので、上側通路11A,11Bから燃焼室20に流入したガスGA1,GB1は中心軸線C近傍で衝突して滞留し、図3に示すように、中心軸線Cの近傍の燃焼室20の上方に局在する。一方、下側通路12A,12Bから燃焼室20に流入したガスも対向タンブル流を形成するが、燃焼室20上方の中心軸線C近傍には上側通路11A,11Bから流入したガスGA1,GB1が滞留しているため、下側通路12A12Bから流入したガスGA2,GB2は燃焼室20壁面及びピストン16頂面付近に滞留し、図3に示すように、燃焼室20上方中央部のガスGA1,GB1を包み込むように燃焼室20の下方及び壁面付近に局在する。
このように、本実施例の吸気ポート3A,3Bは、燃焼室20内で対向タンブル流を形成するように構成されると共に、内部に隔壁9A,9Bを備え、上側通路11A,11B及び下側通路12A,12Bに区画されていることにより、上側通路11Aから燃焼室20に流入したガスGA1と、下側通路12Aから燃焼室20に流入したガスGA2と、上側通路11Bから燃焼室20に流入したガスGB1と、下側通路12Bから燃焼室20に流入したガスGB2と、が燃焼室20内で図3に示すように層状に局在するガス分布が形成される。
図4は、本実施例の内燃機関1における吸気ポート3A,3Bの詳細な構成を説明するための図であり、図4(A)は図1の矢印Aで示す方向から見た内燃機関1の断面を示し、図4(B)は図1の矢印Bで示す方向から見た内燃機関1の断面を示す。図4(B)において符号25Aは排気ポート4Aを開閉する排気バルブである。
図4(A)に示すように、本実施例の内燃機関1には、吸気ポート3A,3Bの上側通路11A,11Bに燃料を噴射する燃料噴射弁7A,7Bが備わる。燃料噴射弁7A,7Bからはそれぞれ上側通路11A,11Bに燃料GfA,GfBが供給される。また、内燃機関1には、吸気ポート3A,3Bの下側通路12A,12Bにそれぞれ連通し、内燃機関1の図示しない排気通路を流れる排気の一部をEGRガスとして下側通路12A,12Bに流入させるEGR通路13A,13Bが備わる。
隔壁9A,9Bより上流側の吸気ポート3A,3Bから下側通路12A,12Bへの空気の流入を遮断することができる遮断弁10A,10B(遮断手段)が備わる。更に、EGR通路13A,13Bの流路面積を調節することによってEGR通路13A,13Bから下側通路12A,12Bへ流入するEGRガスの流量を調整することができるEGR弁18A,18BがEGR通路13A,13Bに備わる(流量調整手段)。
内燃機関1には、内燃機関1の運転を制御するマイクロコンピュータであるECU15が備わる。ECU15には上述した点火プラグ14、燃料噴射弁7A,7B、遮断弁10A,10B、EGR弁18A,18Bを含む各種機器が接続され、ECU15からの指令によりこれらの機器の動作が制御される。
図4(A)には、遮断弁10A,10Bを閉弁して下側通路12A,12Bに上流側か
ら空気が流入することを遮断するとともに、EGR弁18A,18Bを開弁して下側通路12A,12BにEGRガスを流入させるように制御した場合を示している。この場合、上側通路11A,11Bから燃焼室20に流入するガス(図3のGA1,GB1)は空気と燃料との混合気となり、下側通路12A,12Bから燃焼室20に流入するガス(図3のGA2,GB2)はEGRガスとなる。従って、燃焼室20内では、図4(A)及び(B)に示すように、燃焼室20の中央部上方の領域に空気と燃料の混合気Gm1が局在し、この混合気を外側及び下方からEGRガスGe2が包み込むような層状のガス分布が形成される。
これにより、本実施例の内燃機関1では、点火プラグ14の近傍に空気と燃料の混合気Gm1が局在し、この混合気と燃焼室壁面やピストン頂面等の熱散逸の原因となる低温部材との間にはEGRガスの層Ge2が介在することになる。
ここで、図4(A)及び(B)には図示していないが、EGR通路13A,13Bはともに図示しない排気マニホールドや排気マニホールドに接続される排気管に接続する。すなわち、本実施例の内燃機関1においてEGR通路13A,13Bを介して行なわれる排気の還流はいわゆる外部EGRであり、冷却が容易であるため、排気ポートから直前の燃焼ガスを燃焼室内に吸入するいわゆる内部EGRガスや燃焼ガスの温度と比較して低温にすることができる。従って、本実施例の内燃機関1ではEGRガスの層は燃焼室壁面やピストン頂面等の低温部材との温度差を小さくすることができ、これら低温部材を介した熱散逸を抑制し、冷却損失を低減することが可能になる。
また、図4に示すようにエンドガスのほとんどはEGRガスとなるため、エンドガスが自着火しにくくなる。これにより、ノッキングの発生を抑制することができ、効率を向上させることが可能になる。更に、EGRガスを還流させた場合でも、燃料は燃焼室20の中央部上方の空気の層にのみ存在し、EGRガスの層には燃料噴射弁7A,7Bから噴射された燃料が存在しないガス分布となるため、燃焼悪化、HCやCOの発生、効率低下を好適に抑制することができる。また、ストイキ運転を行なった場合には排気通路に配置される三元触媒(図示省略)の排気浄化作用を良好に発揮させることが可能な排気性状となるため、排気の悪化を抑制することもできる。
なお、上記実施例では燃料噴射弁7A,7Bはそれぞれ上側通路11A,11Bに設けられるが、燃料噴射弁7A,7Bは上側通路11A,11B及び下側通路12A,12Bより上流側の吸気ポート3A,3Bに設けても良い。この場合、遮断弁10A,10Bを閉弁して上流側から下側通路12A,12Bへのガスの流入を遮断した場合には、図4の場合と同様、上側通路11A,11Bから燃焼室20に流入するガスは空気と燃料との混合気となり、下側通路12A,12Bから燃焼室20に流入するガスはEGRガスとなるので、燃焼室20の中央部上方に空気と燃料の混合気の層が局在し、その周囲及び下方にEGRガスの層が局在するガス分布となる。従って、上記の実施例と同様に、ノッキングの抑制及び冷却損失の低減の効果が得られる。
一方、遮断弁10A,10Bを開弁して上流側から下側通路12A,12Bへガスが流入できるようにした場合には、下側通路12A,12Bにも空気及び燃料が流入するため、下側通路12A,12Bから燃焼室20に流入するガスはEGRガスと空気と燃料の混合気となる。この場合、燃焼室20に形成されるガス分布は、中央部上方の点火プラグ14近傍に空気と燃料の混合気の層が局在し、その混合気と燃焼室壁面やピストン頂面との間にEGRガスを含むガスが介在する層状のガス分布になる。この場合も、主たる燃焼が起こる空気と燃料の混合気の層が低温のEGRガスを含むガスによって包み込まれるので、燃焼室壁面やピストン頂面等の低温部材を介した熱散逸を好適に抑制でき、冷却損失を低減することができるとともに、ノッキングの発生を抑制することができる。つまり、燃
料噴射弁7A,7Bは下側通路12A,12B以外であれば、吸気ポート3A,3Bのどこに設けても良い。また、遮断弁10A,10Bを備えていなくても上記の説明のように冷却損失低減及びノッキングの抑制は可能である。
EGR弁18A,18Bも、燃焼室20の中央部上方の点火プラグ14近傍に空気と燃料の混合気を局在させ、その周囲及び下方にEGRガスの層を局在させる、という上記実施例の作用を生じせしめるためには必須の構成ではない。しかしながら、EGR弁18A,18Bを備えた構成では、EGR弁18A,18Bを閉弁して下側通路12A,12BへのEGRガスの流入を遮断することにより、特定の運転条件において以下に説明する有利な効果を奏することができる。
図5は、図4に示した内燃機関1の構成において、EGR弁18A,18Bを閉弁するとともに遮断弁10A,10Bを開弁した場合の作用を説明するための図であり、図5(A)は図1の矢印Aで示す方向から見た内燃機関1の断面を示し、図5(B)は図1の矢印Bで示す方向から見た内燃機関1の断面を示す。
図5(A)に示すように、EGR弁18A,18Bを閉弁するとともに遮断弁10A,10Bを開弁した場合、下側通路12A,12Bから燃焼室20に流入するガスは空気のみになる。従って、燃焼室20内のガス分布は、燃焼室20の中央部上方の点火プラグ14近傍の領域に上側通路11A,11Bから流入した空気と燃料の可燃混合気Gm1が局在し、その周囲及び下方に下側通路12A,12Bから流入した空気Ga2が局在する層状のガス分布となる。このような層状のガス分布が形成されることにより、機関始動時や冷間時において燃料濃度を過濃にしなくても燃焼状態を安定させることができるので、燃費性能と排気性能の低下を抑制できる。また、EGRガスの還流を行なわない運転条件においても、低温の空気の層Ga2により可燃混合気の層Gm1が包み込まれるような層状のガス分布となるので、燃焼室壁面やピストン頂面等の低温部材とそれに接するガスとの温度差を小さくすることができ、上述したEGRガスの還流を行なう運転条件の場合と同様に、冷却損失を低減することができるとともに、エンドガスに燃料が含まれないためノッキングを抑制することができる。
ECU15は、内燃機関1の運転条件(回転数や負荷等)を取得し、EGRガスの還流を行なうべき運転条件の場合には目標EGRガス流量に対応する開度にEGR弁18A,18Bを開弁するとともに遮断弁10A,10Bを閉弁し、EGRガスの還流を行なわない運転条件の場合にはEGR弁18A,18Bを閉弁するとともに遮断弁10A,10Bを開弁するように制御を行なうことができる。そうすることで、EGRガス還流の実施の有無によらず、冷却損失低減及びノッキング発生抑制の効果が得られる。
(実施例2)
上記の実施例1の構成による燃焼室内ガスの成層化は、筒内噴射式内燃機関にも適用できる。本実施例は、上述した吸気ポート3A,3Bの上側通路11A,11Bから燃焼室20に流入するガスと下側通路12A,12Bから燃焼室20に流入するガスとを燃焼室20内で成層化させる構成を筒内噴射式内燃機関に適用した実施例である。
図6は、本実施例に係る内燃機関1の概略構成を説明するための図であり、図6(A)は図1の矢印Aで示す方向から見た内燃機関1の断面を示し、図6(B)は図1の矢印Bで示す方向から見た内燃機関1の断面を示す。図6に示す本実施例の内燃機関1の構成と図4に示す実施例1の内燃機関1の構成との相違は、実施例1における燃料噴射弁7A,7Bの代わりに本実施例では燃焼室20内に直接燃料を噴射する燃料噴射弁30を備えた点である。
本実施例の内燃機関1の吸気ポート3A,3Bは実施例1と同等の構成を有しており、図6(A)に示すように遮断弁10A,10Bが閉弁され且つEGR弁18A,18Bが開弁された状態では、上側通路11A,11Bから燃焼室20に流入するガスは空気となり、下側通路12A,12Bから燃焼室20に流入するガスはEGRガスとなる。従って、燃焼室20内では、図6(A)及び(B)に示すように、燃焼室20の中央部上方の領域に空気Ga1が局在し、この空気の層を外側及び下方からEGRガスGe2が包み込むような層状のガス分布が形成される。
これにより、本実施例の内燃機関1では、点火プラグ14の近傍に空気Ga1が局在し、この空気と燃焼室壁面やピストン頂面等の熱散逸の原因となる低温部材との間にはEGRガスの層Ge2が介在することになる。
ここで、燃料噴射弁30は、燃料噴霧が、上側通路11A,11Bから燃焼室20に流入するガスが形成する層(空気Ga1)を下側通路12A,12Bから燃焼室20に流入するガスが形成する層(EGRガスGe1)よりも長く通過するように、燃焼室20の中央部上方に向かって燃焼室20の側面上部から燃料を噴射するように構成される。これにより、図6(A)及び(B)に示すように、燃料噴射弁30からの燃料噴霧Gfは、主に燃焼室20内に形成されるガス分布の空気の層Ga1を通過する。従って、燃焼室20の中央部上方の点火プラグ14近傍の領域において燃焼が起こり、燃焼エネルギーが燃焼室壁面やピストン頂面等を介して失われることを抑制でき、冷却損失を低減することが過濃になる。また、エンドガスのほとんどはEGRガスとなるため、エンドガスが自着火しにくくなり、ノッキングの発生を抑制することができる。
本実施例においても、実施例1と同様に、EGR弁18A,18B、遮断弁10A,10Bは必須ではないが、EGRガスの還流を行なわない運転条件においてEGR弁18A,18Bを閉弁して下側通路12A,12BへのEGRガスの流入を遮断することにより、上述したEGRガスの還流を行なう場合と同様に冷却損失の低減及びノッキングの抑制が可能になる。
図7は、図6に示した内燃機関1の構成においてEGR弁18A,18Bを閉弁するとともに遮断弁10A,10Bを開弁した場合の作用を説明するための図であり、図7(A)は図1の矢印Aで示す方向から見た内燃機関1の断面を示し、図7(B)は図1の矢印Bで示す方向から見た内燃機関1の断面を示す。
図7(A)に示すように、EGR弁18A,18Bを閉弁するとともに遮断弁10A,10Bを開弁した場合、下側通路12A,12Bから燃焼室20に流入するガスは空気のみになる。従って、燃焼室20内のガス分布は、燃焼室20の中央部上方の点火プラグ14近傍の領域に上側通路11A,11Bから流入した空気Ga1が局在し、その周囲及び下方に下側通路12A,12Bから流入した空気Ga2が局在する層状のガス分布となる。そして、点火プラグ14近傍の領域の空気の層Ga1に向かって燃料噴射弁30から燃料が噴射されるので、燃焼は主に燃焼室中央部上方の領域において起こることになる。このような層状のガス分布が形成されることにより、機関始動時や冷間時において燃料濃度を過濃にしなくても燃焼状態を安定させることができるので、燃費性能と排気性能の低下を抑制できる。
(実施例3)
実施例1及び実施例2は、対向タンブル流が生じるように対称配置した吸気ポート3A,3Bを上側通路11A,11B及び下側通路12A,12Bに区画することにより、燃焼室中央部上方の点火プラグ14近傍の領域に局在するガスの層とその周囲及び下方に局在するガスの層とからなる層状のガス分布を燃焼室20内に形成したが、本実施例は、こ
のようなガス分布を異なる構成の内燃機関により形成できるようにした実施例である。
図8は本実施例に係る内燃機関の概略構成を示す図である。図8に示す内燃機関は、4つの気筒2を直列に備えた火花点火式エンジンである。図8では紙面の上側が排気マニホールドが備わる排気側、紙面の下側が吸気マニホールドが備わる吸気側とする。図面が煩雑になることを避けるために図8では点火プラグ、吸気バルブ、排気バルブ、吸気マニホールド、排気マニホールドについて図示を省略した。
各気筒2には、気筒2の燃焼室内に連通する2つの吸気ポート3C,3D及び2つの排気ポート4C,4Dが備わる。2つの吸気ポート3C,3Dは、気筒2の中心軸線(燃焼室の中心軸線。紙面に垂直な直線)Cを含む平面S2(紙面に垂直な平面)に対して対称の位置に設けられ、2つの排気ポート4C,4Dは、気筒2の中心軸線Cを含む平面S2に対して対称の位置に設けられる。図8では右端の1つの気筒2についてのみ吸気ポート3A,3B及び排気ポート4A,4Bを図示したが、他の3つの気筒2も同様に吸気ポート及び排気ポートを2つずつ備える。図1に示した実施例1の構成と図8に示した本実施例の構成とを比較すると、実施例1では2つの吸気ポートの対称面S1が気筒列の方向に対して垂直であるのに対し、本実施例では2つの吸気ポートの対称面S2が気筒列の方向に垂直な面に対して図8に示すように傾きを有しているので、隣り合う気筒間での吸気ポートと排気ポートとの干渉が起こりにくいという利点がある。
燃焼室上部において、吸気ポート3C,3Dが接続される燃焼室開口部よりも中心軸線Cから遠い位置であって、排気ポート4C,4Dが接続される燃焼室開口部の間に設けられる開口部5には、燃焼室内に直接外部EGRガスを還流させるEGR通路6が接続される。
図9は、本実施例の内燃機関の詳細な構成を説明するための図であり、図9(A)は図8の矢印Aで示す方向から見た内燃機関1の断面を示し、図9(B)は図8の矢印Bで示す方向から見た内燃機関1の断面を示す。図9(B)において符号25Cは排気ポート4Cを開閉する排気バルブである。
図9(A)に示すように、本実施例の内燃機関1の吸気ポート3C,3Dの構成は、図4に示す実施例1の内燃機関1の吸気ポート3A,3Bの構成において下側通路12A,12Bに接続されたEGR通路13A,13Bが本実施例では存在しない点以外は略同等である。すなわち、2つの吸気ポート3C,3Dは、2つの吸気ポート3C,3Dから燃焼室20に流入するガスがそれぞれタンブル流を形成し、このタンブル流の流れベクトルが燃焼室20の中心軸線Cを含む平面S2に垂直な方向において互いに対向するように構成され、各吸気ポートから燃焼室20に流入したガスによる2つのタンブル流は中心軸線Cの近傍で衝突し、吸気ポート3Cから流入したガスは吸気バルブ8Cの下方に滞留し、吸気ポート3Dから流入したガスは吸気バルブ8Dの下方に滞留する。
また、吸気ポート3C,3Dは、内部を上下方向に区画し上側通路11C,11D及び下側通路12C,12Dを形成する隔壁9C,9Dを備え、隔壁9C,9Dより上流側の吸気ポート3C,3Dから下側通路12C,12Dへの空気の流入を遮断することができる遮断弁10C,10D(遮断手段)が備わる。上側通路11C,11Dには燃料噴射弁7C,7Dが設けられ、燃料噴射弁7C,7Dからはそれぞれ上側通路11C,11Dに燃料GfC,GfDが供給される。従って、吸気ポート3C,3Dから燃焼室20に流入するガスは上側通路11C,11Dから流入する空気と燃料の混合気であり、燃焼室20内には燃焼室20の中央部上方の点火プラグ14の近傍の領域に局在する混合気の層Gm1が形成される。
本実施例の内燃機関1の特徴点は、上側通路11C,11Dよりも中心軸線Cから遠い側にEGRガスを流入させるEGR通路6が、燃焼室20の上部の開口部5に接続されている点である。図9(B)に示すように、EGR通路6は中心軸線Cを挟んで吸気ポート3C,3Dと反対側の、排気ポート4C,4Dよりも更に遠い位置に接続されており、燃焼室20の上部から下方に向かってEGRガスが流入するように構成されている。EGR通路6から燃焼室20に流入するEGRガスの流量は開口部5を開閉するEGR弁31により調整される(流量調整手段)。
ECU15は、内燃機関1の運転状態に応じて燃料噴射弁7C,7D、遮断弁10C,10D、点火プラグ14、EGR弁31を含む各種の機器を制御する。すなわち、ECU15は、1サイクル中の吸気バルブ8C,8Dが開く前の所定期間のみEGR弁31を開弁し、それ以外の期間はEGR弁31を閉弁する。これにより、当該所定期間にEGR通路6から燃焼室20にEGRガスが流入し、燃焼室壁面近傍及びピストン頂面近傍に局在するEGRガスの層Ge6を形成する。更に、ECU15は、1サイクル中の吸気バルブ8C,8Dが開弁する期間は遮断弁10C,10Dを閉弁することにより、下側通路12C,12Dの上流側から下側通路12C,12Dへの空気の流入を遮断する。これにより、空気と燃料の混合気が上側通路11C,11Dから燃焼室20に流入するとともに、下側通路12C,12Dから燃焼室20へはガスの流入は起こらなくなる。
従って、本実施例の内燃機関1の燃焼室20内に形成されるガス分布は、図9(A)及び(B)に示すように、吸気ポート3C,3Dの上側通路11C,11Dから流入し燃焼室20の中央部上方の点火プラグ14の近傍に局在する混合気Gm1と、EGR通路6から流入し燃焼室下方及び燃焼室壁面付近の点火プラグ14から遠い領域に局在するEGRガスGe6と、からなる層状のガス分布になる。
ここで、図9(A)及び(B)には図示していないが、EGR通路6は図示しない排気マニホールドや排気マニホールドに接続される排気管に接続する。すなわち、本実施例の内燃機関1においてEGR通路6を介して行なわれる排気の還流はいわゆる外部EGRであり、冷却が容易であるため、排気ポートから直前の燃焼ガスを燃焼室内に吸入するいわゆる内部EGRガスや燃焼ガスの温度と比較して低温にすることができる。従って、本実施例の内燃機関1ではEGRガスの層は燃焼室壁面やピストン頂面等の低温部材との温度差を小さくすることができ、これら低温部材を介した熱散逸を抑制し、冷却損失を低減することが可能になる。
また、図9(A)及び図9(B)に示すようにエンドガスのほとんどはEGRガスとなるため、エンドガスが自着火しにくくなる。これにより、ノッキングの発生を抑制することができ、効率を向上させることが可能になる。更に、EGRガスを還流させた場合でも、燃料は燃焼室20の中央部上方の空気の層にのみ存在し、EGRガスの層には燃料噴射弁7C,7Dから噴射された燃料が存在しないガス分布となるため、燃焼悪化、HCやCOの発生、効率低下を好適に抑制することができる。また、ストイキ運転を行なった場合には排気通路に配置される三元触媒(図示省略)の排気浄化作用を良好に発揮させることが可能な排気性状となるため、排気の悪化を抑制することもできる。
本実施例においても、実施例1と同様、燃料噴射弁7C,7Dは下側通路12C,12D以外の吸気ポート3C,3Dのどこに設けても良い。
本実施例の内燃機関1では、吸気ポート3C,3Dの上側通路11C,11Dから燃焼室20に流入したガスが燃焼室20の中央部上方の点火プラグ14近傍の領域に局在し、EGR通路6から燃焼室20に流入したガスは燃焼室20の下方及び内壁面近傍に局在する。従って、実施例1と同様に、EGRガスの還流を行なわない運転条件においても、E
GR通路6からEGRガスの代わりに空気を流入させれば、燃焼室の中央部上方の領域に局在する可燃混合気を外側の空気の層で包み込むようなガス分布を形成することができ、EGRガスの還流を行なった場合と同様に冷却損失の低減やノッキングの抑制といった効果を得ることができる。
そこで、EGRガスの還流を行なわない運転条件においてEGR通路6から燃焼室20に空気を流入させることができるように、図10に示すように、EGR通路6への排気の流入を遮断することができる排気遮断弁35(排気遮断手段)をEGR通路6に設けるとともに、排気遮断弁35より下流側のEGR通路6に吸気通路に連通する空気導入路33を接続し、EGRガスを還流させない運転条件において排気遮断弁35によりEGR通路6への排気の流入を遮断するようにECU15による制御を行なうようにしても良い。
こうすることにより、図10(A)及び(B)に示すように、EGR通路6から燃焼室20に流入するガスは空気になる。従って、燃焼室20内のガス分布は、燃焼室20の中央部上方の点火プラグ14近傍の領域に上側通路11C,11Dから流入した空気と燃料の可燃混合気Gm1が局在し、その周囲及び下方にEGR通路6から流入した空気Ga6が局在する層状のガス分布となる。このような層状のガス分布が形成されることにより、機関始動時や冷間時において燃料濃度を過濃にしなくても燃焼状態を安定させることができるので、燃費性能と排気性能の低下を抑制できる。また、EGRガスの還流を行なわない運転条件においても、低温の空気の層Ga6により可燃混合気の層Gm1が包み込まれるような層状のガス分布となるので、燃焼室壁面やピストン頂面等の低温部材とそれに接するガスとの温度差を小さくすることができ、上述したEGRガスの還流を行なう運転条件の場合と同様に、冷却損失を低減することができるとともに、エンドガスに燃料が含まれないためノッキングを抑制することができる。
ECU15は、内燃機関1の運転条件(回転数や負荷等)を取得し、EGRガスの還流を行なうべき運転条件の場合には目標EGRガス流量に対応する開度にEGR弁31を開弁するとともにEGR通路6への排気の流入を遮断しないように排気遮断弁35を制御し、EGRガスの還流を行なわない運転条件の場合にはEGR弁31を開弁するとともにEGR通路6への排気の流入を遮断するように排気遮断弁35を制御する。そうすることで、EGRガス還流の実施の有無によらず、冷却損失低減及びノッキング発生抑制の効果が得られる。排気遮断弁35は、図10(A)及び(B)に示すように、EGR通路6へ流入するガスを排気又は空気のいずれかにすることができるような三方弁とすることも好ましい。
(実施例4)
上記の実施例3の構成による燃焼室内ガスの成層化は、筒内噴射式内燃機関にも適用できる。本実施例は、上述した吸気ポート3C,3Dの上側通路11C,11Dから燃焼室20に流入するガスとEGR通路6から燃焼室20に流入するガスとを燃焼室20内で成層化させる構成を筒内噴射式内燃機関に適用した実施例である。
図11は、本実施例に係る内燃機関1の概略構成を説明するための図であり、図11(A)は図8の矢印Aで示す方向から見た内燃機関1の断面を示し、図11(B)は図8の矢印Bで示す方向から見た内燃機関1の断面を示す。図11に示す本実施例の内燃機関1の構成と図9に示す実施例3の内燃機関1の構成との相違は、実施例3における燃料噴射弁7C,7Dの代わりに本実施例では燃焼室20内に直接燃料を噴射する燃料噴射弁30を備えた点である。
本実施例の内燃機関1の吸気ポート3C,3Dは実施例3と同等の構成を有しており、吸気バルブ8C,8Dが開弁される期間は遮断弁10C,10Dが閉弁され、上側通路1
1C,11Dから燃焼室20に流入するガスは空気となり、EGR通路6から燃焼室20に流入するガスはEGRガスとなる。従って、燃焼室20内では、図11(A)及び(B)に示すように、燃焼室20の中央部上方の領域に空気Ga1が局在し、この空気の層を外側及び下方からEGRガスGe6が包み込むような層状のガス分布が形成される。
これにより、本実施例の内燃機関1では、点火プラグ14の近傍に空気Ga1が局在し、この空気と燃焼室壁面やピストン頂面等の熱散逸の原因となる低温部材との間にはEGRガスの層Ge6が介在することになる。
ここで、燃料噴射弁30は、燃料噴霧が、上側通路11C,11Dから燃焼室20に流入するガスが形成する層(空気Ga1)をEGR通路6から燃焼室20に流入するガスが形成する層(EGRガスGe6)よりも長く通過するように、燃焼室20の中央部上方に向かって燃焼室20の側面上部から燃料を噴射するように構成される。これにより、図11(A)及び(B)に示すように、燃料噴射弁30からの燃料噴霧Gfは、主に燃焼室20内に形成されるガス分布の空気の層Ga1を通過する。従って、燃焼室20の中央部上方の点火プラグ14近傍の領域において燃焼が起こり、燃焼エネルギーが燃焼室壁面やピストン頂面等を介して失われることを抑制でき、冷却損失を低減することが過濃になる。また、エンドガスのほとんどはEGRガスとなるため、エンドガスが自着火しにくくなり、ノッキングの発生を抑制することができる。
本実施例においても、実施例3と同様に、EGRガスの還流を行なわない運転条件においてEGR通路6から燃焼室20に空気を流入させることができれば、EGRガスの還流を行なわない運転条件においても、燃焼室の中央部上方の領域に局在する可燃混合気を外側の空気の層で包み込むようなガス分布を形成することができ、EGRガスの還流を行なった場合と同様に冷却損失の低減やノッキングの抑制といった効果を得ることができる。
図12は、図11に示した本実施例の構成に、EGRガスの還流を行なわない運転条件においてEGR通路6から燃焼室20に空気を流入させることができる構成を加えた内燃機関1の概略構成を示す図である。図10に示した実施例3の場合の構成と同様に、EGR通路6への排気の流入を遮断することができる排気遮断弁35(排気遮断手段)をEGR通路6に設けるとともに、排気遮断弁35より下流側のEGR通路6に吸気通路に連通する空気導入路33を接続し、EGRガスを還流させない運転条件において排気遮断弁35によりEGR通路6への排気の流入を遮断するようにECU15による制御を行なう。
これにより、図12(A)及び(B)に示すように、EGR通路6から燃焼室20に流入するガスは空気になる。従って、燃焼室20内のガス分布は、燃焼室20の中央部上方の点火プラグ14近傍の領域に上側通路11C,11Dから流入した空気Ga1が局在し、その周囲及び下方にEGR通路6から流入した空気Ga6が局在する層状のガス分布となる。このような層状のガス分布が形成されることにより、機関始動時や冷間時において燃料濃度を過濃にしなくても燃焼状態を安定させることができるので、燃費性能と排気性能の低下を抑制できる。また、EGRガスの還流を行なわない運転条件においても、低温の空気の層Ga6により可燃混合気の層Gm1が包み込まれるような層状のガス分布となるので、燃焼室壁面やピストン頂面等の低温部材とそれに接するガスとの温度差を小さくすることができ、上述したEGRガスの還流を行なう運転条件の場合と同様に、冷却損失を低減することができるとともに、エンドガスに燃料が含まれないためノッキングを抑制することができる。
なお、以上述べた実施例は本発明を説明するための一例であって、本発明の本旨を逸脱しない範囲内において上記の実施例は組み合わせたり変更を加えたりすることができる。
1 内燃機関
2 気筒
3A,3B,3C,3D 吸気ポート
4A,4B,4C,4D 排気ポート
5 開口部
6 EGR通路
7A,7B,7C,7D 燃料噴射弁
8A,8B,8C,8D 吸気バルブ
9A,9B,9C,9D 隔壁
10A,10B 遮断弁
11A,11B,11C,11D 上側通路
12A,12B,12C,12D 下側通路
13A,13B EGR通路
14 点火プラグ
15 ECU
16 ピストン
17 ピストンピン
18A,18B EGR弁
20 燃焼室
25A,25C 排気バルブ
30 燃料噴射弁
31 EGR弁
33 空気導入路
35 排気遮断弁
S1,S2 対称面
C 中心軸線

Claims (8)

  1. 燃焼室に連通する2つの吸気ポートと、
    前記各吸気ポート内部を上下方向に区画し上側通路及び下側通路を形成する隔壁と、
    前記各吸気ポートの前記下側通路以外に燃料を噴射する燃料噴射弁と、
    前記下側通路に連通し前記内燃機関の排気通路を流れる排気の一部をEGRガスとして前記下側通路に流入させるEGR通路と、
    を備え、
    前記2つの吸気ポートは、前記燃焼室の中心軸線を含む平面に対して対称に設けられ、各吸気ポートから前記燃焼室内に流入するガスにより形成されるタンブル流の流れベクトルが前記燃焼室の中心軸線を含む前記平面に垂直な方向において互いに対向するように構成され、
    前記上側通路は、前記下側通路よりも前記燃焼室の中心軸線に近い側にガスを流入させるように構成されることを特徴とする内燃機関の排気還流装置。
  2. 請求項1において、
    前記燃料噴射弁は、前記上側通路に燃料を噴射することを特徴とする内燃機関の排気還流装置。
  3. 燃焼室に連通する2つの吸気ポートと、
    前記各吸気ポート内部を上下方向に区画し上側通路及び下側通路を形成する隔壁と、
    前記燃焼室内に燃料を噴射する燃料噴射弁と、
    前記下側通路に連通し前記内燃機関の排気通路を流れる排気の一部をEGRガスとして前記下側通路に流入させるEGR通路と、
    を備え、
    前記2つの吸気ポートは、前記燃焼室の中心軸線を含む平面に対して対称に設けられ、各吸気ポートから前記燃焼室内に流入するガスにより形成されるタンブル流の流れベクトルが前記燃焼室の中心軸線を含む前記平面に垂直な方向において互いに対向するように構成され、
    前記上側通路は、前記下側通路よりも前記燃焼室の中心軸線に近い側にガスを流入させるように構成され、
    前記燃料噴射弁は、燃料噴霧が前記上側通路から前記燃焼室内に流入するガスが形成する層を前記下側通路から前記燃焼室内に流入するガスが形成する層よりも長く通過するように構成されることを特徴とする内燃機関の排気還流装置。
  4. 請求項1から3のいずれか1項において、
    前記下側通路の上流側から前記下側通路へのガスの流入を遮断することができる遮断手段を備えることを特徴とする内燃機関の排気還流装置。
  5. 請求項1から4のいずれか1項において、
    前記EGR通路から前記下側通路へ流入するEGRガスの流量を調整する流量調整手段を備えることを特徴とする内燃機関の排気還流装置。
  6. 燃焼室に連通する2つの吸気ポートと、
    前記各吸気ポート内部を上下方向に区画し上側通路及び下側通路を形成する隔壁と、
    前記下側通路の上流側から前記下側通路へのガスの流入を遮断することができる遮断手段と、
    前記各吸気ポートの前記下側通路以外に燃料を噴射する燃料噴射弁と、
    前記各吸気ポートを開閉する吸気バルブと、
    前記燃焼室に連通し前記内燃機関の排気通路を流れる排気の一部をEGRガスとして前
    記燃焼室内に流入させるEGR通路と、
    前記EGR通路から前記燃焼室内へ流入するEGRガスの流量を調整する流量調整手段と、
    前記内燃機関の運転を制御する制御手段と、
    を備え、
    前記2つの吸気ポートは、前記燃焼室の中心軸線を含む平面に対して対称に設けられ、各吸気ポートから前記燃焼室内に流入するガスにより形成されるタンブル流の流れベクトルが前記燃焼室の中心軸線を含む前記平面に垂直な方向において互いに対向するように構成され、
    前記上側通路は、前記下側通路及び前記EGR通路よりも前記燃焼室の中心軸線に近い側にガスを流入させるように構成され、
    前記制御手段は、
    1サイクル中の前記吸気バルブが開く前の所定期間は前記燃焼室内へEGRガスが流入し、それ以外の期間は前記燃焼室内へEGRガスが流入しないように前記流量調整手段を制御し、
    1サイクル中の前記吸気バルブが開弁する期間は前記下側通路の上流側から前記下側通路への吸気の流入を遮断するよう前記遮断手段を制御することを特徴とする内燃機関の排気還流装置。
  7. 燃焼室に連通する2つの吸気ポートと、
    前記各吸気ポート内部を上下方向に区画し上側通路及び下側通路を形成する隔壁と、
    前記下側通路の上流側から前記下側通路へのガスの流入を遮断することができる遮断手段と、
    前記燃焼室内に燃料を噴射する燃料噴射弁と、
    前記各吸気ポートを開閉する吸気バルブと、
    前記燃焼室に連通し前記内燃機関の排気通路を流れる排気の一部をEGRガスとして前記燃焼室内に流入させるEGR通路と、
    前記EGR通路から前記燃焼室内へ流入するEGRガスの流量を調整する流量調整手段と、
    前記内燃機関の運転を制御する制御手段と、
    を備え、
    前記2つの吸気ポートは、前記燃焼室の中心軸線を含む平面に対して対称に設けられ、各吸気ポートから前記燃焼室内に流入するガスにより形成されるタンブル流の流れベクトルが前記燃焼室の中心軸線を含む前記平面に垂直な方向において互いに対向するように構成され、
    前記上側通路は、前記下側通路及び前記EGR通路よりも前記燃焼室の中心軸線に近い側にガスを流入させるように構成され、
    前記燃料噴射弁は、燃料噴霧が前記上側通路から前記燃焼室内に流入するガスが形成する層を前記EGR通路から前記燃焼室内に流入するガスが形成する層よりも長く通過するように構成され、
    前記制御手段は、
    1サイクル中の前記吸気バルブが開く前の所定期間は前記燃焼室内へEGRガスが流入し、それ以外の期間は前記燃焼室内へEGRガスが流入しないように前記流量調整手段を制御し、
    1サイクル中の前記吸気バルブが開弁する期間は前記下側通路の上流側から前記下側通路への吸気の流入を遮断するように前記遮断手段を制御することを特徴とする内燃機関の排気還流装置。
  8. 請求項6又は7において、
    前記内燃機関の吸気通路を流れる吸気の一部を前記EGR通路に流入させる通路と、
    前記排気通路から前記EGR通路への排気の流入を遮断することができる排気遮断手段と、
    を備え、
    前記制御手段は、前記内燃機関の所定の運転状態において、前記排気通路から前記EGR通路への排気の流入を遮断するように前記排気遮断手段を制御することにより、前記EGR通路から前記燃焼室内に吸気の一部を流入させることを特徴とする内燃機関の排気還流装置。
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