JP2009167868A - 予混合圧縮自着火内燃機関 - Google Patents

予混合圧縮自着火内燃機関 Download PDF

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Abstract

【課題】予混合圧縮自着火内燃機関の燃焼に伴う騒音のレベルを低下させること。
【解決手段】この内燃機関10は、第1吸気通路(第1インテークマニホールド41A及び第1吸気ポート31A)と、第2吸気通路(第2インテークマニホールド41B及び第2吸気ポート31B)と、を有する。第1吸気通路には排気還流管61を介して外部EGRガスが流入する。第2吸気弁32Bは排気行程において開弁させられ、燃焼ガス(内部EGRガス)が第2吸気通路に流出する。吸気行程中、外部EGRガスと新気とが第1吸気通路から燃焼室内に流入し、内部EGRガスと新気とが第2吸気通路から燃焼室内に流入する。その結果、燃焼室内には外部EGRガスを含む第1高温領域と、高温の内部EGRガスを含む第2高温領域と、が形成される。従って、自着火燃焼が第2高温領域において先に開始し、その後、第1高温領域において開始するので、自着火燃焼が緩慢となる。
【選択図】 図2

Description

本発明は、燃焼室内に燃料の分布が均質な混合気を形成し、同形成された混合気を同燃焼室内にて圧縮することにより自着火させる予混合圧縮自着火内燃機関に関する。
従来から、空気と燃料とを含む均質な(燃料濃度が均一な)混合気を燃焼室に形成し、その混合気を同燃焼室内にて圧縮することにより自着火させて燃焼させる予混合圧縮自着火内燃機関が知られている。この予混合圧縮自着火内燃機関においては、空燃比を極めて大きな空燃比(超リーン)とし且つ圧縮比を高くすることができる。従って、広い運転領域で予混合圧縮自着火運転を行うことができれば、燃費を改善することができるとともに窒素酸化物(以下「NOx」と表記する。)の排出量を低減することができると考えられている。
ところで、自着火による燃焼(自着火燃焼)においては、圧縮された混合気は多数の着火点にてほぼ同時に着火され、極めて短期間のうちに燃焼する。このため、特に燃料量が多い高負荷運転領域において、燃焼室内の圧力(筒内圧力)が急激に上昇する。その結果、ノッキングに類似する現象が生じ、燃焼音(騒音)が大きくなる。
一方、自着火による燃焼を緩慢に進ませることができれば、筒内圧力の上昇率は低下するから、燃焼音を小さくすることができる。このため、従来の予混合圧縮自着火内燃機関は、排気行程において燃焼室から排出された高温の既燃ガス(外部EGRガス)を吸気行程において二つの吸気ポートのうちの一つから導入するとともに他の吸気ポートから低温の空気(新気)を導入することにより、燃焼室内に温度勾配が大きくなる領域(外部EGRガス層と空気層とが接する領域)を形成し、その領域に燃料を噴射するようになっている。これによれば、温度の高い領域から温度勾配に従って温度の低い領域へと順次自着火燃焼が進むので、急激な燃焼を抑制することができると考えられている(例えば、特許文献1を参照。)。
特開2001−214741号公報(段落番号0028及び0029、段落番号0044乃至0049)
しかしながら、上記従来技術によると、実際には自着火燃焼を緩慢にし難いので、騒音を十分に低減できないという問題がある。この理由は次のように考えられる。
温度の高い領域において自着火タイミングは早くなる。ところが、その温度の高い領域を形成するために使用されるEGRガス自体は不活性ガスであるから、自着火タイミングを遅らせるように作用する。その結果、空気が多く存在する低温領域における自着火タイミングと、外部EGRガスが多く存在する高温領域における自着火タイミングと、の間に時間的な差が発生し難い。
本発明の目的の一つは、温度の異なる二種類の既燃ガス(後述する、内部EGRガス及び外部EGRガス)を用いて、高温領域と低温領域とを有し且つ均質な燃料分布を有する混合気を燃焼室内に形成することにより自着火燃焼を緩慢に行わせ、以って、発生する騒音レベルが低い予混合圧縮自着火内燃機関を提供することにある。
具体的に述べると、本発明による予混合圧縮自着火内燃機関は、
燃焼室と、
前記燃焼室に接続されたガス通路を形成する第1吸気通路と、
開弁時に前記第1吸気通路と前記燃焼室とを連通させるとともに閉弁時に同第1吸気通路と同燃焼室との連通を遮断する第1吸気弁と、
前記燃焼室に接続されるとともに前記第1吸気通路が形成するガス通路とは別の独立したガス通路を形成する第2吸気通路と、
開弁時に前記第2吸気通路と前記燃焼室とを連通させるとともに閉弁時に同第2吸気通路と同燃焼室との連通を遮断する第2吸気弁と、
前記燃焼室に接続されるとともに同燃焼室にて生成された既燃ガスを通流させる排ガス通路を形成する排気通路と、
一端が前記排気通路に接続された外部EGR用通路と、
を備え、前記第1吸気通路及び前記第2吸気通路を通して前記燃焼室内に供給された新気を含むガスを使用して同燃焼室内に燃料の分布が均質な混合気を形成し、同燃焼室において同形成された混合気を圧縮することにより自着火させる予混合圧縮自着火内燃機関であって、
前記外部EGR用通路の他端は前記第2吸気通路に接続されることなく前記第1吸気通路に接続され、且つ、
前記機関の排気行程内における第1タイミングにて前記第2吸気弁を閉弁状態から開弁状態へと変化させることにより既燃ガスを前記燃焼室から前記第2吸気通路に流出させ、その後の第2タイミングにて前記第1吸気弁を閉弁状態から開弁状態へと変化させることにより前記外部EGR用通路を通過した既燃ガスを前記第1吸気通路を介して前記燃焼室に流入させるとともに、前記第2吸気通路に流出させた前記既燃ガスを同第2吸気通路を介して同燃焼室に再流入させる吸気弁制御手段を備える。
これによれば、吸気行程中、「外部EGR用通路を通過した既燃ガス(以下、「外部EGRガス」とも称呼する。)」が第1吸気通路を通して新気とともに燃焼室内に流入する。更に、排気行程中の第1タイミングにて第2吸気弁が開弁させられることにより「外部EGRガスよりも高温の既燃ガス(以下、「内部EGRガス」と称呼する。)」が第2吸気通路内に流出する。そして、吸気行程中、その流出した内部EGRガスは新気とともに第2吸気通路(第1吸気通路とは独立した通路)を介して燃焼室に再流入する。内部EGRガスは外部EGR用通路を通過していない既燃ガスであり、且つ、その既燃ガスが生成された時点から燃焼室内に流入する時点までの時間が外部EGRガスよりも短い。従って、内部EGRガスは外部EGRガスよりも高温である。
この結果、燃焼室内には「外部EGRガスを多量に含む第1高温領域」と、その第1高温領域よりも高温の領域である「内部EGRガスを多量に含む第2高温領域」とが形成される。この第1高温領域及び第2高温領域は、何れも既燃ガス(EGRガス)を多量に含む領域である。従って、既燃ガスが不活性ガスであることによる自着火タイミングの遅れは第1高温領域及び第2高温領域の何れでも発生する。この結果、相対的に温度が高い第2高温領域における自着火タイミングの方が相対的に温度の低い第1高温領域における自着火タイミングよりも先に発生する。従って、燃焼が緩慢に進行するので、騒音レベルが低下する。
この場合、
前記第1吸気通路は、同第1吸気通路を介して前記燃焼室に流入するガスにより同燃焼室内に所定方向のガスの流れを形成するように構成され、
前記第2吸気通路は、同第2吸気通路を介して前記燃焼室に流入するガスにより同燃焼室内に前記所定方向と略平行なガスの流れを形成するように構成されていることが好適である。
これによれば、外部EGRガスを多量に含む第1高温領域と内部EGRガスを多量に含む第2高温領域とを燃焼室内に明瞭に形成することができる。
更に、本発明による予混合圧縮自着火内燃機関は、
「前記第1吸気通路を介して前記燃焼室に流入する総てのガスの重量」に対する「前記外部EGR用通路を通過した後に同第1吸気通路を介して同燃焼室に流入する前記既燃ガスの重量」の比である外部EGR率を前記機関の運転状態に応じて変更する外部EGR率変更手段を備え、
前記吸気弁制御手段は、前記第1タイミングを変化させることにより、「前記第2吸気通路を介して前記燃焼室に流入する総てのガスの重量」に対する「同第2吸気通路を介して同燃焼室に再流入する前記既燃ガスの重量」の比である内部EGR率を、前記変更される外部EGR率に一定の係数を乗じた値と一致させるように構成されることが好適である。即ち、外部EGR率と内部EGR率との比が一定値となるように、外部EGR率と内部EGR率を変更することが好適である。
例えば、機関の負荷が小さい場合、機関が暖機完了前である場合及び新気が低温である場合等において、既燃ガス量を増大することにより混合気の温度を上昇させれば、安定した自着火燃焼を実現することができる。このように既燃ガス量を増大する場合、外部EGR率のみを増大させると、外部EGRガスを多量に含む第1高温領域における自着火タイミングが場合により早くなる。一方、内部EGRガスを含む第2高温領域における自着火タイミングは変化しない。この結果、第1高温領域における自着火タイミングが第2高温領域における自着火タイミングに近づくから、筒内圧力の上昇率が増大し、騒音レベルが大きくなる虞がある。
これに対し、上記構成のように、外部EGR率と内部EGR率との比を一定値に維持すれば、混合気全体に含まれる既燃ガス量を増大しながら、第2高温領域における自着火タイミングと第1高温領域における自着火タイミングとの間の時間差を維持することができる。この結果、機関が発生する騒音レベルを低い値に維持することができる。なお、外部EGR率と内部EGR率との上記比は「1」であること、即ち、外部EGR率と内部EGR率とは常に同じ率となるように、外部EGR率に応じて前記第1タイミングを変化させることが望ましい。
以下、本発明による内燃機関の各実施形態について説明する。各実施形態の内燃機関は、総ての運転領域において燃焼室内に均質な混合気(燃料濃度(燃料の空間分布)が一様な混合気である「均質混合気」)を形成し、その混合気を燃焼室内にて圧縮することにより自着火させて燃焼させる「予混合圧縮自着火運転」を行い得る多気筒(本例では、直列4気筒)ピストン往復動型内燃機関である。
なお、本発明による予混合圧縮自着火内燃機関は、一部の運転領域において4サイクル予混合圧縮自着火運転を行い、他の運転領域において燃焼室内に混合気を形成し、その混合気を火花により点火して燃焼させる4サイクル火花点火運転を行う内燃機関であってもよい。更に、本発明による予混合圧縮自着火内燃機関は、一部の運転領域において4サイクル予混合圧縮自着火運転を行い、他の運転領域において「圧縮により高圧となった空気を含むガス中に燃料を噴射して燃焼させる4サイクル拡散燃焼運転」を行う内燃機関であってもよい。
(第1実施形態)
図1は、本発明の第1実施形態に係る予混合圧縮自着火内燃機関10の燃焼室近傍の部材を切断した断面図である。図2は、機関10のシリンダヘッドの上方から見た燃焼室及び燃焼室近傍を示す概念図である。なお、図1及び図2は特定の気筒の構造を示しているが、他の気筒も同様の構造を備えている。
この機関10は、図1に示したように、シリンダブロック部20と、シリンダヘッド部30と、シリンダブロック部20に空気(新気)を供給するための吸気系統40と、シリンダブロック部20からの排ガスを外部に放出するための排気系統50と、排気還流部(外部EGR用通路部)60と、を備えている。
シリンダブロック部20は、シリンダブロック、シリンダブロックロワーケース及びオイルパン等を含んでいる。シリンダブロック部20は円筒状のシリンダボア21を形成している。ピストン22はシリンダボア21内に収容されている。ピストン22は、シリンダボア21に沿って往復動し、コネクティングロッド23を介して図示しないクランク軸を回転させるようになっている。
シリンダヘッド部30は、シリンダブロック部20の上部に固定されている。シリンダヘッド部30の下面であってシリンダボア21の直上に位置する部分、シリンダボア21(シリンダ壁面)及びピストン22の上面は燃焼室24を形成している。
以下、説明を簡単にするため、次のように領域を定義する(図1及び図2を参照。)。
シリンダボア21の中心軸線CLを含む一つの平面である「第1平面PL1」により、燃焼室24を二つの領域に分割する(第1平面PL1はシリンダ配列方向に沿った平面である。)。この二つの領域のそれぞれの断面形状は半円である。更に、第1平面PL1に直交する平面であって中心軸線CLを通る平面である「第2平面PL2」により、燃焼室24を二つの半円状領域に分割する。この二つの領域のそれぞれの断面形状も半円である。
(1)第1領域Ar1…図2において第1平面PL1よりも右側且つ第2平面PL2よりも上側の領域。
(2)第2領域Ar2…図2において第1平面PL1よりも左側且つ第2平面PL2よりも上側の領域。
(3)第3領域Ar3…図2において第1平面PL1よりも左側且つ第2平面PL2よりも下側の領域。
(4)第4領域Ar4…図2において第1平面PL1よりも右側且つ第2平面PL2よりも下側の領域。
シリンダヘッド部30には、燃焼室24に連通する吸気ポート31が形成されている。吸気ポート31はシリンダヘッド部30の下面であって燃焼室24の上部に開口31aを形成している。以下、この開口を「吸気ポート開口31a」と称呼する。吸気ポート31は、図1の矢印Aにより示したように、吸気ポート31を通して燃焼室24内に流入する空気にタンブル流(順方向のタンブル流、順タンブル、縦スワール)を発生させる形状を有している。このタンブル流は、第2平面PL2と略平行となるように形成される。
図2から理解されるように、吸気ポート31は一つの燃焼室24に対して二つ備えられている。一対の吸気ポート開口31a,31aのうちの一つは、第2領域Ar2内に形成されている。以下、第2領域Ar2内に吸気ポート開口31aを形成する吸気ポート31を「第1吸気ポート31A」とも称呼する。一対の吸気ポート開口31a,31aのうちの他の一つは、第3領域Ar3内に形成されている。以下、第3領域Ar3内に吸気ポート開口31aを形成する吸気ポート31を「第2吸気ポート31B」とも称呼する。
従って、第1吸気ポート31Aは、第1吸気ポート31Aを介して燃焼室24に流入するガスにより、燃焼室24の第2領域Ar2及び第1領域Ar1内に所定方向のガスの流れ(第2平面PL2と略平行な方向のタンブル流)を形成するように構成されている。第2吸気ポート31Bは、第2吸気ポート31Bを介して燃焼室24に流入するガスにより、燃焼室24の第3領域Ar3及び第4領域Ar4内に前記所定方向と略平行なガスの流れ(第2平面PL2と略平行な方向のタンブル流)を形成するように構成されている。
再び、図1を参照すると、吸気弁32は、シリンダヘッド部30に移動可能に保持されている。吸気弁32は吸気弁駆動機構32aにより移動されるようになっている。吸気弁駆動機構32aは、図示しない電磁機構を備え、駆動信号に応答して吸気弁32を初期位置から最大リフト位置まで移動させるようになっている。
吸気弁32が燃焼室24側に移動させられることにより吸気ポート31と燃焼室24とが連通する状態を、吸気弁32が開弁している状態にあるという。吸気弁32が初期位置に移動させられることにより吸気ポート31と燃焼室24との連通が遮断される状態を、吸気弁32が閉弁している状態にあるという。図2に示したように、「第1吸気ポート31A」に対して備えられた吸気弁32を、以下「第1吸気弁32A」とも称呼する。同様に、「第2吸気ポート31B」に対して備えられた吸気弁32を、以下「第2吸気弁32B」とも称呼する。
シリンダヘッド部30には、燃焼室24に連通する排気ポート33が形成されている。排気ポート33はシリンダヘッド下面であって燃焼室24の上部に開口33aを形成している。以下、この開口を「排気ポート開口33a」と称呼する。
図2から理解されるように、排気ポート33は一つの燃焼室24に対して二つ備えられている。一対の排気ポート開口33a,33aのうちの一つは、第1領域Ar1内に形成されている。一対の排気ポート開口33a,33aのうちの他の一つは、第4領域Ar4内に形成されている。
再び、図1を参照すると、排気弁34は、シリンダヘッド部30に移動可能に保持されている。排気弁34は排気弁駆動機構34aにより移動されるようになっている。排気弁駆動機構34aは、図示しない電磁機構を備え、駆動信号に応答して排気弁34を初期位置から最大リフト位置まで移動させるようになっている。なお、排気弁34が燃焼室24側に移動させられることにより排気ポート33と燃焼室24とが連通する状態を、排気弁34が開弁している状態にあるという。排気弁34が初期位置に移動させられることにより排気ポート33と燃焼室24との連通が遮断される状態を、排気弁34が閉弁している状態にあるという。
燃料噴射弁35は、その噴孔が燃焼室24に露呈するようにシリンダヘッド部30に固定されている。燃料噴射弁35は、駆動信号(噴射指示信号)に応答して開弁することにより、噴孔から燃焼室24内に燃料を直接噴射する筒内噴射弁(直噴弁)である。燃料噴射弁35は、第2領域Ar2と第3領域Ar3とに跨る領域(一対の吸気ポート開口31a,31aの間)であって、一対の吸気ポート開口31a,31aよりも燃焼室24の外周側に配置されている。燃料噴射弁35は、噴孔を頂点とする円錐状に燃料を噴射する。その円錐の中心軸は、燃焼室24の上方から見た場合、第1平面PL1に直交し、且つ、第2平面PL2に一致している。更に、その中心軸が伸びる向きは、シリンダヘッド部30の下面からピストン22の頂面に向かう方向の成分を有する。
点火プラグ36は、その火花発生部が燃焼室24を形成するシリンダヘッド部30の下面の領域の中央部に露呈するように、シリンダヘッド部30に固定されている。イグナイタ37は、点火プラグ36に与える高電圧を発生するイグニッションコイルを含んでいる。イグナイタ37は点火プラグ36と接続された状態にて、シリンダヘッド部30に固定されている。イグナイタ37は、点火指示信号に応答して点火用火花を点火プラグ36の火花発生部に発生させるようになっている。
吸気系統40は、図示しない吸気ダクトと、その吸気ダクトが接続された図示しないサージタンクと、そのサージタンクから分岐した複数のインテークマニホールド41と、を含んでいる。即ち、各インテークマニホールド41の一端はサージタンクに接続され、各インテークマニホールド41の他端は一つの吸気ポート31に接続されている。
図2に示したように、第1吸気ポート31Aに接続されたインテークマニホールド41は「第1インテークマニホールド41A」とも称呼される。同様に、第2吸気ポート31Bに接続されたインテークマニホールド41は「第2インテークマニホールド41B」とも称呼される。更に、第1吸気ポート31A及び第1インテークマニホールド41Aから構成される吸気通路は「第1吸気通路」とも称呼され、第2吸気ポート31B及び第2インテークマニホールド41Bから構成される吸気通路は「第2吸気通路」とも称呼される。
このように、第1吸気通路及び第2吸気通路は、サージタンクを通して新気(空気)を燃焼室24に供給する通路である。但し、第1吸気通路内の新気を含むガスが第2吸気通路内に侵入することはなく、同様に、第2吸気通路内の新気を含むガスが第1吸気通路内に侵入することはない。即ち、第2吸気通路は、第1吸気通路が形成するガス通路とは別の独立したガス通路を形成している。
図示しない吸気ダクトには図示しないスロットル弁が回動可能に保持されている。スロットル弁は図示しないスロットル弁アクチュエータにより回転させられて吸気通路断面積を変更することにより、燃焼室24に供給される新気の量(吸入空気量)を変更できるようになっている。
排気系統50は、複数のエグゾーストマニホールド51を含んでいる。各エグゾーストマニホールド51の一端は一つの排気ポート33に接続され、各エグゾーストマニホールド51の他端は集合して図示しない集合部を形成している。その集合部は図示しない排気管に接続されている。各エグゾーストマニホールド51及び排気管は排気通路を構成している。排気管には図示しない三元触媒が配設されている。
排気還流部60は、外部EGR用通路を形成する排気還流管61と、EGRバルブ62と、を備えている。
排気還流管61の一端はエグゾーストマニホールド51(又は、排気管)に接続されている。排気還流管61の他端は第1インテークマニホールド41A(一つの燃焼室24に接続された一対の吸気ポート31,31のうちの一方である第1吸気ポート31Aに接続されたインテークマニホールド41A)のみに接続されている。即ち、排気還流管61は第2インテークマニホールド41Bには接続されていない。換言すると、排気還流管61により形成される外部EGR用通路は、第2吸気通路に接続されることなく、第1吸気通路にのみ接続されている。
EGRバルブ62は、駆動信号(指示信号)に応答して排気還流管61の流路断面積を変更するようになっている。EGRバルブ62は、外部EGR率変更手段の一部を構成する。
更に、機関10は図示しない電気制御装置を備えている。電気制御装置は、CPU、ROM及びRAM等を備えたマイクロコンピュータである。電気制御装置は、吸気弁駆動機構32a、排気弁駆動機構34a、燃料噴射弁35、イグナイタ37及びEGRバルブ62等に対して対応する駆動信号(指示信号)を送出するようになっている。なお、電気制御装置はEGRバルブ62の開度を「0」でない所定の開度に設定している。
次に、上記のように構成された機関10の作動について説明する。この機関10は、上述したように4気筒4サイクル機関である。従って、機関10の各気筒はクランク軸が720°回転する毎に吸気行程・圧縮行程・膨張行程・排気行程を繰り返す。
いま、機関10が圧縮行程(吸気下死点から圧縮上死点までの期間)にあると仮定する。後述するように、この圧縮行程において均質混合気が燃焼室24内にて圧縮される。その結果、均質混合気は圧縮上死点近傍にて自着火することによって燃焼を開始する。
これにより、機関10は膨張行程(圧縮上死点から膨張下死点までの期間)に入る。この膨張行程の初期において燃焼室24内の混合気の燃焼が進行する。その結果、膨張行程中期から後期において燃焼室24内には「既燃ガス(燃焼ガス)」が発生する。
その後、図3に示したように、膨張下死点近傍の排気弁開弁タイミングExOになると、電気制御装置は排気弁駆動機構34aに駆動信号を送出し、それにより排気弁34を開弁させる。この結果、既燃ガスが排気ポート33を通して燃焼室24内部から燃焼室24の外部の排気通路へと排出される。即ち、排気行程が実質的に開始する。
更に、時間が経過して機関10のクランク角が排気上死点前の所定のクランク角θ1(BTDCθ1、θ1>0)に一致する「排気弁閉弁タイミングExC」になると、電気制御装置は排気弁駆動機構34aに駆動信号を送出し、それにより排気弁34を閉弁させる。これにより、燃焼室24から排気ポート33への既燃ガスの排出は終了する。
一方、機関10のクランク角が排気上死点前の所定のクランク角θ2(BTDCθ2、θ2>θ1>0)に一致する「第2吸気弁開弁タイミングIn2O」になると、電気制御装置は第2吸気弁32Bを駆動する吸気弁駆動機構32aに駆動信号を送出し、それにより第2吸気弁32Bを開弁させる。このクランク角θ2は、クランク角θ1よりも大きく、燃焼室24内に既燃ガスが残存している時期(既燃ガスが排気ポート33を含む排気通路側へ総て排出される前の時期)に選択されている。従って、燃焼室24内の既燃ガスが燃焼室24から第2吸気ポート31B及び第2インテークマニホールド41B(即ち、第2吸気通路)へと流出する。但し、第2吸気通路に流出した既燃ガス(即ち、内部EGRガス)が第1吸気通路と第2吸気通路との接続部であるサージタンクを通して第1吸気通路に侵入する前に次の吸気行程が開始する。なお、第2吸気弁開弁タイミングIn2Oは便宜上「第1タイミング」とも称呼される。
機関10のクランク角が排気上死点前の所定のクランク角θ3(BTDCθ3、θ3>0、θ3<θ1)に一致する「第1吸気弁開弁タイミングIn1O」になると、電気制御装置は第1吸気弁32Aを駆動する吸気弁駆動機構32aに駆動信号を送出し、それにより第1吸気弁32Aを開弁させる。このクランク角θ3は略「0」である。換言すると、第1吸気弁開弁タイミングIn1Oは排気上死点に極めて近い時期であり、第1吸気弁開弁タイミングIn1Oにおいて既燃ガスは燃焼室24内に実質的に残存していない。なお、第1吸気弁開弁タイミングIn1Oは便宜上「第2タイミング」とも称呼される。
この第1吸気弁開弁タイミングIn1O以降、第1吸気弁32A及び第2吸気弁32Bが共に開弁状態に維持され、ピストン22は排気上死点から吸気下死点に向けて下降する。即ち、吸気行程(排気上死点から吸気下死点までの間の期間)が開始する。
この吸気行程において、エグゾーストマニホールド51には着目している特定の気筒の燃焼室24及び他の気筒の燃焼室24から流出した既燃ガスが残存している。従って、第1インテークマニホールド41A及び第1吸気ポート31A(即ち、第1吸気通路)を介して「新気及び排気還流管61を通過した既燃ガス(外部EGRガス)」が燃焼室24内に流入する。更に、電気制御装置は吸気行程の所定の燃料噴射タイミングにて燃料噴射弁35を開弁する。これにより、所定量の燃料が燃焼室24内に噴射される。
更に、この吸気行程において、第2インテークマニホールド41B及び第2吸気ポート31B(即ち、第2吸気通路)を介して「新気及び第2吸気通路に流出させられていた既燃ガス(内部EGRガス)」が燃焼室24内に流入する。
ところで、電気制御装置は、外部EGR率が機関10の運転状態に応じた所定率となるようにEGRバルブ62の開度を調節している。外部EGR率とは下記の(1)式により示される。(1)式において、Ga1は第1吸気通路を通して燃焼室24内に流入する新気の重量であり、EGR1は第1吸気通路を通して燃焼室24内に流入する外部EGRガスの重量である。
外部EGR率=EGR1/(Ga1+EGR1) …(1)
即ち、外部EGR率は、「第1吸気通路を介して燃焼室24に流入する総てのガスの重量(Ga1+EGR1)」に対する「外部EGR用通路を通過した後に第1吸気通路を介して燃焼室24に流入する既燃ガスの重量(EGR1)」の比である。このように、電気制御装置は「外部EGR率変更手段」を備えている。なお、電気制御装置は、第1吸気通路を通して燃焼室24内に流入する新気の重量Ga1を直接又は間接的に計測する流量計を備えている。
更に、電気制御装置は、内部EGR率が外部EGR率と一致するように第2吸気弁開弁タイミングIn2Oを調節している。即ち、電気制御装置は吸気弁制御手段(内部EGR率変更手段)を備えている。
内部EGR率は下記の(2)式により示される。(2)式において、Ga2は第2吸気通路を通して燃焼室24内に流入する新気の重量であり、EGR2は第2吸気通路を通して燃焼室24内に再流入する内部EGRガスの重量である。
内部EGR率=EGR2/(Ga2+EGR2) …(2)
即ち、内部EGR率は、「第2吸気通路を介して燃焼室24に流入する総てのガスの重量(Ga2+EGR2)」に対する「第2吸気通路に流出された後に第2吸気通路を介して燃焼室24に再流入する既燃ガスの重量(EGR2)」の比である。なお、電気制御装置は、第2吸気通路を通して燃焼室24内に流入する新気の重量Ga2を直接又は間接的に計測する流量計を備えている。
より具体的に述べると、電気制御装置は運転状態(例えば、冷却水温度及び機関の負荷等)に応じEGRバルブ62の開度を増大して外部EGR率を増大させるとき、第2吸気弁開弁タイミングIn2Oを進角させる。即ち、図3の矢印Aにより示したように、上記クランク角θ2を増大させる。これにより排気行程中に第2吸気通路内に流出する既燃ガス量が増大するので、吸気行程中に第2吸気通路を介して燃焼室24内に再流入する既燃ガス量が増大し、内部EGR率が増大する。なお、このクランク角θ2の進角量は、外部EGR率に応じてマップ化されている。
この結果、図4に示したように、燃焼室24の第1領域Ar1及び第2領域Ar2(第2平面PL2よりも第1吸気弁32A側の空間)には、「外部EGRガスを多量に含み且つ内部EGRガスを含まない混合気(混合気層)Mx1」が形成される。更に、燃焼室24の第3領域Ar3及び第4領域Ar4(第2平面PL2よりも第2吸気弁32B側の空間)には、「内部EGRガスを多量に含み且つ外部EGRガスを含まない混合気(混合気層)Mx2」が形成される。即ち、燃焼室24内には「外部EGRガスを多量に含む第1高温領域(Mx1)」と「内部EGRガスを多量に含む第2高温領域(Mx2)」とが形成される。ところで、内部EGRガスは外部EGR用通路を通過していない既燃ガスであり、且つ、その既燃ガスが生成された時点から燃焼室24内に流入する時点までの時間が外部EGRガスよりも短い。従って、内部EGRガスは外部EGRガスよりも高温であるから、第2高温領域のガスの温度は第1高温領域のガスの温度よりも高い。
その後、図3に示したように、機関10のクランク角が吸気下死点近傍のクランク角に一致する「第1吸気弁閉弁タイミングIn1C及び第2吸気弁閉弁タイミングIn2C」になると、電気制御装置は第1吸気弁32Aを駆動する吸気弁駆動機構32a及び第2吸気弁32Bを駆動する吸気弁駆動機構32aのそれぞれに駆動信号を送出し、それにより第1吸気弁32A及び第2吸気弁32Bをそれぞれ閉弁させる。本例において、第1吸気弁閉弁タイミングIn1C及び第2吸気弁閉弁タイミングIn2Cは同じタイミングに設定されている。この時点において吸気行程は実質的に終了し、圧縮行程が開始する。
その後、混合気は圧縮されるので機関10のクランク角が圧縮上死点近傍になると、先ず、「内部EGRガスを多く含んでいて混合気の温度が早期に上昇する第2高温領域(混合気Mx2)」において自着火燃焼が開始する。その後、相対的に温度の低い第1高温領域(混合気Mx1)において自着火燃焼が開始する。この結果、燃焼室24内の混合気全体が同時に自着火燃焼を開始する場合に比べ、燃焼が緩慢に進行する。従って、騒音レベルが低下する。
次いで、膨張行程(圧縮上死点から膨張下死点までの期間)が開始し、機関10のクランク角が膨張下死点近傍のクランク角に一致する「排気弁開弁タイミングExO」になると、電気制御装置は排気弁34を駆動する吸気弁駆動機構34aに駆動信号を送出し、それにより排気弁34を開弁させる。これにより、前述した排気行程が開始する。
以上、説明したように、機関10は内部EGRガスと外部EGRガスとを利用して高温領域(第2高温領域)と空気よりは温度の高い低温領域(第1高温領域)を有し、且つ、燃料の分布は均質な混合気を燃焼室24内に形成することができる。従って、機関10は燃焼に伴う騒音のレベルを低下することができる。更に、機関10は、内部EGR率と外部EGR率とを同じ値に維持しながら既燃ガス量(外部EGRガス量及び内部EGRガス量)を変更するので、騒音レベルを増大することなく、着火時期を自在に変更することができる。
(第2実施形態)
次に、本発明による内燃機関の第2実施形態について説明する。図5に示したように、第2実施形態に係る内燃機関70は、第1実施形態の燃料噴射弁(筒内噴射弁)35に代えて二つの燃料噴射弁35A,35Bを備え、それぞれの燃料噴射弁からの燃料噴射量を機関70の運転状態に応じて相違させる点のみにおいて、第1実施形態に係る機関10と相違している。従って、以下、この相違点を中心として説明を加える。
燃料噴射弁35Aは、駆動信号(噴射指示信号)に応答して開弁することにより、第1吸気ポート31A内に燃料を噴射するように、図示しない機関70のシリンダヘッドに固定されている。即ち、燃料噴射弁35Aはポート噴射弁である。以下、燃料噴射弁35Aは「第1燃料噴射弁35A」とも称呼される。
燃料噴射弁35Bは、駆動信号(噴射指示信号)に応答して開弁することにより、第2吸気ポート31B内に燃料を噴射するように、図示しない機関70のシリンダヘッドに固定されている。即ち、燃料噴射弁35Bもポート噴射弁である。以下、燃料噴射弁35Bは「第2燃料噴射弁35B」とも称呼される。
図6に示したように、機関70の電気制御装置80は、アクセルペダル操作量センサ81、機関回転速度センサ82及び冷却水温センサ83と接続されている。電気制御装置80は、第1実施形態に係る機関10の電気制御装置と同様、図示しないCPU、ROM、RAM等を備えたマイクロコンピュータである。
アクセルペダル操作量センサ81は、図示しないアクセルペダルの操作量を検出し、そのアクセルペダル操作量Accpを表す信号を発生するようになっている。
機関回転速度センサ82は、機関70の回転速度を検出し、その機関回転速度NEを表す信号を発生するようになっている。
冷却水温センサ83は、機関70の冷却水温を検出し、その冷却水温THWを表す信号を発生するようになっている。
電気制御装置80は、第1燃料噴射弁35A、第2燃料噴射弁35B、EGRバルブ62、第1吸気弁32Aを駆動する吸気弁駆動機構32a、第2吸気弁32Bを駆動する吸気弁駆動機構32a及び一対の排気弁34,34を駆動する一対の排気弁駆動機構34a,34aと接続され、これらに駆動信号を送出するようになっている。
次に、機関70の作動について説明する。この機関70の電気制御装置80は、第1実施形態に係る機関10の電気制御装置と同様にEGRバルブ62、第1吸気弁32Aを駆動する吸気弁駆動機構32a、第2吸気弁32Bを駆動する吸気弁駆動機構32a及び一対の排気弁34,34を駆動する一対の排気弁駆動機構34a,34aに駆動信号を送出する。従って、機関70においても、燃焼室24の第1領域Ar1及び第2領域Ar2に「外部EGRガスを多量に含み且つ内部EGRガスを含まない混合気Mx1」が形成され、燃焼室24の第3領域Ar3及び第4領域Ar4に「内部EGRガスを多量に含み且つ外部EGRガスを含まない混合気Mx2」が形成される。その結果、自着火燃焼が緩慢に進行するので、燃焼に伴う騒音レベルが低下する。
更に、電気制御装置80のCPUは図7にフローチャートにより示した燃料噴射制御ルーチンを所定時間の経過毎に実行するようになっている。従って、所定のタイミングになると、CPUはステップ700から処理を開始し、以下に述べるステップ710乃至ステップ740の処理を順に行う。
ステップ710:CPUは、アクセルペダル操作量センサ81が検出するアクセルペダル操作量Accpと、機関回転速度センサが検出する機関回転速度NEと、をルックアップテーブルMapTAU(Accp,NE)に適用することにより、総燃料噴射量TAUを求める。この総燃料噴射量TAUは、アクセルペダル操作量Accp及び機関回転速度NEに基づいて定まる要求トルクを機関70に発生させるために必要な燃料量である。従って、総燃料噴射量TAUは機関70の負荷を表す。
ステップ720:CPUは、総燃料噴射量の分配係数kを、ステップ710にて求めた総燃料噴射量TAUとステップ720のブロック内に記載したルックアップテーブルとに基づいて求める。分配係数kは、総燃料噴射量TAUを、第1燃料噴射弁35Aから噴射される燃料量である燃料噴射量TAU1(第1燃料噴射量TAU1)と第2燃料噴射弁35Bから噴射される燃料量である燃料噴射量TAU2(第2燃料噴射量TAU2)とに分配する比率を定めるための係数である。このステップ720によれば、総燃料噴射量TAU(従って、機関70の負荷)が所定値よりも大きい高負荷領域において、分配係数kは「0」から「1」までの範囲内にて次第に増大するように求められる。
ステップ730:CPUは下記の(3)式に従って第1燃料噴射量TAU1を求める。
TAU1=(1+k)・TAU/2 …(3)
ステップ740:CPUは下記の(4)式に従って第2燃料噴射量TAU2を求める。
TAU2=(1−k)・TAU/2 …(4)
次いで、CPUはステップ750に進み、現時点が燃料噴射開始タイミングであるか否かを判定する。燃料噴射開始タイミングは吸気行程の初期におけるタイミングに定められている。そして、現時点が燃料噴射開始タイミングである場合、CPUはステップ750にて「Yes」と判定して以下に述べるステップ760及びステップ770の処理を実行し、ステップ795に進んで本ルーチンを一旦終了する。一方、現時点が燃料噴射開始タイミングでない場合、CPUはステップ750にて「No」と判定し、ステップ795に直接進んで本ルーチンを一旦終了する。
ステップ760:CPUはステップ730にて求められた第1燃料噴射量TAU1の燃料が第1燃料噴射弁35Aから噴射されるように、第1燃料噴射弁35Aに駆動信号を送出する。
ステップ770:CPUはステップ740にて求められた第2燃料噴射量TAU2の燃料が第2燃料噴射弁35Bから噴射されるように、第2燃料噴射弁35Bに駆動信号を送出する。
この結果、前記高負荷領域において、第1燃料噴射量TAU1は第2燃料噴射量TAU2よりも大きくなる。更に、前記高負荷領域において、第2燃料噴射量TAU2に対する第1燃料噴射量TAU1の比は、負荷が大きくなるほど大きくなる。従って、前記高負荷領域において、主燃焼(燃焼により発生する熱エネルギーの主たる部分)が外部EGRガスを含む第1高温領域(混合気Mx1)において発生する。このため、主燃焼の時期が膨張行程において遅角側に移行するので筒内圧力の上昇率が低下する。従って、前記高負荷領域における騒音レベルを一層低減することができる。
(第3実施形態)
次に、本発明による内燃機関の第3実施形態について説明する。第3実施形態に係る内燃機関は、その電気制御装置(CPU)が図7の燃料噴射制御ルーチンに代わる「図8にフローチャートにより示した燃料噴射制御ルーチン」を所定時間の経過毎に実行する点のみにおいて、第2実施形態に係る機関70と相違している。従って、以下、この相違点を中心として説明を加える。なお、図8に示したステップのうち図7に示したステップには同一の符号が付されている。以下において、これらのステップの詳細な説明は適宜省略される。
第3実施形態に係るCPUは所定のタイミングになると図8のステップ800から処理を開始し、上述したステップ710の処理を実行して総燃料噴射量TAUを求める。次に、CPUは以下に述べるステップ810乃至ステップ830の処理を順に行い、ステップ750に進む。
ステップ810:CPUは、総燃料噴射量の分配係数kを、ステップ710にて求めた総燃料噴射量TAUとステップ810のブロック内に記載したルックアップテーブルとに基づいて求める。このステップ810によれば、冷却水温THW(機関の暖機状態を示すパラメータ)が所定値よりも小さいとき(即ち、冷間時)、分配係数kは冷却水温THWが低くなるほど次第に増大するように求められる。但し、分配係数kは「0」から「1」までの範囲内の値である。
ステップ820:CPUは下記の(5)式に従って第1燃料噴射量TAU1を求める。
TAU1=(1−k)・TAU/2 …(5)
ステップ830:CPUは下記の(6)式に従って第2燃料噴射量TAU2を求める。
TAU2=(1+k)・TAU/2 …(6)
その後、CPUはステップ750乃至ステップ770の処理を実行することにより、第1燃料噴射量TAU1の燃料を第1燃料噴射弁35Aから噴射させるとともに、第2燃料噴射量TAU2の燃料を第2燃料噴射弁35Bから噴射させる。
この結果、前記冷間時において、第2燃料噴射量TAU2は第1燃料噴射量TAU1よりも大きくなる。更に、前記冷間時において、第1燃料噴射量TAU1に対する第2燃料噴射量TAU2の比は、冷却水温THWが低くなるほど大きくなる。従って、前記冷間時においては、第1高温領域(混合気Mx1)よりも着火時期が早い第2高温領域(混合気Mx2)の燃料量が増大するので、冷間時における自着火燃焼をより安定させることができる。
(第4実施形態)
次に、本発明による内燃機関の第4実施形態について説明する。第4実施形態に係る内燃機関は、EGRバルブ62の開度を変更するタイミングから所定時間だけ遅れたタイミングにて第2吸気弁開弁タイミングIn2Oを変更する点のみにおいて、第1実施形態に係る内燃機関10と相違している。従って、以下、この相違点を中心として説明を加える。
第4実施形態に係る内燃機関の電気制御装置(CPU)も、外部EGR率と内部EGR率とが同じ率となるように、EGRバルブ62の開度及び第2吸気弁開弁タイミングIn2Oを変更する。但し、図9のタイムチャートに示したように、EGRバルブ62の開度を増大させてから所定時間T1が経過した後に第2吸気弁開弁タイミングIn2Oを進角させる。この所定時間T1は、EGRバルブ62の開度が増大されてから実際の外部EGR率が増大するまでの時間に応じて設定されている。
同様に、この電気制御装置は、EGRバルブ62の開度を減少させてから所定時間T2が経過した後に第2吸気弁開弁タイミングIn2Oを遅角させる。この所定時間T2は、EGRバルブ62の開度が減少されてから実際の外部EGR率が減少するまでの時間に応じて設定されている。
このように第4実施形態に係る内燃機関は、EGRバルブ62の開度が変更されてから実際の外部EGR率が変化するまで第2吸気弁開弁タイミングIn2Oを変化させず、実際の外部EGR率が変化するタイミングにて第2吸気弁開弁タイミングIn2Oを変化させている。この結果、常に、外部EGR率と内部EGR率とを一致させることができる。なお、上記所定時間T1及び上記所定時間T2は、機関の吸入空気流量等の機関の負荷に応じて変化させられることが望ましい。換言すると、電気制御装置は、機関の負荷等の運転状態に基づいて「EGRバルブ62の開度を変更してから実際の外部EGR率が変化するまでの遅延時間」を推定し、EGRバルブ62の開度が実際に変更されてから「その推定された遅延時間」が経過した後に第2吸気弁開弁タイミングIn2Oを変化させることが望ましい。
以上、説明したように、本発明の各実施形態に係る予混合圧縮自着火内燃機関は、内部EGRガスと外部EGRガスとを利用することにより「相対的に高温の領域と相対的に低温の領域を有し、且つ、燃料の分布は均質な混合気」を燃焼室内に形成することができる。また、この高温の領域のEGR率と低温の領域のEGR率とは同じであるから、EGRガスが自着火タイミングを遅らせる程度も同程度である。従って、自着火燃焼は先ず高温の領域から開始し、次いで低温の領域へと移行するから、自着火燃焼を緩慢にすることができる。その結果、自着火燃焼に伴う騒音のレベルを低下することができる。
なお、本発明は上記各実施形態に限定されることはなく、本発明の範囲内において種々の変形例を採用することができる。例えば、本発明による予混合圧縮自着火内燃機関は、過給機を備えていてもよい。また、本発明による予混合圧縮自着火内燃機関において、排気弁は周知のエギゾーストカムにより駆動されてもよい。
更に、上記各実施形態において、外部EGR率と内部EGR率とは同じ率となるように、EGRバルブ62の開度及び第2吸気弁開弁タイミングIn2Oが変更されていたが、外部EGR率と外部EGR率との比が常に一定となるようにEGRバルブ62の開度及び第2吸気弁開弁タイミングIn2Oが変更されてもよい。即ち、電気制御装置により達成される第2吸気弁開弁タイミングIn2Oの変更手段(吸気弁制御手段)は、第2吸気弁開弁タイミングIn2Oを変化させることにより、内部EGR率を、外部EGR率に一定の係数を乗じた値と一致させるように構成されてもよい。換言すると、外部EGR率と内部EGR率との比が一定値となるように、電気制御装置は外部EGR率と内部EGR率を変更するように構成され得る。
加えて、本発明による内燃機関は、EGRバルブ62を一つだけ備え、その一つのEGRバルブ62により総ての気筒の外部EGR率を制御するように構成されてもよい。更に、第2吸気弁32Bは第2吸気弁開弁タイミングIn2Oから第1吸気弁開弁タイミングIn1Oまでの期間、開弁された状態に維持されていたが、第2吸気弁開弁タイミングIn2Oにて開弁させられた後、第1吸気弁開弁タイミングIn1Oまでに一度閉弁させられ、第1吸気弁開弁タイミングIn1Oにて再度開弁させられてもよい。
本発明の第1実施形態に係る予混合圧縮自着火内燃機関の燃焼室近傍の部材を切断した断面図である。 図1に示した機関を、そのシリンダヘッドの上方から見た燃焼室及び燃焼室近傍を示す概念図である。 図1に示した内燃機関の吸気弁及び排気弁の開閉タイミングを説明するための図である。 図1に示した内燃機関の燃焼室における混合気の様子を示した概念図である。 本発明の第2実施形態に係る予混合圧縮自着火内燃機関を、そのシリンダヘッドの上方から見た燃焼室及び燃焼室近傍を示す概念図である。 図5に示した内燃機関の電気制御装置、センサ及びアクチュエータの接続関係を示す電気ブロック図である。 図6に示した電気制御装置(CPU)が実行するルーチンを示したフローチャートである。 本発明の第3実施形態に係る内燃機関の電気制御装置(CPU)が実行するルーチンを示したフローチャートである。 本発明の第4実施形態に係る内燃機関におけるEGRバルブの開度及び第2吸気弁開弁タイミングの変更タイミングを示したタイムチャートである。
符号の説明
10…予混合圧縮自着火内燃機関、20…シリンダブロック部、21…シリンダボア、22…ピストン、23…コネクティングロッド、24…燃焼室、30…シリンダヘッド部、31…吸気ポート、31A…第1吸気ポート、31B…第2吸気ポート、31a…吸気ポート開口、32…吸気弁、32A…第1吸気弁、32B…第2吸気弁、32a…吸気弁駆動機構、33…排気ポート、34…排気弁、34a…吸気弁駆動機構、35…燃料噴射弁、35A…第1燃料噴射弁、35B…第2燃料噴射弁、40…吸気系統、41…インテークマニホールド、41A…第1インテークマニホールド、41B…第2インテークマニホールド、50…排気系統、51…エグゾーストマニホールド、60…排気還流部、61…排気還流管、62…EGRバルブ。

Claims (3)

  1. 燃焼室と、
    前記燃焼室に接続されたガス通路を形成する第1吸気通路と、
    開弁時に前記第1吸気通路と前記燃焼室とを連通させるとともに閉弁時に同第1吸気通路と同燃焼室との連通を遮断する第1吸気弁と、
    前記燃焼室に接続されるとともに前記第1吸気通路が形成するガス通路とは別の独立したガス通路を形成する第2吸気通路と、
    開弁時に前記第2吸気通路と前記燃焼室とを連通させるとともに閉弁時に同第2吸気通路と同燃焼室との連通を遮断する第2吸気弁と、
    前記燃焼室に接続されるとともに同燃焼室にて生成された既燃ガスを通流させる排ガス通路を形成する排気通路と、
    一端が前記排気通路に接続された外部EGR用通路と、
    を備え、前記第1吸気通路及び前記第2吸気通路を通して前記燃焼室内に供給された新気を含むガスを使用して同燃焼室内に燃料の分布が均質な混合気を形成し、同燃焼室において同形成された混合気を圧縮することにより自着火させる予混合圧縮自着火内燃機関であって、
    前記外部EGR用通路の他端は前記第2吸気通路に接続されることなく前記第1吸気通路に接続され、且つ、
    前記機関の排気行程内における第1タイミングにて前記第2吸気弁を閉弁状態から開弁状態へと変化させることにより既燃ガスを前記燃焼室から前記第2吸気通路に流出させ、その後の第2タイミングにて前記第1吸気弁を閉弁状態から開弁状態へと変化させることにより前記外部EGR用通路を通過した既燃ガスを前記第1吸気通路を介して前記燃焼室に流入させるとともに、前記第2吸気通路に流出させた前記既燃ガスを同第2吸気通路を介して同燃焼室に再流入させる吸気弁制御手段を備える、
    予混合圧縮自着火内燃機関。
  2. 請求項1に記載の予混合圧縮自着火内燃機関において、
    前記第1吸気通路は、同第1吸気通路を介して前記燃焼室に流入するガスにより同燃焼室内に所定方向のガスの流れを形成するように構成され、
    前記第2吸気通路は、同第2吸気通路を介して前記燃焼室に流入するガスにより同燃焼室内に前記所定方向と略平行なガスの流れを形成するように構成された予混合圧縮自着火内燃機関。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の予混合圧縮自着火内燃機関であって、
    前記第1吸気通路を介して前記燃焼室に流入する総てのガスの重量に対する前記外部EGR用通路を通過した後に同第1吸気通路を介して同燃焼室に流入する前記既燃ガスの重量の比である外部EGR率を前記機関の運転状態に応じて変更する外部EGR率変更手段を備え、
    前記吸気弁制御手段は、前記第1タイミングを変化させることにより、前記第2吸気通路を介して前記燃焼室に流入する総てのガスの重量に対する同第2吸気通路を介して同燃焼室に再流入する前記既燃ガスの重量の比である内部EGR率を、前記変更される外部EGR率に一定の係数を乗じた値と一致させるように構成された予混合圧縮自着火内燃機関。
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