JP2013213486A - 空前の高効率内燃機関の構造 - Google Patents
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Abstract
【課題】多点着火方式及び上死点又はそれ以降の着火時期を採用して、超低NOxエミッションを達成する。更に低負荷域でHCCI燃焼により高効率化及び超低NOxエミッションを達成し、リーンNOx浄化触媒を不要とする。
【解決手段】2サイクル内燃機関において、燃焼室11に2点以上の点火プラグ13を設け、かつ点火時期を上死点又はそれ以降とする。排気ポート8より上死点側の位置にある通路15に高膨張比弁16を備え、この高膨張比弁16は下死点前の所定のクランク角からピストンにより排気ポート8が開かれる近傍のクランク角までは通路15を閉じており、その後所定のクランク角まで通路15を開いてシリンダー内の残留ガスを排気ポート8内へ排出する。HCCI燃焼領域では通路15を制御弁18により閉じて有効圧縮比を高め、エンジンの負荷、回転速度などの条件により予混合圧縮着火燃焼と火花点火燃焼とを切り換える様に制御する。
【選択図】図1
【解決手段】2サイクル内燃機関において、燃焼室11に2点以上の点火プラグ13を設け、かつ点火時期を上死点又はそれ以降とする。排気ポート8より上死点側の位置にある通路15に高膨張比弁16を備え、この高膨張比弁16は下死点前の所定のクランク角からピストンにより排気ポート8が開かれる近傍のクランク角までは通路15を閉じており、その後所定のクランク角まで通路15を開いてシリンダー内の残留ガスを排気ポート8内へ排出する。HCCI燃焼領域では通路15を制御弁18により閉じて有効圧縮比を高め、エンジンの負荷、回転速度などの条件により予混合圧縮着火燃焼と火花点火燃焼とを切り換える様に制御する。
【選択図】図1
Description
本発明は機械損失と冷却損失の大幅低減及び超急速燃焼の達成によって熱効率の飛躍的な高効率化を図り、高価なリーンNOx浄化触媒なしで超低害化を達成しようとする高効率2サイクル内燃機関に関するものである。
即ち、地球温暖化や大気汚染に対処すべく熱効率の飛躍的高効率化、超低公害化の急務がそれである。しかもこれらは高い次元において解決されなければならない。ディーゼル機関は高効率であるが、機械損失が大きく改善の余地がある。排気浄化対策としては2000気圧にも達するコモンレール燃料噴射装置、ディーゼルパーティキュレートフィルター(DPF)、酸化触媒、リーンNOx浄化触媒などが必要で、これらは非常に高価である。一方火花点火機関では希薄燃焼法、筒内直接燃料噴射、ダウンサイジング、可変動弁装置などにより熱効率の高効率化を図っているが、本質的には圧縮比が12以下の低圧縮比で、ディーゼル機関に匹敵する熱効率には達していない。排気浄化対策としてはディーゼル機関の様なPMの問題はないが、リーンNOx浄化触媒を必要とするものはコスト高となる。又、上記ディーゼル機関や火花点火機関では殆んどは3〜8気筒の多気筒である為、機械損失や冷却損失が大であり、従って本来的に高効率は望めない。
本発明は上記事情に鑑み、1〜2気筒(大排気量のものでも3気筒位を上限とする)の空気掃気式2サイクル内燃機関を採用し、燃焼期間を短縮させる手段として多点着火方式を採用し(燃焼期間を1/3〜1/4.5に短縮)、これにより機械損失や冷却損失の大幅減少、等容度の増大等で熱効率の飛躍的高効率化を達成しようとするものである。
1〜2気筒採用による振動増大には、それにより浮いたコストをバランサーの装着、エンジンマウントにコストをかけて厳重なものにする事等で対処する。更に2サイクル内燃機関では低負荷域での不整燃焼が問題となるが、これに対しては予混合圧縮着火燃焼法(PCCI)を適用して解決策とし、高効率化を達成しようとしている。又、PCCI燃焼法はNOxが殆どない燃焼法であり、上記多点着火方式は圧縮上死点後の着火なので、これもNOx発生が殆どないと考えられ、従って本発明では高価なリーンNOx浄化触媒を不要とするところにもある、本発明による2サイクル機関は電気モーターを併用するハイブリッド車用(シリーズ型、パラレル型ハイブリッド車、レンジエクステンダー付電気自動車)として最も効力を発揮する。潤滑方式は分離給油方式を採用する為、排煙の問題はない。
1〜2気筒採用による振動増大には、それにより浮いたコストをバランサーの装着、エンジンマウントにコストをかけて厳重なものにする事等で対処する。更に2サイクル内燃機関では低負荷域での不整燃焼が問題となるが、これに対しては予混合圧縮着火燃焼法(PCCI)を適用して解決策とし、高効率化を達成しようとしている。又、PCCI燃焼法はNOxが殆どない燃焼法であり、上記多点着火方式は圧縮上死点後の着火なので、これもNOx発生が殆どないと考えられ、従って本発明では高価なリーンNOx浄化触媒を不要とするところにもある、本発明による2サイクル機関は電気モーターを併用するハイブリッド車用(シリーズ型、パラレル型ハイブリッド車、レンジエクステンダー付電気自動車)として最も効力を発揮する。潤滑方式は分離給油方式を採用する為、排煙の問題はない。
空気により掃気する2サイクル内燃機関において、燃焼室に2点以上の火花ギャップを臨ませて多点着火方式とし、かつ前記火花ギャップの着火時期を圧縮上死点又はそれ以降となる様に制御せしめ、更に排気ポートよりも上死点側の位置にあるシリンダー壁面に開口する通路に高膨張比弁を備え、この高膨張比弁は下死点前の所定のクランク角から少なくともピストンにより前記排気ポートが開かれる近傍のクランク角までは前記通路を閉じており、ピストンの上昇に従って所定のクランク角まで前記通路を開いてシリンダー内の残留ガスを排気ポート内へ排出する様に構成し、予混合圧縮着火燃焼領域では前記通路を制御弁により閉じて有効圧縮比を高め、エンジンの負荷、回転速度などの運転条件によって予混合圧縮着火燃焼と火花点火燃焼とを切り換える様にした。
本発明では従来は4サイクル3〜8気筒エンジンが一般的であったが、これを2サイクル1〜2気筒エンジン(大排気量エンジンでも3気筒位を上限とする)としている。これにより機械損失及び冷却損失の大幅低減が達成され、飛躍的な高効率化が為される(エンジンの小型・軽量化の効果も見逃せない)。先ず機械損失(摩擦損失)に関しては、例えば4サイクル4気筒エンジンを2サイクル1気筒エンジン化する事により24%の燃費改善が得られる。しかし2サイクル機関は4サイクル機関の様な動弁機構もなく吸排気行程もない為、実際の燃費改善効果はこれを更に上回るはずである。気筒数低減によって必要となる振動対策であるが、バランサーの装着、エンジンマウントにコストをかけ厳重にするなどで十分に対処する事ができる(気筒数低減による大幅なコストダウンを振動対策に振り向ける)。気筒数低減によりエンジンも大幅に小型・軽量化されるから、振動対策としては楽になるはずである。
2サイクル機関は動弁機構、オイルパンが必要であるから、これらに相当する高さが減り、相当に小型・軽量化される。次に冷却損失に関しては上記と同様に例えば4サイクル4気筒エンジンを2サイクル1気筒エンジンとする事により、燃焼室の表面積と容積との比(S/V比)が3.1cm−1から2.2cm−1と大幅に(30%)低減させる事ができる。一般に内燃機関では投入エネルギーに対して熱効率は32%位であり、冷却損失が30%位であるから、冷却損失が30%減少したとすれば、この分ピストン膨張仕事が増え、熱効率は32+30×0.3=41(%)に向上する事が期待される。しかしこれは燃焼室をペントルーフ型とした場合であって、本発明では図1の様に集中型燃焼室を採用するので、S/V比は更に減少し、効果はもっと大きくなる。更に冷却損失に関しては本発明では上死点又はそれ以降に着火が為され、従来の様な上死点前燃焼が起らない為、この間に相当する冷却損失もない。2サイクル機関の問題点は低負荷域での不整燃焼であるが、これにはPCCI燃焼法(予混合圧縮着火燃焼)によって解決する(PCCI燃焼法でも、均質な混合気を燃焼させるHCCI燃焼法がNOx発生をほぼ0に抑えられるので、好ましい)。2サイクル機関は(特に低負荷域では)新気により掃気をしてもシリンダー内には多量の既燃ガスが残留しており、従って圧縮始めのシリンダー内ガス温度が高く、更に本発明では14〜15位の高圧縮比を採用しているので、圧縮端温度・圧力は十分に高まり、容易にHCCI燃焼を引き起す事ができる。2サイクル機関ではシリンダー内に空気と共に残留ガスを閉じ込めた後は圧縮上死点までの期間が短かく、従って冷却損失が少なく、この点からもHCCI燃焼には有利である。
この様に容易にHCCI燃焼を引き起す事ができるが、同時にHCCI燃焼が上死点又はその直後に起る様に制御できるので、熱効率を高める事ができる。即ち、図1の様に吸気絞り弁5の開度を増すとシリンダー内残留ガス量(既燃ガス量)が減る為、圧縮端温度が低下し、燃料の低温酸化反応を遅らせ、上死点前に起っていたHCCI燃焼を上死点直後に引き起す事ができる。
吸気絞り弁5の開度を減らすとこの反対となる。エンジンの中負荷から高負荷域にかけては点火プラグによる火花点火燃焼に切り換えるが、高圧縮比の為にこの領域ではノッキング及びNOxの発生を回避する事が重要であり、従って上死点又はこれ以降の着火時期を採用している。この為には急速燃焼が不可欠で、2点以上の多点着火方式を採用する。即ち、2個以上の点火プラグによる多点着火及び集中型燃焼室により燃焼期間をクランク角で従来の40°〜60°であったものを1/3〜1/4.5の15°位に短縮する事ができ、超急速燃焼を達成している。
この為、着火時期の遅角化による熱効率悪化はないばかりか上死点前燃焼が起らないので、この期間に相当する冷却損失もない。更には上死点又はそれ以降の着火なので、最高燃焼温度・圧力も低く(熱効率の悪化を意味しない)、摩擦損失、冷却損失が減少し、熱効率が向上する。加えて最高燃焼温度が低いので熱解離による損失もなく、NOxの発生もない。この場合、点火プラグの着火時期を更に遅らせるとNOxの発生を完全に0に抑える事ができるが、熱効率の若干の悪化は免れない。しかし本発明では圧縮比(14位)よりも膨張比を大きくしてあるので(18位)、この分余裕があり、従って熱効率の悪化を招く事なくNOxを完全に0に抑える事ができるのである。この様に火花点火燃焼の領域(中・高負荷域)ではNOxの発生が殆どなく、HCCI燃焼領域(低負荷域)でもNOxの発生がない為、高価なリーンNOx浄化触媒が不要である。排ガス中のHC、COは安価な酸化触媒で浄化する事ができる。この場合、高膨張比弁により排気ポートを掃気ポートよりも早く閉じる事もできるので新気の吹き抜けがなくなり、従って排ガスは冷却作用を受ける事なく高温のままであり、酸化触媒の浄化機能を高く維持する事ができる。しかも超急速燃焼が可能であるから、エンジン冷態時は着火時期を大幅に遅らせて酸化触媒の早期活性化を促がす事ができる。又、燃料は予め気化した状態で燃焼するので、ディーゼル機関の様なPM発生がなく、高価なDPFも不要である。
尚、HCCI燃焼について一言付け加えると、この領域では図1の場合は圧縮比が18位と高圧縮比であり、図5の場合は掃気後のシリンダー内の高温ガスを一定量クランク室内などの吸入側へ戻すので、圧縮始めのガス温度が高く、かくして圧縮端温度が高まり、HCCI燃焼を引き起し易くするのである。
2サイクル機関は動弁機構、オイルパンが必要であるから、これらに相当する高さが減り、相当に小型・軽量化される。次に冷却損失に関しては上記と同様に例えば4サイクル4気筒エンジンを2サイクル1気筒エンジンとする事により、燃焼室の表面積と容積との比(S/V比)が3.1cm−1から2.2cm−1と大幅に(30%)低減させる事ができる。一般に内燃機関では投入エネルギーに対して熱効率は32%位であり、冷却損失が30%位であるから、冷却損失が30%減少したとすれば、この分ピストン膨張仕事が増え、熱効率は32+30×0.3=41(%)に向上する事が期待される。しかしこれは燃焼室をペントルーフ型とした場合であって、本発明では図1の様に集中型燃焼室を採用するので、S/V比は更に減少し、効果はもっと大きくなる。更に冷却損失に関しては本発明では上死点又はそれ以降に着火が為され、従来の様な上死点前燃焼が起らない為、この間に相当する冷却損失もない。2サイクル機関の問題点は低負荷域での不整燃焼であるが、これにはPCCI燃焼法(予混合圧縮着火燃焼)によって解決する(PCCI燃焼法でも、均質な混合気を燃焼させるHCCI燃焼法がNOx発生をほぼ0に抑えられるので、好ましい)。2サイクル機関は(特に低負荷域では)新気により掃気をしてもシリンダー内には多量の既燃ガスが残留しており、従って圧縮始めのシリンダー内ガス温度が高く、更に本発明では14〜15位の高圧縮比を採用しているので、圧縮端温度・圧力は十分に高まり、容易にHCCI燃焼を引き起す事ができる。2サイクル機関ではシリンダー内に空気と共に残留ガスを閉じ込めた後は圧縮上死点までの期間が短かく、従って冷却損失が少なく、この点からもHCCI燃焼には有利である。
この様に容易にHCCI燃焼を引き起す事ができるが、同時にHCCI燃焼が上死点又はその直後に起る様に制御できるので、熱効率を高める事ができる。即ち、図1の様に吸気絞り弁5の開度を増すとシリンダー内残留ガス量(既燃ガス量)が減る為、圧縮端温度が低下し、燃料の低温酸化反応を遅らせ、上死点前に起っていたHCCI燃焼を上死点直後に引き起す事ができる。
吸気絞り弁5の開度を減らすとこの反対となる。エンジンの中負荷から高負荷域にかけては点火プラグによる火花点火燃焼に切り換えるが、高圧縮比の為にこの領域ではノッキング及びNOxの発生を回避する事が重要であり、従って上死点又はこれ以降の着火時期を採用している。この為には急速燃焼が不可欠で、2点以上の多点着火方式を採用する。即ち、2個以上の点火プラグによる多点着火及び集中型燃焼室により燃焼期間をクランク角で従来の40°〜60°であったものを1/3〜1/4.5の15°位に短縮する事ができ、超急速燃焼を達成している。
この為、着火時期の遅角化による熱効率悪化はないばかりか上死点前燃焼が起らないので、この期間に相当する冷却損失もない。更には上死点又はそれ以降の着火なので、最高燃焼温度・圧力も低く(熱効率の悪化を意味しない)、摩擦損失、冷却損失が減少し、熱効率が向上する。加えて最高燃焼温度が低いので熱解離による損失もなく、NOxの発生もない。この場合、点火プラグの着火時期を更に遅らせるとNOxの発生を完全に0に抑える事ができるが、熱効率の若干の悪化は免れない。しかし本発明では圧縮比(14位)よりも膨張比を大きくしてあるので(18位)、この分余裕があり、従って熱効率の悪化を招く事なくNOxを完全に0に抑える事ができるのである。この様に火花点火燃焼の領域(中・高負荷域)ではNOxの発生が殆どなく、HCCI燃焼領域(低負荷域)でもNOxの発生がない為、高価なリーンNOx浄化触媒が不要である。排ガス中のHC、COは安価な酸化触媒で浄化する事ができる。この場合、高膨張比弁により排気ポートを掃気ポートよりも早く閉じる事もできるので新気の吹き抜けがなくなり、従って排ガスは冷却作用を受ける事なく高温のままであり、酸化触媒の浄化機能を高く維持する事ができる。しかも超急速燃焼が可能であるから、エンジン冷態時は着火時期を大幅に遅らせて酸化触媒の早期活性化を促がす事ができる。又、燃料は予め気化した状態で燃焼するので、ディーゼル機関の様なPM発生がなく、高価なDPFも不要である。
尚、HCCI燃焼について一言付け加えると、この領域では図1の場合は圧縮比が18位と高圧縮比であり、図5の場合は掃気後のシリンダー内の高温ガスを一定量クランク室内などの吸入側へ戻すので、圧縮始めのガス温度が高く、かくして圧縮端温度が高まり、HCCI燃焼を引き起し易くするのである。
図1は本発明による高効率内燃機関の構造を示し、空前の高効率を達成する事を目的とし、機械損失及び冷却損失の大幅低減の為、1〜2気筒(大排気量機関の場合でも3気筒位を上限とするのが良い)2サイクル機関を選択した。即ち、通常の自動車用機関では4サイクル3〜8気筒が一般的であるが、こうする事により大幅な機械損失及び冷却損失の低減が見込めるからである。加えて本発明ではノッキング及びNOx発生を抑える事を目的とし、上死点又はそれ以降の膨張行程で燃焼を行なわせる必要から超急速燃焼を達成する為、2点以上の多点着火方式を採用する。故に燃焼室に2点以上の火花ギャップを臨ませる、換言すれば点火プラグを2個以上必要とするが、シリンダーヘッドに吸排気弁を有しない2サイクル機関が正にこれに適している。2サイクル機関特有の低負荷域での不整燃焼は予混合圧縮着火燃焼(HCCI)を行なわせる事により解決する。火花ギャップの着火時期は上死点又はそれ以降であるので、ノッキングの心配はなく、高圧縮比を採用する事ができる。
次に図1において燃焼室11内の高圧燃焼ガスによりピストン1が押されると、ピストンが下降して膨張仕事を為し(膨張行程)、ピストンにより排気ポート8が開かれると排気ブローダウンが開始され、続いて掃気ポート7が開かれると新気がシリンダー内に流入し、既燃ガスを掃気する。本発明では燃料の吹き抜けをなくす為、空気のみでシリンダー内を掃気する空気掃気式を採用しており、この空気を予圧するポンプとしては図示の様にクランク室2、又はルーツブロワを使用する。ピストン1の上昇行程により掃気ポート7、排気ポート8が閉じられるとシリンダー内の圧縮が開始され、上死点付近でHCCI燃焼あるいは上死点又はそれ以降の着火による火花点火燃焼が為され、かくしてクランク軸1回転当り1回の膨張仕事が得られる。シリンダー内への燃料供給は燃料噴射弁10によって噴射されるが、燃料の排気ポート8内への吹き抜けが起らない様に排気ポート8が閉じてから行なわれる。この場合、噴射された燃料が燃焼室11内にのみ留まる様に供給すればスキッシュ部12には燃料は存在しないから、未燃のHC排出は起らない。これは燃料噴射弁10を燃焼室11を指向する如くシリンダー壁に開口する様に装着しても可能である。燃焼室11を図3(ロ)の様にピストン1に形成する場合は、この燃焼室11を指向する如くシリンダー壁に開口する様に装着する事によって可能となる。
3はクランク室2内へ空気を導入するリード弁(逆止弁)、5は吸気絞り弁、9は酸化触媒である。ECU(電子制御ユニット)14はROM、RAM、CPU、入力ポート、出力ポート等から成るマイクロコンピューターを中心として構成され、これらは双方向性バスによって相互に接続されている。ECU14にはエンジンの運転状態の把握に必要なパラメーター用の各種センサー、例えば所定のクランク角毎にクランク角を出力するクランク角センサー、アクセル開度を検出するアクセルセンサー、エンジンの回転数センサー、エンジンに吸収される空気の空気流量センサー、エンジン冷却水温を検出する水温センサー、大気圧センサー、ノックセンサー等からの各信号が対応するA/Dコンバーターを介して入力ポートに送信される。又、出力ポートは燃料噴射弁10、点火プラグ13、吸気絞り弁5等と各々対応する駆動回路を介して接続され、各々の制御信号を送信する。ROMには燃料噴射弁10の噴射量や噴射時期を決定する為の制御ルーチン、吸気絞り弁5の開度を制御する為の制御ルーチン等のエンジンを制御する為の制御ルーチンやそれらに用いられる制御値を含むマップが記憶されている。RAMに記憶されている各種データはエンジン回転数センサーが信号を出力する度に最新のデータに書き換えられる。CPUはROMに記憶されたアプリケーションプログラムに従って動作し、燃料の噴射制御、点火時期制御、吸気絞り弁の開度制御等を実行する。6は吸気絞り弁5の開度を制御するアクチュエーターである。図1において燃焼室11の開口部面積はシリンダー断面積よりも十分小さく形成して集中型燃焼室とし、ピストン1が上死点位置の時、ピストン頂面とシリンダーヘッドとのギャップを1mm以下(0.7〜0.8mm位)として、スキッシュ部12を構成している。即ち、本発明では燃焼室11は集中型燃焼室としてコンパクトに形成され、その周囲はスキッシュ部12となっており、スキッシュ部12の容積の占める比率は上記ギャップによると5%以下であるから、燃焼室11の燃焼完了を以って全体の燃焼完了とほぼ考えて良い。これによりシリンダー径をD、燃焼室11の開口部の半径をrとすれば2・r/D≒2/3位であるから、燃焼完了までに必要とされる火炎伝播距離はほぼ2/3に短縮されることになる。本発明では燃焼期間を短縮する為、即ち超急速燃焼を達成する為、2点以上の多点着火方式を採用している。即ち、燃焼室11に2点以上の火花ギャップを臨ませているのであり、火花ギャップとしては図1では点火プラグ13を用いている。燃焼室11を上方から見た模式図を図4に示す(燃焼室開口部の半径をrとする)。図4(ロ)は燃焼室11に半径r/2の円を等間隔に3個描いた図であり、斜線の部分の面積の燃焼室開口部(半径rの円)の面積に対する比率は0.29である。よって各々の円の中心に火花ギャップG1、G2、G3を置けば火炎は球状に拡がるものとして図4(ロ)の状態まで燃焼が進めば、混合気全体の1−0.29=0.71(71%)が燃焼を完了している事になる。従って、高圧縮比の採用及び採用及び燃料の前炎反応が起る事による燃焼の促進、強力なスキッシュ効果も加えればほぼ100%の燃焼が完了している事になり、図3(イ)の中心1点火花ギャップG0の場合に比し燃焼完了までに必要とされる火炎伝播距離を1/2に半減、換言すれば燃焼期間を1/2に半減させる事ができる。本発明によれば上記の様に燃焼期間は集中型燃焼室とする事により2/3に、多点着火方式とする事により1/2に半減するから、合計すると2/3×1/2=1/3となり、ほぼ1/3に短縮される。即ち、図3(イ)の従来(集中型燃焼室でない燃焼室、1点火花ギャップ方式)に比し燃焼期間は1/3に短縮される。従って図4(ロ)において更に中心に火花ギャップG0を置けば、確実に燃焼期間は1/3以下に短縮される。図4(ハ)は燃焼室11に半径r/2の円を等間隔に4個描いた図であり、斜線の部分の面積の燃焼室開口部の面積に対する比率は0.18であるから、各々の円の中心に火花ギャップG1、G2、G3、G4を置き、更には中心に火花ギャップG0を置けば、燃焼期間は図4(ロ)の場合よりも更に短縮される。図4(ニ)は中心に半径r/3の円を、その周りに半径r/3の円を等間隔に6個描いたものであり、斜線の部分の面積の燃焼室開口部の面積に対する比率は0.22であるから、各円の中心に火花ギャップを置けば、上記と同様に考えて図の状態でほぼ燃焼完了とする事ができ、燃焼期間はほぼ1/3に短縮される。従って集中型燃焼室による効果とを合計すると、図3(イ)の従来に比し燃焼期間は2/3×1/3=1/4.5に短縮される。図4(ホ)は火花ギャップが1点少ないものであるが、ほぼ同じ効果が得られるものである。図4(ニ)、(ホ)は大排気量エンジンに用いる。
尚、極く小排気量のエンジンでは火炎伝播距離の絶対値が小さいから、2点の火花ギャップでも良い。本発明では2点以上の火花ギャップを燃焼室に臨ませる事を特徴としている。以上の様に本発明によれば燃焼期間は図3(イ)の従来はクランク角で40°〜60°あったものが1/3〜1/4.5のほぼ15°位となり、超急速燃焼が可能となるのである。この為、着火時期を上死点又はそれ以降に設定する事ができる。尚、本発明では燃焼室に臨ませる火花ギャップとしては点火プラグを用いたが、図4(ヘ)の様に不導体板36(電気不導体)の穴の内壁面に火花ギャップ37を配置したものを用いても良い。但し、燃焼室11の中央に配置する火花ギャップは点火プラグ13を用いている。
次に本発明では2サイクル1気筒機関を採用し、これを従来の4サイクル4気筒機関の代替として、摩擦損失の大幅減少から燃費改善効果を予想する。一般に4サイクル4気筒機関を排気量を一定に保ったまま3気筒化すると(1気筒減らす)5%、2気筒化すると(2気筒減らす)9%燃費が改善されると云うデータから、1気筒化すると(3気筒減らす)5+9=14(%)の燃費改善が見込まれ、これを更に2サイクル化して小排気量とすると(排気量を1/1.7にしても同一出力が得られるから)摩擦損失が比例して減少し、14×1.7=24(%)の燃費改善効果が予想される。続いて冷却損失について述べると、上記と同様に4サイクル4気筒機関を2サイクル1気筒機関化する事により燃焼室の表面積と容積との比(S/V比)を大幅に減少させる事ができるから、この分冷却損失が減少し、これはピストン膨張仕事を増す事に繋がり、熱効率を大幅に向上させる事ができる。更に本発明では上死点又はそれ以降の着火時期を採用しているから、最高燃焼温度は低く、従って冷却損失が少なく、かつ上死点前燃焼がないので、この間に相当する冷却損失もない為、実際の熱効率は一段と向上する。
本発明による2サイクル内燃機関は定まった負荷や回転速度で運転する様な、例えば定置式発電機用、発電用に限定した自動車用(シリーズ型ハイブリッド用、レンジエクステンダー用など)としても用途が最も望ましい。
次に図1において燃焼室11内の高圧燃焼ガスによりピストン1が押されると、ピストンが下降して膨張仕事を為し(膨張行程)、ピストンにより排気ポート8が開かれると排気ブローダウンが開始され、続いて掃気ポート7が開かれると新気がシリンダー内に流入し、既燃ガスを掃気する。本発明では燃料の吹き抜けをなくす為、空気のみでシリンダー内を掃気する空気掃気式を採用しており、この空気を予圧するポンプとしては図示の様にクランク室2、又はルーツブロワを使用する。ピストン1の上昇行程により掃気ポート7、排気ポート8が閉じられるとシリンダー内の圧縮が開始され、上死点付近でHCCI燃焼あるいは上死点又はそれ以降の着火による火花点火燃焼が為され、かくしてクランク軸1回転当り1回の膨張仕事が得られる。シリンダー内への燃料供給は燃料噴射弁10によって噴射されるが、燃料の排気ポート8内への吹き抜けが起らない様に排気ポート8が閉じてから行なわれる。この場合、噴射された燃料が燃焼室11内にのみ留まる様に供給すればスキッシュ部12には燃料は存在しないから、未燃のHC排出は起らない。これは燃料噴射弁10を燃焼室11を指向する如くシリンダー壁に開口する様に装着しても可能である。燃焼室11を図3(ロ)の様にピストン1に形成する場合は、この燃焼室11を指向する如くシリンダー壁に開口する様に装着する事によって可能となる。
3はクランク室2内へ空気を導入するリード弁(逆止弁)、5は吸気絞り弁、9は酸化触媒である。ECU(電子制御ユニット)14はROM、RAM、CPU、入力ポート、出力ポート等から成るマイクロコンピューターを中心として構成され、これらは双方向性バスによって相互に接続されている。ECU14にはエンジンの運転状態の把握に必要なパラメーター用の各種センサー、例えば所定のクランク角毎にクランク角を出力するクランク角センサー、アクセル開度を検出するアクセルセンサー、エンジンの回転数センサー、エンジンに吸収される空気の空気流量センサー、エンジン冷却水温を検出する水温センサー、大気圧センサー、ノックセンサー等からの各信号が対応するA/Dコンバーターを介して入力ポートに送信される。又、出力ポートは燃料噴射弁10、点火プラグ13、吸気絞り弁5等と各々対応する駆動回路を介して接続され、各々の制御信号を送信する。ROMには燃料噴射弁10の噴射量や噴射時期を決定する為の制御ルーチン、吸気絞り弁5の開度を制御する為の制御ルーチン等のエンジンを制御する為の制御ルーチンやそれらに用いられる制御値を含むマップが記憶されている。RAMに記憶されている各種データはエンジン回転数センサーが信号を出力する度に最新のデータに書き換えられる。CPUはROMに記憶されたアプリケーションプログラムに従って動作し、燃料の噴射制御、点火時期制御、吸気絞り弁の開度制御等を実行する。6は吸気絞り弁5の開度を制御するアクチュエーターである。図1において燃焼室11の開口部面積はシリンダー断面積よりも十分小さく形成して集中型燃焼室とし、ピストン1が上死点位置の時、ピストン頂面とシリンダーヘッドとのギャップを1mm以下(0.7〜0.8mm位)として、スキッシュ部12を構成している。即ち、本発明では燃焼室11は集中型燃焼室としてコンパクトに形成され、その周囲はスキッシュ部12となっており、スキッシュ部12の容積の占める比率は上記ギャップによると5%以下であるから、燃焼室11の燃焼完了を以って全体の燃焼完了とほぼ考えて良い。これによりシリンダー径をD、燃焼室11の開口部の半径をrとすれば2・r/D≒2/3位であるから、燃焼完了までに必要とされる火炎伝播距離はほぼ2/3に短縮されることになる。本発明では燃焼期間を短縮する為、即ち超急速燃焼を達成する為、2点以上の多点着火方式を採用している。即ち、燃焼室11に2点以上の火花ギャップを臨ませているのであり、火花ギャップとしては図1では点火プラグ13を用いている。燃焼室11を上方から見た模式図を図4に示す(燃焼室開口部の半径をrとする)。図4(ロ)は燃焼室11に半径r/2の円を等間隔に3個描いた図であり、斜線の部分の面積の燃焼室開口部(半径rの円)の面積に対する比率は0.29である。よって各々の円の中心に火花ギャップG1、G2、G3を置けば火炎は球状に拡がるものとして図4(ロ)の状態まで燃焼が進めば、混合気全体の1−0.29=0.71(71%)が燃焼を完了している事になる。従って、高圧縮比の採用及び採用及び燃料の前炎反応が起る事による燃焼の促進、強力なスキッシュ効果も加えればほぼ100%の燃焼が完了している事になり、図3(イ)の中心1点火花ギャップG0の場合に比し燃焼完了までに必要とされる火炎伝播距離を1/2に半減、換言すれば燃焼期間を1/2に半減させる事ができる。本発明によれば上記の様に燃焼期間は集中型燃焼室とする事により2/3に、多点着火方式とする事により1/2に半減するから、合計すると2/3×1/2=1/3となり、ほぼ1/3に短縮される。即ち、図3(イ)の従来(集中型燃焼室でない燃焼室、1点火花ギャップ方式)に比し燃焼期間は1/3に短縮される。従って図4(ロ)において更に中心に火花ギャップG0を置けば、確実に燃焼期間は1/3以下に短縮される。図4(ハ)は燃焼室11に半径r/2の円を等間隔に4個描いた図であり、斜線の部分の面積の燃焼室開口部の面積に対する比率は0.18であるから、各々の円の中心に火花ギャップG1、G2、G3、G4を置き、更には中心に火花ギャップG0を置けば、燃焼期間は図4(ロ)の場合よりも更に短縮される。図4(ニ)は中心に半径r/3の円を、その周りに半径r/3の円を等間隔に6個描いたものであり、斜線の部分の面積の燃焼室開口部の面積に対する比率は0.22であるから、各円の中心に火花ギャップを置けば、上記と同様に考えて図の状態でほぼ燃焼完了とする事ができ、燃焼期間はほぼ1/3に短縮される。従って集中型燃焼室による効果とを合計すると、図3(イ)の従来に比し燃焼期間は2/3×1/3=1/4.5に短縮される。図4(ホ)は火花ギャップが1点少ないものであるが、ほぼ同じ効果が得られるものである。図4(ニ)、(ホ)は大排気量エンジンに用いる。
尚、極く小排気量のエンジンでは火炎伝播距離の絶対値が小さいから、2点の火花ギャップでも良い。本発明では2点以上の火花ギャップを燃焼室に臨ませる事を特徴としている。以上の様に本発明によれば燃焼期間は図3(イ)の従来はクランク角で40°〜60°あったものが1/3〜1/4.5のほぼ15°位となり、超急速燃焼が可能となるのである。この為、着火時期を上死点又はそれ以降に設定する事ができる。尚、本発明では燃焼室に臨ませる火花ギャップとしては点火プラグを用いたが、図4(ヘ)の様に不導体板36(電気不導体)の穴の内壁面に火花ギャップ37を配置したものを用いても良い。但し、燃焼室11の中央に配置する火花ギャップは点火プラグ13を用いている。
次に本発明では2サイクル1気筒機関を採用し、これを従来の4サイクル4気筒機関の代替として、摩擦損失の大幅減少から燃費改善効果を予想する。一般に4サイクル4気筒機関を排気量を一定に保ったまま3気筒化すると(1気筒減らす)5%、2気筒化すると(2気筒減らす)9%燃費が改善されると云うデータから、1気筒化すると(3気筒減らす)5+9=14(%)の燃費改善が見込まれ、これを更に2サイクル化して小排気量とすると(排気量を1/1.7にしても同一出力が得られるから)摩擦損失が比例して減少し、14×1.7=24(%)の燃費改善効果が予想される。続いて冷却損失について述べると、上記と同様に4サイクル4気筒機関を2サイクル1気筒機関化する事により燃焼室の表面積と容積との比(S/V比)を大幅に減少させる事ができるから、この分冷却損失が減少し、これはピストン膨張仕事を増す事に繋がり、熱効率を大幅に向上させる事ができる。更に本発明では上死点又はそれ以降の着火時期を採用しているから、最高燃焼温度は低く、従って冷却損失が少なく、かつ上死点前燃焼がないので、この間に相当する冷却損失もない為、実際の熱効率は一段と向上する。
本発明による2サイクル内燃機関は定まった負荷や回転速度で運転する様な、例えば定置式発電機用、発電用に限定した自動車用(シリーズ型ハイブリッド用、レンジエクステンダー用など)としても用途が最も望ましい。
次に図1において16は高膨張比弁で、図ではクランク軸と例えば回転比1/1で歯付ベルト、チェーン、歯車等により駆動されるロータリ弁を示しており、高膨張比弁の閉鎖部17は排気ポート8より上死点側の位置に形成された通路15を開閉する。高膨張比弁16のシール性を高めるには、閉鎖部17に接触しても焼き付かず容易に磨耗する焼き付き防止剤をコーティングするなどの手段がある。高膨張比弁16は下死点前の所定のクランク角から少なくともピストン1により排気ポート8が開かれる近傍のクランク角までは閉じており(閉鎖部17が通路15を閉じている)。ピストンの上昇に従って所定のクランク角まで通路15を開いてシリンダー内の残留ガスを排気ポート8内へ排出する様に構成されている。即ち、一般には高膨張比弁16はピストン1により通路15が開かれる近傍から下死点近傍までは通路15を閉鎖しており、下死点近傍からピストン1により通路15が閉じられる直後まで通路15を用いている様に構成する。これにより高膨張比弁16が通路15を閉じた時点(一般にはピストン1により通路15が閉じられた時点と重なる)から圧縮が始まり、ピストン1により排気ポート8が開かれた時点から排気ブローダウンが始まるので、膨張比は圧縮比より大きくなり(例えば圧縮比を14、膨張比を18)、高効率化を達成する。本発明ではピストン1の圧縮有効行程は通路15が高膨張比弁16により閉じられた時点から始まり、下死点からその時点までは圧縮無効行程であるので、クランク室2内の余分に吸入した空気を通路23により吸気通路4内へ戻してやる様にしても良い(但し、これは実行しないで、シリンダー内を完全掃気する為に使った方が効果的である)。
次に本発明による2サイクル内燃機関の各運転状態について述べる。
先ずエンジンの始動は点火プラグによる火花点火燃焼で行なわれ(本発明では着火時期は上死点又はそれ以降とするのが基本であるが、エンジン始動性向上の為、上死点前としても良い)。暖機完了後の低負荷域ではPCCI燃焼法に切り換える(PCCI燃焼法でも均質混合気を使用するHCCI燃焼法が望ましい。これはNOx発生が殆ど0となるからである)。この場合、アクチュエーター19(例えば電磁ソレノイド)によって駆動される制御弁18により通路15を閉鎖する。従って高膨張比弁16の開閉とは関係なくこの領域では圧縮比も膨張比と等しく、高い値である―(例えば18)。本発明では2サイクル機関を採用しているから、圧縮開始の時点ではシリンダー内に多量の既燃ガスが残留しており(しかもピストン上昇により通路15から残留ガスを排出しないから、この分多く)、従って高温であり、高圧縮比(18)と相まって圧縮端温度が非常に高くなる。
かつ前述の様にS/V比が小さい為、冷却損失が少なく、従って容易にHCCI燃焼を行なわせる事ができる。この場合、吸気絞り弁5によってクランク室2に吸入される吸気を絞る様にすれば、シリンダー内に更に多量の既燃ガスが残留する様になり、圧縮端温度を一層高める事ができる(クランク室圧縮仕事も減り、都合が良い)。
吸気絞り弁5はアクセル開度、エンジン回転速度、冷却水温等の条件によってその開度が最適制御されるが、これはアクチュエーター6(電動アクチュエーター)によって為され、ECU14は予め与えられた所定の特性に基いて吸気絞り弁5の開度を演算し、アクチュエーター6の回転角を制御する)。更にはクランク室2内へ吸入される吸気を排ガスと熱交換させて加熱すると、HCCI燃焼は容易となり、これはエンジン暖機運転にも優れた特性をもたらす。本発明では多点着火方式により超急速燃焼が可能であるから、エンジン暖機時は着火時期を大幅に遅らせて排ガス温度を高め、酸化触媒9の早期活性化を促がす事ができる。
HCCI燃焼法はNOxの発生が殆ど0の為、高価なリーンNOx浄化触媒の必要がなく、排気中のHC、COは酸化触媒9により浄化する事ができる。
HCCI燃焼法は低温の希薄燃焼である為、冷却損失が少なく、高効率運転が可能である。エンジンの中負荷域から高負荷域にかけては、HCCI燃焼法では燃焼圧力上昇率が過大となってノッキングを伴うから、これを避けECU14はエンジン負荷、回転速度などの運転条件により点火プラグによる火花点火燃焼に切り換える。この領域では制御弁18はアクチュエーター19により通路15を開いた状態とする。従って圧縮比(有効圧縮比)は低下するが(14位)膨張比は高いので(18位)、熱効率の向上幅は大である。火花点火燃焼領域では点火プラグによる多点着火方式であり、前述の様に燃焼に要するクランク角が従来の1/3〜1/4.5の15°位と超急速燃焼が可能である為、上死点又はそれ以降の着火が可能であり、NOx発生を非常に低く抑えられ(ノッキングも発生しない)、リーンNOx浄化触媒を必要としない。エンジン中速域では希薄混合比を採用して更にNOx低減を図っても良く、エンジン高速域ではNOx発生の時間的余裕がないので、理論混合比とする。NOxの発生を完全に0にするには着火時期を更に遅らせば良く、一般には熱効率の低下を伴なうが、本発明では圧縮比よりも膨張比の方が高いので、熱効率に余裕があり、これは可能な手段であり、本発明の利点の1つである。上死点又はそれ以降の火花着火燃焼であるから、従来の様な上死点前の燃焼開始・燃焼圧力上昇がない為、この期間に相当する冷却損失や摩擦損失が少なく、高効率運転が可能である。尚、本発明ではHCCI燃焼領域でも余り極低負荷の領域は使用しない様にする事が望ましく、これはシリーズ型ハイブリッド方式、レンジエクステンダー付電気自動車では容易に実施できるが、パラレル型ハイブリッド方式ではクラッチを設けてエンジンを停止させておき、バッテリーからの電力の供給を受けるモーターで走行する様にする事で達成される。図2(イ)に示す実施例は図1において高膨張比弁16を含む横断面を上方から見た図に相当し、排気ポート8よりも上死点側にある通路20を新設し、これを高膨張比弁16により開閉し、ピストン1により排気ポート8が開かれる所定角度前のクランク角で通路20を開く様にしている(通路20は下死点近傍からは高膨張比弁16により閉じられ、シリンダー内の既燃ガスを排出させない様にする)。エンジンの低負荷域ではアクチュエーター22により閉鎖弁21は開かれ、従って通路20はピストンにより排気ポート8が開かれる所定角度前のクランク角で開かれるから、膨張比は低くなる(例えば14)。
これによりシリンダー内の残留ガスはより高温に保たれ、低負荷域の広い範囲までHCCI燃焼を引き起す事ができる(触媒の酸化作用が高まる)。中・高負荷域では閉鎖弁21を閉鎖する様にして高膨張比とする(例えば18)。若干の熱効率悪化を招くが、HCCI燃焼領域の拡大の利点がある。この閉鎖弁21はエンジン暖機中も開く様にすると触媒の活性化を促がす事ができる。尚、図1では図2(イ)の通路20を設けていないから、膨張比が高く(例えば18)、従って排ガス温度が低く、エンジン暖機時には触媒を電気ヒーターで加熱して活性化を促がす手法もある(膨張比が高い為、この熱効率向上分を電気ヒーターによる触媒加熱エネルギーに振り分ける)。図2(ロ)は高膨張比弁16が高温になるのを防ぐ断熱構造としたもので、高膨張比弁16の排ガスに接触する部分24を図2(ハ)の如く空気層25を挟んで断熱構造としている。26はガスケットでありネジ止めされている。図2(ニ)は図1の高膨張比弁16をスライド弁式としたもので、スライド弁27はカム28により駆動され、図1の高膨張比弁16と同じタイミングで通路15を開閉する。
先ずエンジンの始動は点火プラグによる火花点火燃焼で行なわれ(本発明では着火時期は上死点又はそれ以降とするのが基本であるが、エンジン始動性向上の為、上死点前としても良い)。暖機完了後の低負荷域ではPCCI燃焼法に切り換える(PCCI燃焼法でも均質混合気を使用するHCCI燃焼法が望ましい。これはNOx発生が殆ど0となるからである)。この場合、アクチュエーター19(例えば電磁ソレノイド)によって駆動される制御弁18により通路15を閉鎖する。従って高膨張比弁16の開閉とは関係なくこの領域では圧縮比も膨張比と等しく、高い値である―(例えば18)。本発明では2サイクル機関を採用しているから、圧縮開始の時点ではシリンダー内に多量の既燃ガスが残留しており(しかもピストン上昇により通路15から残留ガスを排出しないから、この分多く)、従って高温であり、高圧縮比(18)と相まって圧縮端温度が非常に高くなる。
かつ前述の様にS/V比が小さい為、冷却損失が少なく、従って容易にHCCI燃焼を行なわせる事ができる。この場合、吸気絞り弁5によってクランク室2に吸入される吸気を絞る様にすれば、シリンダー内に更に多量の既燃ガスが残留する様になり、圧縮端温度を一層高める事ができる(クランク室圧縮仕事も減り、都合が良い)。
吸気絞り弁5はアクセル開度、エンジン回転速度、冷却水温等の条件によってその開度が最適制御されるが、これはアクチュエーター6(電動アクチュエーター)によって為され、ECU14は予め与えられた所定の特性に基いて吸気絞り弁5の開度を演算し、アクチュエーター6の回転角を制御する)。更にはクランク室2内へ吸入される吸気を排ガスと熱交換させて加熱すると、HCCI燃焼は容易となり、これはエンジン暖機運転にも優れた特性をもたらす。本発明では多点着火方式により超急速燃焼が可能であるから、エンジン暖機時は着火時期を大幅に遅らせて排ガス温度を高め、酸化触媒9の早期活性化を促がす事ができる。
HCCI燃焼法はNOxの発生が殆ど0の為、高価なリーンNOx浄化触媒の必要がなく、排気中のHC、COは酸化触媒9により浄化する事ができる。
HCCI燃焼法は低温の希薄燃焼である為、冷却損失が少なく、高効率運転が可能である。エンジンの中負荷域から高負荷域にかけては、HCCI燃焼法では燃焼圧力上昇率が過大となってノッキングを伴うから、これを避けECU14はエンジン負荷、回転速度などの運転条件により点火プラグによる火花点火燃焼に切り換える。この領域では制御弁18はアクチュエーター19により通路15を開いた状態とする。従って圧縮比(有効圧縮比)は低下するが(14位)膨張比は高いので(18位)、熱効率の向上幅は大である。火花点火燃焼領域では点火プラグによる多点着火方式であり、前述の様に燃焼に要するクランク角が従来の1/3〜1/4.5の15°位と超急速燃焼が可能である為、上死点又はそれ以降の着火が可能であり、NOx発生を非常に低く抑えられ(ノッキングも発生しない)、リーンNOx浄化触媒を必要としない。エンジン中速域では希薄混合比を採用して更にNOx低減を図っても良く、エンジン高速域ではNOx発生の時間的余裕がないので、理論混合比とする。NOxの発生を完全に0にするには着火時期を更に遅らせば良く、一般には熱効率の低下を伴なうが、本発明では圧縮比よりも膨張比の方が高いので、熱効率に余裕があり、これは可能な手段であり、本発明の利点の1つである。上死点又はそれ以降の火花着火燃焼であるから、従来の様な上死点前の燃焼開始・燃焼圧力上昇がない為、この期間に相当する冷却損失や摩擦損失が少なく、高効率運転が可能である。尚、本発明ではHCCI燃焼領域でも余り極低負荷の領域は使用しない様にする事が望ましく、これはシリーズ型ハイブリッド方式、レンジエクステンダー付電気自動車では容易に実施できるが、パラレル型ハイブリッド方式ではクラッチを設けてエンジンを停止させておき、バッテリーからの電力の供給を受けるモーターで走行する様にする事で達成される。図2(イ)に示す実施例は図1において高膨張比弁16を含む横断面を上方から見た図に相当し、排気ポート8よりも上死点側にある通路20を新設し、これを高膨張比弁16により開閉し、ピストン1により排気ポート8が開かれる所定角度前のクランク角で通路20を開く様にしている(通路20は下死点近傍からは高膨張比弁16により閉じられ、シリンダー内の既燃ガスを排出させない様にする)。エンジンの低負荷域ではアクチュエーター22により閉鎖弁21は開かれ、従って通路20はピストンにより排気ポート8が開かれる所定角度前のクランク角で開かれるから、膨張比は低くなる(例えば14)。
これによりシリンダー内の残留ガスはより高温に保たれ、低負荷域の広い範囲までHCCI燃焼を引き起す事ができる(触媒の酸化作用が高まる)。中・高負荷域では閉鎖弁21を閉鎖する様にして高膨張比とする(例えば18)。若干の熱効率悪化を招くが、HCCI燃焼領域の拡大の利点がある。この閉鎖弁21はエンジン暖機中も開く様にすると触媒の活性化を促がす事ができる。尚、図1では図2(イ)の通路20を設けていないから、膨張比が高く(例えば18)、従って排ガス温度が低く、エンジン暖機時には触媒を電気ヒーターで加熱して活性化を促がす手法もある(膨張比が高い為、この熱効率向上分を電気ヒーターによる触媒加熱エネルギーに振り分ける)。図2(ロ)は高膨張比弁16が高温になるのを防ぐ断熱構造としたもので、高膨張比弁16の排ガスに接触する部分24を図2(ハ)の如く空気層25を挟んで断熱構造としている。26はガスケットでありネジ止めされている。図2(ニ)は図1の高膨張比弁16をスライド弁式としたもので、スライド弁27はカム28により駆動され、図1の高膨張比弁16と同じタイミングで通路15を開閉する。
図1では高膨張比弁16によりタイミングを取ってシリンダー内の残留ガスを一定量排気ポート8内へ押し戻していたが、これを低負荷域においてクランク室2内などの吸入側へ押し戻す方式も考えられ、これを図5に示す。即ち、図5において高膨張比弁30はクランク軸と例えば回転比1/1で駆動され、通路29は図1の通路15と同じ高さにあり、高膨張比弁30は下死点前の所定のクランク角から少なくともピストンにより排気ポート8が開かれる近傍のクランク角までは通路29を閉じており、ピストンの上昇に従って所定のクランク角まで通路29を開いてシリンダー内の残留ガスをクランク室2内などの吸入側(吸気通路4内でも良い)へ押し戻す様に構成されている。エンジンの低負荷域では切り換え弁32によりクランク室2内へ通ずる通路31は開かれ、排気ポート8へ通ずる通路33は閉じているから、ピストンの上昇に従ってシリンダー内に残留した残留ガスは一定量クランク室2内へ押し戻される。従ってクランク室2内のガス温度は上昇し、掃気によるシリンダー内ガス温度低下を抑え、HCCI燃焼を引き起し易くするのに有効である。35はリード弁(逆止弁)である。中・高負荷域ではアクチュエーター34により駆動される切換え弁32によって通路31を閉じて通路33を開き、排気ポート8内へ排出させる(クランク室2内へ押し戻す事は中・高負荷域では有害である故)。これにより吹き抜けた空気は触媒9の温度上昇を抑え、耐久性を増す(従来の様に混合気を濃くして温度上昇を抑える手法は不要である)。これは図1の場合も同様の効果を有する。図5の場合も図1の場合も、低負荷域では掃気後のシリンダー内残留ガスが排気ポート内へ排出されない為、触媒の活性化を妨げる事はない。ところで2サイクル機関では掃気時に新気の吹き抜けがあり(排気温度を下げ、解媒の機能を低下させる)、これを防ぐには排気ポートを掃気ポートよりも早く閉じてやる事が有効で、これを高膨張比弁16(又は30)により行なう様にした実施例を図6(イ)に示す。即ち、図6(イ)は高膨張比弁16により行なう様にしたもので、排気ポート8は高膨張比弁16により掃気ポート7より早く閉じる様にタイミングが設定され、新気の吹き抜けを防止する。但し、これはHCCI燃焼領域においてのみ有効で、火花点火燃焼領域では通路15から吹き抜ける為、効果はない。図6(イ)において高膨張比弁16を含む横断面を上方から見た図を図6(ロ)に示す。図6(ロ)のA−A′線断面を示す図6(ハ)の如く、この断面には高膨張比弁16により開閉される通路15が形成され、これは図1で説明した通りなので詳細は省略する。図6(イ)においても図2(イ)における通路20を形成して、これを高膨張比弁16により開閉してHCCI燃焼領域において膨張比を低下させ、HCCI燃焼領域を拡大する様にしても良い。尚、高膨張比弁16、30は1次慣性力を除去してエンジン振動を軽減させる為のバランサー軸として利用する事ができる。
次にHCCI燃焼は圧縮上死点近傍で燃焼が発生する様にする事が望ましく、過度に進むとノッキングの原因となるので、燃焼時期を制御する方法について説明する。即ち、図1の本発明においては図7の様に通路15に制御弁38を備え、これをECU14からの制御信号に応じて作動するアクチュエーター39により駆動し、その開度を制御するのである。HCCI燃焼領域(低負荷域)において燃料噴射量の増加によりノッキングが発生する状態になると、これを図示しないノックセンサーが検出して(この他、点火プラグ周辺のイオン電流を測定し、低温酸化反応の発生量により電流値が上昇する現象を利用して検出する方法もある)制御弁38の開度を大きくし、それによりシリンダー内ガスを排気ポート8内へ逃して有効圧縮比を低下させたのと同様の効果を生じさせ、ノッキングを未然に防止するのである。この場合、図1の制御弁18は制御弁38を全閉とする事により制御弁18を閉じたのと同じ状態となるから、不要である。
火花点火燃焼領域では制御弁38を全開状態とする。尚、図1の制御弁18をアクチュエーター19によりその開度を連続的に制御する様にすれば、制御弁38の代りにこれを使う事ができる。以上は図6の場合にも同様に適用される。
火花点火燃焼領域では制御弁38を全開状態とする。尚、図1の制御弁18をアクチュエーター19によりその開度を連続的に制御する様にすれば、制御弁38の代りにこれを使う事ができる。以上は図6の場合にも同様に適用される。
ところで本発明の特徴の1つは火花ギャップの着火時期を上死点又はそれ以降とするところにあるが、これを従来と同様に上死点前としたらどうなるかを考えてみる(火花ギャップは1点でもそれ以上でも数は問わない)。
即ち、着火時期を上死点前とすると最高燃焼圧力・温度が上昇することにより冷却損失、摩擦損失が増加して、熱効率が低下すると共に火花点火燃焼領域ではNOxが多量に発生する事になる。
しかしながら低負荷域では熱効率の高いHCCI燃焼法を可能にしていること、しかもその燃焼発生時期を最適制御できること、圧縮比より高い膨張比を採用していることなどの理由により従来よりは遙かに高い熱効率を有するものである。火花点火燃焼領域で発生するNOxはリーンNOx浄化触媒により低減させる事ができる。
以上の如く本発明より若干の後退になるが、従来よりは遙かに高い熱効率を有するものである。
即ち、着火時期を上死点前とすると最高燃焼圧力・温度が上昇することにより冷却損失、摩擦損失が増加して、熱効率が低下すると共に火花点火燃焼領域ではNOxが多量に発生する事になる。
しかしながら低負荷域では熱効率の高いHCCI燃焼法を可能にしていること、しかもその燃焼発生時期を最適制御できること、圧縮比より高い膨張比を採用していることなどの理由により従来よりは遙かに高い熱効率を有するものである。火花点火燃焼領域で発生するNOxはリーンNOx浄化触媒により低減させる事ができる。
以上の如く本発明より若干の後退になるが、従来よりは遙かに高い熱効率を有するものである。
1はピストン、2はクランク室、3はリード弁、4は吸気通路、5は吸気絞り弁、6・19・20・34・39はアクチュエーター、7は掃気ポート、8は排気ポート、9は触媒、10は燃料噴射弁、11は燃焼室、12はスキッシュ部、13は点火プラグ、14はECU、15・20・23・29・31・33は通路、16は高膨張比弁、17は閉鎮部、18・38は制御弁、21は閉鎮弁、22はアクチュエーター、24は排ガスと接触する部分、25は空気層、26はガスケット、27は高膨張比弁(スライド式)、28はカム、30は高膨張比弁、32は切換え弁、35はリード弁、36は不導体板、37は火花ギャップ、G0・G1・G2・G3・G4は火花ギャップである。
Claims (3)
- 空気によりシリンダー内を掃気する2サイクル内燃機関において、燃焼室に2点以上の火花ギャップを臨ませる多点着火方式とし、かつ前記火花ギャップの着火時期を圧縮上死点又はそれ以降となる様に制御せしめ、更に排気ポートよりも上死点側の位置にあるシリンダー壁面に開口する通路に高膨張比弁を備え、この高膨張比弁は下死点前の所定のクランク角から少なくともピストンにより前記排気ポートが開かれる近傍のクランク角までは前記通路を閉じており、ピストンの上昇に従って所定のクランク角まで前記通路を開いてシリンダー内の残留ガスを排気ポート内へ排出する様に構成し、予混合圧縮着火燃焼領域では前記通路を制御弁により閉じて有効圧縮比を高め、エンジンの負荷、回転速度などの運転条件によって予混合圧縮着火燃焼と火花点火燃焼とを切り換えることを特徴とする高効率内燃機関の構造。
- 排気ポートよりも上死点側の位置にあるシリンダー壁面に開口する通路に制御弁を備え、予混合圧縮着火燃焼領域において前記制御弁の開度を調整して燃焼時期を制御する様にした請求項1記載の高効率内燃機関の構造。
- 空気によりシリンダー内を掃気する2サイクル内燃機関において、燃焼室に2点以上の火花ギャップを臨ませて多点着火方式とし、かつ前記火花ギャップの着火時期を圧縮上死点又はそれ以降となる様に制御せしめ、更に排気ポートよりも上死点側の位置にあるシリンダー壁面に開口する通路に高膨張比弁を備え、この高膨張比弁は下死点前の所定のクランク角から少なくともピストンにより前記排気ポートが開かれる近傍のクランク角までは前記通路を閉じており、ピストンの上昇に従って所定のクランク角まで前記通路を開いてシリンダー内の残留ガスを火花点火燃焼領域では排気ポート内へ排出し、予混合圧縮着火燃焼領域ではクランク壁内などの吸入側へ戻す様に構成し、エンジンの負荷、回転速度などの運転条件によって予混合圧縮着火燃焼と火花点火燃焼とを切り換える事を特徴とする高効率内燃機関の構造。
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JP2012110022A JP2013213486A (ja) | 2012-03-31 | 2012-03-31 | 空前の高効率内燃機関の構造 |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN111762149A (zh) * | 2020-06-29 | 2020-10-13 | 广西玉柴机器股份有限公司 | 一种增程式混合动力燃气车启动控制方法 |
CN115217619A (zh) * | 2022-03-17 | 2022-10-21 | 广州汽车集团股份有限公司 | 扫气装置及其控制方法、汽车 |
-
2012
- 2012-03-31 JP JP2012110022A patent/JP2013213486A/ja active Pending
Cited By (3)
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CN115217619B (zh) * | 2022-03-17 | 2023-08-08 | 广州汽车集团股份有限公司 | 扫气装置及其控制方法、汽车 |
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