JP2012041846A - 内燃機関の燃料噴射及び点火時期制御方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】ノッキングの発生の抑制と、熱効率の向上を図ることができ、内燃機関の高圧縮比を実現することができる内燃機関の燃料噴射及び点火時期制御方法を提供する。
【解決手段】シリンダ内に直接燃料を噴射する燃料噴射弁を備えてなる内燃機関の燃料噴射及び点火時期制御方法であって、圧縮上死点前及び圧縮上死点後において燃料噴射及び点火を少なくとも1回ずつ実施するものであり、圧縮上死点前の燃料噴射量は空燃比がリーンになる量に設定し、圧縮上死点後の燃料噴射量は空燃比が前記リーンに比べてリッチになる量に設定する。
【選択図】図5
【解決手段】シリンダ内に直接燃料を噴射する燃料噴射弁を備えてなる内燃機関の燃料噴射及び点火時期制御方法であって、圧縮上死点前及び圧縮上死点後において燃料噴射及び点火を少なくとも1回ずつ実施するものであり、圧縮上死点前の燃料噴射量は空燃比がリーンになる量に設定し、圧縮上死点後の燃料噴射量は空燃比が前記リーンに比べてリッチになる量に設定する。
【選択図】図5
Description
本発明は、燃料を直接燃焼室に噴射する内燃機関の燃料噴射及び点火時期制御方法に関するものである。
従来、ガソリンエンジンにおいて、混合気を燃焼させる方法として、均質燃焼と成層燃焼とが知られている。このうち、成層燃焼では、全体として希薄燃焼となって、空燃比が高い状態で燃焼が完了する。このような燃焼方法を実施するガソリンエンジンでは、基本的には、圧縮上死点付近で定容度の高い燃焼となって、熱効率を改善している。
熱効率を改善するべく、例えば特許文献1には、圧縮比を高くしたエンジンが記載されている。この特許文献1のものでは、冷間始動時に、燃料噴射タイミングを圧縮行程にリタードさせて、点火時期において点火プラグ近傍に理論空燃比よりもリッチな混合気が形成され、このリッチな混合気層の外側に理論空燃比よりもリーンな混合気が形成されるようにする冷間始動制御を実行するものである。
しかしながら、このような構成によれば、リッチな混合気に点火することになるので、燃焼が始まってからの筒内最高圧力が高くなる。このため、燃焼ガス温度(発熱量)が筒内圧力に比例して高くなり、筒内圧力が高いことにより、エンドガス領域において自着火が発生して、ノッキングを生じることになる。また、燃焼ガス温度が高くなることにより、熱損失が高くなって熱効率が低下するものとなる。
そこで本発明は以上の点に着目し、内燃機関の高圧縮比を実現すべく、ノッキングの発生の抑制と、熱効率の向上を図ることを目的としている。
すなわち、本発明の内燃機関の燃料噴射及び点火時期制御方法は、シリンダ内に直接燃料を噴射する燃料噴射弁を備えてなる内燃機関の燃料噴射及び点火時期制御方法であって、圧縮上死点前及び圧縮上死点後において燃料噴射及び点火を少なくとも1回ずつ実施するものであり、圧縮上死点前の燃料噴射量は空燃比がリーンになる量に設定し、圧縮上死点後の燃料噴射量は空燃比が前記リーンに比べてリッチになる量に設定することを特徴とする。
このような構成によれば、圧縮上死点前において、燃料噴射量を空燃比がリーンになる量にしているので、緩やかな燃焼速度の燃焼状態を作り出す。これにより、圧縮上死点前における燃焼による熱発生量を低く抑えることが可能になり、ノッキングの発生を抑制でき、高圧縮化を図ることができる。
また、圧縮上死点後においては、燃料噴射量を空燃比が前記リーンに比べてリッチになる量にしているので、圧縮上死点前の点火後の燃焼に続いて空燃比がリッチ状態での燃焼状態となる。したがって、噴射した燃料をほぼ完全に燃焼させることができ、ピストンの下降速度を促進することができる。
さらに、圧縮上死点前の点火による燃焼では、筒内最高圧力を低く抑えられるので、熱損失(冷却損失)が発熱量に比例すること、及び発熱量が筒内圧力に比例することから、熱効率を向上させることが可能になる。
圧縮上死点前における空燃比がリーンになる燃料噴射量による燃焼を安定化させるためには、内燃機関は、点火プラグを2個備えてなり、一方の点火プラグはスパークギャップを燃焼室において気体の滞留が容易な位置に配置して、圧縮上死点前において点火を実施するものが好ましい。
本発明は、以上説明したような構成であり、ノッキングの発生の抑制と、熱効率の向上を図ることができ、内燃機関の高圧縮比を実現することができるので燃費が向上する内燃機関の燃料噴射及び点火時期制御方法を提供することができる。
以下、本発明の一実施形態を、図面を参照して説明する。
この実施形態のエンジンは、一気筒あたり、一本の排気弁1と二本の吸気弁2,3と二本の点火プラグ4,5と二本の燃料噴射弁6,7とを備える、例えば2気筒のものである。具体的には、このエンジンは、シリンダ8の上部を構成する燃焼室9に連通する排気ポート端部を開閉する一本の排気弁1と、燃焼室9の天井の中央に対して排気ポート1と対称的に形成されて燃焼室9に連通する吸気ポート端部を開閉する二本の吸気弁2,3とを備えている。排気弁1は、一方の点火プラグ4を取り付けるための場所を確保するために、二本の吸気弁2,3の一方の側に偏って配置される。一方の吸気弁2に対応する吸気ポートは、斜めスワールが形成されるように構成され、残る他方の吸気弁3に対応する吸気ポートは、タンブルが形成されるように構成される。これらの排気弁1及び吸気弁2,3を往復動させる動弁機構については、この分野でよく知られたものを適用するものであってよい。
このような弁配置に対して、第一点火プラグ4が、燃焼室9の天井に設けられる凹部10内にスパークギャップが位置するように取り付けられ、第二点火プラグ5が、燃焼室9の天井の中央部に取り付けられる。凹部10は、偏って配置される排気弁1によって作り出される燃焼室9の天井の領域に、スパークギャップが突出しない深さを有して、スパークギャップの周囲に空間が形成される広さを有して形成される。凹部10は、吸入空気による掃気がなされにくい部位、つまり吸気行程において斜めスワールによる影響が少ない部位に形成する。これに対して、第二点火プラグ5は、この分野でよく知られるエンジンと同様に、排気弁1と二本の吸気弁2,3とで囲まれる場所に取り付けられる。
次に、第一燃料噴射弁6は、燃料を凹部10に向かって噴射する位置に取り付けてある。第一燃料噴射弁6が噴射した燃料が、ほぼ直接に凹部10に到達するように方向を設定して、第一燃料噴射弁6を取り付けるものである。第二燃料噴射弁7は、スキッシュエリアに近い吸気ポート端部間の部位に取り付けられ、燃料をピストン11の頂面に形成されたタンブル用凹部12に向けて噴射する。
以上に説明した構成以外、例えばエアクリーナ、スロットル弁、サージタンクを含む吸気マニホルド、頂面の構造を除くピストン11の構造、クランク軸、動弁機構としての吸排気カム軸、三元触媒、可変バルブタイミング装置、排気ガス再循環装置、運転状態を検出するための各種のセンサ、これらのセンサから出力される信号に基づいて点火時期及び燃料噴射時期を制御する電子制御装置13の基本的な構成などについては、この分野でよく知られたエンジンのものを適用するものであってよい。
電子制御装置13は具体的には、プロセッシングユニットとメモリと入力インターフェースと出力インターフェースとを具備してなるコンピュータシステムを主体に構成されている。入力インターフェースには、サージタンク内の圧力すなわち吸気管圧力を検出するための吸気圧センサ14から出力される吸気圧信号、エンジンの回転状態を検出するためのクランク角センサ15から出力されるクランク角信号及び気筒判別信号、スロットルバルブの開閉状態を検出するためのアイドルスイッチ16から出力されるIDL信号、エンジンの冷却水温を検出するための水温センサ17から出力される水温信号、O2 センサ18から出力される電流信号等が入力される。一方、出力インターフェースからは、第一及び第二燃料噴射弁6,7に対して燃料噴射信号が、また第一及び第二点火プラグ4,5に対してイグニションパルスが出力されるようになっている。
電子制御装置13は、クランク角信号に基づいて検出されるエンジン回転数と、吸気圧信号に基づいて検出される吸入空気量とに基づいて、第一燃料噴射量と第二燃料噴射量とを設定する。この場合、基本となる燃料噴射量が、エンジンの運転状態に基づいて設定される各種の補正量により補正されて、それぞれの燃料噴射量が設定されることは言うまでもない。この実施形態にあっては、第一燃料噴射量は、理論空燃比に比べて空燃比がリーンになる量に設定され、第二燃料噴射量は同じく理論空燃比に比べて空燃比がリッチになる量に設定され、それぞれの燃料噴射量の合計と吸入空気量とにより空燃比を演算した場合に、空燃比がほぼ理論空燃比となるように設定される。具体的には、第一燃料噴射量と第二燃料噴射量との比率は例えば、1:3である。
このように設定される第一燃料噴射量の燃料噴射時期(以下、第一噴射時期と称する)は、圧縮上死点前に設定され、同じく第二燃料噴射量の燃料噴射時期(以下、第二噴射時期と称する)は、圧縮上死点後に設定される。第一噴射時期は例えば、圧縮上死点前20°CA(クランク角)、第二噴射時期は例えば、圧縮上死点後10°CAである。第一噴射時期は、第一燃料噴射弁6を駆動するタイミングであり、第二噴射時期は、第二燃料噴射弁7を駆動するタイミングである。
これに対して、それぞれの燃料噴射時期に対応して、第一点火時期と第二点火時期とを設定する。第一点火時期は、圧縮上死点前で、かつ第一噴射時期後のタイミングに設定される。具体的には例えば、第一点火時期は、圧縮上死点前10°CAである。これに対して、第二点火時期は、圧縮上死点後で、かつ第一噴射時期後のタイミングに設定される。
燃料噴射及び点火は、電子制御装置13に格納してある燃料噴射及び点火時期制御プログラム(以下、制御プログラムと称する)を所定周期で繰り返し実行することで実施される。電子制御装置13は、クランク角信号を活用して制御プログラムを実行することにより、第一及び第二燃料噴射弁6,7と第一及び第二点火プラグ4,5に対して、燃料噴射制御信号及び点火信号をそれぞれ出力するものである。制御プログラムの制御手順を、図5に示す。
図5において、ステップS1では、圧縮行程における圧縮上死点前の第一噴射時期か否かを、クランク角信号及び気筒判別信号に基づいて判定する。すなわち、例えば第一気筒のピストン11が、第一噴射時期のクランク角に達したことで、第一噴射時期であることを判定する。
ステップS1において、エンジンの運転状態が第一噴射時期であると判定した場合は、ステップS2において第一燃料噴射弁6により燃料を噴射する。この場合の燃料噴射量は、上述した第一燃料噴射量であり、電子制御装置13は、第一燃料噴射量に対応する時間、第一燃料噴射弁6を開く。これにより、圧縮上死点前のリーンな空燃比となる燃料量により燃料噴射が実施されるものである。
ステップS3では、圧縮上死点前で、かつ第一噴射時期後の第一点火時期か否かを、クランク角信号及び気筒判別信号に基づいて判定する。ステップS3において、第一点火時期であると判定した場合は、ステップS4において、第一点火プラグにより混合気に点火する。これにより、リーンな空燃比での燃焼が開始される。
ステップS5では、圧縮上死点前の燃焼の後、エンジンが回転して、圧縮上死点後の第二噴射時期に達したか否かを、同様にして判定する。エンジンの運転状態が、第二噴射時期に達したと判定した場合は、ステップS6において、電子制御装置13が、第二燃料噴射弁7を第二燃料噴射量に対応する開弁時間駆動して、空燃比がリッチになる量の燃料を噴射する。
ステップS7では、圧縮上死点後の第二点火時期であるか否かを判定する。エンジンの運転状態が第二点火時期であると判定した場合は、ステップS8において第二点火プラグにより混合気に点火する。
このような構成において、エンジンの始動後、制御プログラムを実行して、圧縮上死点を境にして圧縮行程と膨張行程とにわたって、圧縮上死点前及び圧縮上死点後において燃料噴射及び点火を少なくとも1回ずつ実施する。すなわち、圧縮行程において、ピストン11が第一噴射時期となるクランク角に達した時点で、第一燃料噴射弁6により燃料を噴射する(ステップS1及びステップS2)。噴射された燃料は、圧縮中の吸入空気内で霧化しながら凹部10に向かって飛び、第一点火プラグ4のスパークギャップ周囲にリーンな空燃比となる混合気を形成する。
この後、ピストン11が第一点火時期となるクランク角に達した時点で、第一点火プラグ4により混合気に点火する(ステップS3及びステップS4)。第一点火プラグ4のスパークギャップを収納する凹部10は、吸気による掃気が作用しにくい部位であるので、既燃ガスの一部がその内部に残留している。したがって、凹部10内の、比較的高温で、かつOHやCH等の活性基が残留した既燃ガスの存在により、第一点火プラグ4による火炎核の形成後、火炎伝播が促進される。
このように、第一燃料噴射では、空燃比がリーンになる燃料量であるので、圧縮上死点前において、燃焼速度の緩やかなリーンバーン状態を作り出しており、全体の燃焼における熱発生総量の約25%前後の熱発生量となって、熱発生量を低く抑えることができる。このため、筒内圧力を低くすることができ、ノッキングの発生を抑制することができ、高圧縮化を図ることができる。
そして、ピストン11が圧縮上死点を超えて、第二噴射時期となるクランク角に達した時点で、第二燃料噴射弁により燃料を噴射する(ステップS5及びステップS6)。噴射された燃料は、タンブル用凹部10に案内されて燃焼室9内の気体と混合するようにタンブルを形成する。タンブルは、第二点火プラグ5に達する。
この後、ピストン11が第二点火時期となるクランク角に達した時点で、第二点火プラグ5により混合気に点火する(ステップS7及びステップS8)。この場合、第二噴射時期に噴射された燃料量は、空燃比がリッチになる量であるので、燃焼速度が速くなる。又、十分なタンブルによる乱れ及び斜めスワールによる乱れが確保されているため、燃焼の促進効果が大きくなる。これにより、圧縮上死点後の膨張行程においても安定した燃焼を確保することができる。
以上に説明したそれぞれの燃焼は、圧縮上死点を境にして、異なるタイミングで、区画されていない空間でなされるものであるので、燃焼現象は、圧縮上死点前の空間と圧縮上死点後の空間において70%〜90%の割合で発生しているとみなすことができる。この場合、前者と後者の物理的空間の大きさは、ほぼ1:2の割合であり、又それぞれにおける発熱量は、ほぼ1:3の割合である。
したがって、残る10%〜30%の燃焼現象では、圧縮上死点前空間と圧縮上死点後空間との双方が交錯しており、圧縮上死点前空間から圧縮上死点後空間に温度の伝達、燃焼物質(主にラジカルの多い中間生成物質)の移送又はリーンバーンであることから残余の酸素の移送などが行われる。したがって、圧縮上死点後空間にあっては、圧縮上死点前空間からこのような物質などを受動することとなり、燃焼のさらなる促進及び反応的には酸素の受動によるリッチバーンで不足した酸素による圧縮上死点後空間での残余の燃焼を完全燃焼化することができる。
このことは、圧縮上死点前後においてリーンバーンとリッチバーンとを区別しているが、一行程毎に空燃比がほぼ理論空燃比になる。したがって、三元触媒における排気ガス浄化効率を向上させることができる。
以上の構成において、エンジンは、燃焼空間つまり燃焼室内に生じた熱を、ウォータジャケットに伝達することで逃がし、エンジンの過熱を防いでいる。この反面、燃焼による熱エネルギが冷却損失となって捨てられることになる。ウォータジャケットの冷却水の温度を例えば60°C〜100°Cにおいてほぼ一定とすると、熱損失は、燃焼ガス温度を含む作動流体温度に比例するので、熱損失を下げるためには、作動流体温度を下げればよい。燃焼ガス温度は、ほぼ筒内圧力にしたがうので、結果的には発熱量を低減すれば熱損失も低減する。
なお、熱損失に関しては例えば、社団法人自動車技術会会誌Vol.59,No.4,2005.第17頁の図10及び関連する論文に示されるように、圧縮上死点後約10°CAを境にして、それ以前のクランク角での位置における熱損失が、それ以降における熱損失よりもはるかに大きいことが知られている。それゆえ、上述の論文は、圧縮上死点後約10°CA辺りまでの熱損失を小さくすることにより、熱効率を向上させることができることを示すものである。この実施形態では、圧縮上死点前における燃焼を、上述したように、筒内圧力を低くして作動流体温度を低くしているので、熱損失を少なくすることができるものである。
これに対して、圧縮上死点後の燃焼では、ピストン11の降下とともにシリンダ8の容量が増加し、図6に実線で示すように、筒内圧力は圧縮上死点前の燃焼時の最大圧力を下回るものとなる。又、熱発生率は、図7に実線で示すように、圧縮上死点前の燃焼においては従来のものと同様に変化し、圧縮上死点後の燃焼において増加する(従来は、圧縮上死点後に急速に減少する)。
さらに、この実施形態にあっては、図8に実線で示すように、サバティサイクルに近いPV線図をえるものである。したがって、この場合の熱効率ηthは、ほぼ以下の式により表される。
ηth=1−((ρκλ−1)/εκ−1{λ−1+κλ(ρ−1)})
ただし、ε:圧縮比、κ:比熱比、ρ:等圧膨張比、λ:圧力比である。
ただし、ε:圧縮比、κ:比熱比、ρ:等圧膨張比、λ:圧力比である。
この場合、同圧縮比であるならば、オットーサイクルの熱効率より劣るが、上述したようにノッキングを抑制することができるので、圧縮比εを高くすることができる。このため、従来における平均的な圧縮比のエンジンの熱効率に比べて、はるかに改善することができる。
なお、本発明は、上述の実施形態に限定されるものではない。
上述の実施形態にあっては、圧縮上死点前の燃料噴射量を理論空燃比に比べて空燃比がリーンになる量に、また圧縮上死点後の燃料噴射量を理論空燃比に比べて空燃比がリッチになる量に設定するものを説明したが、圧縮上死点前と圧縮上死点後との空燃比は、相対的にリッチとリーンとの関係を維持するものであれば、理論空燃比を判定基準としてリーン及びリッチである必要はない。つまり、圧縮上死点後の燃料噴射量は、圧縮上死点前の燃料噴射量を設定した際のリーンである空燃比に比べてリッチである空燃比になるものであればよい。この場合のリーンとリッチとの空燃比の判定基準は、理論空燃比よりリーンであるものとリッチであるものとを含むものである。
上述の実施形態では、1気筒あたり吸気弁が2本のものを説明したが例えば、図9に示すように、1気筒あたり排気弁と吸気弁とが1本ずつのエンジンであってもよい。この場合、ピストンピンの中心軸100に直角な方向において排気弁101と吸気弁102とを配置すると、第一点火プラグ104は、上述の実施形態と同様に、吸気による掃気のなされにくい部位にスパークギャップが位置するように凹部110内に取り付け、第一燃料噴射弁106は第一点火プラグ104の方向に燃料を噴射するような位置及び姿勢で取り付ける。
これに対して、第二点火プラグ105は、上述の実施形態と同様に、燃焼室の天井の中央部分にスパークギャップが位置するように取り付け、第二燃料噴射弁107は、燃料を噴射した際に形成されるタンブルにより燃料が第二点火プラグ105方向に飛ぶ位置及び姿勢で取り付ける。この場合、ピストンの頂面に設けるタンブル用凹部は、第二燃料噴射弁107の取り付け位置に対応して、その凹み方向を設定するものである。
上述の実施形態において、第一点火プラグ4を、吸気による既燃ガスの掃気がなされにくい位置に設ける凹部10に、そのスパークギャップが収まるに構成したが、凹部10に代えて例えば、特公昭61‐60966号公報に示される副燃焼室を採用するものであってもよい。すなわち、この副燃焼室200は、図10に示すように、上述の実施形態より深い凹部を形成し、その凹部に副室カップ220を嵌め込んで取り付ける構造である。副室カップ220には、燃焼室209と連通するトーチ孔221が形成してある。第一点火プラグ204のスパークギャップは、副室カップ220内に収められる。なお、このような副燃焼室構造は、第二点火プラグに適用してもよい。
このような構成にあっては、上述の実施形態の凹部10の場合と同様に、掃気されなかった既燃ガスが副燃焼室200内つまり副室カップ220内に残留するので、圧縮上死点前での燃料噴射の際には、既燃ガスに含まれる活性基により、副燃焼室200内での燃焼が促進される。そして、副燃焼室200での燃焼により、トーチ孔221から火炎がトーチ状に噴出する。このため、圧縮上死点前の燃料噴射では、空燃比がリーンになる燃料量であるが、トーチ状に噴出する火炎により燃焼室209内に燃焼が伝播される。このため、圧縮上死点前の燃料噴射量をさらに少なくすることが可能になる。
その他、各部の具体的構成についても上記実施形態に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形が可能である。
本発明の活用例として、自動車に搭載される多気筒の火花点火式のエンジンが挙げられる。
6…第一燃料噴射弁
7…第二燃料噴射弁
4…第一点火プラグ
5…第二点火プラグ
8…シリンダ
13…電子制御装置
7…第二燃料噴射弁
4…第一点火プラグ
5…第二点火プラグ
8…シリンダ
13…電子制御装置
Claims (2)
- シリンダ内に直接燃料を噴射する燃料噴射弁を備えてなる内燃機関の燃料噴射及び点火時期制御方法であって、
圧縮上死点前及び圧縮上死点後において燃料噴射及び点火を少なくとも1回ずつ実施するものであり、
圧縮上死点前の燃料噴射量は空燃比がリーンになる量に設定し、
圧縮上死点後の燃料噴射量は空燃比が前記リーンに比べてリッチになる量に設定する内燃機関の燃料噴射及び点火時期制御方法。 - 内燃機関は、点火プラグを2個備えてなり、
一方の点火プラグはスパークギャップを燃焼室において気体の滞留が容易な位置に配置して、圧縮上死点前に置いて点火を実施する請求項1記載の内燃機関の燃料噴射及び点火時期制御方法。
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