JP2010048108A - 内燃機関 - Google Patents

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Abstract

【課題】エンジン始動後暖機運転時のオイル希釈およびPM発生量を低減することが可能な筒内噴射式内燃機関を提供することを目的とする。
【解決手段】筒内直噴内燃機関において、ECU51は、エンジン始動後暖機運転時に、検出または推定したオイル希釈率および油温センサ63で検出された油温に基づいて、オイル希釈抑制制御が必要か否かを判定し、オイル希釈抑制制御が必要と判断した場合には、オイル希釈抑制制御を実行し、排気可変動弁機構28による排気弁22の閉じタイミングを吸気行程中期とし、要求燃料噴射量の一部若しくは全部を吸気行程初期から排気弁22が閉じるまでの間にインジェクタ41に噴射させる。
【選択図】図1

Description

本発明は、内燃機関に関し、特に、燃焼室に直接燃料を噴射する筒内直接噴射式の内燃機関に関するものである。
従来、吸気行程または圧縮行程において燃焼室内に燃料噴霧を直接噴射して、点火プラグにより燃料噴霧と空気との混合気に火花点火する筒内噴射式内燃機関が知られている。かかる筒内噴射式内燃機関は、吸気通路に燃料噴霧を噴射する内燃機関に比べて、噴射される燃料噴霧がシリンダ内壁に付着しやすいという特徴がある。このため、機関温度が低い冷機状態では、シリンダ内壁に付着した燃料噴霧(以下「付着燃料」という)の気化が促進されず、点火時期になっても付着燃料が残っているおそれがある。この場合には、付着燃料が燃焼されることなく大気中に排出されたり、或いは、付着燃料がオイルに混入してオイル希釈を起こすおそれがあった。
例えば、特許文献1では、筒内噴射式内燃機関において、燃料噴射時期を燃料がシリンダライナに付着しないタイミングに設定することにより燃料によるオイル希釈を抑制する技術が開示されている。
しかしながら、燃料噴射時期を抑制することでオイル希釈を抑制することが可能であるが、燃料噴射時期を吸気行程初期とした場合、ピストン冠面に燃料が付着するため、スモークやPM発生の原因となるという問題がある。
特開2002−13428号公報
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、エンジン始動後暖機運転時のオイル希釈およびPM発生量を低減することが可能な筒内噴射式内燃機関を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、燃料噴射装置により直接筒内に燃料を噴射する内燃機関において、少なくとも排気弁の開閉タイミングを変更可能な可変動弁機構と、エンジンオイルのオイル希釈率を検出または推定するオイル希釈率算出手段と、前記エンジンオイルの油温を検出または推定する油温算出手段と、エンジン始動後暖機運転時に、前記オイル希釈率算出手段で検出または推定したオイル希釈率および前記油温算出手段で検出または推定した油温に基づいて、オイル希釈抑制制御が必要か否かを判定する判定手段と、前記判定手段でオイル希釈抑制制御が必要と判断された場合に、前記オイル希釈抑制制御を実行する制御手段と、を備え、前記オイル希釈抑制制御では、前記可変動弁機構の前記排気弁の閉じタイミングを吸気行程中期とし、吸気行程初期から前記排気弁が閉じるまでの間に、要求燃料噴射量の一部若しくは全部を前記燃料噴射装置に噴射させること特徴とする。
また、本発明の好ましい態様によれば、前記オイル希釈抑制制御では、前記燃料の分割噴射を行い、吸気行程で前記排気弁が閉じるまでの間に2回の燃料噴射を行うことが望ましい。
また、本発明の好ましい態様によれば、2回目の燃料噴射では、要求燃料噴射量のX(%)を噴射し、1回目の燃料噴射では、要求燃料噴射量の100−X(%)を噴射し、前記X(%)を前記オイル希釈率が高いほど増加させることが望ましい。
また、本発明の好ましい態様によれば、前記オイル希釈抑制制御では、前記排気弁の閉じタイミングを前記オイル希釈率が高いほど遅角させることが望ましい。
本発明に係る内燃機関によれば、燃料噴射装置により直接筒内に燃料を噴射する内燃機関において、少なくとも排気弁の開閉タイミングを変更可能な可変動弁機構と、エンジンオイルのオイル希釈率を検出または推定するオイル希釈率算出手段と、前記エンジンオイルの油温を検出または推定する油温算出手段と、エンジン始動後暖機運転時に、前記オイル希釈率算出手段で検出または推定したオイル希釈率および前記油温算出手段で検出または推定した油温に基づいて、オイル希釈抑制制御が必要か否かを判定する判定手段と、前記判定手段でオイル希釈抑制制御が必要と判断された場合に、前記オイル希釈抑制制御を実行する制御手段と、を備え、前記オイル希釈抑制制御では、前記可変動弁機構の前記排気弁の閉じタイミングを吸気行程中期とし、吸気行程初期から前記排気弁が閉じるまでの間に、要求燃料噴射量の一部若しくは全部を前記燃料噴射装置に噴射させることとしたので、エンジン始動後暖機運転時のオイル希釈およびPM発生量を低減させることが可能な内燃機関を提供することが可能になるという効果を奏する。
以下に、本発明に係る内燃機関の実施例を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施例によりこの発明が限定されるものではない。また、下記実施例における構成要素には、当業者が置換可能かつ容易なもの、或いは実質的に同一のものが含まれる。
図1は、本発明の実施例に係るエンジンを表す概略構成図である。本実施例に係る内燃機関としてのエンジン10は、図1に示すように、乗用車、トラックなどの車両に搭載され、後述するインジェクタ41によって燃料噴霧を燃焼室18に直接噴射する多気筒筒内噴射式のエンジンであり、シリンダボア13内に往復運動可能に設けられるピストン14が2往復する間に、吸気行程、圧縮行程、膨張行程及び排気行程からなる一連の4行程を行う、いわゆる4サイクルエンジンである。
このエンジン10は、多気筒筒内噴射式であって、シリンダブロック11上にシリンダヘッド12が締結されており、このシリンダブロック11に形成された複数のシリンダボア13にピストン14がそれぞれ上下移動自在に嵌合している。そして、シリンダブロック11の下部にクランクケース15が締結され、このクランクケース15内にクランクシャフト16が回転自在に支持されており、各ピストン14はコネクティングロッド17を介してこのクランクシャフト16にそれぞれ連結されている。なお、このクランクケース15の底部には、エンジン10の各部に供給されるエンジンオイルが貯留されるオイルパン62が設けられている。オイルパン62には、エンジンオイルの油温を検出する油温センサ63が設けられており、検出した油温をECU51に出力している。なお、ここでは、油温を油温センサ63で検出することにしているが、エンジン冷却水温や運転状態等に基づいて推定することにしてもよい。
燃焼室18は、シリンダブロック11におけるシリンダボア13の壁面とシリンダヘッド12の下面としての筒内天井部とピストン14の頂面により構成されており、この燃焼室18は、上部、すなわち、シリンダヘッド12の下面としての筒内天井部の中央部が高くなるように傾斜したペントルーフ形状をなしている。燃焼室18は、燃料と空気との混合気が燃焼可能であり、この燃焼室18の上部である筒内天井部に吸気ポート19及び排気ポート20が対向して形成されており、この吸気ポート19及び排気ポート20に対して吸気弁21及び排気弁22の下端部がそれぞれ位置している。この吸気弁21及び排気弁22は、シリンダヘッド12に軸方向に沿って移動自在に支持されると共に、吸気ポート19及び排気ポート20を閉止する方向(図1にて上方)に付勢支持されている。また、シリンダヘッド12には、吸気カムシャフト23及び排気カムシャフト24が回転自在に支持されており、吸気カム25及び排気カム26が吸気弁21及び排気弁22の上端部に接触している。
なお、図示しないが、クランクシャフト16に固結されたクランクシャフトスプロケットと、吸気カムシャフト23及び排気カムシャフト24にそれぞれ固結された各カムシャフトスプロケットとは、無端のタイミングチェーンが掛け回されており、クランクシャフト16と吸気カムシャフト23と排気カムシャフト24が連動可能となっている。
したがって、クランクシャフト16に同期して吸気カムシャフト23及び排気カムシャフト24が回転すると、吸気カム25及び排気カム26が吸気弁21及び排気弁22を所定のタイミングで上下移動することで、吸気ポート19及び排気ポート20を開閉し、吸気ポート19と燃焼室18、燃焼室18と排気ポート20とをそれぞれ連通することができる。この場合、この吸気カムシャフト23及び排気カムシャフト24は、クランクシャフト16が2回転(720度)する間に1回転(360度)するように設定されている。そのため、エンジン10は、クランクシャフト16が2回転する間に、吸気行程、圧縮行程、膨張行程、排気行程の4行程を実行することとなり、このとき、吸気カムシャフト23及び排気カムシャフト24が1回転することとなる。
また、このエンジン10の動弁機構は、運転状態に応じて吸気弁21及び排気弁22を最適な開閉タイミングに制御する吸気・排気可変動弁機構(VVT:Variable Valve Timing-intelligent)27,28となっている。この可変動弁手段としての吸気・排気可変動弁機構27,28は、吸気カムシャフト23及び排気カムシャフト24の軸端部にVVTコントローラ29,30が設けられて構成され、オイルコントロールバルブ31,32からの油圧をこのVVTコントローラ29,30の図示しない進角室及び遅角室に作用させることによりカムスプロケットに対するカムシャフト23,24の位相を変更し、吸気弁21及び排気弁22の開閉時期を進角又は遅角することができるものである。この場合、吸気・排気可変動弁機構27,28は、吸気弁21及び排気弁22の作用角(開放期間)を一定としてその開閉時期を進角又は遅角する。また、吸気カムシャフト23及び排気カムシャフト24には、その回転位相を検出するカムポジションセンサ33,34が設けられている。
吸気ポート19には、吸気マニホールド35を介してサージタンク36が連結され、このサージタンク36に吸気管37が連結されており、この吸気管37の空気取入口にはエアクリーナ38が取付けられている。そして、このエアクリーナ38の空気流動方向下流側にスロットル弁39を有する負荷調節手段としての電子スロットル装置40が設けられている。また、シリンダヘッド12には、燃焼室18に直接燃料を噴射する燃料噴射手段としてのインジェクタ(燃料噴射弁)41が装着されている。このインジェクタ41は、吸気ポート19側に位置して上下方向に所定角度傾斜して配置されている。このインジェクタ41は、燃焼室18に生成される吸気流動に燃料が乗るようにピストン14の頂面に向かって燃料を噴射可能である。各気筒に装着されるインジェクタ41は、デリバリパイプ42に連結され、このデリバリパイプ42には、高圧燃料供給管43を介して高圧燃料ポンプ(燃料ポンプ)44が連結されている。更に、シリンダヘッド12には、燃焼室18の上方に位置して混合気に着火する点火プラグ45が装着されている。
一方、排気ポート20には、排気マニホールド46を介して排気管47が連結されており、この排気管47には排気ガス中に含まれるHC、CO、NOxなどの有害物質を浄化処理する三元触媒48,49が装着されている。また、エンジン10には、クランキングを行うスタータモータ50が設けられており、エンジン始動時に図示しないピニオンギヤがリングギヤと噛み合った後、回転力がピニオンギヤからリングギヤへと伝わり、クランクシャフト16を回転することができる。
ところで、車両にはマイクロコンピュータを中心として構成されエンジン10の各部を制御可能な電子制御ユニット(ECU)51が搭載されており、このECU51は、インジェクタ41や点火プラグ45などを制御可能となっている。すなわち、吸気管37の空気流動方向上流側にはエアフローセンサ52及び吸気温センサ53が装着され、また、サージタンク36には吸気圧センサ54が設けられており、計測した吸入空気量、吸気温度、吸気圧(吸気管負圧)をECU51に出力している。また、電子スロットル装置40にはスロットルポジションセンサ55が装着されており、現在のスロットル開度をECU51に出力している。ここで、ECU51は、検出されたスロットル開度や吸入空気量に基づいて内燃機関負荷としてのエンジン負荷(負荷率)を算出することができる。アクセルポジションセンサ56は、現在のアクセル開度をECU51に出力している。更に、エンジン10のクランク角度を検出するクランク角度検出手段としてのクランク角センサ57は、検出した各気筒のクランク角度をECU51に出力し、このECU51は検出したクランク角度に基づいて各気筒における吸気行程、圧縮行程、膨張行程、排気行程を判別すると共に、エンジン回転数を算出している。なおここで、エンジン回転数は、言い換えれば、クランクシャフト16の回転速度に対応し、このクランクシャフト16の回転速度が高くなれば、クランクシャフト16の回転数、すなわち、エンジン10のエンジン回転数も高くなる。
また、シリンダブロック11にはエンジン冷却水温を検出する水温センサ58が設けられており、検出したエンジン冷却水温をECU51に出力している。また、各インジェクタ41に連通するデリバリパイプ42には燃料圧力を検出する燃圧センサ59が設けられており、検出した燃料圧力をECU51に出力している。一方、排気管47には、三元触媒48の排気ガス流動方向上流側にエンジン10の空燃比を検出するA/Fセンサ60、排気ガス流動方向下流側に酸素センサ61が設けられている。A/Fセンサ60は、三元触媒48に導入される前の排気ガスの排気ガス空燃比を検出し、検出した空燃比をECU51に出力し、酸素センサ61は、三元触媒48から排出された後の排気ガスの酸素濃度を検出し、検出した酸素濃度をECU51に出力している。このA/Fセンサ60により検出された空燃比(推定空燃比)は、吸入空気と燃料とからなる混合ガスの空燃比(理論空燃比)をフィードバック制御するために用いられる。すなわち、A/Fセンサ60は、排気ガス中の酸素濃度と未燃ガス濃度から排気空燃比をリッチ域からリーン域までの全域にわたり検出し、これをECU51にフィードバックすることにより燃料噴射量を補正し、燃焼を運転状態に合わせた最適な燃焼状態に制御可能となる。
したがって、ECU51は、検出した燃料圧力に基づいてこの燃料圧力が所定圧力となるように高圧燃料ポンプ44を駆動すると共に、検出した吸入空気量、吸気温度、吸気圧、スロットル開度、アクセル開度、エンジン回転数、エンジン冷却水温などのエンジン運転状態に基づいて燃料噴射量(燃料噴射期間)、噴射時期、点火時期などを決定し、インジェクタ41及び点火プラグ45を駆動して燃料噴射及び点火を実行する。また、ECU51は、検出した排気ガスの酸素濃度をフィードバックして空燃比がストイキ(理論空燃比)となるように燃料噴射量を補正している。
また、ECU51は、エンジン運転状態に基づいて吸気・排気可変動弁機構27,28を制御可能となっている。即ち、低温時、エンジン始動時、アイドル運転時や軽負荷時には、排気弁22の閉止時期と吸気弁21の開放時期のオーバーラップをなくすことで、排気ガスが吸気ポート19又は燃焼室18に吹き返す量を少なくし、燃焼安定及び燃費向上を可能とする。また、中負荷時には、このオーバーラップを大きくすることで、内部EGR率を高めて排ガス浄化効率を向上させると共に、ポンピングロスを低減して燃費向上を可能とする。更に、高負荷低中回転時には、吸気弁21の閉止時期を進角することで、吸気が吸気ポート19に吹き返す量を少なくし、体積効率を向上させる。そして、高負荷高回転時には、吸気弁21の閉止時期を回転数にあわせて遅角することで、吸入空気の慣性力に合わせたタイミングとし、体積効率を向上させる。
さらに、本実施例では、ECU51は、冷間始動後暖機運転時に、所定の条件を満たす場合は、オイル希釈およびPM発生量(質量および粒子数)を低減するために、オイル希釈抑制制御を実行する。このオイル希釈抑制制御では、排気可変動弁機構28を制御して、排気弁22の閉じタイミングを吸気行程中期として、要求燃料噴射量の一部または全部を吸気行程初期から排気弁22が閉じるまでの間に、インジェクタ41に噴射させることにより、オイル希釈およびPM発生を防止している。
上記のように構成されるエンジン10では、ピストン14がシリンダボア13内を下降することで、吸気ポート19を介して燃焼室18内に空気が吸入され(吸気行程)、このピストン14が吸気行程下死点を経てシリンダボア13内を上昇することで空気が圧縮される(圧縮行程)。このとき、吸気行程又は圧縮行程にてインジェクタ41から燃焼室18内へ燃料が噴射され、この燃料と空気とが混合して混合気を形成する。そして、ピストン14が圧縮行程上死点付近に近づくと点火プラグ45により混合気に点火され、該混合気が燃焼し、その燃焼圧力によりピストン14を下降させる(膨張行程)。燃焼後の混合気は、ピストン14が膨張行程下死点を経て吸気行程上死点に向かって再び上昇することで排気ポート20を介して排気ガスとして放出される(排気行程)。このピストン14のシリンダボア13内での往復運動は、コネクティングロッド17を介してクランクシャフト16に伝えられ、ここで回転運動に変換され、出力として取り出されると共に、このピストン14は、カウンタウェイトと共にクランクシャフト16が慣性力によりさらに回転することで、このクランクシャフト16の回転に伴ってシリンダボア13内を往復する。このクランクシャフト16が2回転することで、ピストン14はシリンダボア13を2往復し、この間に吸気行程、圧縮行程、膨張行程及び排気行程からなる一連の4行程を行い、燃焼室18内で1回の爆発が行われる。
次に、図2〜図7を参照して、上記ECU51によるエンジン10の冷間始動後暖機運転時の制御を詳細に説明する。図2は、本実施例のオイル希釈抑制制御による効果を説明するための模式図である。
上述したように、筒内直噴エンジンの冷間始動時には、気筒内の流動が弱いため、燃料の気筒壁面への付着量が多くなりやすく、気筒壁面に付着した燃料液滴の一部が気化することなくエンジンオイルに混入することで、いわゆるオイル希釈等の弊害を引き起こす虞れがある。この場合、燃料噴射時期を燃料が気筒壁面に付着しない吸気行程初期に設定することにより燃料によるオイル希釈を抑制する方法が考えられるが、燃料噴射時期を吸気行程初期とした場合、ピストン冠面に燃料が付着するため、スモークやPM発生の原因となるという問題がある。そこで、本実施例では、エンジン始動後暖機運転時に、オイル希釈抑制制御を行う場合には、排気可変動弁機構28の排気弁22の閉じタイミングを吸気行程中期とし、要求燃料噴射量の一部若しくは全部を吸気行程初期から排気弁22が閉じるまでの間に、インジェクタ41から噴射させることで、オイル希釈およびPM発生量(PM質量およびPM粒子数)を低減する。
図2に示すように、排気弁22の閉じタイミングを吸気行程の中期として、要求燃料噴射量の一部若しくは全部を吸気行程初期から排気弁22が閉じるまでに噴射すると、インジェクタ41により燃焼室18内に噴射された燃料70は、排気弁22から逆流した排気ガスの空気の流れと温度上昇により、燃料の蒸発の促進およびその貫徹力の低下により、燃料70がピストン14の冠面やシリンダボア13(シリンダ壁面)に付着することを抑制でき、オイル希釈およびPM発生量の低減を両立させることが可能となる。
図3は、上記ECU51によるエンジン10の冷間始動後暖機運転時の制御を説明するためのフローチャートである。図3を参照して、上記ECU51によるエンジン10の冷間始動後暖機運転時の制御を説明する。同図において、まず、ECU51は、油温センサ63で検出された油温を取り込んだ後(ステップS1)、オイル希釈率wt%を検出または推定して算出する(ステップS2)。
ここで、オイル希釈率wt%は、エンジンオイルに含まれる燃料重量をエンジンオイル重量で除した値であり、例えば、下記式(1)で表すことができる。オイル希釈率wt%の検出または推定方法は公知の方法を使用することができ、例えば、特開2006−183563号公報の方法を使用することができるので、ここではその詳細な説明を省略する。
オイル希釈率=(エンジンオイルに供給された燃料重量−エンジンオイルから蒸発した燃料重量)/エンジンオイル重量・・・(1)
ECU51は、算出したオイル希釈率および検出した油温に基づいて、オイル希釈抑制制御判定マップを参照して、オイル希釈抑制制御を実行するか否かを判定する(ステップS3)。図4は、オイル希釈抑制制御判定マップの一例を示す図である。同図に示すように、オイル希釈抑制制御判定マップは、油温およびオイル希釈率%を変数として、実験またはシミュレーションで求めた好適なオイル希釈抑制制御実行領域A1が登録されている。オイル希釈抑制制御実行領域A1は、油温<規定温度T2(エンジン暖機前)、かつ、オイル希釈率が基準値以上の領域である。ECU51は、現在のオイル希釈率および油温に基づいて、オイル希釈抑制制御判定マップを参照して、オイル希釈抑制制御実行領域A1にあるか否かを判定する。
ECU51は、オイル希釈抑制制御を実行しない場合には(ステップS3の「No」)、通常運転制御を実行し(ステップS4)、通常のバルブタイミングおよび燃料噴射時期でインジェクタ41から燃料を噴射する(ステップS5)。通常運転制御では、排気弁22の閉じ後に、吸気行程で2回燃料噴射を行う。
他方、ECU51は、オイル希釈抑制制御を実行する場合には(ステップS3の「Yes」)、油温・オイル希釈率/吸気行程噴射量算出マップを参照して、算出したオイル希釈率wt(%)および検出した油温(℃)に基づいて、吸気行程での燃料噴射量X(%)を決定する(ステップS6)。
図5は、油温・オイル希釈率/吸気行程噴射量マップの一例を示す図である。同図に示すように、油温・オイル希釈率/吸気行程噴射量マップは、油温およびオイル希釈率を変数として、実験またはシミュレーションで求めた好適な吸気行程の2回目の燃料噴射量X(%)が50%〜100%の間で段階的に登録されており、オイル希釈率が高くなるほど、吸気行程の2回目の燃料噴射量X(%)を増加させている。ECU51は、油温・オイル希釈率/吸気行程噴射量マップを参照し、現在のオイル希釈率および油温に対応する油温・オイル希釈率/吸気行程噴射量マップの吸気行程の2回目の燃料噴射量X(%)を算出する。
つぎに、ECU51は、油温・オイル希釈率/排気弁閉じタイミング(EVC)マップを参照して、算出したオイル希釈率および検出した油温に対応する排気弁閉じタイミングを決定する(ステップS7)。図6は、油温・オイル希釈率/排気弁閉じタイミングマップの一例を示す図である。同図に示すように、油温・オイル希釈率/排気弁閉じタイミングマップは、油温およびオイル希釈率を変数として、実験またはシミュレーションで求めた好適な排気弁閉じタイミングが、ATDC=60°〜90°の間で段階的に登録されており、通常運転領域の排気弁閉じタイミング(ECV)のATDC=3°に比して、排気弁22閉じタイミングを遅角し、オイル希釈率が高くなるほど、排気弁22の閉じタイミングの遅角量を増加させている。
ECU51は、算出した排気弁閉じタイミングおよび燃料噴射量でインジェクタ41に燃料噴射を行わせる(ステップS5)。すなわち、排気弁22の閉じタイミングを吸気行程中期として、吸気行程で排気弁22が閉じられるまでの間に、燃料の分割噴射を行い、1回目の燃料噴射では、要求燃料噴射量の100−X(%)の燃料を噴射し、2回目の燃料噴射では、要求燃料噴射量のX(%)の燃料を噴射する。
図7は、通常運転制御時とオイル希釈抑制制御時の排気弁開閉タイミングおよび燃料噴射時期のタイミングチャートの一例を示す図である。同図において、(A)は通常運転制御時、(B)はオイル希釈抑制制御時を示しており、燃料噴射を2回行う場合を示している。通常運転制御時には、(A)に示すように、排気弁22を閉じた後、吸気工程で2回燃料噴射する。例えば、通常運転制御における各回の燃料噴射量は要求燃料噴射量の50%とすることができる。他方、オイル希釈抑制制御の場合には、(B)に示すように、排気弁22の閉じタイミングを、通常運転制御時よりも遅角して、吸気行程中期とする。そして、吸気工程において、排気弁22が閉じる前に、要求燃料噴射量の100−X(%)の1回目の燃料噴射および要求燃料噴射量のX(%)の2回目の燃料噴射を行う。
以上説明したように、本実施例によれば、筒内直噴内燃機関において、ECU51は、エンジン始動後暖機運転時に、検出または推定したオイル希釈率および油温センサ63で検出された油温に基づいて、オイル希釈抑制制御が必要か否かを判定し、オイル希釈抑制制御が必要と判断した場合には、オイル希釈抑制制御を実行し、排気可変動弁機構28による排気弁22の閉じタイミングを吸気行程中期とし、要求燃料噴射量の一部若しくは全部を吸気行程初期から排気弁22が閉じるまでの間にインジェクタ41に噴射させることとしたので、エンジン始動後暖機運転時のオイル希釈およびPM発生量を低減することが可能となる。
また、本実施例によれば、オイル希釈抑制制御では、燃料の分割噴射を行い、吸気行程で排気弁22が閉じるまでの間に2回目の燃料噴射を行うこととしたので、エンジン始動後暖機運転時のオイル希釈とPM発生量のバランスを図ることが可能となる。
また、本実施例によれば、オイル希釈抑制制御の2回目の燃料噴射では、要求燃料噴射量のX(%)を噴射し、1回目の燃料噴射では、要求燃料噴射量の100−X(%)を噴射し、噴射量X(%)をオイル希釈率が高いほど増加させることとしたので、オイル希釈率に応じてオイル希釈抑制の度合いを調整することが可能となる。
また、本実施例によれば、オイル希釈抑制制御では、排気弁22の閉じタイミングをオイル希釈率が高いほど遅角させることとしたので、オイル希釈率に応じてオイル希釈抑制の度合いを調整することが可能となる。
なお、上述した本発明の実施例に係る内燃機関は、上述した実施例に限定されず、特許請求の範囲に記載された範囲で種々の変更が可能である。また、オイル希釈抑制制御では、吸気行程での燃料噴射時期に合わせて、電磁バルブ等を用いて排気弁22を再度開閉する構成としてもよい。
以上のように、本発明に係る内燃機関は、燃焼室に直接燃料を噴射する種々の筒内直接噴射式内燃機関に用いて好適である。
本発明の実施例に係るエンジンを表す概略構成図である。 本実施例による冷間始動時のエンジン制御による効果を説明するための模式図である。 ECUによるエンジンの冷間始動後暖機運転時の制御を説明するためのフローチャートである。 オイル希釈抑制制御判定マップの一例を示す図である。 油温・オイル希釈率/吸気工程噴射量マップの一例を示す図である。 油温・オイル希釈率/排気弁閉じタイミングマップの一例を示す図である。 通常運転制御時とオイル希釈抑制制御時の排気弁開閉タイミングおよび燃料噴射時期のタイミングチャートの一例を示す図である。
符号の説明
10 エンジン(内燃機関)
13 シリンダボア
14 ピストン
18 燃焼室
19 吸気ポート
20 排気ポート
21 吸気弁
22 排気弁
27 吸気可変動弁機構
28 排気可変動弁機構
41 インジェクタ(燃料噴射装置)
45 点火プラグ
51 ECU(制御手段、判定手段、オイル希釈率算出手段)
58 水温センサ
63 油温センサ(油温算出手段)

Claims (4)

  1. 燃料噴射装置により直接筒内に燃料を噴射する内燃機関において、
    少なくとも排気弁の開閉タイミングを変更可能な可変動弁機構と、
    エンジンオイルのオイル希釈率を検出または推定するオイル希釈率算出手段と、
    前記エンジンオイルの油温を検出または推定する油温算出手段と、
    エンジン始動後暖機運転時に、前記オイル希釈率算出手段で検出または推定したオイル希釈率および前記油温算出手段で検出または推定した油温に基づいて、オイル希釈抑制制御が必要か否かを判定する判定手段と、
    前記判定手段でオイル希釈抑制制御が必要と判断された場合に、前記オイル希釈抑制制御を実行する制御手段と、
    を備え、
    前記オイル希釈抑制制御では、前記可変動弁機構の前記排気弁の閉じタイミングを吸気行程中期とし、吸気行程初期から前記排気弁が閉じるまでの間に、要求燃料噴射量の一部若しくは全部を前記燃料噴射装置に噴射させること特徴とする内燃機関。
  2. 前記オイル希釈抑制制御では、前記燃料の分割噴射を行い、吸気行程で前記排気弁が閉じるまでの間に2回の燃料噴射を行うことを特徴とする請求項1に記載の内燃機関。
  3. 2回目の燃料噴射では、要求燃料噴射量のX(%)を噴射し、1回目の燃料噴射では、要求燃料噴射量の100−X(%)を噴射し、前記X(%)を前記オイル希釈率が高いほど増加させることを特徴とする請求項2に記載の内燃機関。
  4. 前記オイル希釈抑制制御では、前記排気弁の閉じタイミングを前記オイル希釈率が高いほど遅角させることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1つに記載の内燃機関。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012012946A (ja) * 2010-06-29 2012-01-19 Mazda Motor Corp 直噴ガソリンエンジンの制御装置
JP2014025351A (ja) * 2012-07-24 2014-02-06 Daihatsu Motor Co Ltd 内燃機関の制御装置
WO2014141598A1 (ja) * 2013-03-12 2014-09-18 株式会社デンソー 筒内噴射式内燃機関の燃料噴射制御装置

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