JP5544932B2 - 内燃機関の燃焼制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、内燃機関の燃焼制御装置に関する。
吸気ポートの内部を仕切り板により上下に分割し、空気制御弁により吸気ポートの内部の上空間の流量を減少させて、燃焼室内での縦スワールの生成を抑制する技術が開示されている(例えば特許文献1参照)。また特許文献1には、EGRガス供給口を吸気ポートの内部の下空間の下側の壁部に開口させ、EGRガスを下空間の下側に偏らせて導入し、点火プラグから離れた燃焼室内の下部にEGRガスを供給する技術も開示されている。これにより、特許文献1では、燃焼室内において混合気を上層としEGRガスを下層とする成層化を図っている。
特開2002−106419号公報
ところで、特許文献1の技術では、点火プラグ周りを中心に燃焼室内の上方に形成された混合気の層は、点火プラグにより点火された後燃焼する。このとき燃焼により発生する熱エネルギは、下層のEGRガスの層に伝わり、その後ピストンに伝わることで、ピストンを下方に押し下げる力を生じる。しかしその一方で、燃焼により発生する熱エネルギが、燃焼室の上部や周囲を構成する部材に直接伝わり、当該部材内を流れる冷却水を通じて、熱として燃焼室の外部に放出されてしまうという冷却損失も生じる。
また、内燃機関のノッキングは、燃焼室内の端に存在するエンドガスの温度及び圧力の上昇によって発生する現象である。特許文献1の技術では、燃焼室内の上端や内周端に混合気のエンドガスが存在し、エンドガスが燃焼してエンドガスの温度及び圧力が上昇するため、ノッキングを抑制できていなかった。
本発明は上記問題点に鑑みたものであり、本発明の目的は、内燃機関の燃焼制御装置において、冷却損失の低減を図ると共にノッキングの抑制を図る技術を提供することにある。
本発明にあっては、以下の構成を採用する。すなわち、本発明は、
燃焼室内につながる吸気ポートの内部を上下方向で3つに分ける隔壁と、
3つに分けられた前記吸気ポートの内部のうちの上空間と下空間とのどちらか一方の空間に上流側からガスが流入することを阻止する第1阻止手段と、
3つに分けられた前記吸気ポートの内部のうちの中央空間から前記燃焼室内に流入するガスに燃料を供給する燃料供給手段と、
前記第1阻止手段で前記一方の空間に上流側からガスが流入することを阻止し、前記第1阻止手段が設けられていない前記上空間と前記下空間とのどちらか他方の空間から前記燃焼室内に流入したガスを、前記中央空間から前記燃焼室内に流入したガスよりも前記燃焼室内の外側で旋回させ、前記燃焼室内において前記他方の空間から流入したガスで前記中央空間から流入したガスを包み込んだ状態を形成する制御手段と、
を備えたことを特徴とする内燃機関の燃焼制御装置である。
本発明によると、燃焼室内において、他方の空間から流入したガスで、中央空間から流入した燃料が供給されるガスを包み込んだ状態を形成することができる。よって、中央空間から流入したガスの層が燃焼すると、その熱エネルギが、当該ガスの層を包み込んだ外側の他方の空間から流入したガスの層で吸収された後に、燃焼室の上部や周囲を構成する部材に伝わる。このように、熱エネルギが一旦上記外側の他方の空間から流入したガスの層で吸収されていることから、燃焼室の上部や周囲を構成する部材内を流れる冷却水を通じて熱として燃焼室の外部に放出される冷却損失を低減することができる。
また本発明によると、上記外側の他方の空間から流入したガスの層には燃料が供給されない。よって、燃焼室内の端に存在するエンドガスに燃料が含まれないことになる。これにより、エンドガスが燃焼せずエンドガスの温度及び圧力が上昇し難いことから、エンドガスの温度及び圧力の上昇によって発生する内燃機関のノッキングを抑制することができる。
内燃機関から排出された排気の一部であり前記燃焼室内へ還流されるEGRガスを前記他方の空間に供給するEGRガス供給口と、
前記他方の空間に上流側からガスが流入することを阻止する第2阻止手段と、
をさらに備え、
前記制御手段は、前記第1阻止手段で前記一方の空間に上流側からガスが流入することを阻止すると共に前記第2阻止手段で前記他方の空間に上流側からガスが流入することを阻止し、前記他方の空間から前記燃焼室内に流入したEGRガスを、前記中央空間から前記燃焼室内に流入したガスよりも前記燃焼室内の外側で旋回させ、前記燃焼室内において前記他方の空間から流入したEGRガスで前記中央空間から流入したガスを包み込んだ状態を形成するとよい。
本発明によると、燃焼室内において、EGRガスで、中央空間から流入した燃料の供給されるガスを包み込んだ状態を形成することができる。EGRガスは不活性ガスであり、熱エネルギをより吸収できる吸熱性があるため、冷却損失を低減する効果をより発揮することができる。またエンドガスが不燃性のEGRガスとなることで、エンドガスに燃料が存在しても燃焼することはなく、内燃機関のノッキングを抑制する効果をより発揮させることができる。
前記燃焼室内において前記他方の空間から流入したガスで包み込まれた、中央空間から流入したガスであって、燃料が供給されたガスに点火できるよう突き出された点火プラグをさらに備えるとよい。
本発明によると、他方の空間から流入したガスで包み込まれた、中央空間から流入したガスであって燃料が供給されたガスに確実に点火できる。よって、内燃機関の失火を防ぐことができる。
また、本発明は、
水平方向成分を有して延びた部分から燃焼室の手前で下方に曲げられ燃焼室内の上部につながる吸気ポートの内部を上下方向で3つに分ける隔壁と、
3つに分けられた前記吸気ポートの内部のうちの下空間に上流側からガスが流入することを阻止する第1阻止手段と、
3つに分けられた前記吸気ポートの内部のうちの中央空間から前記燃焼室内に流入するガスに燃料を供給する燃料供給手段と、
前記第1阻止手段で前記下空間に上流側からガスが流入することを阻止し、前記上空間から前記燃焼室内に流入したガスを、当該ガスの、前記吸気ポートの前記水平方向成分を
有して延びた部分を流れた際の慣性力が、前記中央空間よりも曲がっていない前記上空間の方が消失し難いことを利用して、前記中央空間から前記燃焼室内に流入したガスよりも前記燃焼室内の外側で旋回させ、前記燃焼室内において前記上空間から流入したガスで前記中央空間から流入したガスを包み込んだ状態を形成する制御手段と、
を備えたことを特徴とする内燃機関の燃焼制御装置である。
本発明によると、燃焼室内において、上空間から流入したガスで、中央空間から流入した燃料が供給されるガスを包み込んだ状態を形成することができる。よって、中央空間から流入したガスの層が燃焼すると、その熱エネルギが、当該ガスの層を包み込んだ外側の上空間から流入したガスの層で吸収された後に、燃焼室の上部や周囲を構成する部材に伝わる。このように、熱エネルギが、一旦上記外側の上空間から流入したガスの層で吸収されていることから、当該燃焼室の上部や周囲を構成する部材内を流れる冷却水を通じて熱として燃焼室の外部に放出される冷却損失を低減することができる。
また本発明によると、上記外側の上空間から流入したガスの層には燃料が供給されない。よって、燃焼室内の端に存在するエンドガスに燃料が含まれないことになる。これにより、エンドガスが燃焼せずエンドガスの温度及び圧力が上昇し難いことから、エンドガスの温度及び圧力の上昇によって発生する内燃機関のノッキングを抑制することができる。
本発明によると、内燃機関の燃焼制御装置において、冷却損失を低減することができると共にノッキングを抑制することができる。
実施例1に係る内燃機関の概略構成を示す図である。 実施例1に係る隔壁の設けられた吸気ポートの断面を示す図である。 実施例2に係る内燃機関の概略構成を示す図である。 実施例3に係る内燃機関の概略構成を示す図である。
以下に本発明の具体的な実施例を説明する。
<実施例1>
図1は、本実施例に係る内燃機関の燃焼制御装置を適用する内燃機関の概略構成を示す図である。図1に示す内燃機関1は、気筒2を4つ有する水冷式の4ストロークサイクル・ガソリンエンジンである。内燃機関1は、車両に搭載されている。
内燃機関1の気筒2内には、ピストン3が摺動自在に配置されている。気筒2内の上部には、気筒2の上壁及び内周壁とピストン3頂面で燃焼室4が区画形成される。燃焼室4の上部には、吸気ポート5及び排気ポート6が接続されている。気筒2の上部には、燃焼室4内の混合気に点火を行う点火プラグ7が配置されている。
吸気ポート5の燃焼室4への開口部は吸気弁8によって開閉される。また、排気ポート6の燃焼室4への開口部は排気弁9によって開閉される。排気ポート6はその下流側が排気管10に接続されている。
吸気ポート5は、上流側では水平方向成分を有して斜めに延びた部分を備えており、その部分から燃焼室4の手前で下方に曲げられ燃焼室4内の上部につながっている。このため、吸気ポート5は、より上方が燃焼室4手前で曲がっていない。よって、吸気ポート5の内部の吸気は、より上方が、慣性力が消失し難く勢いよく燃焼室4内に流入可能である。
吸気ポート5の内部には、その内部を上下方向で3つに分けるために、2つの隔壁51,52が設けられている。2つの隔壁51,52の下流端は燃焼室4への開口部近傍まで等しく延びている。一方、隔壁51の上流端は、隔壁52の上流端よりも吸気ポート5の上流側に設けられている。
吸気ポート5の水平方向成分を有して延びた部分の断面を図2に示す。図2に示すように、吸気ポート5の内部において、上側の隔壁51よりも上側の空間が上空間S1である。上側の隔壁51と下側の隔壁52とに挟まれた空間が中央空間S2である。下側の隔壁52よりも下側の空間が下空間S3である。
下空間S3の領域は、吸気ポート5の断面のうち下半分を占める。そして、下空間S3が占めなかった吸気ポート5の断面のうち上半分の領域を、上空間S1と中央空間S2とで分けている。なお、3つの空間S1〜S3の分け方は、燃焼室4内で後述する吸気の状態を形成できれば適宜変更可能である。
下空間S3の最上流部である隔壁52の上流端には、流路制御弁11が配置されている。流路制御弁11が閉弁されることで、下空間S3が遮蔽され、下空間S3に吸気ポート5の上流側から新気が流入することが阻止される。流路制御弁11が、本発明の第1阻止手段に対応する。
内燃機関1から排出された排気の一部であり燃焼室4内へ還流されるEGRガスを上空間S1に供給するEGRガス供給口12が設けられている。EGRガス供給口12は、上空間S1を形成する吸気ポート5の壁面に設けられている。
上空間S1の最上流部である隔壁51の上流端、即ちEGRガス供給口よりも上流側の上空間S1の位置には、流路制御弁13が配置されている。流路制御弁13が閉弁されることで、上空間S1が遮蔽され、上空間S1に吸気ポート5の上流側から新気が流入することが阻止される。流路制御弁13が閉弁されても、EGRガス供給口12からEGRガスは流入できる。流路制御弁13が、本発明の第2阻止手段に対応する。
内燃機関1には、中央空間S2を流通する新気に対して燃料を噴射する燃料噴射弁14が配置されている。本実施例の燃料噴射弁14は、上空間S1の最上流部よりも吸気ポート5の下流側、且つ、流路制御弁11が閉弁すると下空間S3に燃料を供給しない位置で、燃料を噴射する。燃料噴射弁14が、本発明の燃料供給手段に対応する。これにより、中央空間S2を流れる吸気は、燃料噴射弁14から噴射された燃料が新気と混合されることで、混合気となって燃焼室4へ流入する。
内燃機関1には、排気管10を流通する排気の一部を吸気ポート5の上空間S1へ還流(再循環)させるEGR装置(Exhaust Gas Recirculation System)15が備えられている。本実施例では、EGR装置15によって還流される排気をEGRガスという。
EGR装置15は、EGRガスが流通するEGR通路16と、EGR通路16を流通するEGRガスの流量を調節するEGR弁17と、を有する。
EGR通路16は、排気管10と、吸気ポート5のEGRガス供給口12の位置とを接続している。このEGR通路16を通って、排気がEGRガスとして内燃機関1へ送り込まれる。
EGR弁17は、EGR通路16に配置され、EGR通路16の通路断面積を調整することにより、EGR通路16を流れるEGRガスの流量を調節する。EGR弁17は、電動アクチュエータにより開閉される。
点火プラグ7は、燃焼室4内が後述する吸気の状態であっても点火できるように、燃焼室4内において上空間S1から流入したEGRガス等のガスで包み込まれ燃焼室4内の中央部に位置する、中央空間S2から流入したガスであって、中央空間S2で既に燃料が供
給された混合気に点火できるよう突き出されている。
以上述べたように構成された内燃機関1には、内燃機関1を制御するための電子制御装置であるECU18が併設されている。ECU18は、内燃機関1の運転条件や運転者の要求に応じて内燃機関1の運転状態を制御する装置である。
ECU18には、エアーフローメータ、クランクポジションセンサ、アクセルポジションセンサ等の各種センサが電気配線を介して接続され、これら各種センサの出力信号がECU18に入力されるようになっている。一方、ECU18には、点火プラグ7、流路制御弁11,13、燃料噴射弁14、及びEGR弁17の電動アクチュエータが電気配線を介して接続されており、ECU18によりこれらの機器が制御される。
ECU18は、クランクポジションセンサやアクセルポジションセンサ等の出力信号を受けて内燃機関1の運転状態を判別し、判別された機関運転状態に基づいて内燃機関1や上記機器を電気的に制御する。
ところで、冷却損失とは、燃焼室4内の燃焼により発生する熱エネルギが、燃焼室4の上部や周囲を構成する部材に伝わり、当該燃焼室4の上部や周囲を構成する部材内を流れる冷却水を通じて、熱として燃焼室4の外部に放出されるものである。また、内燃機関1のノッキングは、燃焼室4内の端に存在するエンドガスの温度及び圧力の上昇によって発生する現象である。内燃機関1で燃焼を行う場合にあっては、冷却損失の低減を図ると共にノッキングの抑制を図ることが望まれる。
そこで本実施例では、EGRガスと混合気との成層燃焼を行う場合に、吸気弁8が開弁する吸気行程において、流路制御弁11を閉弁して下空間S3に上流側から新気が流入することを阻止する。また流路制御弁13を閉弁して上空間S1に上流側から新気が流入することを阻止しつつ、EGR弁17を開弁して上空間S1から燃焼室4内へEGRガスを流入させる。このように流路制御弁11,13及びEGR弁17を制御するECU18が、本発明の制御手段に対応する。
これによると、上空間S1から燃焼室4内に流入したEGRガスを、当該EGRガスの、吸気ポート5の水平方向成分を有して延びた部分を流れた際の慣性力が、中央空間S2よりも曲がっていない上空間S1の方が消失し難いことを利用して、中央空間S2から燃焼室4内に流入した混合気よりも燃焼室4内の外側でより勢いよく旋回させることができる(タンブル流を強く形成することができる)。
それによって、燃焼室4内においては、上空間S1から流入したEGRガスで中央空間S2から流入した混合気を包み込んだ状態を形成する。つまり、燃焼室4内の中央部に混合気が存在し、その外側にEGRガスが混合気を包み込んで存在する成層化を図ることができる。
この成層化された吸気の状態で、上記のように突き出た点火プラグ7によって点火を行う。
本実施例によると、燃焼室4内において、上空間S1から流入したEGRガスで、中央空間S2から流入した燃料が供給された混合気を包み込んだ状態を形成することができる。よって、中央空間S2から流入した混合気の層が燃焼すると、その熱エネルギが、当該混合気の層を包み込んだ外側の上空間S1から流入したEGRガスの層で吸収された後に、燃焼室4の上部や周囲を構成する部材に伝わる。このように、熱エネルギが、一旦上記外側の上空間S1から流入したEGRガスの層で吸収されていることから、燃焼室4の上部や周囲を構成する部材内を流れる冷却水を通じて熱として燃焼室4の外部に放出される冷却損失を低減することができる。特に、EGRガスは不活性ガスであり、熱エネルギをより吸収できる吸熱性があるため、冷却損失を低減する効果をより発揮することができる。
また本実施例によると、上記外側の上空間S1から流入したEGRガスの層には燃料が
供給されない。よって、燃焼室4内の端に存在するエンドガスに燃料が含まれないことになる。これにより、エンドガスが燃焼せずエンドガスの温度及び圧力が上昇し難いことから、エンドガスの温度及び圧力の上昇によって発生する内燃機関1のノッキングを抑制することができる。特に、EGRガスは不活性ガスであり、エンドガスが不燃性のEGRガスとなることで、エンドガスに燃料が存在しても燃焼することはなく、内燃機関1のノッキングを抑制する効果をより発揮させることができる。
このように本実施例によると、冷却損失の低減及び内燃機関のノッキングの抑制ができ、機関効率の大幅な向上が図れる。
また、EGRガスで混合気を包み込んだ状態とするので、混合気を燃焼室4内の中央部に集中させることで、より多くのEGRガスを導入することもできる。
上記のように突き出た点火プラグ7を用いることで、上空間S1から流入したEGRガスで包み込まれた、中央空間S2から流入した混合気に確実に点火できる。よって、内燃機関1の失火を防ぐことができる。
燃料噴射弁14は、上記のように中央空間S2を流れる新気に燃料を供給する。これによると、中央空間S2を流れて燃焼室4内に流入するガスは、既に燃料が供給されて完全な混合気になっているので、空燃比をストイキに調整し易い。よって、内燃機関1から排出された排気は、ストイキで機能を最大限発揮する三元触媒で浄化され易くなる。
以上のような本実施例によると、内燃機関1の気筒2内にEGRガスを供給する場合であっても、新気のみに燃料を供給できる。よって、EGRガスに燃料を供給してしまい内燃機関1の気筒2内での燃焼が悪化することが回避でき、燃焼に対するEGRガスの影響を抑制できる。したがって、内燃機関1の気筒2内での燃焼を良好にできる。そして、燃焼が悪化することに起因するCOや未燃HCの発生を回避でき、排気エミッション悪化を回避できる。
なお、本実施例の内燃機関1は、流路制御弁11,13を両方とも開弁すれば、通常の均質燃焼の制御も可能である。
またEGRガス供給口12を、下空間S3を形成する吸気ポート5の壁面に設けてもよい。これにより、燃焼室4内においては、下空間S3から流入したEGRガスで中央空間S2から流入した混合気を包み込んだ状態を形成することができる。
<実施例2>
上記実施例1では、外側のEGRガスで混合気を包み込んだ状態を形成するものであった。しかし、本発明はこれに限られない。燃焼室4内にEGRガスが全く供給されない非EGR運転を行う場合にも本発明を適用できる。なお、本実施例では、上記実施例1と同様の構成を用いる。
図3は、本実施例に係る内燃機関の燃焼制御装置を適用する内燃機関の概略構成を示す図である。
本実施例では、新気と混合気との成層燃焼を行う場合に、吸気弁8が開弁する吸気行程において、流路制御弁11を閉弁して下空間S3に上流側から新気が流入することを阻止する。またEGR弁17を閉弁してEGRガスを供給させずに、流路制御弁13を開弁して上空間S1に上流側から新気を流入させる。このように流路制御弁11,13及びEGR弁17を制御するECU18が、本発明の制御手段に対応する。
なお、この場合であっても、燃料噴射弁14は、上空間S1の上流端よりも吸気ポート5の下流側に位置するので、上空間S1を流れる新気に燃料を供給することはない。
これによると、上空間S1から燃焼室4内に流入した新気を、当該新気の、吸気ポート5の水平方向成分を有して延びた部分を流れた際の慣性力が、中央空間S2よりも曲がっていない上空間S1の方が消失し難いことを利用して、中央空間S2から燃焼室4内に流入した混合気よりも燃焼室4内の外側で勢いよく旋回させることができる。
それによって、燃焼室4内においては、上空間S1から流入した新気で中央空間S2から流入した混合気を包み込んだ状態を形成する。つまり、燃焼室4内の中央部に混合気が存在し、その外側に新気が混合気を包み込んで存在する成層化を図ることができる。
この成層化された吸気の状態で、実施例1で説明したように突き出た点火プラグ7によって点火を行う。
本実施例によると、燃焼室4内において、上空間S1から流入した新気で、中央空間S2から流入した燃料が供給された混合気を包み込んだ状態を形成することができる。よって、中央空間S2から流入した混合気の層が燃焼すると、その熱エネルギが、当該混合気の層を包み込んだ外側の上空間S1から流入した新気の層で吸収された後に、燃焼室4の上部や周囲を構成する部材に伝わる。このように、熱エネルギが、一旦上記外側の上空間S1から流入した新気の層で吸収されていることから、燃焼室4の上部や周囲を構成する部材内を流れる冷却水を通じて熱として燃焼室4の外部に放出される冷却損失を低減することができる。
また本実施例によると、上記外側の上空間S1から流入した新気の層には燃料が供給されない。よって、燃焼室4内の端に存在するエンドガスに燃料が含まれないことになる。これにより、エンドガスが燃焼せずエンドガスの温度及び圧力が上昇し難いことから、エンドガスの温度及び圧力の上昇によって発生する内燃機関1のノッキングを抑制することができる。
本実施例によると、非EGR運転状態、特に機関始動時の燃料が過剰に混合する運転状態で、確実な着火を可能とし、また燃費向上と排気エミッションの低減との両立を図ることができる。
<実施例3>
上記実施例1,2では、吸気ポート5に燃料噴射弁14が配置された内燃機関1を例示した。しかし、本発明はこれに限られない。内燃機関1の気筒2内に燃料を噴射する燃料噴射弁を配置する内燃機関1であっても本発明を適用できる。なお、上記実施例と同構成については同符号を付して説明を省略する。
図4は、本実施例に係る内燃機関の燃焼制御装置を適用する内燃機関の概略構成を示す図である。
内燃機関1の気筒2の斜上部には、中央空間S2を流通して燃焼室4内に流入する新気に対して燃料を噴射する燃料噴射弁19が配置されている。本実施例での燃料噴射弁19の噴霧貫徹軸は、噴射した燃料のより多くが燃焼室4内の中央部の新気に供給されるように設定されている。燃料噴射弁19から噴射された燃料が、燃焼室4内の中央部の新気と混合されることで、混合気が形成される。本実施例における燃料噴射弁19が、本発明の燃料供給手段に対応する。
本実施例では、EGRガスと混合気との成層燃焼を行う場合に、吸気弁8が開弁する吸気行程において、流路制御弁11を閉弁して下空間S3に上流側から新気が流入することを阻止する。また流路制御弁13を閉弁して上空間S1に上流側から新気が流入することを阻止しつつ、EGR弁17を開弁して上空間S1から燃焼室4内へEGRガスを流入させる。このように流路制御弁11,13及びEGR弁17を制御するECU18が、本発明の制御手段に対応する。
これによると、上空間S1から燃焼室4内に流入したEGRガスを、当該EGRガスの、吸気ポート5の水平方向成分を有して延びた部分を流れた際の慣性力が、中央空間S2よりも曲がっていない上空間S1の方が消失し難いことを利用して、中央空間S2から燃焼室4内に流入した新気よりも燃焼室4内の外側で勢いよく旋回させることができる。
それによって、燃焼室4内においては、上空間S1から流入したEGRガスで中央空間S2から流入した新気を包み込んだ状態を形成する。つまり、燃焼室4内の中央部に新気
が存在し、その外側にEGRガスが混合気を包み込んで存在する成層化を図ることができる。
この成層化する過程又は成層化された吸気の状態となる吸気行程又は圧縮行程で、燃料噴射弁19から燃料を噴射し、燃焼室4内の中央部の新気に燃料を混合させて混合気を形成する。混合気が形成された後、実施例1で説明したように突き出た点火プラグによって点火を行う。
以上のような本実施例でも、冷却損失の低減及び内燃機関のノッキングの抑制ができ、機関効率の大幅な向上が図れる。
なお、本実施例の内燃機関は、実施例2の燃焼室4内の中央部に混合気が存在し、その外側に新気が混合気を包み込んで存在する成層化を図ることもできる。
また上記実施例1〜3では、本発明を適用する内燃機関として、点火プラグ7を有する火花点火式内燃機関であるガソリンエンジンを例に挙げて説明した。しかし本発明はこれに限られない。本発明は、圧縮着火式内燃機関であるディーゼルエンジンに適用してもよい。例えば、実施例3の構成から点火プラグ7を除去し燃料噴射弁19の位置を気筒2上部に変更すれば、ディーゼルエンジンの構成を得ることができる。
本発明に係る内燃機関の燃焼制御装置は、上述の実施例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変更を加えてもよい。
1:内燃機関、2:気筒、3:ピストン、4:燃焼室、5:吸気ポート、6:排気ポート、7:点火プラグ、8:吸気弁、9:排気弁、10:排気管、11:流路制御弁、12:ガス供給口、13:流路制御弁、14,19:燃料噴射弁、15:EGR装置、16:EGR通路、17:EGR弁、18:ECU、51,52:隔壁、S1:上空間、S2:中央空間、S3:下空間

Claims (4)

  1. 燃焼室内につながる吸気ポートの内部を上下方向で3つに分ける隔壁と、
    3つに分けられた前記吸気ポートの内部のうちの上空間と下空間とのどちらか一方の空間に上流側からガスが流入することを阻止する第1阻止手段と、
    3つに分けられた前記吸気ポートの内部のうちの中央空間から前記燃焼室内に流入するガスに前記吸気ポートで燃料を供給する燃料供給手段と、
    前記第1阻止手段で前記一方の空間に上流側からガスが流入することを阻止し、前記第1阻止手段が設けられていない前記上空間と前記下空間とのどちらか他方の空間であって該空間から前記燃焼室内に流入したガスの慣性力が前記中央空間から前記燃焼室に流入したガスよりも消失し難いように構成された空間から前記燃焼室内に流入したガスを、前記中央空間から前記燃焼室内に流入したガスよりも前記燃焼室内の外側で旋回させ、前記燃焼室内において前記他方の空間から流入したガスで前記中央空間から流入したガスを包み込んだ状態を形成する制御手段と、
    を備えたことを特徴とする内燃機関の燃焼制御装置。
  2. 内燃機関から排出された排気の一部であり前記燃焼室内へ還流されるEGRガスを前記他方の空間に供給するEGRガス供給口と、
    前記他方の空間に上流側からガスが流入することを阻止する第2阻止手段と、
    をさらに備え、
    前記制御手段は、前記第1阻止手段で前記一方の空間に上流側からガスが流入することを阻止すると共に前記第2阻止手段で前記他方の空間に上流側からガスが流入することを阻止し、前記他方の空間から前記燃焼室内に流入したEGRガスを、前記中央空間から前記燃焼室内に流入したガスよりも前記燃焼室内の外側で旋回させ、前記燃焼室内において前記他方の空間から流入したEGRガスで前記中央空間から流入したガスを包み込んだ状態を形成することを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の燃焼制御装置。
  3. 前記燃焼室内において前記他方の空間から流入したガスで包み込まれた、前記中央空間から流入したガスであって、燃料が供給されたガスに点火できるよう突き出された点火プラグをさらに備えたことを特徴とする請求項1又は2に記載の内燃機関の燃焼制御装置。
  4. 水平方向成分を有して延びた部分から燃焼室の手前で下方に曲げられ燃焼室内の上部に
    つながる吸気ポートの内部を上下方向で3つに分ける隔壁と、
    3つに分けられた前記吸気ポートの内部のうちの下空間に上流側からガスが流入することを阻止する第1阻止手段と、
    3つに分けられた前記吸気ポートの内部のうちの中央空間から前記燃焼室内に流入するガスに前記吸気ポートで燃料を供給する燃料供給手段と、
    前記第1阻止手段で前記下空間に上流側からガスが流入することを阻止し、前記上空間から前記燃焼室内に流入したガスを、当該ガスの、前記吸気ポートの前記水平方向成分を有して延びた部分を流れた際の慣性力が、前記中央空間よりも曲がっていない前記上空間の方が消失し難いことを利用して、前記中央空間から前記燃焼室内に流入したガスよりも前記燃焼室内の外側で旋回させ、前記燃焼室内において前記上空間から流入したガスで前記中央空間から流入したガスを包み込んだ状態を形成する制御手段と、
    を備えたことを特徴とする内燃機関の燃焼制御装置。
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