JP2004011442A - 内燃機関の吸気装置 - Google Patents
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- Y02T10/12—Improving ICE efficiencies
Abstract
【課題】運転条件に応じてシリンダ内に強いタンブル流を生成し、かつ空気量が必要な領域では通気抵抗とならないようにする。
【解決手段】吸気ポート2のストレート部2Bに、仕切板5が固定され、その上流側の端部に、開閉弁7が設けられる。ストレート部2B上部には、隔壁板12と遮蔽板13とを回動可能に連結した可動隔壁部11を備える。遮蔽板13は、回動軸15によって回動し、同時に、隔壁板12の突起部16が円弧形のガイド溝17によって案内されるので、四節平行リンクとして隔壁板12が上下に平行移動する。開閉弁7を閉じ、可動隔壁部11を下方に突出させた状態では、中央の通路21のみを吸気が通るので、強いタンブル流が生成される。高負荷時には、両者を全開とすることで、通気抵抗が小さくなる。
【選択図】 図1
【解決手段】吸気ポート2のストレート部2Bに、仕切板5が固定され、その上流側の端部に、開閉弁7が設けられる。ストレート部2B上部には、隔壁板12と遮蔽板13とを回動可能に連結した可動隔壁部11を備える。遮蔽板13は、回動軸15によって回動し、同時に、隔壁板12の突起部16が円弧形のガイド溝17によって案内されるので、四節平行リンクとして隔壁板12が上下に平行移動する。開閉弁7を閉じ、可動隔壁部11を下方に突出させた状態では、中央の通路21のみを吸気が通るので、強いタンブル流が生成される。高負荷時には、両者を全開とすることで、通気抵抗が小さくなる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、シリンダ内にタンブル流を生成するのに適した内燃機関の吸気装置、特に、その吸気ポート部分の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば、希薄燃焼が可能ないわゆるリーンバーン型の内燃機関や、層状燃焼と均質燃焼との選択的な燃焼が可能な筒内直接噴射式内燃機関などにおいて、特定に運転条件のときに、シリンダ内に縦方向の渦流つまりタンブル流を生成するようにしたものがある。
【0003】
特開平11−107764号公報には、このタンブル流を生成するための吸気装置として、吸気ポートをストレート形状に構成するとともに、このストレート部分に、バタフライバルブ型の制御弁を設け、かつこの制御弁の下側部分に開口部を切欠形成した構成が開示されている。このものでは、制御弁を閉じた状態では、制御弁の下側の開口部のみを通して吸気が流れ、これが吸気弁近傍で吸気ポート上壁面に沿って流れようとすることから、シリンダ内にタンブル流が生成されるものとなっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の構成では、制御弁で一旦絞った空気流の吸気ポート内での挙動を利用して、吸気の主流を吸気弁の上側に片寄らせるようにしているので、同公報に記載されているように、制御弁の位置などによって非常に不安定なものであり、十分にタンブル流を強化することができない。また、制御弁が僅かでも開くとタンブル流が弱くなるため、タンブル流を利用できる運転条件が非常に限定されたものとなってしまう。
【0005】
【課題を解決するための手段】
この発明に係る内燃機関の吸気装置においては、吸気弁上流の吸気ポート内に、吸気ポート長手方向に沿って仕切板が設けられており、この仕切板が、吸気ポート通路断面を、該通路断面の上下の中心よりも下方に片寄った位置で上下に区画している。そして、この仕切板の下方の通路に対しては、該通路を開閉する開閉弁が設けられている。この開閉弁は、例えば、通路の上流端位置に設けられる。
【0006】
上記吸気ポートの上部には、上下動可能に可動隔壁部が設けられる。この可動隔壁部は、その上下動位置に応じて吸気ポート通路断面の上部を遮蔽するようになっており、また、上記仕切板に対向する通路壁面を備えている。
【0007】
従って、上記可動隔壁部が閉位置つまり下側に位置した状態では、吸気ポート通路断面の上部が部分的に覆われ、かつ可動隔壁部の通路壁面が上記仕切板に接近する。そのため、同時に上記開閉弁が閉じた状態では、吸気流は、仕切板と上記通路壁面との間の狭い通路部分を通り、吸気弁に向かって高速で流れる。
【0008】
この仕切板と通路壁面との間の通路は、直線的に吸気弁の弁頭部を指向していることが望ましい。
【0009】
上記可動隔壁部は、例えば、上記通路壁面を構成するように吸気ポート長手方向に沿った板状をなす隔壁板と、両端部がこの隔壁板および吸気ポート上部にそれぞれ回動可能に連結された遮蔽板と、を有し、上記隔壁板および上記遮蔽板を構成要素の一部とする四節リンク機構のように構成することができる。この四節リンク機構の動きによって上記隔壁板が平行ないしは平行に近い姿勢を保ったまま上下動可能となる。
【0010】
【発明の効果】
この発明によれば、仕切板と上記通路壁面との間の狭い通路部分を通して、吸気弁に向かって吸気流を案内することができるので、確実にかつ強いタンブル流を生成することができる。特に、この通路部分は、吸気ポートの通路断面の上下の中間位置に構成されるので、吸気弁リフト時の開口部を直線的に指向するように吸気流を案内することが可能である。また、可動隔壁部を中間開度とすることで、十分に強いタンブル流を生成しつつ、吸気通路面積を拡大できるため、広い運転条件においてタンブル流を利用することが可能である。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の好ましい実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
【0012】
図1は、この発明を筒内直接噴射式火花点火内燃機関の吸気装置に適用した一実施例を示しており、シリンダヘッド1に吸気ポート2が形成され、かつこの吸気ポート2の先端を吸気弁3が開閉している。なお、この内燃機関は、ペントルーフ型の燃焼室4を有し、その一方の傾斜面に上記吸気弁3が配置され、図の左方となる図外の他方の傾斜面に排気弁が配置されている。上記吸気ポート2は、吸気弁3の近傍では、斜めの向きから吸気弁3へ向かう下方へと湾曲した湾曲部2Aとなっており、この湾曲部2Aよりも上流側の部分は、斜め上方へ直線状に延びたストレート部2Bとなっている。また、この吸気ポート2の通路断面、特に上記ストレート部2Bにおける通路断面は、図2に示すように、上部が矩形状でかつ下部が略半円形の円弧状をなしている。
【0013】
そして、上記の円弧部分と矩形部分との境界付近に、ストレート部2Bの通路断面を上下に区画する仕切板5が設けられている。この仕切板5は、平板状のものであり、上記湾曲部2A近傍までストレート部2Bの長手方向に沿って形成されている。特に、この仕切板5は、ストレート部2Bの通路断面の上下の中心位置よりも下方に片寄った位置に配置されている。また、上記仕切板5により区画された下方の通路6を開閉するために、仕切板5の上流側の端部に、開閉弁7が設けられている。この開閉弁7は、仕切板5の端部位置に回動軸8を有するフラップ型の構成となっている。
【0014】
一方、ストレート部2Bの通路断面の上部には、上下に移動可能な可動隔壁部11が設けられている。この可動隔壁部11は、ストレート部2Bの長手方向に沿った平板状をなす隔壁板12と、この隔壁板12の上流側の端部に回動軸14を介して回動可能に連結された遮蔽板13と、を有している。上記遮蔽板13の先端部は、さらに回動軸15を介して、ストレート部2Bの通路断面の上端部に回動可能に連結されている。つまり、上記遮蔽板13は、上記回動軸15を中心として回動し、これに伴って隔壁板12の上流側の端部が上下に移動する。なお、隔壁板12および遮蔽板13の左右の幅は、ストレート部2Bの通路断面の幅にほぼ一致している。これに対し、隔壁板12の下流側の端部は、左右に突出したピン状の突起部16を有し、図3にも示すように、吸気ポート2の左右の側壁面に略円弧形に形成されたガイド溝17に、それぞれ上記突起部16が摺動可能に係合している。ここで、上記ガイド溝17は、上記遮蔽板13が回動したときに回動軸14が描く円弧と等しい半径の円弧、詳しくは四分円をなしており、これに沿って、突起部16を備えた隔壁板12端部が移動可能である。従って、上記隔壁板12と遮蔽板13とガイド溝17とによって、四節リンク機構、特に四節平行リンク機構が構成され、遮蔽板13の回動に伴って隔壁板12が平行移動する。なお、図示例では、隔壁板12が最も下方へ突出した位置(これを全閉位置とする)から隔壁板12が最も上方へ後退した位置(これを全開位置とする)へ移動する際に、突起部16が下流側へ動く方向に、上記ガイド溝17が形成されている。なお、図4は、理解を容易にするために、上記隔壁板12および遮蔽板13を上方から見た形で模式的に示した説明図である。
【0015】
上記隔壁板12は、図2にも示すように、上記仕切板5と平行に構成され、かつその下側面となる通路壁面12aが、上記仕切板5に対向している。隔壁板12および仕切板5は、ほぼ等しい長さを有し、特に、可動隔壁部11の全閉位置において、それぞれの両端の位置がほぼ一致する。そして、この全閉位置において、上記通路壁面12aと仕切板5との間に、上下に狭まった通路21が区画されることになるが、この通路21は、ストレート部2Bの通路断面の略中央に位置している。特に、この通路21を下流側へ延長してみたときに、吸気弁3の弁頭部3aの排気弁寄り部分を直線的に指向するようになっている。
【0016】
上記の構成においては、上記開閉弁7の開度制御によって、下側の通路6の通路面積が制御され、特に、開閉弁7を全閉とした状態では、通路6が閉塞され、仕切板5より上方の部分のみに吸気が流れる。一方、可動隔壁部11が下方へ突出した状態では、遮蔽板13によって通路断面の上部が部分的に遮蔽される。従って、同時に開閉弁7が全閉であれば、実質的な流路は、隔壁板12と仕切板5とに挟まれた通路21のみとなる。この通路21の上下の間隔は、可動隔壁部11の突出量つまり開度によって変化するが、十分に狭められた状態では、この通路21は上記のように吸気弁3の弁頭部3aの排気弁寄り部分を指向しているので、通路21を経て高速で流れる吸気流が、吸気弁3がリフトしたときの筒状開口部22、特にその排気弁寄り側に矢印のように流入する。従って、シリンダ内に強いタンブル流が生成される。
【0017】
一方、開閉弁7を開き、かつ可動隔壁部11を全開とした状態では、吸気ポート2の通路断面の全体を吸気が通流する。なお、このとき、可動隔壁部11の隔壁板12は、ストレート部2Bの上壁面に沿って位置することになるが、この可動隔壁部11を収容するように僅かな凹部を設けておき、前後の部分と段差が生じないように構成することが望ましい。つまり、前後の上壁面と隔壁板12の通路壁面12aとが同一の高さで連続するようにすることが望ましい。
【0018】
図5に示すように、上記開閉弁7および上記可動隔壁部11は、それぞれ独立したアクチュエータ25,26によって駆動され、個別に開度制御可能である。例えば、開閉弁7の回動軸8にパルスモータ等からなるアクチュエータ25が連結され、可動隔壁部11の回動軸15に同じくパルスモータ等からなるアクチュエータ26が連結される。そして、これらのアクチュエータ25,26は、エンジン回転数、スロットル開度(負荷)、吸入空気量、冷却水温、等の信号が入力されるエンジンコントロールユニット27によって制御される。
【0019】
図6は、上記の開閉弁7および可動隔壁部11の開度制御の特性を示したものである。なお、これは、運転条件に応じて成層燃焼と均質燃焼との切換を行うことを前提としている。低速低負荷側の領域aは、主に成層燃焼となる領域であり、均質燃焼であっても低速低負荷運転となる領域である。この領域aでは、強いタンブル流が求められるので、下部の開閉弁7および上部の可動隔壁部11の双方を全閉とする。次に、強いタンブル流を必要とするが最小限の通路21のみでは空気量が不十分となる均質燃焼の低速中負荷領域bでは、下部の開閉弁7は全閉状態とし、上部の可動隔壁部11を中間開度とする。より詳しくは、負荷および回転数の上昇に伴って、その開度を徐々に大きくする。可動隔壁部11を開くことで、通気抵抗は徐々に低下し、必要な空気量を確保できる。このように可動隔壁部11をある程度開いても、開閉弁7が全閉であれば、吸気流は中央の通路21のみを通るので、十分に高いタンブル流が生成される。
【0020】
必要な空気量がさらに大となる中速高負荷の領域cでは、上部の可動隔壁部11は全開とし、下部の開閉弁7の開度を徐々に大きくしていく。これにより、吸気ポート2の通路面積がさらに大となる。さらに空気量が必要な全開もしくは高速の領域dでは、下部の開閉弁7も全開とする。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係る吸気装置の一実施例を示す断面図。
【図2】図1のA−A線に沿った断面図。
【図3】図1のB−B線に沿った断面図。
【図4】可動隔壁部の斜視説明図。
【図5】この実施例の制御システムを示す構成説明図。
【図6】制御特性の一例を示す特性図。
【符号の説明】
2…吸気ポート
2B…ストレート部
3…吸気弁
5…仕切板
7…開閉弁
11…可動隔壁部
12…隔壁板
13…遮蔽板
17…ガイド溝
【発明の属する技術分野】
この発明は、シリンダ内にタンブル流を生成するのに適した内燃機関の吸気装置、特に、その吸気ポート部分の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば、希薄燃焼が可能ないわゆるリーンバーン型の内燃機関や、層状燃焼と均質燃焼との選択的な燃焼が可能な筒内直接噴射式内燃機関などにおいて、特定に運転条件のときに、シリンダ内に縦方向の渦流つまりタンブル流を生成するようにしたものがある。
【0003】
特開平11−107764号公報には、このタンブル流を生成するための吸気装置として、吸気ポートをストレート形状に構成するとともに、このストレート部分に、バタフライバルブ型の制御弁を設け、かつこの制御弁の下側部分に開口部を切欠形成した構成が開示されている。このものでは、制御弁を閉じた状態では、制御弁の下側の開口部のみを通して吸気が流れ、これが吸気弁近傍で吸気ポート上壁面に沿って流れようとすることから、シリンダ内にタンブル流が生成されるものとなっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の構成では、制御弁で一旦絞った空気流の吸気ポート内での挙動を利用して、吸気の主流を吸気弁の上側に片寄らせるようにしているので、同公報に記載されているように、制御弁の位置などによって非常に不安定なものであり、十分にタンブル流を強化することができない。また、制御弁が僅かでも開くとタンブル流が弱くなるため、タンブル流を利用できる運転条件が非常に限定されたものとなってしまう。
【0005】
【課題を解決するための手段】
この発明に係る内燃機関の吸気装置においては、吸気弁上流の吸気ポート内に、吸気ポート長手方向に沿って仕切板が設けられており、この仕切板が、吸気ポート通路断面を、該通路断面の上下の中心よりも下方に片寄った位置で上下に区画している。そして、この仕切板の下方の通路に対しては、該通路を開閉する開閉弁が設けられている。この開閉弁は、例えば、通路の上流端位置に設けられる。
【0006】
上記吸気ポートの上部には、上下動可能に可動隔壁部が設けられる。この可動隔壁部は、その上下動位置に応じて吸気ポート通路断面の上部を遮蔽するようになっており、また、上記仕切板に対向する通路壁面を備えている。
【0007】
従って、上記可動隔壁部が閉位置つまり下側に位置した状態では、吸気ポート通路断面の上部が部分的に覆われ、かつ可動隔壁部の通路壁面が上記仕切板に接近する。そのため、同時に上記開閉弁が閉じた状態では、吸気流は、仕切板と上記通路壁面との間の狭い通路部分を通り、吸気弁に向かって高速で流れる。
【0008】
この仕切板と通路壁面との間の通路は、直線的に吸気弁の弁頭部を指向していることが望ましい。
【0009】
上記可動隔壁部は、例えば、上記通路壁面を構成するように吸気ポート長手方向に沿った板状をなす隔壁板と、両端部がこの隔壁板および吸気ポート上部にそれぞれ回動可能に連結された遮蔽板と、を有し、上記隔壁板および上記遮蔽板を構成要素の一部とする四節リンク機構のように構成することができる。この四節リンク機構の動きによって上記隔壁板が平行ないしは平行に近い姿勢を保ったまま上下動可能となる。
【0010】
【発明の効果】
この発明によれば、仕切板と上記通路壁面との間の狭い通路部分を通して、吸気弁に向かって吸気流を案内することができるので、確実にかつ強いタンブル流を生成することができる。特に、この通路部分は、吸気ポートの通路断面の上下の中間位置に構成されるので、吸気弁リフト時の開口部を直線的に指向するように吸気流を案内することが可能である。また、可動隔壁部を中間開度とすることで、十分に強いタンブル流を生成しつつ、吸気通路面積を拡大できるため、広い運転条件においてタンブル流を利用することが可能である。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の好ましい実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
【0012】
図1は、この発明を筒内直接噴射式火花点火内燃機関の吸気装置に適用した一実施例を示しており、シリンダヘッド1に吸気ポート2が形成され、かつこの吸気ポート2の先端を吸気弁3が開閉している。なお、この内燃機関は、ペントルーフ型の燃焼室4を有し、その一方の傾斜面に上記吸気弁3が配置され、図の左方となる図外の他方の傾斜面に排気弁が配置されている。上記吸気ポート2は、吸気弁3の近傍では、斜めの向きから吸気弁3へ向かう下方へと湾曲した湾曲部2Aとなっており、この湾曲部2Aよりも上流側の部分は、斜め上方へ直線状に延びたストレート部2Bとなっている。また、この吸気ポート2の通路断面、特に上記ストレート部2Bにおける通路断面は、図2に示すように、上部が矩形状でかつ下部が略半円形の円弧状をなしている。
【0013】
そして、上記の円弧部分と矩形部分との境界付近に、ストレート部2Bの通路断面を上下に区画する仕切板5が設けられている。この仕切板5は、平板状のものであり、上記湾曲部2A近傍までストレート部2Bの長手方向に沿って形成されている。特に、この仕切板5は、ストレート部2Bの通路断面の上下の中心位置よりも下方に片寄った位置に配置されている。また、上記仕切板5により区画された下方の通路6を開閉するために、仕切板5の上流側の端部に、開閉弁7が設けられている。この開閉弁7は、仕切板5の端部位置に回動軸8を有するフラップ型の構成となっている。
【0014】
一方、ストレート部2Bの通路断面の上部には、上下に移動可能な可動隔壁部11が設けられている。この可動隔壁部11は、ストレート部2Bの長手方向に沿った平板状をなす隔壁板12と、この隔壁板12の上流側の端部に回動軸14を介して回動可能に連結された遮蔽板13と、を有している。上記遮蔽板13の先端部は、さらに回動軸15を介して、ストレート部2Bの通路断面の上端部に回動可能に連結されている。つまり、上記遮蔽板13は、上記回動軸15を中心として回動し、これに伴って隔壁板12の上流側の端部が上下に移動する。なお、隔壁板12および遮蔽板13の左右の幅は、ストレート部2Bの通路断面の幅にほぼ一致している。これに対し、隔壁板12の下流側の端部は、左右に突出したピン状の突起部16を有し、図3にも示すように、吸気ポート2の左右の側壁面に略円弧形に形成されたガイド溝17に、それぞれ上記突起部16が摺動可能に係合している。ここで、上記ガイド溝17は、上記遮蔽板13が回動したときに回動軸14が描く円弧と等しい半径の円弧、詳しくは四分円をなしており、これに沿って、突起部16を備えた隔壁板12端部が移動可能である。従って、上記隔壁板12と遮蔽板13とガイド溝17とによって、四節リンク機構、特に四節平行リンク機構が構成され、遮蔽板13の回動に伴って隔壁板12が平行移動する。なお、図示例では、隔壁板12が最も下方へ突出した位置(これを全閉位置とする)から隔壁板12が最も上方へ後退した位置(これを全開位置とする)へ移動する際に、突起部16が下流側へ動く方向に、上記ガイド溝17が形成されている。なお、図4は、理解を容易にするために、上記隔壁板12および遮蔽板13を上方から見た形で模式的に示した説明図である。
【0015】
上記隔壁板12は、図2にも示すように、上記仕切板5と平行に構成され、かつその下側面となる通路壁面12aが、上記仕切板5に対向している。隔壁板12および仕切板5は、ほぼ等しい長さを有し、特に、可動隔壁部11の全閉位置において、それぞれの両端の位置がほぼ一致する。そして、この全閉位置において、上記通路壁面12aと仕切板5との間に、上下に狭まった通路21が区画されることになるが、この通路21は、ストレート部2Bの通路断面の略中央に位置している。特に、この通路21を下流側へ延長してみたときに、吸気弁3の弁頭部3aの排気弁寄り部分を直線的に指向するようになっている。
【0016】
上記の構成においては、上記開閉弁7の開度制御によって、下側の通路6の通路面積が制御され、特に、開閉弁7を全閉とした状態では、通路6が閉塞され、仕切板5より上方の部分のみに吸気が流れる。一方、可動隔壁部11が下方へ突出した状態では、遮蔽板13によって通路断面の上部が部分的に遮蔽される。従って、同時に開閉弁7が全閉であれば、実質的な流路は、隔壁板12と仕切板5とに挟まれた通路21のみとなる。この通路21の上下の間隔は、可動隔壁部11の突出量つまり開度によって変化するが、十分に狭められた状態では、この通路21は上記のように吸気弁3の弁頭部3aの排気弁寄り部分を指向しているので、通路21を経て高速で流れる吸気流が、吸気弁3がリフトしたときの筒状開口部22、特にその排気弁寄り側に矢印のように流入する。従って、シリンダ内に強いタンブル流が生成される。
【0017】
一方、開閉弁7を開き、かつ可動隔壁部11を全開とした状態では、吸気ポート2の通路断面の全体を吸気が通流する。なお、このとき、可動隔壁部11の隔壁板12は、ストレート部2Bの上壁面に沿って位置することになるが、この可動隔壁部11を収容するように僅かな凹部を設けておき、前後の部分と段差が生じないように構成することが望ましい。つまり、前後の上壁面と隔壁板12の通路壁面12aとが同一の高さで連続するようにすることが望ましい。
【0018】
図5に示すように、上記開閉弁7および上記可動隔壁部11は、それぞれ独立したアクチュエータ25,26によって駆動され、個別に開度制御可能である。例えば、開閉弁7の回動軸8にパルスモータ等からなるアクチュエータ25が連結され、可動隔壁部11の回動軸15に同じくパルスモータ等からなるアクチュエータ26が連結される。そして、これらのアクチュエータ25,26は、エンジン回転数、スロットル開度(負荷)、吸入空気量、冷却水温、等の信号が入力されるエンジンコントロールユニット27によって制御される。
【0019】
図6は、上記の開閉弁7および可動隔壁部11の開度制御の特性を示したものである。なお、これは、運転条件に応じて成層燃焼と均質燃焼との切換を行うことを前提としている。低速低負荷側の領域aは、主に成層燃焼となる領域であり、均質燃焼であっても低速低負荷運転となる領域である。この領域aでは、強いタンブル流が求められるので、下部の開閉弁7および上部の可動隔壁部11の双方を全閉とする。次に、強いタンブル流を必要とするが最小限の通路21のみでは空気量が不十分となる均質燃焼の低速中負荷領域bでは、下部の開閉弁7は全閉状態とし、上部の可動隔壁部11を中間開度とする。より詳しくは、負荷および回転数の上昇に伴って、その開度を徐々に大きくする。可動隔壁部11を開くことで、通気抵抗は徐々に低下し、必要な空気量を確保できる。このように可動隔壁部11をある程度開いても、開閉弁7が全閉であれば、吸気流は中央の通路21のみを通るので、十分に高いタンブル流が生成される。
【0020】
必要な空気量がさらに大となる中速高負荷の領域cでは、上部の可動隔壁部11は全開とし、下部の開閉弁7の開度を徐々に大きくしていく。これにより、吸気ポート2の通路面積がさらに大となる。さらに空気量が必要な全開もしくは高速の領域dでは、下部の開閉弁7も全開とする。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係る吸気装置の一実施例を示す断面図。
【図2】図1のA−A線に沿った断面図。
【図3】図1のB−B線に沿った断面図。
【図4】可動隔壁部の斜視説明図。
【図5】この実施例の制御システムを示す構成説明図。
【図6】制御特性の一例を示す特性図。
【符号の説明】
2…吸気ポート
2B…ストレート部
3…吸気弁
5…仕切板
7…開閉弁
11…可動隔壁部
12…隔壁板
13…遮蔽板
17…ガイド溝
Claims (7)
- 吸気弁上流の吸気ポート内に、吸気ポート長手方向に沿って設けられ、かつ吸気ポート通路断面を、該通路断面の上下の中心よりも下方に片寄った位置で上下に区画する仕切板と、
上記仕切板の下方の通路を開閉する開閉弁と、
上記吸気ポートの上部に上下動可能に設けられ、その上下動位置に応じて吸気ポート通路断面の上部を遮蔽するとともに、上記仕切板に対向する通路壁面を備えた可動隔壁部と、
を備えていることを特徴とする内燃機関の吸気装置。 - 上記可動隔壁部は、上記通路壁面を構成するように吸気ポート長手方向に沿った板状をなす隔壁板と、両端部がこの隔壁板および吸気ポート上部にそれぞれ回動可能に連結された遮蔽板と、を有し、上記隔壁板および上記遮蔽板を構成要素の一部とする四節リンク機構によって上記隔壁板が上下動可能であることを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の吸気装置。
- 上記隔壁板の上流側の端部に上記遮蔽板が連結されており、隔壁板の下流側の端部は、吸気ポート側壁面に略円弧形に形成されたガイド溝に沿って移動可能に構成され、上記遮蔽板の回動に伴って上記隔壁板が上下動することを特徴とする請求項2に記載の内燃機関の吸気装置。
- 上記吸気ポートの上部は、矩形状の断面形状を有し、上記可動隔壁部の全開位置では、上記通路壁面が前後の吸気ポート上壁面と連続することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の内燃機関の吸気装置。
- 上記開閉弁および上記可動隔壁部が、それぞれ独立したアクチュエータによって駆動されることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の内燃機関の吸気装置。
- 上記開閉弁および上記可動隔壁部が、機関運転条件に応じて、個別に開度制御されることを特徴とする請求項5に記載の内燃機関の吸気装置。
- 上記可動隔壁部の全閉位置において上記通路壁面と上記仕切板との間に形成される通路が、直線的に吸気弁の弁頭部を指向していることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の内燃機関の吸気装置。
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-
2002
- 2002-06-04 JP JP2002162359A patent/JP2004011442A/ja active Pending
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