JP2004293483A - 火花点火式レシプロエンジンの吸気装置 - Google Patents

火花点火式レシプロエンジンの吸気装置 Download PDF

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Hirobumi Nishimura
博文 西村
Masahiko Fujimoto
昌彦 藤本
Kohei Iwai
浩平 岩井
Takayuki Kuwabara
孝之 桑原
Yasushi Murakami
康 村上
Yoshihisa Nooi
芳尚 乃生
Naoyuki Yamagata
直之 山形
Daisuke Shimo
大輔 志茂
Tatsuya Tanaka
達也 田中
Michihiko Tabata
道彦 田端
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Abstract

【課題】吸気ポートの上流に吸気の一部を絞る弁体を閉成させることによりタンブル流を生成する場合において、タンブル流が不安定に生成されるのを防止する。
【解決手段】吸気ポート5の上流に上方側が切除された形状の流動制御弁20を配置するととともに、リーンバーン運転領域における低吸気量状態のときは、流動制御弁20を閉成させ、リーンバーン運転領域における高吸気量状態のときは、流動制御弁20を開成させる。また、吸気ポート5と燃焼室4とを連通させる開口部の内、流動制御弁が位置する側の開口部の一部分には壁部45aを形成するとともに、リーンバーン運転領域では、吸気弁5の弁リフト量を低リフト量として、この開口部分から燃焼室内に流入する吸気を減少させる。
【選択図】 図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、火花点火式レシプロエンジンの吸気装置に関し、特にエンジンの燃焼室内にタンブル流を形成するよう構成された吸気技術に属すものである。
【0002】
【従来の技術】
一般的に、エンジンの燃焼室内に、ピストンの往復動方向に略沿った方向に旋回するタンブル流(縦渦流)を生成させることにより、成層燃焼による燃焼性を改善させたり、燃料と吸気とからなる混合気のミキシング性向上により燃焼性を改善させたりする技術は知られている。
このようなタンブル流は、吸気ポートと燃焼室とを連通させる開口部の向きをピストンの往復動方向に対して所定角度傾斜させることにより、開口部を開閉させる吸気弁が開成した時、この開口部から燃焼室内に流入した吸気がピストン頂部に指向して進むことで形成される。しかしながら、一部の開口部から燃焼室内に流入する吸気流は、燃焼室内でこのタンブル流を阻害する場合がある。
【0003】
例えば、吸気ポートを流通する吸気の進行方向が燃焼室に近づくにつれて徐々にピストン往復動に対する傾斜が大きくなるように、吸気ポートが湾曲形成されている場合には、タンブル流は、主として湾曲部分の外方側を通過して開口部から燃焼室内に供給された吸気により、生成されることになる。この場合、吸入空気量が多い高吸気量状態のとき、このタンブル流を生成する吸気の吸気流速(単位時間当たりに通過する流量)は大きく、この時は強力なタンブル流が維持される。しかしながら、吸入空気量が少ない低吸気量状態のときは、湾曲外方を通過する吸気によりタンブル流は一応は生成されるものの、同時に湾曲内方側を通過する吸気の吸気流速が大きくなり、湾曲外方を通過する吸気の吸気流速と湾曲内方を通過する吸気の吸気流速との偏差が小さくなるため、湾曲内方を通過して開口部から燃焼室内に流入した吸気が、燃焼室内でタンブル流に対向するようになって、これによりタンブル流が抑制されることになる。
【0004】
これに対し、吸気ポート上流に吸気の一部を絞る弁体(流動制御弁)を設け、これを閉成させることで、タンブル流を強化することは公知である。
また、例えば特許文献1には、タンブル流に対向してこれを抑制する吸気が流入する開口部の一部分の近傍に、突起や窪みを形成して、タンブル流を抑制する吸気流を低減させる技術が提案されている。
更に、例えば特許文献2には、タンブル流に対向してこれを抑制する吸気が流入する開口部の一部分の近傍に燃焼室側に突出するシュラウドを形成するとともに、吸気弁のリフト量を可変にする弁リフト量可変機構を設け、リーンバーン運転状態では、弁リフト量可変機構によりシュラウドから流入する吸気流を制限する技術が開示されている。
【0005】
【特許文献1】
特開平7−269360号公報
【特許文献2】
特開平7−166867号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上述のように、吸気ポート上流に吸気の一部を絞る弁体を閉成させて、タンブル流を強化する場合、低吸気量状態では、常に安定したタンブル流を生成することはできないことが、発明者らの研究により判明した。これは、弁体が吸気ポートの上流で吸気を部分的に絞る構造になっており、低吸気量状態では、弁体から、吸気ポートと燃焼室とを連通する開口部までの間で、不安定な吸気の乱れが生じ、これがタンブル流に大きく影響を与えているものと考えられる。
【0007】
本発明は、以上のような課題に勘案してなされたもので、その目的は、吸気通路上流に弁体を設け、低吸気量状態で吸気を部分的に絞るように当該弁体を閉成することによりタンブル流を増大させる手段を設けた場合において、更に燃焼室内に発生してタンブル流を抑制する吸気流を低減させるための吸気流調整手段を備えたことにより、低吸気量状態において、燃焼室内に安定したタンブル流を生成することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
このような目的を達成するために、本発明の請求項1記載の発明においては、エンジンの燃焼室内への吸気の供給がピストンの往復動方向に対して傾斜して行われるよう形成される吸気通路と、該吸気通路と該燃焼室とを連通する開口部を開閉させる吸気弁とを備え、該吸気通路により、該吸気弁の開成時に該燃焼室内に吸気を供給することで、該燃焼室内に吸気のタンブル流を生成可能とする火花点火式レシプロエンジンの吸気装置において、上記吸気弁上流の上記吸気通路に配置された弁体と、該弁体を、吸入空気量が少ない低吸気量状態となる所定の運転領域で閉成させることによって、該燃焼室内に供給される吸気を部分的に絞り、タンブル流を増大させるタンブル流増大制御手段と、上記開口部近傍に形成され、該タンブル流増大手段の作動時に発生しタンブル流を抑制させる吸気流を低減する吸気流調整部とを備えたことを特徴としている。
このような構成により、低吸気量状態で弁体を閉成させて吸気を部分的に絞り、タンブル流を増大させるタンブル流増大制御手段を設けた場合では、低吸気量状態で、弁体と燃焼室に対する吸気通路の開口部との間に発生する乱流によりタンブル流が不安定に生成されるが、吸気流調整部によって燃焼室内に生成されるタンブル流を増大して且つ安定化させることが可能となる。
【0009】
請求項2記載の発明は、請求項1において、上記吸気流調整部は、タンブル流を抑制させる吸気流が燃焼室内に流入する開口部の一部分の周辺に、該燃焼室側に指向して形成された壁部であることを特徴としている。
このような構成により、燃焼室内で発生するタンブル流を抑制させる吸気流を確実に抑制することができる。
【0010】
請求項3記載の発明は、請求項1において、エンジンの空燃比を制御する空燃比制御手段を備え、該空燃比制御手段は、低吸気量状態となる上記所定の運転領域、及び該所定の領域よりも吸入空気量が多い上記弁体が開成される特定運転領域において、空燃比を理論空燃比よりもリーンに設定することを特徴としている。
このような構成により、空燃比をリーンに設定する、所謂、リーンバーンエンジンにおいて、低吸気量状態となる所定の運転領域では、タンブル流増大制御手段により弁体が閉成されてタンブル流が増大されるとともに、吸気流調整部により増大されたタンブル流を更に安定且つ強化することができ、これによりリーンバーン運転時の燃焼安定性を向上することが可能となる。
更に、所定の運転領域よりも吸入空気量が多い特定運転領域では、弁体は開成されるため、タンブル流増量制御手段によるタンブル流の強化は行われないが、反って弁体が開成されるために吸気抵抗を低減できる。また、この時、吸気流調整部によりタンブル流を抑制する吸気流は低減されるため、結果的にタンブル流の増大を図ることができるので、リーンバーンによる運転を、特定運転領域まで拡大して実行することが可能となり、上記の吸気抵抗低減によるポンピング損失低減と合わせて、燃費向上が図れる。
【0011】
請求項4記載の発明は、請求項1において、エンジンの燃焼ガスの一部を燃焼室内に還流若しくは残留させるとともに、還流若しくは残留された燃焼ガス量を制御する排気還流制御手段を備え、該排気還流制御手段は、低吸気量状態となる上記所定の運転領域、及び該所定の領域よりも吸入空気量が多い特定運転領域において、燃焼ガス量を所定値以上に制御することを特徴としている。
このような構成により、NOx低減などのために排気還流制御手段により燃焼ガスの還流若しくは残留を行うエンジンにおいて、低吸気量状態となる所定の運転領域では、タンブル流増大制御手段により弁体が閉成されてタンブル流が増大されるとともに、吸気流調整部により増大されたタンブル流を更に安定且つ強化することができ、これにより排気還流制御による燃焼安定性を向上させることが可能となる。
更に、所定の運転領域よりも吸入空気量が多い特定運転領域では、弁体は開成されるため、タンブル流増量制御手段によるタンブル流の強化は行われないが、反って弁体が開成されるために吸気抵抗を低減でき、ポンピング損失低減による燃費向上を図ることが可能となる。しかも、この時、吸気流調整部によりタンブル流を抑制する吸気流は低減されるため、結果的にタンブル流の増大を図ることができるので、燃焼ガス量を増大する領域を特定運転領域まで拡大でき、高吸気量状態で多く発生し易いNOxを更に低減することが可能となる。
【0012】
請求項5記載の発明は、請求項1において、上記弁体は、該弁体の閉弁時、上記吸気通路の上流側で該弁体が位置する部分の内、タンブル流を抑制させる吸気流が流入する上記開口部の一部分側と同じ側の部分を通過する吸気が絞られるように形成されていることを特徴としている。
このような構成により、弁体とタンブル流増大制御手段とによるタンブル流の増大を、確実に行うことが可能となる。
【0013】
請求項6記載の発明は、請求項1において、上記吸気通路は、上記開口部近傍において1気筒当たり2つ設けられるとともに、該2つの吸気通路は該開口部より上流側の該開口部近傍で共通化されており、上記弁体は、共通化されている該吸気通路に配置されることを特徴としている。
このような構成により、吸気通路を通過する吸気を低い吸気抵抗で燃焼室に供給することが可能となり、これによって、より確実にタンブル流を増大できるとともに、ポンピング損失低減による燃費向上を図ることが可能となる。
【0014】
請求項7記載の発明は、請求項2において、上記壁部は、少なくとも上記タンブル流増大制御手段の実行時には、該壁部の上記燃焼室側への突出量が、上記吸気弁開弁時の弁リフト量の最大値よりも小さい値となるよう形成されることを特徴としている。
このような構成により、壁部と吸気弁との間から燃焼室内に流入する吸気の流通抵抗(吸気抵抗)を低減させることができる。しかも、タンブル流増大制御手段により弁体が閉成されている状態では、これにより吸気抵抗も大きくなっているが、本請求項に係る発明により、このような状態であっても、吸気抵抗を低減でき、燃費向上を図ることが可能となる。
【0015】
請求項8記載の発明は、請求項2あるいは請求項7において、上記壁部は、該壁部の上記燃焼室側への突出量が、タンブル流を抑制する吸気流が流入する上記開口部の一部分から該開口部の他方部分に向かって徐々に小さくなるよう形成されていることを特徴としている。
このような構成により、壁部と吸気弁との間から燃焼室内に流入する吸気の流通抵抗(吸気抵抗)を低減させることができる。しかも、タンブル流増大制御手段により弁体が閉成されている状態では、これにより吸気抵抗も大きくなっているが、本請求項に係る発明により、このような状態であっても、吸気抵抗を低減でき、燃費向上を図ることが可能となる。
【0016】
請求項9記載の発明は、請求項2において、低吸気量状態となる上記所定の運転領域では、エンジンの空燃比を理論空燃比よりもリーンに設定する空燃比制御手段と、上記吸気弁が開弁したときの弁リフト量を可変に制御するとともに、上記所定の運転領域では、該弁リフト量を減少させるよう制御する吸気弁リフト量制御手段とを備えたことを特徴としている。
このような構成により、空燃比をリーンに設定する、所謂、リーンバーンエンジンにおいては、リーンバーン運転となる所定の運転領域で、タンブル流増大制御手段により弁体が閉成されてタンブル流が増大されるとともに、壁部と吸気弁との間を通過する吸気流を弁リフト量制御手段により適切に制御することが可能となる。従って、タンブル流を更に安定且つ強化することが可能となり、リーンバーン運転時の燃焼安定性を向上することができる。しかも、高吸気量状態のときは、弁リフト量制御手段により弁リフト量が増大されるため、吸入空気量を増量でき、高吸気量状態での出力向上を図ることが可能となる。
【0017】
請求項10記載の発明は、請求項2において、エンジンの燃焼ガスの一部を燃焼室内に還流若しくは残留させるとともに、低吸気量状態となる所定の運転領域では還流若しくは残留された燃焼ガス量を増量するよう制御する排気還流制御手段と、上記吸気弁が開弁したときの弁リフト量を可変に制御するとともに、上記所定の運転領域では、該弁リフト量を減少させるよう制御する吸気弁リフト量制御手段とを備えたことを特徴としている。
このような構成により、NOx低減などのために排気還流制御手段により燃焼ガスの還流若しくは残留を行うエンジンにおいて、この燃焼ガス量の増量制御を行う所定の運転領域で、タンブル流増大制御手段により弁体が閉成されてタンブル流が増大されるとともに、壁部と吸気弁との間を通過する吸気流を弁リフト量制御手段により適切に制御することができる。従って、タンブル流を更に安定且つ強化することが可能となり、これにより燃焼ガス量の増量状態における燃焼安定性を向上することができる。しかも、高吸気量状態のときは、弁リフト量制御手段により弁リフト量が増大されるため、吸入空気量を増量でき、高吸気量状態での出力向上を図ることが可能となる。
【0018】
【発明の実施の形態】
【0019】
(第1の実施形態)
以下、本発明の第1の実施形態を図面に基づいて説明する。
(全体構成)
図1は、本実施形態の吸気ポート噴射式・レシプロ・ガソリンエンジン全体の概略図である。
エンジン1は例えば4気筒などの多気筒エンジンであり、その気筒(シリンダ)2にはピストン3が装填されてその上方側(ピストン3の往復動方向でピストン3の頂部が指向する方向。以下同じ)に燃焼室4が形成されている。燃焼室4には吸気ポート5と排気ポート6とが形成され、これらは各々吸気弁7、排気弁8により開閉される。吸気弁7及び排気弁8は各々の頂部に設けられた吸気カムシャフト9,排気カムシャフト10の回転によって駆動され、吸気弁7側の頂部11には、吸気弁7の弁のリフト量(弁リフト量)を変化することができるように、切換え可能な複数のカムから成る弁リフト可変機構12が設けられている。
【0020】
燃焼室4の上部には、先端のスパーク部分が燃焼室4に臨むように点火プラグ13が配設されている。また、シリンダヘッド14には燃料噴射弁15が配設され、この燃料噴射弁15から吸気ポート5に燃料が噴射される。尚、燃料噴射弁15は、図示しないニードル弁及びソレノイドを内蔵し、このソレノイドにパルス信号が印加されてパルス幅に応じた量の燃料を噴射する。
【0021】
吸気ポート5には、独立吸気通路16が接続され、該独立吸気通路16の上流は、高速用通路17と低速用通路18とに分岐して、それぞれエンジン1の全ての気筒2、2、…に対し吸気を供給するサージタンク19に接続されている。この場合、サージタンク19から高速用通路17を介した燃焼室4までの吸気通路の吸気管長さは、サージタンク19から低速用通路18を介した燃焼室4までの吸気通路の吸気管の長さよりも小さく設定されており、また、サージタンク19から高速用通路17を介した燃焼室4までの吸気管容積は、サージタンク19から低速用通路18を介した燃焼室4までの吸気管容積よりも小さく設定されている。
また、高速用通路17には、低速用通路18による燃焼室4への吸気の供給を行うか、あるいは高速用通路17による吸気の供給を行うか、どちらか一方に切換えることにより、独立吸気通路16内を流通する吸気の固有振動数を制御可能な固有振動数制御弁21が設けられている。
また、独立吸気通路16には、燃焼室4内で生成されるピストン3の往復動方向に略沿って旋回する乱流であるタンブル流(縦渦流)を制御する流動制御弁20が設けられ、こうした、流動制御弁20及び上記の固有振動数制御弁21は、図示しないが、それぞれ弁開閉動作機構により動作される。
【0022】
サージタンク19の上流には、エンジン1の全ての気筒2、2、…に吸気を供給するための共通吸気通路22が接続されており、該共通吸気通路には、その上流側から順に、大気から吸引した吸気中のダストを除去するエアーフィルター23、全ての気筒2、2、…への新気の吸入空気量を検出するエアーフローセンサ24、吸入空気量を調整するとともに図示しないステップモータ等の電気的なアクチュエータにより動作されるスロットル弁25が配置される。なお、共通吸気通路22に、スロットル弁25をバイパスするバイパス通路を形成し、このパイバス通路にバイパス弁を設けて開閉することにより、アイドル運転時に吸入空気量を制御するアイドル回転数制御装置を構成させることもできる。
【0023】
排気ポート6には、排気通路26が接続され、その途中に三元触媒27が配設され、酸化触媒27のさらに下流側にはNOx吸収触媒28が配設されている。三元触媒27は、コージェライト製のハニカム担体に貴金属(Pt、Rh、Pd)を含有するγ−アルミナから成る触媒層をコーティングしたものであり、排気ガス中に含有するHC、COを浄化し、エンジン1の空燃比が理論空燃比(λ=1)か理論空燃比よりも小さいリッチな状態でNOxを浄化する。
NOx吸収触媒28は、コージライト製のハニカム担体に、NOx吸収材(Baなどのアルカリ土類金属、Kなどのアルカリ金属)と貴金属(Pt、Rh、Pd)と含有するγ−アルミナから成る触媒層をコーティングしたものである。これにより、エンジン1の空燃比が、定常的に理論空燃比よりも大きいリーン状態では排ガス中のNOxをNOx吸収材に吸収させ、空燃比が、一時的に理論空燃比か理論空燃比よりも大きいリッチ状態となった時、吸収されたNOxを放出且つ浄化する。
【0024】
また、排気通路26における三元触媒27よりも上流側には、エンジン1の空燃比を検出するため、排ガスの酸素濃度を検出するOセンサ29が設けられている。
【0025】
排気通路26と吸気系のサージタンク19の間には、排ガスの一部を吸気系に還流するEGR(Exhaust Gas Recirculation)通路30が接続され、このEGR通路30は、図示しない弁開閉機構により開閉動作されるEGR弁31によってEGR量(EGRガスの体積量)あるいはEGR率(EGR量を、燃焼室4内に吸入される全ガス量で割った値)を調節可能になっている。
【0026】
また、ECU(Electronic Control Unit)32には、エアーフローセンサ24、Oセンサ29、クランク角センサ33、アクセル開度センサ34、エンジン水温センサ35等からの検出信号が入力されるようになっている。
また、ECU32からは、スロットル弁25の開閉をリニアに制御する制御信号、固定振動数制御弁21の開閉動作を制御する制御信号、流動制御弁20の開閉動作を制御する制御信号、燃料噴射弁15によって所望する燃料供給量を所定時期に噴射するよう制御する制御信号、弁リフト可変機構12に対し吸気弁7の弁リフト量を変更させるための制御信号、および点火プラグ13に所定時期に点火させるための制御信号を出力している。
【0027】
次に、図2から図6を参照して、本実施形態に係る吸気装置及びその周辺構造について詳細に説明する。
図2は、本実施形態において、低吸気量状態におけるシリンダヘッド14とその周辺構造に関する側断面の概略図である。
気筒2内には、気筒2の中心軸線の延長上に対応する頂面部36、ピストン3、気筒2に開口する吸気ポート5の2つの開口部5a、5aを開閉させるための夫々2つの吸気弁7、7、及び気筒2に開口する排気ポート6の2つの開口部6a、6aを開閉させるための2つの排気弁8、8により閉塞されたペントルーフ型燃焼室4が形成されている。頂面部36には火花を発生して燃焼室4内に充填、圧縮された混合気を着火させる点火プラグ13が、シリンダヘッド14に形成されたシリンダヘッド取付孔13aを介して配設されており、これにより点火プラグ13先端のスパーク部分が燃焼室4に露出される。
尚、ピストン3の頂部3aは、その中心部が燃焼室4に向かって突出した山型形状となるよう形成されており、これにより吸入空気量が多くタンブル流f1が極めて強い場合には、タンブル流f1を抑制させることが可能となる。
【0028】
吸気弁7は、バルブステム37の一端部に設けられたタペット38が、シリンダヘッド14上方側でシリンダヘッド14に軸支された吸気カムシャフト9に形成される吸気カム39に当接するよう配置されている。これにより、エンジン1のクランク軸(図示せず)に連結されこの回転に同期した吸気カムシャフト9の回転、つまり吸気カム39の回転によって、吸気弁7は、開口部5aの直上流までの開口通路(スロート部)5bの軸線と同軸に往復動するようにバルブガイド40にて案内されて駆動される。このような構成により、吸気弁7と弁シート5dとが当接した状態では、開口部5aは全閉となり、吸気弁7と弁シート5dとが離間した状態では、開口部5aは開成状態となる。
【0029】
排気ポート4には、吸気ポート5と同様に排気弁8が設けられ、排気弁8は、バルブステム41の一端部に設けられたタペット42が、シリンダヘッド14の上部側でシリンダヘッド14に軸支された排気カムシャフト10に形成される排気カム43に当接する。これにより、エンジン1のクランク軸に連結されこの回転に同期した排気カムシャフト10の回転、つまり排気カム43の回転によって、排気弁8は、開口部6a直上流までの通路の軸線と同軸に往復動するようにバルブガイド44にて案内されるよう駆動される。
【0030】
吸気カム39は、吸気弁7の燃焼室4側へのリフト量である弁リフト量をエンジン回転数やエンジン負荷に応じて可変とするため、低リフトカム39aと高リフトカム39bとを有しており、上述の弁リフト可変機構12は、これら2つのカム39a、39bと、これらのカムを切換え可能とする切換え機構(図示せず)とにより構成される周知の構造である。
低リフトカム39aのカムプロフィールは、低リフトカム39aによる吸気弁7の最大の弁リフト量が、高リフトカム39bによる最大弁リフト量より小さくなるように形成されている。そして、後述するように、吸気弁7は、エンジン1が希薄燃焼運転(リーンバーン運転)される低回転領域においては低リフトカム39aにより駆動される。
また、高リフトカム39bのカムプロフィールは、高リフトカム39bによる吸気弁7の最大の弁リフト量が、低リフトカム39aによる最大弁リフト量より大きくなるように形成されており、後述するように、吸気弁7はエンジン1が高速運転される高回転領域において高リフトカム39bにより駆動される。
【0031】
独立吸気通路16は、吸気ポート5の上流端が開口しているシリンダヘッド14端面に接続されており、流動制御弁20は、この独立吸気通路16のシリンダヘッド14の端面近傍に配置されている。
図3は、図2における吸気ポート5と独立吸気通路16におけるX−X断面について示した模式図であるが、図2及び図3に示すように、流動制御弁20は、弁軸20aを中心として独立吸気通路16内を流通する吸気流方向に沿って回動可能に支持されている。また、流動制御弁20は開成された状態において、燃焼室4の弁軸20aよりも上方側の一部が切断されたような形状であり、これにより流動制御弁20が閉状態の場合は、独立吸気通路16の流動制御弁20が位置する部分を、流動制御弁20の上流側から流動制御弁20のある下流側を見て、通路内形状の下側(ピストン3が位置する側)の半分以上が遮断された形状となる。この場合、独立吸気通路16内の流動制御弁20上側の一部は開口しており、この開口空間を通過する吸気により燃焼室4内への必要量の吸気供給が可能となる。尚、図2及び図3は、流動制御弁20が閉じた状態を示している。
図4は、図2において、流動制御弁20が開弁し、且つ吸気弁7の弁リフト量が大きい状態を示しているが、このように流動制御弁20が全開した状態では、独立吸気通路16の流動制御弁20が位置する部分を流動制御弁20よりも上流側から見て、全通路が開口した状態となっており、全通路内を通過する吸気によって、燃焼室4への十分な吸気供給が可能となる。
【0032】
吸気ポート5は、シリンダヘッド14における吸気ポート5の上流端から開口通路5b部付近に至るまで1本で形成されているが、開口通路5b付近の隔壁5eで互いに隣接して2本に分岐し、これらは2つある開口部5aにそれぞれ接続されている。このような構成は、一般に、コモンポートと呼ばれており、こうしたポートの採用により吸気抵抗を低減できる効果がある。
【0033】
また、吸気ポート5は、開口部5aから全体的に斜め上方側に向かうように形成されており、開口部5aの直ぐ上流の開口通路5b付近では、上方側に向かうに従って、徐々にその傾斜が緩やかになるよう湾曲形成されている。
上流通路5c近傍で吸気ポート5の傾斜が所定角度となると、吸気ポート5は、それから実質的に湾曲や段差を生じることなく、直線的に斜め上方に向けて、シリンダヘッド14の端面まで延設形成される。更に独立吸気通路16においても、流動制御弁20が配置される位置までは、この所定角度の傾斜が維持されて、この角度のまま直線的に延設されている。
このような吸気ポート5及び独立吸気通路16の形状により、吸気は、独立吸気通路16から吸気ポート5の開口通路5bまでは吸気抵抗を殆ど受けることなく燃焼室4の位置より少し上方側の位置に向かって斜め下方に吸気管路内を進む。その後、開口通路5b近傍の湾曲部分における湾曲外方の通路内壁面により、その進行方向がピストン3の頂部3a方向に徐々に変更された後、燃焼室4内に流入することになる。こうして燃焼室4内に流入した吸気は、燃焼室4内で強力なタンブル流f1を生成することになる。
また、流動制御弁20が閉弁している状態で比較的吸入空気量が多い時は、特に吸気ポート5の上方側の面を沿って流れる吸気の流速が高まるため、湾曲部の湾曲外方の通路内壁面により湾曲される吸気が多くなり、更にタンブル流f1は強化されることとなる。
尚、燃料噴射弁15は、吸気ポート5が2本に分岐する手前で、上流通路5cの上方側の面に配置されており、これにより2つの開口部5a、5aに向けた霧状燃料の噴射が可能となる。
【0034】
(壁部)
次に本実施形態に係る壁部について、詳細に説明する。
マスク部45は、シリンダヘッド14から燃焼室4に突出した膨出部分であり、これには、吸気ポート5の2つの開口部5a、5aの内壁から延出するように燃焼室4内に向けて突出した壁部45aが形成されている。そして、燃焼室4側からマスク部45を見たときの模式図の図5(但し、吸気弁7は図5の紙面左に位置する。)に示すように、壁部45aは、開口部5aの流動制御弁20が位置する側の開口部5aの略半周に亘って形成されている。また、壁部45aの高さ(膨出したマスク部45の高さと同じ)、つまり燃焼室4への突出量は、吸気弁7が低リフトカム39aにより駆動される場合の最大弁リフト量よりも少し低く設定されている(2から5mmの間)。
このように吸気弁7が低リフトカム39aにより駆動される場合では、図6に示すように、2つの吸気ポート5、5とも、開口部5aの全周において、燃焼室4と連通することになるが、開口部5aにおいて、流動制御弁20が位置する側、つまり開口通路5b近傍の湾曲部の湾曲内方側を通過した吸気が燃焼室4内に流入する側の開口部5aにおける、該壁部45aと吸気弁7との間隙は微小となる。また、開口部5aにおいて、排気ポート8が位置する側、つまり開口通路5b近傍の湾曲部の湾曲外方側を通過した吸気が燃焼室4内に流入する側の開口部5aにおける、該開口部5aと吸気弁7との間隙は大きい状態となる。
従って、吸気弁7が低リフトカム39aにより駆動される場合では、排気ポート8が位置する側の開口部5aから燃焼室4内に供給される吸気は多く、この吸気によって強力なタンブル流が生成される。一方、流動制御弁20が位置する側の開口部5aから燃焼室4へ供給される吸気は比較的少量に低減されているため、この開口部5aから燃焼室4内に流入した吸気が、燃焼室4内で強力なタンブル流に対向することを防止でき、これによりタンブル流の生成の阻害を抑制できる。また、壁部45aと吸気弁7との間隙は少しではあるが開成されるので、これにより吸気抵抗を低減できて吸入充填量の増量を図ることができる。
尚、図6において破線で示す吸気弁5、5は、高リフトカム39bにより開弁された時の吸気弁5、5の状態を概略的に示したものである。
【0035】
一方、図7は、吸気弁7、7が、高リフトカム39aにより開弁された時の状態を概略的に示したものであるが、この状態では、吸気弁7、7が低リフトカム39aにより開弁された時よりも、吸気弁7と排気ポート6が位置する側の開口部5aの開口、及び吸気弁7と流動制御弁20が位置する側の開口部5aの開口の双方は大きくなる。
従って、吸気弁7、7が、高リフトカム39aにより開弁された時には、開口部5aの全周から燃焼室4内に吸気を大量に供給することが可能となるが、一方で、燃焼室4内におけるタンブル流の生成は抑制されることになる。
尚、図7において点線で示す吸気弁7、7は、低リフトカム39aにより開弁された時の吸気弁5、5の状態を概略的に示したものである。
【0036】
吸気弁7の弁リフト量について、排気行程から吸気行程に架けての排気弁8と吸気弁7の弁リフト量変化を示した図8を参照して詳細に説明すると、吸気弁7が低リフトカム39aにより駆動されるときは、吸気弁7は破線IVLで示すようにその最大の弁リフト量が壁部45aの高さよりも若干高くなるよう駆動される。一方、吸気弁7が高リフトカム39bにより駆動されるときは、吸気弁7は実線IVHで示すように、弁リフト量が壁部45aの高さよりも全般的に高くなるよう駆動されることになる。尚、図8において、EVは、排気弁8の弁リフト量の変化を示している。
【0037】
尚、マスク部45の形状に関して、図2においては、マスク部45(壁部45a)はエンジン1のクランク軸方向(紙面に対して垂直な方向)から見て、その高さが略一定の略台形形状としたが、これに限らず、開口通路5bの流動制御弁20が位置する側の壁部45aの高さを最大として、それから排気ポート6が位置する側の開口通路5bに向かって緩やかに低くするようなスラント状であってもよく(図2、図4の45b参照)、この場合、壁部45a近傍を通過して燃焼室4内に流入する吸気の吸気抵抗をより低減できる。
【0038】
(吸気固有振動数制御)
サージタンク19から独立吸気通路16に対し吸気を供給する場合には、高速用通路17と、高速用通路17よりも管路が長く且つ高容量の低速用通路18との2つの吸気管が設けられるとともに、高速用通路17には固有振動数制御弁21が設けられる。そして、固有振動数制御弁21の開閉を制御して、吸気管の有する固有振動数を調整することで吸気脈動を利用した吸気充填量の増量を図っている。(図1参照)
基本的には、エンジン回転数が高回転時のときは、固有振動数制御弁21を開弁させることにより、サージタンク19から燃焼室4に架けての吸気管が有する固有振動数が高くなるため、高回転での吸気脈動が大きくなり、これにより高回転時、燃焼室4内に流入する吸気の吸気充填量が増量されることになる。
一方、エンジン回転数が低回転時のときは、固有振動数制御弁21を全閉させることにより、吸気管が有する固有振動数が低くなるため、低回転での吸気脈動が大きくなり、これにより低回転での吸気充填量が増量されることになる。こうして、エンジンの多様な運転領域において、エンジン出力を向上できる。
【0039】
(エンジン制御)
次に、以上のような吸気装置に対するエンジン制御について説明する。
ECU32は、入力されたアクセル開度センサ34からの検出信号からアクセル開度量を算出し、クランク角センサ11からの検出信号からエンジン回転数を算出し、これらの算出結果をECU32内のスロットル弁制御部(図示せず)に出力して基本的なスロットル弁開度量を設定する。そして、設定されたスロットル弁開度となるようスロットル弁25の弁開閉機構に制御信号を出力することで、スロットル弁25は、要求開度量に開度制御される。
【0040】
このようなスロットル弁25の制御により吸入空気量が変化し、エアフローセンサ23はこれを検出し、その検出信号はECU32に出力される。ECU32は、燃料制御部(図示せず)によって、吸入空気量自体、あるいは吸入空気量から求まるエンジン負荷と、エンジン回転数とに基づいて燃料噴射量と燃料噴射時期とを決定し、燃料噴射弁15から所望する噴射時期に、所望する燃料噴射量の燃料が噴射されるよう制御する。この場合、基本的に、燃料噴射量は吸入空気量が多い程あるいはエンジン回転数が高回転程増量されている。また、噴射時期は、排気行程から吸気行程に架けての所定時期に少なくとも1回噴射実行されるよう設定される。
【0041】
本実施形態のエンジン1においては、エンジン回転数が所定回転以下の低回転で、エンジン負荷が所定負荷以下の運転状態のときは、リーンバーンを実行するよう制御される。
このために、ECU32は、図9に示すような横軸をエンジン回転数、縦軸をエンジン負荷とする制御マップを記憶しており、このマップに基づいて、燃料噴射部は、エンジン回転数が所定値Ne1以下且つエンジン負荷が所定値Qa1以下のリーンバーン運転領域のときには、エンジン1の空燃比が定常的に理論空燃比よりもリーン(例えばA/Fで18から25)となるように燃料噴射を制御する。
この制御は、現在の吸入空気量に基づいて空燃比が制御マップから決定された目標空燃比となるよう燃料噴射量を制御することで行われる。その際、リーンバーン運転領域内においては、制御マップ上に、目標空燃比が、運転状態に応じて高回転程、及び高負荷程、理論空燃比に近づくように書込まれており、こうした制御マップから現在の運転状態に対応する目標空燃比を読込むことで、空燃比が制御されることになる。
尚、この時の空燃比制御は、O2センサ29がリニアO2センサの場合であれば、これを用いて、実空燃比が目標のリーン空燃比となるように制御してもよい。一方、制御マップに基づき、エンジン回転数が所定値Ne1以上あるいはエンジン負荷が所定値Qa1以上の領域では、O2センサ29の検出信号により、理論空燃比を目標空燃比とする空燃比F/B(フィードバック)制御が行われ、これにより実空燃比が理論空燃比を含む微小な空燃比の範囲(ウインド)で理論空燃比を挟んでリーンとリッチとを繰返すよう制御して、三元触媒27の触媒機能の向上を図っている。
【0042】
また、ECU32は、流動制御弁20を制御する制御部(図示せず)を備えており、これにより、流動制御弁20は、上記の図9の制御マップに基づいて、リーンバーン運転領域の中の低回転及び低負荷となる領域において閉成されるよう制御される。具体的には、図9に示すように、エンジン回転数が所定値Ne0以下且つエンジン負荷が所定値Qa0以下の運転領域のときに、流動制御弁20は閉じられ、一方、エンジン回転数が所定値Ne0以上、あるいはエンジン負荷が所定値Qa0以上の運転領域のときに、流動制御弁20は全開状態に開成される。
このように、リーンバーン運転領域内において、低吸気量状態となる運転領域(L1)では、流動制御弁20が閉成されて流動制御弁20によるタンブル流f1の強化が図れるが、高吸気量状態となる領域(L2)では、流動制御弁20が開成されるために流動制御弁20によるタンブル流f1の強化は行われないことになる。
【0043】
また、ECU32は弁リフト可変機構12を制御する弁リフト可変機構制御部(図示せず)を備えており、これによって、弁リフト可変機構12による吸気弁7の弁リフト量の可変制御が、図9の制御マップに基づいて行われることになる。具体的には、図9に示すように、エンジン負荷がQa1以下となる低負荷及び中負荷領域におけるエンジン回転数が、Ne2以下の時には、弁リフト可変機構12は、吸気カム39を低リフトカム39aに切換え、同じ負荷条件でエンジン回転数がNe2以上のときは吸気カム39を高リフトカム39bに切換えている。
これにより、リーンバーン運転領域では、弁リフト可変機構12により低リフトカム39aが選択されることになる。
【0044】
また、ECU32は、固有振動数制御弁21を制御する制御部(図示せず)を備えており、これによって、固有振動数制御弁21の制御が、図9の制御マップに基づいて行われることになる。具体的には図9に示すように、負荷とは無関係に、エンジン回転数がNe3以下のときは、固有振動数制御弁21は閉成されて低速用通路18による吸気脈動制御が行われ、エンジン回転数がNe3以上のときは、固有振動数制御弁21は開成されて高速用通路21による吸気脈動制御が行われる。
【0045】
また、ECU32は、点火制御部(図示せず)によって、エンジン負荷とエンジン回転数とに基づいて点火時期を決定し、点火プラグ13により所望の点火時期に、点火するよう制御する。
【0046】
次に、上述の吸気装置とタンブル流との関係について説明する。
エンジン1の運転状態がリーンバーン運転領域にある時(エンジン回転数がNe1より低回転で、エンジン負荷Qa1より低負荷の場合)は、ECU32により弁リフト量可変機構12は、吸気カム39を低リフトカム39aに切換えるため、吸気ポート5と燃焼室4との全体の開口面積は小さくなる。特に、この時、開口部5aの内、流動制御弁20が位置する側の開口部5aは、壁部45aにより更に微小となる。
【0047】
また、本実施形態では、このようなリーンバーン運転領域内において、流動制御弁20は、吸入空気量が比較的少ない低吸気量状態において(図9のL1領域)は閉成され、一方吸入空気量が比較的多い高吸気量状態において(図9のL2領域)では開成されるように切換えられる。
低吸気量状態で流動制御弁20が閉成されると、独立吸気通路16の上流から流入する吸気は、流動制御弁20により独立吸気通路16と吸気ポート5との上方側の面に沿って、この面に偏在するよう流通する。こうした吸気流は、開口通路5bの排気ポート6側で進行方向を大きく下側(ピストン3の頂部3aが位置する方向)に湾曲され、開口部5aの内の排気ポート6が位置する側の開口部5aから燃焼室4に流入することになる。また、この吸気は、流動制御弁20により絞れられて、流速が増大されており、これにより燃焼室4内では低吸気量状態でありながら強力なタンブル流f1が生成されることになる(図2参照)。
また、この状態では、壁部45aにより、開口部5aの内、流動制御弁20が位置する側の開口部5aにおける壁部45aと吸気弁7との間は狭まっているため、この部分を通過して燃焼室4に供給される吸気が減少される。従って、この部分から燃焼室4に供給される吸気が、燃焼室4内で既に生成されてタンブル流f1に対向することで、タンブル流f1が抑制されるのを防止できる。こうして、流動制御弁20の閉弁によって生成された強力なタンブル流f1の勢いを衰えさせることなく、その強度を比較的長時間維持でき、リーンバーン運転時の燃焼性を向上できる。
【0048】
ところで、上述のように流動制御弁20が閉成された低吸気量状態であっても、例えば、吸入空気量が比較的少ない極低吸気量状態では、タンブル流f1の生成が阻害される場合がある。これは、流動制御弁20により一旦絞られた吸気が、流動制御弁20と開口部5aとの間で不安定な乱流を発生させ、これにより、開口部5aの流動制御弁20が位置する側から燃焼室4内に流入する吸気が増えることで、こうした吸気が燃焼室4内のタンブル流f1に対向し、これを打ち消してしまうことに起因するものと考えられている。
しかしながら、本実施形態においては、上述のような壁部45aと弁リフト量の制御とにより、開口部5aの内、流動制御弁20が位置する側の開口部5aの開口は狭まっており、この部分を通過して燃焼室4に流入する吸気が減少されるので、タンブル流f1の抑制が防止できる。
以上のように、リーンバーン運転領域の低吸気量状態では、流動制御弁20の閉弁と壁部45aと吸気弁7の弁リフト量の制御とによって、常に強力で安定したタンブル流f1を生成させることができ、これによりリーンバーンにおける燃焼安定性の向上が可能となる。従って、リーンバーン運転時の燃焼安定限界がよりリーンな状態にシフトするため、リーンバーン運転領域における目標空燃比をより大きく設定することができ、燃費向上とNOx低減との両立が図れる。
【0049】
次に、リーンバーン運転状態において、吸入空気量が比較的多い高吸気量状態のとき(図7のL2領域)について説明する。
この時は、流動制御弁20は開弁されることになり、これにより、流動制御弁20によるタンブル流f1の強化は行われないが、この開弁におりポンピング損失が低減するため、燃費の向上が図れる。
また、この状態では流動制御弁20は開弁さるが、開口通路5bの排気ポート6側に形成される湾曲部の湾曲外方により、燃焼室4内でのタンブル流f1生成が可能である。更に、壁部45aと吸気弁7の弁リフト量の制御とによって、開口部5aの内、流動制御弁20が位置する側の開口部5aの開口は狭まっており、この部分を通過して燃焼室4に流入する吸気は減少され、燃焼室4内で生成されたタンブル流f1は抑制されることがない。
従って、流動制御弁20を開弁させても、結果的に強力なタンブル流f1を生成維持できることになるり、リーンバーン運転領域を、吸入空気量が比較的多い高吸気量状態まで拡大しつつ、リーンバーン運転を高い燃焼安定性を確保して実行することができ、しかもこれにポンピング損失低減による効果が加算されて、全体的に燃費を向上させることが可能となる。
【0050】
次にエンジン1の運転状態が理論空燃比での運転状態にある時(エンジン回転数がNe1より高回転、あるいはエンジン負荷Qa1より高負荷の場合)の吸気装置と吸気流との関係について説明する。
エンジン回転数がNe1より高回転、あるいはエンジン負荷Qa1より高負荷の場合には、エンジン1の出力増大が要求される領域であり、リーンバーン運転ではこのような出力増大を賄うことが困難となるため、燃料噴射制御部は、理論空燃比による運転に切換える(図7参照)。但し、運転状態が、全負荷に近い領域では、空燃比は理論空燃比よりもリッチに制御され、これにより触媒が異常高温となるのを防止している。
【0051】
エンジン回転数が更に増大し、低負荷及び中負荷状態でのエンジン回転数がNe2以上となると、ECU32の弁リフト可変機構制御部により弁リフト量可変機構12は、吸気カム39を高リフトカム39bに切換えて、開口部5aの開口をその全周に亘って大きくする。この時は、開口部5aの内、壁部21aがある側の開口部5aも大きく開口することになり、これによりタンブル流f1の生成が抑制されるが、多量の吸入空気量を燃焼室4内に供給することが可能となり、高いエンジン出力を確保することができる。
また、リーンバーン運転領域と理論空燃比による運転領域とを切換えるための運転状態に基づく切換えラインと、吸気カム39を低リフトカム39aと高リフトカム39bとに切換えるための運転状態に基づく切換えラインとを一致させないので、これらの運転領域の切換えが同時に発生するのを防止でき、トルクショックを低減できる。
【0052】
更に、エンジン回転数が増大して、エンジン回転数が負荷に関係なくNe3以上となると、固有振動数制御弁の制御部により固有振動数制御弁21は開成されて、高速用通路17を利用した吸気脈動による吸入空気量増大が図られて、これにより更に高いエンジン出力を確保できることになる。
【0053】
次に、本実施形態に係る実験結果を示す。
尚、この実験では、1500ccの4気筒エンジンで、有効圧縮比が略11であるエンジンを使用して実験を行った。
図10は、壁部45aを有し、低リフトカム39aにより吸気弁7を駆動制御するとともに流動制御弁20を閉弁状態とする実施例のエンジン1A(ラインA、プロット○)と、壁部45aを具備せず、高リフトカム39bにより吸気弁7を駆動制御するとともに流動制御弁20を閉弁状態とする比較例のエンジン1B(ラインB、プロット●)とのそれぞれについて、リーンバーン運転領域内の3点の運転状態における燃焼安定限界(リーンバーン運転により燃焼変動の度合が所定値以上となる空燃比)となる空燃比をその横軸に示したものである。
運転状態Aはエンジン回転数が1000rpmでリーンバーン運転領域における低負荷状態であり、運転状態Bはエンジン回転数が1000rpmでリーンバーン運転領域における中負荷状態(リーンバーン運転領域よりも広い全領域から見れば低負荷領域)であり、運転状態Cはエンジン回転数が1500rpmでリーンバーン運転領域における高負荷状態(全領域から見れば中負荷領域)を示している。
これによると、壁部45aを有し且つ流動制御弁20を閉弁したエンジン1Aの方が、流動制御弁20を閉弁しただけのエンジン1Bに対して、特に低回転低負荷の極めて吸入空気量が少ない状態において、比較例よりも燃焼安定性が高いことが判断できる。
【0054】
以上のような実施形態により、リーンバーン運転領域における低吸気量状態では、流動制御弁20を閉弁させ、壁部45aを設けるとともに吸気弁7の弁リフト量を減少させることにより、タンブル流f1を強化して、燃焼安定性を向上できる。更に、例えば、より低吸気量となる状態等では、流動制御弁20の閉弁により吸気ポート5内に発生すると思われる不安定な吸気の乱流によって、タンブル流f1の生成が困難となるといった不具合が発生するが、壁部45aと吸気弁7の弁リフト量の低減制御とによりこれを解消できる。したがって、タンブル流f1を強化して燃焼安定性を向上でき、リーンバーンの運転安定性向上が可能となるばかりでなく、燃焼安定限界が高リーン側にシフトするので、より大きい空燃比でのリーンバーン運転が可能となり、これにより更なる燃費向上とNOx低減を図ることができる。
また、高吸気量状態では、流動制御弁20を開弁してポンピング損失低減を図るとともに、壁部45aと吸気弁7の弁リフト量の低減制御とによりタンブル流f1を抑制する吸気を低減することができ、これにより吸入空気量が比較的多い高吸気量状態にあってもリーンバーン運転が実行できることになって、ポンピング損失低減効果と合わせて燃費向上を図ることが可能となる。
【0055】
(第2の実施形態)
本発明の第1の実施形態においては、リーンバーン運転を行うエンジン1について記載したが、これに代えて、低回転あるいは低負荷でEGR量、あるいはEGR率を増量制御するエンジンにも適応可能である。この場合、第2実施形態の吸気装置や基本的な制御は第1の実施形態と同じである。
この場合において、エンジン1のECU32は、EGR制御部(図示せず)によりEGR弁31の開度を制御可能であるとともに、図9に示す制御マップと同様に運転状態を区画した制御マップを記録している。制御マップは、全負荷に近い高回転あるは高負荷を除いて、基本的に理論空燃比での運転を行うよう設定するとともに、L1の領域とL2の領域とにおいてEGR量の増量制御を行うよう設定している。流動制御弁20の制御部による流動制御弁20の開閉制御と、弁リフト可変機構制御部による弁リフト量の切換制御と、固有振動数制御弁の制御部による固有振動数制御弁21の切換制御は、上述の実施例と同じである。
【0056】
このような構成により、EGR量を増量制御する運転領域において、低吸気量状態では、流動制御弁20を閉弁させ、壁部45aを設けるとともに吸気弁7の弁リフト量を減少させることにより、タンブル流f1を強化して、燃焼安定性を向上でき、流動制御弁20の閉弁により吸気ポート5内に発生すると思われる不安定な吸気の乱流によって、タンブル流f1の生成が困難となるといった不具合も解消できる。したがって、タンブル流f1を強化して燃焼安定性を向上できるため、EGR増量制御における運転安定性が向上でき、EGR増量による燃焼安定限界も高EGR量側にシフトするので、より多量のEGR増量が可能となり、これによってNOx低減を図ることが可能となる。
【0057】
また、EGR増量制御を行う運転状態において、高吸気量状態では、流動制御弁20を開弁してポンピング損失低減を図るとともに、壁部45aと吸気弁7の弁リフト量の低減制御とによりタンブル流f1を抑制する吸気を低減することができ、これにより吸入空気量が比較的多い高吸気量状態にあってもEGR増量制御が実行できることになって、ポンピング損失低減による燃費向上とともに、比較的高負荷で発生量が多いNOxに対し、効率的に低減することが可能となる。
尚、このような実施形態のおいては、L1領域、L2領域以外の領域でも全負荷領域以外の領域であればEGR制御によりEGRガスを吸気に供給してもよい。
また、このようなEGRの制御に加え、L1領域、L2領域では、上述の実施形態のようにリーンバーン燃焼を行っても良い。
【0058】
(他の実施形態)
尚、本実施形態においては、排気ガス温度を昇温させるために点火時期を大幅に遅角制御するエンジンにも適用可能である。つまり、流動制御弁20と吸気弁7と壁部45aとの微小な開口による強力なタンブル流f1によって、燃焼安定性が向上できるので、点火時期を大幅に遅角設定することが可能となり、これにより排気ガス温度の昇温性能を向上できる。
また、本実施形態においては、マスク部45により形成される壁部45aによって、開口部から流入してタンブル流f1を抑制する吸気流を低減させたが、これに限らず、吸気ポート5の開口通路5bの流動制御弁側の内壁に窪みや凸部を設けることで、開口部から流入してタンブル流f1を抑制する吸気流を低減させてもよい。
また、本実施形態においては、運転状態に応じたリーンバーン領域と非リーンバーン領域とを切換える切換ラインあるいはEGR増量制御領域とEGR非増量制御領域とを切換える切換ラインと、吸気弁7の弁リフト量を切換える切換ラインとを異ならせたが、これらを同じ運転状態で切換えるように設定しても良い。
また、吸気流動制御弁20は、本実施形態の構造に限定されず、例えばロータリタイプの弁であっても良い。
また、本実施形態においては、EGR弁31の制御により排気還流量を制御したが、これに代えてあるいは併用して、弁リフト可変機構12に、更に吸気弁7の開弁時期を調整する機構を設け、これにより吸気弁7と排気弁8との開弁時期とのオーバーラップ期間を可変にし、例えば第2の実施形態におけるEGR量制御のように燃焼室4に残留する燃焼ガス(既燃ガス)量を制御してもよい。また、吸気弁7の開弁時期を制御するのではなく、排気弁8の開弁時期を制御する開弁時期制御機構を排気弁8に設けて、これにより吸気弁7と排気弁8とのオーバーラップ期間を調整して、既燃ガス量を制御しても良い。
また、エンジン1は、直噴ガソリンエンジンであっても構わない。
【0059】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明においては、低吸気量状態で弁体を閉成させて吸気を部分的に絞ることで、弁体と、燃焼室に対する吸気通路の開口部との間の吸気通路内に乱流が発生し、この乱流によりタンブル流の生成が不安定となるが、吸気流調整部によってこれを効果的に抑制して、タンブル流の増大を図りつつ同時に安定性向上も図ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係るエンジンを示す全体構成図。
【図2】シリンダヘッド及びその周辺部の吸気装置に関し、吸気弁7が低リフト量状態となる時の側断面を模式的に示した概略図。
【図3】図2のX−X断面を模式的に示した概略図。
【図4】シリンダヘッド14及びその周辺部の吸気装置に関し、吸気弁7が高リフト量状態となる時の側断面を模式的に示した概略図。
【図5】燃焼室4側からマスク部45を見た図。
【図6】吸気弁7が低リフト量状態となるときの吸気弁7の開弁状態を示す模式図。
【図7】吸気弁7が高リフト量状態となるときの吸気弁7の開弁状態を示す模式図。
【図8】吸気弁7の弁リフト量について説明する説明図。
【図9】ECU32の制御マップを示す説明図。
【図10】失火限界に関する実験結果を示すグラフ。
【符号の説明】
2:気筒
3:ピストン
4:燃焼室
5:吸気ポート(吸気通路)
7:吸気弁
12:弁リフト可変機構
20:流動制御弁(弁体)
21:固有振動数制御弁
31:EGR弁(排気還流制御手段)
45a:壁部(吸気流調整部)
f1:タンブル流
L1:所定の運転領域
L2:特定運転領域

Claims (10)

  1. エンジンの燃焼室内への吸気の供給がピストンの往復動方向に対して傾斜して行われるよう形成される吸気通路と、
    該吸気通路と該燃焼室とを連通する開口部を開閉させる吸気弁とを備え、
    該吸気通路によって、該吸気弁の開成時に該燃焼室内に吸気を供給することで、該燃焼室内に吸気のタンブル流を生成可能とする火花点火式レシプロエンジンの吸気装置において、
    上記吸気弁上流の上記吸気通路に配置された弁体と、
    該弁体を、吸入空気量が少ない低吸気量状態となる所定の運転領域で閉成させることによって、該燃焼室内に供給される吸気を部分的に絞り、タンブル流を増大させるタンブル流増大制御手段と、
    上記開口部近傍に形成され、該タンブル流増大手段の作動時に発生しタンブル流を抑制させる吸気流を低減する吸気流調整部とを備えたことを特徴とする火花点火式レシプロエンジンの吸気装置。
  2. 上記吸気流調整部は、タンブル流を抑制させる吸気流が燃焼室内に流入する開口部の一部分の周辺において、該燃焼室側に指向して形成された壁部であることを特徴とする請求項1記載の火花点火式レシプロエンジンの吸気装置。
  3. エンジンの空燃比を制御する空燃比制御手段を備え、
    該空燃比制御手段は、低吸気量状態となる上記所定の運転領域、及び該所定の領域領域よりも吸入空気量が多い上記弁体が開成される特定運転領域において、空燃比を理論空燃比よりもリーンに設定することを特徴とする請求項1記載の火花点火式レシプロエンジンの吸気装置。
  4. エンジンの燃焼ガスの一部を燃焼室に対して還流若しくは残留させるとともに、還流若しくは残留された燃焼ガス量を制御する排気還流制御手段を備え、
    該排気還流制御手段は、低吸気量状態となる上記所定の運転領域、及び該所定の領域よりも吸入空気量が多い特定運転領域において、燃焼ガス量を所定値以上に制御することを特徴とする請求項1記載の火花点火式レシプロエンジンの吸気装置。
  5. 上記弁体は、該弁体の閉弁時、上記吸気通路の上流側で該弁体が位置する部分の内、タンブル流を抑制させる吸気流が流入する上記開口部の一部分側と同じ側の部分を通過する吸気が絞られるように形成されていることを特徴とする請求項1記載の火花点火式レシプロエンジンの吸気装置。
  6. 上記吸気通路は、上記開口部近傍において1気筒当たり2つ設けられるとともに、該2つの吸気通路は該開口部より上流側の該開口部近傍で共通化されており、上記弁体は、共通化されている該吸気通路に配置されることを特徴とする請求項1記載の火花点火式レシプロエンジンの吸気装置。
  7. 上記壁部は、少なくとも上記タンブル流増大制御手段の実行時には、該壁部の上記燃焼室側への突出量が、上記吸気弁開弁時の弁リフト量の最大値よりも小さい値となるよう形成されることを特徴とする請求項2記載の火花点火式レシプロエンジンの吸気装置。
  8. 上記壁部は、該壁部の上記燃焼室側への突出量が、タンブル流を抑制する吸気流が流入する上記開口部の一部分から該開口部の他方部分に向かって徐々に小さくなるよう形成されていることを特徴とする請求項2記載あるいは請求項7記載の火花点火式レシプロエンジンの吸気装置。
  9. 低吸気量状態となる上記所定の運転領域では、エンジンの空燃比を理論空燃比よりもリーンに設定する空燃比制御手段と、
    上記吸気弁が開弁したときの弁リフト量を可変に制御するとともに、上記所定の運転領域では、該弁リフト量を減少させるよう制御する吸気弁リフト量制御手段とを備えたことを特徴とする請求項2記載の火花点火式レシプロエンジンの吸気装置。
  10. エンジンの燃焼ガスの一部を燃焼室に対して還流若しくは残留させるとともに、低吸気量状態となる所定の運転領域では還流若しくは残留させる燃焼ガス量を増量するよう制御する排気還流制御手段と、
    上記吸気弁が開弁したときの弁リフト量を可変に制御するとともに、上記所定の運転領域では、該弁リフト量を減少させるよう制御する吸気弁リフト量制御手段とを備えたことを特徴とする請求項2記載の火花点火式レシプロエンジンの吸気装置。
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