JP2003227383A - 火花点火式エンジンの制御装置 - Google Patents
火花点火式エンジンの制御装置Info
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Abstract
つ、リーンNOx触媒を必要とせず三元触媒を用いるだ
けで、排気浄化性能を向上する。 【解決手段】 多気筒の火花点火式エンジンにおいて、
低負荷低回転域で、排気行程と吸気行程が重なる一対の
気筒間において排気行程側の先行気筒2A,2Dから排
出される既燃ガスがそのまま吸気行程側の後続気筒2
B,2Cに気筒間ガス通路22を介して導入されるよう
にするとともに、後続気筒2B,2Cから排出されるガ
スのみが三元触媒24を備えた排気通路20に導かれる
ようにする。そして、先行気筒2A,2Dでは理論空燃
比よりも所定量大きいリーン空燃比とした状態で燃焼を
行わせ、後続気筒2B,2Cでは、先行気筒2A,2D
から導入されたリーン空燃比の既燃ガスに燃料を供給し
て理論空燃比とした状態で燃焼を行わせるように、各気
筒に対する燃料供給を制御する。
Description
ンの制御装置に関し、より詳しくは、多気筒エンジンに
おいて燃費改善及びエミッション向上のために各気筒の
燃焼状態を制御する装置に関するものである。
て、各気筒内の混合気の空燃比を理論空燃比よりも大き
いリーン空燃比とした状態で燃焼を行わせることにより
燃費改善を図る技術が知られており、例えば特開平10
−274085号公報に示されるように、燃焼室内に直
接燃料を噴射する燃料噴射弁を備え、低回転低負荷域等
では上記燃料噴射弁から圧縮行程で燃料を噴射すること
により成層燃焼を行わせ、これによって超リーン燃焼を
実現するようにしたものが知られている。
浄化用の触媒として通常の三元触媒(HC,CO及びN
Oxに対して理論空燃比付近で浄化性能の高い触媒)だ
けではリーン運転時にNOxに対して充分な浄化性能が
得られないため、上記公報にも示されるように、酸素過
剰雰囲気でNOxを吸着して酸素濃度低下雰囲気でNO
xの離脱、還元を行うリーンNOx触媒を設けている。
そして、このようなリーンNOx触媒を用いる場合、リ
ーン運転中にリーンNOx触媒のNOx吸着量が増大し
たときは、例えば上記公報に示されるように主燃焼以外
に膨張行程中に追加燃料を噴射することで排気ガスの空
燃比をリッチ化するとともにCOを生成し、これによっ
てNOxの離脱、還元を促進するようにしている。
ーン運転を行うエンジンでは、リーン運転中のNOx浄
化性能の確保のために上記リーンNOx触媒を必要とす
る。そして、高負荷域等の理論空燃比で運転される領域
での排気浄化のために三元触媒も必要であって、この三
元触媒に加えて上記リーンNOx触媒が設けられ、か
つ、このリーンNOx触媒はNOx吸着量をある程度確
保するために比較的大容量が必要となり、また、三元触
媒と比べて高価であるため、コスト的に不利である。
を維持するためには、上述のようにNOx吸着量が増大
するような所定の期間毎に、NOxの離脱、還元のため
追加燃料の供給等による一時的な空燃比のリッチ化を行
う必要があり、これにより、リーン燃焼による燃費改善
効果が目減りしてしまうことになる。
合、上記リーンNOx触媒は硫黄被毒を受け易く、この
硫黄被毒の解消のために触媒の加熱及び還元材供給等の
リジェネレーション処理が必要となり、これによって燃
費改善効果の低減及び耐久性の低下等を招くおそれがあ
る。
てなされたものであり、リーン燃焼による燃費改善効果
をもたせつつ、リーンNOx触媒を必要とせず三元触媒
を用いるだけで、排気浄化性能を向上することすること
ができる火花点火式エンジンの制御装置を提供するもの
である。
各気筒が所定の位相差をもって吸気、圧縮、膨張、排気
の各行程からなるサイクルを行うようになっている多気
筒の火花点火式エンジンにおいて、少なくとも低負荷低
回転域で、排気行程と吸気行程が重なる一対の気筒間に
おいて排気行程側の気筒である先行気筒から排出される
既燃ガスがそのまま吸気行程側の気筒である後続気筒に
気筒間ガス通路を介して導入され、この後続気筒から排
出されるガスのみが三元触媒を備えた排気通路に導かれ
るような2気筒接続状態にガス流通経路を構成するとと
もに、上記2気筒接続状態にあるときに、上記先行気筒
では理論空燃比よりも所定量大きいリーン空燃比とした
状態で燃焼を行わせ、上記後続気筒では、先行気筒から
導入されたリーン空燃比の既燃ガスに燃料を供給して理
論空燃比とした状態で燃焼を行わせるように、各気筒に
対する燃料供給を制御する制御手段を備えたものであ
る。
転域において、上記先行気筒ではリーン空燃比での燃焼
が行われて、熱効率が高められるとともにポンピングロ
スが低減されることにより大幅な燃費改善効果が得ら
れ、また、上記後続気筒では先行気筒から導入されたリ
ーン空燃比の既燃ガスに燃料が供給されて理論空燃比と
された状態で燃焼が行われて、少なくともポンピングロ
ス低減による燃費効果は得られる。しかも、後続気筒か
ら排出される理論空燃比の既燃ガスのみが三元触媒を備
えた排気通路に導かれるため、三元触媒だけで充分に排
気浄化性能が確保され、リーンNOx触媒が不要とな
る。
行われることによりNOx発生量が比較的少なく抑えら
れ、後続気筒では、先行気筒から既燃ガスが導入される
ことで多量のEGRが行われているのと同等の状態とな
ることからNOxの発生が充分に抑制され、この面から
もエミッションの向上に有利となる。
は気筒間ガス通路を通る間に適度に放熱されて温度調整
され、かつ、このガス中の過剰空気と既燃ガスが均一に
分散するようにミキシングされた状態で後続気筒に導入
されることにより、多量EGRに対しては理想的な状態
となる。さらに、比較的高温のガス中に燃料が噴射され
るため、燃料の気化が促進されることもあり、後続気筒
において燃焼が良好に行われる。
置において、排気行程と吸気行程とが完全に重なり合う
2つの気筒、または一方の気筒の排気行程が他方の気筒
の吸気行程より先行するとともに両行程が部分的に重な
り合う2つの気筒を先行、後続の一対の気筒としたもの
である。
ら排出された既燃ガスが気筒間ガス通路を通って吸気行
程の後続気筒にスムーズに導入され、効果的にポンピン
グロスが低減される。
記載の装置において、上記2気筒接続状態にあるときの
先行気筒の空燃比を理論空燃比の略2倍もしくはそれ以
上としたものである。
焼による燃費改善効果が充分に高められるとともに、後
続気筒に導入される既燃ガス中の過剰空気が少なくなり
すぎることが避けられて、後続気筒での燃焼性が確保さ
れる。
いずれかに記載の装置において、高負荷、高回転側の運
転領域では各気筒の吸気ポートと排気ポートとを独立さ
せて、吸気通路から各気筒の吸気ポートに新気を導入す
るとともに各気筒の排気ポートから排出される排気ガス
を上記排気通路に導くように新気及びガスの流通経路を
切換える流通経路切換手段を備え、上記制御手段は上記
高負荷、高回転側の運転領域で各気筒の空燃比を理論空
燃比もしくはそれ以下とするようにしたものである。
およびエミッションの改善が図られる一方、高負荷、高
回転側の運転領域で出力性能が確保される。
装置において、上記先行気筒に、上記吸気通路に通じる
吸気ポートと、上記排気通路に通じる第1排気ポート
と、気筒間ガス通路に通じる第2排気ポートとを設ける
一方、上記後続気筒に、上記吸気通路に通じる第1吸気
ポートと、上記気筒間ガス通路に通じる第2吸気ポート
と、上記排気通路に通じる排気ポートとを設け、上記流
通経路切換手段として、上記先行気筒の第1,第2排気
ポートを開閉する第1,第2排気弁および後続気筒の第
1,第2吸気ポートを開閉する第1,第2吸気弁をそれ
ぞれ作動状態と停止状態とに切換える弁停止機構と、低
負荷低回転域では上記第1排気弁および上記第1吸気弁
を停止状態、上記第2排気弁および上記第2吸気弁を作
動状態とし、高負荷、高回転側の運転領域では上記第1
排気弁および上記第1吸気弁を作動状態、上記第2排気
弁および上記第2吸気弁を停止状態とする弁停止機構制
御手段とを備えたものである。
り、低負荷低回転域と高負荷、高回転側の運転領域とに
応じた流通経路の切換えを容易に行なうことができる。
いずれかに記載の装置において、三元触媒を備えた排気
通路に理論空燃比検出用の排気ガス濃度検出手段を設け
るとともに、気筒間ガス通路にリーン空燃比検出用の排
気ガス濃度検出手段を設け、上記制御手段は、上記2気
筒接続状態にあるときに上記各排気ガス濃度検出手段に
よる検出値に基き、先行気筒を理論空燃比よりも所定量
大きいリーン空燃比とするとともに後続気筒を理論空燃
比とするように各気筒に対する燃料噴射量をフィードバ
ック制御するようにしたものである。
ン空燃比とするとともに後続気筒を理論空燃比とする制
御か精度良く行われる。
いずれかに記載の装置において、上記先行気筒に対して
筒内に直接燃料を噴射する燃料噴射弁を設け、上記制御
手段は、上記2気筒接続状態にあるときに、先行気筒に
おいてはリーン空燃比としつつ上記燃料噴射弁から圧縮
行程で燃料を噴射することにより成層燃焼を行わせるよ
うにしたものである。
よりリーン空燃比でも良好に燃焼が行なわれる。
置において、後続気筒に対して筒内に直接燃料を噴射す
る燃料噴射弁を設け、上記制御手段は、上記2気筒接続
状態にあるときに、後続気筒においては理論空燃比とし
つつ上記燃料噴射弁から少なくとも燃料の一部を圧縮行
程で噴射することにより成層燃焼を行わせるようにした
ものである。
燃比とされつつ成層燃焼もしくは弱成層燃焼が行われる
ことにより、多量のEGRが行われているのと同等の状
態でも燃焼が良好に行われる。
置において、上記制御手段は、上記2気筒接続状態にあ
るときに、後続気筒においては理論空燃比としつつ均一
燃焼を行わせるようにしたものである。
へ導入される既燃ガスの温度が充分に高い場合等におい
て後続気筒で燃料を均一に分散させても着火性を確保し
得る場合に有効となる。
装置において、気筒間ガス通路を構成する後続気筒の吸
気通路に、後続気筒に燃料を供給する燃料噴射弁を設
け、上記制御手段は、上記2気筒接続手段にあるとき
に、後続気筒においては理論空燃比としつつ上記燃料噴
射弁から吸気行程で燃料を噴射することにより均一燃焼
を行わせるようにしたものである。
に導入されるガスが適度に放熱されるとともに、過剰空
気と既燃ガスがミキシングされた理想的な多量のEGR
ガス中に、このガスが後続気筒へ導入される過程で燃料
が供給され、燃料の気化、さらにはこのガスとのミキシ
ングが向上し、後続気筒において多量のEGRが行われ
つつ燃焼性がさらに向上する。
させることができる。また、上記のように、既燃ガスと
空気と燃料とのミキシング性の向上、燃料の気化性能の
向上によって、多量のEGR状態でありながら、後続気
筒の自己着火運転の可能性が拡大する。
施の形態を説明する。
の概略構成を示し、図2はエンジン本体の一つの気筒と
それに対して設けられた吸・排気弁等の構造を概略的に
示している。これらの図において、エンジン本体1は複
数の気筒を有し、図示の実施形態では4つの気筒2A〜
2Dを有している。各気筒2A〜2Dにはピストン3が
嵌挿され、ピストン3の上方に燃焼室4が形成されてい
る。
7が装備され、そのプラグ先端が燃焼室4内に臨んでい
る。この点火プラグ7には、電子制御による点火時期の
コントロールが可能な点火回路8が接続されている。
を直接噴射する燃料噴射弁9が設けられている。この燃
料噴射弁9は、図略のニードル弁及びソレノイドを内蔵
し、後述のパルス信号が入力されることにより、そのパ
ルス入力時期にパルス幅に対応する時間だけ駆動されて
開弁し、その開弁時間に応じた量の燃料を噴射するよう
に構成されている。なお、この燃料噴射弁9には、図外
の燃料ポンプにより燃料供給通路等を介して燃料が供給
され、かつ、圧縮行程での燃焼室内の圧力よりも高い燃
料圧力を与え得るように燃料供給系統が構成されてい
る。
て吸気ポート11、11a,11b及び排気ポート1
2、12a,12bが開口し、これらのポートに吸気通
路15、排気通路20等が接続されるとともに、各ポー
トが吸気弁31、31a,31b及び排気弁32、32
a,32bにより開閉されるようになっている。
をもって吸気、圧縮、膨張、排気の各行程からなるサイ
クルを行うようになっており、4気筒エンジンの場合、
気筒列方向一端側から1番気筒2A、2番気筒2B、3
番気筒2C、4番気筒2Dと呼ぶと、図5に示すように
上記サイクルが1番気筒2A、3番気筒2C、4番気筒
2D、2番気筒2Bの順にクランク角で180°ずつの
位相差をもって行われるようになっている。なお、図5
において、EXは排気行程、INは吸気行程、Fは燃料
噴射、Sは点火を表している。
には、排気行程と吸気行程が重なるときの排気行程側の
気筒(当明細書ではこれを先行気筒と呼ぶ)から吸気行
程側の気筒(当明細書ではこれを後続気筒と呼ぶ)へ既
燃ガスをそのまま導くことができるように、気筒間ガス
通路22が設けられている。当実施形態の4気筒エンジ
ンでは、図5に示すように1番気筒2Aの排気行程(E
X)と2番気筒2Bの吸気行程(IN)とが重なり、ま
た4番気筒2Dの排気行程(EX)と3番気筒2Cの吸
気行程(IN)が重なるので、1番気筒2Aと2番気筒
2B、及び、4番気筒2Dと3番気筒2Cがそれぞれ一
対をなし、1番気筒2A及び4番気筒2Dが先行気筒、
2番気筒2B及び3番気筒2Cが後続気筒となる。
る吸気通路、排気通路及び気筒間ガス通路は、具体的に
は次のように構成されている。
2Dには、それぞれ、新気を導入するための吸気ポート
11と、既燃ガス(排気ガス)を排気通路に送り出すた
めの第1排気ポート12aと、既燃ガスを後続気筒に導
出するための第2排気ポート12bとが配設されてい
る。また、後続気筒である2番気筒2B及び3番気筒2
Cには、それぞれ、新気を導入するための第1吸気ポー
ト11aと、先行気筒からの既燃ガスを導入するための
第2吸気ポート11bと、既燃ガスを排気通路に送り出
すための排気ポート32とが配設されている。
2Dにおける吸気ポート11および2番,3番気筒2
B,2Cにおける第1吸気ポート11aが、1気筒当り
2個ずつ、燃焼室の左半部側に並列的に設けられる一
方、1番,4番気筒2A,2Dにおける第1排気ポート
12a及び第2排気ポート12bならびに2番,3番気
筒2B,2Cにおける第2吸気ポート11b及び排気ポ
ート12が、燃焼室の右半部側に並列的に設けられてい
る。
ート11および2番,3番気筒2B,2Cにおける第1
吸気ポート11aには、吸気通路15における気筒別の
分岐吸気通路16の下流端が接続されている。各分岐吸
気通路16の下流端近傍には、共通の軸を介して互いに
連動する多連スロットル弁17が設けられており、この
多連スロットル弁17は制御信号に応じてアクチュエー
タ18により駆動され、吸入空気量を調節するようにな
っている。なお、吸気通路15における集合部より上流
の共通吸気通路には吸気流量を検出するエアフローセン
サ19が設けられている。
気ポート12aおよび2番,3番気筒2B,2Cにおけ
る排気ポート12には、排気通路20における気筒別の
分岐排気通路21の上流端が接続されている。また、1
番気筒2Aと2番気筒2Bとの間及び3番気筒2Cと4
番気筒2Dとの間にそれぞれ気筒間ガス通路22が設け
られ、先行気筒である1番,4番気筒2A,2Dの第2
排気ポート12bに気筒間ガス通路22の上流端が接続
されるとともに、後続気筒である2番,3番気筒2B,
2Cの第2吸気ポート11bに気筒間ガス通路22の下
流端が接続されている。
下流の集合部にはO2センサ23(理論空燃比検出用の
排気ガス濃度検出手段)が設けられ、さらにその下流の
排気通路20には、排気浄化用の三元触媒24が設けら
れている。この三元触媒24は、一般に知られているよ
うに、排気ガスの空燃比が理論空燃比(つまり空気過剰
率λがλ=1)付近にあるときにHC,CO及びNOx
に対して高い浄化性能を示す触媒である。
濃度を検出することにより空燃比を検出するもので、特
に理論空燃比付近で出力が急変するλO2センサにより
構成されている。
中の酸素濃度の変化(空燃比の変化)に対して出力がリ
ニアに変化するリニアO2センサ25(リーン空燃比検
出用の排気ガス濃度検出手段)が設けられている。
気弁とこれらに対する動弁機構は、次のようになってい
る。
ート11、第1排気ポート12a及び第2排気ポート1
2bにはそれぞれ吸気弁31、第1排気弁32a及び第
2排気弁32bが設けられ、また、2番,3番気筒2
B,2Cにおける第1吸気ポート11a、第2吸気ポー
ト11b及び排気ポート12にはそれぞれ第1吸気弁3
1a、第2吸気弁31b及び排気弁32が設けられてい
る。そして、各気筒の吸気行程や排気行程が上述のよう
な所定の位相差をもって行われるように、これら吸・排
気弁がそれぞれカムシャフト33,34等からなる動弁
機構により所定のタイミングで開閉するように駆動され
る。
排気弁32a、第2排気弁32b、第1吸気弁31a及
び第2吸気弁31bに対しては、各弁を作動状態と停止
状態とに切換える弁停止機構35が設けられている。こ
の弁停止機構35は、従来から知られているため詳しい
図示は省略するが、例えば、カムシャフト33,34の
カムと弁軸との間に介装されたタペットに作動油の給排
が可能な油圧室が設けられ、この油圧室に作動油が供給
されている状態ではカムの作動が弁に伝えられて弁が開
閉作動され、油圧室から作動油が排出されたときにはカ
ムの作動が弁に伝えられなくなることで弁が停止される
ようになっている。
第1吸気弁31aの弁停止機構35とに対する作動油給
排用の通路36には第1コントロール弁37が、また第
2排気弁32bの弁停止機構35と第2吸気弁31bの
弁停止機構35とに対する作動油給排用の通路38には
第2コントロール弁39がそれぞれ設けられている(図
3参照)。
る。この図において、マイクロコンピュータ等からなる
エンジン制御用のECU(コントロールユニット)40
には、エアフローセンサ19、O2センサ23及びリニ
アO2センサ25からの信号が入力され、さらに運転状
態を判別するためにエンジン回転数を検出する回転数セ
ンサ45及びアクセル開度(アクセルペダル踏込み量)
を検出するアクセル開度センサ46等からの信号も入力
されている。また、このECU40から、各燃料噴射弁
9と、多連スロットル弁17のアクチュエータ18と、
上記第1,第2のコントロール弁37,39とに対して
制御信号が出力されている。
1、弁停止機構制御手段42、吸入空気量制御手段43
及び燃料噴射制御手段44を備えている。
サ45及びアクセル開度センサ46等からの信号により
エンジンの運転状態(エンジン回転数及びエンジン負
荷)を調べ、運転状態が図4に示すような低負荷低回転
側の運転領域Aと、高負荷側ないし高回転側の運転領域
Bとのいずれの領域にあるかを判別する。
負荷低回転側の運転領域Aにある場合と高負荷側ないし
高回転側の運転領域Bにある場合とに応じ、上記各コン
トロール弁37,39を制御することにより、各弁停止
機構35を次のように制御する。
弁停止機構35とにより、ガスの流通経路を後に詳述す
るように切換える流通経路切換手段が構成されている。
エータ18を制御することによりスロットル弁17の開
度(スロットル開度)を制御するものであり、運転状態
に応じてマップ等から目標吸入空気量を求め、その目標
吸入空気量に応じてスロットル開度を制御する。この場
合、低負荷低回転側の運転領域Aでは、後述のように後
続気筒(2番、3番気筒2B,2C)に対しては分岐吸
気通路16からの吸気導入が遮断されて先行気筒から導
入されるガス中の過剰空気が燃焼に供せられるので、先
行、後続の2気筒分の燃料の燃焼に必要な空気が先行気
筒(1番、4番気筒2A,2D)に供給されるように、
スロットル開度が調節される。
〜2Dに設けられた燃料噴射弁9からの燃料噴射量及び
噴射タイミングをエンジンの運転状態に応じて制御する
もので、特に運転状態が図4中の運転領域Aにある場合
と運転領域Bにある場合とで燃料噴射の制御が変更され
る。
転領域Aにある場合、先行気筒(1番、4番気筒2A,
2D)に対しては、空燃比を理論空燃比よりも大きいリ
ーン空燃比、好ましくは理論空燃比の略2倍もしくはそ
れ以上とするように燃料噴射量を制御するとともに、圧
縮行程で燃料を噴射して成層燃焼を行わせるように噴射
タイミングを設定する。一方、後続気筒(2番、3番気
筒2B,2C)に対しては、先行気筒から導入されたリ
ーン空燃比の既燃ガスに燃料を供給して理論空燃比とす
るように燃料噴射量を制御するとともに、既燃ガスが多
い状況下で着火、燃焼が可能なように噴射タイミングが
設定され、例えば着火性確保のため圧縮行程で燃料が噴
射される。
サ19及びO2センサ23等からの出力に基くフィード
バック制御により行われる。具体的には、先行気筒で所
定のリーン空燃比、後続気筒で理論空燃比となるよう
に、エアフローセンサ19により検出される吸入空気量
に応じてそれぞれの気筒に対する基本噴射量が演算され
るとともに、気筒間ガス通路22に設けられたリニアO
2センサ25からの出力に基いて先行気筒に対する燃料
噴射量がフィードバック補正され、さらに排気通路20
に設けられたO2センサ23からの出力に基いて後続気
筒に対する燃料噴射量がフィードバック補正されるよう
になっている。
の運転領域Bにある場合には、各気筒2A〜2Dの空燃
比を理論空燃比もしくはそれ以下とするように燃料噴射
量を制御し、例えばこの運転領域Bのうちの大部分の領
域において理論空燃比とし、全開負荷及びその付近の運
転領域で理論空燃比よりリッチとする。そして、この場
合に、各気筒2A〜2Dに対して吸気行程で燃料を噴射
することにより均一燃焼を行わせるように噴射タイミン
グを設定する。
図5〜図7を参照しつつ説明する。
うに第1排気弁32a及び第1吸気弁31aが停止状
態、第2排気弁32b及び第2吸気弁31bが作動状態
とされることにより、実質的な新気及びガスの流通経路
は図6に示すようになり、先行気筒(1番,4番気筒)
2A,2Dから排出される既燃ガスがそのまま気筒間ガ
ス通路22を介して後続気筒(2番,3番気筒)2B,
2Cに導入されるとともに、この後続気筒2B,2Cか
ら排出される既燃ガスのみが三元触媒24を備えた排気
通路20に導かれるような2気筒接続状態とされる。
それぞれ吸気行程で吸気通路15から新気が導入され
(図6中の矢印a)、先行気筒2A,2DではリニアO
2センサ25により検出される空燃比が所定リーン空燃
比となるように燃料噴射量がフィードバック制御されつ
つ圧縮行程で燃料が噴射され、かつ、所定点火時期に点
火が行われて、リーン空燃比での成層燃焼が行われる
(図5参照)。
後続気筒2B,2Cの排気行程が重なる期間に、先行気
筒2A,2Dから排出された既燃ガスがガス通路22を
通って後続気筒2B,2Cに導入される(図5中の白抜
き矢印及び図6中の矢印b)。そして、後続気筒2B,
2Cでは、先行気筒2A,2Dから導入されたリーン空
燃比の既燃ガスに燃料が供給されて理論空燃比となるよ
うに、O2センサ23の出力に基いて燃料噴射量が制御
されつつ、適当なタイミング(例えば圧縮行程)で燃料
が噴射され、かつ、所定点火時期に点火が行われて燃焼
が行われる(図5参照)。後続気筒2B,2Cでの燃焼
後の既燃ガスは、三元触媒24を備えた排気通路20に
排出される(図6中の矢印c)。
ン空燃比での成層燃焼が行われることにより、熱効率が
高められるとともにポンピングロスが低減され、これら
の相乗効果で大幅に燃費が改善される。また、後続気筒
2B,2Cでは空気過剰状態の既燃ガスに対し燃料が供
給されて理論空燃比に制御されつつ燃焼が行われること
により、先行気筒2A,2Dのようにリーン空燃比で成
層燃焼が行われるものと比べると熱効率では多少劣るも
のの、ポンピングロス低減による燃費改善効果は充分に
得られる。
20に排出されるガスは理論空燃比であるため、従来の
リーンバーンエンジンのようにリーンNOx触媒を設け
る必要がなく、三元触媒24だけで充分に排気浄化性能
が確保される。
ないことから、リーンNOx触媒のNOx吸蔵量増大時
におけるNOxの放出、還元のための一時的な空燃比の
リッチ化を行う必要がなく、燃費改善の目減りが避けら
れる。さらに、リーンNOx触媒の硫黄被毒の問題が生
じることもない。
の略2倍もしくはそれ以上のリーン空燃比とされること
でNOx発生量が比較的少なく抑えられ、後続気筒2
B,2Cでは、先行気筒2A,2Dから既燃ガスが導入
されることで多量のEGRが行われているのと同等の状
態となることからNOxの発生が充分に抑制される。こ
のような点からもエミッションの向上に有利となる。
A,2Dからの既燃ガスが気筒間ガス通路22を介して
導入されるが、この気筒間ガス通路22で通路長の調整
等により放熱量を調整し、これによって後続気筒2B,
2Cに導入される既燃ガスの温度を調整することができ
る。そして、このように既燃ガスの温度を調整するとと
もに、後続気筒2B,2Cに対する燃料噴射タイミング
を適宜調整することにより、多量の既燃ガスが導入され
る後続気筒2B,2Cにおいても、着火、燃焼性を良好
に保つことができる。
B,2Cに導入されるガス中の過剰酸素の割合が少なく
なると後続気筒2B,2Cでの燃焼安定性が損なわれる
が、先行気筒2A,2Dにおいて理論空燃比の略2倍も
しくはそれ以上のリーン空燃比とされれば、後続気筒2
B,2Cでの燃焼安定性は確保される。
Bでは前述のように第1排気弁32a及び第1吸気弁3
1aが作動状態、第2排気弁32b及び第2吸気弁31
bが停止状態とされることにより、実質的な新気及びガ
スの流通経路は図7に示すようになり、実質的に各気筒
2A〜2Dの吸気ポート31,31a及び排気ポート1
2a,12が独立し、吸気通路15から各気筒2A〜2
Dの吸気ポート31,31aに新気が導入されるととも
に各気筒2A〜2Dの排気ポート31,31aから排気
通路20に既燃ガスが排出される。そしてこの場合は、
理論空燃比もしくはそれよりリッチとなるように吸入空
気量及び燃料噴射量が制御されることにより、出力性能
が確保される。
施形態に限定されず、種々変更可能である。他の実施形
態を以下に説明する。
する燃料噴射時期を圧縮行程とすることにより、後続気
筒では理論空燃比での成層燃焼を行わせるようにしてい
るが、図8に示すように、後続気筒に対しては吸気行程
と圧縮行程の2回に分けて分割噴射(F1,F2)を行う
ようにしてもよい。このようにすれば、点火プラグ付近
に燃料が集まりすぎることが避けられて、弱成層状態で
燃焼が行われる。
既燃ガスの温度が充分に高いこと等により後続気筒で燃
料を均一に分散させても着火性を確保し得る場合には、
図9に示すように、後続気筒に対する燃料噴射を吸気行
程一括噴射としてもよい。
10に示すような配置構成としてもよい。すなわち、こ
の図において、先行気筒である1番,4番気筒2A,2
Dには燃焼室の左半部側に吸気ポート11が設けられる
とともに右半部側に第1排気ポート12a及び第2排気
ポート12bが設けられ、後続気筒である2番,3番気
筒2B,2Cには燃焼室の左半部側に第1吸気ポート1
1a及び第2吸気ポート11bが設けられるとともに右
半部側に排気ポート12が設けられている。また、気筒
間ガス通路22は、エンジン本体を気筒列方向と直交す
る方向に横切った状態で、両端が先行気筒2A,2Dの
第2排気ポート12bと後続気筒2B,2Cの第2吸気
ポート11bとに接続されている。その他の構成は図
1、図2に示す実施形態と同様である。
通経路切換手段を構成しているが、図11のように通路
中に設けた開閉弁を用いて流通経路切換手段を構成して
もよい。
る2番気筒2B及び3番気筒2Cの各第1吸気ポート1
1aに通じる分岐吸気通路16に吸気側開閉弁48a,
49aが設けられるとともに、先行気筒である1番気筒
2A及び4番気筒2Dの各第1排気ポート12aに通じ
る分岐排気通路21に排気側開閉弁48b,49bが設
けられ、さらに、1番気筒2Aと2番気筒2Bとの間及
び4番気筒2Dと3番気筒2Cとの間の各気筒間ガス通
路22にガス通路開閉弁48c,49cが設けられてい
る。これらの開閉弁48a,49a,48b,49b,
48c,49cは、それぞれが設けられた通路を開通す
る状態と遮断する状態とに切換可能とされ、図外のアク
チュエータにより作動されるようになっている。
が低負荷低回転側の運転領域Aにある場合と高負荷側な
いし高回転側の運転領域Bにある場合とに応じ、上記各
開閉弁が次のように制御される。
開閉弁の状態を切換える時の切換作動は、図12中に示
す切換可能期間内に行えばよい。つまり、一対の気筒の
排気行程と吸気行程とが重なる期間中に各開閉弁の状態
を切換えると、後続気筒に先行気筒からの既燃ガスと新
気とが入り混じって導入される等の不具合が生じるの
で、1番気筒2Aの排気行程と2番気筒2Bの吸気行程
とが重なる期間を除いた期間内に開閉弁48a,48
b,48cを切換作動させるとともに、4番気筒2Dの
排気行程と3番気筒2Cの吸気行程とが重なる期間を除
いた期間内に開閉弁48a,48b,48cを切換作動
させるようにすればよい。
b,49b,48c,49cとこれを制御する制御手段
により流通経路切換手段が構成される。
31、第1,第2排気弁32a,32b、第1,第2吸
気弁31a,31b及び排気弁32は、いずれも、図外
の動弁機構により常に開閉作動されるようになってい
る。各燃料噴射弁9からの燃料噴射の制御等は上記実施
形態と同様である。
ロットル弁である。
2気筒接続状態とされて、先行気筒2A,2Dで超リー
ン燃焼が行われ、この先行気筒から排出される既燃ガス
が気筒間ガス通路22を介して後続気筒2B,2Cに導
入され、後続気筒2B,2Cでリーン空燃比の既燃ガス
に燃料が供給されて理論空燃比とされた状態で燃焼が行
われ、この後続気筒2B,2Cから排出されるガスのみ
が三元触媒24を備えた排気通路20に導かれる。一
方、運転領域Bでは、各気筒2A〜2Dの吸気ポートと
排気ポートとが独立して、吸気通路から各気筒の吸気ポ
ートに新気が導入されるとともに各気筒の排気ポートか
ら排出される排気ガスが上記排気通路20に導かれる。
こうして、基本実施形態と同様の作用、効果が得られ
る。
段によれば、その構造が比較的簡単になるとともに、運
転状態移行時における開閉弁の切換動作は図12中に示
すような切換可能期間内に行えばよく、切換タイミング
に著しく高い精度が要求されることはないので、制御も
容易である。
段は、図13のように構成してもよい。
の各気筒2A〜2Dにはそれぞれ吸気ポート51及び排
気ポート52が開口し、これらのポートに設けられた吸
気弁53及び排気弁54は図外の動弁機構により常に開
閉作動されるようになっている。上記各気筒2A〜2D
の吸気ポート51に分岐吸気通路16A〜16Dが接続
され、各気筒2A〜2Dの排気ポート52に分岐排気通
路21A〜21Dが接続されるとともに、先行気筒(1
番,4番気筒)2A,2Dに対する分岐排気通路21
A,21Dの集合部と後続気筒(2番,3番気筒)2
B,2Cに対する分岐排気通路21B,21Cの集合部
との間に気筒間ガス通路55が接続され、この気筒間ガ
ス通路55に第1開閉弁57が設けられている。
気通路16A,16Dの集合部が吸気通路上流部に常に
連通するとともに、後続気筒2B,2Cに対する分岐吸
気通路16B,16Cの集合部と吸気通路上流部との間
の連通部にはこの連通部を開閉する第2開閉弁57が設
けられている。一方、後続気筒2B,2Cに対する分岐
排気通路21B,21Cの集合部が排気通路下流部に常
に連通するとともに、先行気筒2A,2Dに対する分岐
排気通路21A,21Dの集合部と排気通路下流部との
間の連通部にはこの連通部を開閉する第3開閉弁58が
設けられている。
が低負荷低回転側の運転領域Aにある場合と高負荷側な
いし高回転側の運転領域Bにある場合とに応じ、上記各
開閉弁56,57,58が次のように制御される。
手段により流通経路切換手段が構成される。各燃料噴射
弁9からの燃料噴射の制御等は上記実施形態と同様であ
る。
は、排気行程と吸気行程が重なる一対の気筒間において
先行気筒2A,2Dから排出される既燃ガスがそのまま
後続気筒2B,2Cに気筒間ガス通路55を介して導入
されるとともに、この後続気筒2B,2Cから排出され
る既燃ガスのみが三元触媒24を備えた排気通路20に
導かれるような2気筒接続状態とされ、一方、運転領域
Bでは、各気筒2A〜2Dの吸気ポート51と排気ポー
ト52とが独立して、吸気通路から各気筒の吸気ポート
51に新気が導入されるとともに各気筒の排気ポート5
2から排出される排気ガスが上記排気通路20に導かれ
ることとなる。
均一に分散させても着火性を確保し得る場合には、後続
気筒2B,2Cに設ける燃料噴射弁は必ずしも燃焼室に直
接燃料を噴射する直噴タイプに限定されず、例えば図1
4に示すように、気筒間ガス通路を構成する後続気筒2
B,2Cの吸気通路に、後続気筒2B,2Cに燃料を供給
する燃料噴射弁9´を設けてもよい。この場合、後続気
筒2B,2Cにおいては理論空燃比としつつ上記燃料噴射
弁9´から吸気行程で燃料を噴射することにより均一燃
焼を行わせるようにする。
後続気筒2B,2Cに導入されるガスが適度に放熱される
とともに過剰空気と既燃ガスがミキシングされた理想的
な多量のEGRガス中に、このガスが後続気筒2B,2C
へ導入される過程で燃料が供給され、燃料の気化、さら
にはこのガスとのミキシングが向上し、後続気筒2B,2
Cにおいて多量のEGRが行われつつ燃焼性がさらに向
上する。
て過給機を設け、例えば図15に示すようなターボ過給
機60を設けてもよい。同図において、ターボ過給機は
60は、排気通路20に設けられたタービン61と、吸
気通路15に設けられたコンプレッサ62とを有し、排
気通路20を流れる排気ガスのエネルギーでタービン6
1が回転し、それに連動したコンプレッサ62の回転に
より、吸気を過給するようになっている。63はコンプ
レッサ62の下流の吸気通路15に設けられたインター
クーラである。
上記2気筒接続状態として燃費改善を図るようにするこ
とができる。
により運転状態が低負荷低回転側の運転領域Aにある場
合と高負荷側ないし高回転側の運転領域Bにある場合と
に応じて新気及びガスの流通経路を切換えるようにして
いるが、全運転領域にわたって新気及びガスの流通経路
を上記2気筒接続状態としてもよい。
ジンにも適用可能である。そして、例えば6気筒等では
1つの気筒の排気行程と別の気筒の吸気行程が完全に重
なり合うことはないが、このような場合は、一方の気筒
の排気行程が他方の気筒の吸気行程より先行するととも
に、両行程が部分的に重なり合う2つの気筒を先行、後
続の一対の気筒とすればよい。
え、先行気筒に対してのみEGRを行なうようにしても
よい。このようすれば、先行気筒でのNOxの発生が抑
えられ、後続気筒では先行気筒から導入される既燃ガス
がEGRと同様にNOxの発生を押えるので、有効にN
Oxを減少させることができる。
行程と吸気行程が重なる一対の気筒間において排気行程
の先行気筒から排出される既燃ガスがそのまま気筒間ガ
ス通路を介して吸気行程の後続気筒に導入され、この後
続気筒から排出される既燃ガスのみが三元触媒を備えた
排気通路に導かれるようにするとともに、先行気筒では
リーン空燃比とした状態で燃焼を行わせ、上記後続気筒
では先行気筒から導入されたリーン空燃比の既燃ガスに
燃料を供給して理論空燃比とした状態で燃焼を行わせる
ようにしているため、先行気筒でのリーン燃焼による熱
効率向上およびポンピングロス低減ならびに後続気筒で
のポンピングロス低減等により、燃費が大幅に改善さ
れ、しかも、三元触媒だけで充分な排気浄化作用を持た
せることができる。従って、リーンNOx触媒が不要と
なり、コストが低減されるとともに、リーン運転中に一
時的な空燃比のリッチ化を行う必要がなくて、このリッ
チ化による燃費改善の目減りが避けられ、さらに、NO
x触媒の硫黄被毒の問題も解消することができる。
ガスが気筒間ガス通路を通って後続気筒に導入されよう
になっているため、気筒間ガス通路で、放熱によりガス
温度を調整し得るとともに、空気過剰の既燃ガスの充分
にミキシングすることができ、これによって後続気筒で
の燃焼性を向上することができる。
ン全体の概略平面図である。
よび点火時期等を示す図である。
通経路を示す説明図である。
的な新気およびガスの流通経路を示す説明図である。
る。
図である。
の別の実施形態を示す概略平面図である。
略平面図である。
時の開閉弁の切換可能期間を示す説明図である。
示す概略平面図である。
施形態を示す概略平面図である。
面図である。
Claims (10)
- 【請求項1】 各気筒が所定の位相差をもって吸気、圧
縮、膨張、排気の各行程からなるサイクルを行うように
なっている多気筒の火花点火式エンジンにおいて、 少なくとも低負荷低回転域で、排気行程と吸気行程が重
なる一対の気筒間において排気行程側の気筒である先行
気筒から排出される既燃ガスがそのまま吸気行程側の気
筒である後続気筒に気筒間ガス通路を介して導入され、
この後続気筒から排出されるガスのみが三元触媒を備え
た排気通路に導かれるような2気筒接続状態にガス流通
経路を構成するとともに、 上記2気筒接続状態にあるときに、上記先行気筒では理
論空燃比よりも所定量大きいリーン空燃比とした状態で
燃焼を行わせ、上記後続気筒では、先行気筒から導入さ
れたリーン空燃比の既燃ガスに燃料を供給して理論空燃
比とした状態で燃焼を行わせるように、各気筒に対する
燃料供給を制御する制御手段を備えたことを特徴とする
火花点火式エンジンの制御装置。 - 【請求項2】 排気行程と吸気行程とが完全に重なり合
う2つの気筒、または一方の気筒の排気行程が他方の気
筒の吸気行程より先行するとともに両行程が部分的に重
なり合う2つの気筒を先行、後続の一対の気筒とするこ
とを特徴とする請求項1記載の火花点火式エンジンの制
御装置。 - 【請求項3】 上記2気筒接続状態にあるときの当該先
行気筒の空燃比を理論空燃比の略2倍もしくはそれ以上
としたことを特徴とする請求項1または2記載の火花点
火式エンジンの制御装置。 - 【請求項4】 高負荷、高回転側の運転領域では各気筒
の吸気ポートと排気ポートとを独立させて、吸気通路か
ら各気筒の吸気ポートに新気を導入するとともに各気筒
の排気ポートから排出される排気ガスを上記排気通路に
導くように新気及びガスの流通経路を切換える流通経路
切換手段を備え、上記制御手段は上記高負荷、高回転側
の運転領域で各気筒の空燃比を理論空燃比もしくはそれ
以下とするようにしたことを特徴とする請求項1乃至3
のいずれかに記載の火花点火式エンジンの制御装置。 - 【請求項5】 上記先行気筒に、上記吸気通路に通じる
吸気ポートと、上記排気通路に通じる第1排気ポート
と、気筒間ガス通路に通じる第2排気ポートとを設ける
一方、上記後続気筒に、上記吸気通路に通じる第1吸気
ポートと、上記気筒間ガス通路に通じる第2吸気ポート
と、上記排気通路に通じる排気ポートとを設け、 上記流通経路切換手段として、上記先行気筒の第1,第
2排気ポートを開閉する第1,第2排気弁および後続気
筒の第1,第2吸気ポートを開閉する第1,第2吸気弁
をそれぞれ作動状態と停止状態とに切換える弁停止機構
と、低負荷低回転域では上記第1排気弁および上記第1
吸気弁を停止状態、上記第2排気弁および上記第2吸気
弁を作動状態とし、高負荷、高回転側の運転領域では上
記第1排気弁および上記第1吸気弁を作動状態、上記第
2排気弁および上記第2吸気弁を停止状態とする弁停止
機構制御手段とを備えたことを特徴とする請求項4記載
の火花点火式エンジンの制御装置。 - 【請求項6】 三元触媒を備えた排気通路に理論空燃比
検出用の排気ガス濃度検出手段を設けるとともに、気筒
間ガス通路にリーン空燃比検出用の排気ガス濃度検出手
段を設け、 上記制御手段は、上記2気筒接続状態にあるときに上記
各排気ガス濃度検出手段による検出値に基き、先行気筒
を理論空燃比よりも所定量大きいリーン空燃比とすると
ともに後続気筒を理論空燃比とするように各気筒に対す
る燃料噴射量をフィードバック制御するようにしたこと
を特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の火花点
火式エンジンの制御装置。 - 【請求項7】 上記先行気筒に対して筒内に直接燃料を
噴射する燃料噴射弁を設け、 上記制御手段は、上記2気筒接続状態にあるときに、先
行気筒においてはリーン空燃比としつつ上記燃料噴射弁
から圧縮行程で燃料を噴射することにより成層燃焼を行
わせるようにしたことを特徴とする請求項1乃至6のい
ずれかに記載の火花点火式エンジンの制御装置。 - 【請求項8】 後続気筒に対して筒内に直接燃料を噴射
する燃料噴射弁を設け、 上記制御手段は、上記2気筒接続状態にあるときに、後
続気筒においては理論空燃比としつつ上記燃料噴射弁か
ら少なくとも燃料の一部を圧縮行程で噴射することによ
り成層燃焼を行わせるようにしたことを特徴とする請求
項7記載の火花点火式エンジンの制御装置。 - 【請求項9】 上記制御手段は、上記2気筒接続状態に
あるときに、後続気筒においては理論空燃比としつつ均
一燃焼を行わせるようにしたことを特徴とする請求項7
記載の火花点火式エンジンの制御装置。 - 【請求項10】 気筒間ガス通路を構成する後続気筒の
吸気通路に、後続気筒に燃料を供給する燃料噴射弁を設
け、上記制御手段は、上記2気筒接続手段にあるとき
に、後続気筒においては理論空燃比としつつ上記燃料噴
射弁から吸気行程で燃料を噴射することにより均一燃焼
を行わせるようにしたことを特徴とする請求項7記載の
火花点火式エンジンの制御装置。
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2002
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