JP3829514B2 - エンジンの燃料噴射制御装置 - Google Patents

エンジンの燃料噴射制御装置 Download PDF

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  • Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、排気ガス還流機能を備えたエンジンの燃料噴射制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来のエンジンの中には、要求燃料噴射量の少ない低回転運転領域において、いわゆるリーン燃焼を行いながら安定した運転を図るようにしたものが知られている。例えば特開平8−189405号公報には、燃焼室内に直接燃料を噴射する、いわゆる直噴式エンジンにおいて、低回転低負荷領域では、圧縮行程後半に点火プラグ近傍の領域に燃料を噴射し、この領域を囲む領域をリーン状態にして成層燃焼を行うようにしたものが開示されている。
【0003】
また一方、エンジンの排気ガス中に含まれる窒素酸化物(NOx)を低減する手段としては、例えば特開平6−229322号公報に示されるように、排気ガスの一部を吸気系に還流させるEGRを行うものが広く知られるに至っている。
【0004】
このようなEGRを行う場合、そのEGR率をあまり高く設定しすぎると燃焼性が著しく低下するため、EGR率を上げるには限界がある。しかし、前記のような成層燃焼運転を行う領域では、燃焼室内で点火プラグ周囲に燃料が偏在していてその外側は非常に燃料リーンな領域となっており、この領域にEGRガスを多く充填しても燃焼性に悪影響を及ぼしにくい状態となっている。そこで近年は、特に前記成層燃焼運転領域で他の領域(均一燃焼領域)よりも排気ガス還流量を増やすといったEGR制御を行う装置が開発されるに至っている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
前記のように成層燃焼運転領域と均一燃焼運転領域とでEGR量を変えるエンジンでは、例えば加速時のように成層燃焼運転領域から均一燃焼運転領域へ移行する際、その移行に伴ってEGR弁を絞り、EGR量を速やかに低減させる必要がある。しかし、EGR弁の開度を減少させてから実際に筒内のEGRガスが十分に減少するまでにはかなりの応答遅れがあるため、その遅れ時間中は既に均一燃焼運転が始まっているにもかかわらず多量のEGR量が筒内に存する状態となり、この期間で燃焼性が著しく低下する不都合がある。このような不都合は、前記成層燃焼運転領域から均一燃焼運転領域への移行時に限られず、比較的許容EGR量の大きい運転領域から小さい運転領域への移行時に起こり得るものである。
【0006】
また近年は、前記成層燃焼運転のようなリーン運転が行われる時にも排気ガス中のNOxを低減させる手段として、排気ガスの空気過剰率が大きいリーン状態では当該排気ガス中のNOxを吸着し、当該空気過剰率の小さいリッチ状態で前記吸着をしたNOxを放出するリーンNOx触媒を排気通路に配置したものが知られているが、このリーンNOx触媒のNOx浄化機能は、排気温度が限られた温度範囲を逸脱すると著しく低下するため、当該リーンNOx触媒を用いる場合には排気ガス温度を好適な範囲に維持する必要がある。
【0007】
本発明は、このような事情に鑑み、EGR量目標値の高い運転領域から低い運転領域へ移行する際の燃焼性低下を有効に抑止できるエンジンの燃料噴射制御装置を提供することを目的とし、さらに、排気通路にリーン状態でNOxを吸収するNOx吸収材を設ける場合に、そのNOx吸収性能を高く維持できる範囲内に排気温度を維持しながら前記燃焼性低下の抑止を達成できるエンジンの燃料噴射制御装置を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するための手段として、本発明は、低負荷領域であって成層燃焼運転が行われる成層燃焼運転領域と、この成層燃焼運転領域よりも高負荷側の領域であって、均一燃焼運転が行われ、かつ、前記成層燃焼運転領域で設定される排気ガス還流量目標値よりも低い排気ガス還流量目標値が設定された均一燃焼運転領域とを有するとともに、排気通路に排気ガス中の空気過剰率が大きく、かつ、流入する前記排気ガスの温度が所定範囲内のときに有効にNOxを吸収することのできるNOx吸収材が設けられたエンジンの燃料噴射制御装置であって、前記均一燃焼運転領域のうち1サイクル中燃料を1回で噴射すると前記NOx吸収材に流入する排気ガスの温度が前記所定範囲よりも高くなるような、エンジン回転数が所定値以上の高回転領域では1サイクル中燃料を複数回に分けて噴射する第1の分割噴射を行わせ、エンジン回転数が前記所定値未満の低回転領域では前記成層燃焼運転領域から均一燃焼運転領域への移行時にのみ1サイクル中燃料を複数回に分けて噴射する第2の分割噴射を行わせる燃料噴射制御手段を備えたものである。
【0014】
この構成によれば、同じ均一燃焼運転が行われる領域であっても、そのうち、1サイクル中燃料を1回で噴射する一括噴射を行うと排気温度がNOx吸収剤が有効に作用する温度範囲よりも高くなってしまうような高回転領域では、1サイクル中燃料を複数回に分けて噴射する第1の分割噴射が行われるので、一括噴射時に比べて燃焼室内の混合気をより均一にして燃焼速度及び燃焼効率を高めることができ、その分排気温度を下げることができる。すなわち、前記第1の分割噴射を行うことで、排気温度がNOx吸収剤に好都合な温度範囲よりも高くなるのを抑止することができ、NOxの排出を抑制することができる。
【0015】
逆に、排気温度の比較的低い低回転領域では、原則的に分割噴射が行われず、一括噴射が行われるため、分割噴射の実行によって排気温度がNOx吸収材に好都合な温度範囲よりも低くなることが防がれる。しかも、EGR量目標値の高い成層燃焼運転領域からEGR量目標値の低い均一燃焼運転領域への移行時には、第2の分割噴射が行われることにより、前記と同様に、EGR量減少の応答遅れに起因する燃焼性の悪化が有効に抑止される。この第2の分割噴射は、成層燃焼運転領域から均一燃焼運転領域への移行時にのみ行われる一時的なものであるので、当該分割噴射に起因して排気温度が下がりすぎる(すなわちNOx吸収材に好都合な温度範囲よりも低くなる)ことは避けられる。
【0016】
ここで、「前記成層燃焼運転領域から均一燃焼運転領域への移行時にのみ第2の分割噴射を行わせる」手段としては、例えば、前記成層燃焼運転領域から均一燃焼運転領域に切換わった時点から所定時間が経過するまで前記第2の分割噴射を行わせるようにすればよい。
【0017】
この発明にかかる装置も、吸気弁手前の吸気ポートに燃料が噴射されるポート噴射式エンジンに適用が可能であるが、燃焼室内に直接燃料が噴射される筒内噴射式エンジンに適用すれば、より有効である。
【0018】
この場合も、前記第2の分割噴射としては、吸気行程中に複数回燃料噴射を行わせるようにしてもよいし、吸気行程と圧縮行程とに分けて燃料噴射を行わせるようにしてもよい。
【0019】
また、前記NOx吸収材と三元触媒とを併用する場合、三元触媒に都合のよい排気温度はNOx吸収材に都合のよい排気温度よりも高いため、当該NOx吸収材の上流側に三元触媒を設けることが好ましい。
【0020】
【発明の実施の形態】
本発明の好ましい実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0021】
図1に示すエンジンの本体10は、複数の気筒12を有し、各気筒12内にピストン14が装填されており、各ピストン14の上方に燃焼室16が形成されている。この実施の形態では、前記燃焼室16に対して2つの吸気ポートと排気ポートとが開口し、各吸気ポート及び排気ポートがそれぞれ吸気弁17及び排気弁18によって開閉されるようになっている。
【0022】
各燃焼室16の頂部には点火プラグ20が配設され、そのプラグ先端が燃焼室16内に臨んでいる。また、各燃焼室16内には側方からインジェクタ22の先端部(すなわち燃料噴射部)が臨み、このインジェクタ22から燃焼室16内に直接燃料が噴射されるように構成されている。すなわち、このエンジンは筒内噴射式エンジンとなっている。各インジェクタ22は、図略のニードル弁及びソレノイドを内蔵し、このソレノイドに後述のパルス信号が入力されることにより、そのパルス入力時期に相当する時期にパルス幅に応じた量だけ燃料を噴射するように構成されている。
【0023】
前記吸気ポートには吸気通路24が接続されている。この吸気通路24には、その上流側から順に、エアクリーナー25、エアフローセンサ26、スロットルセンサ及びスロットル弁をもつエレキスロットル28、サージタンク30が設けられている。このサージタンク30の下流側通路は、各吸気ポートに対応して分岐する独立吸気通路となっている。
【0024】
図例では、各独立吸気通路の下流側部分が2つの通路24a,24bに分岐し、各通路24a,24bが燃焼室16内に接続されるとともに、通路24bにのみスワール生成用の開閉弁31が設けられている。この開閉弁31は、図略のアクチュエータにより駆動されて開閉作動するもので、この開閉弁31が第2の通路24bを閉じるときには第1の通路24aのみを通る吸気によって燃焼室15内にスワールが生成され、開閉弁31が開かれるにつれてスワールが弱められるようになっている。
【0025】
一方、前記排気ポートには排気通路34が接続されている。この排気通路34の途中には、その上流側から順に、三元触媒35と、リーンNOx触媒(NOx吸収材)36とが設けられている。これらの触媒は、軸方向に沿って相互平行に延びる多数の貫通孔をもつハニカム構造のコージェライト製担体の各貫通孔壁面に触媒層を形成したものである。
【0026】
前記三元触媒35は、排気ガスが理論空燃費近傍にある状態でNOx、CO、及びHCを浄化する。これに対してリーンNOx触媒36は、排気ガスの空気過剰率が大きいリーン状態でNOxを吸着し、この吸着したNOxを排気ガスの空気過剰率が小さいリッチ状態で放出する。このリーンNOx触媒36は、三元触媒35に好適な排気温度よりも低い特定温度域に排気温度が存するときに有効な浄化性能を発揮するものであり、例えば特開平10-151353号公報に示されるように、前記担体上に、Ptなどの貴金属とバリウムなどのアルカリ土類金属担持のアルミナが担持された内側触媒層と、白金及びロジウム担持のゼオライトが担持された外側触媒層とをコーティングしたもの等が好適である。
【0027】
前記吸気通路24と排気通路34との間には、排気ガスを吸気通路24側に還流させるためのEGR通路32が設けられている。このEGR通路32の入口端は、排気通路34における三元触媒35のさらに上流側の部分に接続されている。出口端は、吸気通路24におけるエレキスロットル28の下流側の吸気集合部分(サージタンク30よりも上流側の部分)に接続されている。この出口端にはEGR弁33が設けられており、このEGR弁33の駆動によってEGR流量の調節が可能となっている。
【0028】
前記エンジンには、前記スロットルセンサ、エアフローセンサ26の他、エンジン回転数センサ37、アクセル開度センサ38等の各種センサ類が装備され、これらセンサの出力信号(検出信号)がECU(コントロールユニット)40に入力されるようになっている。このECU40は、燃料制御及びEGR制御に関連する機能として、運転状態判定手段42、スロットル制御手段44、燃料制御手段46、及びEGR制御手段48を備えている。
【0029】
運転状態判定手段42は、前記各センサの出力信号を取り込んで、現在のエンジンの運転状態が図2に示す運転領域のうちのいずれに属するのかを判定するものである。各運転領域はエンジン回転数Ne及びエンジン負荷Peに基づいて区画されている。
【0030】
図中、領域Aは、燃料噴射量の少ない低中回転低負荷運転時に成層燃焼運転、すなわち、圧縮行程後半でのみ燃料を一括噴射することにより、燃焼室16内全体は燃料リーンの状態にしながら点火プラグ20の近傍のみ他の領域と比較して相対的かつ局所的にリッチ状態にして点火する燃焼運転を行う領域である。
【0031】
領域Bは、エンジン回転数が所定値未満の低回転領域であってかつ領域Aよりも高負荷の領域であり、吸気行程で燃料を一括噴射することにより均一燃焼を行う領域である。
【0032】
領域Cは、エンジン回転数が所定値以上の中高回転かつ高負荷の領域及び低負荷高回転領域であり、領域Bと同様に均一燃焼運転を行うが、一括噴射ではなく分割噴射(第1の分割噴射)による運転を行う領域である。すなわち、この領域Cでは、まず一部の燃料のみを早期噴射(この実施の形態では吸気行程前半で噴射)してこれを筒内で均一化してから残りの燃料を後期噴射(この実施の形態では吸気行程後半で噴射)して点火をする燃焼運転が行われる。
【0033】
なお、図2の例では、高回転領域であっても、エンジン負荷の非常に高い領域は一括噴射運転領域Bが設定されている。
【0034】
スロットル制御手段44は、各運転領域において、その燃焼に適した吸入空気量を実現するためにエレキスロットル28のスロットル開度をスロットルセンサの検出信号に基づいてフィードバック制御するものである。
【0035】
燃料制御手段46は、運転状態判定手段42により判定された運転領域での燃焼に見合う燃料噴射量及び燃料噴射時期を決定し、図略のインジェクタドライバに指令信号を出力して、前記燃料噴射時期に前記燃料噴射量に相当する幅のパルス信号をインジェクタ22へ出力させるものである。この実施の形態では、前記領域Aでリーン燃焼を行い、領域B,Cで空気過剰率がほぼ1での燃焼を行うように、燃料噴射量が設定される。
【0036】
EGR制御手段48は、実際のEGR量が各運転領域に応じて設定された目標値に合致するようにEGR弁33の開度を制御するものである。この実施の形態では、EGR弁33が閉じていると仮定した場合(すなわちEGRを行わないと仮定した場合)に検出されると予想される吸入空気量と、実際にエアフローセンサ26により検出される吸入空気量との差から、現在のEGR量を求め、このEGR量を現在の運転状態に対応する目標EGR量に近づけるようにEGR弁33の開度をフィードバック制御するように構成されている。
【0037】
前記EGR量目標値については、成層燃焼運転領域である領域Aでの目標値が、均一燃焼運転領域である他の領域での目標値よりも大きく設定されている。これは、成層燃焼運転時では点火プラグ周囲に燃料が偏在しているために、均一燃焼運転時よりもEGRガス導入が燃焼性に与える影響が小さいことを考慮したものである。
【0038】
次に、このECU40が行う具体的な燃料噴射制御動作を、図3のタイムチャート及び図4のフローチャートに基づいて説明する。
【0039】
まず、エンジン回転数Ne及びアクセル開度Accを取り込む(図4のステップS1)。そして、前回判定した運転領域DAを直前運転領域DAOとして記憶した後、ステップS1で取り込んだ検出信号に基づいて現在の運転領域DAを改めて判定する(ステップS3)。新しく判定した領域DAが領域Aである場合には(ステップS4でYES)、リーン状態での一括噴射による成層燃焼運転を行い(ステップS5)、判定した領域DAが領域Cである場合には(ステップS4,S6でNO)、空気過剰率がほぼ1の状態での分割噴射(第1分割噴射)による均一燃焼運転を行う(ステップS7)。
【0040】
一方、新しく判定した領域DAが領域Bである場合には(ステップS4でNO、ステップS6でYES)、直前運転領域DAOを確認する。この直前運転領域DAOが領域Aでない場合には(ステップS8でNO)、原則通り、空気過剰率がほぼ1での一括噴射による均一燃焼運転を行うが(ステップS9)、直前運転領域DAOが領域Aである場合(ステップS8でYES)、すなわち、EGR量目標値の高い成層燃焼運転領域である領域AからEGR量目標値の低い均一燃焼運転領域である領域Bへの移行時には、一定時間のみ分割噴射(第2の分割噴射)を行わせる制御を実行する。
【0041】
具体的には、まず内蔵のタイマーをセットし(ステップS10)、このタイマーの残り時間が0となる時点まで空気過剰率が1の状態での分割噴射による均一燃焼運転を行う(ステップS11,S12)、タイマー残り時間が0となった時点(ステップS12でYES)、すなわち、領域Bへの切換時点から一定時間が経過した後は、原則通り、一括噴射による均一燃焼運転を行う(ステップS9)。
【0042】
この装置によれば、次のような優れた効果が得られる。
【0043】
A)領域移行時における燃焼性低下の抑止
前記第2の分割噴射が行われているときの筒内EGR量及びスロットル開度TVOの変動と早期噴射パルス信号及び後期噴射パルス信号の変化を図3に示す。同図に示す領域切換時点から、EGR量目標値が急減するため、EGR弁33の開度を絞る制御が行われるが、このようにEGR弁33を絞ってから実際の筒内EGR量が十分に減るまでには、相当の遅れ時間がある。従って、この遅れ時間(移行期間)では、既に均一燃焼運転が開始されているにもかかわらず筒内に多くのEGRガスが存する状態となり、何等の措置も講じなければ燃焼性が著しく低下するおそれがある。
【0044】
これに対して本実施形態にかかる装置では、前記移行期間で一時的に分割噴射(第2の分割噴射)を行って噴射燃料の筒内均一化を促進するようにしているので、前記EGR量削減の応答遅れに起因する燃焼性の低下を有効に抑止することができる。
【0045】
B)リーンNOx触媒36の性能維持
高負荷領域のうち、排気温度の高くなる傾向のある高回転領域(領域C)では、分割噴射(第1の分割噴射)を実行して燃焼速度及び燃焼効率を高めることにより、排気温度が高くなりすぎる(すなわちリーンNOx触媒36に好適な温度範囲を上回る)のを防ぐことができる。
【0046】
逆に、高負荷領域でも排気温度の低くなる傾向のある低回転領域(領域B)では、原則として一括噴射のみを行うので、前記のように分割噴射を行うことによって排気温度が低くなりすぎる(すなわちリーンNOx触媒36に好適な温度範囲を下回る)のを防ぐことができる。また、領域Aから領域Bへの移行時に分割噴射(第2の分割噴射)を行う場合でも、当該分割噴射はEGR量削減の応答遅れに起因する燃焼性低下をカバーするためのほんの一時的なものであるため、排気温度が過剰に低下することは十分に防止できる。
【0047】
すなわち、この装置では、燃焼性悪化の抑止と、リーンNOx触媒36の性能維持とを両立させることが可能となっている。
【0048】
なお、本発明は、かかる実施形態に限られるものではなく、次のような実施形態をとることも可能である。
【0049】
・前記実施形態では、領域Aから領域Bへの移行時にのみ分割噴射を行う手段として、領域切換時点からの経過時間を計測するようにしているが、本発明はこれに限らず、例えば、実際のEGR量を測定し、そのEGR測定量が領域Bでの目標EGR量に達するまでの間のみ分割噴射を行うといった制御を行ってもよい。
【0050】
・前記実施形態では、第1の分割噴射及び第2の分割噴射として吸気行程に2回燃料噴射を行うものを示したが、3回以上に分けて噴射してもよいし、吸気行程と圧縮行程とに分けて燃料を噴射するようにしてもよい。
【0052】
・前記実施形態では、筒内噴射式エンジンに適用したものを示したが、本発明はこれに限らず、互いにEGR量目標値の異なる運転領域が隣接して設定されたエンジンに広く適用が可能なものである。例えば、吸気弁手前の吸気ポートに燃料を噴射するポート噴射式エンジンであっても、高いEGR量目標値が設定される成層燃焼運転領域から低いEGR量目標値が設定される均一燃焼運転領域へ移行するときに分割噴射を行うようにすればよい。
【0055】
【発明の効果】
以上のように、本発明は、低負荷で成層燃焼運転が行われ、かつ、排気ガス還流量目標値の高い成層燃焼運転領域と、高負荷で均一燃焼運転が行われ、かつ、排気ガス還流目標値の低い均一燃焼運転領域とを有するとともに、排気通路に排気ガス中の空気過剰率が大きい時にNOxを吸収するNOx吸収材が設けられたエンジンにおいて、前記均一燃焼運転領域のうちエンジン回転数が所定値以上の高回転領域で第1の分割噴射を行わせ、エンジン回転数が前記所定値未満の低回転領域で前記成層燃焼運転領域から均一燃焼運転領域への移行時にのみ第2の分割噴射を行わせるようにしたものでは、排気温度を前記NOx吸収材に好適な温度に維持しながら、前記成層燃焼運転領域から均一燃焼運転領域への移行時における燃焼性の悪化を有効に抑止できる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態にかかるエンジンの全体構成図である。
【図2】前記エンジンにおいて設定された各運転領域を示すグラフである。
【図3】図2に示す領域Aから領域Bに移行する際のEGR量等の時間変化を示すタイムチャートである。
【図4】前記エンジンにおいて実行される燃料噴射制御の内容を示すフローチャートである。
【符号の説明】
10 エンジン本体
16 燃焼室
22 インジェクタ
24 吸気通路
32 EGR通路
33 EGR弁
34 排気通路
35 三元触媒
36 リーンNOx触媒
40 ECU
42 運転状態判定手段
46 燃料制御手段
48 EGR制御手段

Claims (6)

  1. 低負荷領域であって成層燃焼運転が行われる成層燃焼運転領域と、この成層燃焼運転領域よりも高負荷側の領域であって、均一燃焼運転が行われ、かつ、前記成層燃焼運転領域で設定される排気ガス還流量目標値よりも低い排気ガス還流量目標値が設定された均一燃焼運転領域とを有するとともに、排気ガス中の空気過剰率が大きく、かつ、流入する前記排気ガスの温度が所定範囲内のときに有効にNOxを吸収することのできるNOx吸収材が排気通路に設けられたエンジンの燃料噴射制御装置であって、前記均一燃焼運転領域のうち1サイクル中燃料を1回で噴射すると前記NOx吸収材に流入する排気ガスの温度が前記所定範囲よりも高くなるような、エンジン回転数が所定値以上の高回転領域では1サイクル中燃料を複数回に分けて噴射する第1の分割噴射を行わせ、エンジン回転数が前記所定値未満の低回転領域では前記成層燃焼運転領域から均一燃焼運転領域への移行時にのみ1サイクル中燃料を複数回に分けて噴射する第2の分割噴射を行わせる燃料噴射制御手段を備えたことを特徴とするエンジンの燃料噴射制御装置。
  2. 請求項1記載のエンジンの燃料噴射制御装置において、前記燃料噴射制御手段は、エンジン回転数が前記所定値未満の低回転領域で前記成層燃焼運転領域から均一燃焼運転領域に切換わった時点から所定時間が経過するまで前記第2の分割噴射を行わせるものであることを特徴とするエンジンの燃料噴射制御装置。
  3. 請求項1または2記載のエンジンの燃料噴射制御装置において、前記エンジンが、その燃焼室内に直接燃料が噴射される筒内噴射式エンジンであることを特徴とするエンジンの燃料噴射制御装置。
  4. 請求項3記載のエンジンの燃料噴射制御装置において、前記燃料噴射制御手段は、前記第2の分割噴射として吸気行程中に複数回燃料噴射を行わせるものであることを特徴とするエンジンの燃料噴射制御装置。
  5. 請求項3記載のエンジンの燃料噴射制御装置において、前記燃料噴射制御手段は、前記第2の分割噴射として吸気行程と圧縮行程とに分けて燃料噴射を行わせるものであることを特徴とするエンジンの燃料噴射制御装置。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載のエンジンの燃料噴射制御装置において、前記エンジンの排気通路におけるNOx吸収材の上流側に三元触媒が設けられていることを特徴とするエンジンの燃料噴射制御装置。
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