JP4196465B2 - 火花点火式直噴エンジンの制御装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、燃焼室に直接燃料を噴射するインジェクタを備えるとともに、エンジンの排気通路にリーンNOx触媒を備えた火花点火式直噴エンジンの制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から、低負荷運転領域でリーン運転が行われる直噴エンジンにおいて、酸素過剰雰囲気でNOxを吸収して酸素濃度が減少するに伴いNOxを放出する性質を有するリーンNOx触媒を排気通路に設け、リーン運転状態のときに排気中のNOxがリーンNOx触媒に吸収され、空燃比がリッチ側に変化したときにNOxがリーンNOx触媒から放出されて還元されるようにしたものが知られている。
【0003】
このようなリーンNOx触媒は、燃料やエンジンオイルに硫黄成分が含まれている場合に、排気中のNOxを吸収するよりも排気中の硫黄酸化物(SOx)を吸収し易いという性質を有し、硫黄によって被毒されたリーンNOx触媒は事後のNOx吸収性が大きく低下する。そして、触媒温度を高くすることによって触媒から硫黄を脱離することは可能であるが、硫黄脱離性能が高められる触媒温度域はNOxの吸収、放出の機能が良好に発揮される触媒温度域よりも高く、通常の運転では硫黄脱離性能が高められる温度域まで触媒温度が上昇することは極めて少ない。
【0004】
このため、例えば特開平8−61052号公報に示されるように、リーンNOx触媒の硫黄吸収量が所定値に達し、かつ、排気ガス温度が規定温度以上となるような所定運転領域にある場合に、硫黄被毒解消のための制御として、触媒に燃料と空気を供給してその燃料を燃焼させることにより、触媒温度を上昇させるようにした装置が知られている。この装置において硫黄被毒解消のための制御としては、複数気筒のうちの一部の気筒で空燃比を理論空燃比より小さい値に制御してリッチ運転を行ない、他の気筒で空燃比を理論空燃比より大きい値に制御してリーン運転を行なうことにより、リーンNOx触媒に対してリッチ運転の気筒から燃料、リーン運転の気筒から空気をそれぞれ供給するようにしている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記公報に示された装置によると、硫黄被毒解消のための制御時に、気筒によりリッチ運転とリーン運転とに変更されるため運転状態が不安定となり易く、また、リッチ運転の気筒から余剰の未燃燃料が供給されるので燃費が悪化し易いといった問題がある。
【0006】
また、上記公報に示されたエンジンは吸気ポートにインジェクタ(燃料噴射弁)を備えたものであるが、燃焼室内に直接燃料を噴射するようにインジェクタを配置して、低負荷運転領域で空燃比をリーンとしつつ圧縮行程で燃料を噴射して成層燃焼を行なうようにした火花点火式直噴エンジンにおいて、排気通路にリーンNOx触媒を設けて成層燃焼時のNOxの浄化を図るようにしたものでも、リーンNOx触媒の硫黄被毒の解消を効果的に行なうことが要求されている。
【0007】
本発明は、上記の事情に鑑み、火花点火式直噴エンジンにおいて、運転状態を良好に保ち、かつ、燃費の悪化を極力抑制しつつ、リーンNOx触媒の硫黄被毒を効果的に解消することができる制御装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明は、酸素過剰雰囲気でNOxを吸収して酸素濃度が減少するに伴いNOxを放出するリーンNOx触媒をエンジンの排気通路に具備するとともに、燃焼室に直接燃料を噴射するインジェクタを備えた火花点火式直噴エンジンにおいて、エンジンの温度状態を検出する温度状態検出手段と、エンジンの運転状態を検出する運転状態検出手段と、リーンNOx触媒の硫黄吸収状態を検出する硫黄吸収状態検出手段と、これらの検出手段による検出に基づき、エンジンの温間時で、エンジンの運転状態が中回転域内の中負荷運転領域であって点火前の燃焼室内空燃比が理論空燃比に設定される運転領域にあり、かつ、リーンNOx触媒がNOx吸収性を阻害する所定の硫黄吸収状態となったとき、リーンNOx触媒から硫黄を脱離させる再生制御として、点火前の燃焼室内空燃比を略理論空燃比もしくはそれより小さくしつつ吸気行程と圧縮行程とに分割して燃料を噴射するように上記インジェクタを制御する再生制御手段とを備えたものである。
【0009】
この装置によると、上記再生制御時に、空燃比が略理論空燃比もしくはそれより小さくされつつ噴射開始が吸気行程後期以降の燃料噴射が行われることにより、燃焼室内の混合気分布が不均一になってリッチな部分とリーンな部分とが存在する状態で燃焼が行われ、リッチな部分では燃焼速度が速くなるものの酸素が少ないことからCOが生成され、リーンな部分では燃焼が緩慢になることで排気温度が高められ易くなる。このため、排気中のCOが増加するとともに排気温度が上昇し、これらの作用で触媒からの硫黄の脱離が促進され、硫黄被毒が解消される。とくにこの再生制御時に吸気行程と圧縮行程とに分割して燃料を噴射するようにインジェクタを制御することにより、点火プラグ付近等に局部的にリッチな混合気が形成されるとともにそれ以外の燃焼室全体にリーンな混合気が形成されて、排気中のCOを増加するとともに排気温度を高める作用が、良好に得られる。
【0010】
そして、このような再生制御時にも前記公報に示される従来技術のように運転状態が不安定になるようなことはなく、かつ、COは生成されるが未燃ガスの排出は少なくて燃費の悪化は比較的小さく抑えられる。
【0011】
また、このような再生制御は、リーンNOx触媒が所定の硫黄吸収状態になるとともに、エンジンの温間時で、エンジンの運転状態が中回転域内の中負荷運転領域であって点火前の筒内空燃比が理論空燃比に設定される運転領域にあるときに行われ、つまり走行中の使用頻度が高く、かつ排気温度が比較的高くなるような運転状態のときに行われるため、所定の硫黄吸収状態となってから短い期間内に硫黄被毒の解消が効率良く行われる。
【0018】
さらに上記再生制御手段は、再生制御時に、上記インジェクタの制御に加え、点火時期をリタードするようになっていれば、点火時期のリタードによっても排気温度が上昇するため、硫黄の脱離が促進される。とくに、再生制御が行われるのは燃焼安定性の高い中回転域内であるので、点火時期のリタードが有効に行われる。
【0019】
また、再生制御手段は、再生制御時に、上記インジェクタの制御に加え、排気ガスの一部を吸気系に還流させる排気還流手段を、排気還流率が低減するように制御するようになっていれば、この排気還流率の低減によっても排気温度が上昇するため、硫黄の脱離が促進される。とくに、中回転域で例えば吸気行程の分割噴射(請求項3)等で燃焼性が向上されつつ比較的多量のEGRが行われているような場合には、排気温度上昇の手段として排気還流率の低減が有効なものとなる。
【0020】
また、エンジンの温間時でエンジンの運転状態が中回転域内の所定運転領域にあって、かつ、リーンNOx触媒がNOx吸収性を阻害する所定の硫黄吸収状態となるという条件下でも、リーンNOx触媒の温度が硫黄脱離性能の高い所定温度域に達しているときは、上記再生制御手段による再生制御を停止するようにしておけばよい。つまり、中回転域でも、例えば高負荷高回転から移行した直後や、再生制御の途中等に、リーンNOx触媒の温度が硫黄脱離性能の高い所定温度域に達することがあり、このような場合は上記再生制御手段による再生制御を停止しても硫黄の脱離は可能であり、かつ、再生制御によって排気温度が上昇しすぎることが避けられる。
【0021】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は本発明が適用される直噴エンジンの全体構造を概略的に示したものである。この図において、エンジン本体10は複数の気筒12を有し、各気筒12には、そのシリンダボアに挿入されたピストン14の上方に燃焼室15が形成されており、この燃焼室15には吸気ポート及び排気ポートが開口し、これらのポートは吸気弁17及び排気弁18によってそれぞれ開閉されるようになっている。
【0022】
上記燃焼室15の中央部には点火プラグ20が配設され、そのプラグ先端が燃焼室15内に臨んでおり、この点火プラグ20に、点火コイル等からなる点火回路21が接続されている。また、燃焼室15内には側方からインジェクタ22の先端部が臨み、このインジェクタ22から燃焼室15内に直接燃料が噴射されるようになっている。上記インジェクタ22には図外の高圧燃料ポンプ、プレッシャレギュレータ等を具備する燃料回路が接続され、各気筒のインジェクタ22に燃料が供給されるとともにその燃圧を圧縮行程における筒内圧力よりも高い所定圧力となるように燃料回路が構成されている。
【0023】
上記エンジン本体10には吸気通路24及び排気通路34が接続されている。上記吸気通路24には、その上流側から順に、エアクリーナ25、吸入空気量検出手段としてのエアフローセンサ26、モータ27により駆動されるスロットル弁28及びサージタンク30が設けられており、上記スロットル弁28及びこれを駆動するモータ27により吸入空気量調節手段が構成されている。
【0024】
サージタンク30の下流には気筒別の独立吸気通路が設けられ、各独立吸気通路が吸気ポートに連通している。当実施形態では、各独立吸気通路の下流側部分が第1,第2の通路31a,31bに分岐し、その下流の2つの吸気ポートが燃焼室に開口するとともに、第2の通路31bにスワール生成用のコントロール弁32(以下、S弁32と呼ぶ)が設けられている。
【0025】
上記S弁32はアクチュエータ33により駆動されて開閉作動するもので、このS弁32により第2の通路31bが閉じられたときは第1の通路31aを通る吸気によって燃焼室15内にスワールが生成され、S弁32が開かれるにつれてスワールが弱められるようになっている。
【0026】
また、上記排気通路34には、排気ガス浄化のため三元触媒35とリーンNOx触媒36とが配設されている。上記三元触媒35は、一般に知られているように、理論空燃比及びその付近の空燃比でHC,CO及びNOxに対して高い浄化性能を有するものである。
【0027】
また、上記リーンNOx触媒36は、空燃比が理論空燃比よりもリーンなリーン運転状態でもNOx浄化性能を有するものであって、酸素過剰雰囲気で排気ガス中のNOxを吸収し、空燃比がリッチ側に変化して酸素濃度が低下したとき、吸収していたNOxを放出するとともに、雰囲気中に存在するCO等の還元材によりNOxを還元させるようになっている。
【0028】
より詳しく説明すると、上記リーンNOx触媒36は、コージェライト製ハニカム構造体等からなる担体の上にNOx吸収材層と触媒材層とが前者を下(内側)、後者を上(外側)にして層状に形成されたものである。上記NOx吸収材層は、比表面積の大きな活性アルミナにPt成分とNOx吸収材としてのBa成分とを担持させたものを主成分として構成されている。また、触媒材層は、ゼオライトを担持母材としてこれにPt成分及びRh成分を担持させてなる触媒材を主成分として構成されている。なお、上記触媒材層の上にセリア層を形成してもよい。
【0029】
さら排気通路34と吸気通路24との間には、排気ガスの一部を吸気系に還流させるEGR装置(排気還流手段)が設けられ、このEGR装置は、排気通路34と吸気通路24とを接続するEGR通路37と、このEGR通路37に介設されたEGR弁38とを備えている。上記EGR弁38はアクチュエータ39(図5参照)により駆動されて開閉作動するようになっている。
【0030】
このエンジンには、上記エアフローセンサ26の他、サージタンク30内の吸気負圧を検出するブーストセンサ40、スロットル開度を検出するスロットル開度センサ41、エンジンのクランク角を検出するクランク角センサ42、アクセル開度(アクセル操作量)を検出するアクセル開度センサ43、吸気温を検出する吸気温センサ44、大気圧を検出する大気圧センサ45、エンジン冷却水温を検出する水温センサ46、排気ガス中の酸素濃度の検出によって空燃比を検出するO2 センサ47、EGR弁のリフト量を検出するEGR弁リフトセンサ48、インジェクタ22に与えられる燃料の燃圧を検出する燃圧センサ49等のセンサ類が装備され、これらセンサの出力信号(検出信号)がECU(コントロールユニット)50に入力されている。
【0031】
上記ECU50は、インジェクタ22からの燃料噴射量及び噴射タイミングを制御するとともに、スロットル弁28を駆動するモータ27に制御信号を出力することによりスロットル弁28の制御を行ない、また、点火回路21に制御信号を出力することにより点火時期を制御し、さらに、EGR弁38の制御も行なうようになっている。なお、この他にS弁32の制御等も上記ECU50により行なわれる。
【0032】
当実施形態の筒内噴射式エンジンの基本的な制御としては、上記インジェクタ22からの燃料噴射時期及び空燃比等が異なる各種運転モードが選択可能とされ、運転領域によって運転モードが変更されるようになっており、例えば温間時には図2に示すようなマップに基づいて運転領域に応じた運転モードの選択が行われる。
【0033】
すなわち、温間時には、低負荷低回転側の特定運転領域が成層燃焼領域A、それ以外の領域が均一燃焼領域Bとされる。そして、成層燃焼領域Aでは、上記インジェクタ22から圧縮行程の後期に燃料が噴射されることにより、点火プラグ20付近に混合気が偏在する成層状態で燃焼が行なわれるような成層燃焼モードとされ、この場合、スロットル弁28の開度が大きくされて吸入空気量が多くされることにより燃焼室全体の空燃比としては大幅なリーン状態(例えば30以上)とされる。一方、均一燃焼領域Bでは、上記インジェクタ22から吸気行程の前期に燃料が噴射されることにより、燃焼室15全体に均一に混合気が拡散する状態で燃焼が行なわれる均一燃焼モードとされる。この均一燃焼モードでは空気過剰率λがλ=1、つまり理論空燃比(A/F=14.7)とされる。なお、均一燃焼領域Bのうち、アクセル全開域やその付近の高負荷域及び高回転域では、空燃比を理論空燃比よりもリッチ(λ<1)に設定しておいてもよい。
【0034】
また、冷間時には、全運転領域で、空燃比が理論空燃比もしくはそれよりリッチ(λ≦1)の均一燃焼とされる。
【0035】
上記ECU50は、インジェクタ22からの燃料噴射を制御する噴射制御手段51、EGR弁38を制御することによってEGR量を制御するEGR制御手段52、点火回路21を介して点火時期を制御する点火時期制御手段53を有するとともに、運転状態検出手段54、硫黄吸収状態検出手段55及び再生制御手段56を有している。
【0036】
上記運転状態検出手段54は、クランク角信号の周期の計測等から求められるエンジン回転数とアクセル開度等から求められるエンジン負荷とに基づき、エンジンの運転状態を検出するようになっている。また、上記硫黄吸収状態検出手段55は、リーンNOx触媒36の硫黄吸収状態を検出し、例えば、後述のフローチャート中に示すような手法で硫黄吸収量を推定するようになっている。
【0037】
上記再生制御手段56は、温度状態検出手段としての水温センサ46によるエンジンの温度状態の検出と、運転状態検出手段54による運転状態の検出と、硫黄吸収状態検出手段55による硫黄吸収状態の検出とに基づき、エンジンの温間時で運転状態が図2中に示すような中回転域内の所定運転領域Cにあって、かつ、リーンNOx触媒36がNOx吸収性を阻害する所定の硫黄吸収状態となったとき、リーンNOx触媒36から硫黄を脱離させる再生制御を行う。
【0038】
上記所定運転領域Cは、エンジン回転数Neが第1設定回転数N1と第2設定回転数N2との間にあり、かつ、エンジン負荷(平均有効圧力Pe)が第1の関数f(Pe1)で表される曲線と第2の関数f(Pe2)で表される曲線との間にある中回転中負荷領域であり、均一燃焼領域Bと成層燃焼領域Aの各一部を含んでいる。この領域Cは、温間時にリーンNOx触媒36の温度(排気ガス温度)が、硫黄脱離性能の高い温度までは達しなくても比較的高温となって、上記再生制御により硫黄脱離性能の高い温度に比較的容易に到達するような温度状態が得られるとともに、車両の走行中に使用頻度が高い領域である。
【0039】
上記所定運転領域Cの負荷の下限側を定める上記第1の関数f(Pe1)は、ロードロードライン(R/L)よりも多少低負荷側に設定されており、従って、中回転域におけるロードロードライン付近の運転域は上記所定運転領域Cに含まれる。なお、図2において、第3の関数f(Pe3)及び第4の関数f(Pe4)で定められた境界よりも高負荷側の領域は、排気ガス温度が高くて上記再生制御を行わなくてもリーンNOx触媒36の温度が硫黄脱離性能の高い温度域に達する領域である。
【0040】
上記再生制御手段56による再生制御としては、排気温度の上昇及び排気ガス中のCOの増加を図るべく、空燃比を略理論空燃比もしくはそれより多少リッチとしつつ、噴射開始が吸気行程後期以降の燃料噴射を行わせ、特に好ましくは、燃料噴射を複数回に分割して、そのうちの後の噴射を吸気行程後期以降(例えば圧縮行程)に行わせるように、噴射制御手段51を介してインジェクタ22の作動を制御する。すなわち、図3に示すように、成層燃焼領域Aでは、空燃比がリーンとされつつ、噴射タイミングINJDが圧縮行程後期に設定された燃料噴射により成層燃焼が行われ、均一燃焼領域Bでは、空燃比が理論空燃比とされつつ、噴射タイミングINJPが吸気行程前期に設定された燃料噴射により均一燃焼が行われるが、上記所定運転領域Cでの再生制御時には、空燃比が略理論空燃比もしくはこれより多少リッチとされつつ分割噴射が行われ、例えば噴射タイミングINJPS,INJDSが吸気行程前期と圧縮行程中期とに設定された2回の分割噴射が行われる。
【0041】
上記噴射タイミングとは、噴射開始のタイミングを意味する。
【0042】
また、再生制御手段56はこのような燃料噴射の制御に加え、EGR弁開度を小さくすることによりEGR率を低減すように、EGR制御手段52を介してEGR弁38を制御し、さらに、点火時期をリタードように点火時期制御手段53を介して点火回路21を制御するようになっている。
【0043】
上記ECU50による制御の具体例を、図4〜図6のフローチャートによって説明する。
【0044】
このフローチャートに示す処理がスタートすると、先ず図4のステップS1でアクセル開度、クランク角信号の周期計測値、エアフローセンサ26の計測値及び水温等の信号が入力され、続いてステップS2で水温が所定値以上の温間時か否かが判定される。そして、冷間時であれば、冷間時のマップに基づく燃料噴射量等の制御が行われる(ステップS3)。
【0045】
温間時であれば、続いてステップS4で再生制御許可フラッグFSREが「1」か否かが判定される。
【0046】
上記フラッグFSREが「1」でなければ、温間時の通常の燃料制御等が行われる。すなわち、ステップS5で、上記周期計測値から求められるエンジン回転数と上記アクセル開度等から求められるエンジン負荷とによるエンジン運転状態が図2中の成層燃焼領域Aにあるか否かが判定される。成層燃焼領域Aにあることが判定されれば、圧縮行程噴射の噴射量QDが算出され(ステップS6)、それに応じた噴射パルス幅TDと噴射タイミングINJDとが算出される(ステップS7)とともに、EGR弁開度EGRVがエンジン回転数Ne及び負荷Peに応じて求められ(ステップS8)、さらに点火タイミング(Igタイミング)IGTがエンジン回転数及Neび負荷Peに応じて求められる(ステップS9)。
【0047】
そして、EGR制御タイミングとなれば上記EGR弁開度EGRVとなるようにEGR弁38が制御され(ステップS10,S11)、噴射タイミングINJDとなれば上記パルスTDでインジェクタ22からの燃料噴射が実行され(ステップS12,S13)、点火タイミングIGTなれば点火が実行される(ステップS14,S15)。
【0048】
さらに、成層燃焼時にリーンNOx触媒に硫黄が吸収されるので、硫黄吸収量GSAの推定が行われる(ステップS16)。この硫黄吸収量GSAの推定の仕方としては、例えば、エンジン回転数Ne及び負荷Peに応じてマップから単位期間当りの量fSA(Ne,Pe)が求められ、これが累計される。そして、上記硫黄吸収量GSAが設定値KSA以上となったか否かが判定され(ステップS17)、設定値KSAに達していなけばそのままリターンされるが、設定値以上になれば再生制御許可フラッグFSREが「1」にセットとされてから(ステップS18)、リターンされる。
【0049】
上記ステップS5で成層燃焼領域にないことが判定されたときは、吸気行程噴射の噴射量QPが算出され(ステップS19)、それに応じた噴射パルス幅TPと噴射タイミングINJPとが算出される(ステップS20)とともに、EGR弁開度EGRVがエンジン回転数Ne及び負荷Peに応じて求められ(ステップS21)、さらに点火タイミング(Igタイミング)IGTがエンジン回転数及Neび負荷Peに応じて求められる(ステップS22)。
【0050】
そして、EGR制御タイミングとなれば上記EGR弁開度EGRVとなるようにEGR弁38が制御され(ステップS23,S24)、噴射タイミングINJPとなれば上記パルスTPでインジェクタ22からの燃料噴射が実行され(ステップS25,S26)、点火タイミングIGTなれば点火が実行される(ステップS27,S28)。
【0051】
さらに、負荷PeがPe≧f(Pe3)かつPe≧f(Pe4)となる高負荷領域か否かが判定され(ステップS29)、この判定がNOであればそのままリターンし、YESであれば後記の硫黄脱離度推定(ステップS43)等の処理に移る。このような高負荷領域にあれば再生制御を行わなくても触媒温度が充分に高くなって、硫黄の脱離が行われるためである。
【0052】
また、上記ステップS4で再生制御許可フラッグFSREが「1」であると判定されたときは、それに続くステップS30で、N1≦Ne≦N2かつf(Pe4)≦Pe≦f(Pe3)の所定運転領域Cにあるか否かが判定され、所定運転領域になければステップS19以降の処理に移る。
【0053】
ステップS30で所定運転領域Cにあることが判定されたときは、図6のステップS31以降の再生制御に移行する。
【0054】
すなわち、ステップS31で理論空燃比もしくはこれより多少リッチな空燃比となるように噴射量QPが算出され、続いてステップS32で吸気行程と圧縮行程の分割噴射を行うようにその各噴射パルス幅TPS,TDS及び噴射タイミングINJPS,INJDSが算出される。この場合、噴射パルス幅は噴射量QPをパルス幅に換算した値f(QP)と分割比aとから、TPS=f(QP)×a,TDS=f(QP)×(1−a)と演算される。
【0055】
続いてステップS33,S34でEGR弁開度EGRVの算出及び点火タイミングIGTの算出が行われる。この場合、EGR弁開度EGRVは、エンジン回転数及び負荷に応じた値fEGRP(Ne,Pe)に1より小さい補正係数KEGRが掛けられることにより、通常運転時よりも小さい値とされる。また、点火タイミングIGTは、エンジン回転数及び負荷に応じた進角値fIGTP(Ne,Pe)からリタード補正量KIGが減じられることにより、通常運転時よりリタードされる。
【0056】
そして、EGR制御タイミングとなれば上記EGR弁開度EGRVとなるようにEGR弁38が制御され(ステップS35,S36)、分割噴射のうちの先の噴射タイミングINJPSとなればパルス幅TPSでインジェクタ22からの燃料噴射が実行され(ステップS37,S38)、後の噴射タイミングINJDSとなればパルス幅TDSでインジェクタ22からの燃料噴射が実行され(ステップS39,S40)、点火タイミングIGTなれば点火が実行される(ステップS41,S42)。
【0057】
さらに、上記ステップS31〜S42の再生制御によりリーンNOx触媒から硫黄が脱離されるので、硫黄脱離度SREの推定が行われる(ステップS43)。この硫黄脱離度SREの推定の仕方としては、例えば、エンジン回転数Ne及び負荷Peに応じてマップから単位期間当りの量fSRE(Ne,Pe)が求められ、これが累計される。そして、上記硫黄脱離度SREが設定値KSRE以上となったか否かが判定され(ステップS44)、設定値KSREに達していなけばそのままリターンされるが、設定値KSRE以上になれば、再生制御許可フラッグFSREが「0」にリセットとされる(ステップS45)とともに、硫黄吸収量GSA及び硫黄脱離度SREの各推定値が「0」にリセットされてから(ステップS46)、リターンする。
【0058】
以上のような当実施形態の装置を備えた直噴エンジンにおいては、成層燃焼領域で空燃比がリーンとされつつ成層燃焼が行われているとき、リーンNOx触媒によって排気ガス中のNOxが吸収されるが、燃料やエンジンオイルに硫黄成分が含まれている場合に排気ガスに混在するSOxも上記リーンNOx触媒に吸収される。そして、成層燃焼領域から均一燃焼領域への移行等により空燃比がリッチ側に変更されると、それに伴いNOxはリーンNOx触媒から放出されてCO,HC等の還元材で還元されるが、SOxは容易には脱離されない。
【0059】
つまり、NOxの吸収と放出、還元の機能は触媒温度が250°C程度から500°C程度までの範囲で良好に発揮されるが、硫黄脱離機能は触媒温度が500°C乃至550°C程度以上にまで上昇しないと充分に発揮されない。そして、高負荷側の一部の領域を除く大部分の運転領域では、触媒温度(排気ガス温度)がNOxの吸収及び放出、還元の機能を満足する程度までは上昇しても、硫黄脱離機能を満足する温度までは上昇し難い。このため、通常の運転状態では次第にリーンNOx触媒の硫黄吸収量が増大し、NOx吸収機能を阻害するようになる。
【0060】
そこで、リーンNOx触媒の硫黄吸収量GSAが設定値KSA以上に大きくなった場合において、温間時で所定運転領域Cにあるとき、強制的に触媒温度を上昇させて硫黄を脱離させる再生制御が行われる。
【0061】
すなわち、上記再生制御として、先ず第1に、空燃比が略理論空燃比もしくはそれよりリッチとされつつ、インジェクタからの燃料噴射が吸気行程と圧縮行程とに分割して行われる。この分割噴射によると、後の噴射により点火プラグ付近に局部的にリッチな混合気が形成されて、着火直後の燃焼速度は速くなるが、酸素が少ないことからその燃焼によりCOが発生し易くなり、また、先の噴射により燃焼室周辺部に均一でリーンな混合気が形成されて、燃焼期間の後半において燃焼が緩慢になり、点火時期をリタードとさせたのと同様の効果が得られて、排気温度が高められる。
【0062】
そして、排気温度が高められることでリーンNOx触媒が硫黄脱離性能の高い温度域になるように加熱され、また排気中のCOはSOxよりもリーンNOx触媒に吸収され易くて、SOxの代わりにリーンNOx触媒に吸収されることでNOxの脱離を促す作用を有する。このように、上記分割噴射による排気中のCOの増加と排気温度の上昇とにより、リーンNOx触媒からのSOxの脱離が促進される。
【0063】
さらに再生制御としては、通常時よりもEGRが減量されて、EGRによる温度低下が抑制されることによっても排気温度が上昇され、また、点火時期のリタードによっても排気温度が上昇する。従って、上記分割噴射に加えてEGR量の減量や点火時期のリタードが行われることで速やかに触媒温度が硫黄脱離機能を満足する範囲まで上昇し、触媒の硫黄被毒の解消に要する時間を短くすることができる。
【0064】
また、このような再生制御が温間時で、かつ中回転中負荷の所定運転領域Cにおいて行われることにより、リーンNOx触媒の硫黄被毒の解消が効果的に達成される。すなわち、温間時で、かつ中回転中負荷の所定運転領域Cにあれば、低回転低負荷時と比べると触媒温度が高くて、硫黄脱離性能を満足する温度に近い温度になっているため、上記のような再生制御で触媒温度が速やかに硫黄脱離機能を満足する触媒温度まで上昇し、硫黄被毒の解消を短時間で達成し、再生制御による燃費の悪化を極力少なく抑えることができる。
【0065】
しかも、上記中回転中負荷の所定運転領域Cは、使用頻度が比較的高い運転領域であるため、リーンNOx触媒の硫黄吸収量GSAが設定値KSA以上に大きくなった後、比較的短い期間内に運転状態が上記所定運転領域Cに入る可能性が高く、硫黄被毒の解消が適正に行われる。
【0066】
なお、本発明の具体的構成は上記実施形態に限定されず、種々変更可能であり、以下に他の実施形態を列挙する。
【0067】
▲1▼上記実施形態では、所定運転領域Cでの再生制御時に、吸気行程と圧縮行程の分割噴射を行っているが、その代わりに、図3中に二点鎖線で示すように吸気行程後期乃至圧縮行程の期間内に一括に燃料を噴射するようにしてもよい。要するに、空燃比を略理論空燃比もしくはこれより多少リッチとしつつ、少なくとも吸気行程後期以降の噴射を含む分割噴射もしくは一括噴射を行うことにより、燃焼室内に局部的に混合気がリッチな部分とリーンな部分とが存在する状態で燃焼が行われ、これによって排気中のCOが増加するとともに排気温度が上昇し、リーンNOx触媒からの硫黄の脱離を促進する作用が得られる。
【0068】
▲2▼温間時における通常運転時の制御は、図7のような領域設定に基づいて行うようにしてもよい。
【0069】
同図に示す例でも、低負荷低回転側の特定運転領域が成層燃焼領域A、これより高負荷側及び高回転側の領域が均一燃焼領域とされ、均一燃焼領域のうちでアクセル全開域やその付近の高負荷域及び高回転域B3では空燃比がエンリッチ(λ<1)に設定され、それ以外の領域では理論空燃比(λ=1)とされるが、そのλ=1の均一燃焼領域のうち、低回転域B1で吸気行程一括噴射が行われる一方、中,高回転域B2で吸気行程分割噴射が行われる。
【0070】
上記吸気行程分割噴射は、図8に示すようにインジェクタからの燃料噴射を吸気行程の期間内に複数回(例えば2回)に分割して行うものであり、このように吸気行程分割噴射を行うと燃料の分散及びミキシングが促進されることにより燃焼効率が高められ、燃費が改善される。
【0071】
また、図7中の破線はEGRを行う運転領域の限界を示すもので、これより低負荷側、低回転側の領域でEGRが行われる。
【0072】
温間時の通常運転時の制御がこのような設定に基づいて行われる場合でも、温間時で中回転、中負荷の所定運転領域Cにあって、かつ、リーンNOx触媒36がNOx吸収性を阻害する所定の硫黄吸収状態となったとき、再生制御として吸気行程後期以降の燃料噴射(例えば図3中に示すような吸気行程と圧縮行程の分割噴射)が行われ、さらに必要に応じてEGR量の減量や、点火時期のリタードが行われる。
【0073】
この例によると、通常運転時に、成層燃焼領域Aで成層燃焼が行われるとともに、λ=1の均一燃焼領域のうちの中,高回転域B2で吸気行程分割噴射が行われることにより、燃費改善効果が高められる。そして、このように燃費改善に有利な設定とされつつ、リーンNOx触媒36が所定の硫黄吸収状態となったとき、吸気行程後期以降の燃料噴射(例えば吸気行程と圧縮行程の分割噴射)により、排気中のCOが増量されるとともに排気温度が高められ、さらにEGR量の減量や点火時期のリタードによっても排気温度が高められ、これらの作用でリーンNOx触媒36の硫黄被毒が速やかに解消される。
【0074】
▲3▼上記の図4〜図6に示す例では、温間時で中回転、中負荷の所定運転領域Cにあって、かつ、リーンNOx触媒36が所定の硫黄吸収状態となるという再生制御条件の成立時に、再生制御として、吸気行程,圧縮行程の分割噴射とする燃料噴射形態の制御と、EGRを減量する制御と、点火時期をリタードする制御とを全て行っているが、上記再生制御条件の成立時に、触媒温度もしくは排気温度を検出し、その温度が所定温度(硫黄脱離性能の高い温度域よりも低い温度)以下のときは上記各制御を全て行い、触媒温度が硫黄脱離性能の高い温度域に近づくにつれて燃料噴射形態、EGR、点火時期のうちの1つもしくは2つを通常時の状態に戻すようにして、排気温度上昇を調整するようにしてもよい。
【0075】
また、上記再生制御条件の成立時に触媒温度が硫黄脱離性能の高い温度域内にある時、あるいは再生制御中に触媒温度が硫黄脱離性能の高い温度域内まで上昇したとき、再生制御を停止して、インジェクタからの燃料噴射を吸気行程の前期乃至中期の期間内に行わせ、例えば図2中の通常運転時における領域Bでの噴射形態である吸気行程一括噴射、あるいは図7中の通常運転時における領域B2での噴射形態である吸気行程分割噴射とするように制御してもよい。このようにすれば、必要以上に排気温度や触媒温度が上昇することが避けられる。
【0076】
【発明の効果】
以上のように本発明は、リーンNOx触媒を備えた火花点火式直噴エンジンにおいて、エンジンの温間時でエンジンの運転状態が中回転域内の所定運転領域にあって、かつ、リーンNOx触媒が所定の硫黄吸収状態となったとき、再生制御として、空燃比を略理論空燃比もしくはそれより小さくしつつ、インジェクタから吸気行程後期以降の燃料噴射を行わせるようにしているため、運転状態及び燃費等を良好に保ちつつ、リーンNOx触媒の硫黄被毒の解消を効果的に行うことができる。
【0077】
つまり、直噴エンジンのインジェクタから吸気行程後期以降の燃料噴射を行わせるようにすると、燃焼室内にリッチな部分とリーンな部分とが存在する状態で燃焼が行われて、排気中のCOが増加するとともに排気温度が上昇することから、リーンNOx触媒が所定の硫黄吸収状態となった場合にこのような制御を行うことにより、効果的に触媒からの硫黄の脱離を促進することができる。しかも、燃焼安定性を良好に保つとともに、燃費の悪化を小さく抑えることができる。
【0078】
そして、走行中の使用頻度が高く、かつ排気温度が比較的高い状態のときにこのような再生制御を行うことにより、所定の硫黄吸収状態となってから短い期間内に、硫黄被毒の解消を速やかに行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の装置の一実施形態を示す全体概略図である。
【図2】燃料噴射の制御などのための運転領域の設定を示す説明図である。
【図3】成層燃焼領域、均一燃焼領域及び所定運転領域での再生制御時における燃料噴射のタイミング等を示す説明図である。
【図4】制御の具体例を示すフローチャートを3分割したうちの第1の部分である。
【図5】上記フローチャートの第2の部分である。
【図6】上記フローチャートの第3の部分である。
【図7】本発明の別の実施形態による運転領域の設定を示す説明図である。
【図8】図7中の均一燃焼領域における中,高回転領域で行われる吸気行程分割噴射の噴射タイミングなどを示す説明図である。
【符号の説明】
10 エンジン本体
15 燃焼室
20 点火プラグ
21 点火装置
22 インジェクタ
36 リーンNOx触媒
38 EGR弁
50 ECU
54 運転状態検出手段
55 硫黄吸収状態検出手段
56 再生制御手段
Claims (4)
- 酸素過剰雰囲気でNOxを吸収して酸素濃度が減少するに伴いNOxを放出するリーンNOx触媒をエンジンの排気通路に具備するとともに、燃焼室に直接燃料を噴射するインジェクタを備えた火花点火式直噴エンジンにおいて、エンジンの温度状態を検出する温度状態検出手段と、エンジンの運転状態を検出する運転状態検出手段と、リーンNOx触媒の硫黄吸収状態を検出する硫黄吸収状態検出手段と、これらの検出手段による検出に基づき、エンジンの温間時で、エンジンの運転状態が中回転域内の中負荷運転領域であって点火前の燃焼室内空燃比が理論空燃比に設定される運転領域にあり、かつ、リーンNOx触媒がNOx吸収性を阻害する所定の硫黄吸収状態となったとき、リーンNOx触媒から硫黄を脱離させる再生制御として、点火前の燃焼室内空燃比を略理論空燃比もしくはそれより小さくしつつ吸気行程と圧縮行程とに分割して燃料を噴射するように上記インジェクタを制御する再生制御手段とを備えたことを特徴とする火花点火式直噴エンジンの制御装置。
- 上記再生制御手段は、再生制御時に、上記インジェクタの制御に加え、点火時期をリタードすることを特徴とする請求項1記載の火花点火式直噴エンジンの制御装置。
- 上記再生制御手段は、再生制御時に、上記インジェクタの制御に加え、排気ガスの一部を吸気系に還流させる排気還流手段を、排気還流率が低減するように制御することを特徴とする請求項1又は2に記載の火花点火式直噴エンジンの制御装置。
- エンジンの温間時で、エンジンの運転状態が中回転域内の中負荷運転領域であって点火前の燃焼室内空燃比が理論空燃比に設定される運転領域にあり、かつ、リーンNOx触媒がNOx吸収性を阻害する所定の硫黄吸収状態となるという条件下でも、リーンNOx触媒の温度が硫黄脱離性能の高い所定温度域に達しているときは、上記再生制御手段による再生制御を停止することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の火花点火式直噴エンジンの制御装置。
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