JP2019052607A - オゾン添加システム - Google Patents

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Tadashi Matsumoto
匡史 松本
大 長田
Masaru Osada
大 長田
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Abstract

【課題】内燃機関において低温酸化反応をより早期に開始することのできるオゾン添加システムを提供する。【解決手段】このオゾン添加システムは、吸気と燃料とを含む混合気を燃焼させる内燃機関と、内燃機関に吸気を導入する吸気管と、吸気にオゾンを混合させるためにオゾンを供給するオゾン供給部と、吸気にオゾンが供給される前、またはオゾンが供給された後において、吸気の温度を調整する温度調整部と、オゾン供給部および温度調整部の動作を制御する制御部と、を備える。制御部は、オゾン供給部が吸気にオゾンを供給する条件下において、内燃機関の状態に応じて吸気の温度を、オゾンが供給されない条件下に対して異なるように調整する。【選択図】図1

Description

この明細書の開示は、内燃機関の吸気にオゾンを添加するオゾン添加システムに関する。
内燃機関における混合気の燃焼は、空気に含まれる酸素と燃焼に含まれる炭化水素との酸化反応である。特許文献1では、低温酸化反応を通常燃焼よりも早期に開始させて着火性能を向上させるために、吸気にオゾンを添加することが提案されている。
特開2015−124764号公報
しかしながら、ただオゾンを供給するたけでは低温酸化反応が継続する期間が比較的短く、着火性能の向上には不十分である。
そこで、この明細書の開示は、内燃機関において低温酸化反応をより早期に開始することのできるオゾン添加システムを提供することを目的とする。
この明細書の開示は、上記目的を達成するために以下の技術的手段を採用する。なお、特許請求の範囲およびこの項に記載した括弧内の符号は、ひとつの態様として後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものであって、発明の技術的範囲を限定するものではない。
上記目的を達成するために、この明細書に開示されるオゾン添加システムは、吸気と燃料とを含む混合気を燃焼させる内燃機関(10)と、内燃機関に吸気を導入する吸気管(20)と、吸気にオゾンを混合させるためにオゾンを供給するオゾン供給部(30)と、吸気にオゾンが供給される前、またはオゾンが供給された後において、吸気の温度を調整する温度調整部(13,14,50,51,71,72,74)と、オゾン供給部および温度調整部の動作を制御する制御部(40)と、を備え、制御部は、オゾン供給部が吸気にオゾンを供給する条件下において、内燃機関の状態に応じて吸気の温度を、オゾンが供給されない条件下に対して異なるように調整する。
これによれば、混合気にオゾンが供給された条件下において、オゾンが含まれない燃焼に較べて低温酸化反応が生じやすい混合気を作り出すことができる。すなわち、内燃機関における着火性能を向上することができる。
第1実施形態に係るオゾン添加システムの概略構成を示すブロック図である。 内燃機関の概略構成を示す断面図である。 オゾン供給部の概略構成を示すブロック図である。 制御部の動作フローを示すフローチャートである。 吸気を昇温することによる効果を示す図である。 吸気を昇温することによる効果を示す図である。 第2実施形態に係るインタークーラバイパス弁の周辺の構成を示す図である。 第4実施形態に係るオゾン添加システムの概略構成を示すブロック図である。 第5実施形態に係るオゾン添加システムの概略構成を示すブロック図である。
以下に、図面を参照しながら本開示を実施するための複数の形態を説明する。各形態において先行する形態で説明した事項に対応する部分には同一の参照符号を付して重複する説明を省略する場合がある。各形態において構成の一部のみを説明している場合は、構成の他の部分については先行して説明した他の形態を適用することができる。各形態で具体的に組み合わせが可能であることを明示している部分同士の組み合わせばかりではなく、特に組み合わせに支障が生じなければ、明示していなくても形態同士を部分的に組み合せることも可能である。
(第1実施形態)
最初に、図1および図2を参照して、本実施形態に係るオゾン添加システムの概略構成について説明する。
図1に示すように、オゾン添加システム100は、車両に組み込まれるシステムであり、内燃機関10と、吸気管20と、オゾン供給部30と、制御部40とを備えている。また、オゾン添加システム100は、インタークーラ50を備えている。そのほか、オゾン添加システム100は、排気管60、ターボチャージャに付随するコンプレッサ62およびタービン64、スロットルバルブ66、エアクリーナ68、触媒70、排気再循環(EGR)の機構に付随するEGRクーラ72およびEGRバルブ74を備えている。本実施形態では、これらの構成要素のうち、インタークーラ50が特許請求の範囲に記載の温度調整部に相当する。
内燃機関10は、例えばガソリンで駆動するものであり、直噴であるか否かは問わない。またディーゼルエンジンであっても良い。直噴のガソリンエンジンであることを例にすれば、本実施形態における内燃機関10は、図2に示すように、気筒(シリンダ)11と、気筒11内を滑動するピストン12と、吸気管20から気筒11に流れ込む気体の流通を制御する吸気弁13と、気筒11から排気管60へ流れ出る気体の流通を制御する排気弁14と、気筒11内の気体に点火する点火プラグ15と、気筒11内に燃料を噴射するインジェクタ16と、を有している。例えば4ストロークエンジンでは、吸気弁13を開放して吸気するとともにインジェクタ16からガソリン燃料を噴射して混合気とする。その後、ピストン12が下死点から上死点へ近づくにつれて混合気を圧縮する。そして、運転条件に応じて予め設定された所定のタイミングで点火プラグ15による点火を行い気筒11内の気体の膨張によってピストン12が上死点から下死点に向かって運動する。その後、下死点から上死点に戻る段階で排気弁14を開放して気筒11内に残留する気体の排気を行う。
燃料(例えば主成分をオクタンC18とするもの)と酸素の混合気が燃焼するとき、通常は混合気の温度が850K程度から酸化反応が開始される。これは燃焼初期に生じる低温酸化反応であり、燃焼は低温酸化反応の時期を経て、主反応である高温酸化反応へ遷移する。一方、混合気にオゾンを添加するシステムにおいては、オゾンが分解されることによって生じる酸素ラジカルの存在によって低温酸化反応を生じやすい状況を気筒11内に作り出すことができる。
吸気管20は、気筒11内に車両外部に存在する空気を取り込むための管材である。図1に示すように、吸気管20には、内燃機関10に近い側から順に、オゾン供給部30、インタークーラ50、スロットルバルブ66、コンプレッサ62、およびエアクリーナ68が配置されている。酸素を含む空気は、車両外部に露出した開口部から吸気管20に吸入されてエアクリーナ68が介されることによって塵埃等が除去される。その後、空気はターボチャージャのコンプレッサ62で圧縮される。内燃機関10に向かう空気の量はスロットルバルブ66により調整されつつインタークーラ50に向かう。コンプレッサ62によって圧縮された空気は温度が上昇するが、インタークーラ50を経ることによって冷却される。その後、オゾン供給部30により空気にオゾンが供給され、内燃機関10における気筒11内にオゾンを有意に含む気体が導入される。オゾン供給部30およびインタークーラ50について、以下詳しく説明する。
オゾン供給部30は、例えば無声放電方式を採用することができる。無声放電方式では、原料となる酸素ガスあるいは乾燥空気を、誘電体が取り付けられた平行電極間に通し、両電極間で放電を生じさせることでオゾンを生成する。オゾン供給部30は、例えば図3に示すように、オゾン流路31と、エアフィルタ32と、エアポンプ33と、オゾン発生器34と、オゾン供給用バルブ35とを有している。オゾン流路31は原料となるガスを取り込むための開口を一端に有するとともに、他端が吸気管20に接続されている。エアフィルタ32は原料を取り込む開口に最も近い側に配置され、エアクリーナ68と同様に塵埃等を除去する機構である。エアポンプ33は原料となるガスをオゾン発生器34側に送り込む機構である。オゾン発生器34は無声放電方式の放電装置であり、その駆動は制御部40により制御されている。オゾン供給用バルブ35は、オゾン発生器34で発生したオゾンを吸気管20に導入するためのバルブであり、制御部40により制御されている。
また、オゾン発生器34による放電方式については、無声放電方式のうち沿面放電を採用することもできる。沿面放電は、誘電体基板を挟んで放電電極と誘導電極とを設け、放電電極と誘電体との間で放電を生じさせるものである。放電によって生じたオゾンは吸気管20のいずれかの箇所で、あるいは気筒11内において空気に混合される。本実施形態におけるオゾン供給部30は、吸気管20のうち、内燃機関10に接続される直前の位置に配置され、燃焼が混合される前の空気にオゾンを供給している。
インタークーラ50は、コンプレッサ62の圧縮によって上昇した空気を冷却するものである。インタークーラ50は熱交換器であり、例えば水冷式を採用することができる。本実施形態では、インタークーラ50の冷却能力が制御部40によって制御されている。すなわち、制御部40は、ラジエータへ導入される冷却水の流量を調整することでインタークーラ50の冷却能力を制御している。制御部40は、冷却水の流量を多くすることでインタークーラ50を経た後の空気の温度をより低くすることができる。逆に、冷却水の流量を少なくすることでインタークーラ50を経た後の空気の温度をより高くすることができる。すなわち、本実施形態におけるインタークーラ50は、インタークーラ50を経た後の空気の温度を調整可能にされている。
本実施形態におけるインタークーラ50は、オゾン供給部30によりオゾンが供給される空気(吸気)の温度を実質的に調整する機能を有しており、特許請求の範囲に記載の温度調整部に相当する。
オゾン供給部30および温度調整部たるインタークーラ50の協業についての詳しい説明は後述する。
内燃機関10による燃焼反応で残留した排ガスは排気管60を通って車両の外部に放出される。排気管60には、内燃機関10に近い側から、ターボチャージャに付随するタービン64と触媒70が配置されている。タービン64は、排ガスの流れを回転のエネルギーに変換してコンプレッサ62に伝達している。触媒70は、例えば三元触媒であり、白金やパラジウムを含む触媒材料をモノリス担体に塗布あるいは吸着させて形成されている。触媒70は、排ガスに含まれる窒素酸化物、一酸化炭素、炭化水素などを、無害な物質に酸化あるいは還元によって変化させる。
図1に示すオゾン添加システム100は、排気再循環(EGR)の機構を有している。すなわち、オゾン添加システム100は、触媒70を経た後の排ガスを吸気管20側に還流させる機構を有している。本実施形態では、排気管60における触媒70の下流側と、吸気管20におけるエアクリーナ68とコンプレッサ62の間とが還流管76で連結されており、排ガスの一部が吸気管20に戻る。還流管76には、EGRクーラ72とEGRバルブ74とが設けられている。EGRクーラ72は、排ガスを吸気に適する温度に冷却する装置である。EGRバルブ74は、排ガスの還流量を調整するバルブである。
ところで、内燃機関10、ターボチャージャ、スロットルバルブ66、インタークーラ50、オゾン供給部30、EGRクーラ72、EGRバルブ74、その他のオゾン添加システム100を構成する要素の制御は制御部40により実現されている。制御部40は、例えばエンジンECUであり、各種センサ42から得られる情報に基づいて、内燃機関10などの各要素を制御している。具体的には、例えばインジェクタ16による燃料噴射のタイミングを制御し、吸気弁13や排気弁14の開閉を制御し、点火プラグ15による着火のタイミングを制御し、スロットルバルブ66の開度を制御し、インタークーラ50の冷却能力を制御し、EGRクーラ72の冷却能力を制御し、EGRバルブ74の開度を制御している。
制御部40に情報を提供する各種センサ42には、例えば、A/F(空燃比)センサ、エンジン回転数センサ、エンジン負荷センサ、吸気温センサ、吸気Oセンサ、吸気圧や気筒内圧やEGRバルブ差圧を検出する各圧力センサ、各部の気体流量を検出するエアフロメータ、クランクセンサ、カムセンサ、冷却水温センサ、EGR温度センサ、吸気湿度センサ、エンジンオイル温センサ、ノックセンサなどがある。各種センサ42には、上記のセンサのほか、種々のセンサを含む。
次に、図4を参照して、本実施形態に係るオゾン添加システム100の制御フローについて説明する。
図4に示すように、まず、ステップS10が実行される。ステップS10は、制御部40に対してオゾン供給の要求がされたか否かを判定するステップである。ステップS10がNO判定となる条件について説明する。ステップS10がNO判定であるとは、車両の状態が、吸気へのオゾンの供給が不要な状態か、あるいはオゾンの供給を禁止すべき状態である。
まず、オゾンの供給が不要である状態とは、オゾンの供給がなくとも良好な燃焼状態を維持できる状態である。具体的には、例えば、点火から気筒11内における熱発生量が所定量に至るまでの時間(初期燃焼期間)が所定時間以内である場合、初期燃焼期間のあと気筒11内における熱発生量が所定量に至るまでの時間(主燃焼期間)が所定時間以内である場合、燃焼安定性(COV:熱発生量のばらつき)が所定のばらつき以内である場合、着火タイミングのばらつきが所定のばらつき以内である場合、気筒11内の圧力のばらつきが所定値以下の場合、クランク角のばらつきが所定値以下の場合、トルクのばらつきが所定値以下の場合、エンジン回転数のばらつきが所定値以下の場合、空燃比(A/F)のばらつきが所定値以下の場合、空燃比が所定値以下の場合、EGR率(吸気に対する排気ガスの還流割合)が所定値以下の場合、エミッション(炭化水素や一酸化炭素、NOxの放出量)が所定値以下の場合などである。
また、オゾンの供給を禁止すべき状態とは、オゾンの供給によって別の問題が発生しうる状態である。具体的には、例えば、吸気弁13が閉じた状態での混合気の温度が所定値以上である場合、4ストロークのうち混合気の圧縮工程開始時における混合気の温度が所定値以上である場合がある。このような状態では、ノッキングが生じる虞があり、オゾン供給による着火性能の向上がノッキングを助長する虞がある。また、ノッキングに関連して、内燃機関10の負荷が高負荷な状態もノッキングの発生の虞があるため、オゾンの供給は好ましくない。また、ノック判定がされた場合も同様である。その他、内燃機関10が停止している状態ではオゾンの供給は禁止すべきである。これは、オゾンは一般に有毒であるため、オゾンを気筒11内に残留させないこと、あるいは残留したオゾンが大気中に漏出することを懸念してのことである。
上記のような条件を満たす場合には、ステップS10はNO判定となり、吸気へのオゾンの供給は行われない。一方、上記のような条件を満たさない場合には、ステップS10はYES判定となり、ステップS11に進む。
ステップS11は、制御部40がオゾン供給量を決定するステップである。制御部40は各種センサ42から得られる情報に基づいてオゾンの供給量を決定する。具体的には、例えば、オゾンは、エンジン回転数が低いほど、内燃機関10の負荷が小さいほど、エンジン水温が低いほど、その供給量を大きくする。ここで、内燃機関10の負荷が小さい状態とは、気筒11内の気体の流動が緩やか、すなわち気体の流速が遅く、気筒11内における撹拌がされにくい状態であり、燃料と酸素ラジカルとの接触確率が小さい状態である。このため、オゾンの供給量を増加させて燃料と酸素ラジカルとの接触確率を大きくすることが好ましいのである。
また、EGR率が高いほど、空燃比が高いほど、オゾンの供給量を大きくする。EGR率が高い状態、あるいは空燃比が高い状態とは、燃料に対する気体の割合であるG/F比(ガス燃料比)が高い状態であり、燃料と酸素ラジカルとの接触確率が小さくなる。よって、このような状態ではオゾンの供給量を増加させて燃料と酸素ラジカルとの接触確率を大きくすることが好ましいのである。
また、気筒11内の圧力のばらつきが大きいほど、クランク角のばらつきが大きいほど、トルクのばらつきが大きいほど、エンジン回転数のばらつきが大きいほど、空燃比のばらつきが大きいほど、吸気の湿度が高いほど、オゾンの供給量を大きくする。また、冷間始動から所定の時間が経過するまではオゾンの供給量を一時的に増加させることが好ましい。
制御部40は、上記のような、各種センサ42から得られる情報に基づいてオゾンの供給量を決定し、ステップS12に進む。
ステップS12は、制御部40が、オゾン供給部30に指令してオゾンの供給を開始するステップである。ステップS12では、例えばオゾン供給部30における平行電極に通電して放電を生じさせつつ、原料ガスを導入してオゾンを発生させる。そして、吸気管20との接続箇所に形成されたオゾン供給用のバルブを開放して吸気管20内にオゾンを供給する。オゾンの供給量の調整は、原料となる原料ガスの供給量の増減、あるいは放電量の増減で行うことができる。
その後、ステップS13が実行される。ステップS13は、制御部40が吸気の温度調整に係る目標温度を設定するステップである。具体的には、オゾンを供給しない状態における吸気の温度に較べて、どの程度昇温するかを決定するステップである。
制御部40は、各種センサ42から得られる情報に基づいて吸気の昇温量を決定する。具体的には、例えば、エンジン回転数が低いほど、内燃機関10の負荷が小さいほど、昇温量を大きくする。また、EGR率が高いほど、空燃比が高いほど、気筒11内の圧力のばらつきが大きいほど、クランク角のばらつきが大きいほど、トルクのばらつきが大きいほど、エンジン回転数のばらつきが大きいほど、空燃比のばらつきが大きいほど、吸気の湿度が高いほど、昇温量を大きくする。
吸気の昇温量の決定後、ステップS14に進む。ステップS14は、制御部40が温度調整部を制御して吸気の昇温を開始するステップである。本実施形態において吸気を昇温する手段は、温度調整部たるインタークーラ50によるものである。上記したように、インタークーラ50は熱交換器であり、ラジエータに供給する冷却水の流量を少なくして流入量を小さくすることでインタークーラ50を経た後の空気の温度をより高くすることができる。制御部40は、オゾンを供給しない条件におけるインタークーラ50の冷却水流量よりも、オゾンを供給する条件での流量を少なくし、結果としてインタークーラ50よりも下流側の吸気の温度が、オゾンを供給しない条件における吸気に較べて高くなる。この昇温された吸気に、オゾン供給部30によりオゾンが供給され混合された後、吸気は内燃機関10における気筒11内に導入されて燃料と混合される。つまり、燃焼前の気筒11内の気体は、燃料と空気とから構成される混合気にオゾンが混合されたものとなっている。
次に、図5および図6を参照して、本実施形態に係るオゾン添加システム100を採用することによる作用効果について説明する。
燃料と酸素の混合気が燃焼するとき、通常は混合気の温度が850K程度から酸化反応が開始される。これは燃焼初期に生じる低温酸化反応であり、燃焼は低温酸化反応の時期を経て、主反応である高温酸化反応へ遷移する。一方、混合気にオゾンを添加するシステムにおいては、オゾンが分解されることによって生じる酸素ラジカルの存在によって低温酸化反応を生じやすい状況を気筒11内に作り出すことができる。
とくに、オゾンは、500K程度の温度で分解反応が活発となる。このため、気筒11内における燃焼反応の前に、できるだけオゾンの温度を500Kに近づけておくことが好ましく、この点において、温度調整部たるインタークーラ50による吸気の昇温が効果を奏する。すなわち、気筒11に導入される吸気を、インタークーラ50によって昇温しておくことにより、酸素ラジカルを早期に生成および活性化して、低温酸化反応の開始を早めることができる。気筒11内における低温酸化反応を早期に実現することにより、混合気の着火性を改善することができる。
図5は、EGR率に対する燃焼不安定性および燃料消費量を示す図である。オゾン供給が無く、且つ吸気の昇温が無い水準と、オゾン供給が有り、且つ吸気の昇温が無い水準と、オゾン供給が有り、且つ吸気の昇温が有る水準の、3つの水準について、燃焼不安定性および燃料消費量のEGR率に対する変化を示している。
燃焼不安定性は、すべての水準においてEGR率の増加とともに悪化する傾向にあるが、オゾン供給が無く且つ吸気の昇温が無い水準では燃焼が急激に不安定となるEGR率が、オゾンの供給が有る水準に較べて大幅に小さく、燃焼が不安定になりやすい。逆に、オゾンを供給する水準では、オゾンの供給が無い水準に較べて燃焼不安定性が急激に悪化するEGR率を高くできる。とくに、オゾンの供給に吸気の昇温を組み合わせると、燃焼不安定性の急激な悪化は看取されない。すなわち、オゾンを供給する条件下において、吸気を昇温することによって燃焼不安定性を急激に悪化させることなくEGR率を増加させることができる。
また、燃料消費量は、すべての水準においてEGR率の増加とともに低下する傾向にあるが、EGR率をさらに増加させていくと、燃焼が不安定になることによって悪化する。燃料消費量が悪化に転じるEGR率は、オゾンの供給が無い水準に較べて、安定した燃焼を維持できる分、オゾンの供給が有る水準のほうが高くでき、オゾンの供給によって、燃料消費量を低下させることができる。とくに、オゾン供給が有る水準においても、吸気の昇温が無い水準に較べて、吸気を昇温する水準では燃料消費量の悪化が緩やかである。このように、オゾンを供給する条件下において、吸気を昇温することによって低温酸化反応を早期に実現することができため、さらに高いEGR率においても着火性を改善することができ、その結果、燃料消費量の低下を促進することができる。
図6は、同量のEGR率下でオゾンの供給が有る条件において、吸気の昇温が無い水準と、吸気の昇温が有る水準とで、初期燃焼期間(着火から気筒11内における熱発生量が所定量に至るまでの時間)と、主燃焼期間(初期燃焼期間のあと気筒11内における熱発生量が所定量に至るまでの時間)とを比較した図である。これによれば、吸気を昇温することにより、吸気を昇温しない水準に較べて、初期燃焼期間、主燃焼期間ともに短くすることができる。すなわち、着火性が改善していることが看取できる。
(第2実施形態)
第1実施形態では、インタークーラ50が温度調整部に相当する例について説明したが、温度調整部は、吸気の温度が調整できる部位であれば、インタークーラ50に限定されるものではない。以下に温度調整部と成り得るものについて説明する。
図7に示すように、インタークーラ50の上流側にインタークーラバイパス弁51を備え、インタークーラバイパス弁51で吸気管20から分岐したバイパス管がインタークーラ50を迂回して吸気管20に戻る構造を採用した例では、インタークーラバイパス弁51を温度調整部とすることができる。制御部40はインタークーラバイパス弁51の開度を制御する。インタークーラバイパス弁51の開度が大きくなるほど、インタークーラ50を介さずに内燃機関10に導入される吸気が増加するため、結果として、吸気の温度を上昇させることができる。
(第3実施形態)
吸気管20のうち、内燃機関10の気筒11に至るまでのいずれかの位置に、図示しない電熱線(ヒータ)を設け、この電熱線を温度調整部とすることができる。制御部40は電熱線への通電を制御する。電熱線への通電量が大きくなるほど、吸気の温度を上昇させることができる。
(第4実施形態)
図8に示すように、EGRにおける還流先がインタークーラ50よりも下流側にされる構造を採用した例では、EGRバルブ74を温度調整部とすることができる。図8に示す例では、EGRに供される還流管76が内燃機関10の直前、例えばインテークマニホールドに接続されている。還流された排気はインタークーラ50を介さすに内燃機関10に導入されるため、還流量を増加させることによって吸気の温度を高くすることができる。すなわち、制御部40はEGRバルブ74を制御し、吸気の昇温が必要な場合にはEGRバルブ74の開度を大きくすることにより還流量を増加させることができる。
(第5実施形態)
また、EGRクーラ72を温度調整部とすることができる。EGRクーラ72は、インタークーラ50と同様に熱交換器であり、例えば水冷式を採用することができる。EGRクーラ72の冷却能力を制御部40が制御することで、EGRクーラ72を温度調整部として機能させる。すなわち、制御部40は、ラジエータへ導入される冷却水の流量を調整することでEGRクーラ72の冷却能力を制御する。制御部40は、冷却水の流量を多くすることでEGRクーラ72を経た後の空気の温度をより低くすることができる。逆に、冷却水の流量を少なくすることでEGRクーラ72を経た後の空気の温度をより高くすることができる。
(第6実施形態)
図9に示すように、EGRクーラ72の上流側にEGRクーラバイパス弁71を備え、EGRクーラバイパス弁71で還流管76から分岐したバイパス管がEGRクーラ72を迂回して還流管76に戻る構造を採用した例では、EGRクーラバイパス弁71を温度調整部とすることができる。制御部40はEGRクーラバイパス弁71の開度を制御する。EGRクーラバイパス弁71の開度が大きくなるほど、EGRクーラ72を介さずに吸気管20に還流されるEGRガスが増加するため、結果として、吸気の温度を上昇させることができる。
(第7実施形態)
内燃機関10に含まれる吸気弁13および排気弁14を温度調整部とすることもできる。4ストロークによる内燃機関10の動作のうち、吸気の工程において、排気弁14を開放することで排気ガスを気筒11内に還流する内部EGRがある。可変バルブタイミング機構(VVT)において、吸気VVTを進角する、あるいは排気VVTを遅角する、あるいはその両方を行うことで内部EGR量を増加し、結果として気筒11内の吸気の温度を上昇させることができる。
また、吸気弁13および排気弁14を温度調整部とする形態において、実圧縮比(動的圧縮比)を増加させることで気筒11内の温度を増加させることができる。例えば、吸気量が増大する方向に、吸気VVTを進角あるいは遅角させることにより制御する。これにより、吸気量が増大して実圧縮比が増加し、圧縮時に早期に低温酸化反応を生じさせることができる。
(第8実施形態)
エンジン水温を調整する図示しないエンジン水温調整部や、エンジン油温を調整する図示しないエンジン油温調整部も特許請求の範囲に記載の温度調整部とすることができる。エンジン水温の調整にあっては、例えばMCVによりエンジンの冷却水の流量を調整することができる。冷却水の流量が少ないほど気筒11内の温度を上昇させることができる。一方、エンジン油温の調整にあっては、例えばオイルクーラによる調整が可能である。例えば、MCVによりオイルクーラへ流れる冷却水の流量を調整することで、エンジン油温を調整することができる。油温が高いほど気筒11内の温度を上昇させることができる。
(その他の実施形態)
以上、好ましい実施形態について説明したが、上記した実施形態になんら制限されることなく、この明細書に開示する主旨を逸脱しない範囲において、種々変形して実施することが可能である。
上記した各実施形態では、内燃機関10として、直噴方式のガソリンエンジンを採用し、点火プラグ15を用いた火花点火を行う例を示したが、吸気にオゾンを供給するオゾン供給部30を備えていればこの例に限定されるものではない。
吸気の方式としては、上記した実施形態のようなターボチャージャを用いた過給方式でも良いし、自然吸気方式でも良い。
点火の方式としては、火花点火のほか、圧縮着火(HCCI)でも良い。
EGRのシステムとしては、排気管60と吸気管20との間において、還流管76がどの位置に接続されていても良い。例えばLPL(低圧ループ)方式と、HPL(高圧ループ)方式のいずれであっても良い。また、EGRクーラ72とEGRバルブ74との位置関係は、還流に対していずれが上流であっても良いし、下流であっても良い。
また、気筒11内の気体の撹拌方式についてもその種類を問わない。例えば、TCV(タンブルコントロールバルブ)を用いた制御を行っても良いし、SCV(スワールコントロールバルブ)を用いた制御を行っても良いし、VVL(可変バルブリフト)を用いた制御を行っても良いし、複数の気筒11を有する内燃機関において気筒ごとに備えられたスロットルバルブの制御を独立に行うような態様であっても良い。また、気筒11内に直接空気を噴射するエアインジェクションや、吸気弁13を片閉じしてスワール流を生成するような態様であっても良い。
10…内燃機関,20…吸気管,30…オゾン供給部,40…制御部,50…インタークーラ(温度調整部),60…排気管,70…触媒

Claims (7)

  1. 吸気と燃料とを含む混合気を燃焼させる内燃機関(10)と、
    前記内燃機関に吸気を導入する吸気管(20)と、
    前記吸気にオゾンを混合させるためにオゾンを供給するオゾン供給部(30)と、
    前記吸気にオゾンが供給される前、またはオゾンが供給された後において、前記吸気の温度を調整する温度調整部(13,14,50,51,71,72,74)と、
    前記オゾン供給部および前記温度調整部の動作を制御する制御部(40)と、を備え、
    前記制御部は、前記オゾン供給部が前記吸気にオゾンを供給する条件下において、前記内燃機関の状態に応じて前記吸気の温度を、オゾンが供給されない条件下に対して異なるように調整する、オゾン添加システム。
  2. 前記制御部は、前記オゾン供給部が前記吸気にオゾンを供給する条件下において、前記内燃機関の状態に応じて前記吸気の温度を、所定の温度以上に昇温する、請求項1に記載のオゾン添加システム。
  3. 前記内燃機関は気筒(11)を有し、前記気筒の内部における気体の流速が小さいほど、前記吸気の温度を高くする、請求項2に記載のオゾン添加システム。
  4. 前記混合気において、前記燃料に対する気体の割合であるG/F比が高いほど、前記吸気の温度を高くする、請求項2または請求項3に記載のオゾン添加システム。
  5. 前記吸気にオゾンが供給される前に前記吸気を昇温する、請求項2〜4のいずれか1項に記載のオゾン添加システム。
  6. さらに、排気ガスの一部を前記吸気に混合する排気再循環機構を備え、
    排気ガスの再循環に供されるガスの温度を昇温することで前記吸気を昇温する、請求項2〜5のいずれか1項に記載のオゾン添加システム。
  7. 前記内燃機関は気筒(11)を有し、前記気筒の内部における気体の圧縮比を高くすることで前記吸気を昇温する、請求項2〜6のいずれか1項に記載のオゾン添加システム。
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