JP2011220143A - 内燃機関の吸気装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 一対の対向部11、12間でシャフト5の中央部外周にベアリング14の内輪51が固定されている。また、シャフト収納凹部10の孔壁面にベアリング14の外輪52が固定されている。また、対向部11とベアリング14との間でピンロッド4の回転軸方向に圧縮された状態で、対向部12に対してベアリング14を押圧するスプリング15が収容されている。これにより、ケーシング2と各ロータリバルブ3とがカジリを起こしたり、擦れたりする等の不具合の発生を抑制できるので、ケーシング2と各ロータリバルブ3との間の摩耗や異音の発生を抑制することが可能となる。
【選択図】 図1
Description
従来より、内燃機関(4気筒エンジン)の各気筒毎の燃焼室内において縦方向の旋回流(タンブル流)を発生させることで、燃焼室内での燃焼効率を向上して燃費やエミッション(HC低減効果等)の改善を図るようにしたタンブル流制御弁(TCV)と、4気筒エンジンの吸気通路長(吸気管長)を変更することで、慣性過給効果を有効に利用して4気筒エンジンの出力の向上を図るようにした可変吸気制御弁(ACISV)とを備えた内燃機関の吸気装置が公知である(例えば、特許文献1参照)。
可変吸気制御弁は、図13(a)、(b)に示したように、インテークマニホールド101に形成された複数の吸気通路をそれぞれ開閉する4つのバルブ102、これらのバルブ102を支持固定するシャフト103、およびこのシャフト103を回転自在に支持する複数のシャフト軸受部等を備えている。
また、シャフト軸受部は、インテークマニホールド101に固定された固定軸受半体111と、この固定軸受半体111と協働してシャフト103を回転自在に挟持し、且つシャフト103の径方向に移動自在に設けられた可動軸受半体112とにより形成されている。そして、固定軸受半体111および可動軸受半体112には、環状凸部104を収容する環状溝113、114が形成されている。
特許文献1に記載のシャフト軸受部によれば、シャフト103を円滑に回転できるように支持すると同時に、シャフト103の環状凸部104が固定軸受半体111および可動軸受半体112の環状溝113、114によりスラスト方向の移動を規制している。
ところが、特許文献1に記載の内燃機関の吸気装置においては、シャフト軸受部(固定軸受半体111、可動軸受半体112)の環状溝113、114にシャフト103の環状凸部104をルーズに挿入して組み付けているので、シャフト103のスラスト方向に必ずガタツキが生じる。
また、インテークマニホールド101の通路壁面と各バルブ102の側面(外周面)との間には、各バルブ102の摺動抵抗(摺動トルク)の増加を抑制するという目的で、隙間(例えばサイドクリアランス)が形成されている。この隙間は、インテークマニホールド101とシャフト103との間に線膨張係数の差、つまり温度変化により寸法変化が発生する可能性がある。これによって、インテークマニホールド101の通路壁面と各バルブ102の側面(外周面)とがカジリを起こしたり、擦れたりすることで、インテークマニホールド101や各バルブ102とが摩耗したり、また、打音(異音)を発生したりするという問題がある。
また、特許文献1に記載のシャフト軸受部(固定軸受半体111、可動軸受半体112)をタンブル流制御弁に適用した場合には、バルブ周りからの空気洩れ流量にバラツキが生じる。したがって、4気筒エンジンの燃焼室内における旋回流(タンブル流)の生成が不安定となるので、目的の性能(4気筒エンジンの燃焼効率の向上効果や燃焼安定化による燃費向上効果等)を得ることができないという問題があった。
ころがり軸受は、一対の対向部間に配置されている。このころがり軸受の内輪は、一対の対向部間でシャフトの外周に(圧入)固定されている。
軸受押圧手段は、一対の対向部のうちの一方の対向部ところがり軸受との間に配置されている。そして、軸受押圧手段は、一対の対向部のうちの他方の対向部に対してころがり軸受を押圧する(コイル状のコンプレッションスプリングである)。
これにより、ケーシング、バルブ、シャフトを有する吸気制御弁を、内燃機関の各気筒への吸入空気の流量を制御する空気流量制御弁(スロットル弁)として使用した場合、複数のバルブを全閉した際に、各バルブの回転軸方向の両クリアランス(隙間)を通過する空気洩れ流量のバラツキを小さくすることができるので、目的の性能(内燃機関の出力向上効果)を得ることができる。
ここで、軸受押圧手段を、シャフトの周囲を螺旋状に取り囲むように配置されたコイル状のスプリングとしても良い。
請求項3に記載の発明によれば、ケーシングは、シャフトと平行な回転軸方向に延びる凹部を設けている。
請求項4に記載の発明によれば、シャフトは、その回転軸方向に凹部を通り抜けるように配置(収納)されている。
これによって、凹部の開口部から凹部の奥側に向けてシャフトを挿入することで、ケーシングの凹部を通り抜けるようにシャフトを収納することができる。
このスプリングは、シャフトの回転軸方向(スラスト方向)の両側に向けて伸長するように付勢力を発生する。すなわち、ころがり軸受を一対の対向部のうちの他方の対向部に対して押圧する。
一対の対向部のうちの一方の対向部ところがり軸受との間で、シャフトの回転軸方向に圧縮された状態でコイル状のスプリングを収容することにより、シャフトの回転軸方向(スラスト方向)の移動を抑制することができ、しかも複数のバルブおよびシャフトの回転軸方向(スラスト方向)のガタツキを吸収することができる。これにより、ケーシングと各バルブとがカジリを起こしたり、擦れたりする等の不具合の発生を抑制できるので、ケーシングと各バルブとの間の摩耗や異音の発生を抑制することが可能となる。
請求項7に記載の発明によれば、ころがり軸受は、内輪の軌道面と外輪の軌道面との間を転動する複数の転動体を有している。これらの転動体は、内輪と外輪との2つの軌道輪の間に収容されている。
これによって、ころがり軸受は、(ケーシングの内部で)シャフトを回転自在に軸支している。
請求項9に記載の発明によれば、シャフトの周囲を周方向に取り囲むように樹脂部材が設置されている。
請求項10に記載の発明によれば、樹脂部材の外周部に、ころがり軸受の内輪を圧入固定するための(円筒)パイプがインサート成形されている。
これによって、シャフトの回転軸方向に垂直な断面が多角形状であっても、ケーシングに対してシャフトを容易に相対回転させることができるので、複数のバルブおよびシャフトの動作不良を抑制することができる。
これによって、ケーシングに対する複数のバルブおよびシャフトの回転方向への摺動抵抗(摺動トルク)の増加を抑制できるので、複数のバルブおよびシャフトの動作不良を抑制することができる。
請求項13に記載の発明によれば、ころがり軸受の内輪は、シャフトの回転軸方向の中央部の外周に固定されている。
請求項14に記載の発明によれば、軸受押圧手段として、シャフトの回転軸方向の中央部の周囲を螺旋状に取り囲むように配置されたコイル状のスプリングを採用している。
これによって、スラスト規制手段としてのころがり軸受および軸受押圧手段(コイル状のスプリング)を、シャフトの回転軸方向の中央部付近に配置することにより、スラスト規制手段から最も遠い位置でシャフトに支持されるバルブにおける、バルブの回転軸方向(スラスト方向)のガタツキ量を、スラスト規制手段がシャフトの回転軸方向の一端部に配置されたものと比べて小さくすることができる。
本発明は、シャフトの回転軸方向の移動を抑制するという目的、また、温度変化に伴うケーシングの通路壁面と各バルブの側面(外周面)との間の隙間の寸法変化を少なくするという目的、シャフトの回転軸方向のガタツキを吸収するという目的を、一対の対向部のうちの一方の対向部とシャフトの外周に固定される内輪を有するころがり軸受との間に、一対の対向部のうちの他方の対向部に対してころがり軸受を押圧するコイル状のスプリング(軸受押圧手段)を配置したことで実現した。
図1ないし図8は本発明の実施例1を示したもので、図1は吸気流制御弁(TCV)の軸受構造を示した図で、図2ないし図6は吸気流制御弁(TCV)の全体構造を示した図である。
電子制御スロットル装置は、図示しないスロットルバルブのバルブ開度に相当するスロットル開度に応じて、エンジンの各気筒毎の燃焼室内に吸い込まれる吸入空気の流量(吸入空気量)を可変制御するシステムである。
この吸気渦流発生装置は、電子制御スロットル装置と共に、エンジンの吸気系統に組み込まれている。そして、吸気渦流発生装置は、TCV(バルブユニット)を、インテークマニホールドの内部にピンロッド4の回転軸方向に一定の間隔で並列的に複数配置した多連一体型のバルブ開閉装置である。
アクチュエータ7は、ピンロッド4、シャフト5を介して、複数のロータリバルブ3を支持固定することが可能となっている。これにより、アクチュエータ7は、複数のロータリバルブ3の開度(TCVのバルブ開度)を一括変更することが可能となる。
複数のロータリバルブ3を駆動するモータは、ECUによって電子制御されるモータ駆動回路を介して、自動車等の車両に搭載されたバッテリに電気的に接続されている。
エンジンは、複数の気筒(第1〜第4気筒)を有し、第1〜第4気筒が気筒配列方向に直列に配置されたシリンダブロックと、複数の吸気ポート(インテークポート)および複数の排気ポート(エキゾーストポート)を有するシリンダヘッドとを備えている。
エンジンのシリンダブロックの内部には、気筒配列方向に4つの燃焼室が形成されている。また、シリンダブロックの各気筒の内部に形成されるシリンダボア内には、連接棒を介して、クランクシャフトに連結されたピストンがその摺動方向に摺動自在に支持されている。
エンジンの各気筒毎の吸気ポートは、ポペット型の吸気バルブ(インテークバルブ)によって開閉される。また、エンジンの各気筒毎の排気ポートは、ポペット型の排気バルブ(エキゾーストバルブ)によって開閉される。
吸気通路21は、ケーシング2の複数の吸気分岐管内に形成される各吸気通路から流入した吸入空気を吸気通路22へ導く独立吸気通路(中継流路)を構成する。
ダクト1は、ピンロッド4の回転軸方向に平行な軸方向隙間(中空部)を隔てて対向する左右壁(対向壁)23、24、およびこれらの対向壁23、24を繋ぐ(連結する)上下壁部を有している。
ダクト1の空気流方向の下流端、対向壁23、24の開口端には、ピンロッド4の回転軸を中心とする曲率半径を有する円弧状の曲線部が設けられている。
ダクト1の空気流方向の下流端面(方形筒状の開口端面)には、ケーシング2の結合端面に形成される方形環状の嵌合凹部に嵌合する方形環状の嵌合凸部が形成されている。
このケーシング2は、吸気通路22の周囲を周方向に取り囲むように設置されている。 吸気通路22は、吸気通路21から流出した吸入空気をエンジンの各気筒毎の吸気ポートへ吹き出す独立吸気通路(吹出流路)を構成する。
なお、複数の吸気通路21、22は、シリンダヘッドの各吸気ポートを介して、エンジンの各気筒毎の燃焼室に互いに独立して接続されている。
また、ケーシング2には、各ダクト1および各中空部の周囲を周方向に取り囲むように設置されたブロック(シャフト軸受部)25、およびこのブロック25よりも吸気流方向の下流側(シリンダヘッド側)に突出するように設けられる複数の中継ダクト26が一体的に形成されている。
複数の中継ダクト26の内部には、各ダクト1内の吸気通路21とエンジンの各吸気ポートとを連通(中継)する吸気通路22がそれぞれ形成されている。
なお、ケーシング2の詳細は後述する。
複数のロータリバルブ3は、エンジンの各気筒毎の燃焼室内において縦方向の旋回流(吸気渦流、タンブル流)を発生させるコの字状の空気流制御バルブ(ブランコ式のロータリバルブ)である。
複数のロータリバルブ3は、ケーシング2の内部に回転自在(揺動自在)に収容されている。このロータリバルブ3は、ピンロッド4に結合される2つの結合部31、32を有する一対のサイドプレート33、34と、エンジンの各気筒毎の燃焼室に連通する空気流路の開口面積を変更するバルブプレート35とを具備している。
2つの結合部31、32は、ピンロッド4、シャフト5の周囲を取り囲む金属製のリングプレートであって、シャフト5の各バルブ保持部にインサート成形により支持固定されている。各結合部31、32には、シャフト5が嵌合する四角孔(嵌合孔)が形成されている。また、2つの結合部31、32は、一対のサイドプレート33、34のピンロッド4側に一体的に形成されている。
一対のサイドプレート33、34は、ダクト1の対向壁23、24の外側面(対向壁面)との間に所定の隙間(サイドクリアランス)を隔てて対向して配置される内側面をそれぞれ有している。また、一対のサイドプレート33、34は、ケーシング2の対向壁27、28の内側面(対向壁面)との間に所定の隙間(サイドクリアランス)を隔てて対向して配置される外側面をそれぞれ有している。
バルブプレート35は、ロータリバルブ3の全閉時に、ダクト1の対向壁23、24の曲線部および吸気通路21の空気出口との間に隙間(クリアランス)を隔てて対向して配置される円弧状の曲面部(円弧部)を有している。
ケーシング2のブロック25の図示上部側には、ピンロッド4の半径方向外側に向かって開口し、この開口側から奥側まで延びるU字状の収納凹部10、37、38が設けられている。これらの収納凹部10、37、38は、ピンロッド4と平行な回転軸方向(スラスト方向)に延びる軸方向孔(軸受孔)である。
複数の収納凹部10、37、38の奥側には、収納凹部10、37、38の奥側を閉塞する底部が設けられている。そして、複数の収納凹部10、37、38の底部には、ピンロッド4を中心とする曲率半径を有する円弧状の凹曲面が形成されている。
収納凹部10の奥側には、ピンロッド4の回転軸を中心とする曲率半径を有する断面円弧状(断面半円状)の湾曲部(底部)が設けられている。この湾曲部には、円弧状に湾曲した凹曲面が形成されている。
また、収納凹部10の内部には、ベアリング14、スプリング15および2つの第1、第2カラー16、17が収容されている。なお、各収納凹部10の孔径は、複数の収納凹部37、38よりも大きい。
複数の収納凹部38は、隣設する2つの収納凹部37を繋ぐように2つの収納凹部37の中間に設けられている。各収納凹部38は、ピンロッド4を回転自在に収容すると共に、ピンロッド4が回転軸方向に貫通するシャフト貫通孔を構成する。なお、各収納凹部38の孔径は、複数の収納凹部37よりも大きい。
ピンロッド4およびシャフト5は、ダクト1の上壁部の外側面よりも外側、つまりピンロッド4と平行な回転軸方向に延びる複数の収納凹部10、37、38内を通り抜けるように配置(収納)されている。
ピンロッド4は、複数の吸気通路21、22および複数の中空部の配列方向(エンジンの気筒配列方向に対して並列方向)に対して平行な回転軸方向に真っ直ぐに延びるように配設されている。
ピンロッド4の回転軸方向の一端部は、ケーシング2およびシャフト5の一端面から外部に突き出しており、アクチュエータ7と連結している。また、ピンロッド4の回転軸方向の他端部は、シャフト5の他端面から外部に突き出しており、ケーシング2に圧入固定されたベアリング8に回転自在に軸支されている。なお、ピンロッド4の回転軸方向の他端部は、断面が円形状となるように切削されている。
ピンロッド4は、シャフト5を介して、複数のロータリバルブ3を連動可能となるように連結することが可能となる。これにより、複数のロータリバルブ3の開度(TCVのバルブ開度)が1本のピンロッド4により一括変更することが可能となる。
ここで、ピンロッド4の回転軸方向の中央部に対応するシャフト5の中央部外周には、2つの外周凸部(肉厚部)43が形成されている。これらの外周凸部43間の径小部(肉薄部)44の外周には、金属製の軸受保持パイプ13がインサート成形(アウトサート成形)されている。
一対の第1、第2対向部(環状の支持部)11、12は、ケーシング2のブロック25の図示上部側の中央部に一体的に形成されている。これらの対向部11、12には、ピンロッド4、シャフト5の回転軸方向に平行な軸方向距離(シャフト収納凹部10)を隔てて対向配置される環状の対向面が形成されている。
軸受保持パイプ13には、シャフト5の中央部外周に嵌合する丸孔(嵌合孔)が形成されている。
また、ベアリング14は、軸受保持パイプ13の外周面とケーシング2のシャフト収納凹部10の孔壁面との間に介在している。ベアリング14の内輪51は、一対の対向部11、12間でシャフト5の中央部外周、特に軸受保持パイプ13の外周に圧入固定されている。また、ベアリング14の外輪52は、シャフト収納凹部10の孔壁面に圧入固定されている。
このスプリング15は、ピンロッド4、シャフト5の回転軸方向(スラスト方向)の両側に向けて伸長するように付勢力を発生する。すなわち、スプリング15は、ベアリング14を対向部12に対して押圧する。
第1カラー16は、軸受保持パイプ13の周囲を周方向に取り囲む円筒部、およびこの円筒部の図示左側端部を鍔状に拡径したフランジ部を有している。第1カラー16の円筒部は、スプリング15のコイル内径を保持する。第1カラー16のフランジ部は、対向部11に対してスプリング15の一端部(図示左側端部)を摺動可能とする摺動面(境界面)を形成する。
第2カラー17は、軸受保持パイプ13の周囲を周方向に取り囲む円筒部、および各円筒部の図示右側端部を鍔状に拡径したフランジ部を有している。第2カラー17の円筒部は、スプリング15のコイル内径を保持する。第2カラー16のフランジ部は、ベアリング14の内輪51、外輪52に対してスプリング15の他端端部(図示右側端部)を摺動可能とする摺動面(境界面)を形成する。
次に、本実施例の内燃機関の吸気装置、特にバルブユニットの作用を図1ないし図3に基づいて簡単に説明する。
以上のように、本実施例のTCV(バルブユニット)においては、一対の対向部11、12間でシャフト5の中央部外周、特に軸受保持パイプ13の外周面とケーシング2のブロック25の図示上部側に形成されるシャフト収納凹部10の孔壁面との間にベアリング14が介在されている。具体的には、一対の対向部11、12間でシャフト5の中央部外周、特に軸受保持パイプ13の外周にベアリング14の内輪51を圧入固定している。また、ケーシング2のシャフト収納凹部10の孔壁面にベアリング14の外輪52を圧入固定している。
また、対向部11とベアリング14との間に、対向部12に対してベアリング14を押圧するスプリング15を配置している。このスプリング15は、ベアリング14と対向部11との間で、ピンロッド4、シャフト5の回転軸方向に圧縮された状態で収容されている。
これによって、ダクト1の対向壁23、24の外側面(対向壁面)と各ロータリバルブ3のサイドプレート33、34の内側面とがカジリを起こしたり、あるいはケーシング2の対向壁27、28の内側面(対向壁面)と各ロータリバルブ3のサイドプレート33、34の外側面とがカジリを起こしたり、擦れたりする等の不具合の発生を抑制することができる。したがって、ダクト1の対向壁23、24の外側面と各ロータリバルブ3のサイドプレート33、34の内側面との間の摩耗や異音の発生、あるいはケーシング2の対向壁27、28の内側面と各ロータリバルブ3のサイドプレート33、34の外側面との間の摩耗や異音の発生を抑制することが可能となる。
また、ダクト1およびケーシング2に対するピンロッド4の回転軸方向(スラスト方向)の位置決めを精度良く行うことができるので、ダクト1の対向壁23、24の外側面と各ロータリバルブ3のサイドプレート33、34の内側面との間の隙間、あるいはケーシング2の対向壁27、28の内側面と各ロータリバルブ3のサイドプレート33、34の外側面との間の隙間が適正なものとなる。特にダクト1の対向壁23、24の外側面およびケーシング2の対向壁27、28の内側面と各ロータリバルブ3のサイドプレート33、34の内側面および外側面との間に形成される隙間(サイドクリアランス)が左右均等化される。
したがって、TCV(バルブユニット)においては、各ロータリバルブ3の周りからの空気洩れ流量のバラツキを小さくすることができるので、エンジンの各気筒毎の燃焼室内における旋回流の生成が安定する。これにより、目的の性能(エンジンの燃焼効率の向上効果や燃焼安定化による燃費向上効果等)を得ることができる。
そこで、スラスト規制機構の構成要素である一対の対向部11、12、軸受保持パイプ13、ベアリング14、スプリング15および2つの第1、第2カラー16、17を、ピンロッド4の回転軸方向の中央部付近に配置することにより、スラスト規制機構から最も遠い位置でピンロッド4に支持固定されるロータリバルブ3における、ロータリバルブ3の回転軸方向(スラスト方向)のガタツキ量を、スラスト規制手段がシャフトの回転軸方向の一端部に配置されたものと比べて小さくすることができる。
本実施例のバルブサブアッシーは、複数の吸気通路21、22にそれぞれ開閉自在(回転自在)に収容された複数のロータリバルブ3と、これらのロータリバルブ3を連動可能となるように連結する断面多角形状のピンロッド(シャフト)4と、このピンロッド4の周囲を部分的に被覆する複数の樹脂モールド部材61〜63とを備えている。
2つの樹脂モールド部材62は、隣設する2つのロータリバルブ3のサイドプレート34、33の各結合部32、31間をそれぞれ結合するバルブ保持部を構成している。2つの樹脂モールド部材62は、ピンロッド4の回転軸方向の外周にインサート成形(アウトサート成形)されている。
以上のように、本実施例のTCV(バルブユニット)においては、実施例1と同様な効果を達成することができる。
本実施例のバルブサブアッシーは、複数の吸気通路21、22にそれぞれ開閉自在(回転自在)に収容された複数のロータリバルブ3と、これらのロータリバルブ3を連動可能となるように連結する断面多角形状のピンロッド(シャフト)6とを備えている。
2つの結合部31、32は、ピンロッド6の周囲を取り囲む金属製のリングプレートであって、ピンロッド6の各バルブ保持部に嵌合固定されている。各結合部31、32には、ピンロッド6が嵌合する丸孔(嵌合孔)が形成されている。
なお、ピンロッド6の回転軸方向の中央部には、軸受保持パイプ13、2つの外周凸部43および径小部44が設けられていない。
ベアリング14は、ピンロッド6の外周面とケーシング2のシャフト収納凹部10の孔壁面との間に介在している。ベアリング14の内輪51は、一対の対向部11、12間でピンロッド6の回転軸方向の中央部(軸受(内輪)保持部)の外周に圧入固定されている。また、ベアリング14の外輪52は、実施例1と同様に、シャフト収納凹部(軸受(外輪)保持部)10の孔壁面に圧入固定されている。
スプリング15は、ピンロッド6の中央部の周囲を螺旋状に取り囲むように配置されている。また、スプリング15は、ベアリング14と対向部11との間で、ピンロッド6の回転軸方向に圧縮された状態で収容されている。
一対の対向部11、12には、ピンロッド6がその回転軸方向に貫通する第1、第2貫通孔54、55がそれぞれ形成されている。また、第1、第2貫通孔54、55の孔径よりもピンロッド6の外径を小さくすることが望ましい。また、第1、第2貫通孔54、55にピンロッド6を隙間嵌めしても良い。この場合、ケーシング2のブロック25の各対向部11、12に対するピンロッド6の回転方向への摺動抵抗(摺動トルク)の増加を抑制できるので、複数のTCVの各ロータリバルブ3およびピンロッド6の動作不良を抑制することができる。
以上のように、バルブユニット(TCV)においては、実施例1及び2と同様な効果を達成することができる。
本実施例では、本発明の内燃機関の吸気装置(吸気渦流発生装置)を、エンジンの各気筒毎の燃焼室内にて混合気の燃焼を促進させるための縦方向の旋回流(タンブル流)の生成が可能となるように構成したが、本発明の内燃機関の吸気装置を、エンジンの各気筒毎の燃焼室内にて混合気の燃焼を促進させるための横方向の旋回流(スワール流)の生成が可能となるように構成しても良い。また、本発明の内燃機関の吸気装置を、エンジンの燃焼を促進させるためのスキッシュ渦の生成が可能となるように構成しても良い。
本実施例では、複数のロータリバルブ3を駆動するアクチュエータ7を、モータおよび動力伝達機構(例えば歯車減速機構等)によって構成したが、複数のバルブを駆動するアクチュエータを、モータのみによって構成しても良い。なお、複数のバルブを開弁作動方向または閉弁作動方向に付勢するスプリング等のバルブ付勢手段を設置しても設置しなくても構わない。
本実施例では、コの字状のロータリバルブ3(またはバタフライバルブ)を金属材料により一体的に形成しているが、コの字状のロータリバルブ3(またはバタフライバルブ)を樹脂材料により一体的に形成しても良い。
また、内燃機関として、ディーゼルエンジンを用いても良い。
2 インテークマニホールド(ケーシング)
3 ロータリバルブ
4 ピンロッド(シャフト)
5 シャフト(樹脂部材)
10 シャフト収納凹部(スラスト規制手段)
11 対向部(スラスト規制手段)
12 対向部(スラスト規制手段)
13 軸受保持パイプ(スラスト規制手段)
14 ベアリング(スラスト規制手段、ころがり軸受)
15 スプリング(スラスト規制手段、軸受押圧手段)
16 第1カラー(スラスト規制手段)
17 第2カラー(スラスト規制手段)
51 内輪
52 外輪
53 鋼球(転動体)
Claims (14)
- 複数の気筒を有する内燃機関の吸気装置において、
前記複数の気筒毎に吸入空気を供給する複数の吸気通路を形成するケーシングと、
前記複数の吸気通路にそれぞれ開閉自在に収容された複数のバルブと、
これらのバルブを連動可能となるように連結するシャフトと、
このシャフトの回転軸方向の移動を規制するスラスト規制手段と
を備え、
前記スラスト規制手段は、
前記シャフトの回転軸方向に平行な軸方向距離を隔てて対向配置された一対の対向部、 これらの対向部間で前記シャフトの外周に固定される内輪を有するころがり軸受、
および前記一対の対向部のうちの一方の対向部と前記ころがり軸受との間に配置されて、前記一対の対向部のうちの他方の対向部に対して前記ころがり軸受を押圧する軸受押圧手段
を具備していることを特徴とする内燃機関の吸気装置。 - 請求項1に記載の内燃機関の吸気装置において、
前記ケーシングは、前記シャフトの径方向外側に向かって開口し、この開口側から奥側まで延びるU字状の凹部を有していることを特徴とする内燃機関の吸気装置。 - 請求項1または請求項2に記載の内燃機関の吸気装置において、
前記ケーシングは、前記シャフトと平行な回転軸方向に延びる凹部を有していることを特徴とする内燃機関の吸気装置。 - 請求項2または請求項3に記載の内燃機関の吸気装置において、
前記シャフトは、その回転軸方向に前記凹部を通り抜けるように配置(収納)されていることを特徴とする内燃機関の吸気装置。 - 請求項1ないし請求項4のうちのいずれか1つに記載の内燃機関の吸気装置において、 前記軸受押圧手段は、コイル状のスプリングであって、
前記スプリングは、前記一対の対向部のうちの一方の対向部と前記ころがり軸受との間で、前記シャフトの回転軸方向に圧縮された状態で収容されていることを特徴とする内燃機関の吸気装置。 - 請求項1ないし請求項5のうちのいずれか1つに記載の内燃機関の吸気装置において、 前記ころがり軸受は、前記ケーシングにおける前記一対の対向部間の壁面に固定された外輪を有していることを特徴とする内燃機関の吸気装置。
- 請求項6に記載の内燃機関の吸気装置において、
前記ころがり軸受は、前記内輪と前記外輪との2つの軌道輪の間に収容されて、前記内輪の軌道面と前記外輪の軌道面との間を転動する複数の転動体を有していることを特徴とする内燃機関の吸気装置。 - 請求項1ないし請求項7のうちのいずれか1つに記載の内燃機関の吸気装置において、 前記シャフトは、その回転軸方向に垂直な断面が多角形状に形成されていることを特徴とする内燃機関の吸気装置。
- 請求項8に記載の内燃機関の吸気装置において、
前記シャフトの周囲を周方向に取り囲むように設置された樹脂部材を備えたことを特徴とする内燃機関の吸気装置。 - 請求項9に記載の内燃機関の吸気装置において、
前記樹脂部材の外周部にインサート成形されて、前記内輪を圧入固定するためのパイプを備えたことを特徴とする内燃機関の吸気装置。 - 請求項1ないし請求項10のうちのいずれか1つに記載の内燃機関の吸気装置において、
前記スラスト規制手段は、前記一対の対向部のうちの一方の対向部に対して前記軸受押圧手段を摺動可能とする第1カラー、および前記ころがり軸受に対して前記軸受押圧手段を摺動可能とする第2カラーを有していることを特徴とする内燃機関の吸気装置。 - 請求項1ないし請求項11のうちのいずれか1つに記載の内燃機関の吸気装置において、
前記シャフトの回転軸方向の中央部は、前記一対の対向部間に配置されていることを特徴とする内燃機関の吸気装置。 - 請求項12に記載の内燃機関の吸気装置において、
前記ころがり軸受の内輪は、前記シャフトの回転軸方向の中央部の外周に固定されていることを特徴とする内燃機関の吸気装置。 - 請求項12または請求項13に記載の内燃機関の吸気装置において、
前記軸受押圧手段は、コイル状のスプリングであって、
前記スプリングは、前記シャフトの回転軸方向の中央部の周囲を螺旋状に取り囲むように配置されていることを特徴とする内燃機関の吸気装置。
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