JP2011219981A - 建築物の設計方法および建築物 - Google Patents

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Abstract

【課題】 外装材における働き幅の高さ方向における接合部位の境界面を、腰窓やベランダ、庇、さらには玄関などの設置位置を決定するための指標として、効率的な設計や施工が可能で、かつ生じる破材を最小度に抑えることができる環境にも優しい建築物の構築方法と、ローコストで構築できる建築物を提供する。
【解決手段】 構造躯体の設計に際し、基礎2に敷設された土台3に設けられる床面4上に配置される内装下地材6の高さ寸法から、胴差7及び/又は軒桁8の高さを設定し、前記土台2の水切り12から順次上方に向かって、前記構造躯体の外側に施工される外装材13の働き幅の整数倍した高さ位置を指標として、設置しようとする腰窓11、庇、バルコニー20、玄関の下限位置もしくは上限位置を決定する。
【選択図】 図1

Description

この発明は、建築物、特にサイディングと呼ばれる外装材を使用する木造建築に関する設計方法に関するものである。
より具体的には、建物の荷重が、梁や柱、耐力壁などで分担する木造軸組構法に好適に使用することのできる設計方法、およびこの設計方法で構築された建築物に関するものである。
柱と梁で構造体を構成される木造軸組構法(在来工法とも言う)においては、一般的に、施主がどのような外観デザイン、間取りの戸建て住宅を建てたいかを、工務店などのハウジングメーカなどがあらかじめ準備した、住宅の模型見本やカタログなどの資料を参照しながら具体的な希望を伝え、建築家やハウジングメーカなどが作成した設計図に基づき、さらなる具体案が検討される。
その際、住宅(建築物)の設計は、建設地の用途地域から建物の高さ、敷地境界からの後退、建ペイ率と容積から、建築物の建築可能な最大空間が求められる。
例えば、2階建ての住宅の場合には、玄関の位置、1階や2階の間取り、掃き出し窓や腰窓、ベランダなどの設置位置、その他建築に使用する資材や水周り用の設備などが決められ、施主の同意が得られると建築確認後に、工事に着手される。
かかる在来工法について、2階建て住宅を例にとって大まかに構築方法を説明する。
まず、住宅を建てようとする敷地内に、所要の大きさの基礎を構築する。
この基礎は、防湿用又は耐圧盤のコンクリートの敷設によって行なわれる。
その際、水周りの給排水のために、前記基礎の所要部位の底面や側面には、配管用の孔が配置され、この配管を通じて給排水されるのが一般的である。
得られた基礎の周縁に沿ってパッキンが並べられ、土台・大引きが敷かれ、1階床パネルが貼られる。
しかるのち、室内を区画する間仕切りが設けられ、土台に立設されたアンカーボルトを利用して1階の柱や梁が、接合金物を使用してすべて構築される。
ついで、2階の床パネルが敷設されたのち、2階の柱や梁を接合金具などよって固定され、小屋束が施工され、小屋組およびタル木施工して棟木や母屋が施工される。
前記の在来工法においては、住宅に設けられる掃き出し窓や腰窓、ベランダなどの設置位置については、住宅における外観の意匠性の向上、屋内への採光、通風を確保する観点から決定される。
例えば、特開2007−211518号公報(特許文献1)おいては、建物本体の外壁表面に開口する複数の開口部を有する建物において、前記外壁表面に、多数の通気孔を有する帯状の通気部材が、前記複数の開口部の前面を通るようにかつ上下に複数隣接して固定されていることが行なわれる。
しかしながら、多くの場合、従来の例を参照しながら、窓やベランダなど取付け高さなどの諸条件が決定され、設計されるのが実情である。
そのため、特開2007−132114号公報(特許文献2)においては、外壁に対する窓枠の位置の変更が容易な構造とすることで、開口用外装材の窓枠方向へ延びる開口側片の長さを調節可能とし、設計自由度に優れる建物の開口部構造を提供することを目的とした建物の開口部の製造方法が提案されている。
この提案は、特開2003−138844号公報に開示された、建物の外壁に、窯業系サイディングや金属サイディングなどの板厚の薄い外装材を用いながらも、板厚の厚い外装材を用いているかのような高級な邸宅感のある発明の問題点を解決するために提案されたものである。
すなわち、特定の建物の開口部構造を、工場において、外壁の開口枠の任意の位置に、開口枠下地を固定する。
つぎに、この開口枠下地に窓枠を取付け、その後、建物の建築現場において、前記外壁の表面からの窓枠の室内側への引き込み寸法に応じ、前記開口用外装材の開口枠側片の長さを設定する。
さらに、この開口用外装材を、開口枠の周縁に取付けるというものである。
特開2007−211518号公報
(請求項1,段落0002,同0003)
特開2007−132114号公報
(請求項4,段落0002,同0003)
掃き出し窓や腰窓などの窓の設計は、施主の意向が最優先されるため、居室側の収まりが優先され、窓の高さを採光や通風を考慮し、様々な位置に設定される。
同様に、構造躯体の高さも室内の天井高さが優先され、梁成に余裕を見て高さが設定される。
したがって、外壁材を施工する際、外壁材に無駄が生じ易く、かつ施工が複雑化するため、相対的に建築費のコストアップを招来し、生じる破材は環境破壊をも惹起するおそれがある。
特に、戸建ての住宅は、施主が「終の住処」と考えて構築することが多いため、その設計や施工は、圧倒的に施主の意向が尊重される。
そのため、施工が高コストになるとともに、使用する建築材料には切欠きなどの多くの材料ロスが生じ易く、建築費のコストダウン化を阻害する大きな要因となっていた。
また、前記の切欠きなどで生じたロス材料は、有効な利用方法がなく、その全てが産業廃棄物として処理されるため、処理に要する費用は施主および/又は工務店が負担せざるを得ないのが現状である。
この発明はかかる現状に鑑み、採光や通風の観点から決定されている腰窓やベランダ、庇、さらには玄関などの設置位置を、比較的コストの高い外装材を最大限に有効利用する観点から設計する方法を鋭意検討の結果した。
その結果、敷地の利用範囲を規定する法的要件と合わせて、
1)前記外装材の高さ方向における接合部位の境界面を、腰窓やベランダ、庇、さらには玄関などの設置位置の上限もしくは下限の指標とすること、さらには、
2)あらかじめ大きさが決められている石膏ボードなど内装下地の高さ方向における寸法から、設計する構造躯体の胴差および/または軒桁の位置を決めること
によって、効率的な設計と施工を高めるとともに、使用する部材のコストダウンを図ることのできる建築物の設計方法と、ローコストで構築できる建築物を提供できることを見出したものである。
すなわち、この発明は、建築物の設計に際し、比較的高いコストを占めるサイディングと称される外装材における働き幅(実質的な有効幅)の高さ方向における接合部位(境界面)を、腰窓やベランダ、庇、さらには玄関などの設置位置を決定するための指標とすることによって、効率的な設計や施工が可能で、かつ生じる破材を最小度に抑えることができる環境にも優しい建築物の設計方法と、ローコストで構築できる建築物を提供せんとするものである。
前記目的を達成するため、この発明の請求項1に記載の発明は、
構造躯体の構築に際し、
基礎に敷設された土台に設けられる床面上に配置される内装下地材の高さ寸法から、前記土台から胴差および/または軒桁の高さを設定するとともに、
前記土台の水切りから順次上方に向かって、前記構造躯体の外側に施工される外装材の働き幅の整数倍した高さ位置を指標として、設置しようとする腰窓、庇、バルコニー、玄関の下限位置もしくは上限位置を決定すること
を特徴とする建築物の設計方法である。
また、この発明の請求項2に記載の発明は、
請求項1に記載の建築物の設計方法において、
前記基礎は、
内部に配置される水周りの給排水設備のための配管用の孔が一切存在せず、水周りに対する給排水のための配管がすべて外壁面に配置されていること
を特徴とするものである。
また、この発明の請求項3に記載の発明は、
請求項1に記載の建築物の設計方法において、
前記土台に設けられる床面は、
その上面に敷設されるフローリング材が、室内を区画する間仕切りが設けられる前に、床面全体に敷設されていること
を特徴とするものである。
また、この発明の請求項4に記載の発明は、
請求項1に記載の建築物の設計方法において、
前記構造躯体は、
建築物の玄関の外側に配置さられるポーチの上部に、複数の梁部材を前記玄関幅に合わせて外側に所要長さ突出させ、各梁部材の先端部が柱部材および/または壁部材で支持されているとともに、その梁部材の上部が庇部材又はバルコニーの床面で覆われていること
を特徴とするものである。
また、この発明の請求項5に記載の発明は、
構造躯体の構築に際し、
土台に設けられる床面上に配置される内装下地材の高さ寸法によって、前記土台から胴差および/または軒桁の高さが設定されているとともに、
少なくとも腰窓、庇、バルコニー、玄関のいずれか一つ以上の、前記構造躯体を構成する外壁における取付け位置の上限又は下限が、前記土台の水切りから順次上方に向かって施工される外装材の、働き幅の整数倍した高さ位置における下限位置もしくは上限位置に一致させて設置されていること
を特徴とする建築物である。
また、この発明の請求項6に記載の発明は、
請求項5に記載の建築物において、
前記外装材の働き幅の整数倍した高さ位置における下限位置もしくは上限位置は、
下限位置が前記外装材の働き幅の下縁位置で、上限位置が前記外装材の働き幅の上縁位置であること
を特徴とするものである。
この発明にかかる建築物の設計方法および建築物は、構造躯体の構築に際し、基礎に敷設された土台に設けられる床面上に配置される内装下地材の高さ寸法から、前記土台から胴差および/または軒桁の高さを設定するとともに、外壁を構成する各外装材の高さ方向における働き幅の上縁部又は下縁部を指標として、構造躯体に設けられる腰窓、庇、バルコニー、玄関の設置時の下限位置もしくは上限位置を決定するものである。
したがって、建築物の高さの設計を容易にすることができる。
また、構造躯体に設けられる腰窓、庇、バルコニー、玄関の、少なくとも一つ以上は、構造躯体を構成する土台の水切りから順次上方に向かって施工される外装材の、働き幅の整数倍した高さ位置を指標として、その下限位置もしくは上限位置を決定することができる。
したがって、建築物における腰窓、庇、バルコニー、玄関などの設計や施工を効率的に行なうことができる。
特に、外壁を構成する外装材の働き幅における上縁を、構造躯体に設ける腰窓、庇、バルコニー、玄関などの上限位置とし、あるいは高さ方向における外装材の働き幅における下縁を、腰窓、庇、バルコニー、玄関などの下限位置として設計・施工することができるので、外装材の切欠きによる破材の発生を最小限に抑えることができる。
また、建築費のコストダウンが可能となるとともに、産業廃棄物としての破材が大幅に減少するので、環境破壊も防止することができる。
この発明にかかる建築物の一例を示す説明図である。 この発明にかかる建築物の他の例を示す説明図である。
この発明にかかる建築物の設計方法は、在来工法による建築物の構築に好適に利用することが可能なもので、平屋でも2階建て、あるいはそれ以上の高さであってもよい。
この建築物の設計方法における特徴の一つは、建設地の用途地域から建物の高さ、敷地境界からの後退、建ペイ率と容積から、建物の建築可能な最大空間を求めるに際し、建築物の高さを、基礎に敷設された土台に設けられる床面上に配置される内装下地材の高さ寸法から、前記土台から胴差および/または軒桁の高さを設定することにある。
なお、この内装下地材による構造躯体の高さ設計においては、前記内装下地材の上端部が、配置される胴差および/または軒桁の下端部とオーバーラップするものである。
また、前記内装下地材の上端部は、前記軒桁の上端部から超えない範囲内にある。
他の一つは、前記土台の水切りから順次上方に向かって、前記構造躯体の外側に施工される外装材の働き幅の整数倍した高さ位置を指標として、設置しようとする腰窓、庇、バルコニー、玄関の下限位置もしくは上限位置を決定することにある。
なお、前記基礎は、その内部の所要部位には、基礎自体を補強するためのコンクリート製の補強材が配置され、各補強材には、必要に応じて点検や補修のために人が腹這い状態で通過可能な切欠きのみが形成されている。
したがって、建築物内部に配置される水周りの給排水設備のための配管用の孔が、基礎の底面や側面部に一切存在しない。
この場合、水周りに対する給排水のための配管は、すべて建築物の外壁面の外側に配置されるため、孔を設けることによる基礎の強度低下がなく、建築物内の配管作業を容易にし、メンテナンスに際し内部を損傷することがなくなるので、きわめて好ましいものである。
この発明において使用される内装下地材については特段の限定はないが、安価ではあるがきわめて丈夫で、断熱性、遮音性に優れた石膏を主成分とする石膏ボードを使用することが好ましい。
この石膏ボードは、室内の内装材として使用されるため、一般的には高さが2,420mmのものが使用される。
この発明においては、建築物の高さを設定するために使用するので、市販されている高さ2,730mm×幅910mm×厚み12.5mmのものを使用している。
なお、高さと幅がほぼ同じ程度であれば、その素材については特段の限定はなく、特注品を使用することも可能である。
前記サイディングの外壁を構成する外装材は、建築物の外壁として使用される不燃性ないし難燃性のパネル状の部材である。
一般的には、縦×横×厚さが規定されているが、この発明においては素材について特段の制限がないので、いずれの素材であっても使用することができる。
かかる外装材は、外壁を構成するため、上下および左右方向において隣接する外装材と一体化させるため、上縁および下縁に連結させるための連結部が形成されている。
この発明においては、外観上の外装材の働き幅(表面に顕出する有効面積)の上縁部と下縁部の高さを外装材の高さとしている。
この発明においては、前記外装材の高さ方向における働き幅の上縁部又は下縁部を指標として、壁面を通させて設ける腰窓、庇、バルコニー、パラペット(parapet)、玄関などの設置位置を決めるもので、外装材は高さ方向における整数倍を基準とするものである。
換言すると、上下方向に敷設される外装材の整数倍に位置にある外装材の働き幅の、上縁部又は下縁部を指標(基準線)として、前記腰窓、庇、バルコニー、パラペット、玄関などの設置位置の上限位置又は下限位置を算出するものである。
外壁材の切欠きの多くは、間取りや内装の設計に従属して外壁への貫通部を収めるためになされるので、こうした外装材の切りかきを最小限にするために、前記手段を採用して建築物を設計、施工することで、従来の問題点を解決することができる。
また、前記土台に設けられる床面は、一般的に、床面の敷設後に、室内を区画するための間仕切りが行なわれ、間仕切りの完了後に床面上にフローリング材が敷設されるので、フローリング材に多くの破材が生じることになる。
この発明においてはかかる現状に鑑み、構造躯体内部の間仕切りを行なう前に、床面上にフローリング材を敷設することで、フローリング材の敷設による破材の発生を最小限度にしている。
また、前記土台から胴差および/または軒桁の高さの設定に際しては、建築物が平屋の場合には、内装下地材を用いて、土台から軒桁までの高さを設定する。
その際、前記内装下地の上端部が、配置される胴差および/または軒桁の下端部と一部オーバーラップ(重合当接)させることによって、強度維持を向上させている。
なお、2階建ての場合には、土台から2階の天井を支える胴差およびこの胴差から軒桁までの高さで、いずれの場合も、内装下地の上端部が、配置される胴差および/または軒桁の下端部と一部オーバーラップさせることによって、強度維持を向上させている。
ただし、前記内装下地材の上端部は、軒桁の高さを越えることはない。
建築物を構成する玄関は、その外側のポーチ上部には、庇またはパラペットを設けることによって、建築物の外観のデザイン性を高めることができる。
また、前記玄関と相対する部分を外部から遮蔽する壁を設けることによって、住人のプライバシーを確保することができる。
そのため、この発明においては、前記胴差の延長線に複数の梁部材を、前記玄関幅に合わせて外側に所要長さ突出させ、各梁部材の先端部が柱部材および/または壁部材で支持されているとともに、その梁部材の上部が庇部材又はバルコニーの床面で覆われるよう構成されている。
以下、この発明にかかる建築物の最良の形態を、在来工法による2階建ての建築物1の例に基づいて具体的に説明する。
なお、図1は、外壁の1階部分に腰窓11を、2階部分にベランダ20を構築する例を示している。
なお、この実施例においては、当然のことながら、その設計は、建設地の用途地域から建物の高さ、敷地境界からの後退、建ペイ率と容積から、建築物1の建築可能な最大空間が求められる中で実施されるものである。
所定の敷地内には、図示しないが平面ほぼ長方形状の基礎2が設けられる。
この基礎2上に敷設された土台3には床パネル4が、さらにその上面全面にはフローリング材5が、内部を区画するための間仕切り前に敷設される。
ついで、前記床パネル4上に石膏ボードからなる内装下地6の下端部を当接させて直立させて保持し、その上端部が設置しようとする2階の床パネル41を支持する胴差7の下端部が一部オーバーラップするように胴差7を設計し、構築する。
同様に前記床パネル41上に石膏ボードからなる内装下地61の下端部を当接させて直立させて保持し、その上端部が設置しようとする軒桁8の下端部が一部オーバーラップするように、軒桁8を設計し構築することによって、構造躯体の高さが決められる。
なお、9は前記軒桁8に支持される屋根、10は前記屋根9と一体化された軒天井である。
かくして得られる構造躯体の外壁には、腰窓11とベランダ20が構築される。
この構造躯体には、土台3に付設される水切り12から構造躯体の上方および横方向に向かって、働き幅が455mm×長さ3,030mmからなる計12枚の外装材13a〜13lによって外壁全面を覆うように設計されている。
その際、前記外装材13aの下縁部が水切り12の高さに位置し、外装材13lの上縁部が前記軒天井10の高さ位置となるよう設計されている。
前記腰窓11は、下記の要領によって設計施工される。
まず、図1の左側の示す2枚目の外装材13bの上縁部を、腰窓11の設置位置の下限位置とする。
換言すると、上下方向において接合する外装材13bと13cの境界面が、腰窓11を設けるための窓枠を設置するための下限位置とされる。
この腰窓11の下限位置は、水切り12から高さ910mmの位置に設けられることになる。
なお、この腰窓11の高さは、実施例においては、約1,170mmであるので、腰窓11の高さの上限は、5枚目の外装材13eの上から約1/は3程度の高さ位置にある。
2階に設けられるバルコニー20は、9枚目と10枚目の外装材13iと13jの境界面(外装材13iの上縁部)を指標として、その上限位置が設計されている。
したがって、前記胴差7の高さと一致させて、外側に複数の梁部材14を所要間隔でかつ所要長さだけ突出させ、突出させた梁部材14の上面と前記あらかじめ設定された上限位置との間に床パネルや手摺りを配してベランダ20を構築する。
この場合、バルコニー20の床パネルと室内側のフローリング材51の面を基本的に一致させることが好ましい。
前記ベランダ20に接する掃き出し窓21は、採光や通風、デザイン性などを考慮し、前記フローリング材51と軒天井10との間で任意の高さと幅で設計し、構築することができる。
以上述べたような手法で、構造躯体の矩計(カナバカリ)を行なうことによって、腰窓11やバルコニー20、軒天井10の高さ方向の上限又は下限位置を、外装材13の高さ方向における働き幅によって自由に選択して設計し構築することができる。
したがって、高さ方向における外装材において、切欠きを要する外装材は、1階腰窓の上端部の外装材13eと、2階の掃き出し窓21の上端部に干渉する外装材13lの2枚の外装材のみで済ませることができる。
図2に示す実施例は、建築物1Aの玄関30と、その外側の上部に設けられるパラペット31と、腰窓32を設計施工するための方法を示す概略説明図である。
なお、実施例1と同一個所は、同符号で説明する。
この実施例において、玄関30の高さの上限位置を、水切り12を始端とする外装材13の5番目の外装材13eと6番目の外装材13fの境界面、すなわち外装材13eの上縁部を指標として設計する。
ついで、2階の外壁に設ける腰窓11の高さの下限位置を、9番目の外装材13iと10番目の外装材13jの境界線、すなわち、前記外装材13iの上縁部として設計する。
同時に、パラペット31の高さの上限位置を、同様に前記9番目の外装材13iの上縁部として設計して構築する。
前記パラペット31の構築に際しては、パラペット31の高さが前記手法によって決定される。
したがって、前記胴差7の高さ位置に一致させて、あるいは前記胴差7よりも高い位置に梁部材32を、玄関30の幅に対応できるよう外壁から外側に複数を突出させる。
突出させた少なくとも左右両端部に位置する梁部材32の先端部は、前記玄関30の外側に形成されたポーチ34の前縁部に、所要間隔を存して立設された柱33に対して固定保持させる。
前記玄関30の外側に配置されるポーチ34は、その上限位置を、1番目の外装材13aの下縁部を指標として設計し、構築される。
また、前記柱33を、前記外装材13iの上縁部を上限位置として設計し構築することによって、前記柱33の上端面とパラペット31の上端面とを面一の高さとすることができる。
なお、前記柱33は、玄関30のポーチ34の全面幅とほぼ等しい1枚の壁部材(図示せず)に代えることも可能である。
さらに、柱33を使用する場合には、柱33間を壁部材で閉塞してもよく、そうすることで玄関30を開放したとき、内部を外界から遮蔽してプライバシーを保護することが可能となる。
また、図2において、符号35は前記パラペット31の床面部を、符号36は前記玄関30前のポーチ34の上部を覆う軒天井であるが、前記パラペット31の床面部35を代用してもよい。
前記パラペット31に接して配置される腰窓11は、前記手法によって取付け位置の下限が、9番目の外装材13iと10番目の外装材13jの境界面に設定される。
したがって、前記腰窓11の高さは、軒天井10の下方位置までの範囲で自由に設定することができる。
以上述べたように、この実施例における矩計によれば、図2に示される建築物1Aは、実施例1と同様に、土台3上に付設される床パネルに垂直に配設される内装下地材の高さによって、2階床面を支承する胴差7の位置や屋根9を支える軒桁8の位置が決定され、建築物全体の高さ空間が設定される。
それと同時に、土台3に設けられる水切り12を始端として、上下および左右方向に付設されて外壁を構成する、一定の働き幅を有する外装材13同士の高さ方向における接合部位における境界面を指標として、腰窓11、パラペット31や玄関30などを外壁面に設計施工する際の、設置位置の上限もしくは下限位置とする矩計によって、建築物1Aの設計や施工をきわめて効率的に行なうことができる。
また、かく設計することによって、使用する外装材13を切り欠くことによって生じる破材を最小限度に抑えることが可能となった。
なお、前記した2つの実施例は、前記矩計手法を用いた外装材の高さ方向における接合部位の境界面を指標とした、腰窓やバルコニー、庇、玄関および軒天井の配置の説明である。
したがって、正面から見た場合は、外装材の幅方向での各部位の収まりの必要性から、外装材の幅方向での切欠きを要することが有り得るものである。
しかしながら、所定の働き幅を有する外装材の、上下方向における接合部位の境界面が水平方向に設定されるので、腰窓やバルコニーなど所定の幅を有する部位については、その左右端辺に当接して外装材を左右方向に張り始めることができるため、全体での切りかき作業は大幅に縮減することができる。
この発明にかかる建築物の設計方法および建築物は、建築物の設計施工に際し、建設地の用途地域から建物の高さ、敷地境界からの後退、建ペイ率と容積から、建物の建築可能な最大空間内において、高さ方向の空間は内装下地材を指標として、胴差および/または軒桁の設定位置を定められる。
また、構造躯体の外壁を構成する所定の働き幅を有する外装材の、上下方向における接合部位の境界面を指標として、腰窓やベランダなど特定部位の設定のための上限もしくは下限位置を定める矩計手法によるため、在来工法による建築物以外の建築物にも応用することができるものである。
1,1A 建築物
2 基礎
3 土台
4 床パネル
5 フローリング
6,61 内装下地材
7 胴差
8 軒桁
9 屋根
10 軒天井
11 腰窓
12 水切り
13 外装材
14 梁部材
20 ベランダ
30 玄関
31 パラペット
32 梁部材
33 ポーチの柱
34 ポーチ
35 パラペットの床面部
36 ポーチの軒天井

Claims (6)

  1. 構造躯体の構築に際し、
    基礎に敷設された土台に設けられる床面上に配置される内装下地材の高さ寸法から、前記土台から胴差および/または軒桁の高さを設定するとともに、
    前記土台の水切りから順次上方に向かって、前記構造躯体の外側に施工される外装材の働き幅の整数倍した高さ位置を指標として、設置しようとする腰窓、庇、バルコニー、玄関の下限位置もしくは上限位置を決定すること
    を特徴とする建築物の設計方法。
  2. 前記基礎は、
    内部に配置される水周りの給排水設備のための配管用の孔が一切存在せず、水周りに対する給排水のための配管がすべて外壁面に配置されていること
    を特徴とする請求項1に記載の建築物の設計方法。
  3. 前記土台に設けられる床面は、
    その上面に敷設されるフローリング材が、室内を区画する間仕切りが設けられる前に、床面全体に敷設されていること
    を特徴とする請求項1に記載の建築物の設計方法。
  4. 前記構造躯体は、
    建築物の玄関の外側に配置さられるポーチの上部に、複数の梁部材を前記玄関幅に合わせて外側に所要長さ突出させ、各梁部材の先端部が柱部材および/または壁部材で支持されているとともに、その梁部材の上部が庇部材又はバルコニーの床面で覆われていること
    を特徴とする請求項1に記載の建築物の設計方法。
  5. 構造躯体の構築に際し、
    土台に設けられる床面上に配置される内装下地材の高さ寸法によって、前記土台から胴差および/または軒桁の高さが設定されているとともに、
    少なくとも腰窓、庇、バルコニー、玄関のいずれか一つ以上の、前記構造躯体を構成する外壁における取付け位置の上限又は下限が、前記土台の水切りから順次上方に向かって施工される外装材の、働き幅の整数倍した高さ位置における下限位置もしくは上限位置に一致させて設置されていること
    を特徴とする建築物である。
  6. 前記外装材の働き幅の整数倍した高さ位置における下限位置もしくは上限位置は、
    下限位置が前記外装材の働き幅の下縁位置で、上限位置が前記外装材の働き幅の上縁位置であること
    を特徴とする請求項5に記載の建築物。
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