JP6770829B2 - 建物ユニット及び壁パネルの接合構造並びに接合方法 - Google Patents

建物ユニット及び壁パネルの接合構造並びに接合方法 Download PDF

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Description

本発明は、建物の一部を構成する建物ユニットと建物の壁パネルとの接合構造及び接合方法に関する。
一般的に、住宅等の建物の施工の全ては、建物の建設場所で実施される。例えば、木造住宅の場合、建設場所において、コンクリート基礎の構築後、コンクリート基礎上に、住宅の骨組みを構成する柱、梁などの軸組、床、壁等の構築が行われ、その後に水廻り設備、電気設備等の住宅設備の設備工事が実施される。建設場所で設置される住宅設備は、施工精度にばらつきを生じることがあり、さらに、工期を延ばす要因となり得る。例えば、特許文献1には、浴室、トイレ、洗い場、キッチン等からなる設備ユニットを工場生産し、建設場所へ設置する技術が記載されている。設備ユニットは、分割して建設場所に運搬され、建設場所に設置され且つ互いに接合される。建設場所では、設備ユニットをコアとして、その他の玄関、居室等が在来工法によって現場施工される。
特開平2−232445号公報
住宅等の建物の一部を構成する建物ユニットとしての設備ユニットは、建物の壁を構成すること及び建物の壁に接合されることがある。設備ユニットは、屋内での使用を前提とした浴室、トイレ、洗い場、キッチン等の設備への雨水、土埃等による汚損を抑えるために、建設場所への設置後、速やかに建物の壁等で覆われることが望ましい。
そこで、本発明は、建物の壁の構築を迅速にするために、建物の壁をユニット化して形成される壁パネルと建物ユニットとの接合を容易にする建物ユニット及び壁パネルの接合構造並びに接合方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明の一態様に係る建物ユニット及び壁パネルの接合構造は、建物の一部を構成し且つ建物の構造材を含み、建設場所以外で予め組み立てられた建物ユニットと、建物の壁を構成し且つ建物の構造材を含む壁パネルとを接合する建物ユニット及び壁パネルの接合構造であって、建物ユニットが含み且つ建物の構造材を構成する第一構造材、及び壁パネルが含み且つ建物の構造材を構成する第二構造材は、互いに嵌り合うことにより第一構造材と第二構造材とを接合可能な凸部及び凹部を有し、第一構造材及び第二構造材のうちの一方は、建物ユニット又は壁パネルの側方へ突出し且つ端部に上記凹部を有する突出部分を形成する。
また、本発明の一態様に係る建物ユニット及び壁パネルの接合方法は、建物の一部を構成し且つ建物の構造材としての第一構造材を含み、建設場所以外で予め組み立てられた建物ユニットを設置した後、建物の壁を構成し且つ建物の構造材としての第二構造材を含む壁パネルを、建物ユニットに接合する建物ユニット及び壁パネルの接合方法であって、第一構造材及び第二構造材のうちの一方により形成され且つ側方へ突出する突出部分の端部の凹部に、第一構造材及び第二構造材のうちの他方に形成された凸部を嵌り合わせることにより、第一構造材と第二構造材とを接合する接合工程を含む。
本発明に係る建物ユニット及び壁パネルの接合構造等によれば、建物ユニットと壁パネルとの接合を容易にすることができる。
実施の形態に係る建物ユニットの外観を模式的に示す斜視図である。 図1の第一分割ユニットを水平方向に切断する断面を下方に向かう方向IIで見た断面図である。 図1の第二分割ユニットを水平方向に切断する断面を下方に向かう方向IIIで見た断面図である。 実施の形態に係る壁パネルを屋内側の側方からと屋外側の側方からとで見た斜視図である。 実施の形態に係る建物ユニット及び壁パネルを使用した建物の施工フローの一例を示す図である。 実施の形態に係る建物ユニット及び壁パネルを使用して建設される建物の基礎を示す斜視図である。 図6の基礎に建物土台及び一階床を構築する状態を示す斜視図である。 図7の基礎に第一分割ユニットを据え付ける状態を示す斜視図である。 図8の第一分割ユニット上に第二分割ユニットを据え付ける状態を示す斜視図である。 図9の建物ユニットに一階の壁パネルを接合する状態を示す斜視図である。 第一壁パネルの突出部分と第二分割ユニットの床側横架材の接合金具との接合構造を示す斜視図である。 図10の一階の第一壁パネルに隣接して一階の第二壁パネルを設置する状態を示す斜視図である。 図12の建物ユニットに一階の第二壁パネルを接合する状態を示す斜視図である。 図13の一階の壁パネルの間隙を間隙閉鎖壁パネルで塞ぐ状態を示す斜視図である。 図14の建物の二階床を構築する状態を示す斜視図である。 図15の第二分割ユニットに天井側横架材を設置する状態を示す斜視図である。 図16の建物ユニットに二階の第一壁パネルを接合する状態を示す斜視図である。 図17の建物ユニットに二階の第一壁パネルを接合する状態を示す斜視図である。 図18の二階の壁パネルの間隙を間隙閉鎖壁パネルで塞ぐ状態を示す斜視図である。 図19の建物の二階天井梁を構築する状態を示す斜視図である。 図20の二階の壁パネル及び二階天井梁の上に、屋根の小屋組みを構築する状態を示す斜視図である。 図21の二階の壁パネルと屋根板との間隙に妻壁パネルを設置する状態を示す斜視図である。 図22の小屋組みの上に屋根パネルを敷設する状態を示す斜視図である。 図23の屋根パネルを裏側から見た斜視図である。 図24の建物の外壁の開口部を閉塞する状態を示す斜視図である。
以下では、本発明の実施の形態に係る建物ユニット及び壁パネルの接合構造並びに接合方法について、図面を用いて詳細に説明する。なお、以下に説明する実施の形態は、いずれも本発明の好ましい一具体例を示すものである。したがって、以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置及び接続形態、ステップ(工程)、ステップの順序などは、一例であり、本発明を限定する趣旨ではない。よって、以下の実施の形態における構成要素のうち、本発明の最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
また、各図は、模式図であり、必ずしも厳密に図示されたものではない。また、各図において、同じ構成部材については同じ符号を付している。また、以下の実施の形態において、略同じ又は略正方形などの「略」を伴った表現を用いている。例えば、略同じは、完全に同じであることを意味するだけでなく、実質的に同じである、すなわち、例えば数%程度の差異を含むことも意味する。他の「略」を用いた表現についても同様である。
[実施の形態]
[建物ユニット]
本実施の形態に係る建物ユニット1の概要について、図1を用いて説明する。図1は、実施の形態に係る建物ユニット1の外観を模式的に示す斜視図である。図1を参照すると、建物ユニット1は、建物の一部を構成する。建物ユニット1を用いて建物を建設する際、建設場所に設置された建物ユニット1をコアとして、建物ユニット1の周囲に、玄関、居室等のその他の構造物が構築される。このような建物ユニット1は、建物を建設する際のコアとなるコアユニットとも呼ばれる。本実施の形態では、建物は、木造住宅であるが、一部のみが木造である非木造住宅でもよく、店舗、工場又は倉庫等の木造若しくは木造以外の非住宅でもよい。建物は、本実施の形態では、二階建てであるが、三階建て以上であってもよく、一階建てであってもよく、さらに地階を有してもよい。
本実施の形態に係る建物ユニット1は、住宅に必要な水廻り設備の多く及び電気設備等を集約して含むコアユニットである。水廻り設備の多くを建物ユニット1に集約することは、小型の住宅においても広い居住空間の確保を可能にする。
本実施の形態では、建物ユニット1は、略直方体状の外形を有し、少なくとも1つの側面が建物の外壁を構成する。建物ユニット1は、1つ以上の分割ユニット1aによって構成されている。建物ユニット1は、例えば二階建て以上の住宅の一部を構成する。建物ユニット1は、積み上げられた複数の分割ユニット1aによって形成され、複数の分割ユニット1aは、互いに上下に連結及び分割可能であり、複数階の各々を構成する。本実施の形態では、建物ユニット1は、分割ユニット1aとして、二階建て住宅の一部を構成する第一分割ユニット10及び第二分割ユニット20を備える。ここで、第一分割ユニット10及び第二分割ユニット20はそれぞれ、第一建物ユニット及び第二建物ユニットの一例である。
第一分割ユニット10及び第二分割ユニット20はそれぞれ、複数階のうちの1つの階を構成し、第二分割ユニット20は、第一分割ユニット10の直上階を構成する。本実施の形態では、第一分割ユニット10は、建物の一階を構成し、第二分割ユニット20は、建物の二階を構成する。第一分割ユニット10は、建物の基礎40上に配置され、基礎40に固定される。基礎40は、例えば、鉄筋コンクリート製の布基礎又はべた基礎であってよく、基礎40に埋め込まれ且つ基礎40の上面から上方に向かって突出するアンカーボルト(図示せず)を有している。アンカーボルトは、第一分割ユニット10の柱部分の底部に設けられた柱脚金具11に締結され、それにより、第一分割ユニット10を基礎40に固定する。
1つ以上の分割ユニット1aの各々は、工場等の建物の建設場所以外の場所で予め組み立てられる。つまり、第一分割ユニット10及び第二分割ユニット20は、工場等で各種設備が予め組み込まれた工業化ユニットである。分割ユニット1aの工場生産化は、高品質且つ高機能な分割ユニット1aの製造を可能にし、さらに、建設場所での工期の短縮を可能にする。
工場で組み立てられた、つまり工場生産された第一分割ユニット10及び第二分割ユニット20はそれぞれ、トラックなどの運搬車両によって建設場所に運搬される。運搬された第一分割ユニット10及び第二分割ユニット20は、建設場所で積み重ねて設置され、互いに連結及び固定される。なお、トラックの高さ制限を満たす場合、トラックの高さ制限が存在しない場合等の運搬が可能な状況であれば、第一分割ユニット10と第二分割ユニット20とが、工場等で連結固定された状態で建設場所に運搬されてもよい。
第一分割ユニット10及び第二分割ユニット20はいずれも、略直方体状の外形と同等の大きさとを有している。第一分割ユニット10及び第二分割ユニット20の各々は、例えば、トラック等の運搬車両の荷台に載せたときに道路交通法の高さ制限を超えないような高さに設計され得る。第一分割ユニット10及び第二分割ユニット20の各々のサイズは、一例として、平面サイズが4655mm×1925mmであり、高さが2700mmである。第一分割ユニット10及び第二分割ユニット20の各々は、木造軸組工法によって形成されている。具体的には、第一分割ユニット10及び第二分割ユニット20の各々は、複数の柱、土台、梁などの横架材、面材等によって形成される枠組みを備える。
[分割ユニット]
建物ユニット1を構成する第一分割ユニット10及び第二分割ユニット20の構成を説明する。図1を参照すると、建物ユニット1の一階を構成する第一分割ユニット10と二階を構成する第二分割ユニット20とはそれぞれ、例えば、木造軸組工法による軸組構造体としての建築構造体を備える。建築構造体は、柱、土台、梁などの横架材等の建材からなる軸組と、大引き等の建材からなる床組とを備える。横架材は、第一分割ユニット10の土台等を構成し、第二分割ユニット20の梁等を構成する。建築構造体は、工場等の建設場所以外の場所で予め組み立てられる。
図1及び図2を参照すると、第一分割ユニット10の建築構造体は、矩形枠状の土台12、土台12上に建てられる複数の柱13、柱13間にわたって架け渡される面材14、柱13間に配置される間柱15、土台12に架け渡される図示しない複数の大引き、大引き上に敷設される床面材、柱13の上部に設置される図示しない天井パネル等によって形成される。図2は、図1の第一分割ユニット10を水平方向に切断する断面を下方に向かう方向IIで見た断面図であり、第一分割ユニット10の内部の模式的な平面図を示す図でもある。柱13及び間柱15は、上下方向に延在し、土台12及び大引きは、略水平方向に延在する。土台12及び柱13は、建物の土台及び柱を構成する、つまり建物の構造材を構成する。ここで、面材14は、壁材の一例である。
柱13の底部には、柱13と土台12と大引きとを互いに連結する柱脚金具11が取り付けられる。なお、本実施の形態では、第一分割ユニット10は、天井側の梁、具体的には、胴差し及び二階床梁を備えない。そして、第一分割ユニット10の上に第二分割ユニット20を設置したときには、第一分割ユニット10の複数の柱13の上部には、第二分割ユニット20の床側に配置された胴差し及び二階床梁を構成する床側横架材22が、第一分割ユニット10の天井側の梁等を兼ねて、接続される。本実施の形態では、土台12、柱13、面材14、間柱15及び図示しない大引き等の建材は、木材である。本実施の形態では、面材14は、第一分割ユニット10の壁の内側及び外側に配置されるが、いずれか一方のみでもよい。
図1及び図3を参照すると、第二分割ユニット20の建築構造体は、床側横架材22、複数の柱23、柱23間にわたって架け渡される面材24、柱23間に配置される間柱25、柱23の上部に配置される天井側横架材26、床側横架材22上に設置される図示しない床材、柱23の上部に設置される図示しない天井パネル等によって形成される。床材は、第一分割ユニット10と同様に、床面材等から構成されてもよい。図3は、図1の第二分割ユニット20を水平方向に切断する断面を下方に向かう方向IIIで見た断面図であり、第二分割ユニット20の内部の模式的な平面図を示す図でもある。図3は、後述する突出床側横架材22a及び22bを省略して描かれている。柱23及び間柱25は、上下方向に延在し、床側横架材22及び天井側横架材26は、略水平方向に延在する。床側横架材22は、胴差し及び二階床梁等によって構成され、天井側横架材26は、二階天井梁等によって構成される。床側横架材22及び天井側横架材26は、建物の梁つまり構造材を構成し、柱23は、建物の柱つまり構造材を構成する。ここで、面材24は、壁材の一例である。
床側横架材22は、複数の柱23の下部を互いに繋ぎ、天井側横架材26は、複数の柱23の上部を互いに繋ぐ。本実施の形態では、柱23は、床側横架材22の上に配置され、天井側横架材26は、柱23の上端に配置される。なお、床側横架材22及び天井側横架材26は、柱23の側部に配置されてもよい。床側横架材22の底部には、床側横架材22と第一分割ユニット10の柱13とを互いに連結する図示しない連結金具が取り付けられる。なお、連結金具は、建物の建設場所以外の場所で予め柱23に取り付けられてもよく、建設場所で柱23に取り付けられてもよい。
床側横架材22のうちの2つの突出床側横架材22a及び22bの一部は、第二分割ユニット20の側方に突出している。本実施の形態では、突出床側横架材22a及び22bは、矩形状の断面を有する長尺な角材によって形成されている。なお、側方とは、第二分割ユニット20等の上下方向と交差する方向である。突出床側横架材22a及び22bはそれぞれ、矩形状の平面形状を有する第二分割ユニット20の長手側の2つの側部20a及び20bに沿って延在し、短手側の一方の側部20cから側部20cに略垂直な方向に突出している。突出床側横架材22a及び22bは、第二分割ユニット20の側部20cの両角に位置する2つの柱23から突出するように延在している。ここで、床側横架材22及び突出床側横架材22a並びに天井側横架材26は、第一構造材の一例であり、突出床側横架材22aは、突出部分の一例である。
本実施の形態では、突出床側横架材22aは、建物の外側に位置して胴差しを構成し、突出床側横架材22bは、建物の内側に位置して二階床梁を構成する。突出床側横架材22bの側面には、複数の接合金具27が、突出床側横架材22bから突出するように取り付けられている。接合金具27は、突出床側横架材22bと建物の梁等とを接合する。接合金具27は、突出床側横架材22bの側面上で、突出床側横架材22bと柱23との交差部分に対応する位置に配置され得る。本実施の形態では、床側横架材22、柱23、面材24、間柱25及び天井側横架材26等の建材は、木材である。本実施の形態では、面材24は、第二分割ユニット20の壁の内側及び外側に配置されるが、いずれか一方のみでもよい。ここで、接合金具27は、凸部の一例である。
[設備]
図1〜図3を参照すると、本実施の形態では、建物ユニット1は、設備を備える。設備は、具体的には、住宅設備であり、例えば、水廻り設備、電気設備、空調換気設備、内装等を含んでいる。各設備は、建物ユニット1を構成する1つ以上の分割ユニット1aの少なくとも1つに、建設場所以外で予め設置されている。
水廻り設備は、例えば、バス(浴室)、トイレ、洗面台及びキッチンの少なくとも1つを含む。水廻り設備は、さらに、給湯器(給湯システム)を含んでもよく、天井裏、床下又は壁内に形成されたパイプスペースに設置される排水管、給水管及び給湯管などの配管等を含んでもよい。
本実施の形態では、第一分割ユニット10の内部に、トイレ31と洗面台32とが設置されている。さらに、第一分割ユニット10の内部には、設備機器の配置が可能なスペース33が設けられている。スペース33には電源コンセントが配置されており、スペース33は、例えば、食品を貯蔵する冷蔵庫等が設置されるパントリとして利用可能である。第二分割ユニット20の内部に、トイレ31と洗面台32とユニットバス34とが設置されている。また、図示しないが、各種配管が、第一分割ユニット10と第二分割ユニット20との間のスペースなどに配置されている。
電気設備は、例えば、分電盤、インターホン、情報盤、各種設備機器を操作するための操作盤、創蓄連携機器(創蓄連携システム)、及び照明等の設備機器を含んでもよい。電気設備は、さらに、スイッチ、コンセント、並びに情報配線及び電気配線等の配線設備を含んでもよい。分電盤、インターホン、情報盤、操作盤、創蓄連携機器、スイッチ、コンセント等は、屋内に配置され得る。各種配線は、天井裏、床下又は壁内に配置され得る。
空調換気設備は、例えば、室内に設置されるエアコンなどの空調室内機、天井裏などに設置される熱交換器、換気扇等を含み得る。空調換気設備は、さらに、パイプスペースに設置されるダクトなどの各種配管を含んでもよい。
内装は、建物ユニット1内の床、壁、天井などに施された仕上げ材、建具、収納具等を含み得る。
なお、上述の各設備の数量及び配置等は、一例に過ぎず、特に限定されない。例えば、本実施の形態では、第一分割ユニット10と第二分割ユニット20との両方が水廻り設備を備える構成を例示しているが、第一分割ユニット10及び第二分割ユニット20の一方のみが水廻り設備を備えてもよい。
[壁パネル]
本実施の形態では、建物ユニット1は、建物の外壁の一部を構成する。建物のその他の外壁は、柱、梁などの横架材、壁用の面材等を組み込んでユニット化された複数の壁パネルによって構成される。図4を参照すると、本実施の形態に係る壁パネル50が示されている。なお、図4は、実施の形態に係る壁パネル50を屋内側の側方からと屋外側の側方からとで見た斜視図である。
本実施の形態では、壁パネル50は、建物の各階の外壁に使用される。壁パネル50は、矩形状の平面形状をしたパネルを形成する。壁パネル50は、上下方向に延在する柱53、柱53の上部を互いに繋ぎ且つ略水平方向に延在する横架材52、柱53間にわたって架け渡される面材54、柱53間又は柱53の側方に配置され且つ上下方向に延在する間柱55、及び、柱53の下部を互いに繋ぎ且つ略水平方向に延在する連結材56等によって、形成される。壁パネル50は、建設場所以外の工場等で予め製作されてもよく、建設場所で製作されてもよい。柱53は、建物の柱を構成し、横架材52は、胴差し、二階天井梁等の梁を構成し得る。つまり、柱53及び横架材52は、建物の構造材を構成する。
横架材52は、柱53の上部側面又は上端面と接合され得る。図4に示す例では、壁パネル50は、複数の柱53を含むが、1つの柱53のみを含んでもよい。さらに、図4に示す例では、1つの柱53が、壁面の両側部に位置する壁パネル50の2つの側縁部の一方を構成しているが、これに限定されない。なお、壁パネル50の側縁部は、壁面の両側部に位置する壁パネル50の端面及び壁面における上記端面の近傍部位を含み得る。間柱55は、面材54の屋内側の表面54a上に配置される。壁パネル50は、面材54の屋外側の表面上に配置及び固定される保護材57を備えてもよい。保護材57は、断熱材、透湿防水シート等を含んでよい。壁パネル50において、窓、玄関、換気口等のための開口部が、面材54及び間柱55等を貫通して形成され得る。
柱53の上端面又は横架材52の上面には、連結金具58が埋め込まれている。連結金具58は、柱53の上端面又は横架材52の上面から上方に棒状に突出している。柱53の上端面の連結金具58は、柱53と略同軸上に配置される。横架材52の上面の連結金具58は、横架材52の下の各柱53の上方に配置され、且つ各柱53と略同軸上に配置される。各柱53の下端面には、係合孔53aが形成され、係合孔53aは、柱53の軸方向に延び且つ柱53と略同軸上に配置される。係合孔53aは、建物土台41(図7参照)に埋め込まれた連結金具43(図7参照)の棒状の突出部分全体が挿入可能な形状及び寸法を有している。さらに、係合孔53aには、壁パネル50の連結金具58の棒状の突出部分全体も挿入可能である。なお、建物土台41は、建物の基礎40から突出するアンカーボルトと固定されて基礎40上に設置され、その上部に設置される壁パネル50等を支持する。ここで、連結金具43及び58は、突起の一例である。
横架材52及び柱53には、複数の接合金具59が、これらから側方に突出するように取り付けられている。接合金具59は、接合金具59が設けられている壁パネル50と他の壁パネル50とを接続する、又は、接合金具59が設けられている壁パネル50と建物ユニット1とを接続する、又は、接合金具59が設けられている壁パネル50と建物の横架材とを接続する。接合金具59は、横架材52及び柱53の屋内側の側面における横架材52及び柱53の交差部分に対応する位置に配置され得る。接合金具59は、壁パネル50の側縁部に位置する横架材52の側方端面、又は柱53の側方側面にも配置され得る。なお、図4に示す例では、柱53は、壁パネル50の2つの側縁部の一方を構成する。横架材52の側方端面及び柱53の側方側面は、壁パネル50の2つの側縁部の端面を形成する。ここで、接合金具59は、凸部の一例である。
本実施の形態では、壁パネル50に含まれる横架材52、柱53、面材54、間柱55、連結材56等の建材は、木材である。そして、壁パネル50の保護材57の上に、建物の外壁の意匠を構成する外壁材が、施される。壁パネル50に含まれる横架材52、柱53、面材54、間柱55、連結材56、連結金具58、接合金具59等の数量、形状、寸法及び位置は、壁パネル50が適用される場所に応じて任意に変更され得る。
上述のような壁パネル50は、本実施の形態では、建物の各階の外壁を形成する。つまり、1つの壁パネル50は、建物の一階又は二階のいずれかにわたる高さを有する。複数の壁パネル50は、側方で互いに接合されることにより、建物の一階又は二階の外壁を形成する。また、複数の壁パネル50は、上下に互いに接合されることにより、建物の一階及び二階の外壁を形成する。なお、壁パネル50の構成は、上記構成に限定されず、1つの壁パネルが高さ方向で建物の複数階にわたる構成であってもよく、1つの壁パネルが高さ方向で各階の一部にわたる構成であってもよい。
[建物の施工]
次に、建物ユニット1及び壁パネル50を使用して建設される建物の施工方法の一例を、説明する。以下では、建物の施工方法の流れを示す図5を中心に参照しつつ、その他の図を用いて説明する。図5は、実施の形態に係る建物ユニット1及び壁パネル50を使用した建物の施工フローの一例を示す図である。なお、建物の施工方法は、図5に示す施工フローに限定されるものでない。
図5及び図6を参照すると、建物の施工において、まず、建物の基礎40の構築(工程S1)が実施される。図6は、実施の形態に係る建物ユニット1及び壁パネル50を使用して建設される建物の基礎40を示す斜視図である。基礎40は、例えば、鉄筋コンクリート製である。基礎40は、整形された地盤上に敷設された砕石層の上に構築される。基礎40は、工場生産されたブロックを砕石層上に配置することによって形成されてもよく、砕石層上の型枠内に未硬化のコンクリートを打設する現場打ちコンクリートによって形成されもよい。基礎40は、布基礎又はべた基礎の構成をとってよく、この場合、建物の土台等が設置される立ち上がり部分40aを上方に突出して形成する。
図5及び図7を参照すると、基礎40の構築後、建物土台41及び一階床42の構築(工程S2)が実施される。一階床42は、建物ユニット1を設置しない部分に構築される。図7は、図6の基礎40に建物土台41及び一階床42を構築する状態を示す斜視図である。枠状の建物土台41が、基礎40の立ち上がり部分40aの上面の上に設置され、立ち上がり部分40aに固定される。本実施の形態では、建物土台41は、木材によって形成されるが、これに限定されない。建物土台41は、建物の柱、壁及び床等を支持する。さらに、設置後の建物土台41を使用して、一階床42の構築が実施される。この際、一階床42の複数の大引き42aが、建物土台41に架け渡すように設置され、さらにその上に、床面材42cが設置される。一階床42上の荷重は、床面材42c、大引き42a及び建物土台41を介して、基礎40によって支持される。本実施の形態では、大引き42a及び床面材42cは、木材によって形成されるが、これに限定されない。ここで、建物土台41は、支持部の一例である。
また、建物土台41は、図示しない複数のアンカーボルトと固定される。アンカーボルトは、建物土台41と固定される部分を上方に残して、基礎40の立ち上がり部分40aの内部に至り、基礎40に固定される。アンカーボルトは、基礎40の構築後に設置されずに、基礎40のコンクリートの打設の際に基礎40に埋め込まれてもよい。アンカーボルトは、建物土台41より上方に突出する部分にネジ留めされて、建物土台41と係合し、建物土台41等を位置決めすると共に固定する。また、建物ユニット1と接続される配線、配管等の接続要素44が、基礎40内に配置される。
図5と、図1、図2、図8とを参照すると、建物土台41及び一階床42の構築後、建物ユニット1のうちの第一分割ユニット10の基礎40への据え付け(工程S3)が、実施される。図8は、図7の基礎40に第一分割ユニット10を据え付ける状態を示す斜視図である。なお、以降の図では、第一分割ユニット10の壁の外側に配置される面材14が省略されている。建物の建設場所に運搬された第一分割ユニット10は、建設場所に配置された移動式クレーン等の吊り上げ装置によって吊り上げられ、さらに基礎40の所定の位置へ移動されて吊り下ろされる。この際、第一分割ユニット10の土台12が、基礎40の立ち上がり部分40aの上面の上に載置される。さらに、基礎40の立ち上がり部分40aの上面から突出する図示しないアンカーボルトが、土台の12の柱脚金具11を通り、柱脚金具11とネジ留めにより締結される。これにより、第一分割ユニット10が基礎40に固定される。
図5と、図1、図2、図3、図9とを参照すると、第一分割ユニット10の据え付け後、建物ユニット1のうちの第二分割ユニット20の第一分割ユニット10上への据え付け(工程S4)が、実施される。図9は、図8の第一分割ユニット10上に第二分割ユニット20を据え付ける状態を示す斜視図である。なお、以降の図では、第二分割ユニット20の壁の外側に配置される面材24が省略されている。建物の建設場所に運搬された第二分割ユニット20は、移動式クレーン等の吊り上げ装置によって吊り上げられ、さらに第一分割ユニット10の上方へ移動されて吊り下ろされる。この際、第二分割ユニット20の床側横架材22が、第一分割ユニット10の柱13上に載置される。さらに、床側横架材22の図示しない連結金具を用いて、床側横架材22と柱13とが固定される。床側横架材22の突出床側横架材22a及び22bは、建物の内部に向かって突出する。なお、現時点では、第二分割ユニット20の上部には、天井側横架材26が取り付けられていない。
図5と、図4、図10とを参照すると、第二分割ユニット20の据え付け後、第一分割ユニット10に隣り合う位置への一階の壁パネル50の設置、つまり建物ユニット1への一階の壁パネル50の接合(工程S5)が、実施される。図10は、図9の建物ユニット1に一階の壁パネル50を接合する状態を示す斜視図である。建物で使用される壁パネル50は、第一壁パネル501と第二壁パネル502(図12参照)と間隙閉鎖壁パネル503(図14参照)とによって構成されている。第二壁パネル502の構成は、図4に示す壁パネル50と同様である。間隙閉鎖壁パネル503の構成は、図4に示す壁パネル50から横架材52を除去した構成であり、柱53を含まない場合もある。第一壁パネル501の構成は、横架材52が第一壁パネル501の一方の側縁部501aよりも側方に突出している点で図4に示す壁パネル50と異なるが、その他の点に関しては、壁パネル50の構成と同様である。本工程では、第一壁パネル501が使用される。そして、第一壁パネル501が、第二分割ユニット20の床側横架材22の接合金具27と接続される。ここで、間隙閉鎖壁パネル503は、壁部材の一例である。
図10及び図11を参照すると、第一壁パネル501の横架材52は、第一壁パネル501の一方の側縁部501aよりも側方に突出する突出部分52aを一体に含む。突出部分52aは、本実施の形態では、矩形状の断面を有する長尺な角材によって形成される横架材52の一部である。図11は、第一壁パネル501の突出部分52aと第二分割ユニット20の床側横架材22の接合金具27との接合構造を示す斜視図である。突出部分52aの先端の端面52aaには、凹部52bが形成されている。第一壁パネル501は、側縁部501aと反対側の側縁部501b又はその付近における横架材52の位置に、接合金具59を有している。接合金具59は、後述で詳細を説明する接合金具27と同様の構成を有している。ここで、横架材52は、第二構造材の一例である。
凹部52bは、端面52aaから突出部分52aの軸方向に窪む。本実施の形態では、凹部52bは、上下方向に延在する矩形溝状の形状を有している。凹部52bは、突出部分52aの端面52aa、上面52ab及び下面52acで開口している。凹部52bは、突出部分52aの軸方向の底部に2つの溝52caを含んでいる。溝52caは、凹部52bの底部から突出部分52aの軸方向に窪み、上下方向に延在して突出部分52aの上面52ab及び下面52acで開口している。また、突出部分52aの側面52adには、側面52adからこれに対向する側面52aeにわたって突出部分52aを貫通する複数の貫通孔52cが形成されている。本実施の形態では、3つの貫通孔52cが形成されている。貫通孔52cは、2つの溝52caを通って延在する。
接合金具27は、金属製の板材をU字状に曲げて形成される形状を有している。接合金具27におけるU字の底部に相当する底部27aが床側横架材22に固定される。接合金具27におけるU字の側部に相当する2つの板状の側部27b及び27cが、床側横架材22から側方に突出し、上下方向に延在している。側部27b及び27cは、凹部52bの2つの溝52ca内に挿入可能である。側部27b及び27cにはそれぞれ、複数の貫通孔27dが形成されている。本実施の形態では、側部27b及び27cそれぞれに、3つの貫通孔27dが形成されている。
側部27b及び27cそれぞれにおける貫通孔27dの数量は、突出部分52aの貫通孔52cの数量と同一である。側部27b及び27cそれぞれの貫通孔27dは、接合金具27の側部27b及び27cが凹部52bの2つの溝52ca内に挿入されたとき、貫通孔52cと位置が整合するように配置されている。
接合金具27の側部27b及び27cが、凹部52bの2つの溝52ca内に挿入され、互いに位置整合する貫通孔52c及び貫通孔27dを通ってピン27eが挿入されると、接合金具27と突出部分52aとが互いに固定される。これにより、接合金具27と突出部分52aとが接合される。このとき、突出部分52aの端面52aaは、床側横架材22に当接し得る。さらに、突出部分52aは、床側横架材22と略垂直に延在してもよい。また、接合金具27の側部27b及び27cの凹部52bの溝52caへの挿入は、突出部分52aの端面52aaから、上面52abから及び下面52acからのいずれからも可能である。
図4、図10及び図11を参照すると、第一壁パネル501は、設置される際に、移動式クレーン等の吊り上げ装置によって、第一分割ユニット10に隣り合う位置に吊り下ろされる。このとき、第二分割ユニット20の床側横架材22の接合金具27は、第一壁パネル501の突出部分52aの下面52acから凹部52b内に挿入される。上記挿入と並行して、第一壁パネル501の柱53の下端面の係合孔53aに、建物土台41に固定された棒状の連結金具43が挿入される。次いで、接合金具27と突出部分52aとの接続、及び、連結金具43と柱53との接続が行われる。これにより、第一壁パネル501が、建物土台41に対して位置決めされると共に、建物土台41及び建物ユニット1に固定及び接合される。この結果、第一壁パネル501と第一分割ユニット10との間には、第一壁パネル501の側縁部501a、突出部分52a及び第一分割ユニット10によって囲まれる空洞である間隙61が、形成される。
このように、第一壁パネル501の建物ユニット1に結合する部分は、横架材52が側方へ突出し、この突出した部分の下側には面材54や連結材56を有さないパネル構成を用いる。これは、あらかじめ接合金具27が設けられた建物ユニット1に対して、第一壁パネル501を結合する必要があるためである。すなわち、第一壁パネル501を吊り下ろすときは、柱53に連結金具43が挿入されるように略垂直に下ろす必要がある。しかし、第二壁パネル502と同様に、突出した部分の下側に面材54や連結材56を有すると、この面材54や連結材56の下端部が接合金具27に衝突し、吊り下ろすことができなくなる。そのため、横架材52が側方へ突出し、この突出した部分の下側には面材54を有さない第一壁パネル501を用いる必要がある。また、突出部分52aの下側に面材54が設けられていないため、第一壁パネル501の吊り下ろしの際、建物ユニット1に接触し得るものを、突出部分52aのみに制限することができる。このため、第一壁パネル501と建物ユニット1との接触による互いの損傷の発生が抑えられる。特に、建物ユニット1は、各種設備及び内装等を備え得るため、衝撃が与えられないことが望ましい。
図5と、図4、図12とを参照すると、建物ユニット1への一階の第一壁パネル501の接合後、一階の第二壁パネル502の設置(工程S6)が、実施される。図12は、図10の一階の第一壁パネル501に隣接して一階の第二壁パネル502を設置する状態、つまり、一階の第一壁パネル501に一階の第二壁パネル502接合する状態を示す斜視図である。第二壁パネル502は、第一壁パネル501に隣接するように、移動式クレーン等の吊り上げ装置を用いて、設置される。第二壁パネル502は、一方の側縁部502aに第一壁パネル501の凹部52bと同様の構成を有する凹部52dを有し、他方の側縁部502bに接合金具59を有している。凹部52dの構成は、下方に開口していない点で凹部52bの構成と異なるように設けることもできる。第二壁パネル502は、柱53の係合孔53aに建物土台41の連結金具43を挿入しつつ、凹部52d内に第一壁パネル501の接合金具59を嵌め込むようにして、据え付けられる。さらに、第二壁パネル502は、接合金具59での接続、及び、連結金具43と柱53との接続が行われることによって、建物土台41に対して位置決めされると共に、建物土台41及び第一壁パネル501に固定及び接合される。さらに、別の第二壁パネル502が、設置完了した第二壁パネル502に隣接して据え付けられ且つ接合される。複数の第二壁パネル502の据え付け及び接合を繰り返すことによって、建物の一階の外壁が形成される。
図5と、図1、図4、図13とを参照すると、一階の複数の第二壁パネル502の設置後、第一分割ユニット10に隣り合う位置への一階の第二壁パネル502の設置、つまり、建物ユニット1への一階の第二壁パネル502の接合(工程S7)が、実施される。図13は、図12の建物ユニット1に一階の第二壁パネル502を接合する状態を示す斜視図である。本工程では、第二壁パネル502は、第二分割ユニット20の床側横架材22の突出床側横架材22aと接合される。突出床側横架材22aの先端の端面には、第一壁パネル501の突出部分52aの凹部52bと同様の構成を有する凹部22cが、形成されている。凹部22cには、接合金具27及び59が、上方、下方、及び突出床側横架材22aの端面に対向する側方のいずれからも挿入可能である。
第二壁パネル502は、突出床側横架材22aに隣接するように、移動式クレーン等の吊り上げ装置を用いて、設置される。第二壁パネル502は、柱53の係合孔53aに建物土台41と固定された連結金具43を挿入しつつ、側縁部502bの接合金具59を突出床側横架材22aの凹部22c内に上方から挿入するように、据え付けられる。さらに、第二壁パネル502は、接合金具59での接続、及び、連結金具43と柱53との接続が行われることによって、建物土台41に対して位置決めされると共に、建物土台41及び突出床側横架材22aつまり建物ユニット1に固定及び接合される。この結果、第二壁パネル502と第一分割ユニット10との間には、第二壁パネル502の側縁部502b、突出床側横架材22a及び第一分割ユニット10によって囲まれる空洞である間隙62が、形成される。
このように、建物ユニット1の第二壁パネル502に結合する部分は、突出床側横架材22aが側方へ突出し、この突出した部分の上側には面材24を有さない建物ユニット1を用いる。これは、あらかじめ接合金具59が設けられた第二壁パネル502を、建物ユニット1に結合する必要があるためである。すなわち、第二壁パネル502を吊り下ろすときは、柱53に連結金具43が挿入されるように略垂直に下ろす必要がある。しかし、突出床側横架材22aの突出した部分の上側に面材24を有すると、この面材24と接合金具59とが衝突し、吊り下ろすことができなくなる。そのため、突出床側横架材22aが側方へ突出し、この突出した部分の上側には面材24を有さない建物ユニット1を用いる必要がある。
また、第二壁パネル502の吊り下ろしの際、第二壁パネル502は、突出床側横架材22aに接近し接触し得るが、建物ユニット1から離れて位置する。このため、第二壁パネル502と建物ユニット1との接触による互いの損傷の発生が抑えられる。
また、本工程では、第二壁パネル502の側縁部502aに隣接する位置に、他の第二壁パネル502が設置されていない。これにより、第二壁パネル502の設置のための作業スペースが広く確保されるため、第二壁パネル502と建物ユニット1との接触を抑えた作業が容易になる。
図5と、図2、図4、図14とを参照すると、建物ユニット1への一階の第二壁パネル502の接合後、一階の間隙61及び62への間隙閉鎖壁パネル503の設置(工程S8)が、実施される。図14は、図13の一階の壁パネル50の間隙61及び62を間隙閉鎖壁パネル503で塞ぐ状態を示す斜視図である。2つの間隙閉鎖壁パネル503が、第一壁パネル501と第一分割ユニット10との間の間隙61と、第二壁パネル502と第一分割ユニット10との間の間隙62とに嵌めこまれ、間隙61及び62を塞ぐ。図14に示す例では、間隙61は、第一壁パネル501の柱53と第一分割ユニット10の角の柱13との間の間隙であり、間隙62は、第二壁パネル502の柱53と第一分割ユニット10の角の柱13との間の間隙である。このため、間隙閉鎖壁パネル503は、柱を含まず軽量にすることができる。よって、間隙閉鎖壁パネル503の設置は、人力でも可能となる。また、本工程では、図13で形成されていた第二壁パネル502間の間隙に、第二壁パネル502が設置される。これにより、建物の一階の外壁の設置が完了する。
図5と、図15とを参照すると、建物の一階の外壁の設置完了後、二階床70の構築(工程S9)が、実施される。図15は、図14の建物の二階床70を構築する状態を示す斜視図である。一階柱73が、建物土台41の連結金具43の位置に建てられ、連結金具43と接続される。次いで、複数の二階床梁71が、壁パネル50の横架材52間、及び、壁パネル50の横架材52と第二分割ユニット20の床側横架材22との間を架け渡すように、格子状に設置される。二階床梁71は、端部に第一壁パネル501の突出部分52aの凹部52bと同様の構成を有する凹部を有し、壁パネル50の接合金具59及び床側横架材22の接合金具27と接合される。また、一階柱73は、二階床梁71の交差部分等で二階床梁71を支持する。さらに、設置後の二階床梁71上に、床面材72(図16参照)が設置される。これにより、二階床70が構築される。
図5と、図16とを参照すると、二階床70の構築完了後、第二分割ユニット20の上部への天井側横架材26の設置(工程S9)が、実施される。図16は、図15の第二分割ユニット20に天井側横架材26を設置する状態を示す斜視図である。天井側横架材26は、第二分割ユニット20の上部の形状に整合する所定の形状に組み立てられた状態で、第二分割ユニット20の柱23の上端に載置される。例えば、天井側横架材26は、矩形枠状の形状を有する。さらに、本実施の形態では、天井側横架材26は、床側横架材22の突出床側横架材22aのような側方への突出部分を有していない。載置された天井側横架材26は、接続用金具、留め金具等を用いて、柱23と接合される。天井側横架材26の外周には、複数の接合金具27が取り付けられている。さらに、天井側横架材26の上部では、天井側横架材26に埋め込まれた棒状の連結金具29が突出している。
図5と、図4、図17とを参照すると、天井側横架材26の設置後、第二分割ユニット20に隣り合う位置への二階の第一壁パネル501の設置、つまり、第二分割ユニット20への二階の第一壁パネル501の接合(工程S11)が、実施される。図17は、図16の建物ユニット1に二階の第一壁パネル501を接合する状態を示す斜視図である。二階の第一壁パネル501の突出部分52aの凹部52bが、第二分割ユニット20の天井側横架材26の接合金具27と接続され、二階の第一壁パネル501の柱53が、一階の第一壁パネル501の連結金具58を介して、一階の第一壁パネル501の横架材52及び柱53と接合される。また、間隙61が、第二分割ユニット20、二階の第一壁パネル501及び突出部分52aに囲まれるように、形成される。上記の二階の第一壁パネル501の接合構造及び接合動作は、工程S5で説明した一階の第一壁パネル501の接合構造及び接合動作と同様であるため、説明を省略する。ここで、横架材52及び柱53は、支持部の一例である。
図5と、図4、図18とを参照すると、第二分割ユニット20への二階の第一壁パネル501の接合後、建物の二階の外壁を形成するために、複数の二階の第二壁パネル502の設置(工程S12)が、工程S6と同様に実施される。次いで、第二分割ユニット20に隣り合う位置への二階の第一壁パネル501の設置、つまり、第二分割ユニット20への二階の第一壁パネル501の接合(工程S13)が、工程S5及びS11と同様に実施される。図18は、図17の建物ユニット1に二階の第一壁パネル501を接合する状態を示す斜視図である。工程S12では、設置される二階の第二壁パネル502の凹部52dは、二階の第一壁パネル501の接合金具59、又は、他の二階の第二壁パネル502の接合金具59と接続され、設置される二階の第二壁パネル502の柱53は、一階の壁パネル50の連結金具58を介して、一階の壁パネル50の横架材52及び柱53と接続される。工程S13では、二階の第一壁パネル501の突出部分52aの凹部52bが、第二分割ユニット20の天井側横架材26の接合金具27と接続され、二階の第一壁パネル501の柱53が、一階の第二壁パネル502の連結金具58を介して、一階の第二壁パネル502の横架材52及び柱53と接合される。また、間隙62が、第二分割ユニット20、二階の第一壁パネル501及び突出部分52aに囲まれるように、形成される。上記の二階の第一壁パネル501及び第二壁パネル502の接合構造及び接合動作は、工程S5及びS6で説明した一階の第一壁パネル501及び第二壁パネル502の接合構造及び接合動作と同様であるため、説明を省略する。
図5と、図19とを参照すると、次いで、二階の間隙61及び62への間隙閉鎖壁パネル503の設置(工程S14)が、実施される。図19は、図18の二階の壁パネル50の間隙61及び62を間隙閉鎖壁パネル503で塞ぐ状態を示す斜視図である。2つの間隙閉鎖壁パネル503が、工程S8と同様にして、二階の間隙61及び62を塞ぐ。さらに、第二壁パネル502が、図18に示される二階の第一壁パネル501と第二壁パネル502との間隙に設置される。これにより、建物の二階の外壁の設置が完了する。
図5と、図20とを参照すると、建物の二階の外壁の設置完了後、二階天井梁80の構築(工程S15)が、実施される。図20は、図19の建物の二階天井梁80を構築する状態を示す斜視図である。二階柱81が、二階床70上に建てられ、次いで、複数の二階天井梁80が、二階の壁パネル50の横架材52間、及び、二階の壁パネル50の横架材52と第二分割ユニット20の天井側横架材26との間を架け渡すように、格子状に設置される。二階柱81は、二階天井梁80の交差部分等で二階天井梁80を支持する。二階天井梁80及び二階柱81の構成及びその設置方法は、工程S9での二階床梁71及び一階柱73の構成及びその設置動作と同様である。なお、二階天井梁80は、後述する屋根の小屋組みの一部を構成する小屋梁とも呼ばれる。
二階天井梁80の構築後、屋根90の構築(工程S16)が、実施される。具体的には、図21に示されるように、二階の壁パネル50の横架材52及び二階天井梁80の上に、屋根の骨組みを構成する小屋組み91が、まず構築される。小屋組み91は、屋根を支持する梁としての母屋、母屋を支持する柱としての小屋束等の部材から構成される。小屋束は、天井側横架材26の連結金具29及び二階の壁パネル50の連結金具58等に固定され得る。次いで、図22に示されるように、二階の壁パネル50と屋根板との間隙に壁を形成するために、複数の妻壁パネル92が設置される。妻壁パネル92は、例えば、後述する屋根パネル93のように、面材、及び面材を補強する垂木等から構成される。
その後、図23に示すように、屋根板としての複数の屋根パネル93が、建物の上方への開口を塞ぐように、小屋組み91の母屋の上に敷設される。裏側から見た屋根パネル93の斜視図を示す図24に示すように、屋根パネル93は、野地板としての面材93aと、面材93aの一方の面に配置され面材93aを補強する垂木としての補強材93bとから構成される。屋根パネル93は、補強材93bを下方に向けて敷設される。さらに、敷設した屋根パネル93の上に、防水等のために、例えばシート状のルーフィング(図示せず)が敷設される。この結果、屋根90の構築が完了する。なお、後に、瓦、スレート等の屋根材が、ルーフィングの上に敷設される。
図5と図25とを参照すると、屋根90の構築後、建物の外壁の開口部の閉塞(工程S17)が、実施される。具体的には、壁パネル50に形成されていた開口部100が、窓、玄関扉101等によって塞がれる。
工程S1〜S17を実施することにより、建物の構造体200が完成する。建物の構造体200の完成後、外壁の外観を形成する外壁材の施工、屋根材の施工、内装の施工、電気設備の施工等が実施される。建物の構造体200の完成後、建物の開口部が塞がれているため、建物ユニット1及びその内部への雨水、土埃等の汚染物の侵入が抑えられる。
また、建物の外壁の施工は、大型の壁パネル50を用いて簡易に且つ迅速に実施される。建物の内部の梁、柱の施工は、壁パネル50の接合金具59及び建物ユニット1の接合金具27を用いて簡易に且つ迅速に実施される。屋根の施工は、屋根パネル及び妻壁パネルを用いて簡易に且つ迅速に実施される。よって、建物ユニット1を設置した後、建物の構造体200の構築を早期に完了することが可能になる。これにより、建物ユニット1の汚損が抑えられる。
[効果など]
以上のように、本実施の形態に係る建物ユニット1及び壁パネル50の接合構造は、建物の一部を構成し且つ建物の構造材を含み、建設場所以外で予め組み立てられた建物ユニット1と、建物の壁を構成し且つ建物の構造材を含む壁パネル50とを接合する接合構造である。上記接合構造では、建物ユニット1が含み且つ建物の構造材を構成する床側横架材22、及び壁パネル50が含み且つ建物の構造材を構成する横架材52はそれぞれ、互いに嵌り合うことにより床側横架材22と横架材52とを接合可能にする凸部としての接合金具27及び凹部52b、又は凹部22c及び接合金具59を有する。床側横架材22及び横架材52のうちの一方は、建物ユニット1又は壁パネル50の側方へ突出し且つ端部に凹部22c又は52bを有する突出床側横架材22a又は突出部分52aを形成する。例えば、建物ユニット1の床側横架材22及び壁パネル50の横架材52は、建物の梁であってもよい。なお、上述の構成において、床側横架材22を天井側横架材26としてもよい。
また、本実施の形態に係る建物ユニット1及び壁パネル50の接合方法では、建物の一部を構成し且つ建物の構造材としての床側横架材22を含み、建設場所以外で予め組み立てられた建物ユニット1を、設置した後、建物の壁を構成し且つ建物の構造材としての横架材52を含む壁パネル50を、建物ユニット1に接合する。上記方法は、床側横架材22及び横架材52のうちの一方により形成され且つ側方へ突出する突出部分の端部の凹部22c又は52bに、床側横架材22及び横架材52のうちの他方に形成された凸部としての接合金具59又は27を嵌り合わせることにより、床側横架材22と横架材52とを接合する接合工程を含む。なお、上述において、床側横架材22を天井側横架材26としてもよい。
上述の構成及び方法において、建物ユニット1と壁パネル50との接合の際、建物ユニット1の突出床側横架材22aの端部の凹部22c又は壁パネル50の突出部分52aの端部の凹部52bが、壁パネル50の接合金具59又は建物ユニット1の接合金具27と嵌り合う。これにより、あらかじめ接合金具27が設けられた建物ユニット1に対して壁パネル50としての第一壁パネル501を結合するときや、あらかじめ接合金具59が設けられた壁パネル50としての第二壁パネル502を建物ユニット1に結合するときに、建物ユニット1又は壁パネル50の面材24又は54が邪魔することなく接合が容易になる。さらに、建物ユニット1と壁パネル50との接合は、凹部22c又は52bと接合金具59又は27との嵌り合いの部分によって形成されるため、容易である。また、建物ユニット1と壁パネル50との接合部を、建物の梁を構成する床側横架材22及び横架材52とすることによって、接合部の強度を高くすることができる。なお、床側横架材22を天井側横架材26とした場合も、上述と同様の効果が得られる。
実施の形態に係る建物ユニット1及び壁パネル50の接合構造及び接合方法では、接合金具27又は59は、側方から凹部52b又は22c内に挿入可能であり且つ上下方向に凹部52b又は22c内に挿入可能である。上述の構成及び方法において、接合金具27又は59と凹部52b又は22cとの嵌り合いが容易になる。例えば、壁パネル50を吊り下ろして設置する場合、壁パネル50の突出部分52aの凹部52bは、建物ユニット1の接合金具27を下方から上方に向かって受け入れて、接合金具27と嵌り合う。
実施の形態に係る建物ユニット1及び壁パネル50の接合構造及び接合方法では、壁パネル50が設置される支持部としての建物土台41又は下方の壁パネル50の横架材52及び柱53上に、突起としての連結金具43又は58が設けられ、壁パネル50は、連結金具43及び58が挿入される係合孔53aを底部に有する。そして、建物ユニット1の床側横架材22又は天井側横架材26と壁パネル50の横架材52との接合と共に、壁パネル50の係合孔53aに、連結金具43又は58が挿入される。上述の構成及び方法において、建物ユニット1の床側横架材22又は天井側横架材26と壁パネル50の横架材52との接合の際、壁パネル50は、その底部において連結金具43又は58によって位置決めされると共に移動の拘束を受ける。よって、床側横架材22又は天井側横架材26と横架材52との接合が容易になる。
実施の形態に係る建物ユニット1及び壁パネル50の接合構造及び接合方法では、建物ユニット1の突出床側横架材22a又は壁パネル50の突出部分52aと、建物ユニット1と壁パネル50とで囲まれた間隙61又は62を閉じるように設置される間隙閉鎖壁パネル503が、設けられる。上述の構成及び方法において、間隙61及び62を小さくすることによって、間隙閉鎖壁パネル503の小型化が可能になる。これにより、間隙閉鎖壁パネル503の設置は、人力等で実施できるような容易なものとなる。
実施の形態に係る建物ユニット1及び壁パネル50の接合構造では、建物ユニット1は、凹部22c及び接合金具27の少なくとも一方によって構成される壁パネル50との複数の接合部を有する。建物ユニット1と接合される第一壁パネル501及び第二壁パネル502は、一方の端部及び他方の端部にそれぞれ、接合金具59又は凹部52b若しくは52dを有する。建物ユニット1と接合されずに建物の壁を構成する第二壁パネル502が、一方の端部及び他方の端部にそれぞれ、接合金具59又は凹部52dを有し、第一壁パネル501又は他の第二壁パネル502と接合される。そして、凹部22cは、凹部52b及び52dと同様の構成を有し、接合金具27は、接合金具59と同様の構成を有している。上述の構成において、第一壁パネル501及び第二壁パネル502は、建物ユニット1と接合可能であり、互いに接合可能である。さらに、第二壁パネル502同士は互いに接合可能である。さらにまた、建物ユニット1には、複数の第一壁パネル501及び/又は第二壁パネル502の接合が可能である。よって、第一壁パネル501及び第二壁パネル502によって、建物ユニット1を起点として延在し且つ建物を囲む外壁の形成が可能である。さらに、接合金具27及び59が同様の構成を有するため、各接合が容易である。
実施の形態に係る建物ユニット1及び壁パネル50の接合構造及び接合方法では、建物ユニット1は、土台12と柱13とが接続されて構成される構造体であり且つ柱13間の壁材としての面材14及び天井パネルが接合された第一分割ユニット10と、床側横架材22と柱23とが接続されて構成される構造体であり且つ柱23間の壁材としての面材24及び天井パネルが接合された第二分割ユニット20とを含む。第一分割ユニット10の設置後、第二分割ユニット20が第一分割ユニット10の上に設置される。この際、第二分割ユニット20が備える床側横架材22と、第一分割ユニット10とが接合される。さらに、床側横架材22は、第一分割ユニット10と第二分割ユニット20との間に位置する。
上述の構成及び方法において、一階の壁パネル50と建物ユニット1の床側横架材22との接合部分は、第一分割ユニット10と第二分割ユニット20との間の位置、つまり壁パネル50の上部側の位にある。これにより、床側横架材22と接合された壁パネル50は、上部で支持されるため、安定する。よって、建物ユニット1と壁パネル50との接合を簡易にすることが可能になる。さらに、第二分割ユニット20が、突出床側横架材22aを有する床側横架材22を備えるため、第一分割ユニット10及び第二分割ユニット20を吊るための吊り具及び吊りワイヤと突出床側横架材22aとの干渉が抑えられる。よって、第一分割ユニット10及び第二分割ユニット20の設置が容易である。
[その他]
以上、本発明に係る建物ユニット1及び壁パネル50の接合構造及び接合方法について、上記実施の形態に基づいて説明したが、本発明は、上記実施の形態に限定されるものではない。
実施の形態では、建物ユニット1が2つの分割ユニット1aを備える例について示したが、建物ユニット1は1つのみ又は3つ以上の分割ユニット1aを備えてもよい。
実施の形態では、2つの分割ユニット1aが建物の1階と2階とをそれぞれ構成する例について示したが、これに限定されない。分割ユニット1aは、3階以上の上層階を構成してもよく、地下1階等の地階を構成してもよい。
実施の形態では、建物の構造体200が完成するまで、分割ユニット1aの側面には、外壁の施工がなされなかったが、これに限定されるものでない。分割ユニット1aの側面が建物の外壁になる場合、板壁、塗壁又は張壁などの外壁の施工がなされてもよい。外壁の施工は、工場で予め行われてもよく、建設場所で行われてもよい。
実施の形態では、第二分割ユニット20の床側横架材22及び天井側横架材26は、2つの位置で、第一壁パネル501及び/又は第二壁パネル502と接合されていたが、これに限定されるものでなく、1つの位置又は3つ以上の位置で接合されてもよい。この場合、床側横架材22及び天井側横架材26における複数の接合部は、接合金具27及び凹部22cを含んでもよく、接合金具27のみを含んでもよく、凹部22cのみを含んでもよい。
実施の形態では、第二分割ユニット20の天井側横架材26は、床側横架材22の突出床側横架材22aのような側方への突出部分を有していなかったが、突出部分を有してもよい。天井側横架材26は、突出部分を介して壁パネル50と接合されてもよい。
実施の形態では、建物ユニット1の床側横架材22及び天井側横架材26が、壁パネル50と接合されていたが、建物ユニット1のいかなる構造材又は部材が、壁パネル50と接合されてもよい。
実施の形態では、第一壁パネル501は、横架材52の突出部分52aに凹部52bを有し、突出部分52aと反対側の側縁部501bに接合金具59を有していたが、これに限定されず、側縁部501bに凹部52dを有してもよい。建物ユニット1と接合済みの第一壁パネル501に第二壁パネル502を接合する場合、第二壁パネル502の接合金具59を、第一壁パネル501の凹部52dに上方から挿入することができるため、接合が容易になる。
実施の形態では、第二壁パネル502は、側縁部502aに凹部52dを有し、側縁部502bに接合金具59を有していたが、これに限定されない。第二壁パネル502は、側縁部502a及び502bに凹部52dを有してもよく、側縁部502a及び502bに接合金具59を有してもよい。例えば、建物の施工フローの工程S8において、設置済みの第二壁パネル502間の間隙に第二壁パネル502を設置する場合、設置済みの2つの第二壁パネル502の凹部52dに、第二壁パネル502の2つの接合金具59を上方から挿入するように構成することによって、第二壁パネル502の設置及び接合が容易になる。
実施の形態では、壁パネル50の柱53の底部に形成された係合孔53aが、連結金具43又は58を収容し、柱53が連結金具43又は58と接続されていたが、これに限定されない。柱53の底部に形成された係合孔53aに、基礎40に埋め込まれたアンカーボルトを挿入して接続するようにしてもよい。
実施の形態では、建物ユニット1の接合金具27及び壁パネル50の接合金具59は、同様の構成を有していたが、異なっていてもよい。
実施の形態では、建物ユニット1の接合金具27及び壁パネル50の接合金具59は、板材をU字状に曲げて形成される形状を有し、突出する2つの側部を有していたが、接合金具27及び59の構成は、上記構成に限定されない。接合金具27及び59は、凹部52b及び22cに上下方向に挿入され且つ凹部52b及び22cと嵌り合う構成を有していればよい。例えば、接合金具27及び59は、1つ又は3つ以上の突出する側部を有してもよい。また、凹部22c及び52bの構成も、実施の形態で説明した構成に限定されない。凹部22c及び52bは、接合金具27及び59を上下方向から受け入れ且つ接合金具27及び59と嵌り合う構成を有していればよい。また、建物ユニット1と壁パネル50とを接合する凸部及び凹部のうちの凸部は、接合金具等の別部材でなく、建物ユニット1又は壁パネル50の構成部材を成形して形成された凸部であってもよい。また、建物ユニット1と壁パネル50とを接合する凸部及び凹部のうちの凹部は、建物ユニット1又は壁パネル50の構成部材に形成された凹部ではなく、接合金具等の別部材であってもよい。
その他、各実施の形態に対して当業者が思いつく各種変形を施して得られる形態や、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で各実施の形態における構成要素及び機能を任意に組み合わせることで実現される形態も本発明に含まれる。
1 建物ユニット
10 第一分割ユニット(第一建物ユニット)
12 土台(第一建物ユニットの土台)
13,23 柱(第一建物ユニットの柱)
14,24 面材(建物ユニットの壁材)
20 第二分割ユニット(第二建物ユニット)
22 床側横架材(第一構造材)
22a 突出床側横架材(第一構造材、建物ユニットの突出部分)
22c 凹部(建物ユニットの凹部)
26 天井側横架材(第一構造材)
27,59 接合金具(凸部)
41 建物土台(支持部)
43,58 連結金具(突起)
50 壁パネル
52 横架材(第二構造材、支持部)
52a 突出部分(壁パネルの突出部分)
52b,52d 凹部(壁パネルの凹部)
53 柱(支持部)
53a 係合孔
61,62 間隙
501 第一壁パネル
502 第二壁パネル
503 間隙閉鎖壁パネル(壁部材)

Claims (14)

  1. 建物の一部を構成し且つ前記建物の構造材を含み、建設場所以外で予め組み立てられた建物ユニットと、前記建物の壁を構成し且つ前記建物の構造材を含む壁パネルとを接合する建物ユニット及び壁パネルの接合構造であって、
    前記建物ユニットが含み且つ前記建物の構造材を構成する第一構造材、及び前記壁パネルが含み且つ前記建物の構造材を構成する第二構造材は、互いに嵌り合うことにより前記第一構造材と前記第二構造材とを接合可能な凸部及び凹部を有し、
    前記第一構造材及び前記第二構造材のうちの一方は、前記建物ユニット又は前記壁パネルの側面よりも側方へ突出する突出部分を有するように配置され、前記凹部は、前記突出部分の端部に設けられている
    建物ユニット及び壁パネルの接合構造。
  2. 前記第一構造材及び前記第二構造材は、前記建物の梁材である
    請求項1に記載の建物ユニット及び壁パネルの接合構造。
  3. 前記壁パネルが設置される支持部上に設けられた突起をさらに備え、
    前記壁パネルは、前記突起が挿入される孔を底部に有する
    請求項1または2に記載の建物ユニット及び壁パネルの接合構造。
  4. 前記突出部分と前記建物ユニットと前記壁パネルとで囲まれた間隙を閉じるように設置される壁部材をさらに備える
    請求項1〜3のいずれか一項に記載の建物ユニット及び壁パネルの接合構造。
  5. 前記凸部は、側方から前記凹部内に挿入可能であり且つ上下方向に前記凹部内に挿入可能である
    請求項1〜4のいずれか一項に記載の建物ユニット及び壁パネルの接合構造。
  6. 前記建物ユニットは、前記凹部及び前記凸部の少なくとも一方によって構成される前記壁パネルとの複数の接合部を有し、
    前記壁パネルとしての第一壁パネルは、一方の端部及び他方の端部にそれぞれ前記凸部又は前記凹部を有し、
    前記建物ユニットと接合されずに前記建物の壁を構成する第二壁パネルが、一方の端部及び他方の端部にそれぞれ前記凸部又は前記凹部を有し、前記第一壁パネル又は他の前記第二壁パネルと接合される
    請求項1〜5のいずれか一項に記載の建物ユニット及び壁パネルの接合構造。
  7. 前記建物ユニットは、
    土台と柱とが接続されて構成される構造体であり且つ前記柱間の壁材及び天井パネルが接合された第一建物ユニットと、
    横架材と柱とが接続されて構成される構造体であり且つ前記柱間の壁材及び天井パネルが接合された第二建物ユニットと
    を含み、
    前記第二建物ユニットは、前記第一建物ユニットの上に設置され、
    前記第一構造材は、前記第一建物ユニットと前記第二建物ユニットとの間に位置する
    請求項1〜6のいずれか一項に記載の建物ユニット及び壁パネルの接合構造。
  8. 建物の一部を構成し且つ前記建物の構造材を含み、建設場所以外で予め組み立てられた建物ユニットと、前記建物の壁を構成し且つ前記建物の構造材を含む壁パネルとを接合する建物ユニット及び壁パネルの接合構造であって、
    前記建物ユニットが含み且つ前記建物の構造材を構成する第一構造材、及び前記壁パネルが含み且つ前記建物の構造材を構成する第二構造材は、互いに嵌り合うことにより前記第一構造材と前記第二構造材とを接合可能な凸部及び凹部を有し、
    前記第一構造材及び前記第二構造材のうちの一方は、前記建物ユニット又は前記壁パネルの側方へ突出し且つ端部に前記凹部を有する突出部分を形成し、
    前記建物ユニットは、
    土台と柱とが接続されて構成される構造体であり且つ前記柱間の壁材及び天井パネルが接合された第一建物ユニットと、
    横架材と柱とが接続されて構成される構造体であり且つ前記柱間の壁材及び天井パネルが接合された第二建物ユニットと
    を含み、
    前記第二建物ユニットは、前記第一建物ユニットの上に設置され、
    前記第一構造材は、前記第一建物ユニットと前記第二建物ユニットとの間に位置する
    建物ユニット及び壁パネルの接合構造。
  9. 建物の一部を構成し且つ前記建物の構造材としての第一構造材を含み、建設場所以外で予め組み立てられた建物ユニットを設置した後、前記建物の壁を構成し且つ前記建物の構造材としての第二構造材を含む壁パネルを、前記建物ユニットに接合する建物ユニット及び壁パネルの接合方法であって、
    前記第一構造材及び前記第二構造材のうちの一方に形成され且つ前記建物ユニット又は前記壁パネルの側面よりも側方へ突出する突出部分の端部に設けられた凹部に、前記第一構造材及び前記第二構造材のうちの他方に形成された凸部を嵌り合わせることにより、前記第一構造材と前記第二構造材とを接合する接合工程を含む
    建物ユニット及び壁パネルの接合方法。
  10. 前記接合工程では、前記第一構造材と前記第二構造材との接合と共に、前記壁パネルの底部に形成された孔内に、前記壁パネルを設置する支持部上の突起を挿入する
    請求項に記載の建物ユニット及び壁パネルの接合方法。
  11. 前記接合工程の後、前記突出部分と前記建物ユニットと前記壁パネルとで囲まれた間隙を壁部材で塞ぐ閉塞工程をさらに含む
    請求項または10に記載の建物ユニット及び壁パネルの接合方法。
  12. 前記凸部は、側方から前記凹部内に挿入可能であり且つ上下方向に前記凹部内に挿入可能である
    請求項11のいずれか一項に記載の建物ユニット及び壁パネルの接合方法。
  13. 前記建物ユニットを構成する第一建物ユニットを設置し、その後、前記建物ユニットを構成する第二建物ユニットを前記第一建物ユニットの上に設置するユニット設置工程を、前記接合工程の前にさらに含み、
    前記ユニット設置工程では、前記第二建物ユニットが備える前記第一構造材と、前記第一建物ユニットとを接合し、
    前記第一構造材は、前記第一建物ユニットと前記第二建物ユニットとの間に位置する
    請求項12のいずれか一項に記載の建物ユニット及び壁パネルの接合方法。
  14. 建物の一部を構成し且つ前記建物の構造材としての第一構造材を含み、建設場所以外で予め組み立てられた建物ユニットを設置した後、前記建物の壁を構成し且つ前記建物の構造材としての第二構造材を含む壁パネルを、前記建物ユニットに接合する建物ユニット及び壁パネルの接合方法であって、
    前記第一構造材及び前記第二構造材のうちの一方により形成され且つ側方へ突出する突出部分の端部の凹部に、前記第一構造材及び前記第二構造材のうちの他方に形成された凸部を嵌り合わせることにより、前記第一構造材と前記第二構造材とを接合する接合工程を含み、
    前記建物ユニットを構成する第一建物ユニットを設置し、その後、前記建物ユニットを構成する第二建物ユニットを前記第一建物ユニットの上に設置するユニット設置工程を、前記接合工程の前にさらに含み、
    前記ユニット設置工程では、前記第二建物ユニットが備える前記第一構造材と、前記第一建物ユニットとを接合し、
    前記第一構造材は、前記第一建物ユニットと前記第二建物ユニットとの間に位置する
    建物ユニット及び壁パネルの接合方法。
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