JP2011216478A - 二次電池集電体用穴あき粗化処理銅箔、その製造方法及びリチウムイオン二次電池負極電極 - Google Patents

二次電池集電体用穴あき粗化処理銅箔、その製造方法及びリチウムイオン二次電池負極電極 Download PDF

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Abstract

【課題】高性能で小型化が可能で薄い二次電池を提供し得る珪素系活物質の機能を充分に引き出すことができる集電体を提供することを目的とする。また、前記集電体に珪素系活物質を均一に積層した二次電池用電極を提供することを目的とする。
【解決手段】貫通孔が穿設された銅箔又は銅合金箔の表裏に、パルス陰極電解処理により銅又は前記銅合金箔と同一金属からなる一次粗化処理層が設けられ、該一次粗化処理層の上に平滑メッキ処理により銅又は前記銅合金箔と同一金属からなる二次処理層が設けられている二次電池集電体用穴あき粗化処理銅箔及びその製造方法並びに該集電体を使用した二次電池。
【選択図】図1

Description

本発明は、二次電池用集電体に適した穴あき粗化処理銅箔に関するものである。
また、本発明は前記穴あき粗化処理銅箔を集電体とし、該集電体に珪素系活物質を積層してなるリチウムイオン二次電池負極電極に関するものである。
二次電池は、通信端末機器や携帯電話に代表されるIT(情報通信技術分野)関連分野の機器に組み込まれ、また最近ではハイブリット自動車や電気自動車に搭載される等その需要は飛躍的に拡大しつつある。このような二次電池には小型化・薄型化に加えて高性能で充放電容量や電位の高さが求められている。このような要求に対し、現在はリチウムイオン二次電池が経済性と環境特性を活かした利便性から特に注目されている。
このリチウムイオン二次電池は、特に負極の特性が二次電池としての充放電特性や高電位維持の優劣を左右する。初期のリチウムイオン二次電池の負極は集電体として銅箔を用い、結着剤(バインダー)を混ぜ合わせたカーボン(黒鉛)を活物質とし、該活物質を集電体である銅箔の両面に塗工し、加圧乾燥させて作製していた。
リチウムイオン二次電池の特性をより向上させるためには負極の集電容量を向上させる必要がある。負極の集電容量を向上させる方法として前記カーボンからなる活物質を集電体に厚く積層することが考えられるが、集電体へ活物質を厚く積層すると負極電極の大きさが大きくなり、強いては電池の大きさが大きくなって実用性が乏しくなり、また、集電体(銅箔)の両面に均一な厚みでカーボンを積層させることが困難となる。そのため現在では、粒径を小さくし、カーボンの表面積を大きくして集電容量の向上を図っている。
しかし近時、二次電池に更なる高容量の要望がなされ、活物質をカーボン系から例えば珪素系に変更し、リチウムの吸蔵量を著しく向上させる技術が進んできている。活物質をカーボン系から珪素系に変更するには、該活物質の特性を最大限に引き出す集電体の開発が必要となる。特に珪素系の活物質の採用には、該活物質の特性に追従できる集電体が求められる。珪素系の活物質はその粒径の細かさから、積層対象となる集電体はその表面が適宜な粗度を有することが必要で、所謂、活物質を沢山詰め込むことができる表面粗度が求められる。また、珪素系の活物質の採用には、集電体となる金属箔に適宜な硬度と塑性(伸び)が要求される。
リチウムイオン二次電池の高容量化と充放電の長期寿命化を満足させる条件の一つは、負極に容量向上に期待の高い活物質と該活物質を積層する集電体として好適な金属箔の選定である。
二次電池の高容量化の要求に対し、活物質がカーボン系活物質から上述したように珪素系活物質に変更されようとしている。
しかし一方で珪素係活物質は特有の硬さと、充放電時の粒子間の膨張収縮が大きいため、この珪素系活物質の特性を最大限に発揮させ得る集電体の選定が最大の課題となってきている。かかる課題を満足する集電体としては、集電体の表裏両面の形状が均一で活物質を薄く保持することができる金属箔が必要であり、これによりリチウムイオン二次電池の高容量と充放電の長寿命が同時に達成できる。
一般に金属箔でリチウムイオン二次電池の負極集電体材料に必須な要件は、伝導性、表裏両面の表面加工の容易性、活物質との密着性、集電端子の超音波接合性に優れる特性を有することである。銅箔はこれらの必須要件のうち伝導性、集電端子の超音波接合性は兼ね備えているが、表面形状、活物質との密着性については未だ改善の余地を残している。
二次電池負極用金属箔として、銅箔の表面積を大きくし、かつ活物質の密着性を増大するため銅箔に貫通孔を設けた集電体が特許文献1に開示されている。
また、金属箔に貫通孔を設けた集電体の提案は特許文献2、3にも開示されている。
しかし、特許文献1に開示されている集電体は貫通孔の穴の形状を細かく規定して集電体の表面積を増加させ、カーボンからなる活物質との密着性を増大させたものである。また、特許文献2はアルカリ二次電池用の集電体として、貫通孔を有する銅箔表面にアルカリ電解液による腐食を防止する目的でニッケルメッキを施す技術で、活物質として水素吸蔵合金を主体としたスラリーを使用している。また、特許文献3は集電体に設ける貫通孔の位置を規制した技術に関するもので、カーボンを主成分とする活物質を使用している。
このように、これらの特許文献に開示されている穴明き集電体はカーボン又は水素吸蔵合金を活物質として積層するために開発された技術である。したがって上記特許文献に開示されている穴明き集電体は、珪素系活物質の特徴を充分に発揮させる集電体としての機能、即ち高性能で小型化が可能で薄い二次電池を提供し得る珪素系活物質の機能を充分に引き出す集電体としての能力については追求されていない。
特開2000−294250号公報 特開平10−112326号公報 特開平11−86869号公報
本発明は、特に珪素系活物質の特性を充分に発揮させることができ、即ち高性能で小型化が可能で薄い二次電池を提供し得る珪素系活物質の機能を充分に引き出すことができる穴あき粗化処理銅箔(集電体)を提供することを目的とする。
また、前記集電体に珪素系活物質を均一に積層した二次電池用電極を提供することを目的とする。
本発明の二次電池集電体用穴あき粗化処理銅箔は、貫通孔が穿設された未処理銅箔又は未処理銅合金箔の表面に、パルス陰極電解処理により銅又は銅合金からなる一次粗化処理層が設けられ、該一次粗化処理層の上に平滑メッキ処理により銅又は銅合金からなる二次処理層が設けられている。
また、本発明の二次電池集電体用穴あき粗化処理銅箔は、貫通孔が穿設された銅箔又は銅合金箔の表面に、パルス陰極電解処理により銅又は前記銅合金箔と同一の金属からなる一次粗化処理層が設けられ、該一次粗化処理層の上に平滑メッキ処理により銅又は前記銅合金箔と同一の金属からなる二次処理層が設けられている。
前記銅箔に穿設される貫通孔は、円形(楕円を含む)もしくは幾何学形状(多角形、不定形等)であり、1つの孔の開口部分の面積が、0.01mm以下であることが好ましい。
更に、前記貫通孔が穿設された銅箔又は銅合金箔において、前記貫通孔の開口部分の合計面積が、貫通孔穿設前の箔の表面積に対して55%以下であることが望ましい。
本発明の二次電池集電体用穴あき粗化処理銅箔は、前記二次処理層の表面に防錆剤による防錆層が設けられ、該防錆層表面にカップリング剤による保護層が設けられている。
本発明の二次電池集電体用穴あき粗化処理銅箔の製造方法は、貫通孔が穿設された未処理銅箔又は未処理銅合金箔の表面に、銅又は銅合金からなる一次粗化処理層をパルス陰極電解処理により設け、該一次粗化処理層の上に銅又は銅合金からなる二次処理層を平滑メッキ処理により設ける製造方法である。
本発明の二次電池集電体用穴あき粗化処理銅箔の製造方法は、貫通孔が穿設された銅箔又は銅合金箔の表面に、銅又は前記銅合金箔と同一の金属からなる一次粗化処理層をパルス陰極電解処理により設け、該一次粗化処理層の上に銅又は前記銅合金箔と同一の金属からなる二次処理層を平滑メッキ処理により設ける製造方法である。
本発明の二次電池集電体用穴あき粗化処理銅箔を使用したリチウムイオン二次電池負極電極は、前記穴あき粗化処理銅箔の表面に珪素系活物質を積層してなる電極である。
本発明の穴あき粗化処理銅箔は、貫通孔が穿設された銅箔又は銅合金箔(以下銅箔と銅合金箔とを区別して表現する必要がないときは単に未処理銅箔又は銅箔と表現する)の表面に、銅又は前記銅合金箔と同一の金属をパルス陰極電解処理により析出させて微細粗化処理を施し、次いで該表面の微細化させた粗化粒子(金属コブ)を脱落させないように平滑メッキ処理を施し、必要によりその上に防錆層とカップリング剤からなる保護層とを設けている。したがって、珪素系活物質を効率よく多くの量を積層(塗工結着)させることができ、高品質のリチウムイオン二次電池用負極集電体として優れた効果を発揮するものである。
また、本発明の穴あき粗化処理銅箔を集電体とし、該集電体に珪素系活物質を積層することで、珪素系活物質の特徴が充分に機能し、高性能で小型、薄型化したリチウムイオン二次電池を提供することができる。
穴あき銅箔の表面粗化処理工程の一例を示す工程説明図である。 本発明実施形態による銅箔の断面形状を図解する説明図で、(A)は一次粗化処理層aの断面、(B)は二次粗化処理層bの断面である。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の穴あき粗化処理銅箔は、珪素系活物質との密着性を強め、より多くの活物質を脱落させることなく均一に保持するために、銅箔両面に極めて低粗化で均一な銅粒子又は銅合金粒子による一次粗化処理をパルス陰極電解により施す。
次いで前記一次粗化処理が施された一次粗化処理層を健全に保つために一次粗化処理層の上に一次粗化で用いた粒子と同一成分のメッキ液で平滑にメッキ(陰極電解メッキ)を施すことで平滑な二次処理層(カプセルメッキ層)を設ける。
未処理銅箔、銅合金箔は電解銅箔、圧延銅箔どちらでも採用することができる。銅合金箔としては銅を主体とした合金であれば採用できるが、特に銅―錫合金を採用することが好ましく、錫の含有量が0.15%以下で、導電率が85%IACS以上、すなわち純銅の導電率の85%以上の銅−錫合金を採用することがより好ましい。
未処理銅箔が電解銅箔または電解銅合金箔である場合は、貫通孔を穿設する前の表裏の素地がJIS−B−0601に規定される表面粗さRzで0.8〜2.5μmの範囲にある銅箔を採用することが好ましい。
上記電解銅箔は製箔時の電析結晶粒が非常に微細粒子で、電解銅箔のマット面側の断面が細かな粒状結晶構造となっている状態が好ましい。この様な結晶構造を有する電解銅箔は、常温での伸び率が3.5%以上あり、珪素系活物質を圧着加熱積層時のプレス温度(150〜180℃程度範囲)でも、十分に熱伸縮に対し追随性を有するためである。
前記穴あけ前の電解銅箔の機械的特性が、常温での伸び率が、3.5%以上であることを好ましいとする理由は、穴あけ加工された粗化処理銅箔表面に活物質を塗工し、電極として電池を組み立てた後の充放電時の珪素系活物質の膨張収縮に対して活物質との密着性が維持され、熱履歴に対する適宜な追随特性が確保されるためである。
未処理銅箔が圧延銅箔または圧延合金銅箔の場合は、両面共に表面粗さRzで1.5μm以下の銅箔を採用することが好ましい。なお、圧延銅箔の場合は無酸素銅又は錫を含有した銅合金インゴットを圧延した銅箔を採用することが好ましい。穴あけ前の圧延銅箔または圧延合金銅箔の特性はIPC‐TM‐650に規定される値で35〜45kN/cmの範囲(ヤング率であれば50〜65MPa)であることが好ましい。
銅箔に適宜な貫通孔を穿設した銅箔の表裏両面に一次粗化によりコブ状の粒子を付着する。次いでコブ状の個々の粒子の表面に平滑メッキを施す。平滑メッキ処理により設ける二次粗化層のコブ状の微細粒子は、前記一次粗化処理層を健全な形状に維持すると共に粒子の均一性と脱落防止が達成される。該平滑メッキ処理後の粗面は、JIS−B−0601に規定される表面粗さRzで3.0μm以下、好ましくは2.5〜3.0μmの範囲とすることが好ましい。
次いで必要により前記二次平滑メッキ処理後の粗面の表面に防錆層を設ける。防錆層としては、クロメート防錆でも有機防錆でも良いが、クロメート防錆処理の場合のクロム付着量は、金属クロムとして0.005〜0.025mg/dmとすることが好ましい。有機防錆剤を選択した場合には、例えばBTA(ベンゾ・トリ・アゾール)系の誘導体であれば特に限定はせず、JIS−Z−2371に規定される塩水噴霧試験(塩水濃度:5%−NaCL、温度35℃)条件下で24時間までは表面が酸化銅に変色しない程度の被膜が形成されていれば良い。
前記防錆層の表面にカップリング剤の単分子からなる保護層を設けることが望ましい。シランカップリング剤の場合の付着量は珪素として0.001〜0.015mg/dm2とすることが望ましく、この付着量範囲が単分子被膜量(保護層)とされている。
カップリング剤としては対象となる活物質により適宜選択することが可能である。シランカップリング剤の他にエポキシ系、アミノ系、ビニル系のカップリング剤が選択できる。
次に、図1により本発明の穴あき粗化処理銅箔の製造方法につきその一実施形態を説明する。
先ず銅箔の粗化処理につき説明し、銅合金箔の粗化処理については後述する。
初めに未処理銅箔にパンチング機で貫通孔を穿設する。貫通孔が穿設された未処理銅箔Aはパルス陰極電解粗化銅粒子表面を形成するための第一処理槽1に導かれる。第一処理槽1には酸化イリジウムアノード11が配置され、銅−硫酸電解液12が充填され、該一次処理槽1で銅箔Aの両面に銅粒子からなるコブ状の微細粗化粒子からなる一次粗化処理層を形成する。第一処理槽1で一次粗化処理層が形成された銅箔Bは水洗槽15で洗浄された後第二処理槽2へ導かれる。なお、図中13は遮蔽板である。
第二処理槽2には酸化イリジウムアノード21が配置され、第一処理槽と同様に銅−硫酸電解液22が充填されており、平滑銅メッキ処理が施される。該平滑メッキ処理が施された銅箔Cは水洗槽25で洗浄された後、第三処理槽3へ導かれる。
第三処理槽3にはSUSアノード31が配置され、クロメート電解液32が充填されており、クロメート防錆層が設けられる。第三処理槽3においてクロメート防錆層が設けられた銅箔Dは水洗槽35で洗浄された後、第四処理槽4へ導かれる。
第四処理槽4にはシランカップリング液42が充填されており、銅箔Dの表面にシランカップリング剤を塗布する。第四処理槽4においてシランカップリング剤を塗布された銅箔Eは乾燥工程5を経て巻取りロール6に巻き取られる。
なお、図中7は給電コンタクトロールである。
上記粗化処理工程は銅箔についての工程である。未処理銅箔が銅合金箔の場合は上記の処理で一次粗化処理、二次粗化処理を行ってもいいが、銅合金箔によっては銅合金と同じ合金で粗化処理することが好ましい場合もある。
未処理銅合金箔Aと同様な合金組成の粗化処理を施す場合には、第一処理槽1に銅合金箔と同一種類の金属が適宜に溶解された銅主体の硫酸電解液12が充填され、該一処理槽1で銅合金箔Aの両面に銅合金粒子からなるコブ状の微細粗化粒子からなる一次粗化処理層を形成する。
第二処理槽2には、第一処理槽と同様に銅合金箔と同一の金属が溶解された銅を主体とする電解液22が充填されており、平滑銅合金メッキ処理が施される。
この他の処理は上記銅箔の粗化処理と同様である。
未処理穴あき銅箔Aとして電解銅箔を採用する場合は活物質特性、電池特性をより向上させるために柱状晶粒からなる結晶構造を有する電解銅箔より、平滑な表面形状をなす両面光沢電解銅箔の方が好ましく、電解製箔後の表裏の表面粗度がJIS−B−0601に規定される表面粗さRzで0.8以上2.5μm未満の範囲のものが好ましい。
また、未処理銅箔が圧延銅箔または圧延合金銅箔の場合は、無酸素銅材(OFC材)を用いるのが好ましい。
更に、電解、圧延、合金銅箔の区別なく、未処理銅箔の常温伸び率は3.5%以上であることが好ましい。
本発明の表面処理銅箔は、特に活物質塗工積層乾燥工程時と二次電池に組み込まれた後の充放電時の耐熱性と塑性追随性が重視されることから、適宜な機械的特性が要求される。例えばビッカース硬度Hv(Vickers Hardness)の値は、80〜110程度の範囲が好ましく、常温での伸び率は3.5%程度以上であることが好ましい。このような穴あき銅箔であれば、開口率が最大55%を超えなければ熱履歴による著しい塑性変形から生じる活物質剥離や集電体としての銅箔の破断は起きない。
また、1つの孔の開口部分の面積が0.01mm以下であることが好ましい。1つの孔の開口部分の面積が0.01mm以下であると、粗化処理によって開口部分が塞がるが、Liイオンが通過可能な隙間は残る。これにより、集電体両面の活物質付着量に差が生じても、付着量の少ない側のLi吸蔵量に規制されることなく、活物質全体の吸蔵量を最大限に利用できる。1つの孔の開口部分の面積が0.01mmより大きいと、活物質が表裏両面でつながり集電特性には効果的であるが、一方で開口部分に脆弱な箇所があると、活物質の充放電時の膨張収縮によって銅箔開口部分の周囲に亀裂が入ることがある。
なお、開口率とは、貫通孔穿設前の未処理銅箔の面積に対する、開口部分の合計面積の比率を言う。
未処理銅箔を例えば合金箔でない穴あき銅箔とした場合に、該両面に設ける一次粗化処理は第一処理槽1で砒素化合物や金属モリブデンが添加されている硫酸銅浴を用いたパルス陰極電解メッキ法により施される。
一次粗化処理は穴あき銅箔両表面に銅のコブ状の粗化粒子を形成させる。具体的には、硫酸銅を銅として20〜30g/l、硫酸濃度をHSOとして90〜110g/l、モリブデン酸ナトリウムをMoとして0.15〜0.35g/l、塩素を塩素イオン換算で0.005〜0.010g/l混入した電解液で、浴温度18.5〜28.5℃に設定し、パルス陰極電解メッキ電流密度を22〜31.5A/dmに設定し、適宜な流速と極間距離とで、健全な銅コブ粗化粒子の層を銅箔表面に形成する。
第一粗化処理について図面を参照して更に詳述する。
第一粗化処理槽1には、遮蔽板13を挟んで隔離された2対の酸化イリジウムアノード11の各対が圧延銅箔Aの両面に配置されている。
銅−硫酸電解液12は第一粗化処理槽1内において所定の流速で流動している。たとえば、第一粗化処理槽1には銅−硫酸電解液12が充填されており所定の流速で攪拌されている、または、銅−硫酸電解液12は第一粗化処理槽1のボトムから給液されてオーバーフローさせる循環層流状態で所定の流速(以下、「第一循環層流速度」という)で流動している。
第一粗化処理槽1において、基材の銅箔表面に極めて低粗化に、かつ均一に、銅粒子をパルス陰極電解処理により表面処理を施す。すなわち、図2(A)に例示した、未処理・無酸素・圧延銅箔の双方の面に(ただし、図2(A)の図解は一方の面のみ示している)、たとえば、表面粗さRzで1.5〜1.6μm程度の均一なコブ状の銅粒子の層(一次粗化処理層)aを形成する。
パルス陰極電解メッキ処理法
給電コンタクトロール7と酸化イリジウムアノード11との間にパルス状の電流を印加するパルス陰極電解メッキ処理を行う上での、オン・タイム(電流を印加する時間)とオフ・タイム(電流を印加しない期間)とを決定するには、銅濃度・硫酸濃度・平均電流密度・電解液の流速・浴温・処理時間を考慮する必要がある。これらの設定には、経験的に、直流電解メッキ処理で、健全な「ヤケメッキ」ができる条件を、パルス陰極電解メッキ処理に置き換えて、同等もしくはそれ以上に健全な処理ができることを確認しておく。
パルス陰極電解メッキ処理法で重要なことは、ロール7とアノード11とに印加する電流の最大値(ピーク)である。
通常ピーク電流値は、おおよそ(オンタイムとオフタイムとの比率の合計)×平均電流値が、オンタイム時に流れる。
オンタイムとオフタイムとの比率の合計は、たとえば、オンタイム10ms、オフタイム40msのときは比率の合計は5、オンタイム10ms、オフタイム60msのときは比率の合計は7である。
この場合、銅−硫酸電解液12の流速が遅く銅イオンの供給が不十分であったり、他方、銅−硫酸電解液12の流速が速く銅イオンの供給が過剰であると、健全な「ヤケメッキ」ができない。そこで、銅−硫酸電解液12の管理容易性に富む銅濃度浴を設定して、平均電流密度・流速・浴温・処理時間を制御して処理する。
平均電流密度は、上記設定浴温で健全な「ヤケメッキ」が可能となる「直流電解メッキ処理」を行った時の電流値を設定することが一般的であるのでそれを採用すると、浴温と処理時間(通電時間)も「直流電解メッキ処理」を行った時の値を用いることが好ましい。たとえば、処理時間は2.5〜5.0秒である。
銅−硫酸電解液12の流速は、健全なヤケメッキ限界電流密度に追従できる銅イオンの供給が可能であればよいので、銅箔Aの搬送速度の半分程度の速さで十分である。たとえば、搬送速度を6〜12m/分とすると、流速は3〜6m/分となる。
なお、パルス陰極電解メッキ処理の場合、ピーク電流時の銅イオンの供給が重要となり、理論上は、銅箔の搬送速度より速い銅−硫酸電解液12の流速を必要とする。しかしながら、オフタイム時も銅イオンは供給されるので、オンタイムの比率の合計が大きくなるに従って銅−硫酸電解液12の流速を速くする必要はなく、実用上は、銅−硫酸電解液12の流動速度は直流電解メッキ処理と同様の銅箔の搬送速度の半分程度の流速で処理が可能である。
オンタイム・オフタイムの決定としては、実験室では、オンタイムとオフタイムとの比率、すなわち、オンタイム/オフタイムが1:4〜1:6の範囲であることが必須であることを見いだした。
なお、ピーク電流密度(オンタイム時の電流密度)は、オンタイム時間、オフタイム時間とパルス陰極電解平均メッキ電流密度によって決まり、特に限定はされないが、例えばオンタイムを10msとした場合には、ピーク電流密度は157.5A/dm2以下となる様に設定するのが好ましく、154〜157.5A/dm2の範囲であるとより好ましい。
なお、同一浴内で前記銅コブ粗化粒子が脱落しないように、必要により電流密度を15〜20A/dmに設定した条件で平滑銅による電解メッキを施すことも適宜可能である。
次いで一次粗化処理された銅箔Bを第二処理槽2へ移動させ、一次粗化処理で付着した微細銅粗化粒子を穴あき銅箔の表面上より脱落させないようにすることと、個々の微細銅粗化粒子の表面形状を整え表面を均一に整えることを目的として二次粗化処理を施す。この工程により粗化処理厚みの均一性の向上と銅粒子離脱による充放電への不具合やセパレーターへの不用意な付着や正極に用いられるリチウム化合物との異常電析を回避することができる。
第二粗化層の形成方法について図面を参照して詳述する。
銅−硫酸電解液22は第二銅メッキ処理槽2内において所定の流速で流動している。たとえば、第二銅メッキ処理槽2には銅−硫酸電解液22が充填されており所定の流速で攪拌される、または、銅−硫酸電解液22が第二銅メッキ処理槽2のボトムから給液されてオーバーフローさせる循環層流状態で所定の流速(以下、「第二循環層流速度」という)で流動している。
第一次粗化処理により施したコブ状の銅粒子個々の表面に付着した銅粒子の層aを健全に保つために、給電コンタクトロール7と酸化イリジウムアノード21とに印加された低電流により平滑銅メッキ処理が行われ、図2(B)に例示したように、一次粗化処理層aが形成された銅箔Bの両側に銅−硫酸電解液22を介して、図2(B)に例示した、平滑な銅メッキからなるカプセル銅層を二次粗化処理bとして陰極電解メッキで付着する、平滑銅メッキ層(二次粗化処理層)bが形成される。
この平滑銅メッキ処理により、1次粗化処理によるコブ状の微細粒子の層(一次粗化処理層)aは、健全な形状を維持すると共に粒子の均一性が保たれる。
平滑電解メッキ条件
ロール7とアノード21との間に連続的に印加する陰極電解メッキ電流密度を、たとえば、15〜20A/dm2に設定した。
第二処理槽2における電解液は具体的には、硫酸銅を銅として35〜55g/L、硫酸濃度をH2SO4として90〜110g/Lとし、浴温度35〜55℃に設定して、陰極電解メッキ電流密度を15〜20A/dm2に設定する。適宜な電解液22の流速と、適宜な酸化イリジウムアノード21の極間距離とで、平滑な銅メッキを第一粗化処理層(微細銅粗化粒子)の表面に形成する。
たとえば、銅箔の搬送速度は、第1ステップにおける搬送速度、たとえば、6〜12m/分と同じであり、第二循環層流速度は、3〜6m/分である。
電解時間は、平滑メッキなので、(電流密度×処理時間*メッキ量)で規定され、たとえば、3.75〜7.5秒程度である。
この場合の平滑メッキ後の最終的な粗化形状の粗度はJIS−B−0601に規定される表面粗さRzで銅箔の両面共に3.0μm以下、好ましくは、2.3〜3.0μmの範囲、さらに好ましくは、2.4〜2.5μmの範囲にすることが好ましい。
平滑銅メッキ処理により、表面処理銅箔Eを二次電池の集電体として用いた場合に、銅粒子離脱による充放電への不具合や、二次電池内のセパレーターへの不用意な付着、二次電池の正極に用いられるリチウム化合物との異常電析を回避することができる。
次いで3.0μm以下に仕上がった二次粗化層表面に、必要によりクロメート防錆剤を浸漬処理或いは必要に応じて陰極電解処理(第三処理槽3)で設け、防錆力を高める。クロメート処理の場合の皮膜厚みは、金属クロム量として0.005〜0.025mg/dmの範囲が好ましい。この付着量範囲であればJIS−Z−2371に規定される塩水噴霧試験(塩水濃度:5%−NaCL、温度35℃)の条件下で24時間までは表面が酸化銅の色に変色しない。
防錆層の形成にはBTA(ベンゾ・トリ・アゾール)に代表される有機系防錆剤でも耐熱性に優れるものが市販されており、適宜使い分けることができる。因みに有機防錆剤であれば例えば、千代田ケミカル株式会社の品番C−143の5.0Wt%(重量パーセント)で35〜40℃に建浴された浴中に浸漬し乾燥させたものでも、クロメート処理と遜色ない防錆効果が得られる。これらの防錆処理効果は、圧延銅箔がベースであっても電解銅箔ベースでも合金金属箔ベースでも違いはないが、コストパフォーマンスに優れるのはクロメート処理である。
更にクロメート処理の施された面には必要に応じてシランカップリング剤を適宜コーティング(保護層)する。シランカップリング剤層を設けることでリチウムイオン二次電池用の珪素系活物質に混入されるバインダーとの密着性を高めることができる。シランカップリング剤は対象となる活物質により適宜選択されるが、特に珪素系活物質との相性に優れるエポキシ系、アミノ系、ビニル系のカップリング剤を選択することが好ましく、その構造式に二重結合やアゾ基を有する該剤は、架橋反応に富み密着効果に優れるので特に好ましい。
また、本発明においては品種種類を限定しないが、少なくとも化学的に密着性を向上させるため、シランカップリング剤の付着量は珪素として0.001〜0.015mg/dmの範囲であることが好ましい。
電解製箔条件により液面側も鏡面に製造された厚み0.018mmの未処理電解銅箔に直径50μmで開口率55%に打ち抜き加工穴あけされた“穴あき電解銅箔”、を用意した。なお、穴あけ前の電解銅箔のマット面側(電着液面側)の形状粗度がJIS−B−0601に規定の表面粗さRzで0.8μm、光沢面側(ドラム面側)の表面粗さRzが1.2μmで、かつ常温伸び率が6.2%の銅箔(古河電気工業株式会社製造の両面光沢電解銅箔)を用いて、該箔の両面に以下の条件で粗化処理を施した。なお、この処理では槽入口からボトム側でマット面側(電着液面側)に、ボトムから槽出口側で光沢面側(ドラム剥離面側)に粗化処理を分けて、銅箔の両面に粗化処理を施した。パルス処理を二回に分けた理由は、穴あき銅箔であるために非穴あき銅箔に較べピーク電流時の発熱が大きくなるため、槽内での切断や伸び不具合を回避するためで、加えてON−OFFタイムの設定を個別に行えるようにして両面の仕上げ粗化処理による表面粗度を一致させるようにするためである。
次いで平滑銅メッキ処理を、槽入口からボトム側で両面同時に直流陰極電解メッキにより二次粗化処理を施した。
また、実施例、比較例では陰極電解条件を「パルス陰極電解」と「直流陰極電解」とに分けて記載する。
[一次粗化粒子形成浴組成と処理条件]
硫酸銅・・・・・・・・・・・・・・・・金属銅として23.5g/l
硫酸・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・100g/l
モリブデン酸ナトリウム・・・・・・モリブデンとして0.25g/l
塩酸・・・・・・・・・・・・・・・塩素イオンとして0.002g/l
硫酸第二鉄・・・・・・・・・・・・・・金属鉄として0.20g/l
硫酸クロム・・・・・・・・・・・・三価クロムとして0.20g/l
浴温度:25.5℃
パルス陰極電解オンタイム・・・・・10ms
パルス陰極電解オフタイム・・・・・60ms
パルス陰極電解平均メッキ電流密度:22.5A/dm2
[二次平滑メッキ処理条件]
硫酸銅・・・・・・・・・・・・・・・・・金属銅として45g/l
硫酸・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・110g/l
浴温度:50.5℃
直流陰極電解メッキ電流密度:18.5A/dm2
防錆処理として、CrOとして3g/Lを含むクロメート浴中に浸漬・乾燥して防錆層を形成した。その後、0.5wt%に建浴したエポキシ系のシランカップリング剤(チッソ株式会社製サイラエースS−510)をその上に薄膜塗布した。
粗化処理終了後の銅箔の両面の表面粗さRzをJIS−B−0601に基づき測定し表1に記載した。
更に該処理銅箔を250mm角に切断して市販のポリフェニレンエーテル(PPE)樹脂系基板(Panasonic電工製メグトロン−6プリプレグ相当)にマット面側の粗化処理面を重ね合わせて180℃で加熱プレス積層した試料により引き剥がし強度の測定値から粗化処理の均一性を評価した。また、異常粗化処理の有無は全面エッチング後の基板表面の残銅を光学顕微鏡による目視観察により評価した。
粗化処理の均一性評価(バラツキチャート評価)は、基材との引き剥がし密着性の測定に用いるJIS−C−6481に規定される測定方法により引き剥がし強度を測定するが、測定チャートの最大値と最小値の“差”が無く直線的にチャートブレが無く描かれて引き剥がされていれば、粗化均一性に優れるものとして評価を「◎」とし、チャートのブレが0.02kg/cm以内は、評価を「○」、0.05kg/cm以内は、評価を「△」、0.05kg/cmを超える場合は評価を「×」として密着強度の数値バラツキを変換し表1に記載した。
残銅は、該積層基板の面をエッチング後、単位面積(0.5mm×0.5mm)当たりの残銅が全く見られない場合を◎、殆ど見られない場合を○、多少見られる場合を△、顕著に見られる場合を×として評価して表1に記載した。
実施例1で用いた穴あけ前の未処理電解銅箔の光沢面側粗度が表面粗さRzで2.5μm、かつ常温伸び率が5.2%の銅箔(古河電気工業株式会社製造の両面光沢電解銅箔)を用いて、二次粗化表面処理後の両面の表面粗度がRzで3.0μm以下となるように実施例1と同様の粗化および表面処理を行い、実施例1と同様の評価測定を行った。その結果を表1に併記する。
実施例1で用いた穴あけ前の未処理電解銅箔の代わりに厚さ18μmで、常温伸び率が 4.2%で、両面の表面粗度がRzで0.8μmの無酸素銅の圧延箔(古河電気工業(株)製造)を用いた以外は実施例1と同様の穴あけ加工後に粗化および表面処理を行い、実施例1と同様の評価測定を行った。その結果を表1に併記する。
厚さ18μmで常温伸び率が3.5%で錫の含有率が0.15%の銅−錫合金箔(古河電気工業(株)製造)を用い、該箔の両面に以下の条件で粗化処理を施した。なお、粗化処理工程における電解液の組成が相違する以外は実施例1と同様に、得られる処理表面の粗さRzで3.0μm以下となるように粗化処理および表面処理を行い、実施例1と同様の評価測定を行った。その結果を表1に併記する。
[一次粗化粒子形成浴組成と処理条件]
硫酸銅・・・・・・・・・・・・・・・・金属銅として23.5g/l
硫酸・・・・・・・・・・・・・・・・・ 100g/l
モリブデン酸ナトリウム・・・・・・モリブデンとして0.25g/l
塩酸・・・・・・・・・・・・・・・塩素イオンとして0.002g/l
硫酸第一錫・・・・・・・・・・・・・・・・スズとして2.35g/l
硫酸第二鉄・・・・・・・・・・・・・・金属鉄として0.20g/l
硫酸クロム・・・・・・・・・・・・三価クロムとして0.20g/l
浴温度:25.5℃
パルス陰極電解オンタイム・・・・・10ms
パルス陰極電解オフタイム・・・・・60ms
パルス陰極電解平均メッキ電流密度:22.5A/dm2
[二次平滑メッキ処理条件] (ここの条件を再度確認して下さい。)
硫酸銅・・・・・・・・・・・・・・・・・金属銅として45g/l
硫酸第一錫・・・・・・・・・・・・・・・・・錫として4.5g/l
硫酸・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・110g/l
浴温度:50.5℃
直流陰極電解メッキ電流密度:18.5A/dm2
比較例1
実施例1に用いた穴あき銅箔の両面に実施例1同様の浴組成でパルス処理に代えて、直流陰極電解処理を施し、得られる双方の粗化面の粗さRzで3.0μm以下となる様に処理した以外は実施例1と同じ処理を施し、実施例1と同様の評価測定を行った。その結果を表1に併記する。
比較例2
実施例2に用いた穴あき銅箔の両面に、比較例1と同様な処理を施した以外は、実施例1と同様の評価測定を行った。その結果を表1に併記する。
比較例3
実施例3に用いた穴あき圧延銅箔の両面に、比較例1と同様な処理を施した以外は、実施例1と同様の評価測定を行った。その結果を表1に併記する。
比較例4
実施例4に用いた圧延合金箔の両面に、比較例1と同様な処理を施した以外は、実施例1と同様の評価測定を行った。その結果を表1に併記する。
比較例5
電解製箔条件により柱状結晶でIPC規格に分類されるミドルプロファイル(MP)形状に製箔されマット面側の表面粗さRzが3.8μm、光沢面側の表面粗さRzが1.8μmのMP−18μm非穴あけ銅箔に、直流電解処理により実施例1と同様の処理および評価測定を行った。その結果を表1に併記する。
Figure 2011216478
表1から明らかなように、実施例1〜4の銅箔は表面粗度が表裏とも同程度で、両面の粗化特性が遜色ないものであった。
実施例と比較して比較例1〜5の銅箔は、密着強度は実施例より勝るが、密着強度のバラツキと残銅の点で実施例より劣り、負極集電体に積層する活物質を均一な厚みで結着する観点からすると、二次電池用集電体として採用する場合、充放電特性に問題を生じることになる。
なお、比較例5の汎用の電解銅箔では、未処理箔の表裏の表面粗度が大きく異なっているため、粗化処理で両面の粗化状態を近接させることができなかった。そのため、未処理銅箔の表裏の表面粗度にかなりの差がある銅箔を採用することは、粗化処理で両面の表面粗度を均一にすることが困難であり、好ましくないと判断される。
上述したように本発明のパルス陰極電解処理により粗化された穴あき銅箔は、両面を略同様な特性に製造することができるので、リチウムイオン二次電池用集電体としての銅箔として好適である。
1 第一粗化処理(パルス陰極電解粗化処理)槽
2 第二銅メッキ処理(平滑メッキ処理)槽
3 第三表面処理(防錆処理)槽
4 第四表面処理(シランカップリング処理)槽
A 未処理銅箔
B 一次処理銅箔
C 二次処理銅箔
D 三次処理銅箔
E 四次処理銅箔
F 表面粗化銅箔

Claims (14)

  1. 貫通孔が穿設された未処理銅箔又は未処理銅合金箔の表面に、パルス陰極電解処理により銅又は銅合金からなる一次粗化処理層が設けられ、該一次粗化処理層の上に平滑メッキ処理により銅又は銅合金からなる二次処理層が設けられている二次電池集電体用穴あき粗化処理銅箔。
  2. 貫通孔が穿設された未処理銅箔又は未処理銅合金箔の表面に、パルス陰極電解処理により前記未処理銅又は前記未処理銅合金箔と同一の金属からなる一次粗化処理層が設けられ、該一次粗化処理層の上に平滑メッキ処理により銅又は前記銅合金箔と同一の金属からなる二次処理層が設けられている二次電池集電体用穴あき粗化処理銅箔。
  3. 前記貫通孔の1つの孔の開口部分の面積が0.01mm以下である請求項1に記載の二次電池集電体用穴あき粗化処理銅箔。
  4. 前記貫通孔の開口部分の合計面積が、貫通孔穿設前の未処理箔の面積に対して55%以下である請求項1又は2に記載の二次電池集電体用穴あき粗化処理銅箔。
  5. 貫通孔が穿設された未処理銅箔又は未処理銅合金箔の厚みが8〜35μmであり、導電率が85%IACS以上である請求項1又は2に記載の二次電池集電体用穴あき粗化処理銅箔。
  6. 前記銅合金箔が銅と錫の合金からなる箔である請求項1に記載の二次電池集電体用穴あき粗化処理銅箔。
  7. 前記二次処理層の表面粗度が、JIS−B−0601に規定される表面粗さRzで3.0μm以下である請求項1〜6のいずれかに記載の二次電池集電体用穴あき粗化処理銅箔。
  8. 前記二次処理層の表面に防錆剤による防錆層が設けられ、該防錆層表面にカップリング剤による保護層が設けられている請求項1又は2に記載の二次電池集電体用穴あき粗化処理銅箔。
  9. 前記防錆層がクロメートからなり、該クロメート防錆層のクロム付着量が、金属クロムとして0.005〜0.025mg/dmである請求項8に記載の二次電池集電体用穴あき粗化処理銅箔。
  10. 前記保護層がシランカップリング剤からなり、該シランカップリング剤の付着量が、珪素として0.001〜0.015mg/dmである請求項8に記載の二次電池集電体用穴あき粗化処理銅箔。
  11. 貫通孔が穿設された未処理銅箔又は未処理銅合金箔の表面に、銅又は銅合金からなる一次粗化処理層をパルス陰極電解処理により設け、該一次粗化処理層の上に銅又は銅合金からなる二次処理層を平滑メッキ処理により設ける二次電池集電体用穴あき粗化処理銅箔の製造方法。
  12. 貫通孔が穿設された未処理銅箔又は未処理銅合金箔の表面に、銅又は前記銅合金箔と同一の金属からなる一次粗化処理層をパルス陰極電解処理により設け、該一次粗化処理層の上に銅又は前記銅合金箔と同一の金属からなる二次処理層を平滑メッキ処理により設ける二次電池集電体用穴あき粗化処理銅箔の製造方法。
  13. 前記二次処理層の表面に防錆層を防錆剤により設け、該防錆層表面に保護層をカップリング剤により設ける請求項11又は12に記載の二次電池集電体用穴あき粗化処理銅箔の製造方法。
  14. 請求項1又は2に記載の粗化処理銅箔、又は請求項11、12又は13に記載の製造方法で製造された粗化処理銅箔の表面に珪素系活物質を積層してなるリチウムイオン二次電池負極電極。
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