JP2011214120A - 低温焼戻脆化割れ性に優れた耐摩耗鋼板 - Google Patents

低温焼戻脆化割れ性に優れた耐摩耗鋼板 Download PDF

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Abstract

【課題】耐摩耗性に優れかつ耐低温焼戻脆化割れ性に優れた耐摩耗鋼板を提供する。
【解決手段】mass%で、Mn:0.80%以下、P:0.010%以下としたうえで、C:0.25〜0.35%、Si:0.05〜1.0%、S:0.005%以下、Ti:0.005〜0.05%、Nb:0.005〜0.024%、B:0.0003〜0.0030%、Al:0.1%以下を含み、さらにCu:0.1〜1.0%、Ni:0.1〜2.0%、Cr:0.1〜1.0%、Mo:0.05〜1.0%、V:0.005〜0.10%、W:0.05〜1.0%のうちから選ばれた1種または2種以上を、Ceqが0.55%超0.60%以下で、かつDI*値が45以上を満足するように調整して含有する組成の鋼素材を、熱間圧延したのち、直接焼入れまたは、熱間圧延後に空冷し、さらに再加熱焼入れして、基地相がマルテンサイト相を主体とする相である組織とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、建設、土木、鉱山等の分野で使用される、例えば、パワーショベル、ブルドーザー、ホッパー、バケットなどの産業機械や運搬機器等のうち、土砂との接触による摩耗が問題となるような部材用として好適な、耐摩耗鋼板に係り、特に、板厚100mm以上の厚鋼板における、ガス切断、プラズマ溶断等の熱溶断や、溶接による熱影響部の、耐低温焼戻脆化割れ性の改善に関する。
土、砂等による摩耗を受ける部材には、長寿命化のため、耐摩耗性に優れた鋼材が使用されている。従来から、鋼材の耐摩耗性は、高硬度化することにより、向上することが知られている。このため、耐摩耗性が要求される部材には、C量を高くし、Cr、Mo等の合金元素を大量に添加した鋼材に焼入れ処理や、焼入れ−低温焼戻処理を施し、高硬度化した鋼材が使用されてきた。
一般に、このような高硬度化した鋼材は、低温焼戻脆化温度域に再加熱されると、常温に冷却後、遅れ破壊が発生する場合がある。この遅れ破壊は結晶粒界が脆弱化することにより起因し、破壊の形態は粒界破壊で、破面は粒界破面を呈する。このような遅れ破壊を回避するためには、鋼材を低温焼戻脆化温度域に再加熱することを避ければよいが、部材を加工する際に、溶断や、溶接などの加工は必須であり、溶断部や溶接部で、低温焼戻脆化温度域に鋼材が再加熱されるのを回避することは不可能である。そこで、低温焼戻脆化温度域に再加熱されても、遅れ破壊が抑制可能な、耐低温焼戻脆化割れ性に優れた耐摩耗鋼板が要望されている。
このような要望に対し、例えば特許文献1には、質量%で、C:0.20〜0.30%、Si:0.05〜1.0%、Mn:0.45〜1.2%、Nb:0.005〜0.024%、Ti:0.005〜0.05%、B:0.0003〜0.0030%、Al:0.1%以下、P:0.010%以下、S:0.005%以下を含み、Mo:0.05〜1.0%、W:0.05〜1.0%のいずれか1種以上を含有し、更に、Cu:0.1〜1.0%、Ni:0.1〜2.0%、Cr:0.1〜1.0%、V:0.005〜0.10%の1種または2種以上を、Ceqが0.55%以下で、DI*値が45以上を満足するように含有し、残部Feおよび不可避的不純物からなる組成と、旧オーステナイト粒径が30μm以下のマルテンサイト相を基地相とする、低温靭性および低温焼戻脆化割れ性に優れた耐摩耗鋼板が記載されている。
また、特許文献2には、質量%で、C:0.20〜0.35%、Si:0.05〜1.0%、Mn:0.45%未満、Ti:0.005〜0.05%、B:0.0003〜0.0030%、Al:0.1%以下、P:0.020%以下、S:0.005%以下を含み、Cu:0.1〜1.0%、Ni:0.1〜2.0%、Cr:0.1〜1.0%、Mo:0.05〜1.0%、V:0.005〜0.10%、W:0.05〜1.0%の1種または2種以上を、Ceqが0.55%以下で、DI*値が45以上を満足するように含有し、あるいはさらにNb:0.005〜0.024%を含み、残部Feおよび不可避的不純物からなる組成と、マルテンサイト相を基地相とする組織と、を有する低温靭性および低温焼戻脆化割れ性に優れた耐摩耗鋼板が記載されている。
また、特許文献3には、質量%で、C:0.20〜0.30%、Si:0.05〜1.0%、Mn:0.45〜1.2%、Nb:0.005〜0.024%、Ti:0.005〜0.05%、B:0.0003〜0.0030%、Al:0.1%以下、P:0.010%以下、S:0.005%以下、Mo:0.05%未満、W:0.05%未満を含有し、Cu:0.1〜1.0%、Ni:0.1〜2.0%、Cr:0.1〜1.0%、V:0.005〜0.10%の1種または2種以上を、Ceqが0.55%以下で、DI*値が45以上を満足するように含有し、残部Feおよび不可避的不純物からなる組成と、旧オーステナイト粒径が30μm以下のマルテンサイト相を基地相とする組織を有し、ガス切断面性状および低温焼戻脆化割れ性に優れた耐摩耗鋼板が記載されている。
特開2009−30092号公報 特開2009−30093号公報 特開2009−30094号公報
最近では、部材の大型化に伴い、更なる厚肉の耐摩耗鋼板が要求されている。しかし、特許文献1〜3に記載された技術では、高々32 mm程度までの厚さの耐摩耗鋼板しか、製造できていない。
本発明は、かかる従来技術の問題を有利に解決し、好ましくは板厚32 mmを超える厚肉となっても、耐摩耗性に優れかつ耐低温焼戻脆化割れ性に優れた耐摩耗鋼板を提案することを目的とする。
本発明者らは、上記した目的を達成するために、耐摩耗性、耐低温焼戻脆化割れ性に及ぼす各種要因について、さらに鋭意考究した。その結果、C:0.25〜0.35%、Mn:0.80%以下、P:0.010%以下に限定し、炭素当量Ceqを0.55%超0.60%以下の範囲内に調整した組成とすることにより、板厚が薄い場合にはもちろん、板厚32 mmを超える厚肉の鋼板としても、優れた耐摩耗性を維持しつつ、耐低温焼戻脆化割れ性が著しく改善された耐摩耗鋼板とすることができることに想到した。
まず、本発明者らが行った基礎的実験について説明する。
mass%で、0.30%C−0.25%Si−0.6〜1.5%Mn−0.002〜0.030%P−0.015%Nb−0.020%Ti−0.0012%Bを含み、下記(1)式
Ceq=C+Mn/6+(Cu+Ni)/15+(Cr+Mo+V)/5+W/10 ‥‥(1)
で定義されるCeqが0.60%に一定となるように、Ni、Cu、Mo、Wを適宜含有し、残部Feからなる組成の溶鋼を溶製し、鋼片としたのち、熱間圧延して板厚:40mmの鋼板とした。これら鋼板を、900℃に再加熱し、急冷した。得られた鋼板から試験材を採取し、T形隅肉溶接割れ試験を実施した。T形隅肉溶接割れ試験は、試験材を、図2に示すようなT形隅肉溶接割れ試験体に組み立て、試験溶接部(長さ:200mm)に、入熱13kJ/cmの炭酸ガス溶接で、3層6パスの隅肉溶接を行なった。溶接後、48時間経過したのち、試験溶接部について、遅れ割れ発生の有無を調査した。調査は試験体ビード部5断面を切断して観察することにより行った。
得られた結果を、遅れ破壊(割れ)の発生に及ぼす、Mn含有量とP含有量との関係の影響で、図1に示す。図1から、Mnが0.80%超え、Pが0.010%を超えた領域で、割れが発生している。発生した割れの破面は粒界破壊であり、低温焼戻脆化割れであると断定した。図1から、Ceqを0.60%と高くした板厚:32mm超え厚鋼板用の組成としても、MnとPを、Mn:0.80%以下、P:0.010%以下に調整することにより、割れの発生がなく、耐低温焼戻脆化割れ性が改善するという知見を得た。
本発明は、かかる知見に基づき、さらに検討を加えて完成されたものである。すなわち、本発明の要旨は次のとおりである。
(1)mass%で、C:0.25〜0.35%、Si:0.05〜1.0%、Mn:0.80%以下、P:0.010%以下、S:0.005%以下、Ti:0.005〜0.05%、Nb:0.005〜0.024%、B:0.0003〜0.0030%、Al:0.1%以下と、さらにCu:0.1〜1.0%、Ni:0.1〜2.0%、Cr:0.1〜1.0%、Mo:0.05〜1.0%、V:0.005〜0.10%、W:0.05〜1.0%のうちから選ばれた1種または2種以上を、次(1)式
Ceq=C+Mn/6+(Cu+Ni)/15+(Cr+Mo+V)/5+W/10 ‥‥(1)
(ここで、 C、Si、Mn、Cu、Ni、Cr、Mo、V、W:各元素の含有量(mass%))
で定義されるCeqが0.55%超0.60%以下で、かつ次(2)式
DI*=33.85×(0.1×C)0.5 ×(0.7×Si+1)×(3.33×Mn+1)×(0.35×Cu+1)×(0.36×Ni+1)×(2.16×Cr+1)×(3×Mo+1)×(1.75×V+1)
×(1.5×W+1) ……(2)
(ここで、 C、Si、Mn、Cu、Ni、Cr、Mo、V、W:各元素の含有量(mass%))
が定義されるDI*値が45以上を満足するように含有し、残部Feおよび不可避的不純物からなる組成と、基地相がマルテンサイト相を主体とする相である組織と、を有し、耐低温焼戻脆化割れ性に優れることを特徴とする耐摩耗鋼板。
(2)(1)において、前記組成に加えてさらに、mass%で、Ca:0.0005〜0.0050%、REM:0.0005〜0.0050%のうちから選ばれた1種または2種を含有する組成とすることを特徴とする耐摩耗鋼板。
(3)(1)または(2)において、前記組織が、旧オーステナイト粒径が15μm以下であることを特徴とする耐摩耗鋼板。
(4)(1)ないし(3)のいずれかにおいて、表面硬さが、450 HBW10/3000以上であることを特徴とする耐摩耗鋼板。
本発明によれば、優れた耐摩耗性を有し、かつ溶断、溶接時の熱影響で低温焼戻脆化領域に加熱されても、遅れ割れ(遅れ破壊)の発生が防止され、優れた耐摩耗性と優れた耐低温焼戻脆化割れ性を兼備した、板厚32mmを超える厚肉の耐摩耗鋼板を安価に、しかも容易に製造でき、産業上格段の効果を奏する。
遅れ破壊(割れ)の発生に及ぼす、Mn含有量とP含有量との関係の影響を示すグラフである。 実施例で使用したT形隅肉溶接割れ試験における試験体の形状寸法および試験溶接の寸法形状を、模式的に示す説明図である。
まず、本発明鋼板の組成限定理由について説明する。なお、以下、とくに断わらない限りmass%は、単に%で表す。
C:0.25〜0.35%
Cは、マトリクスの硬さを増加させ、耐摩耗性を著しく向上させる元素である。このような効果を得るためには、本発明では0.25%以上の含有を必要とする。一方、0.35%を超えて含有すると、溶接性が低下する。このため、Cは0.25〜0.35%の範囲に限定した。なお、好ましくは0.27〜0.31%である。
Si:0.05〜1.0%
Siは、脱酸剤として作用する有効な元素であり、このような効果を得るためには0.05%以上の含有を必要とする。また、Siは、鋼に固溶して固溶強化により鋼板の高硬度化に寄与する有効な元素であるが、1.0%を超える含有は、延性、靭性を低下させ、さらに介在物量が増加するなどの問題を生じる。このため、Siは0.05〜1.0%の範囲に規定した。なお、好ましくは0.05〜0.40%である。
Mn:0.80%以下
Mnは、固溶強化により高硬度化に寄与する有効な元素であり、このような効果を得るためには、0.1%以上含有することが望ましいが、0.80%を超える含有は、Pの粒界偏析を助長し、遅れ破壊を発生しやすくする。このため、Mnは0.80%以下に規定した。なお、好ましくは0.60〜0.80%である。
P:0.010%以下
Pは、粒界に偏析し、遅れ破壊の発生を助長する元素であり、本発明ではできるだけ低減することが好ましいが、過度の低減は溶製コストの高騰を招くため、0.010%を上限とした。なお、好ましくは0.007%以下である。
S:0.005%以下
Sは、鋼中でMnSを形成し、破壊発生の起点として作用し、靭性の著しい低下を招くため、本発明ではできるだけ低減することが望ましいが、過度の低減は溶製コストの高騰を招くため、0.005%を上限とした。なお、好ましくは0.003%以下である。
Ti:0.005〜0.05%
Tiは、Nと結合しTiNを形成してNを固定し、BNの形成を抑制して、Bの焼入れ性向上効果を有効に作用させる効果を有する。このような効果を得るためには、0.005%以上の含有を必要とするが、0.05%を超えて含有すると、TiCが析出し母材靭性が低下する。このため、Tiは0.005〜0.05%の範囲に規定した。なお、好ましくは、0.005〜0.020%である。
Nb:0.005〜0.024%
Nbは、炭窒化物あるいは炭化物を形成し、組織を微細化して遅れ破壊を抑制する作用を有する。このような効果を得るためには、0.005%以上の含有を必要とするが、0.024%を超える含有は、粗大な炭窒化物を析出させて、破壊の起点となるため、靭性が低下する。このため、Nbは0.005〜0.024%の範囲に限定した。なお、好ましくは、0.005〜0.018%である。
B:0.0003〜0.0030%
Bは、粒界に偏析し、微量含有で焼入れ性を著しく向上する元素である。このような効果を得るためには、0.0003%以上の含有を必要とする。一方、0.0030%を超える含有は、溶接性を低下させる。このため、Bは、0.0003〜0.0030%の範囲に規定した。なお、好ましくは、0.0005〜0.0015%である。
Al:0.1%以下
Alは、脱酸剤として作用するとともに、Nと結合して結晶粒微細化に寄与する元素である。このような効果は、0.015%以上の含有で認められるが、0.1%を超える多量の含有は、鋼の清浄度を低下させる。このため、Alは0.1%以下に規定した。
Cu:0.1〜1.0%、Ni:0.1〜2.0%、Cr:0.1〜1.0%、Mo:0.05〜1.0%、V:0.005〜0.10%、W:0.05〜1.0%のうちから選ばれた1種または2種以上
Cu、Ni、Cr、Mo、V、Wはいずれも、鋼の焼入れ性を向上させる元素であり、本発明では選択して1種または2種以上を含有する。
Cu:0.1〜1.0%
Cuは、鋼中に固溶して鋼の焼入れ性を向上させる元素であり、このような効果を得るためには0.1%以上の含有を必要とする。一方、1.0%を超える含有は、熱間加工性を低下させる。このため、含有する場合には、Cuは0.1〜1.0%の範囲に規定した。なお、好ましくは0.1〜0.5%である。
Ni:0.1〜2.0%
Niは、鋼中に固溶して焼入れ性を向上させる元素であり、このような効果は0.1%以上の含有で顕著となる。一方、2.0%を超える含有は、材料コストを著しく上昇させる。このため、含有する場合には、Niは0.1〜2.0%の範囲に規定した。なお、好ましくは0.1〜1.0%である。
Cr:0.1〜1.0%
Crは、焼入れ性を向上させる元素であり、このような効果を得るためには、0.1%以上の含有を必要とする。一方、1.0%を超える含有は、溶接性を低下させる。このため、含有する場合には、Crは0.1〜1.0%の範囲に規定した。なお、より好ましくは0.1〜0.40%である。
Mo:0.05〜1.0%
Moは、同様に、焼入れ性を向上させる元素であり、このような効果を得るためには、0.05%以上の含有を必要とする。一方、1.0%を超える含有は、溶接性を低下させる。そのため、含有する場合には、Moは0.05〜1.0%の範囲に規定した。なお、好ましくは、0.05〜0.40%である。
V:0.005〜0.10%
Vは、焼入れ性を向上させる元素であり、このような効果を得るためには、0.005%以上の含有を必要とする。一方、0.10%を超える含有は、靭性、溶接性を低下させる。そのため、含有する場合には、Vは0.005〜0.10%の範囲に規定した。なお、好ましくは、0.010〜0.090%である。
W:0.05〜1.0%
Wは、同様に、焼入れ性を向上させる元素であり、このような効果を得るためには、0.05%以上の含有を必要とする。一方、1.0%を超える含有は、溶接性を低下させる。そのため、含有する場合には、Wは0.05〜1.0%の範囲に規定した。なお、好ましくは、0.05〜0.40%である。
本発明では、上記した成分を、上記した範囲で、かつ次(1)式
Ceq=C+Mn/6+(Cu+Ni)/15+(Cr+Mo+V)/5+W/10 ‥‥(1)
(ここで、 C、Mn、Cu、Ni、Cr、Mo、V、W:各元素の含有量(mass%))
で定義されるCeqが0.55%超0.60%以下の範囲となるように、調整して含有する。なお、(1)式に記載された元素を含有しない場合には、その元素の含有量を零として計算するものとする。
Ceq:0.55%超0.60%以下
Ceqが0.55%以下では、合金元素の含有量が少なすぎて、板厚32mmを超える厚肉鋼板の板厚中央部までの強度確保が困難となり、耐摩耗性が低下する。一方、0.60%を超えて大きくなると、溶接性が劣化しすぎて、溶接構造物とすることができにくくなる。このため、Ceqは0.55%超0.60%以下の範囲に限定した。
また、本発明では、上記した成分を、上記した範囲で、さらに上記したCeqの範囲で、かつ次(2)式
DI*=33.85×(0.1×C)0.5 ×(0.7×Si+1)×(3.33×Mn+1)×(0.35×Cu+1)×(0.36×Ni+1)×(2.16×Cr+1)×(3×Mo+1)×(1.75×V+1)
×(1.5×W+1) ……(2)
(ここで、 C、Si、Mn、Cu、Ni、Cr、Mo、V、W:各元素の含有量(mass%))
が定義されるDI*値が45以上となるように調整して含有する。なお、(2)式に記載された元素を含有しない場合には、その元素の含有量を零として計算するものとする。
DI*値:45以上
DI*値は、耐摩耗性に関連する値であり、45未満の場合には、鋼板表面からの焼入れ深さが10mm未満となり、耐摩耗性が低下し、部材が所望の耐摩耗寿命を確保できなくなる。このため、DI*値は45以上に限定した。なお、好ましくは60以上である。
上記した成分が基本の成分であるが、本発明では、これら基本の組成に加えてさらに、選択元素として、Ca、REMの1種または2種を含有してもよい。
Ca:0.0005〜0.0050%、REM:0.0005〜0.0050%の1種または2種
Ca、REMはいずれも、粗大なMnSの形成を抑制し、硫化物の形態を球状の形態とし、鋼の延性、靭性を向上させる作用を有する元素であり、必要に応じて含有できる。このような効果を得るためにはCa:0.0005%以上、REM:0.0005%以上含有することが好ましいが、Ca:0.0050%、REM:0.0050%をそれぞれ超えて含有すると、介在物が多くなりすぎて、鋼板の清浄度を低下させる。このため、含有する場合には、Ca:0.0005〜0.0050%、REM:0.0005〜0.0050%の範囲にそれぞれ限定することが好ましい。
上記した成分以外の残部は、Feおよび不可避的不純物である。なお、不可避的不純物としては、N:0.010%以下が許容できる。
本発明鋼板は、上記した組成と、さらに、基地相がマルテンサイト相を主体とする相である組織と、を有し、好ましくはブリネル硬度で450 HBW10/3000以上の表面硬さを有する。表面硬さが450 HBW10/3000未満では、耐摩耗性の低下が著しくなる。
本発明鋼板の基地相は、マルテンサイト相を主体とする相である。ここでいうマルテンサイト相を主体とする相とは、マルテンサイト相単独、あるいは少量の第二相を含むマルテンサイトを意味する。基地相にマルテンサイト相以外の第二相が所定量を超えて生成されると、所望の耐摩耗性を確保できなくなる。第二相としては、ベイナイト相が挙げられるが、所望の耐摩耗性を確保するためには、第二相を、合計で、体積率で10%以下に限定することが好ましい。
また、本発明鋼板の基地相は、平均結晶粒径が15μm以下の旧オーステナイト粒(旧γ粒)を有する相とすることが好ましい。旧γ粒の平均結晶粒径が15μmを超えて大きくなると、本発明における組成範囲では、遅れ破壊の発生を抑制することが難しくなる場合がある。このため、基地相は、旧γ粒径が15μm以下であるマルテンサイト相を主体とする相とすることが好ましい。
つぎに、本発明鋼板の好ましい製造方法について説明する。
本発明鋼板は、鋼素材に、熱間圧延を施し所定板厚の厚鋼板とする熱延工程と、該熱間圧延終了後直ちに、あるいは熱間圧延終了後空冷したのち再加熱して、該厚鋼板に、焼入れ処理を施す焼入れ処理工程と、を施して、製造される。
本発明の製造方法では、上記した組成の溶鋼を、公知の溶製方法で溶製し、連続鋳造法あるいは造塊−分塊圧延法により、所望寸法のスラブ等にした鋼素材を出発素材として使用することが好ましい。
ついで、鋼素材は、冷却されることなく直接、または冷却され950〜1250℃に再加熱されたのち、熱間圧延を施され、所望板厚の厚鋼板とされる熱延工程を施される。熱間圧延の条件は、所望の寸法形状の厚鋼板とすることができればよく、とくに限定されないが、圧延終了後、ただちに焼入れ処理を行う直接焼入れの場合には、圧延終了温度は800℃以上とすることが好ましい。圧延終了温度が800℃未満では、所望の基地相を確保できなくなる。
熱間圧延終了後、厚鋼板は直ちに焼入れする、直接焼入れ処理を施す焼入れ処理工程を施される。あるいは、熱間圧延終了後、空冷したのち、再加熱し焼入れする再加熱焼入れ処理としてもよい。なお、再加熱焼入れ処理の場合には、加熱温度:850〜950℃とすることが好ましい。加熱温度が850℃未満では、十分な焼入れ処理を行うことができず、基地相を、マルテンサイト相を主体とする相とすることができない。一方、950℃を超えて再加熱温度が高温となると、オーステナイト粒が粗大化しすぎて、遅れ破壊の発生を抑制できにくくなる。このため、焼入れ処理のための再加熱温度は850〜950℃の範囲とすることが好ましい。
なお、上記した焼入れ処理後に、300℃以下の焼戻処理を施してもなんら問題はない。
かくして得られた厚鋼板は、耐摩耗鋼板として、耐摩耗性に優れるうえ、溶断、溶接等の熱影響を伴う加工を施しても、低温焼戻脆化割れの発生も認められず、耐低温焼戻脆化割れ性に優れた鋼板として、使用可能である。
以下、実施例に基づいてさらに本発明を詳細に説明する。
表1に示す組成の溶鋼を、真空溶解炉で溶製し、小型鋼塊(150kg)(鋼素材)とした。これら鋼素材を、1050〜1250℃に加熱したのち、圧延終了温度が表2に示す熱間圧延を行う熱延工程を施し、熱間圧延終了後直ちに、焼入れる直接焼入れ処理(DQ)を施した。なお、一部の鋼板では、熱間圧延終了後、空冷したのち、900℃に再加熱し、焼入れる再加熱焼入れ処理(RQ)を施した。
得られた厚鋼板から試験片を採取し、組織観察、表面硬さ試験、T形隅肉溶接割れ試験を実施した。試験方法は次のとおりとした。
(1)組織観察
得られた厚鋼板から組織観察用試験片を採取し、研磨し、ナイタール腐食して、板厚方向1/4位置について、光学顕微鏡(倍率:400倍)または走査型電子顕微鏡(倍率:1000倍)を用いて、基地相組織の種類、その組織分率を測定した。
また、採取した組織観察用試験片を研磨し、ピクリン酸腐食を施して、旧オーステナイト(γ)粒界を現出し、撮像して、画像解析装置を用いて、旧γ粒の平均粒径を測定した。旧γ粒の平均粒径は、各粒の面積を測定し、同面積から円相当直径を算出し、得られた円相当直径を算術平均し、その平均値をその鋼板の旧γ粒の平均結晶粒径とした。
(2)表面硬さ試験
得られた厚鋼板について、JIS Z 2243の規定に準拠して、ブリネル硬さ試験機(試験力:29.42kN)で、10mm径のタングステン硬球を使用し、鋼板表面の硬さHBW10/3000 を測定した。なお、測定位置は、ランダムに選んだ5点とし、5点の平均値を求め、その鋼板の表面硬さとした。
(3)T形隅肉溶接割れ試験
得られた鋼板から試験材を採取し、T形隅肉溶接割れ試験を実施した。採取した試験材を、図2に示すようなT形隅肉溶接割れ試験体に組み立て、試験溶接部(長さ:200mm)に、予熱することなく、入熱13kJ/cmの炭酸ガス溶接で、3層6パスの隅肉溶接を行なった。溶接後、48時間経過したのち、試験溶接部近傍について、遅れ割れ発生の有無を試験体5断面を切断して調査した。
得られた結果を表3に示す。
Figure 2011214120
Figure 2011214120
Figure 2011214120
本発明例(鋼板No.1〜No.10)はいずれも、基地相がマルテンサイト相を主体とする相で、旧γ粒径が15μm以下である組織を有し、T形隅肉溶接割れ試験における割れ(遅れ破壊)の発生もなく、さらに表面硬さが450 HBW10/3000以上の高い表面硬さを有し、耐摩耗性に優れ、かつ耐低温焼戻脆化割れ性にも優れた鋼板となっている。
一方、本発明の範囲を外れる比較例(鋼板No.11〜No.15)は、表面硬さが450 HBW10/3000未満と低く耐摩耗性が低下しているか、あるいは、T形隅肉溶接割れ試験における割れ(遅れ破壊)が発生し、耐低温焼戻脆化割れ性が低下した鋼板となっている。

Claims (4)

  1. mass%で、
    C:0.25〜0.35%、 Si:0.05〜1.0%、
    Mn:0.80%以下、 P:0.010%以下、
    S:0.005%以下、 Ti:0.005〜0.05%、
    Nb:0.005〜0.024%、 B:0.0003〜0.0030%、
    Al:0.1%以下
    と、さらにCu:0.1〜1.0%、Ni:0.1〜2.0%、Cr:0.1〜1.0%、Mo:0.05〜1.0%、V:0.005〜0.10%、W:0.05〜1.0%のうちから選ばれた1種または2種以上を、下記(1)式で定義されるCeqが0.55%超0.60%以下で、かつ下記(2)式が定義されるDI*値が45以上を満足するように含有し、残部Feおよび不可避的不純物からなる組成と、基地相がマルテンサイト相を主体とする相である組織と、を有することを特徴とする耐低温焼戻脆化割れ性に優れた耐摩耗鋼板。

    Ceq=C+Mn/6+(Cu+Ni)/15+(Cr+Mo+V)/5+W/10 ‥‥(1)
    DI*=33.85×(0.1×C)0.5 ×(0.7×Si+1)×(3.33×Mn+1)×(0.35×Cu+1)×(0.36×Ni+1)×(2.16×Cr+1)×(3×Mo+1)×(1.75×V+1)
    ×(1.5×W+1) ……(2)
    ここで、 C、Si、Mn、Cu、Ni、Cr、Mo、V、W:各元素の含有量(mass%)
  2. 前記組成に加えてさらに、mass%で、Ca:0.0005〜0.0050%、REM:0.0005〜0.0050%の1種または2種を含有する組成とすることを特徴とする請求項1に記載の耐摩耗鋼板。
  3. 前記組織が、旧オーステナイト粒径が15μm以下であることを特徴とする請求項1または2に記載の耐摩耗鋼板。
  4. 表面硬さが、450 HBW10/3000以上であることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の耐摩耗鋼板。
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