JP2011213967A - アクリル系粘着剤 - Google Patents

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Abstract

【課題】
本発明は、高温条件下での高いせん断保持力と、曲面に対する高い接着力とを両立させたアクリル系粘着剤を提供することを目的とする。
【解決手段】
アルキル基の炭素数が1〜18のアルキルアクリレート70〜99質量%、並びに、ビニルカルボニル基及び極性基を有する不飽和モノマー1〜30質量%からなる単官能モノマーと、該単官能モノマー100質量部に対して0.01〜1.0質量部の多官能メタクリレートとを単量体単位とする、アクリル系ポリマーを含有する、アクリル系粘着剤。
【選択図】なし

Description

本発明は、アクリル系粘着剤に関する。
アクリル系粘着剤は、片面又は両面粘着テープの粘着基材として広く用いられており、粘着基材を発泡させてアクリルフォーム粘着剤としても使用される。このようなアクリルフォーム粘着剤は、一般に、硬化前のアクリルモノマー中で発泡剤を発泡させた後、硬化させる化学発泡法や、硬化前のアクリルモノマーに窒素ガスのような不活性ガスを導入した後、硬化させる機械発泡法によって製造される(特許文献1〜3)。
特表2004−518793号公報 特開2002−80802号公報 特開2006−22189号公報
アクリルフォーム粘着剤は、種々の被着体に対する接着性に優れていることから、電気・電子用、建築・住宅用、輸送機器用など各種用途に適用可能であるが、保持力を維持しながら曲面接着性を高めることは容易ではない。
そこで、本発明の目的は、高温条件下での高いせん断保持力と、曲面に対する高い接着力とを両立させたアクリル系粘着剤を提供することにある。
発明は、アルキル基の炭素数が1〜18のアルキルアクリレート70〜99質量%、並びに、ビニルカルボニル基及び極性基を有する不飽和モノマー1〜30質量%からなる単官能モノマーと、該単官能モノマー100質量部に対して0.01〜1.0質量部の多官能メタクリレートとを単量体単位とする、アクリル系ポリマーを含有する、アクリル系粘着剤を提供する。
このようなアクリル系粘着剤は、特定の単官能モノマーを所定比率で組み合わせ、これに対して特定化学構造の(すなわちメタクリレート構造の)多官能モノマーを所定量反応させたアクリル系ポリマーを含有するため、柔軟性及び曲面追従性が良好となり、高温条件下での高いせん断保持力と、曲面に対する高い接着力とが両立される。
本発明はまた、アルキル基の炭素数が1〜18のアルキルアクリレート70〜99質量%、並びに、ビニルカルボニル基及び極性基を有する不飽和モノマー1〜30質量%からなる単官能モノマーの部分重合体と、該部分重合体100質量部に対して0.01〜1.0質量部の多官能メタクリレートとの混合物を、光重合してなるアクリル系ポリマーを含有する、アクリル系粘着剤を提供する。このようなアクリル系粘着剤は、高温条件下でのせん断保持力及び曲面に対する接着力に一層優れる。
アクリル系粘着剤における上記混合物は光重合開始剤を含んでいることが好ましく、上記光重合は紫外線重合であることが好ましい。
上記単官能モノマーや多官能メタクリレートは、電子線(EB)等の高エネルギー線により重合開始剤なしに重合することも可能であるが、光重合開始剤を含有する混合物を紫外線重合することにより、EB等を用いた場合に生じ得る重合中又は重合後のポリマーの変性や分解を防止して、アクリル系ポリマーを安定的に製造することができる。また、重合のためのエネルギーも実用上妥当な範囲に収めることができ、量産していく上で好適である。さらに、紫外線で重合し得るモノマーは多種類にわたり、組成の多様性が可能となるため、被着体や用途に合わせて、高温条件下でのせん断保持力や曲面接着性に優れるアクリル系粘着剤を設計することが容易になる。
アクリル系粘着剤には、表面修飾ナノ微粒子を含有させることができる。アクリル系粘着剤に表面修飾ナノ微粒子を含有させることにより、フィラーとして、充填、増量、補強効果を得ることができるのみならず、アクリル系粘着剤を発泡させたときに気泡の安定化に貢献する。
アクリル系粘着剤は、発泡体であることが好ましい。発泡体とすることにより、接合体にせん断力や剥離力が働いた場合に、それらを発泡体の変形のエネルギーとして効果的に吸収させることが可能となり、接着強度を向上させることができるようになる。また、発泡体であることで柔軟性及び曲面追従性に一層優れるため、曲面に対してより高い接着力を有するようになる。
アクリル系粘着剤は、シート状とすることができる。シート状のアクリル系粘着剤は、製造が容易であるのみならず、これを用いて接合体を製造した場合に粘着剤層の厚さを一定に保ちやすくなることから、一様な接着強度を保った接合体を得ることが可能になる。また、シート状であれば、多様な曲面形状へ容易に適用することができる。
アクリル系粘着剤は、120℃、2時間の乾燥減量が1.0質量%以下であることが好ましい。このようなアクリル系粘着剤は、未反応モノマーの残存率が低く、その他揮発成分の量も少ないため、経時的な粘着特性の変化が少なく、長時間にわたり安定して使用することができる。
アクリル系粘着剤は、曲面接着性試験(40℃/80%RH条件下)における24時間後の浮きの高さが10mm以下であり、90℃における耐熱せん断保持時間が5000分以上であることが好ましい。このようなアクリル系粘着剤は、超強力両面粘着テープとして実用上非常に有用であり、例えば、電気・電子用、建築・住宅用、輸送機器等の用途において、曲面接着が求められるアプリケーションでより好適に用いることができる。
本発明によれば、高温条件下での高いせん断保持力と、曲面に対する高い接着力とを両立させたアクリル系粘着剤が提供される。
曲面接着性試験の試験サンプルを示す模式断面図である。 曲面接着性試験の概要を示す模式断面図である。
以下、本発明に係るアクリル系粘着剤の好適な実施形態について説明する。
本実施形態に係るアクリル系粘着剤は、単官能モノマーと多官能モノマーとを単量体単位として有するアクリル系ポリマーを含有する。
アクリル系ポリマーとしては、アルキル基の炭素数が1〜18のアルキルアクリレート70〜99質量%、並びに、ビニルカルボニル基及び極性基を有する不飽和モノマー1〜30質量%からなる単官能モノマーと、該単官能モノマー100質量部に対して0.01〜1.0質量部の多官能メタクリレートとを単量体単位とする、アクリル系ポリマーを用いる。
このようなアクリル系ポリマーを含有するアクリル系粘着剤は、上記アクリル系ポリマーを含有しているため、柔軟性及び曲面追従性が良好であり、高温条件下でのせん断保持力と、曲面に対する接着力との双方に優れる。なお、本明細書中で「高温条件下」とは、40〜200℃の条件下であることをいう。
本実施形態に係るアクリル系粘着剤は、高温条件下でのせん断保持力と、曲面に対する接着力との双方に優れるため、例えば、40〜200℃の条件下での使用に優れる。また、60〜180℃の条件下で、より好適に使用することができる。
単官能モノマーは、アルキル基の炭素数が1〜18のアルキルアクリレート(以下、場合により「C1−18アルキルアクリレート」と称する。)、並びに、ビニルカルボニル基及び極性基を有する不飽和モノマー(以下、場合により「極性不飽和モノマー」と称する。)からなる。
単官能モノマーに占めるC1−18アルキルアクリレートと極性不飽和モノマーの割合は、単官能モノマーの総量を100質量%として、それぞれ70〜99質量%と1〜30質量%である。当該割合は、85〜99質量%と1〜15質量%であることが好ましく、88〜94質量%と6〜12質量%であることがより好ましい。単官能モノマーに占めるC1−18アルキルアクリレートと極性不飽和モノマーの割合が、上記範囲内であると、圧着直後から良好な接着力を発現するという効果を奏する。
なお、アルキル基の炭素数が1〜18のアルキルアクリレートとは、アルキルアクリレートをアクリル酸とアルキルアルコールのエステルとして見た場合に、当該アルキルアルコールの炭素数が1〜18であることを意味する。すなわち、アルキルアクリレートをCH=CH−COO−Rと表した場合、Rが、炭素数1〜18のアルキル基であることを意味する。
アルキルアクリレートのアルキル基の炭素数は、4以上であることが好ましく、8以上であることがより好ましい。また、12以下であることが好ましい。このようなアルキルアクリレートを単官能モノマーとして有すると、アクリル系粘着剤の粘着性が優れるようになるのみならず、せん断保持力がより良好になる。
アルキルアクリレートとしては、メチルアクリレート、エチルアクリレート、n−プロピルアクリレート、イソプロピルアクリレート、n−ブチルアクリレート、イソブチルアクリレート、sec−ブチルアクリレート、tert−ブチルアクリレート、n−ペンチルアクリレート、n−ヘキシルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、n−ヘプチルアクリレート、n−オクチルアクリレート、イソオクチルアクリレート、n−ノニルアクリレート、イソノニルアクリレート、n−デシルアクリレート、n−ウンデシルアクリレート、n−ドデシルアクリレート、n−トリデシルアクリレート、n−テトラデシルアクリレート、n−ペンタデシルアクリレート、n−ヘキサデシルアクリレート、n−ヘプタデシルアクリレート、n−オクタデシルアクリレート等が挙げられる。
これらのうち、n−ブチルアクリレート、n−ヘキシルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、n−オクチルアクリレート、イソオクチルアクリレート、n−ノニルアクリレート、イソノニルアクリレート、n−デシルアクリレートが好ましく、2−エチルヘキシルアクリレート、イソオクチルアクリレートがより好ましい。
極性不飽和モノマーは、ビニルカルボニル基及び極性基を有する。
極性基としては、水酸基、カルボキシル基、カルバモイル基、アミノ基、エポキシ基、ニトリル基等が挙げられ、これらのうち、水酸基、カルボキシル基、カルバモイル基が好ましい。
ビニルカルボニル基は、CH=C−C(=O)−で表される基をいう。このような基を含有することにより、極性不飽和モノマーは、多官能メタクリレートと比較して反応性が高いものとなる。
極性不飽和モノマーとしては、例えば、
2−ヒドロキシエチルアクリレート、3−ヒドロキシプロピルアクリレート、4−ヒドロキシブチルアクリレート、ポリエチレングリコールアクリレート、ポリプロピレングリコールアクリレート等の水酸基含有不飽和モノマー;
アクリル酸等のカルボキシル基含有不飽和モノマー;
アクリルアミド等のカルバモイル基含有不飽和モノマー;
N,N−ジメチルアミノエチルアクリレート、N,N−ジエチルアミノエチルアクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピルアクリレート等のアミノ基含有モノマー;
グリシジルアクリレート等のエポキシ基含有不飽和モノマー;などが挙げられる。
これらのうち、水酸基含有不飽和モノマー、カルボキシル基含有不飽和モノマー、カルバモイル基含有不飽和モノマーが好ましく、カルボキシル基含有不飽和モノマー、カルバモイル基含有不飽和モノマーがより好ましく、カルボキシル基含有不飽和モノマーがさらに好ましい。具体的には、2−ヒドロキシエチルアクリレート、アクリル酸、アクリルアミドが好ましく、アクリル酸、アクリルアミドがより好ましく、アクリル酸がさらに好ましい。
アクリル系ポリマーは、単官能モノマー100質量部に対して0.01〜1.0質量部の多官能メタクリレートを、単量体単位として有する。多官能メタクリレートの含有量が0.01質量部以下であると、アクリル系粘着剤の高温条件下でのせん断保持力が低下する。また、多官能メタクリレートの含有量が1.0質量部以上であると、アクリル系粘着剤の曲面に対する接着力が低下する。すなわち、多官能メタクリレートの含有量を上記範囲内とすることにより、高温条件下での高いせん断保持力と曲面に対する高い接着力との両立が実現できる。
多官能メタクリレートの含有量は、単官能モノマー100質量部に対して、0.04質量部以上であることが好ましく、0.06質量部以上であることがより好ましい。また、0.8質量部以下であることが好ましく、0.40質量部以下であることがより好ましい。これにより、高温条件下でのせん断保持力及び曲面に対する接着力に優れるアクリル系粘着剤が得られる。
多官能メタクリレートとしては、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート、1,9−ノナンジオールジメタクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、プロピレングリコールジメタクリレート、ポリプロピレングリコールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、ペンタエリスリトールジメタクリレート、ペンタエリスリトールトリメタクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、テトラメチロールメタントリメタクリレート等が挙げられる。
これらのうち、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート、1,9−ノナンジオールジメタクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレートが好ましい。
また、アクリル系ポリマーは、アルキル基の炭素数が1〜18のアルキルアクリレート70〜99質量%、並びに、ビニルカルボニル基及び極性基を有する不飽和モノマー1〜30質量%からなる単官能モノマーの部分重合体と、該部分重合体100質量部に対して0.01〜1.0質量部の多官能メタクリレートとの混合物を、光重合してなるアクリル系ポリマーであることが好ましい。このようなアクリル系ポリマーを含有するアクリル系粘着剤は、高温条件下でのせん断保持力及び曲面に対する接着力に一層優れる。
ここで、アルキル基の炭素数が1〜18のアルキルアクリレート、極性基を有するエチレン不飽和モノマー、単官能モノマー、多官能メタクリレートの定義や好適例等は、上記と同様である。
「単官能モノマーの部分重合体」とは、単官能モノマーの少なくとも一部が重合してなる組成物であって、未反応の単量体モノマーを含有しているものをいう。すなわち、「部分重合体100質量部」は、単量体モノマーの重合体と未反応の単量体モノマーとの総量が100質量部であることを意味する。
部分重合体としては、例えば、単官能モノマーと光重合開始剤とを含有する組成物に光照射して、単官能モノマーを光重合してなるものが好ましい。
光重合開始剤としては、
アゾビスインブチロニトリル等のアゾ系化合物;
ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾイソエチルエーテル、ベンゾインプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、α−メチルベンゾイン、α−フェニルベンゾイン等のベンゾイン類;
アントラキノン、メチルアントラキノン、クロルアントラキノン等のアントラキノン類;
p−メトキシベンゼンジアゾニウム、ヘキサフルオロフォスフェート、ジフェニルアイオドニウム、トリフェニルスルフォニウム等のオニウム塩;等が挙げられる。
また、光重合開始剤としては、
2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン等のベンジルジアルキルケタール類;
1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン、2−ヒロドキシ−1−{4−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオニル)−ベンジル]フェニル}−2−メチル−プロパン−1−オン等のα−ヒドロキシアルキルフェノン類;
2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1、2−(ジメチルアミノ)−2−[(4−メチルフェニル)メチル]−1−[4−(4−モルホリニル)フェニル]−1−ブタノン等のα−アミノアルキルフェノン類;
2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−フォスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド等のアシルフォスフィンオキサイド類;
ビス(η5−2,4−シクロペンタジエン−1−イル)−ビス(2,6−ジフルオロ−3−(1H−ピロール−1−イル)−フェニル)チタニウム等のチタノセン類;
1.2−オクタンジオン,1−[4−(フェニルチオ)−,2−(O−ベンゾイルオキシム)]、エタノン,1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−,1−(0−アセチルオキシム)等のオキシムエステル類;等も挙げられる。
光照射は、紫外線照射であることが好ましい。例えば、上記組成物に対して、照射強度0.05〜10mW/cm(好ましくは0.1mW/cm以上、また好ましくは5mW/cm以下)、照射時間5〜300秒(好ましくは10秒以上、また好ましくは240秒以下)の条件で紫外線照射して、部分重合体を得ることができる。
部分重合体の粘度は、2000mPa・s以上であることが好ましく、3000mPa・s以上であることがより好ましい。また、40000mPa・s以下であることが好ましく、20000mPa・s以下であることがより好ましい。
部分重合体と多官能メタクリレートとの混合物中、多官能メタクリレートの含有量は、部分重合体100質量部に対して0.01質量部以上であり、好ましくは0.04質量部以上であり、より好ましくは0.06質量部以上である。また、多官能メタクリレートの含有量は、部分重合体100質量部に対して1.0質量部以下であり、好ましくは0.80質量部以下であり、より好ましくは0.40質量部以下である。混合物中の多官能メタクリレートの含有量が0.01質量部未満であると、得られるアクリル系粘着剤の高温条件下でのせん断保持力が著しく低下する。また、混合物中の多官能メタクリレートの含有量が1.0質量部を超えると、得られるアクリル系粘着剤の曲面に対する接着力が著しく低下する。すなわち、上記混合物中の多官能メタクリレートの含有量を上記範囲内とすることにより、高温条件下での高いせん断保持力と曲面に対する高い接着力とを両立したアクリル系粘着剤が得られるようになる。
上記混合物は、光重合開始剤を含有することが好ましく、上記混合物の光照射は紫外線照射であることが好ましい。光重合開始剤を含有する混合物を紫外線重合して得られるアクリル系ポリマーは、重合がより確実に進行し、高温条件下でのせん断保持力及び曲面に対する接着力に一層優れるようになる。
光重合開始剤としては、上記と同様のものが挙げられる。
紫外線重合は、例えば、上記混合物に対して、照射強度0.05〜10mW/cm(好ましくは0.1mW/cm以上、また好ましくは5mW/cm以下)、照射時間5〜300秒(好ましくは10秒以上、また好ましくは240秒以下)の条件で紫外線照射して行うことができる。
アクリル系粘着剤におけるアクリル系ポリマーの含有量は、アクリル系粘着剤の総量基準で、40〜100質量%であることが好ましく、60〜100質量%であることが好ましい。
アクリル系粘着剤は、表面修飾ナノ微粒子を含有することが好ましい。表面修飾ナノ微粒子とは、ナノメータサイズの微粒子の表面を、当該微粒子に化学的に反応する化合物又は物理的に付着する化合物で修飾(表面処理)したものをいう。表面修飾ナノ微粒子を含有することにより、アクリル系粘着剤中に安定して気泡を保持することができるようになり、アクリル系粘着剤を発泡体として好適に用いることができるようになる。また、上述したアクリル系ポリマーと表面修飾ナノ微粒子との組み合わせにより、従来の発泡粘着剤と比較して、柔軟性及び曲面追従性に優れ、曲面に対してより高い接着力を有する発泡体を形成することができるようになる。
表面修飾ナノ微粒子としては、例えば、シリカ、チタニア、アルミナ、ジルコニア、バナジア、セリア、酸化鉄、酸化アンチモン、酸化スズ、アルミニウム/シリカ、及びそれらの組合せからなる群より選択される無機物からなるナノ微粒子の表面を、シラン、アルコール、有機酸、有機塩基、有機チタネートなどの修飾剤を用いて修飾したものが挙げられる。
ナノ微粒子としては、シリカからなるナノ微粒子が好ましい。そして、表面修飾ナノ微粒子としては、シリカからなるナノ微粒子の表面を、クロロシラン、アルキルアルコキシシラン、アリールアルコキシシラン、ビニルアルコキシシラン、メルカプトアルコキシシラン、ポリエーテルアルコキシシラン、((メタ)アクリロイルオキシ)アルキルアルコキシシラン等のシラン修飾剤を用いて修飾(表面処理)したものが好ましい。すなわち、表面修飾ナノ微粒子としては、オルガノシリル基を表面に有するシリカ微粒子が好ましい。
表面修飾ナノ微粒子の粒径は、0.1〜10nmであることが好ましく、0.1〜8nmであることがより好ましい。表面修飾ナノ微粒子の粒径が上記範囲内であると、発泡助剤としての効果に優れるため、十分に気泡を含有し、柔軟性に優れる発泡体を得ることができるようになる。
アクリル系粘着剤における表面修飾ナノ微粒子の含有量は、アクリル系粘着剤の総量基準で、0.1〜10質量%であることが好ましく、0.1〜5質量%であることがより好ましい。表面修飾ナノ微粒子の含有量が上記範囲であると、気泡をより安定して保持することができ、曲面に対してより高い接着力を有する発泡体を形成できるようになる。
アクリル系粘着剤は、粘着特性を調整すること等のために、その他の添加剤を含有していてもよい。その他の添加剤としては、発泡助剤、可塑剤、粘着付与剤、顔料、補強剤、強化剤、難燃剤、酸化防止剤、安定剤、充填剤等が挙げられる。
充填剤としては、ガラスビーズ、ガラスバルーン(ガラスバブルズを含む)等のガラスフィラー;ポリマーのバブル又はビーズ(発泡したものであっても、未発泡のものであってもよい);繊維;疎水性又は親水性シリカ;ポリエステル、ナイロン、ポリプロピレン等のポリマー粒子;等が挙げられる。
アクリル系粘着剤は、発泡体とすることができる。発泡体であるアクリル系粘着剤は、柔軟性及び曲面追従性に一層優れるため、曲面に対してより高い接着力を有するようになる。なお、アクリル系粘着剤が発泡体である、とは、アクリル系粘着剤が多孔質である、ということもできる。
発泡体であるアクリル系粘着剤(以下、場合により「アクリルフォーム粘着剤」と称する。)に含まれる気泡は、平均直径が5〜300μmであることが好ましく、5〜200μmであることがより好ましい。このような気泡を含有するアクリルフォーム粘着剤は、柔軟性及び曲面追従性に一層優れる。
アクリルフォーム粘着剤の気泡含有量は、アクリルフォーム粘着剤の全体積を基準として、5〜40体積%であることが好ましく、5〜30体積%であることがより好ましい。気泡の含有量が上記下限値より少ないと、アクリルフォーム粘着剤の柔軟性が低下する場合があり、気泡の含有量が上記上限値より多いと、アクリルフォーム粘着剤の強度が低下する場合がある。すなわち、気泡の含有量を上記範囲内とすることにより、アクリルフォーム粘着剤の柔軟性と強度とを両立することができるようになる。
アクリルフォーム粘着剤の密度は、0.3g/cm以上であることが好ましく、0.5g/cm以上であることがより好ましい。また、2.0g/cm以下であることが好ましく、1.5g/cm以下であることがより好ましい。アクリルフォーム粘着剤の密度が上記範囲内であると、柔軟性と強度との双方に優れるようになる。
アクリル系粘着剤は、120℃、2時間の乾燥減量が1.0質量%以下であることが好ましい。このようなアクリル系粘着剤は、揮発成分が少ないため、経時的な粘着特性の変化が少なく、長時間にわたり安定して使用することができる。
なお、乾燥減量とは、初期の質量Aに対する、初期の質量Aと120℃で2時間静置した後の質量Bとの差(A−B)の比((A−B)/A)をいう。
本実施形態おいて、アクリル系粘着剤の曲面接着性試験における、温度40℃、湿度80%の条件下で24時間放置後の浮きの高さHは、10mm以下とすることができる。高さHの値が小さいことが、アクリル系粘着剤の曲面に対する接着力が強いことを示す。
アクリル系粘着剤は、高さHが、5mm以下であることが好ましく、2mm以下であることがより好ましく、1mm以下であることがさらに好ましい。このようなアクリル系粘着剤は、超強力粘着テープとしての実用上、非常に有用である。本実施形態においては、上述の好ましい態様を適宜選択することにより、高さHの値がより小さいアクリル系粘着剤を得ることができる。
曲面接着性試験は、以下の方法により行う試験である。なお、図1は曲面接着性試験の試験サンプルを示す模式断面図であり、図2は曲面接着性試験の概要を示す模式断面図である。
まず、シート状のアクリル系粘着剤1(以下、「粘着シート1」と称する。)を、アルミニウム板2(20mm幅×180mm×0.4mm厚)に貼り付ける。粘着シート1のサイズは、アルミニウム板2と同一となるよう成型する。次に、ABS板3(アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン樹脂からなる板)(30mm幅、200mm、2mm厚)と、粘着シート1とを、ABS板の一端と粘着シートの一端とが重なるように貼り合わせ、2kgローラーで1往復させて圧着して、室温で20分間放置し、試験サンプル10を得る。
次に、試験サンプル10を、間隔5が190mmである治具4に、曲げて固定し、40℃/80%RHの条件下に24時間放置する。
24時間放置した後、粘着シート1の端部(ABS板の端部と重なっていない側の端部)の浮き高さ6を測定した。
同様の測定を2回行い、その平均値を、曲面接着性試験における24時間後の浮きの高さHとする。
また、本実施形態において、アクリル系粘着剤の90℃における耐熱せん断保持時間は、5000分以上とすることができる。このようなアクリル系粘着剤は、超強力粘着テープとしての実用上、非常に有用である。
90℃における耐熱せん断保持時間は、以下の方法により得られる時間である。
まず、シート状のアクリル系粘着剤(以下、「粘着シート」と称する。)を、25mm×25mmのサイズに切り取り、粘着シートの両面にそれぞれSUS板(ステンレス鋼からなる板)(30mm幅×60mm×0.5mm厚、重さ6.82g)を貼り付け、水平に静置する。これに、1kgの重りを載せて、15分間放置して圧着させ、試験サンプルとする。
次いで、試験サンプルが垂直になるように一方のステンレス鋼版SUS(304)板を固定して、90℃の条件下で、10分間放置した後、固定していないSUS板に1.5kgの重りを掛ける。そして、重りを掛けてから、粘着シートが剥がれて固定していないSUS板が落下するまでの時間を測定する。
同様の測定を3回行い、その平均時間を、90℃における耐熱せん断保持時間とする。
さらに、本実施形態において、アクリル系粘着剤は、JIS Z 1541に準拠した評価方法における1種1号に適合する超強力両面粘着テープとすることができる。
本実施形態に係るアクリル系粘着剤は、耐熱性及び曲面接着性に優れることから、電気機器、電化製品等に好適に使用することができる。また、建築・住宅用、輸送機器等の用途において、曲面接着が求められるアプリケーションで好適に用いることができる。
次に、本実施形態に係るアクリル系粘着剤の好適な製造方法について説明する。
アクリル系粘着剤を構成するアクリルポリマーは、C1−18アルキルアクリレート、極性不飽和ポリマー、多官能メタクリレートを単量体単位として含むため、アクリル系粘着剤は、これらを全て混合して重合してもよく、或いは、これらのモノマーの一部を重合した後に残りのモノマーを添加して重合してもよい。重合は一段で行ってもよく、重合開始剤を徐々に添加したり、重合温度を変化させたりして多段で行ってもよい。重合時は、不活性ガスで覆ったり、反応物をフィルムで覆ったり、密閉反応容器(例えば、バルク重合用重合機、リアクティブイクストルージョン(反応押出)機)を用いるなどして、反応物が酸素に触れないようにすることが好ましい。また、アクリル系粘着剤が上記モノマー以外のモノマーや添加物を含むときは、反応のいずれかの段階でそれらを添加すればよい。
好ましいアクリル系ポリマーの製造方法としては以下の方法が挙げられる。すなわち、まず、単官能モノマー及び光重合開始剤を含有する第一の組成物に光照射して、単量体モノマーの部分重合体を得る。次いで、部分重合体と、多官能メタクリレートと、光重合開始剤とを混合して、第二の組成物を得、そして第二の組成物に光照射することにより、アクリル系ポリマーを形成する。
この場合において、粘稠な流動体となるまで部分重合体の重合を進行させ、それに多官能メタクリレートと光重合開始剤を添加した第二の組成物を、フィルム上に所定の厚みになるように塗布し、塗布物をPETフィルム等の紫外線透過性のフィルムで覆った上で、当該フィルムを介して第二の組成物に光照射して重合を進め、アクリル系ポリマーを製造することもできる。これにより、シート状のアクリル系粘着剤を酸素の影響なく形成可能になる。
アクリル系粘着剤を発泡体とする場合には、第二の組成物は、表面修飾ナノ微粒子を含有することが好ましい。
発泡体であるアクリル系粘着剤は、第二の組成物中に気泡を混合することにより得ることができる。気泡を混合する方法としては、公知の気泡混合方法を使用できるが、機械的発泡機構を利用した気泡混合方法が好ましい。
機械的発泡機構を利用した気泡混合方法としては、第二の組成物を振とう、振動、撹拌又は高速撹拌して気泡を混合する方法、第二の組成物にノズル注入又は吹き込みにより気泡形成用ガスを混合する方法、等が挙げられ、これらの方法を組み合わせてもよい。
また、機械的発泡機構を利用した気泡混合方法としては、加振型(振動型)撹拌混合装置をしようする方法も挙げられる(例えば、特開2002−080802号公報に記載の方法で行うことができる。)。加振型撹拌混合装置は、一般に、流体が流通する通路を内部に備えたケーシングと、このケーシング内に配置されていて、ケーシングの軸線方向に振動可能な撹拌用の羽根とを備えている。かかる装置を用いると、第二の組成物に与えられるせん断力が効率的な気泡の分散に寄与するため、温度を上昇させずに細かく均一な気泡を第二の組成物中に分散させることができる。
表面修飾ナノ微粒子は、第二の組成物中の気泡を安定に保持することに寄与する。そのため、第二の組成物中に表面修飾ナノ微粒子を含有させることにより、効率的に気泡が混合させることができ、発泡体を容易に形成することができるようになる。
気泡の混合は、第二の組成物の気泡含有量が、第二の組成物の全体積を基準として、5〜40体積%となるように行われることが好ましく、5〜30体積%となるように行われることがより好ましい。これにより、これにより、密度が上述の好適な範囲内であるアクリルフォーム粘着剤を得ることができる。
(製造例1:表面修飾ナノ微粒子の製造)
イソオクチルトリメトキシシラン61.42g(商品名「BS1316」、Wacker Silicones Corp., Adrian, Mich.)、1−メトキシ−2−プロパノール1940g、コロイダルシリカ1000g(商品名「NALCO 2326」、ナルコケミカル社製)を、1ガロンのガラス容器に入れて、撹拌し、80℃で一晩放置した。ガラス容器中の混合物を、排気式オーブン(エスペック社製)中で180℃で乾燥させ、白色の固形粒子として、表面修飾ナノ微粒子を得た。
(実施例1)
2−エチルヘキシルアクリレート4550g、アクリル酸450g及び光重合開始剤Irgacure651(チバジャパン社製、商品名)2gを混合した組成物に、窒素雰囲気下で、照射強度3mW/cmの紫外線を3分間照射することにより、粘度が6000mPa・sである部分重合体を得た。
この部分重合体に、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート45g、光重合開始剤Darocur TPO(チバジャパン社製、商品名)250g、グラスバブルズK15(スリーエム社製、商品名)8gを添加し、よく撹拌した後に、真空脱泡機により脱気し、製造例1で得られた表面修飾ナノ微粒子42.5gを添加して、粘着剤組成物を得た。得られた粘着剤組成物の粘度は、0.73g/cmであった。
得られた粘着剤組成物に、加振型撹拌混合装置を用いて窒素ガスを分散させて、密度が0.62g/cmである気泡含有組成物を得た。得られた気泡含有組成物の気泡含有量は、15.1体積%であった。なお、気泡含有量は、下記式で求められる値である。
気泡含有量(体積%)=((発泡前の粘着剤組成物の密度)−(気泡含有組成物の密度))×100/(発泡前の粘着剤組成物の密度)
得られた気泡含有組成物を、シリコーン剥離剤で処理されたポリエチレンテレフタラート(PET)ライナー2枚で挟み、厚み0.42mmのシート状にカレンダー成型した。成型されたシートの両面に、照射強度0.6mW/cmの紫外線を3分間、続いて照射強度7.0mW/cmの紫外線を3分間、それぞれ照射することにより、厚み0.40mmのアクリル系粘着シートを得た。
得られたアクリル系粘着シートについて、以下の方法により、90°ピール接着力、耐熱せん断保持力、曲面接着性、超強力両面テープ適合性、加熱減量を評価した。結果は、表2に示すとおりであった。
[90°ピール接着力(対ステンレス板)]
得られたアクリル系粘着シートを、10mm×150mmサイズにカットし、陽極酸化処理したアルミニウム箔(厚さ130μm)で裏打ちした。裏打ちしたサンプルをステンレス板(SUS304)に貼り付け、5kgローラーを1往復させて圧着した。圧着後、室温で72時間放置し、引張試験機(島津製作所社製、商品名「オートグラフAG−X」)で引張速度300mm/分で90°方向に剥離して接着力(N・cm−1)を測定した。同様の測定を3回行い、その平均値を測定値とした。
[耐熱せん断保持力]
得られたアクリル系粘着シートを、25mm×25mmのサイズに切り取り、粘着シートの両面にそれぞれSUS板(ステンレス鋼(304)からなる板)(30mm幅×60mm×0.5mm厚、重さ0.82g)を貼り付け、水平に静置した。これに、1kgの重りを載せて、15分間放置して圧着させ、試験サンプルとした。
次いで、試験サンプルが垂直になるように一方のSUS板を固定して、90℃の条件下で、10分間放置した後、固定していないSUS板に1.5kgの重りを掛けた。そして、重りを掛けてから、粘着シートが剥がれて固定していないSUS板が落下するまでの時間を測定した。同様の測定を3回行い、その平均時間を測定時間とした。なお、5000分以上落下しない場合には「5000+」と表示した。
[曲面接着性]
得られたアクリル系粘着シートを、アルミニウム板(20mm幅×180mm×0.4mm厚)に貼り付け、アクリル系粘着シートをアルミニウム板と同一サイズとなるよう、はみ出した部分を除去した。次に、ABS板(アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン樹脂からなる板)(30mm幅、200mm、2mm厚)と、アクリル系粘着シートとを、ABS板の一端とアクリル系粘着シートの一端とが重なるように貼り合わせ、2kgローラーで1往復させて圧着して、室温で20分間放置し、試験サンプルを得た。
得られた試験サンプルを、190mm間隔の治具に、曲げて固定し、40℃/80%RHの条件下に24時間放置した。24時間放置した後、アクリル系粘着シートの端部(ABS板の端部と重なっていない側の端部)の浮き高さを測定した。同様の測定を2回行い、その平均値を測定値とした。
[超強力両面テープ適合性]
JIS Z 1541に準拠して、得られたアクリル系粘着シートを評価し、適合性を判定した。1種1号に適合するものをA、1種1号に適合しないものをBとして結果を表示した。
[乾燥減量]
ポリエステル製メッシュを120℃で24時間乾燥し、デシケータ中で室温まで冷却した。冷却したポリエステル製メッシュを秤量し、その質量をW1とした。次に、得られたアクリル系粘着シートを100mm×100mmサイズにカットして、秤量したポリエステル製メッシュに載せ、試験サンプルとした。試験サンプルを秤量し、その質量をW2とした。次いで、試験サンプルを、120℃で2時間乾燥し、デシケータ中で室温まで冷却した。冷却した試験サンプルを秤量し、その質量をW3とした。乾燥減量を、次式を用いて計算した。
乾燥減量(質量%)=100−(W3−W1)×100/(W2−W1)
(実施例2)
2−エチルヘキシルアクリレート91g、アクリル酸9g及び光重合開始剤Irgacure651(チバジャパン社製、商品名)0.04gを混合した組成物に、窒素雰囲気下で、照射強度3mW/cmの紫外線を3分間照射することにより、粘度が4000mPa・sである部分重合体を得た。
この部分重合体に、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート0.09g、光重合開始剤Darocur TPO(チバジャパン社製、商品名)0.16g、グラスバブルズK15(スリーエム社製、商品名)5gを添加し、よく撹拌した後に、真空脱泡機により脱気し、粘着剤組成物を得た。
得られた粘着剤組成物を、シリコーン剥離剤で処理されたポリエチレンテレフタラート(PET)ライナー2枚で挟み、厚み0.42mmのシート状にカレンダー成型した。成型されたシートの両面に、照射強度0.6mW/cmの紫外線を3分間、続いて照射強度7.0mW/cmの紫外線を3分間、それぞれ照射することにより、厚み0.40mmのアクリル系粘着シートを得た。得られたアクリル系粘着シートについて、上記の方法により、90°ピール接着力、耐熱せん断保持力、曲面接着性、超強力両面テープ適合性、加熱減量を評価した。結果は、表2に示すとおりであった。
(実施例3)
1,6−ヘキサンジオールジメタクリレートに代えて、1,9−ノナンジオールジメタクリレート0.11gを使用したこと以外は、実施例2と同様にして、厚み0.40mmのアクリル系粘着シートを得た。得られたアクリル系粘着シートについて、上記の方法により、90°ピール接着力、耐熱せん断保持力、曲面接着性、超強力両面テープ適合性、加熱減量を評価した。結果は、表2に示すとおりであった。
(実施例4)
1,6−ヘキサンジオールジメタクリレートに代えて、ポリエチレングリコール400ジメタクリレート0.14gを使用したこと以外は、実施例2と同様にして、厚み0.40mmのアクリル系粘着シートを得た。得られたアクリル系粘着シートについて、上記の方法により、90°ピール接着力、耐熱せん断保持力、曲面接着性、超強力両面テープ適合性、加熱減量を評価した。結果は、表2に示すとおりであった。
(比較例1)
1,6−ヘキサンジオールジメタクリレートに代えて、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート0.02gを使用したこと以外は、実施例2と同様にして、厚み0.40mmのアクリル系粘着シートを得た。得られたアクリル系粘着シートについて、上記の方法により、90°ピール接着力、耐熱せん断保持力、曲面接着性、超強力両面テープ適合性、加熱減量を評価した。結果は、表3に示すとおりであった。
(比較例2)
1,6−ヘキサンジオールジメタクリレートに代えて、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート0.04gを使用したこと以外は、実施例2と同様にして、厚み0.40mmのアクリル系粘着シートを得た。得られたアクリル系粘着シートについて、上記の方法により、90°ピール接着力、耐熱せん断保持力、曲面接着性、超強力両面テープ適合性、加熱減量を評価した。結果は、表3に示すとおりであった。
(比較例3)
1,6−ヘキサンジオールジメタクリレートに代えて、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート0.065gを使用したこと以外は、実施例2と同様にして、厚み0.40mmのアクリル系粘着シートを得た。得られたアクリル系粘着シートについて、上記の方法により、90°ピール接着力、耐熱せん断保持力、曲面接着性、超強力両面テープ適合性、加熱減量を評価した。結果は、表3に示すとおりであった。
(比較例4)
1,6−ヘキサンジオールジメタクリレートに代えて、トリアリルイソシアヌレート0.14gを使用したこと以外は、実施例2と同様にして、厚み0.40mmのアクリル系粘着シートを得た。得られたアクリル系粘着シートについて、上記の方法により、90°ピール接着力、耐熱せん断保持力、曲面接着性、超強力両面テープ適合性、加熱減量を評価した。結果は、表3に示すとおりであった。
(比較例5)
1,6−ヘキサンジオールジメタクリレートに代えて、トリアリルイソシアヌレート0.26gを使用したこと以外は、実施例2と同様にして、厚み0.40mmのアクリル系粘着シートを得た。得られたアクリル系粘着シートについて、上記の方法により、90°ピール接着力、耐熱せん断保持力、曲面接着性、超強力両面テープ適合性、加熱減量を評価した。結果は、表3に示すとおりであった。
表1に、実施例1〜4及び比較例1〜5で配合した各成分の配合比(質量比)を示す。表中、A1は2−エチルヘキシルアクリレートを示し、A2はアクリル酸を示し、D1はIrgacure 651を示し、B1は1,6−ヘキサンジオールジメタクリレートを示し、B2は1,9−ノナンジオールジメタクリレートを示し、B3はポリエチレングリコール400ジメタクリレートを示し、B4は1,6−ヘキサンジオールジアクリレートを示し、B5はトリアリルイソシアヌレートを示し、D2はDarocur TPOを示し、E1はグラスバブルズK15を示し、C1は製造例1で得られた表面修飾ナノ微粒子を示す。
Figure 2011213967
Figure 2011213967
Figure 2011213967
本発明のアクリル系粘着剤は、高温条件下での高いせん断保持力と、曲面に対する高い接着力とが両立されるため、例えば、電気・電子用、建築・住宅用、輸送機器等の用途において、曲面接着が求められるアプリケーションで好適に用いることができ、実用上非常に有用である。
1…シート状のアクリル系粘着剤、2…アルミニウム板、3…ABS板、4…治具、5…治具間隔、6…浮き高さ、10…試験サンプル。

Claims (5)

  1. アルキル基の炭素数が1〜18のアルキルアクリレート70〜99質量%、並びに、ビニルカルボニル基及び極性基を有する不飽和モノマー1〜30質量%からなる単官能モノマーと、
    該単官能モノマー100質量部に対して0.01〜1.0質量部の多官能メタクリレートとを単量体単位とする、アクリル系ポリマーを含有する、アクリル系粘着剤。
  2. アルキル基の炭素数が1〜18のアルキルアクリレート70〜99質量%、並びに、ビニルカルボニル基及び極性基を有する不飽和モノマー1〜30質量%からなる単官能モノマーの部分重合体と、該部分重合体100質量部に対して0.01〜1.0質量部の多官能メタクリレートとの混合物を、光重合してなるアクリル系ポリマーを含有する、アクリル系粘着剤。
  3. 前記混合物は光重合開始剤を含んでおり、前記光重合は紫外線重合である、請求項2記載のアクリル系粘着剤。
  4. 表面修飾ナノ微粒子を含有する、請求項1〜3のいずれか一項に記載のアクリル系粘着剤。
  5. 発泡体である、請求項1〜4のいずれか一項に記載のアクリル系粘着剤。
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