JP2011209667A - 感放射線性樹脂組成物、重合体及び化合物 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】[A]側鎖に3級炭素を有するエステル基が窒素原子に結合する構造を含む構造単位(1)を有する重合体を含有する感放射線性樹脂組成物。上記構造単位(1)が、(メタ)アクリレートの側鎖に含まれている構造単位であることが好ましい。上記[A]重合体が、ラクトン構造を含む構造単位及び環状カーボネート構造を含む構造単位からなる群より選択される少なくとも1種の構造単位をさらに有することが好ましい。
【選択図】なし
Description
[A]下記式(I)で表される基が窒素原子に結合する構造を含む構造単位(1)を有する重合体
を含有する感放射線性樹脂組成物である。
本発明における重合体は、酸解離性基で保護された窒素含有化合物が組み込まれた重合体である。この窒素含有化合物は、露光により酸発生体から生じる酸のレジスト被膜中における拡散現象を制御するものである。すなわち、この窒素含有化合物が組み込まれた当該重合体は、酸拡散制御剤として機能する。
[A]重合体は、上記式(I)で表される基が窒素原子に結合する構造を含む構造単位(1)を有する。酸の作用によって上記式(I)で表される基では−CR1R2R3が解離して−COOHを生成し、その結果、構造単位(1)は塩基性アミノ基を含むことになる。従って、上記の基が適度な割合で解離することで、露光後のポスト・エクスポージャー・ベーク時におけるレジスト膜中の塩基性が適度にコントロールされ、上述のようにリソグラフィー性能を向上させるに至ると考えられる。
上記[A]重合体は、構造単位(2)として、ラクトン構造及び環状カーボネート構造からなる群より選択される少なくとも1種の構造を含む構造単位をさらに有することが好ましい。構造単位(2)の具体例としては、例えば、下記式で表されるラクトン構造を含む構造単位及び環状カーボネート構造を含む構造単位等が挙げられる。
本発明の感放射線性樹脂組成物がポジ型である場合、上記[A]重合体は、上記式(3)で表される構造単位(3)を有することが好ましい。構造単位(3)は、酸の存在下で−CR6R7R8が解離して(メタ)アクリル酸構造を生成する基を有する単位であり、この構造単位を組み込むことにより[A]重合体を含有する感放射線性樹脂組成物のレジストとしての解像性能が向上する。
また、[A]重合体は、親水性官能基を有する構造単位(以下、「構造単位(4)」ともいう)を含有してもよい。構造単位(4)としては、下記式で表される官能基を有する構造単位が好ましいものとして挙げられ、その他、メタクリル酸又はアクリル酸由来の構造単位を挙げることができる。
上記[A]重合体は、ラジカル重合等の常法に従って合成することができる。例えば、(1)単量体及びラジカル開始剤を含有する溶液を、反応溶媒又は単量体を含有する溶液に滴下して重合反応させる方法;(2)単量体を含有する溶液と、ラジカル開始剤を含有する溶液とを各別に、反応溶媒又は単量体を含有する溶液に滴下して重合反応させる方法;(3)各々の単量体を含有する、複数種の溶液と、ラジカル開始剤を含有する溶液とを各別に、反応溶媒又は単量体を含有する溶液に滴下して重合反応させる方法;等の方法で合成することが好ましい。単量体としては、目的とする構造単位(1−1)に対応する(メタ)アクリロイル基を有する化合物(i)及びその他構造単位に対応する(メタ)アクリロイル基を有する化合物等を用いればよい。
本発明の感放射線性樹脂組成物を構成する[B]酸発生体としては、例えばスルホニウム塩やヨードニウム塩等のオニウム塩化合物、有機ハロゲン化合物、ジスルホン類やジアゾメタンスルホン類等のスルホン化合物、ジカルボキシイミド類化合物等を挙げることができる。[B]酸発生体の当該感放射線性樹脂組成物における含有形態としては、後述するような化合物である酸発生剤の形態(以下、単に「[B]酸発生剤」ともいう)でも、[A]重合体又は上述の他の重合体の一部として組み込まれた酸発生基の形態でも、これらの両方の形態でもよい。
本発明の感放射線性樹脂組成物は通常、溶媒を含有する。用いられる溶媒は、少なくとも[A]重合体、[B]酸発生体、及び所望により後述の[D]添加剤を溶解可能な溶媒であれば、特に限定されるものではない。このような[C]溶媒として、例えばアルコール類、エーテル類、ケトン類、アミド類、エステル・ラクトン類、ニトリル類及びその混合溶媒等を使用することができる。
本発明の感放射線性樹脂組成物には、必要に応じ[D]添加剤として、他の酸拡散制御剤、各種のフッ素含有樹脂、脂環式骨格含有化合物、界面活性剤、増感剤等を配合することができる。各添加剤の配合量は、その目的に応じて適宜決定することができる。
1−アダマンタンカルボン酸、2−アダマンタノン、1−アダマンタンカルボン酸t−ブチル等のアダマンタン誘導体類;
デオキシコール酸t−ブチル、デオキシコール酸t−ブトキシカルボニルメチル、デオキシコール酸2−エトキシエチル等のデオキシコール酸エステル類;
リトコール酸t−ブチル、リトコール酸t−ブトキシカルボニルメチル、リトコール酸2−エトキシエチル等のリトコール酸エステル類;
3−〔2−ヒドロキシ−2,2−ビス(トリフルオロメチル)エチル〕テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカン、2−ヒドロキシ−9−メトキシカルボニル−5−オキソ−4−オキサ−トリシクロ[4.2.1.03,7]ノナン等
を挙げることができる。これらの脂環式骨格含有化合物は、1種を単独で又は2種以上を混合して使用することができる。
本発明の感放射線性樹脂組成物は、化学増幅型レジストとして有用である。ポジ型の化学増幅型レジストにおいては、露光により酸発生体から発生した酸の作用によって、樹脂成分、主に、[A]重合体中の酸解離性基が解離してカルボキシル基に代表される極性基を生じる。その結果、レジストの露光部のアルカリ現像液に対する溶解性が高くなり、この露光部がアルカリ現像液によって溶解、除去され、ポジ型のフォトレジストパターンが得られる。
東ソー社製GPCカラム(G2000HXL 2本、G3000HXL 1本、G4000HXL 1本)を用い、流量1.0ミリリットル/分、溶出溶媒にテトラヒドロフラン、カラム温度40℃の分析条件で、単分散ポリスチレンを標準とするゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定する。
東ソー社製GPCカラム(G2000HXL 2本、G3000HXL 1本、G4000HXL 1本)を用い、流量1.0ミリリットル/分、溶出溶媒にテトラヒドロフラン、カラム温度40℃の分析条件で、単分散ポリスチレンを標準とするゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定する。
化合物(i)の1H−NMR分析は核磁気共鳴装置(商品名:JNM−ECX400、日本電子社製)を使用し、測定した。
それぞれの重合体の13C−NMR分析は、核磁気共鳴装置(商品名:JNM−ECX400、日本電子社製)を使用し、測定した。
〔実施例1:化合物(i)の合成〕
温度計及び滴下漏斗を備えた500mlの三つ口フラスコにN−t−ブトキシカルボニル−4−ヒドロキシピペリジン20g、2,6−ジ−t−ブチル−4−クレゾール0.01g、トリエチルアミン20.3g、ジクロロメタン100mlを加え、氷浴中、15分攪拌を行った。そこへ、滴下漏斗を用い、メタクリル酸クロリド14mLを30分かけて滴下した。滴下終了後、さらに氷浴中で10分攪拌したのち、氷浴をはずし、室温で1時間攪拌を行った。再び反応器を氷浴にて冷やし、メタクリル酸クロリド3mLを加えた。氷浴をはずし、室温で3日間攪拌を行った。その後、反応溶液をろ過してろ液に酢酸エチル200mLを加え、得られた溶液を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液300mLで3回洗浄した。続いて、油分を飽和食塩水300mLで3回洗浄した。油分をエバポレーターにて濃縮した。得られたオイルから、酢酸エチルを展開溶媒とするワコーゲルC−300を用いたカラムクロマトグラフィーにより化合物(i)として下記式(i−1)で表される化合物(以下、単に「化合物(i−1)」ともいう)を単離した(28.5g、収率 Quantitative)。
1H−NMR(CDCl3)δ 6.11(1H)、5.57(1H)、5.01(1H)、3.65(2H)、3.32(2H)、1.95(3H)、1.86(2H)、1.68(2H)、1.47(9H)
各合成例の重合体の合成で用いた単量体は以下のとおりである。
(M−1):1−メチルアダマンチルメタクリレート
(M−2):N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレート
(M−3):下記式で表される単量体
単量体(M−1)15.40g(54.5モル%)、単量体(M−3)13.13g(41.0モル%)、単量体(i−1)1.48g(4.5モル%)を2−ブタノン60gに溶解し、さらに開始剤としてAIBN0.90g(単量体全量に対して5モル%)を投入した単量体溶液を準備した。
(M−1)由来の構造単位:δ 86.47(1C)
(M−3)由来の構造単位:δ 170.98(1C)
(i−1)由来の構造単位:δ 67.17(1C)
単量体(M−1)19.28g(60モル%)、単量体(M−4)9.06g(35.5モル%)、単量体(i−1)1.66g(4.5モル%)を2−ブタノン60gに溶解し、さらに開始剤としてAIBN1.13g(単量体全量に対して5モル%)を投入した単量体溶液を準備した。
(M−1)由来の構造単位:δ 86.47(1C)
(M−4)由来の構造単位:δ 153.87(1C)
(i−1)由来の構造単位:δ 67.17(1C)
単量体(M−1)11.38g(60モル%)、単量体(M−3)8.62g(40.0モル%)を2−ブタノン40gに溶解し、さらに開始剤としてAIBN0.66g(5モル%)を投入した単量体溶液を準備した。
単量体(M−1)13.82g(60モル%)、単量体(M−2)6.18g(40.0モル%)を2−ブタノン40gに溶解し、さらに開始剤としてAIBN0.81g(単量体全量に対して5モル%)を投入した単量体溶液を準備した。
上記実施例及び合成例にて合成した重合体(A−1)、(a−1)及び(a−2)以外の感放射線性樹脂組成物を構成する各成分([B]酸発生剤、[C]溶媒及び[e]酸拡散制御剤)について以下に示す。
(B−1):トリフェニルスルホニウムノナフルオロ−n−ブタンスルホネート
(C−1):プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート
(C−2):シクロヘキサノン
(e−1):N−t−ブトキシカルボニル−4−ヒドロキシピペリジン
合成例1で得られた重合体(a−1)82質量部、[B]酸発生剤として、(B−1):トリフェニルスルホニウムノナフルオロ−n−ブタンスルホネート7質量部、酸拡散制御剤として実施例2で得られた重合体(A−1)18質量部を混合し、この混合物に、[C]溶媒として、(C−1):プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート1200質量部、(C−2):シクロヘキサノン500質量部を添加し、上記混合物を溶解させて混合溶液を得、得られた混合溶液を孔径0.20μmのフィルターでろ過して感放射線性樹脂組成物を調製した。
合成例1で得られた重合体(a−1)82質量部、[B]酸発生剤として、(B−1):トリフェニルスルホニウムノナフルオロ−n−ブタンスルホネート7質量部、酸拡散制御剤として実施例3で得られた重合体(A−2)18質量部を混合し、この混合物に、[C]溶媒として、(C−1):プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート1200質量部、(C−2):シクロヘキサノン500質量部を添加し、上記混合物を溶解させて混合溶液を得、得られた混合溶液を孔径0.20μmのフィルターでろ過して感放射線性樹脂組成物を調製した。
合成例1で得られた樹脂(a−1)98質量部、[B]酸発生体として、(B−1):トリフェニルスルホニウムノナフルオロ−n−ブタンスルホネート7質量部、酸拡散制御剤として合成例2で得られた重合体(a−2)2質量部を混合し、この混合物に、[C]溶媒として、(C−1):プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート1200質量部、(C−2):シクロヘキサノン500質量部を添加し、上記混合物を溶解させて混合溶液を得、得られた混合溶液を孔径0.20μmのフィルターでろ過して感放射線性樹脂組成物を調製した。
合成例1で得られた重合体(a−1)100質量部、[B]酸発生体として(B−1):トリフェニルスルホニウムノナフルオロ−n−ブタンスルホネート7質量部、酸拡散制御剤として(e−1):N−t−ブトキシカルボニル−4−ヒドロキシピペリジン1質量部を混合し、この混合物に、[C]溶媒として、(C−1):プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート1200質量部、(C−2):シクロヘキサノン500質量部を添加し、上記混合物を溶解させて混合溶液を得、得られた混合溶液を孔径0.20μmのフィルターでろ過して感放射線性樹脂組成物を調製した。
実施例4、5及び比較例1、2で得られた感放射線性樹脂組成物について、ArFエキシマレーザーを光源として、感度、パターン高さ、LWR、最小倒壊前寸法について評価を行った。評価結果を下記表1に示す。
8インチのウエハー表面に、下層反射防止膜形成剤(商品名:ARC29A、日産化学社製)を用いて、膜厚77nmの下層反射防止膜を形成した。この基板の表面に、実施例及び比較例の感放射線性樹脂組成物をスピンコートにより塗布し、ホットプレート上にて100℃で60秒間SB(SoftBake)を行い、膜厚150nmのレジスト被膜を形成した。
上記最適露光量で露光した75nm1L/1Sマスクパターンで解像されるパターンの高さを断面SEM(商品名:S4800、日立ハイテクノロジーズ社製)を用いて測定した。パターンの高さが140nm以上の場合に「良」、140nm未満の場合は「不良」とした。パターンの高さはレジスト表面の窒素含有化合物の気化に関係するものであり、パターンの高さがレジスト塗膜の膜厚に近いほど矩形性が良好である。
上記走査型電子顕微鏡を用いて、最適露光量にて解像した75nm1L/1Sのパターンをパターン上部から観察する際に、線幅を任意のポイントで10点測定し、その測定値の3シグマ値(ばらつき)をLWRとした。具体的には、LWRが10.0nm以下の場合「良」、10.0nmを超える場合「不良」と評価した。LWRはパターンのラフネスを示す指標であり、数字が小さいほど良い。
上記感度の評価の最適露光量にて解像した75nmのライン・アンド・スペースパターンの観測において、この最適露光量よりも大きな露光量にて露光を行った場合、得られるパターンの線幅が細くなるため、最終的にレジストパターンの倒壊が見られる。このレジストパターンの倒壊が確認されない最大の露光量における線幅を最小倒壊前寸法(nm)と定義し、パターン倒れ耐性の指標とした。最小倒壊前寸法は数字が小さいほど良い。なお最小倒壊前寸法の測定は、上記走査型電子顕微鏡を用いた。
Claims (8)
- 上記[A]重合体が、ラクトン構造を含む構造単位及び環状カーボネート構造を含む構造単位からなる群より選択される少なくとも1種の構造単位をさらに有する請求項1又は請求項2に記載の感放射線性樹脂組成物。
- [B]感放射線性酸発生体をさらに含有する請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の感放射線性樹脂組成物。
- 下記式(i)で表される化合物。
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