JPH09316046A - t−ブトキシカルボニルアミノ基を有するエチレン性芳香族化合物およびその重合体 - Google Patents

t−ブトキシカルボニルアミノ基を有するエチレン性芳香族化合物およびその重合体

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JPH09316046A
JPH09316046A JP13247396A JP13247396A JPH09316046A JP H09316046 A JPH09316046 A JP H09316046A JP 13247396 A JP13247396 A JP 13247396A JP 13247396 A JP13247396 A JP 13247396A JP H09316046 A JPH09316046 A JP H09316046A
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butoxycarbonylamino
vinyl
group
polymer
meth
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JP13247396A
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Ryotaro Kuribayashi
亮太郎 栗林
Yukiatsu Furumiya
行淳 古宮
Tsutomu Kawai
勉 河合
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Kuraray Co Ltd
Original Assignee
Kuraray Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 分子鎖から分岐した官能基を含有する高分子
を製造するため原料として有用な新規なエチレン性芳香
族化合物を提供する。分子鎖から分岐した官能基を含有
し、反応性高分子として有用な、新規な高分子を提供す
る。 【解決手段】 一般式 【化1】 (式中、Aはアリーレン基を示し、Rは水素原子または
メチル基を示し、xおよびyは一方が1を示し他方が0
を示すか、または両方が0を示す。)で示されるt−ブ
トキシカルボニルアミノ基含有エチレン性芳香族化合
物;およびその重合体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、分子中にt−ブト
キシカルボニルアミノ基および重合可能なエチレン性二
重結合を含有する新規な芳香族化合物、および該芳香族
化合物から製造される新規な重合体に関する。本発明の
エチレン性芳香族化合物から製造される重合体は、分子
鎖から分岐したt−ブトキシカルボニルアミノ基を有す
ることから、これを加熱条件下等の脱保護条件下に付す
ることにより、高反応性のアミノ基を分子鎖から分岐し
た形で有する重合体に容易に変換される。従って、本発
明のエチレン性芳香族化合物から製造される重合体は、
反応性高分子として、グラフト重合体やポリマーアロイ
/ブレンドの製造に有用である。
【0002】
【従来の技術】近年、高分子のアロイ/ブレンド化技術
が急速に進歩し、それにともなって、多くの工業部品、
自動車部品、電気電子部品にも、高分子をアロイ化ある
いはブレンドした材料が用いられている。アロイ化また
はブレンドの技術では、高分子に反応性の官能基を導入
して、本来非相溶な高分子同士を相溶に近い状態で分散
させる手法が開発されている(反応性ブレンド)。ま
た、非相溶な高分子をアロイ化またはブレンドする際
に、グラフト共重合体を相溶化剤として用いる方法も開
発されている。このグラフト共重合体を製造する際に
も、官能基を高分子に導入することが重要な手法の一つ
となっている(井上隆、市原祥次著「高分子新素材On
e Point−12 ポリマーアロイ」(1988年
6月20日 共立出版発行)参照)。
【0003】官能基が導入された高分子としては、分子
鎖の末端部に官能基を含有する高分子と分子鎖の中間部
から分岐した官能基を含有する高分子とが挙げられる。
分子鎖から分岐した官能基を含有する高分子は、一般
に、エポキシ基、水酸基、カルボキシル基等の官能基を
有するエチレン性単量体を含む単量体の重合によって製
造される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】分子鎖から分岐した官
能基を含有する高分子を製造するための上記方法では、
使用するエチレン性単量体に含有される官能基が重合反
応を阻害しないことが必要であるため、適応範囲に制限
がある。
【0005】しかして、本発明の第一の目的は、分子鎖
から分岐した官能基を含有する高分子を製造するため原
料として有用である、重合可能な新規なエチレン性芳香
族化合物を提供することにある。本発明の第二の目的
は、分子鎖から分岐した官能基を含有し、反応性高分子
として有用な、新規な高分子を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の目
的を解決するために鋭意検討した結果、(1)ある種の
保護基で保護されたアミノ基を有するエチレン性芳香族
化合物はラジカル重合性を有し、該保護されたアミノ基
が分子鎖から分岐した構造を有する重合体が得られるこ
と、(2)該重合体は加熱条件下で容易に脱保護反応を
受けて、遊離のアミノ基が分子鎖から分岐した構造を有
する重合体に変換されること、および(3)該保護され
たアミノ基が分子鎖から分岐した構造を有する重合体
を、アミノ基に対して反応性を有する官能基を分子主鎖
片末端に有する重合体と共に溶融混練すると、高分子間
反応によって、グラフト重合体が得られることを見出
し、さらに検討を重ねた結果、本発明を完成するに至っ
た。
【0007】本発明によれば、上記の第一の目的は、一
般式
【0008】
【化3】
【0009】(式中、Aはアリーレン基を示し、Rは水
素原子またはメチル基を示し、xおよびyは一方が1を
示し他方が0を示すか、または両方が0を示す。)
【0010】で示される、t−ブトキシカルボニルアミ
ノ基を有するエチレン性芳香族化合物を提供することに
よって達成される。
【0011】本発明によれば、上記の第二の目的は、一
般式
【0012】
【化4】
【0013】(式中、A’はアリーレン基を示し、R’
は水素原子またはメチル基を示し、x’およびy’は一
方が1を示し他方が0を示すか、または両方が0を示
す。)
【0014】で示される繰り返し単位を含有する重合体
を提供することによって達成される。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明のエチレン性芳香族化合物
を示す上記一般式(I)中のAおよび本発明の重合体を
示す上記一般式(I’)中のA’で表されるアリーレン
基としては、o−、m−またはp−フェニレン基;メチ
ルフェニレン基;エチルフェニレン基;1,2−、1,
3−、1,4−、1,5−、1,6−、1,7−、1,
8−、2,3−、2,4−、2,5−、2,6−、2,
7−または2,8−ナフチレン基等の炭素数6〜12の
アリーレン基が好ましい。
【0016】一般式(I)で示される本発明のエチレン
性芳香族化合物(以下、「エチレン性芳香族化合物
(I)」という)としては、一般式
【0017】
【化5】
【0018】(式中、AおよびRは前記定義のとおりで
ある。)
【0019】で示される、t−ブトキシカルボニルアミ
ノ基を有するメタクリル酸またはアクリル酸のエステル
(以下、「ブトキシカルボニルアミノ基含有(メタ)ア
クリル酸エステル(I−1)」という);一般式
【0020】
【化6】
【0021】(式中、Aは前記定義のとおりである。)
【0022】で示される、t−ブトキシカルボニルアミ
ノ基を有するビニルケトン(以下、「ブトキシカルボニ
ルアミノ基含有ビニルケトン(I−2)」という);ま
たは一般式
【0023】
【化7】
【0024】(式中、Aは前記定義のとおりである。)
【0025】で示される、t−ブトキシカルボニルアミ
ノ基を有するビニルエステル(以下、「ブトキシカルボ
ニルアミノ基含有ビニルエステル(I−3)」という)
が好ましい。上記のブトキシカルボニルアミノ基含有
(メタ)アクリル酸エステル(I−1)としては、具体
的には、(メタ)アクリル酸2−(t−ブトキシカルボ
ニルアミノ)フェニル、(メタ)アクリル酸3−(t−
ブトキシカルボニルアミノ)フェニル、(メタ)アクリ
ル酸4−(t−ブトキシカルボニルアミノ)フェニル、
(メタ)アクリル酸4−(t−ブトキシカルボニルアミ
ノ)−2−メチルフェニル、(メタ)アクリル酸4−
(t−ブトキシカルボニルアミノ)−3−メチルフェニ
ル、(メタ)アクリル酸4−(t−ブトキシカルボニル
アミノ)−2−エチルフェニル、(メタ)アクリル酸4
−(t−ブトキシカルボニルアミノ)−3−エチルフェ
ニル、(メタ)アクリル酸2−(t−ブトキシカルボニ
ルアミノ)−1−ナフチル、(メタ)アクリル酸3−
(t−ブトキシカルボニルアミノ)−1−ナフチル、
(メタ)アクリル酸4−(t−ブトキシカルボニルアミ
ノ)−1−ナフチル、(メタ)アクリル酸5−(t−ブ
トキシカルボニルアミノ)−1−ナフチル、(メタ)ア
クリル酸6−(t−ブトキシカルボニルアミノ)−1−
ナフチル、(メタ)アクリル酸7−(t−ブトキシカル
ボニルアミノ)−1−ナフチル、(メタ)アクリル酸8
−(t−ブトキシカルボニルアミノ)−1−ナフチル、
(メタ)アクリル酸1−(t−ブトキシカルボニルアミ
ノ)−2−ナフチル、(メタ)アクリル酸3−(t−ブ
トキシカルボニルアミノ)−2−ナフチル、(メタ)ア
クリル酸4−(t−ブトキシカルボニルアミノ)−2−
ナフチル、(メタ)アクリル酸5−(t−ブトキシカル
ボニルアミノ)−2−ナフチル、(メタ)アクリル酸6
−(t−ブトキシカルボニルアミノ)−2−ナフチル、
(メタ)アクリル酸7−(t−ブトキシカルボニルアミ
ノ)−2−ナフチル、(メタ)アクリル酸8−(t−ブ
トキシカルボニルアミノ)−2−ナフチル等が挙げられ
る。中でも、合成の容易さ、合成原料の工業的利便性等
の観点から、(メタ)アクリル酸4−(t−ブトキシカ
ルボニルアミノ)フェニルが好ましい。なお、本明細書
では、「(メタ)アクリル酸」の用語は、「メタクリル
酸」および「アクリル酸」の総称を意味する。
【0026】ブトキシカルボニルアミノ基含有(メタ)
アクリル酸エステル(I−1)は、一般式
【0027】
【化8】
【0028】(式中、Aは前記定義のとおりである。)
【0029】で示されるt−ブトキシカルボニルアミノ
基およびフェノール性水酸基を有する化合物と、(メ
タ)アクリル酸またはその誘導体とを反応させることに
より容易に合成できる。例えば、日本化学会編、「第4
版実験化学講座 有機合成IV」(1992年 丸善発
行)、第43〜54頁に記載されている方法に従って、
上記のt−ブトキシカルボニルアミノ基およびフェノー
ル性水酸基を有する化合物を、カルボン酸との脱水エス
テル化反応、カルボン酸無水物との脱アシル基化反応、
カルボン酸クロリドとの脱塩酸エステル化反応またはカ
ルボン酸エステルとのエステル交換反応に付することに
よって、対応する化学構造のブトキシカルボニルアミノ
基含有(メタ)アクリル酸エステル(I−1)が得られ
る。上記の脱塩酸エステル化反応においては、副生する
塩化水素が脱水反応や二重結合に対する反応等の副反応
を誘発することを抑制するために、ピリジン、ジメチル
アニリン、トリエチルアミン、テトラメチル尿素などの
塩基を反応系に共存させることが望ましい。なお、上記
のt−ブトキシカルボニルアミノ基およびフェノール性
水酸基を有する化合物は、対応する遊離アミノ基および
フェノール性水酸基を有する化合物を、ジオキサン、ト
リエチルアミン/エーテル混合溶媒等の溶媒中、塩基性
条件下において、ジ−t−ブチルジカーボネート、t−
ブチルアジドホルメート、2−(t−ブトキシカルボニ
ルオキシイミノ)−2−フェニルアセトニトリル、S−
(t−ブトキシカルボニル)−4,6−ジメチル−2−
メルカプトピリジン、[4−(t−ブトキシカルボニル
オキシ)フェニル]ジメチルスルホニウム・メタンスル
ホン酸などと反応させることによって合成することがで
きる。これらの中でも、取り扱いの容易さから、ジ−t
−ブチルジカーボネートを用いる方法が好ましい(例え
ば、日本化学会編、「第4版実験化学講座 有機合成I
V」(1992年 丸善発行)、第230〜235頁;
ティー・ダブリュ・グリーン(T.W.Greene)
著、「プロテクティブ・グループス・イン・オーガニッ
ク・シンセシス(Protective Groups
in Organic Synthesis)」(1
981年 ジョン・ウィリー・アンド・サンズ(Joh
n Wiley & Sons)発行)、第222〜2
49頁参照)。
【0030】ブトキシカルボニルアミノ基含有ビニルケ
トン(I−2)の具体例としては、2−(t−ブトキシ
カルボニルアミノ)フェニル ビニル ケトン、3−
(t−ブトキシカルボニルアミノ)フェニル ビニル
ケトン、4−(t−ブトキシカルボニルアミノ)フェニ
ル ビニル ケトン、4−(t−ブトキシカルボニルア
ミノ)−2−メチルフェニル ビニル ケトン、4−
(t−ブトキシカルボニルアミノ)−3−メチルフェニ
ル ビニル ケトン、4−(t−ブトキシカルボニルア
ミノ)−2−エチルフェニル ビニル ケトン、4−
(t−ブトキシカルボニルアミノ)−3−エチルフェニ
ル ビニル ケトン、2−(t−ブトキシカルボニルア
ミノ)−1−ナフチル ビニル ケトン、3−(t−ブ
トキシカルボニルアミノ)−1−ナフチル ビニル ケ
トン、4−(t−ブトキシカルボニルアミノ)−1−ナ
フチル ビニル ケトン、5−(t−ブトキシカルボニ
ルアミノ)−1−ナフチル ビニル ケトン、6−(t
−ブトキシカルボニルアミノ)−1−ナフチル ビニル
ケトン、7−(t−ブトキシカルボニルアミノ)−1
−ナフチル ビニル ケトン、8−(t−ブトキシカル
ボニルアミノ)−1−ナフチル ビニル ケトン、1−
(t−ブトキシカルボニルアミノ)−2−ナフチルビニ
ル ケトン、3−(t−ブトキシカルボニルアミノ)−
2−ナフチル ビニル ケトン、4−(t−ブトキシカ
ルボニルアミノ)−2−ナフチル ビニルケトン、5−
(t−ブトキシカルボニルアミノ)−2−ナフチル ビ
ニル ケトン、6−(t−ブトキシカルボニルアミノ)
−2−ナフチル ビニル ケトン、7−(t−ブトキシ
カルボニルアミノ)−2−ナフチル ビニル ケトン、
8−(t−ブトキシカルボニルアミノ)−2−ナフチル
ビニル ケトンなどが挙げられる。ブトキシカルボニ
ルアミノ基含有ビニルケトン(I−2)は、例えば、一
般式
【0031】
【化9】
【0032】(式中、Aは前記定義のとおりである。)
【0033】で示されるアリールアミンのアミノ基を、
例えば、遊離アミノ基およびフェノール性水酸基を有す
る化合物について上記したと同様な方法によって、t−
ブトキシカルボニルアミノ基に変換した後、フリーデル
−クラフツ反応によりアクリロイルクロリドと反応させ
ることによって合成することができる。該フリーデル−
クラフツ反応は、例えば、イー・シー・ホーニング
(E.C.Honing)ら編、「オーガニック・シン
セシス・コレクティブ・ボリュームIII(Organi
c Synthesis Collective Vo
lume III)」(1955年、ジョン・ウィリー・
アンド・サンズ(John Wiley &Sons)
発行)、第183〜184頁に記載された方法などに準
じて行うことができる。なお、フリーデル−クラフツ反
応の触媒としては、塩化アルミニウム、塩化アンチモ
ン、塩化鉄(III)、塩化鉄(II)、塩化チタン、フッ
化ホウ素、塩化スズ、塩化ビスマス、塩化亜鉛、塩化水
銀のようなルイス酸;フッ化水素;硫酸;ポリリン酸な
どが使用可能であり、これらの中でも、塩化アルミニウ
ムが反応性の点で特に好ましく、また、反応用溶媒とし
ては、ニトロベンゼン、二硫化炭素、ジクロロメタン、
四塩化炭素、1,2−ジクロロエタンなどが使用可能で
あり、これらの中でも、ニトロベンゼンまたは二硫化炭
素が反応性の点で特に好ましい(例えば、日本化学会
編、「新実験化学講座 有機化合物の合成と反応II」
(1977年 丸善発行)、第799〜802頁参
照)。
【0034】ブトキシカルボニルアミノ基含有ビニルエ
ステル(I−3)の具体例としては、o−(t−ブトキ
シカルボニルアミノ)安息香酸ビニル、m−(t−ブト
キシカルボニルアミノ)安息香酸ビニル、p−(t−ブ
トキシカルボニルアミノ)安息香酸ビニル、p−(t−
ブトキシカルボニルアミノ)−o−メチル安息香酸ビニ
ル、p−(t−ブトキシカルボニルアミノ)−m−メチ
ル安息香酸ビニル、p−(t−ブトキシカルボニルアミ
ノ)−o−エチル安息香酸ビニル、p−(t−ブトキシ
カルボニルアミノ)−m−エチル安息香酸ビニル、2−
(t−ブトキシカルボニルアミノ)−1−ナフトエ酸ビ
ニル、3−(t−ブトキシカルボニルアミノ)−1−ナ
フトエ酸ビニル、5−(t−ブトキシカルボニルアミ
ノ)−1−ナフトエ酸ビニル、6−(t−ブトキシカル
ボニルアミノ)−1−ナフトエ酸ビニル、7−(t−ブ
トキシカルボニルアミノ)−1−ナフトエ酸ビニル、8
−(t−ブトキシカルボニルアミノ)−1−ナフトエ酸
ビニル、1−(t−ブトキシカルボニルアミノ)−2−
ナフトエ酸ビニル、3−(t−ブトキシカルボニルアミ
ノ)−2−ナフトエ酸ビニル、4−(t−ブトキシカル
ボニルアミノ)−2−ナフトエ酸ビニル、5−(t−ブ
トキシカルボニルアミノ)−2−ナフトエ酸ビニル、6
−(t−ブトキシカルボニルアミノ)−2−ナフトエ酸
ビニル、7−(t−ブトキシカルボニルアミノ)−2−
ナフトエ酸ビニル、8−(t−ブトキシカルボニルアミ
ノ)−2−ナフトエ酸ビニルなどが挙げられる。これら
の中でも、合成の容易さ、合成原料の工業的利便性等の
観点から、p−(t−ブトキシカルボニルアミノ)安息
香酸ビニル等が好ましい。ブトキシカルボニルアミノ基
含有ビニルエステル(I−3)は、例えば、一般式
【0035】
【化10】
【0036】(式中、Aは前記定義のとおりである。)
【0037】で示されるアミノカルボン酸のアミノ基
を、例えば、遊離アミノ基およびフェノール性水酸基を
有する化合物について上記したと同様な方法によって、
t−ブトキシカルボニルアミノ基に変換した後、アセチ
レンによるビニル化反応に供することによって合成する
ことができる。アセチレンによるビニル化反応は、例え
ば、神原周編、「高分子実験学 単量体I」(1976
年 共立出版発行)、第100〜106頁に記載された
方法に準じて、ヒドロキノンおよび黄色酸化水銀の存在
下、40〜50℃で行うことができる。
【0038】上記のブトキシカルボニルアミノ基含有
(メタ)アクリル酸エステル(I−1)、ブトキシカル
ボニルアミノ基含有ビニルケトン(I−2)およびブト
キシカルボニルアミノ基含有ビニルエステル(I−3)
で代表される本発明のエチレン性芳香族化合物(I)
は、t−ブトキシカルボニルアミノ基以外に、重合性を
有するエチレン性二重結合を分子中に含む化合物である
ため、単独重合体または共重合体の単量体として利用す
ることができる。本発明のエチレン性芳香族化合物
(I)と組み合わせて使用することのできる他のエチレ
ン性単量体としては、特に限定されるものではないが、
一般式
【0039】
【化11】
【0040】(式中、R1は水素原子またはメチル基を
示し、R2は1価の炭化水素基を示す。)
【0041】で示される(メタ)アクリル酸エステル、
一般式
【0042】
【化12】
【0043】(式中、R3は水素原子またはメチル基を
示し、R4は1価の芳香族炭化水素基を示す。)
【0044】で示される芳香族ビニル化合物、一般式
【0045】
【化13】
【0046】(式中、R5は1価の炭化水素基を示
す。)
【0047】で示されるビニルエステルなどが好まし
い。
【0048】上記一般式(II−1)で示される(メタ)
アクリル酸エステルの具体例としては、(メタ)アクリ
ル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アク
リル酸n−プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピ
ル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル
酸イソブチル、(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メ
タ)アクリル酸n−ペンチル、(メタ)アクリル酸2−
ペンチル、(メタ)アクリル酸3−ペンチル、(メタ)
アクリル酸ネオペンチル、(メタ)アクリル酸2−メチ
ル−1−ブチル、(メタ)アクリル酸イソアミル、(メ
タ)アクリル酸t−アミル、(メタ)アクリル酸3−メ
チル−2−ブチル、(メタ)アクリル酸n−ヘキシル、
(メタ)アクリル酸n−ヘプチル、(メタ)アクリル酸
n−オクチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシ
ル、(メタ)アクリル酸n−ノニル、(メタ)アクリル
酸n−デシル、(メタ)アクリル酸イソデシル、(メ
タ)アクリル酸n−ウンデシル、(メタ)アクリル酸ラ
ウリル、(メタ)アクリル酸n−トリデシル、(メタ)
アクリル酸n−テトラデシル、(メタ)アクリル酸セチ
ル、(メタ)アクリル酸ステアリル、(メタ)アクリル
酸シクロペンチル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシ
ル、(メタ)アクリル酸フェニル、(メタ)アクリル酸
ベンジル、(メタ)アクリル酸1−ナフチル、(メタ)
アクリル酸2−ナフチル、(メタ)アクリル酸イソボル
ニルなどを挙げることができる。
【0049】上記一般式(II−2)で示される芳香族ビ
ニル化合物の具体例としては、スチレン、2−メチルス
チレン、3−メチルスチレン、4−メチルスチレン、3
−t−ブチルスチレン、4−t−ブチルスチレン、α−
メチルスチレン、2−メチル−α−メチルスチレン、3
−メチル−α−メチルスチレン、4−メチル−α−メチ
ルスチレン、1−ビニルナフタレン、2−ビニルナフタ
レン、1−ビニルアントラセン、2−ビニルフェナント
レン、3−ビニルフェナントレンなどを挙げることがで
きる。
【0050】上記一般式(II−3)で示されるビニルエ
ステルの具体例としては、酢酸ビニル、プロピオン酸ビ
ニル、酪酸ビニル、イソ酪酸ビニル、吉草酸ビニル、イ
ソ吉草酸ビニル、ピバル酸ビニル、ヘキサン酸ビニル、
イソヘキサン酸ビニル、2−エチル酪酸ビニル、ヘプタ
ン酸ビニル、イソヘプタン酸ビニル、オクタン酸ビニ
ル、ノナン酸ビニル、2−エチルヘキサン酸ビニル、
3,5,5−トリメチルヘキサン酸ビニル、デカン酸ビ
ニル、ウンデカン酸ビニル、ラウリン酸ビニル、ミリス
チン酸ビニル、パルミチン酸ビニル、ステアリン酸ビニ
ル、ジフェニル酢酸ビニル、トリフェニル酢酸ビニル、
フェニルステアリン酸ビニル、安息香酸ビニル、o−ト
ルイル酸ビニル、m−トルイル酸ビニル、p−トルイル
酸ビニル、1−ナフトエ酸ビニル、2−ナフトエ酸ビニ
ルなどを挙げることができる。
【0051】本発明のエチレン性芳香族化合物(I)
は、その重合体において、上記一般式(I’)で示され
る繰り返し単位を構成する。エチレン性芳香族化合物
(I)から製造可能な重合体の好適な態様としては、一
般式
【0052】
【化14】
【0053】(式中、A1’はアリーレン基を示し、
R’は水素原子またはメチル基を示す。)
【0054】で示される繰り返し単位、一般式
【0055】
【化15】
【0056】(式中、A2’はアリーレン基を示す。)
【0057】で示される繰り返し単位および一般式
【0058】
【化16】
【0059】(式中、A3’はアリーレン基を示す。)
【0060】で示される繰り返し単位からなる群から選
ばれる少なくとも1種の繰り返し単位を含有する重合体
を挙げることができる。この中でも特に好適な態様とし
ては、主として、a)上記一般式(I’−1)で示され
る繰り返し単位、上記一般式(I’−2)で示される繰
り返し単位および上記一般式(I’−3)で示される繰
り返し単位からなる群から選ばれる少なくとも1種の繰
り返し単位と、b)一般式
【0061】
【化17】
【0062】(式中、R1’は水素原子またはメチル基
を示し、R2’は1価の炭化水素基を示す。)
【0063】で示される繰り返し単位、一般式
【0064】
【化18】
【0065】(式中、R3’は水素原子またはメチル基
を示し、R4’は1価の芳香族炭化水素基を示す。)
【0066】で示される繰り返し単位および一般式
【0067】
【化19】
【0068】(式中、R5’は1価の炭化水素基を示
す。)
【0069】で示される繰り返し単位からなる群から選
ばれる少なくとも1種の繰り返し単位とからなる共重合
体を挙げることができる。一般式(I’−1)で示され
る繰り返し単位、一般式(I’−2)で示される繰り返
し単位および一般式(I’−3)で示される繰り返し単
位は、それぞれ、上記のブトキシカルボニルアミノ基含
有(メタ)アクリル酸エステル(I−1)、ブトキシカ
ルボニルアミノ基含有ビニルケトン(I−2)およびブ
トキシカルボニルアミノ基含有ビニルエステル(I−
3)から誘導可能である。また、一般式(II’−1)で
示される繰り返し単位、一般式(II’−2)で示される
繰り返し単位および一般式(II’−3)で示される繰り
返し単位は、それぞれ、上記の一般式(II−1)で示さ
れる(メタ)アクリル酸エステル、一般式(II−2)で
示される芳香族ビニル化合物および一般式(II−3)で
示されるビニルエステルから誘導可能である。
【0070】本発明の重合体において、一般式(I’)
で示される繰り返し単位の含有率(全繰り返し単位基
準)は、用途、使用形態等を考慮して、100モル%以
下の範囲内で任意に選択することができるが、一般に、
0.1〜60モル%の範囲内であるのが好ましい。0.1
モル%以上であると、t−ブトキシカルボニルアミノ基
を含有する重合体分子の含有率が高く、グラフト化にお
けるグラフト重合体分子の生成割合を高めることができ
る。また、60モル%以下であると、脱保護後、形成さ
れるアミノ基の密度が高くなりすぎないため、副反応に
よる架橋が起こりにくく、不溶・不融性の架橋構造物の
生成を防止することができる。本発明の重合体の分子量
は、とくに限定されるものではないが、重量平均分子量
において1000〜2000000の範囲内が好まし
い。1000以上であると、製造や取り扱いが容易であ
り、しかも、t−ブトキシカルボニルアミノ基を含有す
る重合体分子の含有率が高く、グラフト化におけるグラ
フト重合体分子の生成割合を高めることができる。ま
た、2000000以下であると、成形加工性が良好で
ある。
【0071】本発明の重合体は、例えば、本発明のエチ
レン性芳香族化合物(I)を、所望に応じて他のエチレ
ン性化合物と共に、ラジカル重合することにより製造可
能である。
【0072】上記のラジカル重合では、塊状重合法、溶
液重合法、懸濁重合法、乳化重合法等の公知の方法を採
用することができる。これらの中でも、経済性の観点か
らは塊状重合法あるいは懸濁重合法が好ましく、重合体
を精度良く得る目的においては溶液重合法が好ましい。
溶液重合に用いることのできる溶媒としては、使用する
原料化合物および生成する重合体に不活性でかつ反応に
悪影響を及ぼさない有機溶媒であればどのようなもので
も採用でき、適切な溶媒としては、トルエン、ベンゼ
ン、キシレン、ヘキサン、ヘプタン、n−オクタン、イ
ソオクタン、酢酸エチル、アセトン、メチルエチルケト
ン等の有機溶媒の単独または2種以上の混合物を例示す
ることができる。特に好ましい溶媒は、トルエン、ベン
ゼン等である。ラジカル重合は、光、電子線等の電磁放
射線によっても開始することができるが、通常は、アゾ
ビスイソブチロニトリル、アゾビス2,4−ジメチルバ
レロニトリル、アゾビスシクロヘキサンカルボニトリ
ル、アゾビスイソ酪酸メチル等のアゾ系開始剤;過酸化
アセチル、過酸化ベンゾイル、過酸化ラウロイル等の有
機過酸化物系開始剤などのラジカル重合触媒が用いられ
る。また、レドックス系の重合開始剤(例えば、有機過
酸化物とアミン類の組み合わせ)も用いることができ
る。
【0073】ラジカル重合では、連鎖移動剤として、ブ
チルメルカプタン、ドデシルメルカプタン、ラウリルメ
ルカプタン、t−ブチルメルカプタン、イソブチルメル
カプタンなどが用いられる。得られる重合体の平均分子
量は、連鎖移動剤の添加量などの重合条件の設定により
任意に制御できる。
【0074】本発明の重合体を製造するための重合温度
は、重合法、開始剤の種類等に応じて適宜選択すればよ
いが、重合温度が高すぎると重合反応中にt−ブトキシ
カルボニルアミノ基が脱保護反応を受けてアミノ基に変
換され、重合中に副反応を起こして、不溶・不融性の重
合体が生成するので、一般に10〜140℃の範囲内が
好ましく、溶液重合の場合には特に20〜120℃の範
囲内が好ましい。
【0075】重合終了後、重合系から本発明の重合体を
分離取得する。溶液重合の場合は、溶液をメタノール、
ヘキサンなどの重合体の貧溶媒に注ぎ、次いでデカンテ
ーション、遠心分離等の処理に付するか、または溶液を
加熱して溶媒および未反応単量体を除去することによっ
て、本発明の重合体を取得することができる。また、懸
濁重合および乳化重合の場合には、塩析、凍結凝固、ス
プレードライ法等により本発明の重合体を取得すること
ができる。
【0076】本発明の重合体は、分子鎖から分岐したt
−ブトキシカルボニルアミノ基を有する。該t−ブトキ
シカルボニルアミノ基は、約150℃以上の温度の加熱
条件下で脱保護反応を受け、反応性の高い遊離のアミノ
基に容易に変換される。従って、本発明の重合体は、実
質上の反応性高分子である。例えば、本発明の高分子
を、約150℃以上の温度の加熱条件下に、アミノ基に
対して反応性を有する官能基を分子主鎖の片末端に有す
る重合体と接触させることにより、脱保護反応を伴っ
て、高分子間反応が起こり、本発明の重合体が幹、片末
端官能性を有する重合体が枝を構成するグラフト重合体
が生成する。アミノ基に対して反応性を有する官能基と
しては、カルボキシル基、コハク酸無水物基、エポキシ
基などを挙げることができる。また、両重合体の加熱条
件下での接触は、ベント付きスクリュー押出機などを用
いて、両重合体を溶融混練することによって行うのが工
業上好ましい。
【0077】上記のようにしてグラフト重合体またはそ
れを一成分として含有するポリマーアロイ/ブレンドが
得られるが、これらは、エラストマーまたは熱可塑性樹
脂として成形用途に使用することができる。また、グラ
フト重合体は、ポリマーアロイ/ブレンド用相溶化剤や
樹脂改質剤として使用することも可能である。
【0078】
【実施例】以下、実施例により、本発明をさらに具体的
に説明するが、本発明はこれらにより限定されるもので
はない。
【0079】なお、実施例における測定法としては、次
の(1)、(2)の方法を採用した。
【0080】(1)NMR 試料を重水素化クロロホルムに溶解し、TMS(テトラ
メチルシラン)基準で測定した。
【0081】(2)GPC(ゲルパーミエーションクロ
マトグラフィー) 以下の条件を採用して測定した。 ・カラム:SHIMADZU GPC806、SHIM
ADZU HSG−40H、SHIMADZU HSG
−20H(いずれも、島津製作所製)の3本直列; ・温度:55℃; ・流量:1.0ml/分; ・溶離液:THF(テトラヒドロフラン)
【0082】なお、数平均分子量(以下、「Mn」と略
す)および重量平均分子量(以下、「Mw」と略す)
は、ポリスチレン換算で示す。
【0083】実施例1[メタクリル酸4−(t−ブトキ
シカルボニルアミノ)フェニルの合成] 攪拌翼および滴下ロートを備えたフラスコに、2N(規
定)水酸化ナトリウム水溶液250mlおよび1,4−
ジオキサン300mlを加え、次いで、4−アミノフェ
ノール55gを加えて、氷水浴中で30分間攪拌した。
攪拌下で、これに、ジ−t−ブチルジカーボネート12
0gの1,4−ジオキサン200ml中の溶液を、約3
0分間を要して滴下した。滴下終了後も10分間攪拌し
た後、氷水浴を除いて、さらに60分間攪拌した。反応
終了後、反応混合液に酢酸エチル1リットルおよび水6
00mlを加えて抽出した。抽出液(有機相)を、水3
00ml、食塩水300mlの順序で洗浄し、無水硫酸
マグネシウムで乾燥した。乾燥剤をろ過後、ろ液を濃縮
し、カラム精製を行うことによって、白色結晶(4−
(t−ブトキシカルボニルアミノ)フェノール)を72
g得た。
【0084】攪拌翼、2本の滴下ロートおよび塩化カル
シウム管を備えたフラスコに、上記の白色結晶の35g
およびジエチルエーテル250mlを加え、氷水浴で冷
却した。攪拌下で、これに、トリエチルアミン27ml
を約10分間を要して滴下し、次いで、メタクリル酸ク
ロリド18mlを約10分間を要して滴下し、氷水浴中
でさらに1.5時間攪拌を続けた。反応終了後、反応混
合液に水300mlを加え、酢酸エチル300mlで抽
出した。抽出液(有機相)を、炭酸水素ナトリウム水溶
液で洗浄した後、フェノチアジンおよびイルガノックス
1010(チバ・ガイギー製酸化防止剤)の各1gを加
え、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。乾燥剤をろ過
し、ろ液をエバポレーターで濃縮した後、カラム精製す
ることによって、メタクリル酸4−(t−ブトキシカル
ボニルアミノ)フェニルを26g得た。
【0085】以下に、得られたメタクリル酸4−(t−
ブトキシカルボニルアミノ)フェニルのNMRスペクト
ルの分析結果を示す。
【0086】・NMRスペクトル(TMS,δ/pp
m) 1.50(9H,s,C(CH3)3)、2.04(3H,
s,CH3)、5.73(1H,s,NH)、6.33
〜6.56(2H,d,CH2=)、7.02〜7.3
8(4H,m,芳香族−H)
【0087】実施例2[アクリル酸4−(t−ブトキシ
カルボニルアミノ)フェニルの合成] 攪拌翼、2本の滴下ロートおよび塩化カルシウム管を備
えたフラスコに、実施例1で得られた白色結晶状の4−
(t−ブトキシカルボニルアミノ)フェノール35gお
よびジエチルエーテル250mlを加え、氷水浴で冷却
した。攪拌下で、これに、トリエチルアミン27mlを
約10分間を要して滴下し、次いで、アクリル酸クロリ
ド15mlを約10分間を要して滴下し、氷水浴中でさ
らに1.5時間攪拌を続けた。反応終了後、反応混合液
に水300mlを加え、酢酸エチル300mlで抽出し
た。抽出液(有機相)を、炭酸水素ナトリウム水溶液で
洗浄した後、フェノチアジンおよびイルガノックス10
10(チバ・ガイギー製酸化防止剤)の各1gを加え、
無水硫酸マグネシウムで乾燥した。乾燥剤をろ過し、ろ
液をエバポレーターで濃縮した後、カラム精製すること
によって、アクリル酸4−(t−ブトキシカルボニルア
ミノ)フェニルを24g得た。
【0088】以下に、得られたアクリル酸4−(t−ブ
トキシカルボニルアミノ)フェニルのNMRスペクトル
の分析結果を示す。
【0089】・NMRスペクトル(TMS,δ/pp
m) 1.48(9H,s,C(CH3)3)、5.72(1H,
s,NH)、5.78〜6.44(3H,m,CH2
CH)、7.02〜7.38(4H,m,芳香族−H)
【0090】実施例3[メタクリル酸2−(t−ブトキ
シカルボニルアミノ)エチルの合成] 攪拌翼および滴下ロートを備えたフラスコに、2N(規
定)水酸化ナトリウム水溶液250mlおよび1,4−
ジオキサン300mlを加え、次いで、2−アミノエタ
ノール31gを加えて、氷水浴中で30分間攪拌した。
攪拌下で、これに、ジ−t−ブチルジカーボネート12
0gの1,4−ジオキサン200ml中の溶液を、約3
0分間を要して滴下した。滴下終了後も10分間攪拌し
た後、氷水浴を除いて、さらに60分間攪拌した。反応
終了後、反応混合液に酢酸エチル1リットルおよび水6
00mlを加えて抽出した。抽出液(有機相)を、水3
00ml、食塩水300mlの順序で洗浄し、無水硫酸
マグネシウムで乾燥した。乾燥剤をろ過後、ろ液を濃縮
し、カラム精製を行うことによって、無色透明な液体
(2−(t−ブトキシカルボニルアミノ)エタノール)
を52g得た。
【0091】攪拌翼、2本の滴下ロートおよび塩化カル
シウム管を備えたフラスコに、上記の2−(t−ブトキ
シカルボニルアミノ)エタノールの27gおよびジエチ
ルエーテル250mlを加え、氷水浴で冷却した。攪拌
下で、これに、トリエチルアミン27mlを約10分間
を要して滴下し、次いで、メタクリル酸クロリド18m
lを約10分間を要して滴下し、氷水浴中でさらに1.
5時間攪拌を続けた。反応終了後、反応混合液に水30
0mlを加え、酢酸エチル300mlで抽出した。抽出
液(有機相)を、炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄した
後、フェノチアジンおよびイルガノックス1010(チ
バ・ガイギー製酸化防止剤)の各1gを加え、無水硫酸
マグネシウムで乾燥した。乾燥剤をろ過し、ろ液をエバ
ポレーターで濃縮した後、カラム精製することによっ
て、メタクリル酸2−(t−ブトキシカルボニルアミ
ノ)エチルを28g得た。
【0092】以下に、得られたメタクリル酸2−(t−
ブトキシカルボニルアミノ)エチルのNMRスペクトル
の分析結果を示す。
【0093】・NMRスペクトル(TMS,δ/pp
m) 1.52(9H,s,C(CH3)3)、1.94(3H,
s,CH3)、3.20〜3.31(2H,m,CH
2N)、4.22〜5.33(2H,m,OCH2)、
5.37(1H,s,NH)、5.56〜6.10(2
H,d,CH2=)
【0094】実施例4[4−(t−ブトキシカルボニル
アミノ)フェニル ビニル ケトンの合成] 攪拌翼、滴下ロートおよび塩化カルシウム管を備えたフ
ラスコに、濃度2モル/リットルの水酸化ナトリウム水
溶液250mlおよび1,4−ジオキサン300mlを
加え、さらにアニリン47gを加えた後、氷水浴中で3
0分間攪拌した。攪拌下で、これに、ジ−t−ブチルジ
カーボネート120gの1,4−ジオキサン200ml
中の溶液を約30分間を要して滴下した。滴下終了後も
10分間攪拌した後、氷水浴を除いてさらに60分間攪
拌した。反応終了後、反応混合液に酢酸エチル1リット
ルおよび水600mlを加えて抽出した。抽出液(有機
相)を水300mlおよび食塩水300mlで洗浄した
後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。無水硫酸マグネ
シウムを吸引ろ過した後、ろ液を濃縮し、再結晶し、カ
ラム精製することによって、白色結晶状の(t−ブトキ
シカルボニルアミノ)ベンゼンを68g得た。
【0095】撹拌翼および冷却器を備えたフラスコに、
二硫化炭素110ml、上記の(t−ブトキシカルボニ
ルアミノ)ベンゼン29gおよびアクリル酸クロリド2
4gを入れた。この混合液に、撹拌下で、塩化アルミニ
ウム60gを4時間を要して徐々に添加した。添加終了
後、還流温度で30分間撹拌した。次に、加熱および撹
拌を停止して3時間静置した。上層をデカンテーション
で除き、下層を濃塩酸10mlと砕氷100gとの混合
物に加えた。析出した固体を水300ml、エタノール
300mlの順で洗浄し、再結晶精製を行うことによっ
て、白色結晶状の4−(t−ブトキシカルボニルアミ
ノ)フェニル ビニル ケトンを21g得た。
【0096】以下に、得られた4−(t−ブトキシカル
ボニルアミノ)フェニル ビニルケトンの分析結果を示
す。
【0097】・NMRスペクトル(TMS,δ/pp
m) 1.49(9H,s,C(CH3)3)、5.71(1H,
s,NH)、6.21〜6.72(7H,m,芳香族−
H、CH2=CH)
【0098】実施例5[p−(t−ブトキシカルボニル
アミノ)安息香酸ビニルの合成] 攪拌翼および滴下ロートを備えたフラスコに、2N(規
定)水酸化ナトリウム水溶液250mlおよび1,4−
ジオキサン300mlを加え、次いで、4−アミノ安息
香酸69gを加えて、氷水浴中で30分間攪拌した。攪
拌下で、これに、ジ−t−ブチルジカーボネート120
gの1,4−ジオキサン200ml中の溶液を、約30
分間を要して滴下した。滴下終了後も10分間攪拌した
後、氷水浴を除いて、さらに60分間攪拌した。反応終
了後、反応混合液に酢酸エチル1リットルおよび水60
0mlを加えて抽出した。抽出液(有機相)を、水30
0ml、食塩水300mlの順序で洗浄し、無水硫酸マ
グネシウムで乾燥した。乾燥剤をろ過後、ろ液を濃縮
し、カラム精製を行うことによって、白色結晶状のp−
(t−ブトキシカルボニルアミノ)安息香酸を86g得
た。
【0099】撹拌翼、ガス導入管、ガス流出管および冷
却器を備えたフラスコに、上記のp−(t−ブトキシカ
ルボニルアミノ)安息香酸50g、ヒドロキノン0.0
2gおよび黄色酸化水銀2gを加えた後、撹拌下でこれ
に、アセチレンを、ドライアイス−アセトン冷却蛇管ト
ラップ、水銀安全弁、空トラップ、硫酸洗びんおよびソ
ーダ石灰を通して導入した。なお、アセチレン導入の初
期には、反応混合物を溶融させるために温水浴で加熱
し、反応混合物の溶融後は、40〜50℃に反応温度を
下げた。3時間後、アセチレンの導入を止めた。得られ
た反応混合物をろ過し、ろ液をカラム精製することによ
って、白色結晶状のp−(t−ブトキシカルボニルアミ
ノ)安息香酸ビニルを21g得た。
【0100】以下に、得られたp−(t−ブトキシカル
ボニルアミノ)安息香酸ビニルの分析結果を示す。
【0101】・NMRスペクトル(TMS,δ/pp
m) 1.51(9H,s,C(CH3)3)、4.61〜5.0
8(3H,m,CH2=CH)、5.73(1H,s,
NH)、6.22〜6.59(4H,m,芳香族−H)
【0102】実施例6[メタクリル酸メチル/メタクリ
ル酸4−(t−ブトキシカルボニルアミノ)フェニル共
重合体の合成] メタクリル酸メチル175g、実施例1と同様にして得
られた化合物(メタクリル酸4−(t−ブトキシカルボ
ニルアミノ)フェニル)25g、アゾビスイソブチロニ
トリル(以下、「AIBN」という)0.29gおよび
ラウリルメルカプタン(以下、「LMA」という)1.
8gをトルエン285mlに溶解し、この溶液を窒素の
吹き込み処理に付した後、窒素下で60℃に加熱するこ
とによって、15時間重合を行った。得られた反応混合
液をメタノール中に注ぎ、析出物を遠心分離し、THF
/メタノール混合溶媒で再沈精製した後、室温で減圧乾
燥することによって、メタクリル酸メチル/メタクリル
酸4−(t−ブトキシカルボニルアミノ)フェニル共重
合体を127g得た。
【0103】次に、得られた共重合体の分析結果を示
す。
【0104】・GPC Mn:28000、Mw:45500、Mw/Mn:
1.6 ・MNRスペクトル(TMS,δ/ppm) 0.66〜1.33(m,CCH3)、1.52(s,
OC(CH3)3)、1.62〜2.28(m,CH2)、
3.54(s,OCH3)、6.65(s,NH)、
6.85〜7.42(m,芳香族−H) ・NMRに基づく共重合比 メタクリル酸メチル/メタクリル酸(4−t−ブトキシ
カルボニルアミノ)フェニル=94.0/6.0(モル
比)
【0105】実施例7[スチレン/メタクリル酸4−
(t−ブトキシカルボニルアミノ)フェニル共重合体の
合成] 単量体、溶媒およびその他の添加剤として、スチレン4
63g、実施例1と同様にして得られた化合物(メタク
リル酸4−(t−ブトキシカルボニルアミノ)フェニ
ル)137g、AIBNの1.88g、LMAの50.
7gおよびトルエン3900mlを使用した以外は実施
例6と同様にして、反応操作および後処理操作を行うこ
とによって、スチレン/メタクリル酸4−(t−ブトキ
シカルボニルアミノ)フェニル共重合体を390g得
た。
【0106】次に、得られた共重合体の分析結果を示
す。
【0107】・GPC Mn:2300、Mw:5400、Mw/Mn:2.3 ・NMRスペクトル(TMS,δ/ppm) 0.53〜2.25(m,CCH3,C(CH3)3,CH2
CH,CH2C)、5.73(s,NH)、6.22〜
7.46(m,芳香族−H) ・NMRに基づく共重合比 スチレン/メタクリル酸4−(t−ブトキシカルボニル
アミノ)フェニル=90.2/9.8(モル比)
【0108】実施例8[アクリル酸メチル/アクリル酸
4−(t−ブトキシカルボニルアミノ)フェニル共重合
体の合成] 単量体、溶媒およびその他の添加剤として、アクリル酸
メチル340g、実施例2と同様にして得られた化合物
(アクリル酸4−(t−ブトキシカルボニルアミノ)フ
ェニル)260g、AIBNの0.45g、LMAの
5.5gおよびトルエン460mlを使用した以外は実
施例6と同様にして、反応操作および後処理操作を行う
ことによって、アクリル酸メチル/アクリル酸4−(t
−ブトキシカルボニルアミノ)フェニル共重合体を37
8g得た。
【0109】次に、得られた共重合体の分析結果を示
す。
【0110】・GPC Mn:212000、Mw:425000、Mw/M
n:2.0 ・NMRスペクトル(TMS,δ/ppm) 1.50(s,C(CH3)3)、1.66〜2.72
(m,CH2CH)、3.78(s,COOCH3)、
6.64(s,NH)、7.02〜7.39(m,芳香
族−H) ・NMRに基づく共重合比 アクリル酸メチル/アクリル酸4−(t−ブトキシカル
ボニルアミノ)フェニル=80.3/19.7(モル
比)
【0111】実施例9[メタクリル酸メチル/メタクリ
ル酸2−(t−ブトキシカルボニルアミノ)エチル共重
合体の合成] 単量体およびその他の添加剤として、メタクリル酸メチ
ル269g、実施例3と同様にして得られた化合物(メ
タクリル酸2−(t−ブトキシカルボニルアミノ)エチ
ル)331g、AIBNの0.05gおよびLMAの
0.1gを使用(トルエンは不使用)した以外は実施例
6と同様にして、反応操作および後処理操作を行うこと
によって、メタクリル酸メチル/メタクリル酸2−(t
−ブトキシカルボニルアミノ)エチル共重合体を396
g得た。
【0112】次に、得られた共重合体の分析結果を示
す。
【0113】・GPC Mn:484800、Mw:1002200、Mw/M
n:2.1 ・NMRスペクトル(TMS,δ/ppm) 0.53〜1.35(m,CCH3)、1.51(s,
C(CH3)3)、1.66〜2.18(m,CH2C)、
3.76(s,COOCH3)、3.20〜5.33
(m,OCH2CH2N)、5.37(s,NH) ・NMRに基づく共重合比 メタクリル酸メチル/メタクリル酸2−(t−ブトキシ
カルボニルアミノ)エチル=65.7/34.3(モル
比)
【0114】実施例10[アクリル酸ブチル/メタクリ
ル酸2−(t−ブトキシカルボニルアミノ)エチル共重
合体の合成] アクリル酸ブチル548g、実施例3と同様にして得ら
れた化合物(メタクリル酸2−(t−ブトキシカルボニ
ルアミノ)エチル)52g、AIBNの0.46gおよ
びLMAの2.97gをトルエン460mlに溶解し、
この溶液を窒素の吹き込み処理に付した後、窒素下で6
0℃に加熱することによって、15時間重合を行った。
得られた反応混合液を50℃の熱風乾燥機で乾燥した
後、室温で減圧乾燥することによって、アクリル酸ブチ
ル/メタクリル酸2−(t−ブトキシカルボニルアミ
ノ)エチル共重合体を366g得た。
【0115】次に、得られた共重合体の分析結果を示
す。
【0116】・GPC Mn:39900、Mw:99200、Mw/Mn:
2.5 ・NMRスペクトル(TMS,δ/ppm) 0.53〜2.52(m,C(CH3)3,CH2CH,C
2CCH3,CH2CH2CH3)、3.20〜5.33
(m,OCH2CH2N,COOCH2)、5.37
(s,NH) ・NMRに基づく共重合比 アクリル酸ブチル/メタクリル酸2−(t−ブトキシカ
ルボニルアミノ)エチル=95.3/4.7(モル比)
【0117】実施例11[スチレン/4−(t−ブトキ
シカルボニルアミノ)フェニル ビニル ケトン共重合
体の合成] 単量体、溶媒およびその他の添加剤として、スチレン5
72g、実施例4と同様にして得られた化合物(4−
(t−ブトキシカルボニルアミノ)フェニル ビニル
ケトン)28g、AIBNの0.46g、LMAの9.
5gおよびトルエン460mlを使用した以外は実施例
6と同様にして、反応操作および後処理操作を行うこと
によって、スチレン/4−(t−ブトキシカルボニルア
ミノ)フェニル ビニル ケトン共重合体を378g得
た。
【0118】次に、得られた共重合体の分析結果を示
す。
【0119】・GPC Mn:10200、Mw:25000、Mw/Mn:
2.5 ・NMRスペクトル(TMS,δ/ppm) 1.18〜2.88(m,C(CH3)3,CH2CH)、
5.72(s,NH)、6.21〜7.41(m,芳香
族−H) ・NMRによる共重合比 スチレン/4−(t−ブトキシカルボニルアミノ)フェ
ニル ビニル ケトン=98.4/1.6(モル比)
【0120】実施例12[酢酸ビニル/4−(t−ブト
キシカルボニルアミノ)フェニル ビニル ケトン共重
合体の合成] 単量体、溶媒およびその他の添加剤として、酢酸ビニル
567g、実施例4と同様にして得られた化合物(4−
(t−ブトキシカルボニルアミノ)フェニルビニル ケ
トン)33g、AIBNの0.31g、LMAの0.3
gおよびトルエン120mlを使用した以外は実施例6
と同様にして、反応操作および後処理操作を行うことに
よって、酢酸ビニル/4−(t−ブトキシカルボニルア
ミノ)フェニル ビニル ケトン共重合体を372g得
た。
【0121】次に、得られた共重合体の分析結果を示
す。
【0122】・GPC Mn:99900、Mw:254000、Mw/Mn:
2.5 ・NMRスペクトル(TMS,δ/ppm) 1.52(s,C(CH3)3)、1.66〜2.88
(m,CH2,CH2CH,OC(=O)CH3)、3.
60〜4.34(m,CHOCO)、6.23〜6.5
8(m,芳香族−H)、5.73(s,NH) ・NMRに基づく共重合比 酢酸ビニル/4−(t−ブトキシカルボニルアミノ)フ
ェニル ビニル ケトン=98.0/2.0(モル比)
【0123】実施例13[スチレン/p−(t−ブトキ
シカルボニルアミノ)安息香酸ビニル共重合体の合成] 単量体、溶媒およびその他の添加剤として、スチレン5
29g、実施例5と同様にして得られた化合物(p−
(t−ブトキシカルボニルアミノ)安息香酸ビニル)7
1g、AIBNの0.46g、LMAの9.6gおよび
トルエン460mlを使用した以外は実施例6と同様に
して、反応操作および後処理操作を行うことによって、
スチレン/p−(t−ブトキシカルボニルアミノ)安息
香酸ビニル共重合体を384g得た。
【0124】次に、得られた共重合体の分析結果を示
す。
【0125】・GPC Mn:10200、Mw:24700、Mw/Mn:
2.4 ・NMRスペクトル(TMS,δ/ppm) 1.18〜2.25(m,C(CH3)3,CH2CH,C
2)、4.88〜5.01(m,CHOCO)、5.
73(s,NH)、6.23〜7.46(m,芳香族−
H) ・NMRに基づく共重合比 スチレン/p−(t−ブトキシカルボニルアミノ)安息
香酸ビニル=95.3/4.7(モル比)
【0126】実施例14[酢酸ビニル/p−(t−ブト
キシカルボニルアミノ)安息香酸ビニル共重合体の合
成] 単量体、溶媒およびその他の添加剤として、酢酸ビニル
340g、実施例5と同様にして得られた化合物(p−
(t−ブトキシカルボニルアミノ)安息香酸ビニル)2
60g、AIBNの1.40g、LMAの10.5gお
よびトルエン2760mlを使用した以外は実施例6と
同様にして、反応操作および後処理操作を行うことによ
って、酢酸ビニル/p−(t−ブトキシカルボニルアミ
ノ)安息香酸ビニル共重合体を370g得た。
【0127】次に、得られた共重合体の分析結果を示
す。
【0128】・GPC Mn:5100、Mw:10800、Mw/Mn:2.
1 ・NMRスペクトル(TMS,δ/ppm) 1.46〜2.18(m,C(CH3)3,CH2,OC(=
O)CH3)、3.59〜5.03(m,CHOCO)、
6.23〜6.63(m,芳香族−H)、5.72
(s,NH) ・NMRに基づく共重合比 酢酸ビニル/p−(t−ブトキシカルボニルアミノ)安
息香酸ビニル=80.2/19.8(モル比)
【0129】参考例1 実施例6で得られた共重合体(メタクリル酸メチル/メ
タクリル酸4−(t−ブトキシカルボニルアミノ)フェ
ニル共重合体)の32.5gを、無水マレイン酸変性ポ
リイソブテン(日本石油化学製HV−300M)27.
6gおよびイルガノックス1010(チバ・ガイギー製
酸化防止剤)0.6gとともに、260℃に加熱したラ
ボプラストミルに仕込み、溶融混練条件下に15分間、
反応させることによって、グラフト重合体を製造した。
【0130】次に、得られたグラフト重合体の分析結果
を示す。
【0131】・GPC Mn:35100、Mw:53800、Mw/Mn:
1.5 ・GPCに基づくグラフト率 幹形成重合体(実施例6で得られた共重合体)/枝形成
重合体(ポリイソブテン)=1/4.4(モル比) ・NMRスペクトル(TMS,δ/ppm) 0.66〜2.28(m,CCH3,CH2C,CH2
(CH3)2)、3.53(s,OCH3)、6.84〜
7.43(m,芳香族−H)
【0132】
【発明の効果】本発明のエチレン性芳香族化合物は、そ
のt−ブトキシカルボニルアミノ基を保持したままラジ
カル重合させることが可能であり、それによって、分子
鎖から分岐したt−ブトキシカルボニルアミノ基を有す
る重合体を与える。該重合体は、反応性高分子であり、
例えば、アミノ基との反応性を有する官能基を分子主鎖
片末端に有する他の重合体と、加熱条件下で接触させる
ことによってグラフト重合体に変換することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08F 20/36 MMQ C08F 20/36 MMQ

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式 【化1】 (式中、Aはアリーレン基を示し、Rは水素原子または
    メチル基を示し、xおよびyは一方が1を示し他方が0
    を示すか、または両方が0を示す。)で示される、t−
    ブトキシカルボニルアミノ基を有するエチレン性芳香族
    化合物。
  2. 【請求項2】 一般式 【化2】 (式中、A’はアリーレン基を示し、R’は水素原子ま
    たはメチル基を示し、x’およびy’は一方が1を示し
    他方が0を示すか、または両方が0を示す。)で示され
    る繰り返し単位を含有する重合体。
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