JP2011206798A - レーザ切断方法、レーザ切断用ノズル及びレーザ切断装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ノズル本体11に形成されたノズル孔12を通じて、前記ノズル孔12の開口部からレーザ光を照射するとともに前記レーザ光を囲繞するアシストガスを噴出するように構成されたレーザ切断用ノズル10であって、前記ノズル孔12には、それぞれ同軸円筒状とされた第1の制御流路12A、第2の制御流路12B、第3の制御流路12Cが前記アシストガスの流通方向上流から下流に向かって順に形成され、それぞれの直径を、第1の制御流路:φA、第2の制御流路:φB、第3の制御流路:φCとした場合に、
φA < φC < φB であることを特徴とする。
【選択図】図3
Description
このようなレーザ切断方法では、加工効率を向上させるために種々のレーザ切断用ノズルに関する技術が開示されている(例えば、特許文献1参照。)。
レーザ切断用ノズル100は、かかる構成により、効率的なレーザ切断が可能とされている。
請求項1に記載の発明は、ノズル本体に形成されたノズル孔を通じて、前記ノズル孔の開口部からレーザ光を照射するとともに前記レーザ光を囲繞するアシストガスを噴出するように構成されたレーザ切断用ノズルであって、前記ノズル孔は、前記アシストガスの流通方向上流から下流に向かって順に形成された第1の制御流路、第2の制御流路、第3の制御流路を有し、前記第1の制御流路は、外周側に拡大された前記第2の制御流路と接続され、かつ前記第2の制御流路は、内周側に縮小された前記第3の制御流路と接続されることを特徴とする。
φA : φC = 1 : 1.3 〜 3.0
であることを特徴とする。
φC : φB = 1 : 1.1 〜 3.0
であることを特徴とする。
なお、切断実験において、φB/φCの上限値は特に認められなかったが、φB/φCを3.0 以下とすると、レーザ切断用ノズルの外形が過度に大きくなることを抑制して、ノズルの取扱いを容易にできる点で好適である。
L2 + L3 ≧ 2.0×φA
L2 : 第2の制御流路長、L3 : 第3の制御流路長、であることを特徴とする。
図1は、第1の実施形態に係るレーザ切断装置を示す図であり、符号1はレーザ切断装置を、符号10はレーザ切断用ノズル(以下、単に「ノズル」と略称する)を示している。
ノズル本体11は、基端側がレーザ切断装置に装着するためのネジが形成された円筒部21とされ、円筒部21の先端側には大径部22が形成され、大径部22の先端側には、開口部13に向かって縮径されるテーパ部23が形成された外形を有しており、軸線Oと同軸にノズル孔12が形成されている。
また、アシストガス導入部12D、第1の制御流路12A、第2の制御流路12B、第3の制御流路12Cは、軸線Oと同軸に形成されている。
第1の制御流路12A、第2の制御流路12B、第3の制御流路12Cは、それぞれ軸線Oに平行な円筒壁部16、17、18により構成され、それぞれ制御流路は、図3に示すように、軸線Oと直交する段差を介して接続されている。
第1の制御流路12A:L1、φA
第2の制御流路12B:L2、φB
第3の制御流路12C:L3、φC
とした場合、
φA < φC < φB とされている。
また、
φA : φC = 1 : 1.3 〜 3.0
また、
φC : φB = 1 : 1.1 〜 3.0
また、
L2 + L3 ≧ 2.0×φA
であることが好適である。
なお、レーザ光がノズル内壁部に干渉して切断効率が低下するのを防止するうえで、
5.0 ≧ (L2 + L3)/ φA とすることがより好適である。
図4は、ノズル10を用いて、板厚16mmのステンレス鋼(被加工材)を切断した場合の第1の制御流路12Aの直径:φA、第2の制御流路12Bの直径:φB、第3の制御流路12Cの直径:φCと、切断面の表面粗さとの関係を示すグラフである。
(1)φC/φA=1.0で、かつφB/φA=1.0である場合は、φA、φB、φCが同径の従来ノズルを示しており、切断面の表面粗さは当然に従来レベル(△)である。
(2)φB > φC(=(φB/φC >1.0))、すなわちφB/φAが直線S1よりも上側にあり、φC/φA>1.0である場合には、切断面の表面粗さは従来ノズルの場合よりも小さくなる。
なお、図4において、φC/φA=1.0〜1.1の間には、品質レベルを示していないが、φC/φA>1.0のときは、φC/φAが増加するにしたがって切断面の表面粗さは向上する。具体的には、φC/φA=1.0〜1.1の範囲にて、切断面の表面粗さは、Rz50μm以上である従来品質(△)からRz50〜30μmである切断面粗さ改善(○)まで漸次小さくなる。
また、φC/φAが1.1〜1.3のとき、切断面の表面粗さは、Rz50μm〜Rz30μmである切断面粗さ改善(○)からRz30μm以下である切断面粗さ大幅改善(◎)まで漸次小さくなる。
また、φC/φA>1.3のとき、切断面の表面粗さは、Rz30μm以下である切断面粗さ大幅改善(◎)となる。
なお、切断実験では、φC/φA=1.0〜3.0の範囲を対象にして切断面の表面粗さが向上することを確認した。
(3)φB > φC(=(φB/φC >1.3))、すなわちφB/φAが直線S2よりも上側にあり、φC/φA>1.3である場合には、切断面の表面粗さは、Rz30μm以下である切断面粗さ大幅改善(◎)となる。
図5は、ノズル10を用いて、板厚16mmのステンレス鋼(被加工材)を切断した場合の、第1の制御流路12Aの直径:φA、第2の制御流路長:L2、第3の制御流路長:L3と、切断面(切断下部)の表面粗さとの関係を示すグラフである。
この実験において用いたノズルは、第1の制御流路12Aの直径:φA=4mm、第2の制御流路12Bの直径:φB=10mm、第3の制御流路12Cの直径:φC=7mmである。
なお、切断面の表面粗さは、レーザ光がノズル内壁部に対する干渉を生じない 5.0 ≧ (L2+L3)/φA の範囲で評価した。
(1)切断面の表面粗さは、(L2+L3)/φAに関係なく、従来より良好であることを示しており、(L2+L3)/φAが増加するにつれて、切断面の表面粗さは小さくなり品質が向上する。
(2)(L2+L3)/φA ≧ 2.0 である場合には、非常に安定した切断面が得られる。
以上のように、(L2+L3)/φA ≧ 2.0を満足することにより、Rz30μm以下の表面粗さを安定して確保できることがわかった。
その結果、レーザ切断後に、さらに切断面の表面粗を小さくするための加工をすることが軽減され、レーザ切断する際の工数低減、コスト削減を実現することができる。
また、ノズル10によれば、アシストガスGの消費量が、従来のノズルでの消費量と同じで表面粗度を小さくすることができる。
図6は、第2の実施形態に係るノズル40を示す図であり、ノズル40は、ノズル本体11と同形状の外形を有し、ノズル本体41には、軸線Oと同軸に形成されたノズル孔42が形成されている。
第1の制御流路12A:L1、φA
第2の制御流路12B:L2、φB
第3の制御流路12C:L3、φC
とした場合に、 φA < φC < φB であり、
さらに φA : φC = 1 : 1.3 〜 3.0 、 φC : φB = 1 : 1.1 〜 3.0 、 L2 + L3 ≧ 2.0×φA とされていることが好適である。
なお、レーザ光がノズル内壁部に干渉して切断効率が低下するのを防止するために、
第1の実施形態と同様、5.0 ≧ (L2+L3)/φA とするとより好適である。
また、ノズル40は、構成が簡単であるので容易に製造することができ、製造コストを削減することが可能となる。
また、第1の制御流路12A、第2の制御流路12B、第3の制御流路12Cのいずれか又は全部につき、例えば、偏心した配置等、軸線Oと同軸でない配置としてもよい。
また、上記実施の形態においては、アシストガスGをノズル孔12、42に導入するアシストガス導入部12D、42Aが、ノズル本体11、41の基端側に開口する場合について説明したが、例えば、アシストガス導入部12D、42AのアシストガスGの流入口がノズル本体11、41の側部に形成されてもよい。
G アシストガス
O 軸線
1 レーザ切断装置
5 被加工物
10、40 ノズル(レーザ切断用ノズル)
11、41 ノズル本体
12、42 ノズル孔
12A 第1の制御流路
12B 第2の制御流路
12C 第3の制御流路
13 開口部
Claims (7)
- ノズル本体に形成されたノズル孔を通じて、前記ノズル孔の開口部からレーザ光を照射するとともに前記レーザ光を囲繞するアシストガスを噴出するように構成されたレーザ切断用ノズルであって、
前記ノズル孔は、
前記アシストガスの流通方向上流から下流に向かって順に形成された第1の制御流路、第2の制御流路、第3の制御流路を有し、
前記第1の制御流路は、外周側に拡大された前記第2の制御流路と接続され、
かつ前記第2の制御流路は、内周側に縮小された前記第3の制御流路と接続されることを特徴とするレーザ切断用ノズル。 - 請求項1に記載のレーザ切断用ノズルであって、
前記第1の制御流路、前記第2の制御流路、前記第3の制御流路は、それぞれ円筒形状に形成されるとともに同軸上に配置され、それぞれの直径を、第1の制御流路:φA、第2の制御流路:φB、第3の制御流路:φCとした場合に、
φA < φC < φB
であることを特徴とするレーザ切断用ノズル。 - 請求項2に記載のレーザ切断用ノズルであって、
φA : φC = 1 : 1.3 〜 3.0
であることを特徴とするレーザ切断用ノズル。 - 請求項3に記載のレーザ切断用ノズルであって、
φC : φB = 1 : 1.1 〜 3.0
であることを特徴とするレーザ切断用ノズル。 - 請求項3又は請求項4に記載のレーザ切断用ノズルであって、
L2 + L3 ≧ 2.0×φA
L2 : 第2の制御流路長
L3 : 第3の制御流路長
であることを特徴とするレーザ切断用ノズル。 - 請求項1から請求項5のいずれか1項に記載のレーザ切断用ノズルを備えることを特徴とするレーザ切断装置。
- ノズル本体に形成されたノズル孔の開口部からレーザ光を照射するとともに、前記レーザ光を囲繞するアシストガスを噴出して被加工物を切断するレーザ切断方法であって、
前記ノズル孔を通じて前記開口部からアシストガスを噴射する際に、
前記ノズル孔に形成された第1の制御流路と、前記第1の制御流路に接続され外周側に拡大された第2の制御流路と、前記第2の制御流路に接続され外周側に拡大された第3の制御流路とを、この順に通過させることを特徴とするレーザ切断方法。
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