JP5895949B2 - 紛体肉盛ノズル - Google Patents

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Description

本発明は、紛体肉盛ノズルに関し、特に被加工物に肉盛層(クラッド層)を形成するレーザクラッド加工に用いられる紛体肉盛ノズルに関するものである。
従来から、エンジン用シリンダヘッドのバルブシートの耐久性を向上させるとともにその設計自由度を高めるために、そのバルブシートに対し、例えば粉体(粉末)状の肉盛り材料を供給しながらレーザ光を照射し、バルブシートとレーザ光を相対回転させることによって肉盛層(クラッド層)を形成するレーザ加工が知られている。このレーザ加工は、エンジンの燃焼室に必要な機械加工、例えばバルブ孔形成加工等がおこなわれたシリンダヘッドに対し、そのバルブシートとなるべき領域に銅合金等からなる耐摩耗性を有する粉体状の肉盛り材料を供給しつつレーザ光照射を実行し、最終的にバルブシートとなるべきリング状の肉盛層、すなわち肉盛ビード部を形成するという技術であり、一般にレーザクラッド加工と称されている。
上記したレーザクラッド加工においては、一般に、レーザ光を通過させるとともにそのレーザ光の周囲から粉末金属を吐出する二重管構造の同軸ノズル(紛体肉盛ノズル)が採用されており、そのような従来の紛体肉盛ノズルとして、図13で示す粉末金属肉盛ノズルが知られている(特許文献1)。
図13で示す従来の粉末金属肉盛ノズルは、円柱状の本体部Aと、本体部Aに同軸状に結合されたノズル部Bとからなる。本体部Aは外側部材Cと外側部材Cの中央空間に嵌めこまれた内側部材Dとを備えており、外側部材Cと内側部材Dとの間には不活性ガスを充填する円環状のガス充填空間Eと、キャリアガスとともに粉末金属を充填する粉末金属充填空間Fとが形成されている。その粉末金属充填空間Fには複数の供給路Gが開口しており、粉末金属充填空間Fは分割部Iによって各々の供給路Gに対応する充填領域に分割されている。また、粉末金属充填空間Fの底部には粉末金属をノズル部Bへ誘導する多数の誘導孔Jが底部の円周に沿って軸心Lと平行に外側部材Cの下面に開口するように形成されている。
上記した粉末金属肉盛ノズルは、レーザ加工ヘッドのレーザ光発生装置と結合され、本体部Aの粉末金属の供給路Gが供給管を介して粉末金属供給源(フィーダもという)に接続される。この粉末金属肉盛ノズルでは、本体部Aの上方に接続されたレーザ光発生装置から出射されたレーザ光Rが、本体部A及びノズル部Bの内部のレーザ通路Kを通過して照射口Mから被加工物の加工部位Wへ照射される。一方、フィーダからキャリアガスとともに供給管を介して粉末金属の供給路Gに供給された粉末金属Pは、粉末金属充填空間Fの分割部Iで区画されたそれぞれの充填領域へ等分に充填される。充填された粉末金属Pは、誘導孔Jと吐出通路Nを通って吐出口Qから加工部位Wの周辺へ吐出され、吐出された粉末金属Pが、レーザ光Rにより溶融されて加工部位Wに肉盛層が形成される。
特開2005−219060号公報
上記した従来の粉末金属肉盛ノズルによれば、本体部の内部に形成される粉末金属充填空間を粉末金属を供給する各供給路に対応する充填領域に分割するとともに、ノズル部先端の吐出口に開口する粉末金属の吐出通路を有するため、各充填領域に充填された粉末金属が、各充填領域の範囲内で吐出口まで誘導されて吐出口の周縁から均一に吐出される。
ところで、上記した従来の粉末金属肉盛ノズルのように、フィーダから供給される粉末金属が、ノズル軸心に対して略直交する方向に形成された供給路を介して粉末金属充填空間の充填領域に充填され、そのように充填領域に一旦充填された粉末金属が、誘導孔と吐出通路を通って吐出口を介してレーザ光の周囲から吐出されると、粉末金属肉盛ノズル内での粉末金属の速度が低下する可能性がある。一般にレーザクラッド加工では、粉末金属肉盛ノズルが鉛直方向に対して傾斜した姿勢で使用されるため、上記した従来の粉末金属肉盛ノズルにおいては、鉛直方向に対する軸心の傾斜角が大きくなると、粉末金属が当該粉末金属肉盛ノズル内で重力により鉛直下方に偏在し、吐出口から吐出される粉末金属がレーザ光の周囲で不均一となり、被加工物の加工部位に形成される肉盛層の品質が低下するといった問題が生じ得る。
本発明は上記する問題に鑑みてなされたものであり、被加工物の加工部位に形成される肉盛層の品質を高めることができ、被加工物の生産性やメンテナンス性を格段に高めることのできる紛体肉盛ノズルを提供することを目的とする。
前記目的を達成すべく、本発明による紛体肉盛ノズルは、レーザ光が通過するためのレーザ通路を有するインナノズル部材と該インナノズル部材に外嵌されるアウタノズル部材とを備え、該インナノズル部材と該アウタノズル部材との間に紛体が通過する吐出空間が形成されている紛体肉盛ノズルであって、前記アウタノズル部材には、前記紛体肉盛ノズルの軸心に対して傾斜する方向で前記吐出空間に紛体を供給する供給路が設けられている。
上記する形態の紛体肉盛ノズルによれば、インナノズル部材とアウタノズル部材との間に形成される吐出空間に紛体を供給する供給路が紛体肉盛ノズルの軸心に対して傾斜する方向で前記アウタノズル部材に設けられていることによって、紛体肉盛ノズル内、特に吐出空間での紛体の速度低下を抑制することができる。そのため、たとえば紛体肉盛ノズルが鉛直方向に対して傾斜した姿勢で使用された場合であっても、紛体肉盛ノズル内での紛体の分布を均一化することができ、レーザ光の周囲から略均一に紛体を吐出させることができ、被加工物の加工部位に形成される肉盛層の品質を高めることができる。なお、紛体肉盛ノズルの軸心に対して傾斜する方向とは、供給路の中心軸線と紛体肉盛ノズルの軸心との成す角度が0度よりも大きく且つ90度よりも小さい方向である。
また、上記する紛体肉盛ノズルの好ましい形態は、前記吐出空間には、該吐出空間を前記軸心周りで複数の吐出通路に画成する複数の流路壁が設けられている。
上記する形態の紛体肉盛ノズルによれば、インナノズル部材とアウタノズル部材との間に形成される吐出空間に該吐出空間を軸心周りで複数の吐出通路に画成する複数の流路壁が設けられていることによって、紛体肉盛ノズル内、特に吐出空間内での紛体の分布をより均一化することができる。
ここで、前記流路壁は、前記インナノズル部材と前記アウタノズル部材の少なくとも一方に形成されていることが好ましい。
また、上記する紛体肉盛ノズルの好ましい形態は、前記複数の流路壁のうち、前記供給路の中心軸線に沿って設けられた流離壁は、前記供給路から供給された紛体を前記中心軸線に対して傾斜した方向へ誘導する誘導部を有している。
上記する形態の紛体肉盛ノズルによれば、供給路の中心軸線に沿って設けられた流離壁が、供給路から供給された紛体を供給路の中心軸線に対して傾斜した方向へ誘導する誘導部を有していることによって、紛体肉盛ノズル内、特に吐出空間内での紛体の分布を更に均一化することができる。
ここで、前記誘導部が、前記流路壁の前記供給路側の端面に設けられ、且つ、前記中心軸線に対して傾斜した傾斜面からなる場合には、簡単な構成でもって、紛体肉盛ノズル内、特に吐出空間内での紛体の分布を更に均一化することができる。
また、前記誘導部が、前記供給路の中心軸線に沿って設けられた流離壁以外の流路壁よりも前記供給路側に突出した突出部から構成されている場合には、供給路を介して供給された紛体が前記供給路の中心軸線に沿って設けられた流離壁の供給路側に突出した突出部に衝接して前記中心軸線に対して傾斜した方向へ誘導されるため、紛体肉盛ノズル内、特に吐出空間内での紛体の分布をより確実に均一化することができる。
また、上記する紛体肉盛ノズルの好ましい形態は、前記流路壁の前記供給路側の端面が、前記供給路の中心軸線から離間するに従って低くなっている。
上記する形態の紛体肉盛ノズルによれば、流路壁の供給路側の端面が供給路の中心軸線から離間するに従って低くなっていることによって、たとえば供給路を介して吐出空間に供給される紛体の軸心方向での流速が、供給路の中心軸線から離間するに従って低下する場合であっても、流路壁によって画成される各吐出通路に略均一に紛体を導入することができ、紛体肉盛ノズル内、特に吐出空間内での紛体の分布をより確実に均一化することができる。
ここで、前記アウタノズル部材は、レーザ加工ヘッドに接続され且つ前記供給路が設けられた本体部と、該本体部に接続され且つ前記インナノズル部材と共に吐出口を形成するアウタノズル部と、を有していることが好ましい。
また、前記供給路は、前記紛体肉盛ノズルの軸心周りで等間隔に複数設けられていることが好ましい。
以上の説明から理解できるように、本発明の紛体肉盛ノズルによれば、インナノズル部材とアウタノズル部材との間に形成される吐出空間に紛体を供給する供給路が紛体肉盛ノズルの軸心に対して傾斜する方向で設けられているという簡単な構成でもって、被加工物の加工部位に形成される肉盛層の品質を高めることができ、被加工物の生産性やメンテナンス性を格段に高めることができる。
本発明の紛体肉盛ノズルの実施の形態1が適用されるレーザクラッド加工装置の主要構成を概略的に示した斜視図である。 本発明の紛体肉盛ノズルの実施の形態1の全体構成を示した縦断面図である。 図2で示す紛体肉盛ノズルのインナノズル部材を示した斜視図である。 図2で示す紛体肉盛ノズル内の紛体の流れを模式的に説明した模式図である。 本発明の紛体肉盛ノズルの実施の形態2で使用されるインナノズル部材を示した斜視図である。 実施の形態2の紛体肉盛ノズル内の紛体の流れを模式的に説明した模式図である。 本発明の紛体肉盛ノズルの実施の形態3で使用されるインナノズル部材を示した斜視図である。 実施の形態3の紛体肉盛ノズル内の紛体の流れを模式的に説明した模式図である。 試験体による実施例1〜3、比較例の吐出開口近傍での紛体分布の測定した実験結果を示した図であり、(a)は実施例1の実験結果を示した図、(b)は実施例2の実験結果を示した図、(c)は実施例3の実験結果を示した図、(d)は比較例の実験結果を示した図である。 試験体による実施例1で形成された肉盛層の断面の撮影結果を示した図である。 試験体による実施例1、比較例で形成された肉盛層の取り代を測定した実験結果を示した図である。 試験体による実施例1、比較例の紛体吐出特性を測定した実験結果を示した図である。 従来の紛体肉盛ノズルを示した縦断面図である。
以下、図面を参照して本発明の紛体肉盛ノズルの実施の形態を説明する。
[実施の形態1]
図1は、本発明の紛体肉盛ノズルの実施の形態1が適用されるレーザクラッド加工装置の主要構成を概略的に示した斜視図である。
図示するレーザクラッド加工装置9は、たとえばシリンダヘッド(被加工物)Hのバルブシート部(加工部位)Wにレーザクラッド加工を行う装置であって、シリンダヘッドHを傾動して保持するシリンダヘッド保持装置1と、加工部位にレーザ光を照射しながら粉末金属(紛体)(例えば銅を主成分とする材料)を吐出するレーザ加工ヘッド2と、レーザ加工ヘッド2を鉛直方向に傾斜して保持して鉛直軸線周りに回転させる回転装置3と、レーザ加工ヘッド2に粉末金属を供給する紛体供給装置(フィーダ)4とを備えている。
シリンダヘッド保持装置1は、バルブシート部Wの中心軸線が鉛直方向となるようにシリンダヘッドHを傾動したり、バルブシート部Wの中心軸線とレーザ加工ヘッド2の回転軸線とが一致するようにシリンダヘッドHを水平方向へ二次元的に移動させるものである。
レーザ加工ヘッド2は、レーザ光を発生するレーザ発生部5と、レーザ光を集光する集光レンズ等が内蔵された光学系部6とを有し、その光学系部6の先端部に、レーザ光を通過させるとともにそのレーザ光の周囲から粉末金属を吐出する二重管構造の紛体肉盛ノズル(同軸ノズルともいう)7が接続され、この紛体肉盛ノズル7が、供給管8を介してフィーダ4に接続されている。このレーザクラッド加工装置9は、加工部位に形成される肉盛層(クラッド層)に応じた量の粉末金属がフィーダ4から紛体肉盛ノズル7へ供給され、レーザ発生部5によってその粉末金属に応じた出力のレーザ光が生成され、紛体肉盛ノズル7を介して加工部位Wにレーザ光を照射しながら粉末金属を吐出することにより、シリンダヘッドHのバルブシート部Wに所望の肉盛層(クラッド層)を形成することができる。
図2は、図1で示す紛体肉盛ノズルの全体構成(本発明の紛体肉盛ノズルの実施の形態1の全体構成)を示した縦断面図である。
図示する紛体肉盛ノズル7は、主に、レーザ光が通過するためのレーザ通路11を有する略円管状のインナノズル部材10と、インナノズル部材10に外嵌されるアウタノズル部材20とを備えている。インナノズル部材10とアウタノズル部材20とは同軸上に配置され、インナノズル部材10とアウタノズル部材20との間に紛体が通過する略円環状の吐出空間19が画成されている。なお、インナノズル部材10の内周面及び外周面の先端側は、軸心L方向に沿って且つ先端側へ向かって縮径している。
アウタノズル部材20は、レーザ加工ヘッド2の光学系部6に接続される本体部21と、本体部21に接続されるアウタノズル部25とを有している。
本体部21には、紛体肉盛ノズル7の軸心Lに対して傾斜する方向で前記吐出空間19の上端側に連通する供給路22が穿設されている。この供給路22は、紛体肉盛ノズル7の軸心L周り(周方向)で等間隔に複数(たとえば90度間隔で4個)設けられている。なお、各供給路22には、上記したようにフィーダ4に繋がる供給管8が接続されている。ここで、各供給路22は、その中心軸線X(供給路22から供給される紛体の供給方向の軸線)が紛体肉盛ノズル7の軸心Lと交差するように穿設されており、各供給路22の中心軸線Xと紛体肉盛ノズル7の軸心Lとの成す角度θは、0度よりも大きく且つ90度よりも小さい確度の範囲内で設定されているが、その角度θは、レーザクラッド加工時のレーザ加工ヘッド2の傾きを考慮して設定されることが好ましい。すなわち、その角度θは、レーザクラッド加工時の紛体肉盛ノズル7内での紛体(粉末金属)の速度を確保するために、レーザクラッド加工時のレーザ加工ヘッド2の軸心(紛体肉盛ノズル7の軸心L)の鉛直方向に対する傾斜角よりも小さい角度で設定されることが好ましい。
アウタノズル部25は、インナノズル部材10の外周面の先端側と相補的な形状の内周面を有し、インナノズル部材10と共に紛体肉盛ノズル7の外部へ紛体を吐出するための吐出口18を形成している。
なお、図示は省略するが、本体部21には、窒素ガスなどの不活性ガスが通過するガス供給路が穿設され、そのガス供給路を介して供給された不活性ガスが、インナノズル部材10と本体部21との間に画成されたガス充填空間と、該ガス充填空間に連通するようにインナノズル部材10に穿孔して形成された複数のガス吐出路を介してインナノズル部材10のレーザ通路11に供給される。
インナノズル部材10とアウタノズル部材20との間の吐出空間19は、主にインナノズル部材10の外周面の上端側と本体部21の内周面とによって画成されて軸心L方向に延びる円環状の上側吐出空間19aと、主にインナノズル部材10の外周面の先端側とアウタノズル部25の内周面とによって画成されて軸心L方向に対して傾斜した方向へ延びる下側吐出空間19bとから構成されている。
円環状の上側吐出空間19aは、軸心L周り(周方向)で等間隔に複数(たとえば90度間隔で4個)設けられた分割壁(不図示)によって、本体部21に穿設された各供給路22に対応する小空間に分割されている。なお、各供給路22は、各小空間の軸心L周り(周方向)での略中央部且つ各小空間の上端側で各小空間と連通しており、そこから各小空間へ紛体が導入されるようになっている。
また、前記上側吐出空間19aと連通して先端側へ向かって縮径する下側吐出空間19bは、インナノズル部材10の外周面に一体に形成された複数(たとえば供給路22や分割壁よりも多い)の流路壁12(図3参照)によって軸心L周りで複数の吐出通路19cに画成されている。上側吐出空間19aを介して下側吐出空間19bへ導入された紛体は、流路壁12同士の間の各吐出通路19cを通ってインナノズル部材10の下端の吐出口18まで軸心L方向に沿って供給される。この流路壁12は、軸心L周り(周方向)で等間隔に形成されると共に、各供給路22の中心軸線Xに対して左右対称となるように形成されている。
また、各流路壁12の上端面(供給路側の端面)13には、図3及び図4で示すように、供給路22の中心軸線Xに対して傾斜する傾斜面(誘導部)が形成され、下側吐出空間19bへ導入された紛体は、その傾斜面によって中心軸線Xに対して傾斜した方向、すなわち周方向へ誘導されるようになっている。
なお、下側吐出空間19bを複数の吐出通路19cに画成する流路壁12は、たとえばアウタノズル部材20のアウタノズル部25の内周面に形成してもよいし、インナノズル部材10の外周面とアウタノズル部材20の内周面の双方に形成してもよい。
このような構成により、供給管8を介してフィーダ4から供給された紛体(粉末金属)は、キャリアガス(たとえば窒素ガス)と共に、本体部21に穿設された各供給路22を介して軸心Lに対して傾斜する方向で上側吐出空間19aの上端側まで案内され、上側吐出空間19aの各小空間を通って軸心L方向へ案内される。そして、下側吐出空間19bへ案内された紛体は、下側吐出空間19bに設けられた各流路壁12の上端面に形成された傾斜面(誘導部)によって供給路22の中心軸線Xに対して傾斜した方向、すなわち周方向もしくは横方向へ誘導されながら下側吐出空間19bの各吐出通路19cへ供給され、各吐出通路19cの内部を略軸心L方向に沿って且つ軸心Lに向かう方向へ案内される(図4参照)。下側吐出空間19bの各吐出通路19cを通った紛体は、インナノズル部材10の下端とアウタノズル部25とによって形成される円環状の吐出口18を介して、レーザ光の周囲から軸心L上の所定の点に向かって吐出される。
そして、吐出口18を介して吐出された紛体は、本体部21の上方に接続されたレーザ加工ヘッド2のレーザ発生部5から出射され、インナノズル部材10のレーザ通路11及びその内周面先端で形成された照射口14を通過したレーザ光により溶融され、溶融された紛体が被加工物の加工部位に溶着され、溶着された紛体が冷却固化されて、被加工物の加工部位に所定の厚さ及び外径を有する肉盛層(クラッド層)が形成される。なお、レーザ通路11は、上記したように、ガス供給路やガス吐出路等を介して供給された不活性ガスの通路も兼ねており、レーザクラッド加工に際して不活性ガスが照射口14から被加工物の加工部位へ噴射されるようになっている。
このように、本実施の形態1の紛体肉盛ノズル7によれば、インナノズル部材10とアウタノズル部材20との間に形成される吐出空間19に紛体を供給する供給路22が軸心Lに対して傾斜する方向で設けられ、その吐出空間19には、該吐出空間19を軸心L周り(周方向)で複数の吐出通路に画成する複数の流路壁が設けられていることにより、紛体肉盛ノズル7内での紛体の速度低下を抑制しながら、前記吐出空間19の各吐出通路19cに紛体を供給することができる。そのため、たとえば紛体肉盛ノズル7が鉛直方向に対して傾斜した姿勢で使用された場合であっても、紛体肉盛ノズル7内、特に吐出空間19内での紛体の分布を均一化させることができ、レーザ光の周囲から略均一に紛体を吐出させることができ、被加工物の加工部位に形成される肉盛層の品質を高めることができる。
また、被加工物の加工部位に形成される肉盛層の肉盛不足を低減できるため、肉盛不足を考慮した紛体供給が不要となり、製造コストを低減できるといった利点もある。さらに、紛体肉盛ノズル7内での紛体の詰まりや残留等が低減されるため、製品の生産性やノズルのメンテナンス性を格段に向上できるといった利点もある。
[実施の形態2]
図5は、本発明の紛体肉盛ノズルの実施の形態2で使用されるインナノズル部材を示した斜視図である。なお、実施の形態2の紛体肉盛ノズルのインナノズル部材以外の構成は、上記した実施の形態1の紛体肉盛ノズルと同様であるため、以下では、特にインナノズル部材の構成について詳説する。その際、実施の形態1の紛体肉盛ノズルと同様の構成については同様の符号を付してその詳細な説明は省略する。
図5及び図6で示すように、実施の形態2の紛体肉盛ノズルで使用されるインナノズル部材10Aは、下側吐出空間19bAに設けられた流路壁12Aのうち、本体部21Aに穿設された供給路22Aの中心軸線Xに沿って設けられた流離壁12Aが、それ以外の流路壁12Aよりも供給路22A側(上方)に突出して延びる突出部15Aを有している。また、各流路壁12Aの上端面13Aは、上記したように、供給路22Aの中心軸線Xに対して傾斜した傾斜面を有している。なお、供給路22Aの中心軸線Xに沿って設けられた流離壁12Aの突出部15Aの突出量は、例えば、その突出部15Aの上端が上側吐出空間19a内で供給路22Aよりも下方に配置されるように、紛体の流量や流速等に応じて適宜に設計することができる。
これにより、本体部21Aに穿設された各供給路22Aを介して上側吐出空間19aAへ供給された紛体は、図6で示すように、供給路22Aの中心軸線Xに沿って設けられた流離壁12Aの上端面13Aと衝接し、その上端面13Aの傾斜面(誘導部)によって供給路22Aの中心軸線Xに対して傾斜した方向、すなわち周方向もしくは横方向へ誘導されながら下側吐出空間19bAの各吐出通路19cAへ供給される。
このように、本実施の形態2の紛体肉盛ノズルによれば、各供給路22Aを介して上側吐出空間19aAへ供給された紛体が、各供給路22Aの中心軸線Xに沿って設けられた流離壁12Aの突出部15A及びその上端面13Aの傾斜面によって、供給路22Aの中心軸線Xに対して傾斜した方向、すなわち周方向へ誘導されるため、紛体肉盛ノズル内、特に吐出空間内での紛体の分布をより均一化することができ、レーザ光の周囲からより均一に紛体を吐出させることができ、被加工物の加工部位に形成される肉盛層の品質を更に高めることができる。
[実施の形態3]
図7は、本発明の紛体肉盛ノズルの実施の形態3で使用されるインナノズル部材を示した斜視図である。なお、実施の形態3の紛体肉盛ノズルのインナノズル部材以外の構成は、上記した実施の形態1、2の紛体肉盛ノズルと同様であるため、以下では、特にインナノズル部材の構成について詳説する。その際、実施の形態1、2の紛体肉盛ノズルと同様の構成については同様の符号を付してその詳細な説明は省略する。
図7及び図8で示すように、実施の形態3の紛体肉盛ノズルで使用されるインナノズル部材10Bは、本体部21Bに穿設された供給路22Bの中心軸線Xに沿って設けられた流離壁12Bが、それ以外の流路壁12Bよりも供給路22B側(上方)に突出して延びる突出部15Bを有しており、それ以外の流路壁(すなわち、供給路22Bの中心軸線Xに沿って設けられた流離壁12Bの周方向側方の流路壁)の上端面(供給路22B側の端面)は、供給路22Bの中心軸線Xから離間するに従って低くなっている。なお、それ以外の流路壁の上端面の形状は、例えば紛体の流量や流速等に応じて適宜に設計することができる。
これにより、本体部21Bに穿設された各供給路22Bを介して上側吐出空間19aBへ供給された紛体は、図8で示すように、供給路22Bの中心軸線Xに沿って設けられた流離壁12Bの上端面13Bと衝接し、その上端面13Bの傾斜面(誘導部)によって、供給路22Aの中心軸線Xに対して傾斜した方向、すなわち周方向もしくは横方向へ誘導されながら下側吐出空間19bBの各吐出通路19cBへ供給される。その際、各流路壁12Bの上端面13Bが供給路22Bの中心軸線Xから離間するに従って低くなっており、紛体がより周方向側方まで誘導されて、供給路22Bの中心軸線Xから離間した下側吐出空間19bBの吐出通路19cBまで確実に供給される。
このように、本実施の形態3の紛体肉盛ノズルによれば、各供給路22Bを介して上側吐出空間19aBへ供給された紛体が、各供給路22Bの中心軸線Xに沿って設けられた流離壁12Bの突出部15B及びその上端面13Bの傾斜面によって、供給路22Bの中心軸線Xに対して傾斜した方向、すなわち周方向へ誘導されると共に、その側方の流路壁12Bの上端面13Bが供給路22Bの中心軸線Xから離間するに従って低くなっていることによって、紛体がより周方向側方まで誘導されるため、たとえば、供給路22Bが軸心周り(周方向)で複数設けられている際にも、紛体肉盛ノズル内、特に吐出空間内での紛体の分布を更に均一化することができ、レーザ光の周囲から更に均一に紛体を吐出させることができ、被加工物の加工部位に形成される肉盛層の品質をより一層高めることができる。
なお、上記した実施の形態1〜3では、主に、レーザクラッド加工に用いる粉末金属を供給する形態について説明したが、当該紛体は、被加工物の加工部位に所望の肉盛層を形成できれば、如何なる紛体を適用してもよい。
また、上記した実施の形態1〜3では、上側吐出空間を軸心周り(周方向)で複数の小空間に分割する分割壁を設けたが、紛体肉盛ノズル内の紛体分布の均一性を確保できれば、当該分割壁を省略してもよいし、当該分割壁の数を削減(すなわち、供給路の数とは異なる数で設計)してもよい。
[試験体による吐出口近傍での紛体分布、肉盛層の取り代、及び紛体吐出特性を測定した実験とその結果]
本発明者等は、インナノズル部材の流路壁やアウタノズル部材の供給路の形状が異なる4種類の試験体(実施例1〜3、比較例)を作製し、それぞれの試験体をレーザクラッド加工装置(図1参照)のレーザ加工ヘッドに接続して作動させた際の、吐出口近傍での紛体分布測定、レーザクラッド加工により形成される肉盛層の取り代測定、及び紛体吐出特性測定を実施し、吐出口から吐出される紛体のレーザ光(紛体肉盛ノズルの軸心)周りでの均一性を評価した。
ここで、実施例1〜3、比較例の試験体はそれぞれ、上記した実施の形態1〜3の紛体肉盛ノズル、図13に示す従来の紛体肉盛ノズルと同様のノズルを使用した。また、実施例1〜3の試験体のアウタノズル部材の供給路の中心軸線と紛体肉盛ノズルの軸心との成す角度(図2参照)は約37度であり、比較例の試験体のアウタノズル部材の供給路の中心軸線と紛体肉盛ノズルの軸心との成す角度は約90度であった。また、レーザクラッド加工装置を作動させた際のレーザ加工ヘッドの軸心(紛体肉盛ノズルの軸心)の鉛直方向に対する傾斜角は約45度であった。なお、アウタノズル部材の本体部には、紛体肉盛ノズルの軸心周りで90度間隔で4個の供給路を形成し、本体部に形成された4個の供給路のうち、対向する2個の供給路が鉛直方向で並んで配置されるようにレーザ加工ヘッドを鉛直方向に対して傾けた。
<試験体による吐出口近傍での紛体分布の測定方法>
試験体による吐出口近傍での紛体分布の測定方法を概説すると、各試験体を取り付けたレーザクラッド加工装置のレーザ加工ヘッドを鉛直方向に対して傾け、吐出口から吐出された紛体(銅を主成分とする材料)を受けるための受け部材を各試験体の吐出口近傍に取り付けた姿勢で、レーザクラッド加工装置を作動させ、受け部材に対して紛体をキャリアガス(窒素)と共に噴出して、受け部材の表面に付着した紛体の分布を目視により確認した。
<試験体による吐出口近傍での紛体分布を測定した結果>
図9は、実施例1〜3、比較例による試験体の吐出口近傍での紛体分布を測定した実験結果を示した図であり、図9(a)は実施例1の実験結果を示した図、図9(b)は実施例2の実験結果を示した図、図9(c)は実施例3の実験結果を示した図、図9(d)は比較例の実験結果を示した図である。なお、図9中、「上側」がレーザ加工ヘッドを鉛直方向に対して傾けた際の紛体肉盛ノズルの鉛直方向上側、「下側」がその鉛直方向下側を表している。
図9で示すように、比較例の試験体では、鉛直方向下側に紛体が偏って分布していることが確認された。一方で、実施例1〜3の試験体では、紛体肉盛ノズルの軸心周りで略均一に紛体が分布することが確認された。特に、実施例3の試験体では、隣接する供給路同士の間に紛体が供給され、紛体肉盛ノズルの軸心周りでより均一に紛体が分布することが確認された。
<試験体による肉盛層の取り代の測定方法>
試験体による肉盛層の取り代の測定方法を概説すると、実施例1と比較例の各試験体を取り付けたレーザクラッド加工装置を作動させ、紛体(銅を主成分とする材料)をキャリアガス(窒素)と共に噴出してシリンダヘッドのバルブシート部に肉盛層を形成し、そのバルブシート部の開口の周囲の8箇所で肉盛層の取り代(除去量)を測定し、その平均値とばらつきを算出した。
<試験体による肉盛層の取り代を測定した結果>
図10は、試験体による実施例1で形成された肉盛層の断面の撮影結果を示した図であり、図11は、試験体による実施例1、比較例で形成された肉盛層の取り代を測定した実験結果を示した図である。
図11で示すように、実施例1の試験体では、比較例の試験体と比べて取り代(すなわち、肉盛層の厚さ)のばらつきが小さく、バルブシート部(加工部位)の開口の周囲に亘って取り代が確保されることが確認された。
<試験体による紛体吐出特性の測定方法>
試験体による紛体吐出特性の測定方法を概説すると、実施例1と比較例の各試験体を取り付けたレーザクラッド加工装置を作動させ、紛体(銅を主成分とする材料)をキャリアガス(窒素)と共に噴出し、吐出口から吐出される紛体の流量を電子天秤にて時系列で測定した。
<試験体による紛体吐出特性を測定した結果>
図12は、試験体による実施例1、比較例の紛体吐出特性を測定した実験結果を示した図である。
図示するように、比較例の試験体では、吐出口から吐出される紛体の流量のばらつきが約10%であった。一方で、実施例1の試験体では、吐出口から吐出される紛体の流量のばらつきが約2%であった。すなわち、実施例1の試験体では、比較例の試験体と比べて、紛体の流量のばらつきが低減されることが確認された。この理由として、紛体肉盛ノズルの軸心周り(周方向)で紛体の分布が均一化され、その軸心周りでの紛体の脈動が減少したことや、紛体肉盛ノズル内での紛体の詰まりや残留等が低減されたこと等が考えられる。
なお、図12で示すように、実施例1の試験体では、比較例の試験体と比べて、紛体の吐出が早期化されることが確認された。これは、紛体肉盛ノズルの軸心に対して直交する方向に設けられた供給路や充填空間を介することなく、紛体肉盛ノズルの軸心に対して傾斜する方向で設けられた供給路から吐出空間へ直接的に紛体が供給されたこと、紛体肉盛ノズルの軸心に対して傾斜する方向で供給路を形成したことにより供給路と吐出口との距離が相対的に短縮されたことに起因する。
この実験結果より、インナノズル部材とアウタノズル部材との間に形成される吐出空間に紛体を供給する供給路を紛体肉盛ノズルの軸心に対して傾斜して設けるという簡便な構成でもって、紛体肉盛ノズルが鉛直方向に対して傾斜した姿勢で使用された場合であっても、レーザ光の周囲から略均一に紛体を吐出させることができ、被加工物の加工部位に形成される肉盛層の肉盛不足を低減できることが実証された。また、被加工物の加工部位に形成される肉盛層の全体に亘って略均一な取り代を確保し得るため、取り代のばらつきを考慮した紛体供給の設定が不要となり、製造コストを低減できることが確認された。また、紛体肉盛ノズル内での紛体の詰まりや残留等が低減されると共に、紛体の吐出が早期化されため、当該製品の生産性やノズルのメンテナンス性を格段に向上できることが確認された。
以上、本発明の実施の形態を図面を用いて詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における設計変更等があっても、それらは本発明に含まれるものである。
1…シリンダヘッド保持装置、2…レーザ加工ヘッド、3…回転装置、4…紛体供給装置(フィーダ)、5…レーザ発生部、6…光学系部、7…紛体肉盛ノズル、8…供給管、9…レーザクラッド加工装置、10…インナノズル部材、11…レーザ通路、12…流路壁、13…流路壁の上端面(供給路側の端面)、14…照射口、15A…突出部、18…吐出口、19…吐出空間、19a…上側吐出空間、19b…下側吐出空間、19c…吐出通路、20…アウタノズル部材、21…本体部、22…供給路、25…アウタノズル部、L…軸心、X…供給路の中心軸線

Claims (9)

  1. レーザ光が通過するためのレーザ通路を有するインナノズル部材と該インナノズル部材に外嵌されるアウタノズル部材とを備え、該インナノズル部材と該アウタノズル部材との間に紛体が通過する吐出空間が形成されている紛体肉盛ノズルであって、
    前記アウタノズル部材には、前記紛体肉盛ノズルの軸心に対して傾斜する方向で前記吐出空間に紛体を供給する供給路が設けられており、
    前記供給路における前記吐出空間との連通部が前記紛体肉盛ノズルの軸心に対して傾斜している紛体肉盛ノズル。
  2. 前記吐出空間には、該吐出空間を前記軸心周りで複数の吐出通路に画成する複数の流路壁が設けられている、請求項1に記載の紛体肉盛ノズル。
  3. 前記流路壁は、前記インナノズル部材と前記アウタノズル部材の少なくとも一方に形成されている、請求項2に記載の紛体肉盛ノズル。
  4. 前記複数の流路壁のうち、前記供給路の中心軸線に沿って設けられた流離壁は、前記供給路から供給された紛体を前記中心軸線に対して傾斜した方向へ誘導する誘導部を有している、請求項2又は3に記載の紛体肉盛ノズル。
  5. 前記誘導部は、前記流路壁の前記供給路側の端面に設けられ、且つ、前記中心軸線に対して傾斜した傾斜面からなる、請求項4に記載の紛体肉盛ノズル。
  6. 前記誘導部は、前記供給路の中心軸線に沿って設けられた流離壁以外の流路壁よりも前記供給路側に突出した突出部から構成されている、請求項4又は5に記載の紛体肉盛ノズル。
  7. 前記流路壁の前記供給路側の端面は、前記供給路の中心軸線から離間するに従って低くなっている、請求項6に記載の紛体肉盛ノズル。
  8. 前記アウタノズル部材は、レーザ加工ヘッドに接続され且つ前記供給路が設けられた本体部と、該本体部に接続され且つ前記インナノズル部材と共に吐出開口を形成するアウタノズル部と、を有している、請求項1から7のいずれか一項に記載の紛体肉盛ノズル。
  9. 前記供給路は、前記紛体肉盛ノズルの軸心周りで等間隔に複数設けられている、請求項1から8のいずれか一項に記載の紛体肉盛ノズル。
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