JP5645095B1 - レーザー加工機のシールドガス供給装置及びレーザー加工機 - Google Patents

レーザー加工機のシールドガス供給装置及びレーザー加工機 Download PDF

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Abstract

【課題】レーザー加工機でレーザー加工を行う際に、被加工材に効率よくシールドガスを噴出する。【解決手段】レーザー加工機1から被加工材Mに照射されるレーザーLを囲む位置に配置されるリング状部8と、リング状部8にシールドガスを供給する供給管7と、を備え、リング状部8は、該リング状部8の周方向に、供給管7から供給される前記シールドガスの移動経路15を有し、移動経路15は、被加工材Mに対して多段に配置され、リング状部8の内周部分11に、前記周方向に旋回流を形成するように前記シールドガスを噴出する、孔部12が設けられている。【選択図】図3

Description

本発明は、レーザー加工機のシールドガス供給装置及びレーザー加工機に関する。
従来からレーザー加工機のシールドガス供給装置が使用されている。例えば、特許文献1及び特許文献2には、シールドガスを供給しつつレーザー加工することが可能な装置が開示されている。
また、近年、被加工材として様々なものが使用されているとともに、レーザー加工方法として様々な方法が使用されている。
特開2012−55898号公報 特開2001−150177号公報
上記のように、近年、被加工材として様々なものが使用されている。例えば、被加工材としてチタンやチタン合金等が使用される場合がある。チタンやチタン合金は高温で極めて活性であるため、加工温度(溶接温度)において酸素や窒素が存在すると、不純物としてこれらを吸収しやすい。チタンやチタン合金において酸素や窒素を不純物として吸収すると、靱性低下やブローホールの発生などを引き起こす場合がある。
また、上記のように、近年、レーザー加工方法として様々な方法が使用されている。例えば、レーザー反射ミラーを高速に駆動することにより、高速かつ広範囲にレーザー照射位置を移動するガルバノスキャナシステムなどが使用されている。
例えば、ガルバノスキャナシステムを使用してチタンやチタン合金を溶接する場合、広範囲にわたり高濃度のシールドガスを加工部分周辺に満たしておかなければならない。
しかしながら、特許文献1及び特許文献2に開示されるような、従来のレーザー加工機のシールドガス供給装置においては、近年の被加工材として様々なものが使用されていること及びレーザー加工方法として様々な方法が使用されていることに対応しきれていない場合があった。
すなわち、従来のレーザー加工機のシールドガス供給装置においては、レーザー加工機でレーザー加工を行う際に、被加工材に効率よくシールドガスを噴出することが、十分にできていない場合があった。
そこで、本発明の目的は、レーザー加工機でレーザー加工を行う際に、被加工材に効率よくシールドガスを噴出することである。
上記課題を解決するための一例としてのレーザー加工機のシールドガス供給装置は、レーザー加工機から被加工材に照射されるレーザーを囲む位置に配置されるリング状部と、前記リング状部にシールドガスを供給する供給管と、を備え、前記リング状部は、該リング状部の周方向に、前記供給管から供給される前記シールドガスの移動経路を有し、前記移動経路は、前記被加工材に対して多段に配置され、前記リング状部の内周部分に、前記周方向に旋回流を形成するように前記シールドガスを噴出する、孔部が設けられており、前記リング状部における前記レーザーの入射する側は、開放されていることを特徴とする。
また、本発明の第1の態様に係るレーザー加工機のシールドガス供給装置は、レーザー加工機から被加工材に照射されるレーザーを囲む位置に配置されるリング状部と、前記リング状部にシールドガスを供給する供給管と、を備え、前記リング状部は、該リング状部の周方向に、前記供給管から供給される前記シールドガスの移動経路を有し、前記移動経路は、前記被加工材に対して多段に配置され、前記リング状部の内周部分に、前記周方向に旋回流を形成するように前記シールドガスを噴出する、孔部が設けられていることを特徴とする。
ここで、「リング状部」とは、真円形のリング状の部材に限定されず、楕円形や多角形のものも含む意味である。
本態様によれば、前記移動経路は、前記リング状部の内周部分に、前記周方向に旋回流を形成するように前記シールドガスを噴出する、孔部が設けられている。このため、前記レーザーが照射される前記リング状部で囲われた加工部分に、前記シールドガスの旋回流を発生させ、該加工部分を高濃度のシールドガスで満たしやすくなる。
また、本態様によれば、前記移動経路は、前記被加工材に対して多段に配置される。したがって、多段に配置される前記移動経路により前記シールドガスの旋回流を多段に発生させることができる。このため、前記被加工材の近くに配置される前記移動経路の前記孔部により発生した前記シールドガスの旋回流が周囲の気体を巻き込んだとしても、前記被加工材から遠くに配置される前記移動経路の前記孔部により発生した前記シールドガスの旋回流を巻き込むこととなる。すなわち、空気ではなく前記シールドガスを巻き込むこととなるため、前記加工部分周辺のシールドガスの濃度低下を抑制できる。
これらのことから、本態様によれば、レーザー加工機でレーザー加工を行う際に、被加工材に効率よくシールドガスを噴出することができる。
本発明の第2の態様に係るレーザー加工機のシールドガス供給装置は、前記第1の態様において、前記孔部は、前記リング状部の中心に向かう方向から前記シールドガスの前記移動経路における移動方向の下流側に傾斜した方向に該シールドガスを噴出することを特徴とする。
本態様によれば、前記孔部は、前記リング状部の中心に向かう方向から前記シールドガスの前記移動経路における移動方向の下流側に傾斜した方向に該シールドガスを噴出する。このため、前記移動方向の前記シールドガスの流れを利用して該シールドガスを噴出することができるため、勢いよく該シールドガスを噴出することができる。すなわち、前記シールドガスの旋回流を効率よく発生させることができ、レーザー加工機でレーザー加工を行う際に、被加工材に効率よくシールドガスを噴出することができる。
本発明の第3の態様に係るレーザー加工機のシールドガス供給装置は、前記第1又は第2の態様において、多段に配置される前記移動経路各々に設けられる前記孔部は、前記周方向において同じ位置に設けられていることを特徴とする。
ここで、「前記周方向において同じ位置」とは、厳密な意味での前記周方向において同じ位置のほか、前記周方向において多少ずれた位置も含む意味である。
本態様によれば、多段に配置される前記移動経路各々に設けられる前記孔部は、前記周方向において同じ位置に設けられている。このため、前記被加工材の近くに配置される移動経路の前記孔部により発生した前記シールドガスの旋回流が周囲の気体を巻き込んだとしても、前記シールドガスの濃度が高い気体を巻き込むこととなる。すなわち、前記加工部分周辺のシールドガスの濃度低下をより効果的に抑制できる。
本発明の第4の態様に係るレーザー加工機のシールドガス供給装置は、前記第1から第3のいずれか1つの態様において、前記リング状部を前記周方向において囲む壁部を備えることを特徴とする。
本態様によれば、前記リング状部を前記周方向において囲む壁部を備える。このため、前記壁部により前記加工部分周辺から前記シールドガスが逃げることを抑制でき、前記加工部分周辺のシールドガスの濃度低下をより効果的に抑制できる。
本発明の第5の態様に係るレーザー加工機のシールドガス供給装置は、前記第1から第4のいずれか1つの態様において、多段に配置される前記移動経路のうちの前記被加工材の近くに配置される第1移動経路に設けられる前記孔部から噴出する前記シールドガスの第1噴出量は、多段に配置される前記移動経路のうちの前記被加工材から遠くに配置される第2移動経路に設けられる前記孔部から噴出する前記シールドガスの第2噴出量よりも少ないことを特徴とする。
本発明者らが鋭意検討した結果、前記第1噴出量が前記第2噴出量よりも多くなると、前記第1移動経路の前記孔部により発生する前記シールドガスの旋回流の周囲の気体の巻き込み量が多くなり、前記加工部分周辺のシールドガスの濃度低下を招く虞があることを見出した。
本態様によれば、前記第1噴出量は、前記第2噴出量よりも少ない。このため、前記加工部分周辺のシールドガスの濃度低下をより効果的に抑制できる。
本発明の第6の態様に係るレーザー加工機のシールドガス供給装置は、前記第5の態様において、前記第1噴出量と前記第2噴出量の和に対する前記第2噴出量は、0.55以上0.65以下であることを特徴とする。
本発明者らが鋭意検討した結果、前記第1噴出量と前記第2噴出量の和に対する前記第2噴出量が0.55以上0.65以下である場合に、特に、前記加工部分周辺のシールドガスの濃度低下をより効果的に抑制できることを見出した。
本態様によれば、前記第1噴出量と前記第2噴出量の和に対する前記第2噴出量は、0.55以上0.65以下であるので、特に、前記加工部分周辺のシールドガスの濃度低下をより効果的に抑制できる。
本発明の第7の態様に係るレーザー加工機のシールドガス供給装置は、前記第1から第6のいずれか1つの態様において、多段に配置される前記移動経路のうちの前記被加工材の近くに配置される第1移動経路に設けられる前記孔部から噴出する前記シールドガスの前記リング状部の中心に向かう方向に対する前記傾斜した方向の第1傾斜角は、多段に配置される前記移動経路のうちの前記被加工材から遠くに配置される第2移動経路に設けられる前記孔部から噴出する前記シールドガスの前記リング状部の中心に向かう方向に対する前記傾斜した方向の第2傾斜角以下であることを特徴とする。
本発明者らが鋭意検討した結果、前記第1傾斜角が前記第2傾斜角を超えると、前記第1移動経路による前記シールドガスの旋回流の発生は促進されるものの、前記シールドガスの旋回流が強すぎて前記リング状部の中心に到達する前記シールドガスの量が減少する虞があることを見出した。
本態様によれば、前記第1傾斜角は前記第2傾斜角以下である。このため、前記リング状部の中心まで前記シールドガスを到達させ、レーザー加工機でレーザー加工を行う際に、被加工材に効率よくシールドガスを噴出することができる。
本発明の第8の態様に係るレーザー加工機のシールドガス供給装置は、前記第7の態様において、前記第1傾斜角は5.625°以上7.5°以下であり、前記第2傾斜角は7.5°以上15°以下であることを特徴とする。
本発明者らが鋭意検討した結果、前記第1傾斜角は5.625°以上7.5°以下であり、前記第2傾斜角は7.5°以上15°以下である場合に、特に、前記リング状部の中心まで前記シールドガスを到達させつつ前記加工部分周辺のシールドガスの濃度を高くすることができることを見出した。
本態様によれば、前記第1傾斜角は5.625°以上7.5°以下であり、前記第2傾斜角は7.5°以上15°以下である。このため、レーザー加工機でレーザー加工を行う際に、特に、被加工材に効率よくシールドガスを噴出することができる。
本発明の第9の態様に係るレーザー加工機は、前記第1から第8のいずれか1つの態様のレーザー加工機のシールドガス供給装置と、前記レーザーを照射するレーザー照射部と、を備えることを特徴とする
本態様によれば、被加工材に効率よくシールドガスを噴出してレーザー加工を行うことができる。
本発明の実施例1にかかるレーザー加工機を表す概略図である。 本発明の実施例1にかかるレーザー加工機のシールドガス供給装置を表す概略斜視図である。 本発明の実施例1にかかるレーザー加工機のシールドガス供給装置を表す概略平面図である。 本発明の実施例1にかかるレーザー加工機のシールドガス供給装置の要部の概略断面図である。 本発明の実施例1にかかるレーザー加工機のシールドガス供給装置における好ましいシールドガスの噴出量の比率を表すグラフである。 本発明の実施例2にかかるレーザー加工機のシールドガス供給装置を表す概略斜視図である。 本発明の実施例2にかかるレーザー加工機のシールドガス供給装置の要部の概略断面図である。 本発明の実施例3にかかるレーザー加工機のシールドガス供給装置を表す概略斜視図である。
以下に、本発明の一実施例に係る記録装置について、添付図面を参照して詳細に説明する。
[実施例1](図1〜図5)
最初に、本発明の実施例1に係るレーザー加工機について説明する。
図1は本実施例のレーザー加工機1の概略図を表している。
本実施例のレーザー加工機1は、レーザー発振器4、伝送ファイバー5及びガルバノスキャナーヘッド6を有するレーザー照射部2を備えている。レーザー照射部2は、ガルバノスキャナーヘッド6からレーザーLを被加工材Mに向けて照射する。
また、本実施例のレーザー加工機1は、レーザー照射部2から被加工材Mに照射されるレーザーLを囲む位置に配置されるリング状部8と、方向Aにシールドガスを流すことによりリング状部8にシールドガスを供給する供給管7と、を有するシールドガス供給装置3を備えている。シールドガス供給装置3の詳細な説明は後述する。
なお、本実施例においてはシールドガスとしてアルゴン(Ar)を用いているが、これに限定されない。また、被加工材Mとしてチタンを含有する被加工材を用いているが、これに限定されない。
また、本実施例のレーザー加工機1は、供給管9を介して方向Bに空気を流すことによって、方向Cに空気を放出する空気放出部10を備えている。空気放出部10はエアカーテンとしての役割をしており、被加工材Mの加工(溶接)をする際に、加工部分(被加工材Mにおけるレーザーの照射部分)から飛び散った溶解した被加工材Mによって、ガルバノスキャナーヘッド6が汚れないようにしている。
なお、本実施例のレーザー加工機1は、図1では、被加工面が鉛直方向の被加工材Mに対して加工を行なっている状態を表しているが、被加工面が鉛直方向から傾いた方向や水平方向の被加工材Mに対しても加工を行うことができる構成になっている。
次に、本実施例のシールドガス供給装置3について詳細に説明する。
図2は、本実施例のレーザー加工機1のシールドガス供給装置3を表す概略斜視図である。また、図3は、本実施例のレーザー加工機1のシールドガス供給装置3を表す概略平面図である。また、図4は、本実施例のレーザー加工機1のシールドガス供給装置3の要部であるリング状部8の概略断面図である。なお、図2から図4は、被加工面が水平方向の被加工材Mに対して鉛直上方向からレーザーLを照射して加工を行う際におけるシールドガス供給装置3を表している。
図2及び図3で表されるように、本実施例のシールドガス供給装置3は、先端を封止した管上の部材をリング状に曲げ加工して構成された部材が被加工材に対して2段構成になるように配置されて構成されている。
なお、リング状部8のうち、ガルバノスキャナーヘッド側がリング状部8aであり、被加工材に対して接する側がリング状部8bである。そして、供給管7のうち、リング状部8aにシールドガスを供給するのが供給管7aであり、リング状部8aにシールドガスを供給するのが供給管7bである。
リング状部8aの内周部分11a及びリング状部8bの内周部分11bには、シールドガスをリング状部8の内側13に噴出する孔部12が複数設けられている。なお、孔部12は、内周部分11a及び内周部分11bの夫々に、図3で表されるように、リング状部8の中心14から見て22.5°毎に位置するように、等間隔に16個ずつ設けられている。
なお、ガルバノスキャナーヘッド6から照射されるレーザーLは、リング状部8の内側13に向けて照射される。すなわち、リング状部8の内側13が加工部分となる。
そして、各々の孔部12から、リング状部8の中心14に向かう方向からシールドガスの移動経路における移動方向Aの下流側に傾斜した方向Dに該シールドガスを噴出する。なお、本実施例のリング状部8は、先端を封止した管上の部材をリング状に曲げ加工して構成されているので、該シールドガスの移動経路としての管状部15は該曲げ加工の際に同時に構成されたものである。このように構成することで、簡単にシールドガス供給装置3を作製することができる。
すなわち、上記を別の表現をすると、本実施例の管状部15は、供給管7から供給されるシールドガスの移動経路をリング状部8の周方向に構成しており、被加工材Mに対して多段に配置されている。そして、リング状部8の内周部分11a及び11bに、該リング状部8の中心14に向かう方向から傾斜した方向Dにシールドガスを噴出する孔部12が設けられている。
このように、管状部15は、リング状部8の内周部分11a及び11に、該リング状部8の中心14に向かう方向から傾斜した方向Dに前記シールドガスを噴出する、孔部12が設けられている。このため、ガルバノスキャナーヘッド6からレーザーLが照射されるリング状部8で囲われた加工部分に、リング状部8の周方向にシールドガスの旋回流を発生させ、該加工部分を高濃度のシールドガスで満たしやすくしている。
また、管状部15は、被加工材Mに対して多段に配置されているため、シールドガスの旋回流を多段に発生させることができる構成になっている。このため、被加工材Mの近くに配置される第1移動経路としての第1管状部15bの孔部12により発生したシールドガスの旋回流が周囲の気体を巻き込んだとしても、被加工材Mから遠くに配置される第2移動経路としての第2管状部15aの孔部12により発生したシールドガスの旋回流を巻き込むこととなる。すなわち、空気ではなくシールドガスを巻き込むこととなるため、前記加工部分周辺のシールドガスの濃度低下を抑制している。
これらのことから、本実施例のシールドガス供給装置3は、レーザー加工機1でレーザー加工を行う際に、被加工材Mに効率よくシールドガスを噴出することができる構成になっている。
また、上記のように、本実施例のシールドガス供給装置3において、孔部12は、リング状部8の中心14に向かう方向Dからシールドガスの移動経路における移動方向Aの下流側に傾斜した方向Dに該シールドガスを噴出する。このため、移動方向Aのシールドガスの流れを利用して該シールドガスを噴出することができるため、勢いよく該シールドガスを噴出することができる。すなわち、前記シールドガスの旋回流を効率よく発生させることができ、レーザー加工機1でレーザー加工を行う際に、被加工材に効率よくシールドガスを噴出することができる構成になっている。
ここで、本実施例のシールドガス供給装置3は、第1管状部15bに設けられる孔部12から噴出する中心14に向かう方向に対する第1傾斜角Θbは、第2管状部15aに設けられる孔部12から噴出する中心14に向かう方向に対する第2傾斜角Θa以下である。
本発明者らが鋭意検討した結果、第1傾斜角Θbが第2傾斜角Θaを超えると、第1管状部15bによる前記シールドガスの旋回流の発生は促進されるものの、前記シールドガスの旋回流が強すぎて中心14に到達するシールドガスの量が減少する虞があることを見出した。
本実施例のシールドガス供給装置3は、第1傾斜角Θbは第2傾斜角Θa以下である。このため、中心14までシールドガスを到達させることができ、レーザー加工機1でレーザー加工を行う際に、被加工材Mに効率よくシールドガスを噴出することができる構成になっている。
詳細には、第1傾斜角Θbは5.625°以上7.5°以下であり、第2傾斜角Θaは7.5°以上15°以下である。
本発明者らが鋭意検討した結果、第1傾斜角Θbは5.625°以上7.5°以下であり、第2傾斜角Θaは7.5°以上15°以下である場合に、特に、中心14までシールドガスを到達させつつ前記加工部分周辺のシールドガスの濃度を高くすることができることを見出した。
このため、本実施例のシールドガス供給装置3は、レーザー加工機1でレーザー加工を行う際に、特に、被加工材Mに効率よくシールドガスを噴出することができる構成になっている。
また、図2及び図4で表されるように、本実施例のシールドガス供給装置3において、多段に配置される管状部15各々に設けられる孔部12は、リング状部8の周方向において同じ位置に設けられている。補足すると、図2及び図4において、第1管状部15bに設けられる孔部12は、第2管状部15aに設けられる孔部12の真下に設けられている。このため、第1管状部15bの孔部12により発生した前記シールドガスの旋回流が周囲の気体を巻き込んだとしても、前記シールドガスの濃度が高い気体を巻き込むこととなる。すなわち、前記加工部分周辺のシールドガスの濃度低下をより効果的に抑制できる構成になっている。
なお、本実施例のシールドガス供給装置3では、厳密な意味での前記周方向において同じ位置であるが、前記周方向において多少ずれた位置であっても上記効果を有するため、前記周方向において多少ずれた位置であってもよい。
また、本実施例のシールドガス供給装置3は、第1管状部15bに設けられる孔部12から噴出する前記シールドガスの第1噴出量は、第2管状部15aに設けられる孔部12から噴出する前記シールドガスの第2噴出量よりも少なくなるように構成されている。
本発明者らが鋭意検討した結果、前記第1噴出量が前記第2噴出量よりも多くなると、第1管状部15bにより発生する前記シールドガスの旋回流の周囲の気体の巻き込み量が多くなり、前記加工部分周辺のシールドガスの濃度低下を招く虞があることを見出した。
このため、本実施例のシールドガス供給装置3は、前記加工部分周辺のシールドガスの濃度低下をより効果的に抑制できる構成になっている。
詳細には、前記第1噴出量と前記第2噴出量の和(全噴出量)に対する前記第2噴出量は、0.55以上0.65以下となるように構成されている。
本発明者らが鋭意検討した結果、前記第1噴出量と前記第2噴出量の和に対する前記第2噴出量が0.55以上0.65以下である場合に、特に、前記加工部分周辺のシールドガスの濃度低下をより効果的に抑制できることを見出した。図5は、このことを示すグラフであり、本実施例のシールドガス供給装置3における好ましいシールドガスの噴出量の比率を表すグラフである。詳細には、リング状部8の内側13のシールドガス分布をCFD(Computational Fluid Dynamics)解析により計算した結果を表している。図5で表されるように、全噴出量に対する第2噴出量の比率が0.55以上0.65以下である場合に、好ましいシールドガス(Ar)の質量分布である0.4以上になっている。
このため、本実施例のシールドガス供給装置3は、特に、前記加工部分周辺のシールドガスの濃度低下をより効果的に抑制できる構成になっている。
[実施例2](図6〜図7)
次に、実施例2の記録装置について、添付図面を参照して詳細に説明する。
図6は、本実施例のレーザー加工機1のシールドガス供給装置3を表す概略斜視図である。また、図7は、本実施例のレーザー加工機1のシールドガス供給装置3の要部であるリング状部8の概略断面図である。なお、図6から図7は、被加工面が水平方向の被加工材Mに対して鉛直上方向からレーザーLを照射して加工を行う際におけるシールドガス供給装置3を表している。ここで、上記実施例と共通する構成部材は同じ符号で示しており、詳細な説明は省略する。
なお、本実施例のシールドガス供給装置3は、先端を封止した管上の部材をリング状に曲げ加工して構成されたものではなく、リング状に構成された部材に管状部15を設ける加工を別途行うことによって構成されたものである。しかしながら、穴部12の位置やシールドガスの噴出方向や噴出量は、実施例1のシールドガス供給装置3と同様である。
本実施例のシールドガス供給装置3は、実施例1のシールドガス供給装置3に対して上記のような構成上の違いはあるものの、実施例1のシールドガス供給装置3と同様の特徴を有している。このため、レーザー加工機1でレーザー加工を行う際に、被加工材Mに効率よくシールドガスを噴出することができる構成になっている。
[実施例3](図8)
次に、実施例の記録装置について、添付図面を参照して詳細に説明する。
図8は、本実施例のレーザー加工機1のシールドガス供給装置3を表す概略斜視図である。なお、図8は、被加工面が水平方向の被加工材Mに対して鉛直上方向からレーザーLを照射して加工を行う際におけるシールドガス供給装置3を表している。ここで、上記実施例と共通する構成部材は同じ符号で示しており、詳細な説明は省略する。
なお、本実施例のシールドガス供給装置3は、リング状部8をその周方向において囲む壁部16を備えること以外は実施例1の記録装置1と同様の構成である。
上記のように、本実施例のシールドガス供給装置3は、リング状部8をリング状部8の周方向において囲む壁部16を備えている。このため、壁部16により前記加工部分周辺から前記シールドガスが逃げることを抑制でき、前記加工部分周辺のシールドガスの濃度低下をより効果的に抑制できる構成になっている。
なお、壁部16の高さは、レーザー加工の障害にならない高さであれば、なるべく高い方がよい。シールドガスが逃げることを効果的に抑制できるためである。
[その他の実施例]
なお、上記実施例は、いずれも、管状部15が2段の構成であったが、3段以上の構成としてもよい。
また、上記実施例は、いずれも、リング状部8が真円形の構成であったが、楕円形や多角形の構成としてもよい。
1 レーザー加工機
2 レーザー照射部
3 シールドガス供給装置
4 レーザー発振器
5 伝送ファイバー
6 ガルバノスキャナーヘッド
7、7a、7b 供給管
8、8a、8b リング状部
9 供給管
10 空気放出部
11、11a、11b 内周部分
12 孔部
13 リング状部8の内側
14 リング状部8の中心
15、15a、15b 管状部(移動経路)
16 壁部
L レーザー

Claims (9)

  1. レーザー加工機から被加工材に照射されるレーザーを囲む位置に配置されるリング状部と、
    前記リング状部にシールドガスを供給する供給管と、を備え、
    前記リング状部は、該リング状部の周方向に、前記供給管から供給される前記シールドガスの移動経路を有し、
    前記移動経路は、
    前記被加工材に対して多段に配置され、
    前記リング状部の内周部分に、前記周方向に旋回流を形成するように前記シールドガスを噴出する、孔部が設けられており、
    前記リング状部における前記レーザーの入射する側は、開放されていることを特徴とするレーザー加工機のシールドガス供給装置。
  2. 請求項1に記載のシールドガス供給装置において、
    前記孔部は、前記リング状部の中心に向かう方向から前記シールドガスの前記移動経路における移動方向の下流側に傾斜した方向に該シールドガスを噴出することを特徴とするレーザー加工機のシールドガス供給装置。
  3. 請求項1又は2に記載のシールドガス供給装置において、
    多段に配置される前記移動経路各々に設けられる前記孔部は、前記周方向において同じ位置に設けられていることを特徴とするレーザー加工機のシールドガス供給装置。
  4. 請求項1から3のいずれか1項に記載のシールドガス供給装置において、
    前記リング状部を前記周方向において囲む壁部を備えることを特徴とするレーザー加工機のシールドガス供給装置。
  5. 請求項1から4のいずれか1項に記載のシールドガス供給装置において、
    多段に配置される前記移動経路のうちの前記被加工材の近くに配置される第1移動経路に設けられる前記孔部から噴出する前記シールドガスの第1噴出量は、多段に配置される前記移動経路のうちの前記被加工材から遠くに配置される第2移動経路に設けられる前記孔部から噴出する前記シールドガスの第2噴出量よりも少ないことを特徴とするレーザー加工機のシールドガス供給装置。
  6. 請求項5に記載のシールドガス供給装置において、
    前記第1噴出量と前記第2噴出量の和に対する前記第2噴出量は、0.55以上0.65以下であることを特徴とするレーザー加工機のシールドガス供給装置。
  7. 請求項1から6のいずれか1項に記載のシールドガス供給装置において、
    多段に配置される前記移動経路のうちの前記被加工材の近くに配置される第1移動経路に設けられる前記孔部から噴出する前記シールドガスの前記リング状部の中心に向かう方向に対する前記傾斜した方向の第1傾斜角は、多段に配置される前記移動経路のうちの前記被加工材から遠くに配置される第2移動経路に設けられる前記孔部から噴出する前記シールドガスの前記リング状部の中心に向かう方向に対する前記傾斜した方向の第2傾斜角以下であることを特徴とするレーザー加工機のシールドガス供給装置。
  8. 請求項7に記載のシールドガス供給装置において、
    前記第1傾斜角は5.625°以上7.5°以下であり、前記第2傾斜角は7.5°以上15°以下であることを特徴とするレーザー加工機のシールドガス供給装置。
  9. 請求項1から8のいずれか1項に記載のレーザー加工機のシールドガス供給装置と、
    前記レーザーを照射するレーザー照射部と、
    を備えることを特徴とするレーザー加工機。
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