JP6109698B2 - 溶接装置及び溶接方法 - Google Patents

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本発明は、溶接装置及び溶接方法に関する。
蒸気タービン翼は、蒸気中の凝縮水滴や酸化鉄を主体とする微細な固体粒子から受ける衝撃作用によって浸食され、表面が磨耗するおそれがある。蒸気タービン翼の前方(蒸気流の上流側)である前縁部に耐エロージョン層(耐浸食層)を形成することにより、蒸気タービン翼の浸食が抑制される。
特許文献1には、表面にホウ化処理層が形成されたエロージョンシールドを、蒸気タービン翼の基体に接合することによって、耐エロ−ジョン層を形成することが開示されている。また、特許文献2には、タービン回転翼の翼形状の一部である翼リーディングエッジ部を切り取り、レーザによる肉盛溶接を用いて耐エロ−ジョン層を形成することが開示されている。
特公昭61−12082号公報 特許第4901413号公報
蒸気タービン翼の基体に接合される耐エロージョン層として、例えば、コバルトを主成分とするステライト(登録商標)等の耐摩耗性の高い材料が使用される。コバルト基合金などの材料を基体に接合する方法として、ろう付けやTIG(Tungsten Inert Gas)溶接による肉盛溶接が用いられる。しかし、ろう付けによる接合の場合、接合不良等の不具合が発生しやすく、広範囲に渡って加熱することによる蒸気タービン翼の変形も生じやすいという問題がある。また、TIG溶接による接合の場合、コバルト基合金などの溶接材料が母材によって希釈化され、耐エロージョン層の硬さが低下するという問題がある。
レーザの照射位置に粉体の溶接材料を含んだガス(以下、パウダーガスという。)を吹き付けることにより肉盛溶接を行う方法を用いる場合、ろう付けやTIG溶接の不具合を抑制することができる。このレーザを用いた肉盛溶接においては、溶接対象物のレーザ光照射位置において溶接部が酸素と反応すると、スパッタが発生する。溶接部への酸素の侵入を遮断してスパッタの発生を防止するために、アルゴンガスやヘリウムガスをシールドガスとして用いることが知られている。
しかしながら、シールドガスに大規模な渦構造が発生すると、周囲の空気に含まれる酸素が溶接部に導かれてスパッタが発生し、溶接の品質が低下しまうこととなる。
ここでいう渦構造には、シールドガスの流れ方向に直交する渦軸を持つ横渦と、シールドガスの流れ方向に平行な渦軸を持つ縦渦の両方が含まれる。横渦はシールドガスとシールドガスが流通するシールドノズルの壁面との摩擦や剥離が原因で発生し、縦渦はシールドガスの噴流が原因で発生する。
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであり、シールドガスに大規模な渦構造が発生することを抑制し、レーザを用いた高品質の肉盛溶接を行うことができる溶接装置及び溶接方法を提供することを目的とする。
本発明は、上記課題を解決するため、以下の手段を採用した。
本発明の第1態様に係る溶接装置は、溶接対象物のレーザ光照射位置に対して、粉体の溶接材料を含むパウダーガスを供給する筒状のパウダーノズルと、前記パウダーノズルの外周面を覆うように同軸に配置され、前記レーザ光照射位置を隔離するためのシールドガスを供給する筒状のシールドノズルとを備え、前記パウダーノズルの先端部近傍の外周面は、前記パウダーノズルの前記先端部に向けて漸次外径が小さくなる形状であり、前記パウダーノズルの中心軸を通る断面での断面形状が円弧形状となっている。
本発明の第1態様に係る溶接装置は、溶接対象物のレーザ光照射位置に対して筒状のパウダーノズルから粉体の溶接材料を含むパウダーガスを供給して、肉盛溶接を行う。レーザ光照射位置には、パウダーノズルの外周面を覆うように同軸に配置された筒状のシールドノズルからシールドガスが供給され、レーザ光照射位置が隔離される。パウダーノズルの先端部近傍の外周面は、パウダーノズルの先端部に向けて外径が漸次小さくなる円弧形状となっている。
パウダーノズルの先端部が円弧形状となっているため、パウダーノズルの外周面に沿ってシールドノズルから流出するシールドガスの剥離が抑制され、シールドガスの流れ方向に直交する渦軸を持つ横渦が発生しにくい。また、横渦の抑制により渦度生成が抑制されるため、シールドガスの噴流中で横渦の渦軸が傾くことによる縦渦の発生も抑制される。そして、シールドガスに大規模な渦構造が発生することを抑制することにより、渦構造の発生によって周囲の大気(酸素)が溶接部に侵入することが防止される。
従って、シールドガスに大規模な渦構造が発生することを抑制し、レーザを用いた高品質の肉盛溶接を行うことができる。
本発明の第1態様の溶接装置においては、前記パウダーノズルの先端部近傍の内周面が、前記パウダーノズルの前記先端部に向けて漸次内径が大きくなる形状であり、前記パウダーノズルの中心軸を通る断面での断面形状が円弧形状となる構成であってもよい。この構成では、パウダーノズルの先端部が円弧形状となっているため、パウダーノズルの内周面に沿ってパウダーノズルから流出するパウダーガスに、パウダーガスの流れ方向に直交する渦軸を持つ横渦が発生しにくい。また、横渦の抑制により渦度生成が抑制されるため、パウダーガスの噴流中で横渦の渦軸が傾くことによる縦渦の発生も抑制される。これにより、パウダーガスに渦構造が発生し、それに起因してシールドガスに渦構造が発生するという不具合が防止される。
本発明の参考例の溶接装置は、溶接対象物のレーザ光照射位置に対して、粉体の溶接材料を含むパウダーガスを供給する筒状のパウダーノズルと、前記パウダーノズルの外周面を覆うように同軸に配置され、前記レーザ光照射位置を隔離するためのシールドガスを供給する筒状のシールドノズルとを備え、前記シールドノズルの先端部近傍の内周面に、前記シールドガスによる渦の発生を抑制する渦抑制部材が設けられている。
本発明の参考例に係る溶接装置は、溶接対象物のレーザ光照射位置に対して筒状のパウダーノズルから粉体の溶接材料を含むパウダーガスを供給して、肉盛溶接を行う。レーザ光照射位置には、パウダーノズルの外周面を覆うように同軸に配置された筒状のシールドノズルからシールドガスが供給され、レーザ光照射位置が隔離される。シールドノズルからレーザ光照射位置に供給されるシールドガスは、シールドノズルの先端部近傍の内周面に設けられた渦抑制部材によりシールドガスによる渦の発生が抑制される。
シールドノズルの先端部近傍の内周面に渦抑制部材が設けられているため、シールドノズルから流出するシールドガスに、シールドガスの流れ方向に直交する渦軸を持つ横渦が発生しにくい。また、シールドガスの噴流中で横渦の渦軸が傾くことによる縦渦の発生も抑制される。シールドガスに大規模な渦構造が発生することを抑制することにより、渦構造の発生によって周囲の大気(酸素)が溶接部に侵入することが防止される。
従って、シールドガスに大規模な渦構造が発生することを抑制し、レーザを用いた高品質の肉盛溶接を行うことができる。
本発明の参考例の溶接装置においては、前記渦抑制部材が、前記シールドノズルの中心軸に向けて突出する複数の突起部を備える構成であってもよい。この構成では、複数の突起部の近傍を通過するシールドガスに発生する渦が、複数の突起部により粉砕されるので、渦が成長することが抑制される。
本発明に係る溶接方法は、本発明に係るいずれかの態様の溶接装置を用いてタービン翼前縁部分の基体と耐エロ−ジョン性金属材料との接合部に粉体の溶接材料を含むパウダーガスを供給し、前記基体と前記耐エロ−ジョン性金属材料とを肉盛溶接する溶接工程を備える。
このようにすることで、シールドガスに大規模な渦構造が発生することを抑制し、レーザを用いた高品質の肉盛溶接を行う溶接方法を提供することができる。
本発明の参考例に係るタービン翼は、本発明に係る溶接方法により耐エロ−ジョン性金属材料が肉盛溶接されたことを特徴とする。
このようにすることで、シールドガスに大規模な渦構造が発生することを抑制し、レーザを用いた高品質の肉盛溶接が行われたタービン翼を提供することができる。
本発明によれば、シールドガスに大規模な渦構造が発生することを抑制し、レーザを用いた高品質の肉盛溶接を行うことができる溶接装置及び溶接方法を提供することができる。
本発明の一実施形態の溶接装置を示す概略構成図である。 第1実施形態のノズル部の中心軸を通る断面での断面図である。 第1実施形態のノズル部を中心軸に沿ってみた図である。 第2実施形態のノズル部の中心軸を通る断面での断面図である。 第3実施形態のノズル部の中心軸を通る断面での断面図である。 比較例のノズル部の中心軸を通る断面での断面図である。 蒸気タービン翼を示す図である。
〔第1実施形態〕
以下、本発明の第1実施形態の溶接装置100について、図1を参照しながら説明する。
図1は本実施形態の溶接装置100を示す概略構成図である。
溶接装置100は、溶接対象物である母材400にレーザを照射するとともに、母材400上のレーザ光照射位置Pに対して溶接材料を供給することにより肉盛溶接を行う装置である。ここで、溶接材料は、ステライト(登録商標)等の耐エロ−ジョン性金属材料を含むものである。
溶接装置100は、母材400に対してレーザ光301を照射するレーザ部300と、レーザ光照射位置Pに対して粉体の溶接材料を含むパウダーガスを供給するノズル部200とを備えている。ノズル部200は、中心軸A周りに配置された筒状のパウダーノズル201とシールドノズル202の二重管構造となっている。シールドノズル202は、パウダーノズル201の外周面を覆うように中心軸Aと同軸に配置される。
パウダーノズル201からレーザ光照射位置Pに対してパウダーガスが供給され、パウダーガスの外側を覆うように、シールドガスがレーザ光照射位置を大気(酸素)から隔離するように供給される。シールドガスとしては、アルゴンガスやヘリウムガスを用いるのが好ましい。パウダーガスとしては、粉体の溶接材料にアルゴンガスやヘリウムガスを混合して用いるのが好ましい。
ノズル部200の中心軸Aの延長線とレーザ部300のレーザ光軸Bの延長線とは、母材400の表面にて交差しており、その位置がレーザ光照射位置Pとなっている。
溶接装置100は、レーザ光301が照射されるレーザ光照射位置Pに粉体の溶接材料を含むパウダーガスを供給することにより、レーザ光照射位置Pにおいて肉盛溶接を行う。
溶接対象物である母材400としては、種々のものを対象とすることができる。例えば、母材400として、蒸気タービン翼1を対象とすることができる。蒸気タービン翼1は、蒸気タービンに利用され、図7に示されているように、根元部2と翼形部3とを備えている。根元部2は、蒸気タービンのロータに取り付けられる。翼形部3は、翼形に形成され、根元部2に固定されている。翼形部3は、根元部2が蒸気タービンのロータに取り付けられるときに、蒸気タービンを流れる蒸気に暴露される。
翼形部3は、本体部分5と保護部6とを備えている。本体部分5は、概ね翼形に形成され、根元部2に一体に形成されることにより根元部2に固定されている。保護部6は、ステライト(登録商標)から形成された薄板状の部材である。保護部6は、翼形部3の翼端の前縁部分を形成するように、本体部分5に接合されている。
本実施形態の溶接装置100は、保護部6と本体部分5を接合する際に、その接合部を溶接する装置として用いることができる。レーザ肉盛溶接に用いられるパウダーガスは、耐エロ−ジョン性金属材料を含むので、ろう付けやTIG溶接により保護部6と本体部分5を接合する場合に比べ、耐エロージョン層の硬さが低下するといった問題を回避することができる。
次に、図2及び図3を用いてノズル部200の構成をより詳細に説明する。図2は、第1実施形態のノズル部200の中心軸Aを通る断面での断面図である。図3は、第1実施形態のノズル部を中心軸に沿ってみた図である。前述したように、ノズル部200は、中心軸A周りに配置された筒状のパウダーノズル201とシールドノズル202の二重管構造となっている。
パウダーノズル201の内周側は断面視が円形のパウダーガス流路203となっている。パウダーガス流路203はパウダーガス供給源(不図示)に連通しており、パウダーガス供給源から供給されるパウダーガスを図2中の矢印方向に沿って流通させる。
パウダーガス流路203の端部は、外部に開口したパウダーガス流出口203aとなっている。パウダーガス流出口203aから流出したパウダーガスは、レーザ光照射位置Pへと供給される。パウダーガス流出口203aを形成するパウダーノズル201の先端部201a近傍の内周面には、テーパ部201cが設けられている。テーパ部201cは、パウダーノズル201の先端部201aに向けて一定の勾配で内径が大きくなる形状となっている。
テーパ部201cの勾配は、パウダーノズル201から流出するパウダーガスが中心軸Aから拡散する範囲(溶射の適用範囲)を規定するものである。このテーパ部201cの勾配と、ノズル部200からレーザ光照射位置までの距離を適切に設定することにより、適切な範囲の溶接を行うことができる。
パウダーノズル201の外周面とシールドノズル202の内周面により仕切られ、中心軸Aに直交する方向の断面が円環形状となる空間は、シールドガス流路204となっている。シールドガス流路204は、シールドガス供給源(不図示)に連通しており、シールドガス供給源から供給されるシールドガスを図2中の矢印方向に沿って流通させる。
シールドガス流路204の端部は、外部に開口したシールドガス流出口204aとなっている。シールドガス流出口204aから流出したシールドガスは、レーザ光照射位置Pを隔離するように、レーザ光照射位置Pを中心とした円環状の領域へと供給される。
パウダーノズル201の先端部201a近傍には、パウダーノズル201の先端部201aに向けて漸次外径が小さくなる形状の外周面201bが設けられている。図2に示すように、外周面201bは、パウダーノズル201の中心軸Aを通る断面での断面形状が円弧形状となっている。
パウダーノズル201から流出するパウダーガスと、シールドノズル202から流出するシールドガスとは、それぞれパウダーガス流路203及びシールドガス流路204から流出した後に合流する。シールドガスは、レーザ光照射位置P(溶接部)を、酸素を含む大気から隔離するためのガスである。パウダーガスとシールドガスとは、それぞれが混合しないように別の層となって流れるのが望ましい。
そのため、本実施形態の溶接装置100では、パウダーガスの流速とシールドガスの流速とが、略同じ速度となるように調整されている。パウダーガスの流速とシールドガスの流速とを略同じとすることで、パウダーガスとシールドガスが混合してしまう不具合を抑制することができる。この流速の調整は、パウダーガスの流量、パウダーガス流路203の流路幅、シールドガスの流量、シールドガス流路204の流路幅等の各種のパラメータを適切に設定することにより行われる。
ここで、図6を用いて本実施形態の比較例について説明する。図6は、比較例のノズル部500の中心軸Aを通る断面での断面図である。比較例のノズル部500は、パウダーノズル501とシールドノズル502を備えている。また、パウダーノズル501にはパウダーガス流路503が設けられており、シールドノズル502の内周面とパウダーノズル501の外周面により仕切られた空間はシールドガス流路504となっている。
図2に示す本実施形態のノズル部200と図6に示す比較例のノズル部500を対比すると、ノズル部200の先端部201aには断面が円弧形状の外周面201bが設けられているのに対し、ノズル部500の先端部の近傍は中心軸Aに平行な外周面が設けられている点で異なる。また、図2に示す第1実施形態のシールドノズル202の先端部の位置よりも、図6に示す比較例のシールドノズル502の先端部の位置の方がシールドガスの流れ方向に沿って後退した位置となっている。
図6のノズル部500の先端部には、シールドガス流路から流出したシールドガスに発生する渦構造を模式的に示した矢印が示されている。この渦構造は、シールドガスの流れ方向に直交する渦軸を持つ横渦と、シールドガスの流れ方向に平行な渦軸を持つ縦渦の両方を含む。比較例のパウダーノズル501の先端部の近傍には、中心軸Aに平行な外周面が設けられている。そのため、ノズル部500の先端部を通過したシールドガスは中心軸Aに直交する方向に急激に拡散する。そのため、シールドガスの流れに乱れが生じ、シールドガスに渦構造505が発生する。
また、比較例のシールドノズル502の先端部の位置はシールドガスの流れ方向に沿って後退した位置となっている。そのため、シールドノズル502の先端部を通過した位置では、中心軸Aに近い側にパウダーノズル501の外周面が存在する一方で、中心軸Aに遠い側にはシールドノズル502が存在しないこととなる。そのため、シールドガスは、シールドノズル502の先端部を通過した後に中心軸Aから遠ざかる方向に急激に拡散する。そのため、シールドガスの流れに乱れが生じ、シールドガスに渦構造505が発生する。
また、多数発生した渦構造505は、シールドガスの流れ方向に沿って移動するとともに、他の複数の渦構造505と重なり合う。これによって、更に大きな渦構造506が発生する。このような大きな渦構造506は、中心軸Aに対して渦構造506の外周側に存在する大気(酸素)を、中心軸Aに対して渦構造506の内側に導くように作用する。そのため、レーザ肉盛溶接が行われるレーザ光照射位置Pに酸素が流入し、溶接部に導かれてスパッタが発生し、溶接の品質が低下しまうこととなる。本実施形態では、渦構造505,506の発生が抑制されるので、溶接の品質の低下が防止される。
ここで、本実施形態の溶接装置100を用いた溶接方法について説明する。
この溶接方法は、溶接装置100を用いてタービン翼前縁部分の本体部分5と耐エロ−ジョン性金属材料の保護部6との接合部に粉体の溶接材料を含むパウダーガスを供給し、本体部分5と耐エロ−ジョン性金属材料の保護部6とを肉盛溶接する溶接工程を実行するという方法である。
このような溶接方法によれば、シールドガスに大規模な渦構造が発生することを抑制し、レーザを用いた高品質の肉盛溶接を行うことができる。
以上説明したように、本実施形態の溶接装置100は、溶接対象物である母材400のレーザ光照射位置Pに対して筒状のパウダーノズル201から粉体の溶接材料を含むパウダーガスを供給して、肉盛溶接を行う。レーザ光照射位置Pには、パウダーノズル201の外周面を覆うように同軸に配置された筒状のシールドノズル202からシールドガスが供給され、レーザ光照射位置Pが隔離される。パウダーノズルの先端部201a近傍の外周面201bは、パウダーノズル201の先端部201aに向けて外径が漸次小さくなる円弧形状となっている。
パウダーノズル201の先端部201aが円弧形状の外周面201bとなっているため、パウダーノズル201の外周面201bに沿ってシールドガス流路204から流出するシールドガスに、シールドガスの流れ方向に直交する渦軸を持つ横渦が発生しにくい。また、シールドガスの噴流中で横渦の渦軸が傾くことによる縦渦の発生も抑制される。シールドガスに大規模な渦構造が発生することを抑制することにより、渦構造の発生によって周囲の大気(酸素)がレーザ光照射位置Pの溶接部に侵入することが防止される。
従って、シールドガスに大規模な渦構造が発生することを抑制し、レーザを用いた高品質の肉盛溶接を行うことができる。
〔第2実施形態〕
以下、本発明の第2実施形態の溶接装置について、図4を参照しながら説明する。
図4は、第2実施形態のノズル部210の中心軸Aを通る断面での断面図である。
第2実施形態は、第1実施形態の変形例であり、以下に特に説明する場合を除き、第1実施形態と同様であるものとし、以下での説明を省略する。第1実施形態のノズル部200がテーパ部201cを備えているのに対し、第2実施形態のノズル部210は断面が円弧形状の内周面201dを備えている点で異なる。
第2実施形態の溶接装置のノズル部210は、パウダーノズル201の先端部201a近傍の内周面201dが、パウダーノズル201の先端部201aに向けて漸次内径が大きくなる形状となっている。また、図4に示すように、内周面201dは、パウダーノズル201の中心軸Aを通る断面での断面形状が円弧形状となっている。
第2実施形態のノズル部210は、パウダーノズル201の先端部201aの内周面201dが円弧形状となっているため、パウダーノズル201の内周面201dに沿ってパウダーノズル201から流出するパウダーガスに、パウダーガスの流れ方向に直交する渦軸を持つ横渦が発生しにくい。また、パウダーガスの噴流中で横渦の渦軸が傾くことによる縦渦の発生も抑制される。これにより、パウダーガスに渦構造が発生し、それに起因してシールドガスに渦構造が発生するという不具合が防止される。
〔第3実施形態〕
以下、本発明の第3実施形態の溶接装置について、図5を参照しながら説明する。
図5は、第3実施形態のノズル部220の中心軸Aを通る断面での断面図である。
第3実施形態は、第1実施形態の変形例であり、以下に特に説明する場合を除き、第1実施形態と同様であるものとし、以下での説明を省略する。第1実施形態のノズル部200がシールドノズル202の先端部の内周面が平坦であるのに対し、第3実施形態のノズル部220はシールドノズル202の先端部の内周面に渦抑制部材202aが設けられている点で異なる。
なお、渦抑制部材202aは、シールドノズル202の先端部に設けられるのが望ましいが、先端部近傍であれば他の位置に設けるようにしても良い。
第3実施形態の溶接装置のノズル部220は、シールドノズル202の先端部近傍の内周面に渦抑制部材202aが設けられている。渦抑制部材202aは、シールドノズル202の中心軸Aに向けて突出する複数の突起部を備える構成となっている。この突起部は、棒状の部材であってもよいし、中心軸Aの周方向に延在する円環状での部材であってもよい。
シールドノズル202の先端部近傍の内周面に渦抑制部材202aが設けられているので、渦抑制部材202aの近傍を通過するシールドガスに発生する渦が、渦抑制部材202aにより粉砕される。これにより、シールドガス流路204を通過中のシールドガスにシールドガス流路204の壁面との間に発生する剪断応力等の影響により渦が発生したとしても、その渦が更に成長することが抑制される。
従って、シールドガスに大規模な渦構造が発生することを抑制し、レーザを用いた高品質の肉盛溶接を行うことができる。
なお、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想を逸脱しない範囲で、適宜必要に応じて変形実施、変更実施することができる。
100 溶接装置
200,210,220 ノズル部
201 パウダーノズル
201a 先端部
201b 外周面
201c テーパ部
201d 内周面
202 シールドノズル
202a 渦抑制部材
203 パウダーガス流路
203a パウダーガス流出口
204 シールドガス流路
204a シールドガス流出口
300 レーザ部
301 レーザ光
400 母材(溶接対象物)
A 中心軸
B レーザ光軸
P レーザ光照射位置

Claims (2)

  1. 溶接対象物のレーザ光照射位置に対して、粉体の溶接材料を含むパウダーガスを供給する筒状のパウダーノズルと、
    前記パウダーノズルの外周面を覆うように同軸に配置され、前記レーザ光照射位置を隔離するためのシールドガスを供給する筒状のシールドノズルとを備え、
    前記パウダーノズルの先端部近傍の外周面は、前記パウダーノズルの前記先端部に向けて漸次外径が小さくなる形状であり、前記パウダーノズルの中心軸を通る断面での断面形状が円弧形状となっており、
    前記パウダーノズルの前記先端部近傍の内周面は、前記パウダーノズルの前記先端部に向けて漸次内径が大きくなる形状であり、前記パウダーノズルの中心軸を通る断面での断面形状が円弧形状となっている溶接装置。
  2. 請求項1に記載の溶接装置を用いてタービン翼前縁部分の本体部と耐エロ−ジョン性金属材料との接合部に粉体の溶接材料を含むパウダーガスを供給し、前記本体部と前記耐エロ−ジョン性金属材料とを肉盛溶接する溶接工程を備えた溶接方法。
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