JP4896457B2 - レーザ加工機のレーザ照射用ノズル装置及びこの照射用ノズルによるブロー方法。 - Google Patents

レーザ加工機のレーザ照射用ノズル装置及びこの照射用ノズルによるブロー方法。 Download PDF

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Description

本発明は、特に、高出力なダイレクト半導体レーザ光を用いるレーザ溶接装置及びレーザ溶接方法におけるレーザ照射用ノズルの改良及びこの照射用ノズルによるエアーとアシストガスのブロー方法に関するものである。
高出力なダイレクト半導体レーザ発信器をロボット等の先端に配したレーザ溶接装置は、レーザ発信器や光学系等が一体化しているためサイズが大きくなってしまうため、溶接ワークとの干渉問題が起こりやすい。
そのため、ダイレクト半導体レーザ溶接機はレーザ発信器やその光学系を含めできる限りコンパクトに構成する事が望まれる。
また、ダイレクト半導体レーザは焦点距離が短い。
これはダイレクト半導体レーザユニットが溶接部に接近しなければならない事を意味しており、このように溶接部に接近した状況では溶接中に発生するスパッタやヒュームから、短距離で、ダイレクト半導体レーザユニットを保護することは難しい。
まず、図1に、レーザ照射用ノズル等の保護対策を施していない、最も基本的なダイレクト半導体レーザ溶接機の外観図を示す。
ダイレクト半導体レーザユニット100は、ロボットアーム3により自在に位置決め可能となっており、ダイレクト半導体レーザユニット100内に収納されているレーザ発信器1で生成した高出力レーザ光を、光学レンズ2で調整し、保護ガラス5を経てワークWに照射する。
照射されたレーザ光Lは、各ワークWの接合部となる溶接線4上に連続的に照射され、ワークが溶接される。
上記のように照射されるダイレクト半導体レーザは、エネルギー効率が極めて高く、溶接品質も良好であるが、一方で、レーザ光の焦点距離が短いという特性を持っているため、溶接中は、保護ガラス5とワークW上の溶接部とは接近した状態が続くこととなる。
高出力なレーザ光が照射される溶接部は、図2に示すように、スパッタSが発生しやすく、その一部は確率的に保護ガラス5に到達し、保護ガラス5の表面に大きなダメージを与える。
このスパッタSによるダメージにより、短期間で保護ガラス5の交換を余儀なくされてしまうのが一般的に見られる実情である。
また、図3に示すように、スパッタ程の急激なダメージでないが、溶接ヒュームHのダメージも無視できないものである。
ヒュームHは細かく飛散し、保護ガラス5に対し広範囲に少しずつダメージを蓄積していき、保護ガラスのレーザ光の透過効率を少しずつ悪化させることで、レーザ光の照射効率も低下し、溶接不良を引き起こす。
これに伴い保護ガラスの発熱も促進されるので、保護ガラスの割れ等の損傷も起こりやすくなる。
特にスパッタについては、粒子径が大きい上に速度も速いので、短距離でその軌道を曲げる事は難しく、確率的に保護ガラスに到達し大きなダメージを与えてしまう。
つまり、ダイレクト半導体レーザを使用するレーザ溶接機においては、溶接部に接近せざるを得ないため、スパッタやヒュームに対する防護を短距離で行う必要がある。
そのためには、保護ガラスより先端に位置し、保護ガラスを防護するためのレーザ照射用ノズルが不可欠であり、そのノズル長は、レーザ光の焦点距離に合せ、短くしなければならないが、レーザ照射用ノズルを短くすれば防護機能が低下しまい、十分な効果を期待できない。
更に、高出力なレーザ光が通過する保護ガラスには、少なからず熱の蓄積が起こるため放熱のための冷却が不可欠であり、もし保護ガラスの冷却が適切に行われないと保護ガラスが割れる等の重大な問題を引き起こす事となる。
しかしながら、ダイレクト半導体レーザは比較的新しい技術であるため、その特性に最適化した保護対策が見当たらないのが現状であり、上記のような問題を包括的に改善する手段や、明確な効果的が出せる技術や方法も開示されていない。
上記で述べたようなスパッタ等の飛散について、それが加工ヘッド内部に侵入しない事を主目的とする装置等の公知例としては、例えば、ダイレクト半導体レーザより長い焦点距離に見合った内部ブローの構成となっておりその長い距離を生かした多段階の内部ブローにより効果的にスパッタ等の防護を果たしている(例えば、特許文献1を参照。)。
しかしながら、このような従来方式では、短焦点のレーザ光を照射するダイレクト半導体レーザへの適用は難しく十分な効果は期待できない。
また、高出力なレーザ光により加熱されてしまう保護ガラスの温度上昇を、同時かつ適切に対策できる効果も見られない。
特開平11−226770
本発明の課題は、主に鋼板の溶接等を行うための高出力なダイレクト半導体レーザを用いたレーザ溶接機において、保護ガラスの防護対策とその温度上昇の対策を合わせてコンパクトなレーザ照射用ノズル内に実装することである。
更に、上記対策がアシストガスに悪影響を及ぼすことなく、高い溶接品質を維持するために効果的なエアーブローとアシストガスブローの方法を確立することである。
本発明の請求項1のレーザ加工機におけるレーザ照射用ノズル装置は、加工用レーザ光を照射するレーザ加工機の、
レーザ光を調整する光学レンズ等をスパッタやヒューム等から隔離し保護するための保護ガラスの近傍に取付けられるレーザ照射用ノズルについて、
上記レーザ照射用ノズルの外周部から上記保護ガラスに向けてエアーブローするための複数個のノズルで構成される第1のエアーブローノズルと、
レーザ照射用ノズルにおける加工用レーザ光が通る内空部が円錐形に形成され、この内空部を形成して加工用レーザ光に直接面するテーパー面の全面に沿ってカーテン状にエアーブローするための第2のエアーブロー用スリットと、
レーザ照射用ノズルの先端部でアルゴンガスまたは窒素ガスからなるアシストガスをブローするための第3のガスブローノズルと、を具備したことを特徴とする。
本発明の請求項2は、請求項1記載のレーザ加工機におけるレーザ照射用ノズル装置において、第2のエアーブロー用スリットは、カーテン状のエアーブローの焦点が加工用レーザ光の光学的な焦点より上部になるよう設定され、
第3のガスブローノズルは、アシストガスをエアーブローの焦点と加工用レーザ光の焦点の間を通過してワークの溶接部に到達するよう噴射することを特徴とする。
また、本発明の請求項3は、請求項1または請求項2記載のレーザ加工機におけるレーザ照射用ノズル装置において、上記レーザ照射用ノズル装置は、加工用レーザ光の光軸がワーク表面に対して傾斜する姿勢で配置されるとともに、第3のガスブローノズルが上記傾斜したレーザ照射用ノズル装置とワーク表面との間に配置されることを特徴とする。

本発明の請求項4は、請求項1ないし請求項3記載のレーザ加工機におけるレーザ照射用ノズル装置において、第1のエアーブローを構成する複数個のエアーブローノズルをレーザ光の照射方向に対して螺旋状に傾斜配置させ、レーザ照射用ノズル内の内空部で旋回流を発生させることを特徴とする。
本発明の請求項5は、請求項1ないし請求項3記載のレーザ加工機におけるレーザ照射用ノズル装置において、第1のエアーブローを構成する複数のエアーブローノズルのブロー方向は、各エアーブローノズルをレーザ光の照射中心側に向けて対向配置させ、上記第1のエアーブローが保護ガラス中心部直下付近で衝突(収束・交叉)するように配置したことを特徴とする。
本発明の請求項6のレーザ加工機のレーザ照射用ノズルによるブロー方法は、第1のエアーブロー及び第2のエアーブローが、レーザ照射用ノズルの内空部を形成して加工用レーザ光に直接面する円錐形のテーパー面により収束することにより形成される上記テーパー面の全面に沿ったカーテン状のエアーブローの焦点を加工用レーザ光の光学的な焦点より上部に設定し、
第3のガスブローノズルからブローされるアシストガスを、上記エアーブローの焦点と加工用レーザ光の焦点の間を通過してワークの溶接部に到達するよう噴射することを特徴とする。
また、本発明の請求項7のレーザ加工機におけるレーザ照射用ノズルは、第1のエアーブロー及び第2のエアーブローが、レーザ照射用ノズルの内空部を形成して加工用レーザ光に直接面する円錐形のテーパー面により収束することにより形成される上記テーパー面の全面に沿ったカーテン状のエアーブローの焦点を加工用レーザ光の光学的な焦点より上部に設定する第1のエアーブローノズル及び第2のエアーブローノズルと、
アシストガスを、上記エアーブローの焦点と加工用レーザ光の焦点の間を通過してワークの溶接部に到達するよう噴射する第3のガスブローノズルとを備えたことを特徴とする。
また、本発明の請求項8は、請求項7記載のレーザ加工機におけるレーザ照射用ノズルにおいて、上記レーザ照射用ノズルは、加工用レーザ光の光軸がワーク表面に対して傾斜する姿勢で配置されるとともに、第3のガスブローノズルが上記傾斜したレーザ照射用ノズルとワーク表面との間に配置されることを特徴とする。
上記のように、本発明のダイレクト半導体レーザのためのレーザ照射用ノズル装置とこのブロー方法によると、ノズル長が短くコンパクトでありながら、内部に設けられた第1、第2のエアーブローノズルにより、溶接スパッタやヒュームが保護ガラスに近づかないよう効果的に排除し保護ガラスを防護すると共に、保護ガラスを適切に冷却する。
また、照射ノズルから噴射されたエアーは円錐形となり、該照射ノズルの更に先端部で収束するので、スパッタのような重い粒子であっても、その収束部で強力に弾かれ軌道が曲げられるので保護ガラスに到達する可能性を著しく低減させる。
上記エアーブローの収束部から先においては、速やかに拡散し、更に先端に位置するアシストガスを包み込むことで、アシストガスを適切に溶接部に案内する事ができ、溶接品質の低下を招かない。
更に、レーザ照射用ノズル内の、第1のエアーブローにおいては、内部のノズルの角度を変更する事で保護ガラス表面にエアーの旋回流を生成させることも可能であり、効果的な保護ガラスの冷却とヒューム対策を行う。
また、エアーを対向させた場合は、エアーの衝突によりエアークッションが生成されるので、保護ガラス中心部を特に保護しながら、上記とは異なり、強い指向性を持たない拡散エアーを生成するバリエーションを設定可能であるから、各種局面で適宜効果的な運用が可能となり、ダイレクト半導体レーザの適用がしやすくなる。
上記で述べたように、エネルギー効率が極めて高く、溶接品質にも優れたダイレクト半導体レーザ溶接機の保護ガラスの防護に関して、溶接作業の妨げにならない程度のコンパクトなレーザ照射用ノズルでありながら、保護ガラスの適度な冷却と共に、溶接スパッタやヒュームを保護ガラスに近づけることなく効果的に排除でき、その装置自体も低コストで製作できる利点がある。
また、レーザ照射用ノズル装置のノズルから噴射するエアーを、乱れることなく円錐形に収束しまとめることで、スパッタの浸入を効果的に防ぎつつ、収束後の拡散によって適度にアシストガスを溶接部に案内できる利点がある。
これより、本発明の代表的な実施例を以下に説明する。
図4は、本発明の第1の実施の形態となるレーザ照射用ノズル装置110の断面図であり、保護ガラス5を防護するため保護ガラス5の先端部に装着されている。
レーザ照射用ノズル装置110にはエアーとアシストガスの供給口が設けられ、その内部には円筒形と円錐形の組み合わせからなる内空部が形成され、先端に開口部11が設けられている。
まず、第1のエアーA1はレーザ射出用ノズル装置110の側面より導入され、レーザ照射用ノズル装置110内の外周部に設けられた円形溝6に案内され、ここで360度全周に分配した後、保護ガラス5に向け傾斜配置させた複数個のノズル8’、8’’・・・から保護ガラス5に向けて噴射される。
これにより、第1のエアーA1は、それぞれ分配されたエアーブローA1’、A1’’・・・として噴射され、該エアーブローによる保護ガラス5の防護と共に保護ガラス5の適度な冷却が行われる。
次に、第2のエアーA2は、上記と同様に、円形溝6と同心円で設けられた円形溝7を経由し、円形のスリット9によって360度の連続した円筒形状のエアーカーテンを形成し、内空部に設けられた円錐形のテーパー面10に沿ってブローされる。
そして、上記第1のエアーA1と第2のエアーA2は、レーザ照射用ノズル装置の内空部で合流し、先端の開口部11から円錐形になって吐出され、そのエアーブローの焦点(エアーブローの収束部)はF2となる。
一方、レーザ照射用ノズル装置110の先端部に設けられた第3のガスブローノズルとなるアシストガス用ノズル13は、レーザ照射用ノズル先端部から大きく傾斜した状態で、下方に設置されたワークWの溶接部に向けて設置される。
上記により、アシストガスGは、ノズル13から浅い角度で噴射され、上記エアーブローの焦点F2とレーザ光の焦点F1の間を収束流G1となって通過し、ワークWの溶接部に到達する。
レーザ照射用ノズル装置110の内空部では、図5に示すように、第1のエアーブローA1は分岐後、保護ガラス5表面の外周に噴射され、保護ガラスの表面に沿って移動し、中央部で合流した後、レーザ照射用ノズル先端に設けられた開口部11に向かう。
一方、第2のエアーブローA2は、レーザ照射用ノズルの内空部に設けられたテーパー面10に沿いながら先端部の開口部11に向かう。
上記第1、第2のエアーブローA1、A2は、レーザ照射用ノズル装置110の内空部においてその流れが乱れる事は無く、適度な指向性を持って開口部11を通過した後に、その先端で収束する事が可能となる。
上記により、乱れることなく収束したエアーブローA1,A2は、図6に示すようにF2で収束するため、特に中心付近ではスパッタ等に対する防護力が高まり、スパッタSの軌道を大きく逸らすことが可能となる。
しかも、図7に示すように、F2で収束した後はそのまま拡散したエアーブローDとなるので、アシストガスGは、上記拡散したエアーブローDにより斜線部に適切な圧力で押され、ワークWの溶接部に穏やかに案内されるので、レーザの溶接部がアシストガスGにより十分に保護され、溶接品質の低下を招く事がない。
レーザ照射用ノズル装置110内の第1のエアーブローA1については、図8に示すように分配され保護ガラス5に傾斜した状態でブローされるが、分配されるそれぞれのエアーノズルの角度を調整する事により、各種の特性を与える事ができる。
ここで、第1のエアーブローを保護ガラス上に投影し2次元的に見ると、図9のようになるが、これを図10に示すように螺旋状に角度をつけることで、第1のエアーブローは保護ガラスの外周上から旋回流が形成され、これらの旋回流が合流しながら保護ガラスの中央付近で合流する。
すると、図11に示すように、第2のエアーブローA2に包まれながら、中央部の第1のエアーブローA1が旋回する事となるので、その遠心力によって、スパッタやヒューム等の粒子を保護ガラス中央部の軸線上から周辺部へと軌道を変えることができるようになる。
レーザ照射用ノズル装置の内部に進入したヒュームHについても、第1のエアーブローによって生成した中央部の旋回流の遠心力で外周に追いやられ、そこで第2のエアーブローにより内空部のテーパー面に沿いながら速やかに外部に排出される事となる。
更に、図12に示すように、第1のエアーブローA1から噴射されるエアーA1’を少数にしつつ絞込み噴射圧を高め、それを対向させ衝突させると、保護ガラス5の中央部直下において、高圧部から周辺に向けてエアーが強く拡散するようになる。
その様子は図13に示した通りであり、噴射された第1のエアーA1’は対向し、保護ガラス5の直下でエアーの衝突部12を形成する。
衝突後、エアーは速やかに拡散するが、その際、内部に侵入したヒュームHやスパッタ等は外周部に追いやられ、そこで第2のエアーブローA2’に沿って速やかに外部に排出される。
第2のエアーブローA2のバリエーションについては、第2の実施の形態を示す図14において、スリット9をレーザ照射用ノズル装置120の先端部まで延長し、先端部でエアーカーテンブローA2’を生成させることも可能である。
この第2の実施の形態となるレーザ照射用ノズル装置120の場合は、内空部に侵入してしまったヒュームやスパッタについては、その排出能力は劣るが、先端部に形成されたエアーカーテンにより異物の浸入を強力に防ぐ事ができる。
いずれにしろ、溶接状況に合わせカスタマイズ可能な自由度を持つ。
上記のように、ダイレクト半導体を使用したレーザ加工機における本発明のレーザ用照射ノズル装置110,120は、第1のエアーブローにより保護ガラスを適度に冷却した後、内空部に設けられた円錐形のテーパー面に沿った第2エアーブローと共に、内周の第1のエアーと外周の第2のエアーの2層構造のエアーを形成する。
つまり、単一のエアーブローや単純な混合エアーとは違い、特殊な機能性を持つエアーブローが形成可能である。
特に、第1のエアーブローA1については、上記で示してきたように、溶接スパッタやヒュームの特性に合わせてカスタマイズ可能であり、保護ガラスへの適度な冷却を行いながら、かつ、各種機能性を持ったエアーブローシステムを構築できる。
更に、レーザ照射用ノズル装置の開口部から噴射されたエアーは円錐形となり収束するため、スパッタ等の重量粒子であっても、それを中心部から遠ざけるよう、その軌道を大きく変える事ができ、保護ガラスに重大なダメージを与えるスパッタに対して特に効果的に機能する。
また、噴射されたエアーは収束後、速やかに拡散するため、穏やかにアシストガスと接し、アシストガスを乱すことなく、アシストガスを適度に溶接部に案内できる。
もし、上記エアーが拡散することなく層流に近い状態ならば、噴射力が十分に減少しないためアシストガスに強く接してしまい、アシストガスの流れを乱してしまう。
つまり、短距離でエアーを円錐形で収束させていく事により、収束点以降でのエアーの減衰促進できる。
尚、上記各実施例において、上記の第1のエアーブロー、第2のエアーブロー、第3のガスブローについては、各ブローのバランス等に配慮が必要となるが、とりわけそれぞれの噴射角度の設定の仕方により、機能性に変化を持たせることができる。
図15に、それぞれのブロー角度を図示しているが、保護ガラスの表面を基準とした場合、第1のエアーブローノズルの噴射角度θ1は仰角30度から60度のうちに設定するのが良いかと思われる。仰角が小さすぎると保護ガラスの中心部付近しか積極的に冷却できないし、仰角が大きすぎれば保護ガラスの外周部から中心への流れが弱くなると共に、エアーブローの流れも乱れやすくなる。
第2のエアーブローの噴射角度θ2については、俯角40度から70度くらいに設定するのが良いと思われる。
レーザ照射用ノズル先端から噴射されるエアーブローの角度については、テーパー面の角度の設定により、エアーの流れを大きく乱すことなく適宜調整可能であり、θ4に示す最終的な角度は、50度から100度が実用的であると考えられる。
また、第3のガスブローについてはワークWに対する傾斜角度θ3で示しているが、この角度はエアーブローの焦点F2の下を通過するような角度であり、ワーク上の溶接部との位置関係を考慮して決める事となるが、5度から30度くらいに設定するのが良いと思われる。
上記で述べてきたように、本発明によるエアーブローは、ダイレクト半導体レーザ特有の短い焦点距離に適用させ、保護ガラスの冷却のみならず、短距離でもスパッタやヒュームの浸入を防止できるだけの強いバリア機能を持たせながら、アシストガスを乱すことがない。
上記で述べてきた第1のエアーブローと第2のエアーブローにより形成される高機能なエアーブローは、高出力なダイレクト半導体レーザ溶接システムを安定的に運用するために非常に有用である。
本発明のレーザ照射用ノズル装置110,120とそのブロー方法は、半導体レーザ溶接機の保護ガラスを適切に冷却しながら防護し、保護ガラスの交換頻度を改善する事を主な目的としているが、2種類のエアーブローを収束させ、その後速やかに拡散させることを明確に意図したエアーブローであり、アシストガスを使用する溶接には特に有効である。
本発明は、ダイレクト半導体レーザに限らず、一般的なレーザ加工機にも広くに適用できる技術である。
ダイレクト半導体レーザによる溶接状態の斜視図である。 溶接スパッタが保護ガラスにダメージを与える様子の斜視図である。 溶接ヒュームが保護ガラスにダメージを与える様子の斜視図である。 本発明の第1の実施の形態を示し、レーザ照射ノズル装置の断面図である。 本発明のレーザ照射ノズル装置内部のエアーの流れを示す作用明図である。 エアーの収束を示す作用図である。 エアーの収束後の拡散を示す作用図である。 第1のエアーブローと保護ガラスの位置関係を示す作用図である。 第1のエアーブローの位置関係を示す平面図である。 第1のエアーブローの位置関係を示す平面図である。 第1のエアーブローによる旋回流を示す作用図である。 第1のエアーブローの位置関係を示す平面図である。 第1のエアーブローと対向エアーの衝突を示す作用図である。 本発明の第2の実施の形態を示し、第2のエアーブローを延長した断面図である。 第1、第2、第3のノズルの噴射角度を示す断面図である。
符号の説明
1 レーザ発信器
2 光学レンズ
3 ロボットアーム
4 溶接線
5 保護ガラス
6 円形溝(第1のエアー用)
7 円形溝(第2のエアー用)
8 ノズル(第1のエアーブロー)
9 スリット(第2のエアーブロー)
10 テーパー面
11 開口部
12 エアーの衝突部
13 アシストガス用ノズル(第3のガスブロー)
100 ダイレクト半導体レーザユニット
110 レーザ照射用ノズル装置
120 レーザ照射用ノズル装置
A1 エアー
A2 エアー
D 拡散したエアーブロー
F1 レーザ光の焦点
F2 エアーブローの焦点(エアーブローの収束部分)
G ガス(アシストガス等)
H ヒューム
L レーザ光
S スパッタ
W ワーク

Claims (8)

  1. 加工用レーザ光を照射するレーザ加工機の、
    レーザ光を調整する光学レンズ等をスパッタやヒューム等から隔離し保護するための保護ガラスの近傍に取付けられるレーザ照射用ノズルについて、
    上記レーザ照射用ノズルの外周部から上記保護ガラスに向けてエアーブローするための複数個のノズルで構成される第1のエアーブローノズルと、
    レーザ照射用ノズルにおける加工用レーザ光が通る内空部が円錐形に形成され、この内空部を形成して加工用レーザ光に直接面するテーパー面の全面に沿ってカーテン状にエアーブローするための第2のエアーブロー用スリットと、
    レーザ照射用ノズルの先端部でアルゴンガスまたは窒素ガスからなるアシストガスをブローするための第3のガスブローノズルと、を具備したことを特徴とするレーザ加工機におけるレーザ照射用ノズル装置。
  2. 第2のエアーブロー用スリットは、カーテン状のエアーブローの焦点が加工用レーザ光の光学的な焦点より上部になるよう設定され、
    第3のガスブローノズルは、アシストガスをエアーブローの焦点と加工用レーザ光の焦点の間を通過してワークの溶接部に到達するよう噴射することを特徴とする請求項1記載のレーザ加工機におけるレーザ照射用ノズル装置。
  3. 上記レーザ照射用ノズル装置は、加工用レーザ光の光軸がワーク表面に対して傾斜する姿勢で配置されるとともに、第3のガスブローノズルが上記傾斜したレーザ照射用ノズル装置とワーク表面との間に配置されることを特徴とする請求項1または請求項2記載のレーザ加工機におけるレーザ照射用ノズル装置。
  4. 第1のエアーブローを構成する複数個のエアーブローノズルをレーザ光の照射方向に対して螺旋状に傾斜配置させ、レーザ照射用ノズル内の内空部で旋回流を発生させることを特徴とする請求項1ないし請求項3記載のレーザ加工機におけるレーザ照射用ノズル装置。
  5. 第1のエアーブローを構成する複数のエアーブローノズルのブロー方向は、各エアーブローノズルをレーザ光の照射中心側に向けて対向配置させ、上記第1のエアーブローが保護ガラス中心部直下付近で衝突(収束・交叉)するように配置したことを特徴とする請求項1ないし請求項3記載のレーザ加工機におけるレーザ照射用ノズル装置。
  6. 第1のエアーブロー及び第2のエアーブローが、レーザ照射用ノズルの内空部を形成して加工用レーザ光に直接面する円錐形のテーパー面により収束することにより形成される上記テーパー面の全面に沿ったカーテン状のエアーブローの焦点を加工用レーザ光の光学的な焦点より上部に設定し、
    第3のガスブローノズルからブローされるアシストガスを、上記エアーブローの焦点と加工用レーザ光の焦点の間を通過してワークの溶接部に到達するよう噴射することを特徴とするレーザ加工機のレーザ照射用ノズルによるブロー方法。
  7. レーザ照射用ノズルの内空部を形成して加工用レーザ光に直接面する円錐形のテーパー面により収束することにより形成される上記テーパー面の全面に沿ったカーテン状のエアーブローの焦点を加工用レーザ光の光学的な焦点より上部に設定する第1のエアーブローノズル及び第2のエアーブローノズルと、
    アシストガスを、上記エアーブローの焦点と加工用レーザ光の焦点の間を通過してワークの溶接部に到達するよう噴射する第3のガスブローノズルとを備えたことを特徴とするレーザ加工機のレーザ照射用ノズル。
  8. 上記レーザ照射用ノズルは、加工用レーザ光の光軸がワーク表面に対して傾斜する姿勢で配置されるとともに、第3のガスブローノズルが上記傾斜したレーザ照射用ノズルとワーク表面との間に配置されることを特徴とする請求項7記載のレーザ加工機のレーザ照射用ノズル。

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