JP2005336509A - 焼入れ用治具および焼入れ方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 設備コストおよび必要な焼入油量の増大を防止しつつ、冷却用液体を収容した冷却槽内に焼入れのために投入された被処理物の冷却むらを低減させることが出来る焼入れ用治具を提供する。
【解決手段】 焼入れ用治具8は、油を収容した冷却槽内に、焼入れのために投入されたかさ歯歯車9の表面近傍に生じる前記冷却用液体の流れのうち、少なくとも一部の流れを調整するため、整流手段としての穴804aが設けられた板804を有している。
【選択図】図6

Description

本発明は、焼入れ用治具および焼入れ方法に関するものである。
油や水などの冷却用液体で満たされた冷却槽内に、冷却処理を施すために被処理物を投入した場合に、冷却後の被処理物の状態は、被処理物の表面近傍における冷却用液体の流れにより影響を受ける。該冷却用液体の流れが、複雑に入り乱れた流れ(以下、擾乱流)である場合には、被処理物に冷却のむらが生じ、その結果、熱処理歪のばらつき、さらに処理品の変形、歪みなどが発生し、後工程における加工代および加工時間の増大、製品の形状ばらつきの増大が引き起され得る。
例えば、冷却槽内における冷却用液体の流れを全体的に均一にさせるため、焼入時に、焼入油槽下部よりサブタンクにて冷やされた油を供給し、かつ冷却槽上部からオーバーフローにより油を排出させて、被処理物の周辺に上昇流を発生させるものがある(特許文献1)。しかし、冷却槽内に投入される被処理物が、例えば軸と、該軸の端部に接合される歯車とから構成される軸付き歯車である場合には、接合部は、断面が軸から歯車へと拡径する部位であるため、上昇流に対して流れを乱す段差となり、該接合部の近傍において、擾乱流が発生し得る。また、被処理物を歯車部のみからなる歯車とした場合にも、歯車の端面は、上昇流が流れる方向に対して交差する面となり得るため、端面の表面近傍において擾乱流が発生し得る。
また、油槽内に振動及び噴流攪拌を施すことにより、被処理物の全表面近傍に人為的に擾乱流を発生させて冷却ばらつきを低減させるものがある(特許文献2、非特許文献1)。しかし、擾乱流は不安定流であるため、同一ロット内での熱処理歪は低減されたとしても、例えば次のロットの熱処理歪は低減されないことが生じ得て、複数のロットにわたり擾乱流の最適条件を発見するのが難しい。
さらに上記文献に示す方法では、ノズルや油の循環装置といった装置が必要であり、既存の設備でこれを実現しようとすると、設備改造が必要になり、必要な焼入油量も増える。
特開平6−33135号公報 特開2003−2865517号公報 市谷克己、「焼入歪におよぼす焼入油の冷却特性及び使用条件の影響」、第23回熱処理研究会資料、出光興産(株)、平成12年3月
そこで本発明の目的は、設備コストおよび必要な焼入油量の増大を防止しつつ、冷却用液体を収容した冷却槽内に焼入れのために投入された被処理物の冷却むらを低減させることが出来る焼入れ用治具および焼入れ方法を提供することである。
(1)冷却用液体を収容した冷却槽内に焼入れのために投入された被処理物の表面近傍に生じる前記冷却用液体の流れのうちの少なくとも一部を調整するための整流手段を有することを特徴とする焼入れ用治具。
(2)冷却用液体を収容した冷却槽内に焼入れのために投入された被処理物の表面近傍に生じる前記冷却用液体の流れのうちの少なくとも一部を調整する整流段階を有する焼入れ方法であって、前記被処理物は、軸心に沿って中空部を有するかさ歯歯車であり、前記整流段階は、前記冷却槽内に投入された前記かさ歯歯車の中空部を通過する冷却用液体の流れの速度を高める段階であることを特徴とする焼入れ方法。
(3)冷却用液体を収容した冷却槽内に焼入れのために投入された被処理物の表面近傍に生じる前記冷却用液体の流れのうちの少なくとも一部を調整する整流段階を有する焼入れ方法であって、前記被処理物は、軸方向の一方から他方に拡径する形状を有し、前記整流段階は、軸方向の一方から他方に前記被処理物が拡径する割合と略同一の割合で拡径する形状を有し大径側の端面が前記被処理物の小径側の端面と略同一形状に形成された整流手段を、前記被処理物の小径側の端面に対向させる段階であることを特徴とする焼入れ方法。
本発明の焼入れ用治具によれば、整流手段が、焼き入れのために投入された被処理物の表面近傍に生じる流れを調整することにより、被処理物の表面に沿った滑らかな流れを形成することが出来る。これにより、被処理物の冷却のむらが低減され、品質の向上とコストの低下につながる。
また、冷却のむらを低減させる手段を、焼入治具に設けられる整流手段とすることにより、既存の設備の改造や、焼入油量を増加させることもない。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
まず、第1の実施形態における焼入れ用治具1の構成について述べる。
図1は、本発明の第1の実施形態における焼入れ用治具1が歯車3に対してセットされた状態を示す斜視図である。
焼入れ用治具1が適用される被処理物は、図に示すように軸方向の一方から他方に拡径し、側面40にはす歯状を呈する歯部40aが設けられる歯車4である。
焼入れ用治具1は、整流部2、整流部3、連結部5、および連結部6により構成される。
整流部2は、歯車4の拡径する角度(割合)と略同一の角度で、軸方向の一方から他方に拡径する形状を呈している。大径側の端面20は、歯車4の小径側の端面41と略同形状に形成され、側面21には、歯車4の歯部40aと歯筋方向が略平行である歯部21aが設けられている。歯車4が、焼入れのために冷却槽内に投入される際には、歯車4の小径側の端面41に、例えば磁石である連結手段5を介して、歯車4と同心配置される。
整流部3は、円柱状を呈し、端面30は、歯車4の大径側の端面42と略同一形状に形成されている。歯車4が、冷却槽内に投入される際には、整流部3は、歯車4の大径側の端面42に、例えば磁石である連結手段6を介して、歯車4と同心配置される。
冷却槽内に投入される際に、歯車4の端面41、端面42、および側面40の表面近傍において、擾乱流が生じ得る。該擾乱流を抑制し、流れを滑らかにする整流手段が設けられていない場合について、図2を用いて説明する。なお、図2および以下の説明に用いる部材名および符号は、説明の便宜のため、焼入れ用治具以外は、図1および上記の説明に示したものと同一とする。また、以下に示す冷却槽は、単に歯車4および以下に示す焼入れ用治具1を投入するに足りる容積を有する容器である。また、冷却用液体は油である。
図2は、整流手段が設けられていない焼入れ用治具6にセットされた歯車4が冷却槽内に投入された状態を示す概略図である。図に示す焼入れ用治具6は、棒状を呈する磁石であり、歯車4の小径側の端面41と連結され、歯車4を、図示しない冷却槽の床7上に、端面41および端面42が略水平となるように設置している。
投入時において歯車4は、通常、高温状態にあるため、歯車4の表面近傍の油が、沸騰されて鉛直上方へ移動し、この移動が生じた箇所へ下方の油が新たに移動してくることより、歯車4の周辺には、歯車4の下方から生じ、鉛直上方に向かう油の上昇流Aが発生する。
この上昇流Aの流れに対し、端面41は、直角に交差する面であるため、上昇流Aを乱す面となり、端面41の表面近傍において、擾乱流Bが生じ得る。
また、側面40の表面近傍の上昇流Aは、側面40にガイドされて流れるが、該上昇流Aは、側面40の上端を通過後、ガイドされる手段が失われることにより、端面42の表面近傍に擾乱流Cが生じ得る。
以上の擾乱流が発生した場合には、端面41および端面42において冷却むらが生じ得る。また、この擾乱流により、歯車4の上下の端部付近に位置する側面40の表面近傍における上昇流も乱されて、擾乱流Dが発生し得る。このため、側面40においても、冷却むらが生じ得る。これは、特に、製品精度が求められる歯面の品質の低下を生じさせるものである。
上記の擾乱流を抑制させて、歯車4の表面近傍の流れを調整するための整流部を有する焼入れ用治具1を、歯車4にセットして、冷却槽内へ投入することとした。
図3は、焼入れ用治具1にセットされた歯車4が冷却槽内に投入された状態を示す概略図である。
歯車4は、図1に示すように焼入れ用治具1にセットされた状態で、図示しない冷却槽内に、整流部2が下方に位置するように投入されている。
まず、整流部2の作用について述べる。
上記したように、上昇流Aは歯車4の下方において発生する。歯車4の下方に、整流部2が取り付けられていることにより、上昇流Aは、流れの発生箇所において整流部2の側面21にガイドされて流れることとなる。ここで、整流部2の側面21が歯車4の側面40と略同じ角度に傾斜していることから、上昇流Aは、発生箇所である歯車4の下方から歯車4の側面40に沿う方向に流れることとなる。また、歯車4の端面41と整流部2の端面20とが略同形状を呈していることから、当該上昇流Aは、整流部2の側面21にガイドされた後、引き続き歯車4の側面40にガイドされて流れることとなり、端面41の表面近傍において擾乱流は発生しない。
また、歯部40aと歯部21aとは歯筋方向が略平行であることより、上昇流Aは、側面40の傾斜に沿って流れるとともに、歯部40aの歯筋方向に沿って流れることになる。
次に、整流部3の作用について述べる。
歯車4の端面42と整流部3の端面30とが略同形状を呈していることより、側面40にガイドされた上昇流Aは、引き続き整流部3の側面31にガイドされて流れるために、端面42の表面近傍に擾乱流は発生しない。
よって、端面41および端面42の表面近傍において擾乱流が発生しないことより、歯車4の上下の端部付近に位置する側面40の表面近傍においても、擾乱流は発生しない。
なお、連結部5および連結部6の長手方向の長さは、整流部2および歯車4および整流部3の各側面による上昇流のガイドの連携が失われないためにも、可能な限り短くすることが好ましい。さらに、焼入れ用治具と歯車を連結する手段は、整流部2および整流部3とが上記の作用を発揮し得る位置に維持可能とするものであれば、連結部5および連結部6以外のいかなるものであってもよい。加えて、冷却槽内に投入された被処理物の上下端面に冷却のムラが発生しても支障ないと判断される場合には、被処理物に整流部2および整流部3を直接取り付けることとしてもよい。この場合には、端面41および端面42に擾乱流が起こり得ないために、被処理物の側面部の表面近傍にも擾乱流が生じない。また、該焼入れ用治具を歯車に取り付ける手段は、磁力によるものが考えられる。
次に、第1の実施形態における焼入れ用治具1による効果を述べる。
整流部2および整流部3を連結して、歯車4を冷却槽内に投入することによって、端面41、端面42、および側面40の表面近傍の流れは擾乱流を生ずることなく、所定の方向に流されることにより、滑らかな流れとなる。よって、歯車4は冷却ムラが生じることなく冷却されて、歯車4の品質が向上する。
また、側面40の表面近傍における冷却用液体の流れは、歯部40aの歯筋に沿った流れとすることが出来、凹凸形状を呈する歯部に対しても冷却を均一に施すことが可能となる。
また、整流手段である整流部1および整流部2を焼入れ用治具1に設けることにより、既存の設備の改造や、焼入油量を増加させることもない。
次に、本発明の第2の実施形態について述べる。
冷却槽内における空間の有効活用のために、かさ歯歯車を、治具を用いて鉛直方向に複数積み上げ、冷却槽内に投入することが考えられる。この場合、焼入れ用治具は、かさ歯歯車の中空部に挿入可能な形状を呈し、当該焼入れ用治具をかさ歯歯車の中空部に挿入することにより、当該焼入れ用治具の外周部に、前記かさ歯歯車を複数積み上げるものが考えられる。第2の実施形態における焼入れ用治具8も、この種の治具に該当する。
以下に、焼入れ用治具8の構成について述べる。
図4は、本発明の第2の実施形態における焼入れ用治具8の斜視図である。
焼入れ用治具8は、軸心に沿って中空部を有する所定のかさ歯歯車9を焼入れるための焼入れ用治具であり、タワー部80とプレート部81とに大別される。
タワー部80の外周部分は、かさ歯歯車9の中空部の内面の近くで軸方向に略沿って配置された3本のコの字状を呈する第1の棒状物801の軸部801a(棒状部材)により形成され、長手方向の両端部を、第1の棒状物801の折り曲げ部801bと、当該折り曲げ部801bの端部が接合される第1の接合部802および第2の接合部803と、により形成される。なお、隣り合う第1の棒状物801の間の角度は、120°である。
第1の接合部802には、凹部802aが設けられ、また、第2の接合部803には、断面形状が凹部802aと同一とされた凸部803aが設けられている。
また、各第1の棒状物801には、かさ歯歯車9の中空部に挿入可能な形状を呈し、中央部に穴804aが設けられる2枚の板804(板)が接合されており、各板804は、第1の接合部802の方へ凸形状を呈している。この凸形状の傾斜角度は所定の値とされるが、説明の便宜のため後述することとする。
プレート部81は、中心部に、第2の接合部803の凸部803aに嵌合可能である凹部810aを有する第3の接合部810が設けられ、第3の接合部810から、4本の第2の棒状物811が放射状に伸延され、伸延方向の端部が、枠812に接合されている。
上記の構成を有する焼入れ用治具8は、凸部803aと凹部810aとが嵌合することによりプレート部81とタワー部80が一体とされて組み立てられる。
焼入れ用治具8が組み立てられ、外周部にかさ歯歯車9が積み重ねられた状態を、図6に示している。組み立てられた状態において、板804は、プレート板81と反対の方へ凸形状を呈することとなり、凸形状に傾斜する角度、すなわち水平面に対する傾斜角度は、かさ歯歯車9の歯部90のフェース角度よりも、10度程度上向くこととされる。
上記したように、かさ歯歯車9の冷却にあたり、冷却むらを低減させるためには、かさ歯歯車9の表面近傍に、滑らかな流れさせる整流手段を設けることが必要である。
ここで、積み重ねられたかさ歯歯車9の冷却をするにあたり、歯部90の表面近傍において、冷却用液体の流れは所定の方向へ向かって流れ得ないことが生じ得る。ここで、当該歯部90の表面近傍の流れを調整するための整流手段が設けられていない焼入れ用治具を用いた場合について、図5を用いて説明する。なお、図5および以下の説明に示す焼入れ用治具は、第2の実施形態と異なるが、説明の便宜のため、部材名および符号は、図4および上記の説明に示すものと同一とする。また、以下に示す冷却槽は、第1の実施形態と同様、単にかさ歯歯車9および以下に示す焼入れ用治具10を投入するに足りる容積を有する容器である。また、冷却用液体は油である。
図5は、整流手段が設けられていない焼入れ用治具10の外周部に積み上げられたかさ歯歯車9が、冷却槽内に投入された状態を示す斜視図である。
焼入れ用治具10の構成は、焼入れ用治具8の板804に代えて、かさ歯歯車9を支持する第1の棒状物の軸部を補強するために、軸部801aに接合される補強部100が設けられている以外は、焼入れ用治具8と同じである。
図に示す状態において、各かさ歯歯車9における歯部90は、上に位置する他のかさ歯歯車9の底面91との間のすき間200に介在する油により冷却される。
また、高温状態にあるかさ歯歯車9を、冷却槽内に投入すると、各かさ歯歯車9の表面近傍の油は沸騰されて鉛直上方に向かって上昇流が発生する。各かさ歯歯車9の表面近傍より発生した上昇流は、積み上げられたかさ歯歯車9の外側の上昇流Eと、中空部とに生じる上昇流Fとの2つの大きな上昇流に集約される。
歯部90の表面近傍の領域、すなわち、すき間200は、この2つの大きな上昇流の流れの延長から外れるために、すきま200における油の流れは、所定の方向に流れるように方向付けられたものではない。これにより、歯部90は、冷却ムラが生じ得て、品質が低下されることが生じ得る。
このため、すきま200における油の流れを調整するための整流手段として板804を焼入れ用治具8に設けている。
以下に、第2の実施形態における焼入れ用治具8の作用について述べる。
図6は、焼入れ用治具8の外周部に積み上げられたかさ歯歯車9が冷却槽内に投入された状態を示す斜視図である。
焼入れ用治具8により積み上げられたかさ歯歯車9を冷却槽内に投入すると、上記と同じく、沸騰により油の上昇流が生じるが、中空部に生じる上昇流Fは、流通路中に存在する穴804aにより、流路断面が部分的に絞られて、速度が高められることとなる。このように、上昇流Fの流速が高められると、かさ歯歯車9の中空部と外側部との間に圧力差が生じるため、外側部の油は、中空部へ吸引されて、すき間200に、流れGを生じさせる。
また、板804は、プレート部81と反対側へ向かって凸形状を呈している、すなわち上昇流Fの下流方向へ凸形状を呈していることから、上昇流Fの流れを穴804aに集約させることにより、速度が高められることを助長するとともに、板804が呈する凸形状の傾斜角は、歯部90のフェース角度よりも10°程度上向いていることにより、すきま200に流れ込む油の流れは、歯部90のフェースの傾斜に略沿った方向に向かうこととなる。
以上により、歯部90の全周にわたる表面近傍の油は、所定の方向に滑らかに流されることとなる。
焼入れ用治具8の効果について述べる。
かさ歯歯車9の歯部90の表面近傍における流れを、所定の方向へ向かわせることにより、かさ歯歯車9は、冷却が均一とされ、品質が向上する。
また、かさ歯歯車9の表面近傍を流れる油の速度が高められることから、冷却時蒸気膜段階の時間が短くなり、焼入強烈度が向上する。このため、焼入硬さが確保しやすい。
また、凹部802aと凸部803aとの断面形状が同一であることにより、他の焼入れ用治具8のタワー部80を、さらに積み上げることが可能であることから、1ロッドにおけるかさ歯歯車9の冷却処理枚数の向上が図られる。
なお、上記に示した冷却槽は、例えば、アジテータなどを用いて人為的に冷却槽内に流れを生じさせるものとすることも可能である。
本発明は、上記の実施形態のみに限定されず、特許請求の範囲内において、種々改変することができる。
本発明の第1の実施形態における焼入れ用治具が歯車に対してセットされた状態を示す斜視図である。 整流手段が設けられていない焼入れ用治具にセットされた歯車が冷却槽内に投入された状態を示す概略図である。 焼入れ用治具にセットされた歯車が冷却槽内に投入された状態を示す概略図である。 本発明の第2の実施形態における焼入れ用治具の斜視図である。 整流手段が設けられていない焼入れ用治具の外周部に積み上げられたかさ歯歯車が、冷却槽内に投入された状態を示す斜視図である。 焼入れ用治具の外周部に積み上げられたかさ歯歯車が冷却槽内に投入された状態を示す斜視図である。
符号の説明
1,8 焼入れ用治具、
2,3 整流部(整流手段)、
4 歯車(被処理物)、
9 かさ歯歯車(被処理物)、
801a 軸部(棒状部材)、
804 板(整流手段)。

Claims (10)

  1. 冷却用液体を収容した冷却槽内に焼入れのために投入された被処理物の表面近傍に生じる前記冷却用液体の流れのうちの少なくとも一部を調整するための整流手段を有することを特徴とする焼入れ用治具。
  2. 前記被処理物は、軸心に沿って中空部を有するかさ歯歯車であって、
    前記整流手段は、前記冷却槽内に投入された前記かさ歯歯車の中空部を通過する冷却用液体の流れの速度を高めることを特徴とする請求項1に記載の焼入れ用治具。
  3. 前記かさ歯歯車の中空部内に略軸方向に沿って配置され得る複数の棒状部材が設けられ、
    前記整流手段は、前記各棒状部材に接合され、前記はす歯歯車の中空部に挿入可能な中央部に穴が設けられた板を有することを特徴とする請求項2に記載の焼入れ用治具。
  4. 前記板は、複数設けられていることを特徴とする請求項3に記載の焼入れ用治具。
  5. 前記板は、前記冷却槽内に投入された前記かさ歯歯車の中空部を通過する冷却用液体の流れの下流方向に凸形状を呈することを特徴とする請求項3または4に記載の焼入れ用治具。
  6. 前記被処理物は、軸方向の一方から他方に拡径する形状を有し、
    前記整流手段は、軸方向の一方から他方に前記被処理物が拡径する割合と略同一の割合で拡径する形状を有し、
    前記整流手段の大径側の端面は、前記被処理物の小径側の端面と略同一形状に形成されるとともに、前記被処理物の小径側の端面に対向し得ることを特徴とする請求項1に記載の焼入れ用治具。
  7. 前記被処理物は、軸方向の一方から他方に拡径する形状を呈し、
    前記整流手段の端面は、前記被処理物の大径側の端面と略同一形状に形成されるとともに、前記被処理物の大径側の端面に対向し得ることを特徴とする請求項1に記載の焼入れ用治具。
  8. 前記被処理物は側面に歯部が設けられる歯車であって、
    前記整流手段は、側面に、前記歯車の歯部と、歯筋方向が略平行である歯部が設けられることを特徴とする請求項6に記載の焼入れ用治具。
  9. 冷却用液体を収容した冷却槽内に焼入れのために投入された被処理物の表面近傍に生じる前記冷却用液体の流れのうちの少なくとも一部を調整する整流段階を有する焼入れ方法であって、
    前記被処理物は、軸心に沿って中空部を有するかさ歯歯車であり、
    前記整流段階は、前記冷却槽内に投入された前記かさ歯歯車の中空部を通過する冷却用液体の流れの速度を高める段階であることを特徴とする焼入れ方法。
  10. 冷却用液体を収容した冷却槽内に焼入れのために投入された被処理物の表面近傍に生じる前記冷却用液体の流れのうちの少なくとも一部を調整する整流段階を有する焼入れ方法であって、
    前記被処理物は、軸方向の一方から他方に拡径する形状を有し、
    前記整流段階は、軸方向の一方から他方に前記被処理物が拡径する割合と略同一の割合で拡径する形状を有し大径側の端面が前記被処理物の小径側の端面と略同一形状に形成された整流手段を、前記被処理物の小径側の端面に対向させる段階であることを特徴とする焼入れ方法。
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