JP2003164984A - レーザ加工装置及びレーザ加工方法 - Google Patents

レーザ加工装置及びレーザ加工方法

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JP2003164984A
JP2003164984A JP2001364448A JP2001364448A JP2003164984A JP 2003164984 A JP2003164984 A JP 2003164984A JP 2001364448 A JP2001364448 A JP 2001364448A JP 2001364448 A JP2001364448 A JP 2001364448A JP 2003164984 A JP2003164984 A JP 2003164984A
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laser beam
laser
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mask
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JP2001364448A
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Yasuyuki Miyamoto
康行 宮本
Toru Murai
融 村井
Masaru Kaneoka
優 金岡
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Mitsubishi Electric Corp
Original Assignee
Mitsubishi Electric Corp
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 切断面粗さの悪化、ガウジング等のレーザ加
工における加工不良の抑制が達成でき、安定して高品質
加工を行うことのできるレーザ加工装置を得ることを目
的とする。 【解決手段】 レーザビームを加工レンズ5などの集光
光学部品を用いて被加工物6表面に集光スポットを形成
して加工を行うレーザ加工装置において、上記レーザビ
ームを被加工物に照射するノズル4部分に、上記レーザ
ビームのすそのの部分を上記被加工物表面側に反射させ
るマスクを設けた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、レーザビームを利
用して金属や非金属を切断、溶接、熱処理などのレーザ
加工を行うレーザ加工装置及び加工方法に係わるもので
ある。
【0002】
【従来の技術】レーザ加工における切断性能は、レーザ
ビームの出力、被切断材料に対するレーザビームの焦点
位置、アシストガス圧力、被切断材料表面とレーザビー
ムノズル先端の距離、等の運転状況に左右され、また材
料の種類、表面状態、品質、組成、厚み等の材料の条件
にも依存する。レーザ加工装置は、このような運転条件
や材料の条件に対して広い裕度を持ち、安定した加工品
質が得られることが求められる。特に、ステンレスや鋼
などの切断においては、被切断材料の切断品質はレーザ
ビームの特性及びアシストガス噴流により、決定される
ことが大きい。即ち、被切断材料表面のレーザビームが
安定しているほど切断面品質が向上し、さらに、ビーム
の不安定さによるガウジング(レーザビームが被切断材
料を貫通できなくなり、切断面品質が損なわれる現象)
などの加工不良が発生しにくくなる。以上の見地に立
ち、レーザ発振器や加工ヘッドについて様々な改良が施
されてきた。
【0003】図11は、例えば特開平4−251688
号公報に示された従来の従来のレーザ加工方法に用いら
れるレーザ加工装置を示した装置構成図である。レーザ
発振器1から出力されたレーザビーム2は、反射鏡3に
よって曲げられた後、集光ノズル4A内の集光レンズ5
によって集光され、ワーク6に焦点を結ぶように照射さ
れる。ワーク6の表面は、その照射により高温度にな
り、その高温度により切断等のレーザ加工が行われる。
そのレーザ加工時には、アシストガス7が導入口から供
給される。アパーチャ8が集光ノズル4Aの先端部に設
けられ、このアパーチャ8によって、レーザビーム2の
外周部はノズル内に反射されることにより遮蔽される。
アパーチャ8は鋭角状縁部8aを有しており、この鋭角
状縁部8aによってレーザビームの一部は反射光とな
り、外周部の遮蔽が効果的にかつ確実に行われる。
【0004】特開平4―251688号公報に示される
従来のレーザ加工機は、レーザビーム1の外周部を集光
点付近で遮断させる方法で、すその部分を据切りさせる
ことにより、すそのが切り立った強度分布に変化させ、
切断境界部を明確化し、切断面の加工精度を向上させて
いる。
【0005】また、一般的なレーザ加工装置において、
最適なレーザビーム特性を得るためには、レーザビーム
を出射するレーザ発振器内にマスクを挿入させたり、前
記レーザ発振器と集光光学系の間にマスクを挿入するこ
とにより、加工レンズなどの集光光学系に入射する前の
レーザビーム特性を変化させている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】従来のレーザ加工装置
では、以上のように構成されているので、レーザビーム
をすそのが切り立った強度分布に変化させ、切断境界部
を明確化し、切断面の加工精度を向上させているが、そ
の分アパーチャから出射され、被加工物に照射されるレ
ーザビームエネルギが減少してしまう。このレーザビー
ムエネルギーの減少は、加工速度の低下を招き、加工速
度の低下にともなう切断面粗さが増大するなど、加工性
能の悪化につながるという問題点があった。例えば、図
12は、被加工物表面上に照射されるレーザ出力の大き
さと加工性能を示した図であり、縦軸は加工速度(mm
/min)、横軸は切断面粗さRmax(μm)を示し
ている。この図に示される如く、被加工物表面上で得ら
れるレーザ出力が大きいほど、加工速度が大きく、ま
た、加工速度が大きいほど、切断面粗さが小さい良好な
切断性能が得られる。また、アパーチャにより反射され
た高エネルギのレーザビームがアパーチャに吸収される
ことで、アパーチャが高温となり、最悪溶融してしまう
という問題点があった。
【0007】また、一般に金属材料のレーザ切断特性
は、レーザビーム径、レーザビームの形状やエネルギ分
布等のレーザビームの特性に大きく依存し、加工品質に
大きく影響を及ぼす。例えば、ステンレス鋼の板厚12
mmの切断においては、あるレーザビーム径において、
最も良好な加工品質が得られる。図13は、被加工物近
傍のエネルギの強度分布の異なる特性をもつレーザビー
ムAとBの加工品質差を示した図であり、グラフの縦軸
は切断面粗さRmax(μm)、横軸は被加工物の板厚
(mm)である。被加工物の板厚の増大とともに切断面
粗さは増加するが、ビームモードAの切断面粗さがビー
ムモードBに比べて下回っている。ビームモードAはビ
ームモードBに比べてエネルギの分布が均一であり、す
そのの傾きが急である。
【0008】また、金属材料のレーザ切断特性は、アシ
ストガス条件にも大きく依存している。アシストガス
は、レーザビームのエネルギにより高温に加熱された溶
融金属を吹き飛ばす役目をはたしているが、切断中には
2.0mm未満の切断溝幅の中に常に必要量のアシスト
ガスを供給する必要がある。例えば、集光されたレーザ
ビームスポット径は1.0mm以下であり、この集光レ
ーザビームの一部を反射させる場合は1.0mm未満の
ノズル径に設定する必要があるが、ステンレス鋼の板厚
12mmの切断においては、ノズル径を少なくとも1.
5mm以上にしなければ、効率よく切断溝内に必要量の
アシストガスを供給できない。
【0009】さらに、従来のレーザ加工装置におけるレ
ーザビームノズルは、最適なレーザビーム特性を得るた
めに、レーザビームを出射するレーザ発振器内にマスク
を挿入させたり、前記レーザ発振器と集光光学系の間、
つまり光路にマスクを挿入することにより、加工レンズ
などの集光光学系に入射する前のレーザビーム特性を変
化させていた。しかし、レーザ発振器内や光路中のマス
クを変更するためには、大がかりな装置の改造を必要と
する。また、レーザビームは伝搬中にその特性が変化
し、被加工物表面で最適なレーザビーム特性が得られな
いという問題がある。
【0010】本発明では、かかる問題点を解決するため
になされたものであり、切断面粗さの悪化、ガウジング
等の加工不良の抑制が達成でき、安定して高品質加工を
行うことのできるレーザ加工装置を得ることを目的とし
ている。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明に係るレーザ加工
装置は、レーザビームを集光光学部品を用いて被加工物
表面に集光スポットを形成して加工を行うレーザ加工装
置において、上記レーザビームを被加工物に照射するノ
ズル部分に、上記レーザビームのすそのの部分を上記被
加工物表面側に反射させるマスクを設けたものである。
【0012】また、集光光学部品に入射するレーザビー
ムのビーム径を変化させることにより、マスクにより被
加工物表面側へ反射される上記レーザビームのすそのの
部分の制御を行うものである。
【0013】さらに、レーザビームのビーム径の変化
は、上記レーザビームの光路中に設けた曲率可変ミラー
を用いて行うものである。
【0014】さらにまた、被加工物の加工条件データに
応じて最適なレーザビーム特性となるべく集光学部品へ
の入射ビーム径が予め登録されたデータベースを備え、
入力された加工条件に基づき上記入射ビーム径を制御す
るものである。
【0015】また、ノズル部分のマスク形状を変化させ
ることにより、マスクにより被加工物表面側へ反射され
る上記レーザビームのすそのの部分の制御を行うもので
ある。
【0016】さらに、マスク形状の変化は、ノズル部分
に回転可能に複数の径を有するマスクを設けるものであ
る。
【0017】また、マスクと集光光学部品との距離を変
化させることにより、マスクにより被加工物表面側へ反
射される上記レーザビームのすそのの部分の制御を行う
ものである。
【0018】また、ノズルは、レーザビーム及びアシス
トガスが通過する第一のノズル部と、この第一のノズル
部を囲繞する環状の第二のノズル部が形成された構造と
するものである。
【0019】さらに、第二のノズル部から噴出されるア
シストガスが、レーザビームによって加熱・溶融した被
加工物を排出させるものである。
【0020】また、本発明に係るレーザ加工方法は、レ
ーザビームを集光光学部品を用いて被加工物表面に集光
スポットを形成して加工を行うレーザ加工方法におい
て、上記レーザビームを被加工物に照射するノズル部分
にマスクを設け、上記レーザビームのすそのの部分を上
記被加工物表面側に反射させて加工を行うものである。
【0021】また、レーザビームを集光光学部品を用い
て被加工物表面に集光スポットを形成して加工を行うレ
ーザ加工方法において、被加工物の加工条件データに応
じて最適なレーザビーム特性となるべく集光学部品への
入射ビーム径を予め登録する工程と、入力された加工条
件に基づき、上記予め登録されたデータの中から最適な
入射ビーム径を選択する工程と、集光光学部品に入射す
るレーザビームのビーム径を上記選択された入射ビーム
径に変化させる工程と、ノズル部分に設けたマスクによ
り、上記レーザビームのすそのの部分を上記被加工物表
面側に反射させて加工を行う工程と、を備えたものであ
る。
【0022】
【発明の実施の形態】実施の形態1.図1は、この発明
の一実施の形態であるレーザ加工装置の概略構成を示す
図である。図において1はレーザビーム2を発振し、出
射するレーザ発振器、3はレーザ発振器1から出射され
るレーザビーム2を案内するベンドミラー、10はベン
ドミラーにより案内されたレーザビーム2が入射される
レンズ5を有した加工ヘッド、4はレンズ5によって下
方の焦点において集光されたレーザビーム2を照射(出
射)することによりワーク(被加工物)6を加工すると
ともに、アシストガス7をレーザビーム2と同軸上のレ
ーザビームの照射点に噴射するノズルである。ここで、
加工ヘッド10に付属しているノズル4は、レーザビー
ム2が良好なレーザ加工が得られるレーザビーム特性に
変化できる効果を持ったマスクの役割を果たしている。
【0023】図2はレーザビームの集光特性の概略を示
す図である。集光レンズに入射したレーザビームは、集
光レンズの曲率によって決定される焦点距離だけ進んだ
位置で、ある大きさをもったレーザビームに集光され、
集光点となる。図において、マスク入射前のレーザビー
ム特性がAであり、レーザビームのエネルギ分布のすそ
の部分がなだらかである。従来技術で説明した如く、ア
パーチャを設けて、すその部分を遮断させてすその部分
を据え切りさせることにより、すそのが切り立った強度
分布とする場合は、エネルギがアパーチャのマスク部分
に吸収される構造であるため、被加工物表面上に照射さ
れる、マスク通過後のレーザビームのエネルギ量が小さ
くなり、図2のBB'断面のエネルギ強度分布の破線の
ようになる。本発明では、このすその部分に分布するレ
ーザビームのエネルギをマスク部分により、図2の実線
の如く伝播され、集光点に反射させることにより、エネ
ルギの損失がほとんど無く、すそのが切り立ったエネル
ギ分布を得ることができる。ここで、マスク部分はレー
ザビームの反射率の高い銅、銀、金などの素材を使用す
る。マスク通過後の集光点近傍でのレーザビーム特性
は、すその部分の傾きが急であり、レーザビーム中心付
近のエネルギも増大する。
【0024】図3は、ステンレス鋼の板厚10mmにお
ける、レーザビーム特性と良好な加工品質が得られる加
工条件の関係を示す図であり、縦軸は加工速度(mm/
min)、横軸はレーザビームの加工出力(W)を示し
ている。なお、図3では、アパーチャによりすその部分
にマスクをしない場合のビームモードBと、本実施の形
態により得られるビームモードAとの関係を示してい
る。図に示される如く、レーザビームのすそのが大きい
ビームモードB場合は、加工条件裕度が狭いが、レーザ
ビームのすそのの傾きが大きく、レーザビーム中心付近
のエネルギも大きいビームモードAの場合は、加工条件
裕度が拡大し、最大加工速度も増加していることがわか
る。
【0025】本実施の形態では、すその部分を従来のマ
スクの如くカットするのではなく、反射させることによ
り、上記のようなレーザ加工能力向上のためのレーザビ
ーム特性の最適化をはかるものである。そのため、マス
ク通過後の集光点近傍でのレーザビーム特性は、エネル
ギの損失がほとんどなく、すその部分の傾きが急であ
り、レーザビーム中心付近のエネルギも増大することか
ら、被加工物への過剰な入熱がなく、効率的に被加工物
を溶融させることが可能となり、加工条件裕度の拡大や
最大加工速度の増大、また、切断面粗さの向上に有効で
ある。また、発振器内部のマスクの変更や、発振器から
集光光学部品までの光路内にマスクを挿入する必要がな
く、容易に、レーザ加工に最適なレーザビーム特性を得
ることが可能であるとともに、被加工物にレーザビーム
を照射する直前でレーザビーム特性を変化させるため、
伝搬によるビーム特性の悪化が改善できる。
【0026】実施の形態2.図4は、この発明の一実施
の形態であるレーザ加工装置の概略構成を示す図であ
る。図において、1はレーザビーム2を発振し、出射す
るレーザ発振器、3はレーザ発振器1から出射されるレ
ーザビーム2を案内する複数枚のベンドミラー、4はレ
ンズ5によって下方の焦点において集光されたレーザビ
ーム2を照射(出射)することによりワーク(被加工
物)6を加工するとともに、アシストガス7をレーザビ
ーム2と同軸上のレーザビームの照射点に噴射するノズ
ル、9はビーム径を変化させることが可能な曲率可変ミ
ラー、10はベンドミラー3及び曲率可変ミラー9によ
り案内されたレーザビーム2が入射されるレンズ5を有
した加工ヘッドである。ここで、加工ヘッド10に付属
しているノズル4は、レーザビーム2が良好なレーザ加
工が得られるレーザビーム特性に変化できる効果を持っ
た、マスクの役割を果たしている。
【0027】本実施の形態では、レーザビームの最適化
は、被加工物の材質や板厚に応じてなされるものであ
り、それは加工レンズへの入射ビーム径によって制御さ
れる。一般に、薄板加工の場合は、レーザビームの加工
出力が小さく、厚板切断の場合はレーザビームの加工出
力が大きい。このように、被加工物の材質や板厚によっ
て、加工出力などの最適条件が異なる。出力の変化とと
もに、加工レンズ入射ビーム径も変化するが、一般に
は、加工出力の増大とともに、加工レンズ入射ビーム径
も増大する。加工レンズ入射ビーム径が変化しても、加
工レンズの曲率によって決められる焦点距離の分だけ、
レーザビームが進んだ位置で集光される。ビームの進行
方向に垂直な方向の一方から、ビームの進行方向に平行
な平面にビームを投影した形をレーザビームのプロファ
イルとすると、加工レンズ入射ビーム径の変化ととも
に、レーザビームのプロファイルも変化する。例えば、
加工レンズ入射ビーム径が大きい場合は、レーザビーム
プロファイルの外周のなす角度が大きく、加工レンズ入
射ビーム径が小さい場合は小さくなる。このように、加
工レンズ入射ビーム径が変化することにより、レーザビ
ームのプロファイルが変化することから、マスクによる
レーザビームの反射量も変化する。このとき、加工レン
ズ入射ビーム径を曲率可変ミラーで制御することによ
り、マスクに反射されるレーザビーム量も制御できる。
この性質を利用することにより、加工用途に応じてレー
ザビーム特性の最適化が行なえる。
【0028】図5は、本実施の形態のレーザ加工装置の
動作説明図である。本実施の形態に係るレーザ加工装置
は、レーザ加工装置の制御装置に、被加工物の材質や板
厚の情報と、それらに使用される加工出力や加工ノズル
などの加工条件データに応じて、孔明け、切断等の加工
目的毎の被加工物上での最適なレーザビーム特性となる
よう、加工レンズ入射ビーム径の情報が制御装置のデー
タベースに予め登録されている。そのため、ユーザによ
り外部より材質や板厚の情報を入力する(ステップS
1)と、入力したデータを元にデータベース内を検索し
(ステップS2)、材質や板厚に応じた加工目的ごとの
被加工物上での最適なレーザビーム特性となるよう、最
適なビーム反射量の情報が選択される。(ステップS
3)さらに、選択されたデータベースから最適なビーム
反射量とすべく、曲率可変ミラー5の曲率を変化させ、
加工レンズ5に入射するレーザビーム2の径(加工レン
ズ入射ビーム径)が最適となるように制御する。(ステ
ップS4、ステップS5)この加工レンズ入射ビーム径
の変化により、加工レンズなどの集光光学部品から集光
点近傍までのレーザビームプロファイルが変化し、反射
量が変化する。例えば、加工レンズ入射ビーム径が大き
い場合は、マスクに反射される量は増加するが、加工レ
ンズ入射ビーム径が小さい場合は、マスクに反射される
量は減少する。つまり、加工レンズ入射ビーム径が変化
することによりマスクに入射するレーザビームの角度も
変化し、マスクに反射される量が変化する。マスクによ
ってレーザビームが集光点付近に反射されることから、
マスク通過前後での総エネルギ量は変化せず、かつ、レ
ーザビーム特性も最適化される。つまり、レーザビーム
特性は、すそのが切り立ったエネルギ強度分布となり、
被加工物への過剰な入熱がなく、効率的に被加工物を溶
融させることが可能であるため、加工条件裕度の拡大や
最大加工速度の増大、また、切断面粗さの向上に有効で
ある。また、レーザビームのマスク通過によるエネルギ
の損失がほとんどないため、エネルギ低下による加工速
度の低下が無く加工可能である。
【0029】従来のレーザ加工装置では、レーザビーム
が伝搬される間に、レーザビーム特性が変化するため、
被加工物に照射される直前で上記のようなレーザビーム
特性を得ることが難しかったが、本発明のように、ノズ
ル部分にマスクを備えたレーザ加工装置により、容易に
レーザビーム特性の最適化が行える。本実施の形態で
は、データベースの情報をもとに、各材質や板厚によっ
て最適な反射量となるような加工レンズ入射ビーム径を
変化させるので、各材質板厚に応じた、レーザビーム特
性の最適化が容易におこなえる効果がある。また、レー
ザビームモードのすその部分を反射させるため、反射さ
れるエネルギが小さく、マスクの消耗が少ない。さら
に、従来の如くマスクによりすそのの部分をカットする
のではなく反射させるので、発振器が出射したレーザの
エネルギーを効率よく使用することができる。
【0030】実施の形態3.なお、上記実施の形態2に
おいては、曲率可変ミラー5を使用して、加工レンズ入
射ビーム径を制御することにより、マスクに反射される
レーザビームの量を決定しているが、図6に示す加工ヘ
ッドのノズル部分の構造の如く、複数のマスクをもった
ノズルが、そのマスク形状を、モータ14による回転動
作により変化させることにより、レーザビームの反射量
を制御することも可能である。マスクによって反射され
るレーザビームの量を変化させることができ、加工対象
によってビーム特性を容易に変更可能である。
【0031】例えば加工対象によっては、使用する加工
条件が異なり、それによってレーザビームのプロファイ
ルや、マスクのレーザビーム反射量の最適値も異なる。
図7は、上記マスクの例を示した図であるが、図中のa
ではマスク径が大きく、図中のbではマスク径が小さ
い。このように、マスク径を変化させることにより、各
加工対象に最適なレーザビーム特性を得ることが可能と
なるため、加工条件裕度の拡大や最大加工速度の増大、
また、切断面粗さの向上に効果がある。
【0032】実施の形態4.また、上記実施の形態2に
おいては、曲率可変ミラーを使用して、加工レンズ入射
ビーム径を制御することにより、マスクに反射されるレ
ーザビームの量を決定しているが、図8のように、マス
クを備えたノズルと加工レンズなどの集光光学部品との
距離をモータで変化させることにより、レーザビームの
反射量を制御することも可能である。この場合、各加工
対象に最適なレーザビーム特性を得ることが可能となる
ため、加工条件裕度の拡大や最大加工速度の増大、ま
た、切断面粗さの向上に効果がある。
【0033】実施の形態5.良好な切断品質を得るため
には、被加工物に対して、切断溝内に流入するアシスト
ガス量が、ある範囲内である必要がある。図9は、ステ
ンレス鋼の板厚12mm切断時における、ノズルから噴
出されるアシストガス流量と切断品質(最大ドロス高
さ)を示した図であり、縦軸は最大ドロス高さ(m
m)、横軸はアシストガス流量(m/min)を示し
ている。図からわかるように、良好な品質である最大ド
ロス高さ0.2mm以内の品質を得るためには、アシス
トガス流量が0.9m/min以上でなくてはならな
い。これは各加工対象に対して、必要となるアシストガ
スの運動エネルギが存在するためである。本発明では、
図10に示すような、レーザビーム特性を最適化するた
めのノズルと、必要量のアシストガスを切断溝内に流入
させるためのノズルを併せ持つ形をとり、レーザビーム
特性の最適化と、切断溝内に流入するアシストガス条件
をアシストガス流量及び圧力を運転制御装置によりプロ
グラミング制御を行い、あらゆる加工の目的に合わせた
ビーム特性の制御が容易に行えることから、レーザ加工
の最適化が行える。
【0034】
【発明の効果】この発明は、以上に説明したように構成
されているため、切断面粗さの悪化、ガウジング等の加
工不良の抑制が達成でき、安定して高品質加工を行うこ
とができる。
【0035】また、発振器内部のマスクの変更や、発振
器から集光光学部品までの光路内にマスクを挿入する必
要がなく、容易に、レーザ加工に最適なレーザビーム特
性を得ることが可能である。
【0036】また、被加工物にレーザビームを照射する
直前でレーザビーム特性を変化させるため、伝搬による
ビーム特性の悪化が改善できる。
【0037】また、予め設定された情報をもとに、各材
質や板厚によって最適な反射量となるような加工レンズ
入射ビーム径を変化させるので、各材質板厚に応じた、
レーザビーム特性の最適化が容易におこなえる。
【0038】また、レーザビームとアシストガスが通過
するノズルと、このノズルを囲繞する環状の補助アシス
トガスノズルを一重以上設け、補助アシストガスノズル
から噴出されるアシストガスが、レーザビームによって
加熱・溶融した被加工物を排出できるので、より高品質
なレーザ加工が行える。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態1に係わるレーザ加工
装置を示す説明図である。
【図2】 レーザ加工装置のマスク近傍のレーザビーム
特性の変化を示す説明図である。
【図3】 ステンレス鋼の板厚10mmにおける、レー
ザビーム特性と良好な加工品質が得られる加工条件の関
係を示す図である。
【図4】 この発明の実施の形態2に係わるレーザ加工
装置を示す概略構成図である。
【図5】 加工物の加工工程を示す流れ図である。
【図6】 この発明の実施の形態3に係わるノズルの概
略図である。
【図7】 この発明の実施の形態3に係わるマスクの概
略図である。
【図8】 この発明の実施の形態3に係わる、ノズルの
断面図である。
【図9】 アシストガス流量と最大ドロス高さを示すグ
ラフ図である。
【図10】 この発明の実施の形態4に係わる、ノズル
の断面図である。
【図11】 従来のレーザ加工装置を示す説明図であ
る。
【図12】 被加工物表面上に照射されるレーザ出力の
大きさと加工性能を示した図である。
【図13】 被加工物近傍のエネルギの強度分布の異な
る特性をもつレーザビームAとBの加工品質差を示した
図である。
【符号の説明】
1 レーザ発振器、2 レーザビーム、3 ベンドミラ
ー、4 ノズル、5レンズ、6 被加工物、7 アシス
トガス、9 曲率可変ミラー、10 加工ヘッド。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 金岡 優 東京都千代田区丸の内二丁目2番3号 三 菱電機株式会社内 Fターム(参考) 4E068 CA07 CD01 CD05 CD15 CG01 CH03 CJ01

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 レーザビームを集光光学部品を用いて被
    加工物表面に集光スポットを形成して加工を行うレーザ
    加工装置において、上記レーザビームを被加工物に照射
    するノズル部分に、上記レーザビームのすそのの部分を
    上記被加工物表面側に反射させるマスクを設けたことを
    特徴とするレーザ加工装置。
  2. 【請求項2】 集光光学部品に入射するレーザビームの
    ビーム径を変化させることにより、マスクにより被加工
    物表面側へ反射される上記レーザビームのすそのの部分
    の制御を行うことを特徴とする請求項1に記載のレーザ
    加工装置。
  3. 【請求項3】 レーザビームのビーム径の変化は、上記
    レーザビームの光路中に設けた曲率可変ミラーを用いて
    行うことを特徴とする請求項2に記載のレーザ加工装
    置。
  4. 【請求項4】 被加工物の加工条件データに応じて最適
    なレーザビーム特性となるべく集光学部品への入射ビー
    ム径が予め登録されたデータベースを備え、入力された
    加工条件に基づき上記入射ビーム径を制御することを特
    徴とする請求項2または3に記載のレーザ加工装置。
  5. 【請求項5】 ノズル部分のマスク形状を変化させるこ
    とにより、マスクにより被加工物表面側へ反射される上
    記レーザビームのすそのの部分の制御を行うことを特徴
    とする請求項1に記載のレーザ加工装置。
  6. 【請求項6】 マスク形状の変化は、ノズル部分に回転
    可能に複数の径を有するマスクを設けることを特徴とす
    る請求項5に記載のレーザ加工装置。
  7. 【請求項7】 マスクと集光光学部品との距離を変化さ
    せることにより、マスクにより被加工物表面側へ反射さ
    れる上記レーザビームのすそのの部分の制御を行うこと
    を特徴とする請求項1に記載のレーザ加工装置。
  8. 【請求項8】 ノズルは、レーザビーム及びアシストガ
    スが通過する第一のノズル部と、この第一のノズル部を
    囲繞する環状の第二のノズル部が形成された構造とする
    こととを特徴とする請求項1乃至7何れかに記載のレー
    ザ加工装置。
  9. 【請求項9】 第二のノズル部から噴出されるアシスト
    ガスが、レーザビームによって加熱・溶融した被加工物
    を排出させることを特徴とする請求項8に記載のレーザ
    加工装置。
  10. 【請求項10】 レーザビームを集光光学部品を用いて
    被加工物表面に集光スポットを形成して加工を行うレー
    ザ加工方法において、上記レーザビームを被加工物に照
    射するノズル部分にマスクを設け、上記レーザビームの
    すそのの部分を上記被加工物表面側に反射させて加工を
    行うことを特徴とするレーザ加工方法。
  11. 【請求項11】 レーザビームを集光光学部品を用いて
    被加工物表面に集光スポットを形成して加工を行うレー
    ザ加工方法において、被加工物の加工条件データに応じ
    て最適なレーザビーム特性となるべく集光学部品への入
    射ビーム径を予め登録する工程と、 入力された加工条件に基づき、上記予め登録されたデー
    タの中から最適な入射ビーム径を選択する工程と、 集光光学部品に入射するレーザビームのビーム径を上記
    選択された入射ビーム径に変化させる工程と、 ノズル部分に設けたマスクにより、上記レーザビームの
    すそのの部分を上記被加工物表面側に反射させて加工を
    行う工程と、を備えたことを特徴とするレーザ加工方
    法。
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