JP2011205955A - 塩干品の製造方法および塩干品 - Google Patents

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Abstract

【課題】食塩を用いることなく、保存性の高い塩干品を製造する、塩干品の製造方法を提供することを課題とする。
【解決手段】本発明は、食塩以外の添加物を用いて構成された塩干品の製造方法であって、原材料Gに対して前処理を施す前処理工程S101と、前記前処理工程S101後の前記原材料Gを特定添加物にて処理する第一添加物処理工程S102とを備え、前記特定添加物が、塩化カリウムおよびクエン酸塩であり、前記第一添加物処理工程S102にて、前記塩化カリウムおよび前記クエン酸塩を用いて構成された水溶液中に、前記前処理工程S101後の前記原材料Gを浸漬する処理が行われることを特徴としている。
【選択図】図1

Description

本発明は、塩干品の製造方法および塩干品に関するものである。より具体的には、本発明は、食塩以外の添加物を使用して(すなわち、食塩を使用することなく)構成された、塩干品の製造方法および塩干品に関するものである。
近年、消費者の健康志向により、塩辛い食品あるいは甘い食品は敬遠されがちである。しかしながら、味の決め手となる調味料としては、食塩や糖類が多用されるため、食塩や糖類を含まない食品は考え難い。また、これらの添加物は、食品の品質を保持するためにも使用される。
上述したように、消費者の健康志向により塩辛い食品は敬遠されがちであるため、最近は、食塩含量を抑えた製品も見受けられる。ただし、このような商品は、保存性が低いため、それらの商品の大半が冷凍保存されている。そして、このように冷凍保存されている魚介類の塩干品については、その商品を解凍する際のドリップ(離水)の発生が問題となっている。
また、病院食等においては、一日の塩分(食塩)摂取量が制限されることがあるが、その制限内において、おいしい塩干品を食べたいという要求もある。
ところで、長崎県は、国内有数の漁獲高を誇る水産県であり、種々の魚介類が水揚げされると共に、それらの魚介類を用いた水産加工品の製造も行われている。その中で、県内産漁獲物から生産される塩干品(開き、桜干し、一夜干し、塩辛等)は、重要な水産加工品の一つとなっている。しかしながら、上述したように、消費者の健康志向の観点や、病院食に適さない等の問題があることから、塩干品は敬遠されがちであるため、これらの問題点を解決可能な塩干品の登場が望まれる。
特開平7−79739号公報
そこで、本発明は、上記従来の問題を解決するためになされたものであって、食塩を用いることなく、保存性の高い塩干品を製造する、塩干品の製造方法を提供することを課題とする。また、本発明は、上記従来の問題を解決するためになされたものであって、食塩を用いることなく製造された、保存性の高い塩干品を提供することを課題とする。
本発明の第一態様は、上記課題を解決するためになされたものであり、食塩以外の添加物を用いて構成された塩干品の製造方法であって、原材料に対して前処理を施す前処理工程と、前記前処理工程後の前記原材料を特定添加物にて処理する添加物処理工程とを備え、前記特定添加物が、塩化カリウムおよびクエン酸塩であることを特徴としている。
通常、「塩干品」を製造する場合には、塩味や旨味や食感の向上、保存性の向上等のために、食塩が使用される。しかしながら、先にも説明したとおり、食塩の使用には、健康上の理由等の種々の問題がある。また、減塩した塩干品も存在するが、これを保存するためには、冷凍保存が必要となり、その際には、新たに解凍によるドリップ(離水)の発生が問題となる。これらの問題を解決するために、本発明者らは、鋭意研究を重ね、この度の発明を想到するに至った。
すなわち、本発明の第一態様に示すように、塩化カリウムおよびクエン酸塩を添加して「塩干品」を製造することを特徴としている。
このような構成によれば、前記原材料に、塩化カリウムとクエン酸塩とによる添加物処理工程を行うと共に、前記原材料中の微生物の増殖を抑制することができる。つまり、塩化カリウムとクエン酸塩との相乗作用によって(すなわち、食塩を用いることなく、塩化カリウムで塩味を付与し、クエン酸塩と併用することで保存性を向上させることによって)、旨味を有すると共に保存性の高い塩干品を得ることができる。例えば、魚介類を原材料とする場合、10℃にて5日〜7日程度保存可能な塩干品を得ることができる。また、このような構成によれば、食塩を添加して得られた塩干品と比較して、離水抑制効果の高い(すなわち、解凍時のドリップ(離水)が少ない)塩干品を得ることができる。
本発明にかかるクエン酸塩としては、クエン酸カリウムを用いることが好ましい。なぜならば、クエン酸カリウムを用いれば、ナトリウム(食塩に含まれる)を全く添加することなく、「塩干品」を製造することができるからである。
本発明の第二態様は、上記課題を解決するためになされたものであり、食塩以外の添加物を用いて構成された塩干品の製造方法であって、原材料に対して前処理を施す前処理工程と、前記前処理工程後の前記原材料を特定添加物にて処理する第一添加物処理工程とを備え、前記特定添加物が、塩化カリウムおよびクエン酸塩であり、前記第一添加物処理工程にて、前記塩化カリウムおよび前記クエン酸塩を用いて構成された水溶液中に、前記前処理工程後の前記原材料を浸漬する処理が行われることを特徴としている。
このような構成によれば、第一態様と同様の作用効果を得ることができる。つまり、塩化カリウムとクエン酸塩との相乗作用によって、旨味を有すると共に保存性の高い塩干品を得ることができる。
また、このような構成によれば、前記第一添加物処理工程にて、前記塩化カリウムおよび前記クエン酸塩を用いて構成された水溶液中に、前記原材料を浸漬する処理(立塩法)が行われるため、前記原材料に対してより均一に、前記塩化カリウムおよび前記クエン酸塩を浸透させることができる。ここで、前記第一添加物処理工程における前記塩化カリウムおよび前記クエン酸塩の濃度や浸漬時間は、原材料の鮮度状態や大きさや脂肪含量の量等で多少異なるが、この第二態様にかかる塩干品の製造方法によれば、前記塩化カリウムが3%〜18%程度、前記クエン酸塩が10%〜40%程度含まれた水溶液が用いられることが好ましい。より好ましくは、前記塩化カリウムが5%〜10%程度、前記クエン酸塩が15%〜25%程度含まれた水溶液が用いられることである。浸漬時間は、30分〜90分程度が好ましく、より好ましくは、45分〜75分程度である。
本発明の第三態様は、上記課題を解決するためになされたものであり、食塩以外の添加物を用いて構成された塩干品の製造方法であって、原材料に対して前処理を施す前処理工程と、前記前処理工程後の前記原材料を特定添加物にて処理する第二添加物処理工程とを備え、前記特定添加物が、塩化カリウムおよびクエン酸塩であり、前記第二添加物処理工程にて、前記塩化カリウムおよび前記クエン酸塩を、前記前処理工程後の前記原材料に対して振りかける処理が行われることを特徴としている。この第二添加物処理工程においては、前記塩化カリウムおよび前記クエン酸塩は、あらかじめ粉砕混合されている。
このような構成によれば、第一態様と同様の作用効果を得ることができる。つまり、先にも説明したとおり、塩化カリウムとクエン酸塩との相乗作用によって、旨味を有すると共に保存性の高い塩干品を得ることができる。
また、このような構成によれば、前記第二添加物処理工程にて、前記塩化カリウムおよび前記クエン酸塩を前記原材料に対して直接的に振りかける処理(振塩法)が行われるため、前記塩化カリウムおよび前記クエン酸塩の使用量を最小限に抑えると共に、より高い効果(旨味付加効果、保存性向上効果等)を得ることができる。この第二添加物処理工程においても、第一添加物処理工程と同様、前記塩化カリウムおよび前記クエン酸塩の濃度や浸漬時間(振りかけ後の静置時間)は、原材料の鮮度状態や大きさや脂肪含量の量等で多少異なるが、この第三態様にかかる塩干品の製造方法によれば、原材料の重量に対して、前記塩化カリウムが0.5%〜2%程度、前記クエン酸塩が1%〜15%程度用いられることが好ましい。より好ましくは、前記塩化カリウムが1%〜1.5%程度、前記クエン酸塩が1%〜5%程度用いられることである。さらに、この第二添加物処理工程においては、前記塩化カリウムおよび前記クエン酸塩の振りかけ後の静置時間は、8時間〜24時間分程度であることが好ましい。
本発明の第四態様は、上記課題を解決するためになされたものであり、食塩以外の添加物を用いて構成された塩干品であって、前処理が施された原材料と、前記原材料を処理する特定添加物とを備え、前記特定添加物が、塩化カリウムおよびクエン酸塩であることを特徴としている。
このような構成にかかる塩干品によれば、食塩を用いることなく、保存性が高く、離水抑制効果が高い、塩干品を得ることができる。
本発明によれば、塩化カリウムとクエン酸塩(クエン酸カリウム)を用いることによって、食塩を用いることなく、保存性の高い塩干品(例えば、魚介類の塩干品)を製造する、塩干品の製造方法を得ることができる。また、本発明によれば、食塩を用いることなく製造された、保存性の高い塩干品(例えば、魚介類の塩干品)を得ることができる。
本発明の第一実施形態にかかる塩干品の製造方法に関するフロー図を示したものである。 本発明の第二実施形態にかかる塩干品の製造方法に関するフロー図を示したものである。 本発明の第三実施形態にかかる塩干品の製造方法に関するフロー図を示したものである。
以下、図面および図表等に基づき、本発明の実施形態について説明する。なお、以下の説明においては、何等かの処理が施されているか施されていないかに関わらず、塩干品の製造材料については、基本的に「原材料G」と表現する。
本発明において、「塩干品」とは、魚介類を原材料とするものに限定されず、魚介類以外の材料(例えば、野菜や果物等)を用いて製造されるものも含む概念である。また、一般的に「塩干品」とは、原材料に食塩を添加して得られるものであるが、本発明にかかる製造方法によれば、食塩を用いずに、一般的に認知されている「塩干品」と略同様の物が得られるため、「食塩以外の添加物を用いて構成された塩干品の製造方法」、「食塩以外の添加物を用いて製造された塩干品」として、本発明の実施形態を説明する。
<第一実施形態>
図1は、本発明の第一実施形態にかかる塩干品の製造方法に関するフロー図を示したものである。
この図1に示すように、本実施形態にかかる塩干品の製造方法においては、原材料Gに対して、前処理工程S101、第一添加物処理工程S102、乾燥処理工程S103、整形処理工程S104、凍結処理工程S105、包装処理工程S106、冷凍保存処理工程S107が行われる。本実施形態においては、原材料Gとして、冷凍マアジを用いる場合について説明する。
本実施形態においては、原材料Gとして冷凍マアジが用いられる。原材料Gたる冷凍マアジは、例えば、−35℃以下で急速凍結され、保存時においては、−25℃以下で冷凍保存(冷凍保管)されている。そして、この冷凍マアジは、前処理工程の前に、解凍処理が施される。この解凍処理は、流水処理あるいは自然解凍処理にて行われる。
まず、本実施形態においては、上記のように解凍処理が行われた原材料G(冷凍マアジ)に対して前処理工程S101が行われる。この前処理工程S101においては、原材料Gたる冷凍マアジに対して、腹開きあるいは背開きを行った後、鰓、内蔵、血液等の除去が行われ、洗浄処理が行われる。この際、原材料Gとして冷凍魚を用いる場合には、包丁が入る程度の半解凍状態で処理し、完全解凍前までに、洗浄処理を終了させることが好ましい。前処理工程S101中の洗浄処理においては、鰓や内蔵等を除去した魚体(以下、単に「原材料G」ともいう。)を氷水中に浸漬し、ブラシ等で魚体内部の腎臓(背わた)、汚物、腹腔の黒皮等を丁寧に取り除くことが好ましい。
次いで、前処理工程S101が行われた原材料Gに対して、第一添加物処理工程S102が行われる。この第一添加物処理工程S102においては、前処理工程S101後の原材料Gに対して、第一添加物水溶液を用いた浸漬処理が行われる。ここで、第一添加物水溶液は、塩化カリウムとクエン酸カリウム(本発明の「クエン酸塩」に相当)とを用いて構成されている。具体的には、例えば、100kgの原材料Gに対して、890Lの水を用意し、この水中に塩化カリウムを66.8kg、クエン酸カリウムを144.2kg投入する。すなわち、本実施形態においては、塩化カリウムが7.5%、クエン酸カリウムが16.2%の第一添加物水溶液を用いて、原材料Gに対する浸漬処理が行われる。本実施形態にかかる第一添加物処理工程S102においては、原材料Gが、この第一添加物水溶液中に1時間浸漬される。また、本実施形態にかかる第一添加物水溶液の温度は、0℃〜10℃程度であることが好ましい。より好ましくは、0℃〜5℃程度の第一添加物水溶液を用いることである。
この第一添加物水溶液の構成要素は、上記分量(割合)に限定されるものではなく、塩化カリウムおよびクエン酸カリウムの濃度や浸漬時間は、原材料Gの鮮度状態や大きさや脂肪含量の量等で多少異なる。したがって、本実施形態によれば、第一添加物水溶液を構成する際、塩化カリウムが3%〜18%程度、クエン酸カリウムが10%〜40%程度含まれる構成であるが好ましく、その際の浸漬時間としては、30分〜90分程度が好ましい。また、より好ましくは、塩化カリウムが5%〜10%程度、クエン酸カリウムが15%〜25%程度含まれた第一添加物水溶液が用いられることであり、その際の浸漬時間としては、45分〜75分程度が好ましい。
次いで、第一添加物処理工程S102が行われた原材料Gに対して、乾燥処理工程S103が行われる。本実施形態においては、上述した第一添加物水溶液に1時間浸漬された原材料Gに対して、20℃で90分間の乾燥処理が行われる。より具体的には、本実施形態においては、20℃で90分間の冷風乾燥処理が行われる。
この乾燥温度および乾燥時間は、原材料Gの鮮度状態や大きさや脂肪含量の量や乾燥方法等で異なる。したがって、例えば、必要に応じて、30℃〜35℃程度の温風乾燥処理を30分〜120分程度行ってもよい。
本実施形態にかかる塩干品の製造方法においては、原材料Gに上述した種々の処理を施すことによって、「塩干品」が製造される。より具体的には、上述したように、原材料Gに対して、前処理工程S101、第一添加物処理工程S102、および乾燥処理工程S103を施すことによって、「塩干品」が製造されることになる。したがって、上述した乾燥処理工程S103までの工程を経た原材料Gは、本実施形態にかかる「塩干品」となる。
ただし、「塩干品」が商品として出荷される場合には、以下のいくつかの工程が必要となる。これには、商品の外観的な問題や、出荷時期の問題等が関係する。以下、具体的に説明する。
上述した種々の工程を経て製造された塩干品に対して、次いで、整形処理工程S104が行われる。つまり、本実施形態においては、上述した20℃で90分間の冷風乾燥処理が行われた後の塩干品に対して、製品として出荷するための整形処理が行われる。この整形処理は、その商品の種類(原材料・塩干品の種類、出荷形態等)によって異なり、適宜、必要とされる態様に整形される。
次いで、整形処理工程S104が行われた塩干品に対して、凍結処理工程S105が行われる。この凍結処理工程S105においては、その後の貯蔵温度に近い温度まで、塩干品を可能な限り速く冷却することが好ましい。具体的には、例えば、−20℃〜−25℃程度にて冷凍保存する場合には、−30℃〜−35℃以下で急速凍結することが好ましい。
次いで、凍結処理工程S105が行われた塩干品に対して、包装処理工程S106が行われる。ここで、塩干品に対して包装処理工程S106を行うのは、保存時(貯蔵時)における乾燥、脂肪の酸化等、塩干品の品質低下を防止するためである。包装の方法としては、例えば、真空包装、脱酸素剤の封入、不活性ガスの注入等があげられる。
次いで、包装処理工程S106が行われた塩干品に対して、冷凍保存処理工程S107が行われる。本実施形態においては、例えば、−18℃〜−30℃程度にて冷凍保存される。
以上説明したように、本実施形態にかかる塩干品の製造方法においては、原材料Gに対して、上述した前処理工程S101、第一添加物処理工程S102、および乾燥処理工程S103を施すことによって塩干品が製造され、この塩干品を種々の条件(外観、保存期間等)を満たした商品として出荷するために、上述した整形処理工程S104、凍結処理工程S105、包装処理工程S106、および冷凍保存処理工程S107が行われる。
さて、本発明者らは、上述したように、食塩以外の添加物を用いて「塩干品」を製造する技術を確立し、その際の添加物として塩化カリウムおよびクエン酸カリウムを用いることに想到した。また、第一添加物水溶液を構成する際における塩化カリウムとクエン酸カリウムとの比率についても、鋭意研究を重ね、旨味や食感を向上させ、保存性の高い等の種々の効果を有する「塩干品」を得ることができる、適切な比率(塩化カリウムが7.5%、クエン酸カリウムが16.2%)を見い出した。
以下、より具体的に作用効果を説明する。
本実施形態にかかる塩干品の製造方法は、食塩以外の添加物を用いて構成された塩干品の製造方法であって、原材料Gに対して前処理を施す前処理工程S101と、前処理工程S101後の原材料Gを特定添加物にて処理する第一添加物処理工程S102(本発明の「添加物処理工程」「第一添加物処理工程」に相当)とを備え、特定添加物が、塩化カリウムおよびクエン酸カリウム(本発明の「クエン酸塩」に相当)であることを特徴としている。すなわち、本実施形態は、塩化カリウムおよびクエン酸カリウムを添加して「塩干品」を製造することを特徴としている。
より具体的には、本実施形態にかかる塩干品の製造方法は、食塩以外の添加物を用いて構成された塩干品の製造方法であって、原材料Gに対して前処理を施す前処理工程S101と、前処理工程S101後の原材料Gを特定添加物にて処理する第一添加物処理工程S102(本発明の「第一添加物処理工程」に相当)とを備え、特定添加物が、塩化カリウムおよびクエン酸カリウムであり、第一添加物処理工程S102にて、塩化カリウムおよびクエン酸カリウムを用いて構成された第一添加物水溶液(本発明の「水溶液」に相当)中に、前処理工程S101後の原材料Gを浸漬する処理が行われることを特徴としている。
このような構成によれば、原材料Gに、塩化カリウムとクエン酸カリウムとによる第一添加物処理工程S102を行うことにより、原材料Gの水分活性を低下させると共に、原材料G中の微生物の増殖を抑制することができる。つまり、塩化カリウムとクエン酸カリウムとの相乗作用によって(すなわち、食塩を用いることなく、塩化カリウムで塩味を付与し、クエン酸カリウムと併用することで保存性を向上させることによって)、旨味を有すると共に保存性の高い塩干品を得ることができる。本実施形態によれば、10℃にて5日程保存可能な塩干品を得ることができる。
また、このような構成によれば、食塩を添加して得られた塩干品と比較して、離水抑制効果の高い(すなわち、解凍時のドリップ(離水)が少ない)塩干品を得ることができる。
また、このような構成によれば、第一添加物処理工程S102にて、塩化カリウムおよびクエン酸カリウムを用いて構成された第一添加物水溶液中に、原材料Gを浸漬する処理(立塩法)が行われるため、原材料Gに対してより均一に、塩化カリウムおよびクエン酸カリウムを浸透させることができる。
以上説明したように、本発明の第一実施形態によれば、食塩を用いることなく、保存性の高い魚介類の塩干品を製造する、塩干品の製造方法を得ることができる。また、本発明の第一実施形態によれば、食塩を用いることなく製造された、保存性の高い魚介類の塩干品を得ることができる。
<第二実施形態>
次に、本発明の第二実施形態について説明する。図2は、本発明の第二実施形態にかかる塩干品の製造方法に関するフロー図を示したものである。
この図2に示すように、本実施形態にかかる塩干品の製造方法においては、原材料Gに対して、前処理工程S201、第二添加物処理工程S202、乾燥処理工程S203、整形処理工程S204、凍結処理工程S205、包装処理工程S206、冷凍保存処理工程S207が行われる。本実施形態においては、原材料Gとして、冷凍マアジを用いる場合について説明する。
本実施形態においては、第一実施形態と同様に、原材料Gとして冷凍マアジが用いられる。原材料Gたる冷凍マアジは、例えば、−35℃以下で急速凍結され、保存時においては、−25℃以下で冷凍保存(冷凍保管)されている。そして、この冷凍マアジは、前処理工程の前に、解凍処理が施される。この解凍処理は、流水処理あるいは自然解凍処理にて行われる。
まず、本実施形態においては、上記のように解凍処理が行われた原材料G(冷凍マアジ)に対して前処理工程S201が行われる。この前処理工程S201においては、原材料Gたる冷凍マアジに対して、腹開きあるいは背開きを行った後、鰓、内蔵、血液等の除去が行われ、洗浄処理が行われる。この際、原材料Gとして冷凍魚を用いる場合には、包丁が入る程度の半解凍状態で処理し、完全解凍前までに、洗浄処理を終了させることが好ましい。前処理工程S201中の洗浄処理においては、鰓や内蔵等を除去した魚体(以下、単に「原材料G」ともいう。)を氷水中に浸漬し、ブラシ等で魚体内部の腎臓(背わた)、汚物、腹腔の黒皮等を丁寧に取り除くことが好ましい。
次いで、前処理工程S201が行われた原材料Gに対して、第二添加物処理工程S202が行われる。この第二添加物処理工程S202においては、前処理工程S201後の原材料Gに対して、塩化カリウムおよびクエン酸カリウム(本発明の「クエン酸塩」に相当)を振りかける処理が行われる。この際、塩化カリウムおよびクエン酸カリウムは、粉砕混合されており、この粉砕混合して構成された混合添加物が、原材料Gに対して振りかけられる。具体的には、この第二実施形態においては、原材料Gの重量(前処理工程S201後の原材料Gの重量)に対して、1.0%の塩化カリウムと、2.5%のクエン酸カリウムとを粉砕混合して得られた混合添加物が原材料Gに振りかけられる。また、この第二添加物処理工程においては、上記混合添加物(1.0%の塩化カリウムと2.5%のクエン酸カリウムとを粉砕混合して混合添加物)を原材料Gに振りかけた後、16時間程度静置させる。この静置の際には、雰囲気温度としては、0℃〜10℃程度が好ましく、0℃〜5℃程度がより好ましい。
本実施形態にかかる第二添加物処理工程S202においては、塩化カリウムおよびクエン酸カリウムが粉砕混合されて混合添加物が構成されている。このような構成によれば、少量しか必要ない塩化カリウムとクエン酸カリウムとが粉砕混合されているため、より均一に原材料Gに対して、添加物(混合添加物)を振りかけることができる。
この第二添加物処理工程S202にて使用される混合添加物の構成要素は、上記分量(割合)に限定されるものではなく、塩化カリウムおよびクエン酸カリウムの濃度や静置時間は、原材料Gの鮮度状態や大きさや脂肪含量の量等で多少異なる。したがって、本実施形態によれば、混合添加物を構成する際には、原材料Gの重量に対して、塩化カリウムが0.5%〜2%程度、クエン酸カリウムが1%〜15%程度用いられる構成が好ましく、その静置時間としては、8時間〜24時間程度が好ましい。より好ましくは、塩化カリウムを0.5%〜1.5%程度、クエン酸カリウムを1%〜5%程度用いて混合添加物を構成することであり、この際の静置時間としては、12時間〜18時間程度が好ましい。
次いで、第二添加物処理工程S202が行われた原材料Gに対して、乾燥処理工程S203が行われる。本実施形態においては、上述した混合添加物を振りかけてから16時間静置された原材料Gに対して、20℃で90分間の乾燥処理が行われる。より具体的には、本実施形態においては、20℃で90分間の冷風乾燥処理が行われる。
この乾燥温度および乾燥時間は、原材料Gの鮮度状態や大きさや脂肪含量の量や乾燥方法等で異なる。したがって、例えば、必要に応じて、30℃〜35℃程度の温風乾燥処理を30分〜120分程度行ってもよい。
本実施形態にかかる塩干品の製造方法においては、原材料Gに上述した種々の処理を施すことによって、「塩干品」が製造される。より具体的には、上述したように、原材料Gに対して、前処理工程S201、第二添加物処理工程S202、および乾燥処理工程S203を施すことによって、「塩干品」が製造されることになる。したがって、上述した乾燥処理工程S203までの工程を経た原材料Gは、本実施形態にかかる「塩干品」となる。
ただし、「塩干品」が商品として出荷される場合には、いくつかの工程が必要となる。これには、商品の外観的な問題や、出荷時期の問題等が関係する。ここで必要となる工程は、図2に示した整形処理工程S204〜冷凍保存処理工程S207である。
この図2における整形処理工程S204〜冷凍保存処理工程S207は、第一実施形態における整形処理工程S104〜冷凍保存処理工程S107(図1参照)と同様である。したがって、この第二実施形態においては、これらの工程の説明を省略する。
以上説明したように、本実施形態にかかる塩干品の製造方法においては、原材料Gに対して、上述した前処理工程S201、第二添加物処理工程S202、および乾燥処理工程S203を施すことによって塩干品が製造され、この塩干品を種々の条件(外観、保存期間等)を満たした商品として出荷するために、上述した整形処理工程S204、凍結処理工程S205、包装処理工程S206、および冷凍保存処理工程S207が行われる。
さて、本発明者らは、上述したように、食塩以外の添加物を用いて「塩干品」を製造する技術を確立し、その際の添加物として塩化カリウムおよびクエン酸カリウムを用いることに想到した。また、混合添加物を構成する際における塩化カリウムとクエン酸カリウムとの比率についても、鋭意研究を重ね、旨味や食感を向上させ、保存性の高い等の種々の効果を有する「塩干品」を得ることができる、適切な比率(前処理工程S201後における原材料Gの重量に対して、塩化カリウムが1.0%、クエン酸カリウムが2.5%)を見い出した。
以下、より具体的に作用効果を説明する。
本実施形態にかかる塩干品の製造方法は、食塩以外の添加物を用いて構成された塩干品の製造方法であって、原材料Gに対して前処理を施す前処理工程S201と、前処理工程S201後の原材料Gを特定添加物にて処理する第二添加物処理工程S202(本発明の「添加物処理工程」「第二添加物処理工程」に相当)とを備え、特定添加物が、塩化カリウムおよびクエン酸カリウム(本発明の「クエン酸塩」に相当)であることを特徴としている。すなわち、本実施形態は、塩化カリウムおよびクエン酸カリウムを添加して「塩干品」を製造することを特徴としている。
より具体的には、本実施形態にかかる塩干品の製造方法は、食塩以外の添加物を用いて構成された塩干品の製造方法であって、原材料Gに対して前処理を施す前処理工程S201と、前処理工程S201後の原材料Gを特定添加物にて処理する第二添加物処理工程S202(本発明の「第二添加物処理工程」に相当)とを備え、特定添加物が、塩化カリウムおよびクエン酸カリウムであり、第二添加物処理工程S202にて、塩化カリウムおよびクエン酸カリウムを、前処理工程S201後の原材料Gに対して振りかける処理が行われることを特徴としている。この第二添加物処理工程S202においては、塩化カリウムおよびクエン酸カリウムを粉砕混合して構成された、混合添加物が用いられる。
このような構成によれば、原材料Gに、塩化カリウムとクエン酸カリウムとによる第二添加物処理工程S202を行うことにより、原材料G中の微生物の増殖を抑制することができる。つまり、塩化カリウムとクエン酸カリウムとの相乗作用によって(すなわち、食塩を用いることなく、塩化カリウムで塩味を付与し、クエン酸カリウムと併用することで保存性を向上させることによって)、旨味を有すると共に保存性の高い塩干品を得ることができる。本実施形態によれば、10℃にて7日程保存可能な塩干品を得ることができる。
また、このような構成によれば、食塩を添加して得られた塩干品と比較して、離水抑制効果の高い(すなわち、解凍時のドリップ(離水)が少ない)塩干品を得ることができる。
また、このような構成によれば、第二添加物処理工程S202にて、塩化カリウムおよびクエン酸カリウムを原材料Gに対して直接的に振りかける処理(振塩法)が行われるため、塩化カリウムおよびクエン酸カリウムの使用量を最小限に抑えると共に、より高い効果(旨味付加効果、保存性向上効果等)を得ることができる。
具体的には、同量の原材料Gを用いて塩干品を製造する場合、第二実施形態は、第一実施形態の70分の1程度の塩化カリウムおよびクエン酸カリウムを用いるだけで、第一実施形態と同様の効果を得ることができる。具体的には、例えば、100kgの原材料Gを処理する場合、第一実施形態においては塩化カリウムが66.8kg程度、クエン酸カリウムが144.2kg程度必要となるが、第二実施形態においては塩化カリウムが1.0kg程度、クエン酸カリウムが2.5kg程度でよい。
以上説明したように、本発明の第二実施形態によれば、食塩を用いることなく、保存性の高い魚介類の塩干品を製造する、塩干品の製造方法を得ることができる。また、本発明の第二実施形態によれば、食塩を用いることなく製造された、保存性の高い魚介類の塩干品を得ることができる。
<第三実施形態>
次に、本発明の第三実施形態について説明する。図3は、本発明の第三実施形態にかかる塩干品の製造方法に関するフロー図を示したものである。
この図3に示すように、本実施形態にかかる塩干品の製造方法においては、原材料Gに対して、前処理工程S301、第二添加物処理工程S302、整形処理工程S304、凍結処理工程S305、包装処理工程S306、冷凍保存処理工程S307が行われる。本実施形態においては、原材料Gとして、冷凍マアジを用いる場合について説明する。
さて、本実施形態は、基本的に第二実施形態と略同様の構成を有している。異なるのは、乾燥処理工程を有しない点と、第三添加物処理工程S302である。したがって、以下の説明においては、第二実施形態と同様の部分については、その説明を割愛する。
上述したように、本実施形態にかかる前処理工程S301は、第二実施形態(前処理工程S201)と同様である。したがって、その説明は割愛し、その後の第三添加物処理工程S302について説明する。
本実施形態においては、前処理工程S301が行われた原材料Gに対して、第三添加物処理工程S302が行われる。この第三添加物処理工程S302においては、前処理工程S301後の原材料Gに対して、塩化カリウムおよびクエン酸カリウム(本発明の「クエン酸塩」に相当)を振りかける処理が行われる。この際、塩化カリウムおよびクエン酸カリウムは、粉砕混合されており、この粉砕混合して構成された混合添加物が、原材料Gに対して振りかけられる。具体的には、この第三実施形態においては、原材料Gの重量(前処理工程S301後の原材料Gの重量)に対して、1.0%の塩化カリウムと、15.0%のクエン酸カリウムとを粉砕混合して得られた混合添加物が原材料Gに振りかけられる。また、この第三添加物処理工程においては、上記混合添加物(1.0%の塩化カリウムと15.0%のクエン酸カリウムとを粉砕混合した混合添加物)を原材料Gに振りかけた後、16時間程度静置させる。この静置の際には、雰囲気温度としては、0℃〜10℃程度が好ましく、0℃〜5℃程度がより好ましい。
本実施形態にかかる第三添加物処理工程S302においては、第二実施形態と同様、塩化カリウムおよびクエン酸カリウムが粉砕混合されて混合添加物が構成されている。このような構成によれば、少量しか必要ない塩化カリウムとクエン酸カリウムとが粉砕混合されているため、より均一に原材料Gに対して、添加物(混合添加物)を振りかけることができる。
この第三添加物処理工程S302においては、上記混合添加物(1.0%の塩化カリウムと15.0%のクエン酸カリウムとを粉砕混合した混合添加物)を原材料Gに振りかけることによって、原材料Gの効果的な脱水処理が行われることとなる。つまり、この第三実施形態によれば、乾燥処理工程を行うことなく、「塩干品」を得ることができる。このような効果を得ることができるのは、本実施形態においては、原材料Gに対して多量に振りかけて長時間維持しても、原材料Gへ味の影響が付きにくい、クエン酸カリウムを用いるからである。
本実施形態にかかる塩干品の製造方法においては、原材料Gに上述した種々の処理を施すことによって、「塩干品」が製造される。より具体的には、上述したように、原材料Gに対して、前処理工程S301、および第三添加物処理工程S302を施すことによって、「塩干品」が製造されることになる。
ただし、「塩干品」が商品として出荷される場合には、いくつかの工程が必要となる。これには、商品の外観的な問題や、出荷時期の問題等が関係する。ここで必要となる工程は、図3に示した整形処理工程S304〜冷凍保存処理工程S307である。
この図3における整形処理工程S304〜冷凍保存処理工程S307は、第二実施形態における整形処理工程S204〜冷凍保存処理工程S207(図2参照)と同様である。したがって、この第三実施形態においては、これらの工程の説明を省略する。
本実施形態にかかる塩干品の製造方法においては、原材料Gに対して、上述した前処理工程S301、および第三添加物処理工程S302を施すことによって塩干品が製造され、この塩干品を種々の条件(外観、保存期間等)を満たした商品として出荷するために、整形処理工程S304、凍結処理工程S305、包装処理工程S306、および冷凍保存処理工程S307が行われる。
さて、本発明者らは、上述したように、食塩以外の添加物を用いて「塩干品」を製造する技術を確立し、その際の添加物として塩化カリウムおよびクエン酸カリウムを用いることに想到した。また、混合添加物を構成する際における塩化カリウムとクエン酸カリウムとの比率についても、鋭意研究を重ね、乾燥処理を行うことなく、旨味や食感を向上させ、保存性の高い等の種々の効果を有する「塩干品」を得ることができる、適切な比率(前処理工程S301後における原材料Gの重量に対して、塩化カリウムが1.0%、クエン酸カリウムが15.0%)を見い出した。
その結果、第三実施形態においては、第二実施形態と略同様の作用効果を得ることができる。加えて、第三実施形態にかかる塩干品の製造方法においては、乾燥処理工程が不要であるため、塩干品を製造する際の製造時間を短縮することができる。
以上説明したように、本発明の第三実施形態によれば、食塩を用いることなく、乾燥処理工程を行わずに、保存性の高い魚介類の塩干品を製造する、塩干品の製造方法を得ることができる。また、本発明の第三実施形態によれば、食塩を用いることなく製造された、保存性の高い魚介類の塩干品を得ることができる。
<その他の実施形態>
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨に適合し得る範囲で必要に応じて種々の変更を加えて実施することも可能であり、それらはいずれも本発明の技術的範囲に含まれる。
上記実施形態においては、原材料として冷凍マアジを用いる場合について説明したが、本発明は、この構成に限定されず、必要に応じて、冷凍であるか否かに関わらず、マアジ以外の他の魚介類を用いることも可能である。
また、上記実施形態においては、魚介類(冷凍マアジ)を原材料とする塩干品、およびその製造方法について説明したが、本発明はこの構成に限定されず、必要に応じて、「他の原材料」を用いることも可能である。つまり、本発明は、食塩以外の添加物たる「塩化カリウム」および「クエン酸塩(特に、クエン酸カリウム)」を用いることを特徴とするものである。したがって、本発明においては、他の原材料として「野菜」等を用いる(すなわち、「漬物」を製造する)ことも可能である。原材料として「野菜」を用いる場合、前処理工程としては、例えば、洗浄処理、脱水処理、湯通し処理、あく抜き処理、天日干し処理等があげられる。また、野菜を用いた場合における添加物処理工程については、第一実施形態にて説明した立塩法や、第二実施形態および第三実施形態にて説明した振塩法のいずれも適用可能である。
さらに、上記実施形態においては、クエン酸塩としてクエン酸カリウムを用いる場合について説明したが、本発明は、この構成に限定されない。したがって、例えば、クエン酸塩としては、クエン酸ナトリウム、クエン酸カリウム、およびクエン酸鉄から選択された少なくとも一つのクエン酸塩を用いてもよい。
本発明によれば、塩化カリウムとクエン酸塩(クエン酸カリウム)を用いることによって、食塩を用いることなく、保存性の高い塩干品(例えば、魚介類の塩干品)を製造する、塩干品の製造方法を得ることができる。また、本発明によれば、食塩を用いることなく製造された、保存性の高い塩干品(例えば、魚介類の塩干品)を得ることができる。
すなわち、本発明によれば、消費者の健康志向に適応し、解凍時におけるドリップを低減させると共に、病院食等にも好適である、塩干品およびその製造方法を得ることができる。
G…原材料
S101…前処理工程、S102…第一添加物処理工程、S103…乾燥処理工程、S104…整形処理工程、S105…凍結処理工程、S106…包装処理工程、S107…冷凍保存処理工程
S201…前処理工程、S202…第二添加物処理工程、S203…乾燥処理工程、S204…整形処理工程、S205…凍結処理工程、S206…包装処理工程、S207…冷凍保存処理工程
S301…前処理工程、S302…第三添加物処理工程、S304…整形処理工程、S305…凍結処理工程、S306…包装処理工程、S307…冷凍保存処理工程

Claims (4)

  1. 食塩以外の添加物を用いて構成された塩干品の製造方法であって、
    原材料に対して前処理を施す前処理工程と、
    前記前処理工程後の前記原材料を特定添加物にて処理する添加物処理工程とを備え、
    前記特定添加物が、塩化カリウムおよびクエン酸塩である
    ことを特徴とする塩干品の製造方法。
  2. 食塩以外の添加物を用いて構成された塩干品の製造方法であって、
    原材料に対して前処理を施す前処理工程と、
    前記前処理工程後の前記原材料を特定添加物にて処理する第一添加物処理工程とを備え、
    前記特定添加物が、塩化カリウムおよびクエン酸塩であり、
    前記第一添加物処理工程にて、前記塩化カリウムおよび前記クエン酸塩を用いて構成された水溶液中に、前記前処理工程後の前記原材料を浸漬する処理が行われる
    ことを特徴とする塩干品の製造方法。
  3. 食塩以外の添加物を用いて構成された塩干品の製造方法であって、
    原材料に対して前処理を施す前処理工程と、
    前記前処理工程後の前記原材料を特定添加物にて処理する第二添加物処理工程とを備え、
    前記特定添加物が、塩化カリウムおよびクエン酸塩であり、
    前記第二添加物処理工程にて、前記塩化カリウムおよび前記クエン酸塩を、前記前処理工程後の前記原材料に対して振りかける処理が行われる
    ことを特徴とする塩干品の製造方法。
  4. 食塩以外の添加物を用いて構成された塩干品であって、
    前処理が施された原材料と、
    前記原材料を処理する特定添加物とを備え、
    前記特定添加物が、塩化カリウムおよびクエン酸塩である
    ことを特徴とする塩干品。
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