JP2011204289A - 不揮発性半導体記憶装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】フォーミング動作時の電流の上限値を適切に設定しつつも、フォーミング時間を短縮する。
【解決手段】メモリセルは、第1配線と第2配線との間に配置され且つ可変抵抗素子を有する。制御回路は、第1及び第2配線を介してメモリセルのフォーミング動作に必要な電圧をメモリセルに印加する。電流制限回路は、第1配線に接続されフォーミング動作時にメモリセルに流れるセル電流を所定の制限値に制限する。電流制限回路は、所定の時点におけるセル電流よりも所定の倍率だけ大きい第1電流を生成し、セル電流の値が第1電流の値以下になるよう制御する。
【選択図】図3

Description

本発明は、不揮発性半導体記憶装置に関し、より詳しくは、可変抵抗素子を備え可変抵抗素子の抵抗値の変化によりデータを記憶するメモリセルを配列してなる不揮発性半導体記憶装置に関する。
近年、半導体装置の集積度が高くなることに伴い、これを構成するトランジスタ等の回路パターンはますます微細化している。このパターンの微細化には、単に線幅が細くなるだけではなく、パターンの寸法精度や位置精度の向上も要請される。この事情は半導体記憶装置に関しても例外ではない。
従来知られており、市場にも投入されているDRAM、SRAM、フラッシュメモリ等の半導体記憶装置は、いずれもMOSFETをメモリセルに使用している。このため、パターンの微細化に伴い、微細化の比率を上回る比率での寸法精度の向上が要請されている。このため、これらのパターンを形成するリソグラフィー技術にも、大きな負荷が課せられており、製品コストの上昇要因となっている。
近年、このようなMOSFETをメモリセルとして用いる半導体記憶装置の後継候補として、抵抗変化メモリが注目されている(例えば、特許文献1参照)。たとえば、遷移金属酸化物を記録層(可変抵抗素子)としてその抵抗値状態(抵抗値の変化)を不揮発に記憶する抵抗変化メモリ(ReRAM:Resistive RAM)が知られている。
メモリセルに対するデータの書き込みは、いわゆるユニポーラ型素子においては、可変抵抗素子に所定のセット電圧Vsetを短時間印加することにより行う。これにより、可変抵抗素子が高抵抗状態から低抵抗状態へと変化する。以下、この可変抵抗素子を高抵抗状態から低抵抗状態へ変化させる動作をセット動作という。
一方、メモリセルMCに対するデータの消去は、いわゆるユニポーラ型素子においては、セット動作後の低抵抗状態の可変抵抗素子に対し、セット動作時のセット電圧Vsetよりも低いリセット電圧Vresetを長時間印加することにより行う。これにより、可変抵抗素子が低抵抗状態から高抵抗状態へと変化する。以下、この可変抵抗素子を低抵抗状態から高抵抗状態へ変化させる動作をリセット動作という。メモリセルは、例えば高抵抗状態を安定状態(リセット状態)とし、2値データ記憶であれば、リセット状態を低抵抗状態に変化させるセット動作によりデータの書き込みを行う。
このような抵抗変化メモリにおいて、メモリセル構造を形成した後、それをメモリセルとして使用可能な状態、すなわち、高抵抗状態と低抵抗状態との間で遷移可能な状態にするため、書き込み電圧よりも大きい電圧であるフォーミング電圧を印加するフォーミング動作を実行する必要がある。
このフォーミング動作におけるフォーミング電圧・電流が大きくなり過ぎると、フォーミング完了後のメモリセルの抵抗値が過度に低抵抗化したり、場合によってはメモリセルを破壊してしまったりする。特に、フォーミング動作時の電流は、フォーミング動作の前後において大きく変化するので、フォーミング時の電流の上限値を制限するなどの制御が必要である。しかし、メモリセルの特性のばらつきなどにより、フォーミング動作のために適切な電圧・電流の大きさは、メモリセル毎に異なる。従って、フォーミング時の電流の上限値は、低い値から徐々にステップアップさせる必要がある。
フォーミング動作の完了後のメモリセルの各種特性(スイッチング特性等)を向上させるためには、できるだけメモリセルの特性に合致した適切な電圧値・電流値を設定することが好ましい。そのためには、フォーミング時の電流の上限値も、できるだけ小さいステップアップ幅で増加させるのが好ましい。しかしステップアップ幅を短くすることは、フォーミング動作に要する時間を長くし、コストアップの原因になるという問題がある。このように、フォーミング動作完了後のメモリセルの特性を向上させつつ、フォーミング時間を短縮することができる抵抗変化メモリが望まれている。
特表2005−522045号公報
本発明は、フォーミング動作時の電流の上限値を適切に設定しつつも、フォーミング時間を短縮することができる不揮発性半導体記憶装置を提供することを目的とする。
本発明の一態様に係る不揮発性半導体記憶装置は、第1配線と第2配線との間に配置され且つ可変抵抗素子を有するメモリセルを配列してなるメモリセルアレイと、前記第1及び第2配線を介して前記メモリセルのフォーミング動作に必要な電圧を前記メモリセルに印加する制御回路と、前記第1配線に接続され前記フォーミング動作時に前記メモリセルに流れるセル電流を所定の制限値に制限する電流制限回路とを備え、前記電流制限回路は、所定の時点における前記セル電流よりも所定の倍率だけ大きい第1電流を生成し、前記セル電流の値が前記第1電流の値以下になるよう制御を実行することを特徴とする。
この発明によれば、フォーミング動作時の電流の上限値を適切に設定しつつも、フォーミング時間を短縮することができる。
本発明の第1の実施の形態に係る不揮発性半導体記憶装置のブロック図である。 メモリセルアレイ1の一部の斜視図である。 電流制限回路の具体的構成例を示す等価回路図である。 本発明の第2の実施の形態に係る電流制限回路106の具体的構成例を示す等価回路図である。 本発明の第2の実施の形態の動作を示すフローチャートである。
以下、図面を参照して本発明の実施形態に係る半導体記憶装置を説明する。
[第1の実施の形態]
[構成]
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る半導体記憶装置のブロック図である。この半導体記憶装置は、データを記憶するメモリセルアレイ101、メモリセルアレイ101を制御するロウデコーダ102、カラムデコーダ103、制御回路104、電源105、センスアンプ回路110を備える。
メモリセルアレイ101は、複数本のワード線3と、これらワード線3と交差する複数本のビット線4と、それらの各交差部に配置されたメモリセルMCを有する。ロウデコーダ102は、ワード線3を選択し、カラムデコーダ103は、ビット線4を選択する。制御回路104は、ロウデコーダ102、カラムデコーダ103にそれぞれロウアドレス、カラムアドレスを与え、メモリセルアレイ101中の読み書きを行うメモリセルMCを選択する。制御回路104は、選択メモリセルMCの状態に基づき、選択メモリセルMCに対する動作の開始・終了を制御する。電源105は、読み出し動作、書き込み動作、消去動作、及びフォーミング動作の、それぞれの動作に対応した所定の電圧の組み合わせを生成し、ロウデコーダ102、カラムデコーダ103、及び制御回路104に供給する。
また、センスアンプ回路110は、ビット線4に流れる電流を検知して、メモリセルMCが保持するデータを判定する機能を有する。また、センスアンプ回路110内には、電流制限回路106が設けられている。電流制限回路106は、セット動作時、フォーミング動作時において、メモリセルMCに流れるセル電流Icellが所定の上限値(制限電流Icomp)を超えないように制御する機能を有する。
図2は、図1に示したメモリセルアレイ101の一部を示す斜視図である。メモリセルアレイ101は、平行に配置された複数本のワード線3と、このワード線3と交差するように配置された複数本のビット線4と、これらワード線3及びビット線4の各交差部に配置されたユニポーラ型のメモリセルMCとを備える。メモリセルMCは、低抵抗状態と高抵抗状態の少なくとも2つの抵抗状態を遷移する可変抵抗素子1と、非オーミック素子からなる選択素子、例えばダイオード2とからなる。なお、本発明はユニポーラ型のメモリセルMCに限定されるものではなく、バイポーラ型のメモリセルMCを有する半導体記憶装置にも適用可能である。図2に示す本実施形態の半導体記憶装置は、いわゆるクロスポイント型の構成となっている。
この構成の場合、ワード線3及びビット線4は単なるラインアンドスペースのパターンとなり、ワード線3とビット線4とは直交する位置関係で足りるため、ワード線3方向及びビット線4方向のずれを考慮する必要はない。従って、製造工程においてメモリセルアレイ内の位置合せ精度を極めて緩くすることができ、容易に製造することができる。
可変抵抗素子1としては、以下に示す、PCRAM、CBRAM、及びReRAM等を用いることができる。PCRAMは、カルコゲナイド等のように結晶状態と非晶質状態の相転移により抵抗値を変化させる。CBRAMは、金属陽イオンを析出させて電極間に架橋(コンタクティングブリッジ)を形成したり、析出した金属をイオン化して架橋を破壊したりすることで抵抗値を変化させる。ReRAMは、電圧あるいは電流印加により抵抗値を変化させる。このReRAMは、電極界面に存在する電荷トラップにトラップされた電荷の存在の有無により抵抗変化が起きるものと、酸素欠損等に起因する伝導パスの存在の有無により抵抗変化が起きるものとに大別される。ReRAMの場合、その材料にZnMn、NiO、TiO、SrZrO、Pr0.7Ca0.3MnO等を用いることができる。
ユニポーラ型のReRAMの場合、メモリセルMCに対するデータの書き込みは、可変抵抗素子1に例えば3.5V(ダイオード2の電圧降下分を含めると実際には4.5V程度)のセット電圧VSETを印加し、10nA程度の電流を10ns−100ns程度の時間流すことにより行う。これにより、可変抵抗素子1が高抵抗状態から低抵抗状態へと変化する(セット動作)。
一方、メモリセルMCに対するデータの消去は、セット動作後の低抵抗状態の可変抵抗素子1に対し、0.8V(ダイオード2の電圧降下分を含めると実際には2.0V程度)のリセット電圧VRESETを印加し、1μA−10μA程度の電流を500ns−2μs程度の時間流すことにより行う。これにより、可変抵抗素子1が低抵抗状態から高抵抗状態へと変化する(リセット動作)。
メモリセルMCのリード動作は、可変抵抗素子1に0.4V(ダイオード2の電圧降下分を含めると実際には1.4V程度)のリード電圧VREADを与え、可変抵抗素子1を介して流れる電流をセンスアンプにてモニターすることにより行う。これにより、可変抵抗素子1が低抵抗状態にあるか高抵抗状態にあるかを判定する。
図1に示すメモリセルアレイ101のビット線4には、制御回路104から送られたアドレスに基づき、カラムデコーダ103を介して上述の各動作に対応した電圧(VSET、VRESET、VREAD)が印加される。
図3は、第1実施形態に係る半導体記憶装置の電流制限回路106の回路図である。電流制限回路106の入力ノードINは、メモリセルMCのセット動作に必要なセット電圧VSET、リセット動作に必要なリセット電圧VRESET、及びフォーミング動作に必要なフォーミング電圧Vform等を電源105から供給される。
出力ノードOUTは、ビット線BLに接続される。電流制限回路106は、電流ミラー回路10、電流ミラー回路20、電流ミラー回路30を備える。
電流ミラー回路10は、PMOSトランジスタ11と12を有する。PMOSトランジスタ11は、入力ノードINと出力ノードOUTとの間の電流経路50に電流経路を形成するように接続されていると共に、ダイオード接続されている。PMOSトランジスタ12は、PMOSトランジスタ11とゲートを共有している。PMOSトランジスタ11と12は、同一のサイズを有している。これにより、PMOSトランジスタ11を流れるセル電流Icellは、PMOSトランジスタ12にミラーされる。
電流ミラー回路20は、セル電流Icellに基づいて、制限電流Icomp(第1電流)を生成する回路である。具体的には、電流ミラー回路20は、所定のタイミングにおけるセル電流Icellの電流値Icellswに所定の定数(α)を乗じた電流値を有する制限電流Icomp(=α・Icellsw)を生成する回路であり、NMOSトランジスタ21、22、キャパシタ23、及びスイッチ24を備えている。
NMOSトランジスタ21は、そのドレインをPMOSトランジスタ12のドレインに接続され、ソースを接地端子に接続されている。NMOSトランジスタ21のゲート及びドレインは、スイッチ24により、短絡状態と切断状態との間で切り替えられる。
NMOSトランジスタ22は、そのゲートをNMOSトランジスタ21のゲートに接続され、ソースは接地されている。NMOSトランジスタ22は、NMOSトランジスタ21に比べα倍のサイズを有している。キャパシタ23は、その一端をNMOSトランジスタ21及び22のゲートに接続され、他端を接地端子に接続されている。
電流ミラー回路20は、スイッチ24が導通状態の間は、ミラー動作を行って、トランジスタ21に流れる電流Icellに基づいて、トランジスタ22に電流Icomp(=α・Icell)を流す。キャパシタ23が充電された後の所定のタイミングでスイッチ24が非導通状態となると、その後は、キャパシタ23が与える両端電圧により、一定の電流IcompをNMOSトランジスタ22に流し続ける。
このときの電流Icompは、スイッチ24が非導通状態に切り替わる直前のセル電流Icellの値をIcellswとした場合、α×Icellswとなる。このような固定の制限電流Icompが、電流ミラー回路30により電流経路50にミラーされて、上述の電流制限が行われる。この固定の制限電流Icompは、選択メモリセルMCのあるタイミングにおけるセル電流Icellswに比例する値を有しており、これにより、フォーミング動作時において、セル毎の特性の違いが反映された電流制御が可能になっている。
また、電流ミラー回路30は、3つのPMOSトランジスタ31〜33、スイッチ34、及びキャパシタ35を備えている。3つのPMOSトランジスタ31〜33は、スイッチ34がトランジスタ31のソースとドレインを短絡する状態に切り替わったときに、互いにカレントミラー接続された状態となり、ミラー動作を実行可能に構成されている。PMOSトランジスタ31〜33のソースは、入力ノードINに接続されている。PMOSトランジスタ31〜33のゲートは、ノードN1に共通接続されている。PMOSトランジスタ32、33のドレインは、各々、ノードN2a、N2bにおいてPMOSトランジスタ12、11のソースに接続されている。
PMOSトランジスタ31のドレインは、ノードN3において前述のトランジスタ22のドレインに接続されている。スイッチ34は、トランジスタ31のゲートとドレインの間に接続されている。スイッチ34が導通することにより、電流ミラー回路30のミラー動作が開始され、これにより、制限電流Icompが、トランジスタ33、11を含む電流経路50に流れ得る状態となる。また、キャパシタ35は、ノードN1と接地端子との間に接続されている。
次に、この半導体記憶装置のフォーミング動作を説明する。
フォーミング動作開始前の初期状態においては、スイッチ24、34はいずれもオフ状態であり、キャパシタ23、35も放電状態にある。
この初期状態から、スイッチ24がオンに切り替わり、且つ入力端子INにフォーミングに必要な電圧Vformの印加が開始されると、トランジスタ11にもセル電流Icellが流れ始める。そして、この電流Icellがトランジスタ12にミラーされる。電流Icellは、更にトランジスタ21に流れ込む。この電流Icellは、α倍のサイズを有するトランジスタ22にミラーされ、電流Icomp(=α・Icell)がトランジスタ22を流れる。
続いて、キャパシタ23が所定の両端電圧まで充電された後、所定のタイミングにおいてスイッチ24がオフに切り替わり、且つスイッチ34がオンに切り替わる。それ以後はキャパシタ23の両端電圧に従った電流Icomp(=α・Icellsw)がトランジスタ22に流れ続ける。この電流Icompは、トランジスタ31に流れ込む。この電流Icompは、スイッチ34がオンとされていることにより、トランジスタ32、33にもミラーされる。その後所定期間の間、セル電流Icellが制限電流Icomp=α・Icellswを超えないよう、電流制御がなされる。
所定期間経過後、フォーミング動作の完了が確認されない場合には、スイッチ24が再度所定期間オンとされる一方、スイッチ25がオフとされる。このスイッチ24の再度のオン動作後のセル電流Icellにより、制限電流Icompが新たに生成される。すなわち、スイッチ24の再度のオン動作後のセル電流Icellのα倍の電流値を有する制限電流Icompが新たに生成される。その後、再度スイッチ24がオフとされ(代わりにスイッチ25はオンとされ)、オフ直前におけるセル電流Icellswに基づいて、制限電流Icompの値が新たに決定される。この新たに設定された制限電流Icompに基づき、電流制限が行われる。以後、上記と同一の手順が、メモリセルのフォーミング動作の完了が検知されるまで繰り返される。
この制限電流Icompは、抵抗が低く大きなセル電流Icellを流すメモリセルMCがフォーミング動作の対象として選択された場合には、大きな値とされ、逆に、抵抗が大きく小さなセル電流Icellしか流さないメモリセルが選択された場合には、小さい値とされる。
更に、本実施の形態では、このようにメモリセルのセル電流Icellの定数倍(α倍)の制限電流Icompにより、所定時間フォーミング動作が行われた後、フォーミング動作が完了しないことが検知された場合には、再度セル電流Icellを検知して、その検知されたセル電流Icellに基づいて再度制限電流Icompを設定し、フォーミング動作が行われる。
ここで、本実施の形態のようにメモリセルの特性に応じた制限電流の設定をせず、固定的な制限電流を設定する場合を考える。この場合には、バラツキの度合に応じて制限電流を微小なステップアップ幅でステップアップさせる必要が生じる。これは、フォーミング動作に要する時間を長くし、コストアップの原因となる。
これに対し、本実施の形態では、セルの特性の違いを反映した制限電流が設定可能であり、メモリセルの破壊等を生じさせることなく、適切にしかも短時間でフォーミング動作を実行することが可能になる。
[第2の実施の形態]
次に、本発明の第2の実施の形態を、図4を参照して説明する。この第2の実施の形態の半導体記憶装置の全体構成は、第1の実施の形態と同様である。ただし、この実施の形態では、電流制限回路106とは異なる電流制限回路106’を設けており、この点において第1の実施の形態と異なっている。
図4は、本実施の形態の電流制限回路106’の構成を示す等価回路図である。
この電流制限回路106’は、フォーミング動作の開始直後において、未だセル電流Icellが微小である場合に、セル電流Icellに基づいて生成される制限電流Icomp=α・Icellに代えて、固定的な電流Iminを制限電流として用いる。この点、第1の実施の形態では、終始セル電流Icellに基づいて生成される制限電流Icomp(=α・Icellsw)を用いているのと異なっている。
この電流制限回路106’は、図4に示すように、電流ミラー回路10’、30’、電流生成回路40、OPアンプ(差動増幅回路)50、ラッチ回路60、及び電圧制御回路70を備えている。
電流ミラー回路10’及び30’は、第1の実施の形態の電流ミラー回路10、30と同一の構造を有しており、図4中のトランジスタ111、112、131〜133、スイッチ134、及びキャパシタ135は、図3中のトランジスタ11,12,31〜33、スイッチ34、及びキャパシタ35に対応するものである。
電流生成回路40は、イネーブル信号Enに従い、セル電流Icellに基づいて制限電流Icomp(=α・Icellsw)を生成する。この電流生成回路40は、図3の電流ミラー回路20と同様の構成を有していてもよい。
OPアンプ50は、入力端子の一方に、上述の固定電流Iminに基づいて生成された電圧V(Imin)、又はこの固定電流Iminの電流値を定数倍(β倍)した電流値を有する電流β・Iminに基づいて生成された電圧V(β・Imin)を入力される。また、OPアンプ50は、入力端子の他方に、上述の制限電流Icomp(=α・Icomp)に基づいて生成された電圧V(α・Icell)を入力される。そして、OPアンプ50は、この2入力端子の電圧を差動増幅し、その差動増幅信号を出力する。
ラッチ回路60は、OPアンプ50が出力した差動増幅信号に基づいて、データ”1”または”0”をラッチする。
電圧制御回路70は、ラッチ回路60の保持データに基づき、発生させる電圧を切り替える。
次に、この電流制限回路106’を用いたフォーミング動作の具体的な手順を、図5のフローチャートを参照して説明する。
まず、カラムデコーダ103を介して、ビット線4に対しフォーミング動作に必要な電圧Vformが印加される(S11)。ワード線WLには、例えば接地電圧VSS(0V)が印加される。これにより、メモリセルMCの両端に電圧が印加され、セル電流IcellがメモリセルMCに流れ始める。このセル電流Icellは、トランジスタ111から112にミラーされ、更に電流生成回路40において、制限電流Icomp(=α・Icell)が生成される。
フォーミング動作の開始当初においては、セル電流Icellは非常に小さく、従って、このような小さいセル電流Icellに基づいて生成された制限電流Icomp(=α・Icell)は、セル電流Icellの上限値としての制限電流としては小さ過ぎる。そこで、本実施の形態では、Imin>α・Icellか否かをOPアンプ50により判定し(S12)、YESである場合には、固定の電流Iminを制限電流として用いる(S13)。すなわち、固定の電流Iminがトランジスタ131〜133を流れるよう、電圧制御回路70が出力する電圧が制御される。
その後、フォーミング動作が進行し、セル電流Icellが大きくなり、Imin≦α・Icellとなると、固定電流Iminに代えて、これよりも小さい固定電流β・Imin(β<1であり、一例としてβ=0.75程度)が、α・Icellとの比較基準として用いられる(S14)。すなわち、電圧V(Imin)に代えて、電圧V(β・Imin)がOPアンプ50の1の入力端子に入力される。
その後、α・Icellがβ・Iminよりも大きい状態が続けば、そのままα・Icellを制限電流として、セル電流Icellを制御する(S16)。もし、α・Icellがβ・Iminを下回る事態が生じた場合には、再びS13に戻り、上記の制御を繰り返す。なお、電流α・Icellは、ある時点において固定値α・Icellswに切り替わる。
その後、セル電流Icellが、制限電流α・Icellswに達した場合には、フォーミング動作が完了したとして処理を終了する(S17,S19)。
一方、所定時間内にセル電流Icellがα・Icellswに達しない場合には、再びその時点でのセル電流Icellに基づき、再度制限電流Icompを設定(制限電流Icompを更新)し(S18)、再びS12から同様の動作を繰り返す。
このように、比較基準の固定電流を電流Iminから電流β・Iminに切り替えることにより、制限電流Icompが、セル電流Icellに基づいて生成される電流α・Icellと、固定の電流Iminとの間で頻繁に切り替えられる事態を回避することができる。なお、セル電流Icellの振動が少なく、ほぼ単調に増加することが見込まれる場合には、このような切り替えを行わず、固定の電流Iminとα・IcellとをOPアンプ50において常に比較するようにしてもよい。
以上、本発明の実施の形態を説明したが、本発明はこれらに限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲内において、様々な変更、追加、改変、置換、削除、組合せ等が可能である。
101・・・メモリセルアレイ、 102・・・ロウデコーダ、 103・・・カラムデコーダ、 104・・・制御回路、 105・・・電源、 MC・・・メモリセル。

Claims (5)

  1. 第1配線と第2配線との間に配置され且つ可変抵抗素子を有するメモリセルを配列してなるメモリセルアレイと、
    前記第1及び第2配線を介して前記メモリセルのフォーミング動作に必要な電圧を前記メモリセルに印加する制御回路と、
    前記第1配線に接続され前記フォーミング動作時に前記メモリセルに流れるセル電流を所定の制限値に制限する電流制限回路と
    を備え、
    前記電流制限回路は、所定の時点における前記セル電流よりも所定の倍率だけ大きい第1電流を生成し、前記セル電流の値が前記第1電流の値以下になるよう制御を実行する
    ことを特徴とする不揮発性半導体記憶装置。
  2. 前記電流生成回路は、
    前記セル電流を流す第1トランジスタと、
    前記第1トランジスタとミラー接続され前記第1電流を発生させる第2トランジスタと、
    前記第1トランジスタ及び前記第2トランジスタのゲートに一端を接続され固定電位の端子に他端を接続されるキャパシタと、
    前記第1トランジスタのドレインとゲートとの間を短絡させるか切断するかを切り替える第1スイッチと
    を備え、
    前記第1スイッチは、前記所定のタイミングにて非導通状態となり、前記ドレインとゲートを切断する
    ことを特徴とする請求項1記載の半導体記憶装置。
  3. 前記第2トランジスタと直列接続され前記第1電流を流すように構成された第3トランジスタと、
    前記第3トランジスタのドレインとゲートとの間を短絡させるか切断するかを切り替える第2スイッチと、
    前記第3トランジスタとミラー接続される第4トランジスタと
    を備え、
    前記セル電流は、前記第4トランジスタに流れる電流を上限値として制御される
    ことを特徴とする請求項2記載の半導体記憶装置。
  4. 前記第4トランジスタのゲートに一端を接続され固定電位の端子に他端を接続されるキャパシタを更に備えた請求項3記載の半導体記憶装置。
  5. 前記第1電流を、固定の第2電流と比較する比較回路を更に備え、
    前記制御回路は、前記比較回路の比較結果に基づいて、前記第1の電流又は前記第2電流のいずれか一方を前記第4トランジスタに流す制御を行う
    ことを特徴とする請求項3記載の半導体記憶装置。
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