JP2011202679A - 変速機のシフトアンドセレクトシャフトアッセンブリ - Google Patents
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Abstract
【課題】複数のインターロックプレートを備えたS&Sシャフトアッセンブリにおいて、複数のインターロックプレートの軸周りの回動を、安価に且つ精度良く規制すること。
【解決手段】このアッセンブリは、固定部材10と、2つのインナーレバー21A,21Bが形成されたS&Sシャフト20と、2つのインターロックプレート30A,30Bと、ピン40とを備える。インナーレバー21A(21B)は、インターロックプレート30A(30B)の平板状の規制部33A(33B)を軸方向に分断するスリット34A(34B)から突出している。規制部33A(33B)はインターロック機能を達成する。固定部材10に固定されたピン40がインターロックプレート30A(30B)の係合部32A(32B)と係合している。インターロックプレート30A,30Bの軸周りの回転は、共通の回転止め部材であるピン40により規制(禁止)される。
【選択図】図3
【解決手段】このアッセンブリは、固定部材10と、2つのインナーレバー21A,21Bが形成されたS&Sシャフト20と、2つのインターロックプレート30A,30Bと、ピン40とを備える。インナーレバー21A(21B)は、インターロックプレート30A(30B)の平板状の規制部33A(33B)を軸方向に分断するスリット34A(34B)から突出している。規制部33A(33B)はインターロック機能を達成する。固定部材10に固定されたピン40がインターロックプレート30A(30B)の係合部32A(32B)と係合している。インターロックプレート30A,30Bの軸周りの回転は、共通の回転止め部材であるピン40により規制(禁止)される。
【選択図】図3
Description
本発明は、車両用の変速機のケースに組付・固定されるシフトアンドセレクトシャフトアッセンブリに関する。以下、「シフトアンドセレクトシャフト」を「S&Sシャフト」と呼ぶこともある。
従来より、車両用の手動変速機のケースに組付・固定されるS&Sシャフトアッセンブリが広く知られている(例えば、特許文献1を参照)。通常、S&Sシャフトアッセンブリは、変速機のケースに固定される固定部材と、S&Sシャフトと、インターロックプレートとを備えている。以下、後述する図4に示すようなシフトパターンにおいて、シフトレバーの横方向の操作を「セレクト操作」と呼び、シフトレバーの縦方向の操作を「シフト操作」と呼ぶ。
S&Sシャフトは、シフトレバーのセレクト操作に応じて固定部材に対して軸方向に移動するように、且つ、シフトレバーのシフト操作に応じて固定部材に対して軸周りに回動するように、固定部材に支持されている。また、S&Sシャフトには、径方向外側に突出するインナーレバーが固設されている。
インターロックプレートは、S&Sシャフトの軸方向移動と共に固定部材に対して軸方向に移動し、且つ、固定部材に対して軸周りに回動不能に、固定部材及びS&Sシャフトに支持されている。インターロックプレートは、インナーレバーに対して軸方向の両側に隣接するそれぞれの位置にて軸方向に延びる規制部を備える。以下、「軸方向」を「セレクト方向」と呼び、「軸方向と直角の方向」を「シフト方向」と呼ぶこともある。
以上より、シフトレバーのセレクト操作に応じて、インナーレバーとインターロックプレート(の規制部)とは一体で固定部材に対してセレクト方向に移動する。一方、シフトレバーのシフト操作に応じて、インナーレバーは固定部材に対してシフト方向に移動する一方、インターロックプレート(の規制部)はシフト方向に移動しない。
以上説明したS&Sシャフトアッセンブリが、手動変速機のケースに組付・固定される。手動変速機の組み付け完了状態では、セレクト方向に沿って複数配置されたシフトヘッド(以下、「ヘッド」と呼ぶ。)のそれぞれが、シフト方向において、インナーレバー又はインターロックプレートの規制部と係合する。そして、シフトレバーが図4に示すような正常なパターンに沿って操作される場合(正常な操作の場合)、シフトレバーのセレクト操作により、インナーレバーと係合する対象となる1つのヘッドが選択される。
以下、或るヘッドについて「選択」とは、そのヘッドがインナーレバーと係合する対象となる状態を指す。そして、シフトレバーのシフト操作に応じて、インナーレバーが選択された1つのヘッドをシフト方向に押すことにより、ヘッドが中立位置からシフト方向に沿って移動し、対応する変速段が達成される。
選択されていない残りのヘッドはインターロックプレートの規制部と係合する。上述のように、インターロックプレート(の規制部)は、シフト方向に移動しない。従って、何らかの原因により、選択されていないヘッドに対してシフト方向の外力が加えられても、選択されていないヘッドのシフト方向への移動は規制(禁止)される。このように、インターロックプレートは、選択されていないヘッドを中立位置に固定する機能(インターロック機能)を達成している。
このように、シフトレバーが正常なパターンに沿って操作される場合(正常な操作の場合)、1つのヘッドが選択され、残りのヘッドがインターロックプレートのインターロック機能により中立位置に固定される。一方、実際には、シフトレバーが図4に示すような正常なパターンからずれたパターンで操作される場合(異常な操作の場合)も発生し得る。この場合、2つのヘッドが同時に選択され得る(二重選択状態)。しかしながら、二重選択状態が発生しても、選択された2つのヘッドのうち少なくとも1つのヘッドはインターロックプレートの規制部と係合する。
この結果、インナーレバーにより2つのヘッドがシフト方向に押されても、少なくとも一方のヘッドのシフト方向の移動が規制されることにより、インナーレバー、並びに2つのヘッドのシフト方向の移動が規制される。このように、インターロックプレートのインターロック機能によれば、二重選択状態に起因して2つのヘッドがシフト完了位置まで同時に移動する現象(以下、「二重シフト」と呼ぶ。)の発生が抑制される。
ところで、変速機の変速段の数が多い場合等、S&Sシャフトにおいて、複数のインナーレバーが互いにセレクト方向に離間して配置される場合がある。この場合において、上述したインターロック機能を確実に達成するため、複数のインナーレバーのそれぞれに対して、対応するインターロックプレートが個別に設けられる場合がある。
このように、複数のインターロックプレートが備えられる場合、複数のインターロックプレートのそれぞれを固定部材に対して軸周りに回動不能に配置する必要がある。このため、複数のインターロックプレートのそれぞれに対して同プレートの回転を止める部材を個別に設けることが考えられる。
しかしながら、この場合、部品点数の増大により製造コストが高くなる。加えて、それぞれのプレートの回転を止める複数の部材の間において回転方向(シフト方向)における相対的な位置のずれが不可避的に発生することに起因して、複数のインターロックプレート間において、回転方向(シフト方向)における相対的な位置のずれが大きくなる可能性がある。この結果、上述したインターロック機能(選択されていないヘッドを中立位置に固定する機能)が確実に達成され得ない場合が発生し得る。
以上のことを鑑み、本発明の目的は、複数のインターロックプレートを備えたS&Sシャフトアッセンブリにおいて、複数のインターロックプレートの軸周りの回動を、安価に且つ精度良く規制し得るものを提供することにある。
本発明に係るS&Sシャフトアッセンブリは、変速機のケース(ハウジング)に固定される固定部材と、S&Sシャフトと、複数のインターロックプレートとを備える。S&Sシャフトは、セレクト操作に応じて前記固定部材に対して軸方向(セレクト方向)に移動するとともにシフト操作に応じて前記固定部材に対して軸周りに回動するように配設される。S&Sシャフトには、径方向外側に突出する複数のインナーレバーが互いに軸方向(セレクト方向)に離間して固設されている。
複数のインターロックプレートは、前記S&Sシャフトの軸方向(セレクト方向)移動と共に前記固定部材に対して軸方向(セレクト方向)に移動するとともに前記固定部材に対して前記軸周りに回動不能に、且つ、前記軸方向(セレクト方向)に沿って並列に配設されている。前記各インターロックプレートは、前記複数のインナーレバーのうち対応する1つのインナーレバーに対して前記軸方向(セレクト方向)の両側に隣接するそれぞれの位置にて前記軸方向に延びる規制部を備える。
このS&Sシャフトアッセンブリでは、前記セレクト操作に応じて、前記軸方向(セレクト方向)に沿って並列に複数配置されたシフトヘッドのうち前記複数のインナーレバーのうちの1つと係合する1つのシフトヘッドが選択され得る。前記シフト操作に応じて、前記1つのインナーレバーが前記選択された1つのシフトヘッド(の凹部)を前記軸方向と直角のシフト方向に押すことにより、前記シフトヘッドが前記シフト方向に沿って移動し、対応する変速段が達成される。
前記各規制部は、前記選択されていない1つ又は複数の対応するシフトヘッドと係合することにより、前記選択されていない1つ又は複数の対応するシフトヘッドの前記シフト方向の移動を規制するインターロック機能を達成する。
このS&Sシャフトアッセンブリの特徴は、前記複数のインターロックプレートが、前記固定部材、又は「前記変速機のケース内に固定された部材」に固定されるとともに前記軸方向に延びる共通の1つの回転止め部材により、前記固定部材に対して前記軸周りに回動不能に配設されたことにある。
上記構成によれば、複数のインターロックプレートのそれぞれの回転を止めるため、共通の1つの回転止め部材が使用される。従って、上述のように「各プレートの回転を止める部材が個別に設けられる場合」に比して、部品点数が少なくなり、製造コストが低減する。加えて、それぞれのプレートの回転を止める複数の部材の間での回転方向における相対的な位置のずれの影響がなくなるので、複数のインターロックプレート間において、回転方向(シフト方向)における相対的な位置のずれが小さくなる。以上より、複数のインターロックプレートの軸周りの回動が、安価に且つ精度良く規制され得る。
上記本発明に係るS&Sシャフトアッセンブリでは、具体的には、前記各インターロックプレートは、前記1つの回転止め部材と係合する係合部を備え、前記各係合部が前記1つの回転止め部材とそれぞれ係合することにより、前記複数のインターロックプレートが前記固定部材に対して前記軸周りに回動不能に配設され得る。また、前記1つの回転止め部材としては、例えば、1本のピン、又は、1つのプレートが使用され得る。
以下、本発明の実施形態に係るS&Sシャフトアッセンブリ、並びに、このS&Sシャフトアッセンブリが組み付けられた手動変速機について図面を参照しつつ説明する。
(構成)
図1〜図3に示すように、本発明の実施形態に係るS&SシャフトアッセンブリAは、手動変速機のケース(ハウジング、図示せず)に固定される固定部材10と、S&Sシャフト20と、インターロックプレート30A,30Bと、ピン40とを備えている。図1〜図3において、微細な薄いドットで示された部分はインターロックプレート30A,30Bに対応し、微細な濃いドットで示された部分はピン40に対応している(他の図においても同様)。
図1〜図3に示すように、本発明の実施形態に係るS&SシャフトアッセンブリAは、手動変速機のケース(ハウジング、図示せず)に固定される固定部材10と、S&Sシャフト20と、インターロックプレート30A,30Bと、ピン40とを備えている。図1〜図3において、微細な薄いドットで示された部分はインターロックプレート30A,30Bに対応し、微細な濃いドットで示された部分はピン40に対応している(他の図においても同様)。
以下、図4に示すパターンでシフトレバーが操作される車両、即ち、前進用に6つの変速段、後進用に1つの変速段を備えた車両を想定する。図4に示すパターンにおいて、点oの位置を「ニュートラル位置」と呼ぶ。点a,b,c,d,e,f,gの位置をそれぞれ、「1速シフト位置」、「2速シフト位置」、「3速シフト位置」、「4速シフト位置」、「5速シフト位置」、「6速シフト位置」、「リバースシフト位置」と呼ぶ。点h,i,jの位置をそれぞれ、「LOWセレクト位置」、「HIGHセレクト位置」、「リバースセレクト位置」と呼ぶ。図4では、シフトレバーはニュートラル位置にある。以下、シフトレバーの図4における横方向の操作を「セレクト操作」と呼び、シフトレバーの図4における縦方向の操作を「シフト操作」と呼ぶ。
再び図1〜図3を参照すると、固定部材10は、ボルト及びナット等の周知の締結手段の一つを用いて、図示しない手動変速機のケースに固定される。
S&Sシャフト20は、突起部11,12と接続されたそれぞれの動力伝達部材(ワイヤ等)を介して、シフトレバー側のリンク機構と接続されている。S&Sシャフト20は、シフトレバーのセレクト操作に応じて、突起部11と接続された動力伝達部材から受ける駆動力により、固定部材10に対して軸方向に移動するように、固定部材10に支持されている。また、S&Sシャフト20は、シフトレバーのシフト操作に応じて、突起部12と接続された動力伝達部材から受ける駆動力により、固定部材10に対して軸周りに回動するように、固定部材10に支持されている。この支持態様は、S&Sシャフト20が固定部材10に対して軸方向に移動可能且つ軸周りに回動可能である限りにおいて如何なる態様であってもよい。
S&Sシャフト20には、径方向外側に突出する2本のインナーレバー21A,21Bが固設されている。S&Sシャフト20に対してインナーレバー21A,21Bが突出する方向は同じである。インナーレバー21A,21Bは、インナーレバーが形成された「S&Sシャフト本体とは別の部材」をS&Sシャフト本体に組み付けることにより、S&Sシャフト20に固設されてもよいし、1つの部材を削りだし等により加工してS&Sシャフト20に形成されてもよい。
インターロックプレート30A,30Bは、S&Sシャフト20の軸方向移動と共に固定部材10に対して軸方向に移動し、且つ、固定部材10に対して軸周りに回動不能に、固定部材10及びS&Sシャフト20に、それぞれ個別に支持されている。インターロックプレート30A(30B)は、支持部31A(31B)と、係合部32A(32B)と、規制部33A(33B)を備えている。
支持部31A(31B)は、S&Sシャフト20に対して、軸周りに相対回転可能且つ軸方向に相対移動不能に、S&Sシャフト20に支持されている。これにより、支持部31A(31B)は、インターロックプレート30A(30B)のS&Sシャフト20に対する軸方向の相対移動を規制(禁止)する機能を達成している。
係合部32A(32B)は、支持部31A(31B)に対して固設されている。係合部32A(32B)には、軸方向に平行な貫通孔が形成されている。各貫通孔にピン40が挿入されている。ピン40の上端(Z軸正方向の端)は、ピン40が軸方向に沿うように、周知の固定方法の1つ(例えば、圧入)により固定部材10に固定されている。これにより、係合部32A(32B)(及び、ピン40)は、インターロックプレート30A(30B)の固定部材10に対する軸周りの回転を規制(禁止)する機能を達成している。
規制部33A(33B)は、支持部31A(31B)に対して固設されている。規制部33A(33B)は、軸方向に沿って延びる平板状を呈している。規制部33A(33B)には、軸方向と直角の方向に延びるスリット34A(34B)が形成されている。スリット34A(34B)は、軸方向において規制部33A(33B)を分断している。
インナーレバー21A(21B)はそれぞれ、軸方向と直角方向に移動可能に、スリット34A(34B)の内部を貫通してスリット34A(34B)から突出している。即ち、規制部33A(33B)は、インナーレバー21A(21B)に対して軸方向の両側に隣接するそれぞれの位置にて軸方向に延びている。以下、「軸方向」を「セレクト方向」と呼び、「軸方向と直角の方向」を「シフト方向」と呼ぶこともある(図1〜図3を参照)。
以上、シフトレバーのセレクト操作に応じて、インナーレバー21A(21B)とインターロックプレート30A(30B)とは一体で固定部材10に対してセレクト方向に移動する。一方、シフトレバーのシフト操作に応じて、インナーレバー21A(21B)は固定部材10に対してシフト方向に移動する一方、インターロックプレート30A(30B)はシフト方向に移動しない。
(作動)
以上説明したS&SシャフトアッセンブリAが、手動変速機のケースに組付・固定される。手動変速機の組み付け完了状態では、図5に模式的に示すように、フォークシャフト51〜54にそれぞれ固定されたシフトヘッド(以下、「ヘッド」と呼ぶ。)61〜64が、セレクト方向に沿って並列に複数(この例では4つ)配置される。ヘッド61〜64はそれぞれ、3速−4速シフト用ヘッド、1速−2速シフト用ヘッド、5速−6速シフト用ヘッド、リバース用ヘッドである。各ヘッド(各フォークシャフト)について、図5に示す位置を「中立位置」と呼ぶ。図5に示す状態は、シフトレバーがニュートラル位置にある状態に対応する。
以上説明したS&SシャフトアッセンブリAが、手動変速機のケースに組付・固定される。手動変速機の組み付け完了状態では、図5に模式的に示すように、フォークシャフト51〜54にそれぞれ固定されたシフトヘッド(以下、「ヘッド」と呼ぶ。)61〜64が、セレクト方向に沿って並列に複数(この例では4つ)配置される。ヘッド61〜64はそれぞれ、3速−4速シフト用ヘッド、1速−2速シフト用ヘッド、5速−6速シフト用ヘッド、リバース用ヘッドである。各ヘッド(各フォークシャフト)について、図5に示す位置を「中立位置」と呼ぶ。図5に示す状態は、シフトレバーがニュートラル位置にある状態に対応する。
ヘッド61〜64の全てが中立位置にある状態(図5に示す状態)では、手動変速機はニュートラル状態にある。ニュートラル状態にてヘッド61(フォークシャフト51)が中立位置から図中左(右)方向にシフト完了位置まで移動すると、手動変速機が3速(4速)シフト状態となる。ニュートラル状態にてヘッド62(フォークシャフト52)が中立位置から図中左(右)方向にシフト完了位置まで移動すると、手動変速機が1速(2速)シフト状態となる。ニュートラル状態にてヘッド63(フォークシャフト53)が中立位置から図中左(右)方向にシフト完了位置まで移動すると、手動変速機が5速(6速)シフト状態となる。ニュートラル状態にてヘッド64(フォークシャフト54)が中立位置から図中右方向にシフト完了位置まで移動すると、手動変速機がリバースシフト状態となる。
なお、各フォークシャフトが移動すると、図示しないシフトフォークを介して変速段切換用の対応するスリーブが移動する。この結果、対応する変速段のギヤ列からなる動力伝達経路が形成され、対応する変速段が達成されるようになっている。係る構成としては、周知のものの一つが使用される。
ヘッド61〜64にはそれぞれ凹部が形成されている。ヘッド61,62の凹部は、シフト方向において、インナーレバー21A又はインターロックプレート30A(具体的には、規制部33A)と係合する。ヘッド63,64の凹部は、シフト方向において、インナーレバー21B又はインターロックプレート30B(具体的には、規制部33B)と係合する。そして、シフトレバーのセレクト操作により、インナーレバー21A,21Bのうちの1つと係合する対象となるヘッドが選択される。以下、或るヘッドについて「選択」とは、そのヘッドがインナーレバーと係合する対象となる状態を指す。
具体的には、シフトレバーがニュートラル位置にある場合、図5に示すように、インナーレバー21Aが1つのヘッド61と係合している。即ち、インナーレバー21Aにより、1つのヘッド61が選択される。この状態では、手動変速機はニュートラル状態にある。この状態にて、シフトレバーが3速シフト位置に操作されると、図6に示すように、インナーレバー21Aがヘッド61の凹部をシフト方向(図中左方向)に押すことにより、ヘッド61(従って、フォークシャフト51)が中立位置からシフト方向(図中左方向)に沿ってシフト完了位置まで移動する。この結果、手動変速機が3速シフト状態となる。同様に、シフトレバーがニュートラル位置から4速シフト位置に操作されると、図7に示すように、ヘッド61(従って、フォークシャフト51)が中立位置からシフト方向(図中右方向)に沿ってシフト完了位置まで移動する。この結果、手動変速機が4速シフト状態となる。
また、シフトレバーがLOWセレクト位置にある場合、インナーレバー21Aにより、1つのヘッド62が選択される。即ち、シフトレバーがLOWセレクト位置を経て1速シフト位置に操作されると、図8に示すように、選択された1つのヘッド62(従って、フォークシャフト52)が中立位置からシフト方向(図中左方向)に沿ってシフト完了位置まで移動する。この結果、手動変速機が1速シフト状態となる。同様に、シフトレバーがLOWセレクト位置を経て2速シフト位置に操作されると、図9に示すように、ヘッド62(従って、フォークシャフト52)が中立位置からシフト方向(図中右方向)に沿ってシフト完了位置まで移動する。この結果、手動変速機が2速シフト状態となる。
また、シフトレバーがHIGHセレクト位置にある場合、インナーレバー21Bにより、1つのヘッド63が選択される。即ち、シフトレバーがHIGHセレクト位置を経て5速シフト位置に操作されると、図10に示すように、選択された1つのヘッド63(従って、フォークシャフト53)が中立位置からシフト方向(図中左方向)に沿ってシフト完了位置まで移動する。この結果、手動変速機が5速シフト状態となる。同様に、シフトレバーがHIGHセレクト位置を経て6速シフト位置に操作されると、図11に示すように、ヘッド63(従って、フォークシャフト53)が中立位置からシフト方向(図中右方向)に沿ってシフト完了位置まで移動する。この結果、手動変速機が6速シフト状態となる。
また、シフトレバーがリバースセレクト位置にある場合、インナーレバー21Bにより、1つのヘッド64が選択される。即ち、シフトレバーがリバースセレクト位置を経てリバースシフト位置に操作されると、図12に示すように、選択された1つのヘッド64(従って、フォークシャフト54)が中立位置からシフト方向(図中右方向)に沿ってシフト完了位置まで移動する。この結果、手動変速機がリバースシフト状態となる。
一方、図5〜図12に示すように、選択されていない残りのヘッドの凹部はそれぞれ、インターロックプレート30A,30Bの何れか(具体的には、規制部33A,33Bの何れか)と係合している。ここで、インターロックプレート30A,30Bは、シフト方向に移動しない。従って、何らかの原因により、選択されていないヘッドに対してシフト方向の外力が加えられても、選択されていないヘッドのシフト方向への移動は規制(禁止)される。このように、インターロックプレート30A,30B(規制部33A,33B)は、選択されていないヘッドを中立位置に固定する機能(即ち、インターロック機能)を達成している。
このように、シフトレバーが図4に示すパターンに沿って正常に操作される場合、1つのヘッドが選択され、残りのヘッドがインターロックプレート30A,30Bの何れか(規制部33A,33Bの何れか)のインターロック機能により中立位置に固定される。一方、実際には、シフトレバーが図4に示すパターンからずれたパターンで異常に操作される場合も発生し得る。このような場合、2つのヘッドが同時に選択され得る。以下、この状態を「二重選択状態」と呼ぶ。
以下、図13を参照しながら、シフトレバーが、ニュートラル位置とLOWセレクト位置の間の位置から3速シフト位置(或いは、1速シフト位置)に向けて押し付けられた場合について考察する。
図13に示す例では、インナーレバー21Aについて、2つのヘッド61,62が選択され、二重選択状態が発生している。この例では、ヘッド61はインターロックプレート30A(規制部33A)と係合していない一方で、ヘッド62はインターロックプレート30A(規制部33A)と係合している。従って、インナーレバー21Aによりヘッド61,62がシフト方向(図中左方向)に押されても、ヘッド62のシフト方向の移動が規制されることにより、インナーレバー21A、並びにヘッド61,62のシフト方向の移動が規制される。
このように、インターロックプレート30A,30B(規制部33A,33B)のインターロック機能によれば、二重選択状態に起因して2つのヘッドがシフト完了位置まで同時に移動する現象(即ち、上述した「二重シフト」)の発生が抑制される。
(作用・効果)
以下、本発明の実施形態に係るS&SシャフトアッセンブリAの作用・効果について説明する。上述のように、インターロックプレート30A,30Bのそれぞれの軸周りの回転を止めるため、共通の1つの回転止め部材であるピン40が使用されている。従って、上述した背景技術の欄で述べた従来のタイプ(各プレートの回転を止める部材が個別に設けられるタイプ)に比して、部品点数が少なくなる。よって、製造コストが低減する。
以下、本発明の実施形態に係るS&SシャフトアッセンブリAの作用・効果について説明する。上述のように、インターロックプレート30A,30Bのそれぞれの軸周りの回転を止めるため、共通の1つの回転止め部材であるピン40が使用されている。従って、上述した背景技術の欄で述べた従来のタイプ(各プレートの回転を止める部材が個別に設けられるタイプ)に比して、部品点数が少なくなる。よって、製造コストが低減する。
また、従来のタイプにて発生し得る「それぞれのプレートの回転を止める複数の部材の間での回転方向における相対的な位置のずれ」の影響がなくなる。従って、インターロックプレート31A,30B間において、回転方向(シフト方向)における相対的な位置のずれが小さくなる。以上より、複数のインターロックプレートの軸周りの回動が、安価に且つ精度良く規制され得る。
加えて、上述のように、S&SシャフトアッセンブリA単独で、複数のインターロックプレートの軸周りの回動を規制(禁止)する機能が達成される。従って、S&SシャフトアッセンブリAを手動変速機のケース(ハウジング)に組み付ける際、インターロックプレートの軸周りの回動を規制するための処置を別に施す必要がない。従って、S&SシャフトアッセンブリAを手動変速機のケース(ハウジング)に組み付ける際の組み付け工程が簡素化され得る。
本発明は上記実施形態に限定されることはなく、本発明の範囲内において種々の変形例を採用することができる。例えば、上記実施形態では、S&Sシャフト20において2つのインナーレバーが形成されているが、S&Sシャフト20において3つ以上のインナーレバーが形成されていてもよい。この場合、各インナーレバーに対してインターロックプレートがそれぞれ個別に3つ以上設けられてもよい。この場合、3つ以上のインターロックプレートのそれぞれの軸周りの回転を止めるため、共通の1つの回転止め部材が使用される。
また、上記実施形態では、インナーレバー21A,21B又はインターロックプレート30A,30B(規制部33A,33B)と係合する対象として、4つのヘッドが存在するが、2つ、3つ、或いは、5つ以上のヘッドが存在していてもよい。また、4つのヘッドのセレクト方向における配置順序、位置関係等が異なっていてもよい。
また、上記実施形態では、共通の1つの回転止め部材としてピン40が使用されているが、図1〜図3にそれぞれ対応する図14〜図16に示すように、共通の1つの回転止め部材として、ピン40に代えてプレート40が採用されてもよい。図14〜図16において図1〜図3に示す部材と同じ或いは等価な部材については、図1〜図3にて使用された符号と同じ符号が付されている(後述する図17〜図19についても同様)。
図14〜図16において、係合部32A(32B)には、軸方向に平行な溝が形成されている。各溝にプレート40が嵌合されている。プレート40の上端(Z軸正方向の端)は、プレート40が軸方向に沿うように、周知の固定方法の1つ(例えば、圧入)により固定部材10に固定されている。これにより、係合部32A(32B)(及び、プレート40)は、インターロックプレート30A(30B)の固定部材10に対する軸周りの回転を規制(禁止)する機能を達成している。図14〜図16に示す変形例によっても、上記実施形態と同じ作用・効果が奏される。
また、図14〜図16では、プレート40がS&Sシャフトアッセンブリ内の固定部材10に固定されているが、図17〜図19に示すように、プレート40が固定部材10に固定されていなくてもよい。この場合、S&SシャフトアッセンブリAが手動変速機のケース(ハウジング)に組み付けられる際、プレート40が「ケース内に固定された所定の部材」(図示せず)に固定される。このとき、このプレート40(より具体的には、プレート40から径方向外側に突出する2本のボルト)が組み付け用のガイドとして機能し得る。従って、係る組み付け時において、複数のインターロックプレートが軸周りに回動する事態の発生が抑制され得る。
10…固定部材、20…S&Sシャフト、21A,21B…インナーレバー、30A,30B…インターロックプレート、31A,31B…支持部、32A,32B…係合部、33A,33B…規制部、34A,34B…スリット、40…ピン、プレート、51〜54…フォークシャフト、61〜64…シフトヘッド
Claims (3)
- 変速機のケースに固定される固定部材と、
セレクト操作に応じて前記固定部材に対して軸方向に移動するとともにシフト操作に応じて前記固定部材に対して軸周りに回動するように配設されたシフトアンドセレクトシャフトであって径方向外側に突出するとともに互いに前記軸方向に離間して配置された複数のインナーレバーが固設されたシフトアンドセレクトシャフトと、
前記シフトアンドセレクトシャフトの軸方向移動と共に前記固定部材に対して軸方向に移動するとともに前記固定部材に対して前記軸周りに回動不能に、且つ、前記軸方向に沿って並列に配設された複数のインターロックプレートと、
を備えた、変速機のシフトアンドセレクトシャフトアッセンブリであって、
前記各インターロックプレートは、前記複数のインナーレバーのうち対応する1つのインナーレバーに対して前記軸方向の両側に隣接するそれぞれの位置にて前記軸方向に延びる規制部を備え、
前記セレクト操作に応じて、前記軸方向に沿って並列に複数配置されたシフトヘッドのうち前記複数のインナーレバーのうちの1つと係合する1つのシフトヘッドが選択され、前記シフト操作に応じて、前記1つのインナーレバーが前記選択された1つのシフトヘッドを前記軸方向と直角のシフト方向に押すことにより前記シフトヘッドが前記シフト方向に沿って移動し、対応する変速段が達成されるように構成され、
前記各規制部は、前記選択されていない1つ又は複数の対応するシフトヘッドと係合することにより前記選択されていない1つ又は複数の対応するシフトヘッドの前記シフト方向の移動を規制するインターロック機能を達成し、
前記複数のインターロックプレートは、前記固定部材、又は前記変速機のケース内に固定された部材に固定されるとともに前記軸方向に延びる共通の1つの回転止め部材により、前記固定部材に対して前記軸周りに回動不能に配設された、変速機のシフトアンドセレクトシャフトアッセンブリ。 - 請求項1に記載の変速機のシフトアンドセレクトシャフトアッセンブリにおいて、
前記各インターロックプレートは、前記1つの回転止め部材と係合する係合部を備え、前記各係合部が前記1つの回転止め部材とそれぞれ係合することにより、前記複数のインターロックプレートが前記固定部材に対して前記軸周りに回動不能に配設された、変速機のシフトアンドセレクトシャフトアッセンブリ。 - 請求項2に記載の変速機のシフトアンドセレクトシャフトアッセンブリにおいて、
前記1つの回転止め部材は、1本のピン、又は、1つのプレートである、変速機のシフトアンドセレクトシャフトアッセンブリ。
Priority Applications (1)
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JP2010067940A JP2011202679A (ja) | 2010-03-24 | 2010-03-24 | 変速機のシフトアンドセレクトシャフトアッセンブリ |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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WO2017110805A1 (ja) * | 2015-12-24 | 2017-06-29 | アイシン・エーアイ株式会社 | 車両用手動変速機 |
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-
2010
- 2010-03-24 JP JP2010067940A patent/JP2011202679A/ja active Pending
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