JP2011202436A - コンクリート用養生シート及びコンクリートの養生方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】コンクリート打設面に敷設して使用されるコンクリート用養生シート1aであり、コンクリート打設面に敷設した際に、コンクリート打設面との間に所定の空隙を形成する凹凸面を有する凹凸シート部2と、凹凸シート部2の少なくとも対向する一組の端縁に延在して設けられた薄肉フィルム部3とを備える。
【選択図】 図1
Description
本出願人のうち一人は、このような養生シートとして、現場での作業性がよく、保温性にも優れた安価なコンクリート用養生シートを先に提案した(特許文献1)。
しかしながら、従来の養生シートでは、養生シートを敷設した後のコンクリート打設面に水を追加供給することができず、はじめに散水した水が乾いてしまうまでの間しかコンクリートを濡れた状態にしておくことができなかった。
まず、本発明に係るコンクリート用養生シートの第一実施形態について説明する。
なお、図1は、本実施形態に係るコンクリート用養生シートを示す説明図であり、図1(a)は、本実施形態に係るコンクリート用養生シートの概略を示す平面図、図1(b)は、図1(a)のA−A断面図である。
このような凹凸シート部2は、例えば、図1(b)に示すように、中空状に膨出する多数の突起20が成形されたキャップフィルム21に、突起20内に空気を封入するバックフィルム22が積層された長尺状の気泡シートからなるものとすることができる。突起20内に空気が封入された気泡シートを用いて凹凸シート部2を形成すれば、養生シート1aに断熱性を付与することができる。
なお、濡れたコンクリート打設面に薄肉フィルム部3が密着するのは、薄肉フィルム部3が水の表面張力によってコンクリート打設面に貼りつくとともに、コンクリート打設面と薄肉フィルム部3との間から空気が抜かれて負圧になり、大気圧によって薄肉フィルム部3がコンクリート打設面に押しつけられて密着するものと考えられる。
なお、図1に示す例では、薄肉フィルム部3の幅Wは、端縁2a側と端縁2b側とで等しくしているが、必要に応じて、端縁2a側と端縁2b側とで薄肉フィルム部3の幅Wを異ならせてもよい。
このようにすると、四方に設けた薄肉フィルム部3がコンクリート打設面に密着することにより、養生シート1aを四方から保持できるとともに、凹凸シート部2とコンクリート打設面との間に形成される空隙を気密にすることができる。そして、気密にされた当該空隙から空気を抜いて凹凸シート部2とコンクリート打設面との間を負圧にすれば、凹凸シート部2もコンクリート打設面に密着するようになり、これによって、コンクリート打設面から養生シート1aが脱落してしまうのをより確実に防止することができる。
なお、凹凸シート部2とコンクリート打設面との間に形成される空隙から空気を抜くには、凹凸シート部2に空気抜き用の孔を穿設しておけばよいが、後述するような吸水口5や排水孔6を利用するのが好ましい。
本実施形態の養生シート1aは、コンクリート打設面に密着可能な薄肉フィルム部3によって、凹凸シート部2とコンクリート打設面との間に形成される空隙を気密にすることができれば、当該空隙から空気を抜いて凹凸シート部2とコンクリート打設面との間を負圧にするだけでも、養生シート1aをコンクリート打設面に敷設することができる。
なお、図3(a)は、コンクリート打設面に敷設する前の状態を示し、図3(b)は、コンクリート打設面に敷設した状態を示している。図3では、凹凸シート部2の三方に薄肉フィルム部3を設けた複数の養生シート1aと、凹凸シート部2の四方に薄肉フィルム部3を設けた一つの養生シート1aを用いた例を示しているが、養生シート1aの使用態様はこれに限定されるものではない。
なお、特に図示しないが、隣接して敷設された養生シート1aどうしは、必要に応じて粘着テープなどによって固定するようにしてもよい。また、それぞれの養生シート1aは、通常、ロール条に巻き取られた形態で作業現場に搬入され、コンクリート打設面に沿って巻き出しながら敷設される。その際、図3に示す例では、図中上下方向が養生シート1aの巻き出し方向となるが、作図上、図中上下方向における各養生シート1aの長さは短縮して示してある。
このようにすることで、コンクリート打設面が常に濡れた状態とすることができ、打設されたコンクリートの水和反応を十分なものとして、コンクリートの耐久性を向上させることが可能になる。
ポリプロピレン系樹脂としては、例えば、プロピレンホモポリマー、又はプロピレンと他のオレフィンとの共重合体などが例示できる。プロピレンと共重合される他のオレフィンとしては、エチレン、ブテン−1、イソブチレン、ペンテン−1などのα−オレフィンが挙げられ、これらの他のオレフィンとの共重合体は、ランダム共重合体、ブロック共重合体のいずれであってもよい。
また、ポリエチレン系樹脂としては、例えば、高密度ポリエチレン(HDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、直鎖状超低密度ポリエチレン(LVLDPE)、エチレン−酢酸ビニル共重合体などが例示できる。
次に、本発明に係るコンクリート用養生シートの第二実施形態について説明する。
なお、図4及び図5は、本実施形態に係るコンクリート用養生シートを示す説明図であり、図4は、本実施形態に係るコンクリート用養生シートの概略を示す平面図、図5(a)は、図4において鎖線で囲む部分の要部拡大図、図5(b)は、図5(a)のB−B断面図、図5(c)は、図5(a)のC−C断面図である。
また、コンクリート打設面との間に形成される空隙を通水路として機能させる場合には、延設凹凸部2aとコンクリート打設面との間にも水を追加供給することができるようになる。
例えば、凹凸シート部2を第一実施形態と同様の気泡シートを用いて形成する場合、気泡シートの端縁を櫛歯状に切り抜くことにより、凹凸シート部2と一体に延設凹凸部2aを形成し、当該延設凹凸部2aに重ねて薄肉フィルム部3を形成する薄肉のフィルム材を熱融着するようにしてもよい。また、上記気泡シートを適当な大きさで切断したものを、接着剤や両面テープなどの適宜手段によって薄肉フィルム部3に貼り付けるようにしてもよい。
なお、図4及び図5には、後者の例を示している。
なお、それぞれの延設凹凸部2aの形状や大きさは、上記した範囲で必要に応じて適宜異ならせることができる。
次に、本発明に係るコンクリート用養生シートの第三実施形態について説明する。
なお、図6は、本実施形態に係るコンクリート用養生シートを示す説明図であり、図6(a)は、本実施形態に係るコンクリート用養生シートの概略を示す平面図、図6(b)は、図6(a)のD−D断面図である。
なお、折り返された薄肉フィルム部3を凹凸シート部2の凹凸面に貼り合わせるにあたっては、特に図示しないが、接着剤や両面テープなどの適宜手段により、薄肉フィルム部3の周縁を当該凹凸面に貼り合わせるようにすればよい。
ここで、薄肉フィルム部3に多数の穿孔3aを設けるのは、凹凸シート部2とコンクリート打設面との間に薄肉フィルム部3が存在することが、凹凸シート部2とコンクリート打設面との間を負圧にして、凹凸シート部2をコンクリート打設面に密着させることの妨げにならないようにするためであるが、穿孔3aを設けることによって、コンクリート打設面に薄肉フィルム部3が密着している範囲に、この穿孔3aを通って水が供給されるようにすることが可能になる。
なお、本実施形態の養生シート1cは、第一実施形態の図2に示す養生シート1aの薄肉フィルム部3に多数の穿孔を設けて、この薄肉フィルム部3を折り返して凹凸シート部2の凹凸面に重ねて貼り合わせたものに相当する。
2 凹凸シート部
2a 延設凹凸部
20 突起
21 キャップフィルム
22 バックフィルム
3 薄肉フィルム部
3a 穿孔
5 給水孔
6 排水孔
Claims (10)
- 打設されたコンクリートを養生するために、コンクリート打設面に敷設して使用されるコンクリート用養生シートであって、
前記コンクリート打設面に敷設した際に、前記コンクリート打設面との間に所定の空隙を形成する凹凸面を有する凹凸シート部と、
前記凹凸シート部の少なくとも対向する一組の端縁に延在して設けられ、かつ、前記コンクリート打設面に密着可能な薄肉フィルム部と、
を備えることを特徴とするコンクリート用養生シート。 - 前記薄肉フィルム部の平均肉厚が、5〜100μmである請求項1に記載のコンクリート用養生シート。
- 前記凹凸シート部が、中空状に膨出する多数の突起を規則的に配列してなる凹凸面を有し、前記突起の頂面が前記コンクリート打設面と対向するように敷設される請求項1又は2に記載のコンクリート用養生シート。
- 前記凹凸シート部が、前記突起が成形されたキャップフィルムに、前記突起内に空気を封入するバックフィルムが積層された長尺状の気泡シートからなる請求項3に記載のコンクリート用養生シート。
- 前記凹凸シート部に、給水孔及び/又は排水孔を穿設した請求項1〜4のいずれか一項に記載のコンクリート用養生シート。
- 前記凹凸シート部の端縁に、前記薄肉フィルム部と重なるように、前記コンクリート打設面との間に所定の空隙を形成する凹凸面を有する複数の延設凹凸部を連接して設けた請求項1〜5のいずれか一項に記載のコンクリート用養生シート。
- 前記薄肉フィルム部に多数の穿孔を設けるとともに、前記薄肉フィルム部を折り返して前記凹凸面に重ねて貼り合わせた請求項1〜5のいずれか一項に記載のコンクリート用養生シート。
- 前記凹凸シート部の四方に前記薄肉フィルム部を設けた請求項1〜7のいずれか一項に記載のコンクリート用養生シート。
- 請求項1〜6のいずれか一項に記載のコンクリート用養生シートを、前記凹凸シート部が連接するようにしてコンクリート打設面に複数敷設し、
始端側に敷設された前記コンクリート養生シートの前記凹凸シート部に吸水孔を穿設するとともに、終端側に敷設された前記コンクリート養生シートの前記凹凸シート部に排水孔を穿設して、前記吸水孔と前記排水孔とをポンプを介して接続することにより、
前記吸水孔から供給された水が、前記排水孔から排水されて再び前記吸水口から供給されて、前記空隙内を循環するようにしたことを特徴とするコンクリートの養生方法。 - 請求項8に記載のコンクリート用養生シートをコンクリート打設面に敷設し、
前記凹凸シート部に吸水孔と排水孔を穿設して、前記吸水孔と前記排水孔とをポンプを介して接続することにより、
前記吸水孔から供給された水が、前記排水孔から排水されて再び前記吸水口から供給されて、前記空隙内を循環するようにしたことを特徴とするコンクリートの養生方法。
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