JP2004060153A - 養生ボード及び床面の養生方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】養生ボード1は、矩形状又は平行四辺形状のボード2に、養生シート3が一体的に積層されており、前記養生シート3は、前記ボードの4側縁2a〜2dの内の相隣接する2側縁2a,2bから延出する延出部4を有している。床面の養生方法は、複数の前記養生ボードを用いて床面を養生する方法であって、一の養生ボードにおける養生シートの延出部上に、隣接させる他の養生ボードの前記養生シートが延出していない側の側縁部を載置する。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、養生テープによる固定作業を軽減することができ、しかも、砂や埃等の侵入による床面の損傷や汚染を確実に防止することのできる、養生ボード及び床面の養生方法に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
建築中の建築物の内部においては、既に仕上げられた床面を、その後の作業(壁や天井の工事等)中に損傷したり汚染したりすることがないように養生材を用いて保護することが広く行われている。また、引っ越し荷物の搬入、搬出の際にも養生材で床面を保護することが多い。
斯かる床面の一般的な養生方法としては、床面全面に養生シートを養生テープで貼り、そのシート上に、養生テープを用いて合板等のボードを固定する方法がある。このような方法に用いられる養生シートは、弾力性の付与や、ゴミが入り込んだ場合の拡散防止等を目的として、エンボス加工が施されているものが多く、養生テープが付きにくいため、養生シート上にボードを充分に固定できないという問題がある。例えば、ボードに反りが生じた場合には、養生テープが剥がれてしまう恐れがある。更に、養生シート及びボードをそれぞれ養生デープで固定しているため、養生テープの使用量が多くなり、また、固定作業に手間が掛かる。
【0003】
従来の床面の養生材として、エンボスシートとハード厚紙と発泡シートを積層した3層構造の養生ボードが知られている。この養生材においては、エンボスシートとハード厚紙等が予め一体化されているため、固定作業を軽減することができる。しかし、この養生材を床面に直接敷設した場合には、養生材同士間の隙間から、砂や埃、滴下した塗料等が侵入して床面を損傷又は汚染する恐れがある。他方、このような不都合を防止するために、床面全面に養生シートを敷いた後に、養生材を配置した場合には、固定作業が軽減されなくなる。更に、この養生材においては、多量の養生テープを用いて床面に確実に固定しておかないと、ずれが生じたり、床面との間に隙間が生じる恐れがある。
【0004】
従って、本発明の目的は、養生テープによる固定作業を軽減することができ、しかも、砂や埃等の侵入による床面の損傷や汚染を確実に防止することのできる、養生ボード及び床面の養生方法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、矩形状又は平行四辺形状のボードに、養生シートが一体的に積層されており、前記養生シートは、前記ボードの4側縁の内の相隣接する2側縁から延出する延出部を有している養生ボードを提供することにより、上記の目的を達成したものである。
【0006】
本発明は、前記養生ボードを複数枚用いて床面を養生する床面の養生方法であって、一の養生ボードの一の側縁に沿う方向に、他の養生ボードを隣接させて配置する工程と、前記一の養生ボードの他の側縁に沿う方向に、更に他の養生ボードを隣接させて配置する工程とを具備し、前記両工程においては、前記一の養生ボードにおける前記養生シートの前記延出部上に、前記他の養生ボード又は前記更に他の養生ボードにおける前記養生シートが延出していない側の側縁部を載置する床面の養生方法を提供することにより、上記の目的を達成したものである。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を好ましい実施形態に基づいて詳細に説明する。
先ず、本発明の養生ボードの一実施形態について説明する。
本実施形態の養生ボード1は、図1〜図3に示すように、平面視して矩形状(長方形状)のボード2と、同じく平面視して矩形状の養生シート3とが一体的に積層されてなる。
【0008】
前記ボード2は、板紙からなる板状体である。板紙としては、耐水紙管原紙等、各種公知のものを用いることができる。ボードの他の形成材料としては、ポリプロピレンやポリエチレン等の合成樹脂からなる中空軽量構造板、ポリスチレン等の合成樹脂からなる発泡成形体等を挙げることができる。
前記ボード2の表面には、反り防止用の溝5が形成されている。反り防止用の溝5は、表面をカッターにて切断して形成されており、縦横2方向(互いに交差する2方向)に形成されていることによって効果的に反りを防止することができる。反り防止用の溝5を設けることで、養生ボードと床面との間に隙間が生じることを確実に防止することができる。反り防止用の溝5の他の形成方法としては、エンボスによる圧縮線の形成等を挙げることができる。
【0009】
養生シート3は、少なくとも前記ボード2よりも柔軟であり、該養生シートとしては、各種公知のものを特に制限なく用いることができる。養生シート3の形成材料としては、エンボス加工を施した紙や、エンボス加工を施した合成樹脂製シート、ポリエチレン等の合成樹脂の発泡シート、ポリエチレン等の合成樹脂製シートと紙とのラミネート紙等を挙げることができるが、これらの中でも、エンボス加工を施した紙が好ましい。
【0010】
ボード2と養生シート3とは接合されて一体化されている。ボード2と養生シート3との接触面は、実質的にその全面が互いに接着されている。実質的に全面が接着されているとは、接触面の全域に亘るようにした分散した点や線等で両者が部分的に接合されている場合を含むという意味である。両者の接合方法としては、接着剤による接着の他、熱融着等の各種公知の接合方法を採用することができる。
【0011】
養生シート3は、図1に示すように、ボード2の4側縁2a〜2dの内の相隣接する2側縁2a,2bから延出する延出部4を有している。
詳細には、ボード2と養生シート3は、平面視形状が略同形であり、図1に示すように、両者をずらして接合することにより、前記延出部4が生じている。従って、養生シート3は、ボード2の4側縁2a〜2dの内の前記2側縁2a,2b以外の側縁2c,2dからは延出していない。
【0012】
前記ボード2の相隣接する2側縁2a,2bから延出する延出部4の幅W1,W2は、それぞれ20mm以上、特に25〜35mmであることが、ボード2,2同士の隙間から、砂や埃、滴下した塗料等が侵入することによる床面の損傷や汚染を防止する観点から好ましい。
【0013】
次に、本発明の床面の養生方法の一実施形態について、上記の養生ボード1を用いて実施する場合を例に、図2及び図3を参照して説明する。
図2は、建築中の建築物の室内の床面を養生する方法を示す図である。図示の如く、床面は、既にフローリング材等の木質系仕上げ材により仕上げられている。
【0014】
本実施形態の方法においては、この床面を養生するために、図2の左側の壁に沿うように、図の手前側から向こう側の壁に向かって3枚の養生ボード1を一列に配置し、その一列の配置後に隣の一列を同様に手前から向こう側の壁に向かって配置し、以下同様に、一列毎に養生ボード1を配置して、床面全面に養生ボードを配置する。
説明の便宜上、図2の手前中央の養生ボード1(1A)に着目して考えると、本実施形態の方法においては、養生ボード1Aの一の側縁1aに沿う方向Pに、他の養生ボード1Bを隣接させて配置すると共に、養生ボード1Aの他の側縁1bに沿う方向Qに、更に他の養生ボード1Cを隣接させて配置する。養生ボード1B及び1Cは、養生ボード1Aと同一構成である。
養生ボード1Aを配置する際には、該養生ボード1Aにおける、前記ボード2の2側縁2a,2bそれぞれから延出する養生シートの延出部4を養生テープ6で部分的に固定する。
【0015】
そして、養生ボード1Aに養生ボード1Bを隣接配置する際には、養生ボード1Aにおける、前記養生シートの前記延出部(ボードの側縁2bから延出する延出部)4上に、養生ボード1Bにおける、前記養生シートが延出していない側の側縁部12を載置する。また、養生ボード1Aに養生ボード1Cを隣接配置する際には、養生ボード1Aにおける、前記養生テープ6で固定した前記養生シートの前記延出部(ボードの側縁2aから延出する延出部)4上に、養生ボード1Cにおける、前記養生シートが延出していない側の側縁部11を載置する。
【0016】
尚、養生ボード1Aの配置方法並びに該養生ボード1Aに対する養生ボードB及び養生ボードCの隣接配置方法は、基本的に他の養生ボードについても同様に実施する。但し、壁にぶつかる部分においては、延出部4の切断や、養生ボードの切断等の適宜の処理を行う。また、本実施形態では、ボード2,2同士間の隙間を養生テープ7で塞いているが、これは省略することもできる。尚、養生テープ6,7としては、各種公知のものを特に制限なく用いることができる。
【0017】
本実施形態の養生ボード1によれば、ボード2と養生シート3とが一体化されており、養生シート3がボード2から延出しているため、その延出部4を少量の養生テープで部分的に固定するだけで、該養生ボード1を床面に安定的に固定することができる。しかも、養生ボードを隣接配置した状態においては、養生シートの前記延出部4が、ボード2同士間の隙間の下方に存在するため、ボード2同士間の隙間に侵入した砂や埃、塗料等による床面の損傷や汚染を防止することができる。
【0018】
また、本実施形態の床面の養生方法によれば、一の養生ボードの延出部4上に、隣接する養生ボードの側縁部が載置されることによって、前記一の養生ボードの床面に対する設置安定性が向上するので、養生ボードを固定するための養生テープの量や固定作業を一層軽減することができる。
【0019】
以上、本発明の養生ボード及び床面の養生方法それぞれの実施形態を示して説明したが、各発明は、上記の実施形態に制限されず、種々変更可能である。
【0020】
例えば、図4に示す養生ボード1’は、本発明の養生ボードの他の実施形態であるが、該養生ボード1’においては、ボード2に該ボード2よりも外形寸法の大きい養生シート3を積層一体化させることによって、ボード2の2側縁2a,2bから延出する延出部4が形成されている。
また、上記各実施形態におけるボード2は、矩形状であったが、これに代えて平行四辺形状のボードを用いることもできる。
【0021】
【発明の効果】
本発明によれば、養生テープによる固定作業を軽減することができ、しかも、砂や埃等の侵入による床面の損傷や汚染を確実に防止することのできる、養生ボード及び床面の養生方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の一実施形態としての養生ボードを示す平面図である。
【図2】図2は、図1の養生ボードを用いた床面の養生方法を示す図である。
【図3】図3は、図2のX−X線断面図である。
【図4】図4は、本発明の他の実施形態としての養生ボードを示す平面図である。
【符号の説明】
1,1A〜1C 養生ボード
2 ボード
2a,2b 相隣接する2側縁
3 養生シート
4 延出部
5 反り防止用の溝
6 養生テープ
Claims (4)
- 矩形状又は平行四辺形状のボードに、養生シートが一体的に積層されており、前記養生シートは、前記ボードの4側縁の内の相隣接する2側縁から延出する延出部を有している養生ボード。
- 前記ボードと前記養生シートは、平面視形状が略同形である請求項1記載の養生ボード。
- 前記ボードの表面に、反り防止用の溝が形成されている請求項1又は2記載の養生ボード。
- 請求項1記載の養生ボードを複数枚用いて床面を養生する床面の養生方法であって、
一の養生ボードの一の側縁に沿う方向に、他の養生ボードを隣接させて配置する工程と、前記一の養生ボードの他の側縁に沿う方向に、更に他の養生ボードを隣接させて配置する工程とを具備し、前記両工程においては、前記一の養生ボードにおける前記養生シートの前記延出部上に、前記他の養生ボード又は前記更に他の養生ボードにおける前記養生シートが延出していない側の側縁部を載置する床面の養生方法。
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