JP2006144510A - 層剥離が可能な発泡合成樹脂製板状断熱材及びそれを用いた断熱工法及び断熱構造 - Google Patents

層剥離が可能な発泡合成樹脂製板状断熱材及びそれを用いた断熱工法及び断熱構造 Download PDF

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Abstract

【課題】脆い発泡ポリスチィレン等の合成樹脂の現場加工に適した施工方法を提供する。
【解決手段】建築施工現場で最も望ましいことは、持込む断熱資材の種類は少なく、且つ、施工時には、共通的な板状断熱材を母材に、現場合せを含む多種多様な相欠り等を付形した板状断熱材や断熱構造材等の最適の構造や形状寸法に迅速、簡便、精度良く加工でき、施工できることである。そのために、共通的な板状断熱材の母材となる板状断熱材の全体又は部分が断熱材の厚み方向に沿って、層分離が可能な複数層構造に積層又は形成させてなる板状断熱材とすることにより、発泡ポリスチィレン樹脂等の硬く、脆く、欠け、潰れ易い等、現場加工上の阻害要因に左右されることなく、凹溝4aにカッターナイフを入れてカット等の簡便作業で任意の断熱材の形状寸法に切、裁断、裁断片の層剥離、除去等によって任意の多種多様の板状断熱材構造や断熱構造材構造が容易に加工できる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、建築物、特に木造建造物や鉄骨建造物における、床、壁、屋根等の断熱構造に使用される合成樹脂製板状断熱材に関するものであり、さらに、詳しくは、床、壁、屋根等に連続的に敷設する際に板状断熱材間の接合目地部や板状断熱材と大引き、間柱、根太、胴縁、垂木等の構造体との嵌挿、接合目地部を相欠り構造や実構造等の断熱気密構造に裁断加工する、又は、通気や排水等の機能を付与した板状断熱材構造に裁断加工することが可能な発泡合成樹脂製板状断熱材に関する。さらに、これらの発泡合成樹脂製板状断熱材を用いた断熱工法及び断熱構造に関するものである。
戸建住宅等の建造物における断熱・気密性能は、発泡合成樹脂製断熱材の出現により一段と向上したが、断熱材間や建造物の構造体との接合目地部や接合構造に課題が多く、本来の断熱性能が十分に発揮できず熱橋や結露の原因を成す等の問題がある。建造物における、屋内側や屋外側に設けられる発泡合成樹脂製板状断熱材の断熱構造は、床、壁、天井等の大引き、間柱、根太、胴縁、垂木等の構造材や野地板や壁板等の下地材に、ポリスチレン系発泡樹脂製等の硬質の板状断熱材を、連続的に接合、嵌挿、配設して断熱気密ラインを形成させ、その上面に、床板、壁板、天井材等の仕上げ材を配設して構築する方法が一般的である。
断熱の種別は、主として外断熱と内断熱構造がある。通常、家屋の軸組みをなす、大引き、間柱、柱を構造材と称し、根太、胴縁、垂木等を構造用の下地材と称するが、本発明では、板状断熱材を嵌挿、敷設する対象であるこれら大引き、間柱、柱、根太、胴縁、垂木等を総称して、構造材と呼ぶこととする。又、床板、壁板、天井板及び、これらの下地層に設けられる構造用ベニヤ等の面材は、通常、下地材と称するが、本発明では、これらの床板や壁板や天井板及び、これらの下地層に設ける下地材の総称として、仕上げ材と称することとする。
これらの断熱構造に用いられる断熱材は、平板状の押出成形品や、型内成形品や、押出成形品や型内ブロック成形品を、構造材に嵌挿、敷設する寸法に裁断加工したものや、木材等の他素材と複合化したもの等が用いられるが、本発明では、これらの断熱材の総称として板状断熱材また断熱材と称する。これら板状断熱材を用いた断熱構造で重要なことは、板状断熱材間の接合目地部や板状断熱材と構造材との接合隙間や嵌合隙間や板状断熱材と仕上げ材との接合面の隙間を無くすることにある。さらに、連続的に敷設された板状断熱材が、長期にわたって、ずれ落ちや、傾き、波打、凹凸、変形が出ないように、断熱材間の接合部や構造材と板状断熱材の上面を略面一に保持固定して、その上に仕上げ材を配設し、仕上げ材と板状断熱材との接合面の隙間を無くすことにある。
例えば、特許文献1や、特許文献2等の記載では、複数以上の板状断熱材の長辺側面を、予め、柔軟性のあるフイルム等の連結材で等間隔に連結させ、構造材間に懸架載置する方法が提案されている。また、板状断熱材毎の上端面の長辺側面に沿って耳状に張り出させた柔軟性のある薄いフイルムを一体化させ、構造材面にフイルムを広げ、板状断熱材を敷設する方法(商品名サニーライト:旭化成製)も提案されている。又、文献2を一例とする、型内成形された板状断熱材の接合端面部に相欠り構造(あいじゃくり構造と称し、断熱材の接合部を相互に切り欠きクランク状の接合構造を形成させる断熱気密構造をいう)を付形させる方法が開示されている。又、高度の断熱気密仕様の住宅では、一部、単純矩形の板状断熱材の接合部端面を現場合わせの現場加工で相欠り構造や実構造や差込構造に切削加工する方法も一部で行われている。
最も一般的な方法としては、接合目地部に相欠りや実構造(さね構造と称し、断熱材相互間を凹凸状の差込噛合せ構造とするもので相欠り構造より気密性が高い)を設けず、断熱材の端面を突き当て構造とし、そこに出来る接合隙間や断熱材間の凹凸や波打ち等を気密テープや粘着テープで封緘させるだけの断熱欠陥のある安易な断熱方法が広く採用されている。又、板状断熱材の別の必要機能としては、施工部位に応じて数個の通気や排水等の機能を付加した断熱構造も必要であるが、これらは、現場加工が不能で型内成型品は小ロット品にはコスト的に適用出きず、必要機能を省略した単純矩形の板状断熱材等の代替物で施工されているのが実態である。
実開昭57−147938号公報 特願平08−264821号公報
前記した、断熱気密性を向上させるために、板状断熱材を予めフイルム等の懸架材で連結する特許文献1の提案では、狭い建設現場で、柔らかい吊設材で連結された長尺の板状断熱材を、構造材間の所定の位置に正確に敷設することは、極めて困難で、又、フイルム単体の断熱性は無く熱橋や結露が発生しやすい。又、板状断熱材の天面(上面)の長辺に沿って、柔軟性のある薄いフイルムを耳状に張り出させた板状断熱材を敷設する方法は、断熱材間や構造材の頂面に両耳のフイルムを手で押し広げて固定せざるをえず、薄くて、柔らかく、形態保持性の無いフイルムであるため、皺や、弛みが発生し、板状断熱材の上面と構造部材との上面を均一に面一化や気密化することは難しく、フイルムが構造材間に板状断熱材と一緒に巻き込まれ隙間が形成される。
また、予め、文献2の提案の成形品は、成形品相互の接合部に相欠り構造を付形しているが、根太間等に嵌挿する等のロット数が大きな場合は型内成形品が有利であるが、壁や天井等の入隅、出隅、傾斜、突き当て部等の不特定、不定形で現場合わせ要素が多い多品種小ロットの型内成形品は金型や成形コスト面や狭い現場での多品種小ロットの物量管理面で実質的に対応不能である。
又、一種類の平板状の断熱材を準備し、屋根や壁の現場寸法や形状に合わせ出隅、入隅等に合わせ現場で相欠り等を切削、裁断加工する方法もあるが、発泡合成樹脂製断熱材は柔かく、欠けやすく、座屈しやすく、特に凹凸を形成させる削り込み等の鑿(ノミ)加工が不可能で、現場では、せいぜい鋸やニクロム線で外寸法を切断加工する程度が限界で、複雑形状は加工精度が悪く、非効率的で施工費用の増大を招く。その結果、現状の壁や屋根等の大面積の断熱施工は、断熱材の端面を単純に突き当てるだけで施工させているが断熱気密性が確保できず、又、その接合目地部や断熱材間の不面一の凹凸等を気密テープ等で封緘する方法は、施工直後の気密性は確保されても気密テープは断熱性が劣り熱橋や結露の原因となっている。
また、テープ類と発泡樹脂断熱材の接着は、接着力が弱く経時劣化しやすく、住宅寿命以前に、はがれ、脱落等の事故が多発し断熱気密性が低下し熱橋や結露が発生しているのである。本来、断熱材間等の接合目地部は、相欠り構造や実構造や差込構造等が必須で、その施工が望まれていることは公知、衆知で、住宅金融公庫の断熱仕様でも相欠り構造等の断熱気密構造を推奨しているが、実態は、切削加工が困難で採算性等の経済論理が優先して、安直な突き当て施工や気密テープ施工がなされ、望ましい高断熱高気密住宅とは言いがたい住宅が供給されているのである。又、望ましくは、特定部位毎の形状にあわせた専用の通気層や排水層等を設けた断熱材の施工が必要な場合であっても、実質的に不可能なことから省略されているのである。
このような状況下で、本発明は既述したごとく、迅速、確実な断熱気密の施工が望まれている板状断熱材の課題を広く解決するために、鉄骨、木造の種別を問わず、外断熱構造、内断熱構造の断熱種別を問わず、施工物件や施工部位毎に最適の形状が付形された各種の板状断熱材を施工現場等で迅速、正確、低コストで切断、裁断、切削、付形等の加工ができる板状断熱材を提供すると共にそれを用いた断熱工法及びその断熱構造が得るためになされたものである。
本発明者等は、上記課題を解決すべく鋭意研究の結果、上記した、従来技術の課題に対応した解決策を見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、上記目的を達成するための本発明は、1) 板状断熱材の全体又は部分が断熱材の厚み方向に沿って層剥離が可能な複数層構造に積層、又は、形成されてなることを特徴とする発泡合成樹脂製板状断熱材に関する。
更に本発明は、2) 層剥離が可能な複数層構造が、複数からなる平板の板状断熱材を層剥離が可能に積層一体化させてなることを特徴とする請求項1に記載の発泡合成樹脂製板状断熱材に関する。
更に本発明は、3) 層剥離が可能な複数層構造が、複数からなる型内成形された板状断熱材の嵌挿用凹凸部を相互に嵌挿させ層剥離が可能に積層一体化させてなることを特徴とする請求項1に記載の発泡合成樹脂製板状断熱材に関する。
更に本発明は、4) 層剥離が可能な複数層構造が、1からなる平板の板状断熱材の少なくとも1側面側から断熱材の厚みを複数層化する1以上の切り溝を設け部分的な複数層構造を形成させてなることを特徴とする請求項1に記載の発泡合成樹脂製板状断熱材に関する。
更に本発明は、5) 層剥離が可能な複数層構造で形成されてなる板状断熱材の断熱層を任意の形状に裁断加工や、層剥離させ相欠り構造等の断熱気密構造を有する板状断熱材を形成させてなることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の発泡合成樹脂製板状断熱材及びそれを用いた断熱構造に関する。
更に本発明は、6) 層剥離が可能な複数層構造を形成させる平板の板状断熱材又は型内成形された板状断熱材を予め相欠り構造等の断熱気密構造を有する板状断熱材の形態に構成させ層剥離が可能に積層一体化させてなることを特徴とる請求項1〜3のいずれか1項に記載の合成樹脂製板状断熱材及びそれを用いた断熱構造に関する。
更に本発明は、7) 層剥離が可能な複数層構造で形成されてなる板状断熱材の表面側及び/又は裏面側の断熱材の表面に予め裁断加工用の罫線又は切り溝を付与させてなることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の合成樹脂製板状断熱材に関する。
更に本発明は、8) 層剥離が可能な複数層構造で形成されてなる板状断熱材の表面側及び/又は裏面側の断熱材の側面側近傍に板状断熱材の長辺方向及び/又は短辺方向に弾性変形が可能な凹溝スリットを1以上付形してなることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の発泡合成樹脂製板状断熱材に関する。
本発明によれば、2以上からなる単層の板状断熱材を層剥離が可能な複数層構造にミシン逢着や接着や成形嵌挿用凹凸部を相互に嵌挿係止する等により積層一体化させてなる板状断熱材を母材として用いて、断熱施工部位毎に最適の相欠りや実構造等の断熱構造等を付加した板状断熱材や断熱構造材に再加工、再形成できるのである。相欠りや実構造を付加した板状断熱材とするには、母材である断熱材を所定の形状寸法に裁断加工し、裁断した不要な裁断辺を層剥離、除去させることによって容易に形成させることが可能となる。
こうして裁断加工されたの相欠り付断熱材を連接、敷設することにより接合目地部には気密テープ貼り等の断熱気密を確保するための後処理が不要となり、且つ、高性能の断熱気密ラインが確保できるのである。建造物には多種多様の寸法や形状の断熱材を必要とする一方、狭い建築現場への持ち込み資材数を極力低減させることは工程管理上極めて重要で、例えば、1種類または数種類の共通の板状断熱材を母材として、母材から各種の断熱材形状に現場加工できれば高断熱高気密性の確保のみならず、工数や資材置き場の削減や資材管理面からその効果は極めて大きいのである。
本発明では、例えば、2層からなる板状断熱材(3×6判)を母材として屋根や壁等の断熱材間の接合目地部や構造体との目地部や出隅、入隅等の目地部に必要な相欠り構造等の断熱構造に加工すればよく、まず、必要に応じて断熱材を所定の外形寸法に切断し、次いで表側又は裏側の断熱材面を相欠りの幅や深さ寸法に裁断加工し、その部位を層剥離、除去させれば相欠り構造等が簡単に精度よく形成できるのである。
予め、裁断部位が想定される断熱材の場合は、裁断用の予備の罫線や凹溝を設けそれに沿って裁断すると作業効率も加工精度も向上する。又、配線や配管等を断熱材中に埋設施工したい場合の掘り込み溝は、表側又は裏側の配設位置に所定の幅で罫書きその深さ寸法に裁断し、裁断片を層剥離、除去させれば、掘り込み溝が簡単に形成されるのである。
又、これらの裁断用の罫線や凹溝に加えて長辺や短辺方向に平行な弾性付与用の凹溝を設けると断熱材の外周側面に嵌挿用の弾性が付与され望ましく、裁断用の予備の凹溝と弾性付与の凹溝を兼ねさせてもよい。又、本発明の板状断熱材を裁断加工しない場合は従来の単純矩形の単層の板状断熱材として、そのまま使用できることは言うまでも無く、従来の単層の板状断熱材との併用や組み合わせも行える。このように目的に応じて複数層の層数や層厚さや総層厚みを適宜、決定することで目的に応じた様々な断熱材形状に裁断加工できるという全く新しい板状断熱材が提供できるとともに必要な部位に必要な断熱接合構造を形成させることができるのである。
又、これらの断熱材を所定の寸法に切断分離し小分けすることにより、別個の小寸法の層剥離が可能な板状断熱材とすることが可能で、これらを、さらに適宜、裁断加工、層剥離することで別の任意の形状の板状断熱材にすることができる。例えばその中央部の1層又は複数層の断熱材を裁断し、層剥離、除去させれば、目的に応じた凹凸等の付形が可能で通気層や排水層等の機能を付加した断熱構造材を現場で簡単に作成出来るのである。さらに、外径形状を単純矩形以外に台形や円形や多角形等の多様な板状断熱材に切断加工し、更に、相欠り等の断熱構造を付加した断熱材とすることも出来る。
又、別の層剥離が可能な板状断熱材の形態として、例えば、1の単層の板状断熱材の側面側から断熱材の厚みを2等分する位置で、且つ、相欠り幅寸法と同等以上の深さまでニクロム線や鋸等で切り溝加工して外側面に沿った部分的な複数層を形成させることで得られる。その表側又は裏側の断熱材面から所定の寸法に裁断加工しその部位を層剥離、除去させれば相欠りが平易に形成されるのである。
こうして得られる断熱気密構造は、従来の板状断熱材の接続目地部の断熱構造は、相互の垂直端面をそのまま突き当て構造とし、そのために壁や屋根に格子状に形成される膨大な接合隙間の全長を高価な気密テープで封緘させる方法、又は、隙間をそのまま放置した突き当て接合に対し、本発明では高価な気密テープとその貼り付け作業が不要でコストダウンが大となり、さらにテープ部の熱橋や結露や、経時によるテープの剥れ、脱落の懸念や目地部の凹凸も解消され長期に亘り高性能の断熱気密ラインが確保できるのである。
また、複数の断熱材層を形成させる利点は、積層される断熱材の表面層が相互に断熱界面を形成するため同等材料で同等厚みの単層断熱材より断熱性能が向上するという効果も発明者等は見出し、断熱性の向上に寄与させているのである。又、2以上の複数層を積層一体化させる段階で予め相欠りや実構造を形成させる方向に積層する単層の板状断熱材を相互にずらせて積層一体化させることで、断熱接続構造が付加された安価な板状断熱材を提供することも出来る。この場合、必要時には現場で事前に形成された相欠り等の突出部を切断すれば単純矩形の断熱材に再加工することも容易である。
同じく、積層一体化が可能に型内成形された嵌挿用凹凸部を付加した板状断熱材を予め相欠り構造を形成させる方向に相互にずらせて嵌挿すれば相欠りや実構造が付加された板状断熱材とすることが可能で、その相欠り等の突出部を切断すれば単純矩形の断熱材に再加工できることは言うまでもなく、又、この嵌挿用凹凸部の位置をずらせて再嵌挿係止させることで単純矩形の断熱材にすることも、逆に、相欠り構造等が付加された板状断熱材に再嵌挿係止して積層、形成替えすることも容易に出来るのである。また、これらの板状断熱材に裁断用の罫線や予備の切溝を付加させれば正確且つ簡便な裁断加工が出来るのである。
さらに、これらの断熱材の長辺方向や短辺方向に弾性変形を可能とする凹溝スリットを付形すれば、構造材間への嵌挿作業が容易になり断熱気密性を向上させる効果を有する。凹溝スリットは連続したスリットでもよいが、スリットを非連続とすると弾性劣化が防止でき望ましい。又、型内成形する板状断熱材は厚みと共に成形サイクルが低下し低生産性となるが、複数層とするため薄い断熱材を成型すればよく、成形サイクルが向上しコストが低減できる。従来の発泡合成樹脂断熱材の欠点は現場で複雑な断熱材形状に裁断、掘削、切削、切断加工することや正確な寸法精度を得ることが極めて困難であった課題や高性能の断熱施工をする場合には多品種の板状断熱材が必要であり、その管理の煩わしさやコスト高等の課題が改善されるのである。
本発明の板状断熱材に用いられる発泡合成樹脂としては、例えば、発泡ポリスチレン樹脂、発泡ポリプロピレン樹脂、発泡ポリウレタン樹脂、発泡塩化ビニール樹脂、発泡ポリエチレン樹脂等が上げられるが、適度な剛性を有し断熱性、耐水性、緩衝性に優れ形態保持性に優れている点で、型内成型発泡ポリスチレン樹脂や押出成型発泡ポリスチレン樹脂が好ましいが、特に限定するものではない。本発明の板状断熱材の大きさは、一概には言えないが、例えば、壁や屋根等に連続して敷設する板状断熱材では、建物が尺モジュールのものは、910mm×1820mmが基本寸法として望ましく、メーターモジュールのものは、1000mm×2000mmが望ましいが特に限定するものではない。
又、根太用断熱材や屋根断熱遮熱断熱材等の特定部位の断熱材形状に裁断加工する用途の場合は、根太間隔(幅寸法が305mm、450mm等)や大引き間隔(幅寸法が910mm、1000mm等)の加工前の大寸法の板状断熱材を層剥離が可能に積層一体化させたものを用いて適宜裁断加工しても良い。また、前記した910mm×1820mmの板状断熱材を母材として任意の小分け寸法に切断カットし所定の根太用断熱材等の断熱材形状に裁断加工することも資材の共通化面から望ましい。
積層した断熱材の総厚みは、金融公庫仕様書等に記載の断熱材の材質の種類別に地域の断熱区分に応じ規定されている断熱材厚さを適宜適用し決定すればよく、例えば、2層からなり等厚さの相欠り構造に加工する場合は、規定厚さの1/2の厚みの断熱材を層剥離が可能に積層一体化すればよい。実構造等の加工をする場合は規定の断熱材厚みの1/3の厚みの断熱材を3層に層剥離可能に積層一体化されていれば良い。又、積層する断熱材の総厚みは、規定の厚さに限定するものではなく、断熱材の加工目的や加工形状により適宜選定されればよく、各断熱層の厚さも等厚さに限定するものではなく後加工の形態を考慮し適宜厚さの異なる断熱材を層剥離が可能に積層一体化させればいい。
積層する断熱材の積層数は特に限定しないが実用面や裁断加工性から5層以下が望ましく多目的の板状断熱材としては2層又は3層で対応可能であるが目的に応じて適宜選定すればよい。本発明の大判の板状断熱材から根太用断熱材や屋根用等の断熱、遮熱、通気等の機能付の断熱部材に小分け裁断加工するものについては、積層する断熱材厚みや層数は目的に応じて積層し切断、裁断加工等されればよい。積層する板状断熱材が、単純矩形の平板の断熱材の場合は、押出成形品やそのスライス品や型内成形品やそのスライス品等でなされる。
これらの断熱材の層剥離を可能とする積層手段としては、接着やミシン逢着やステップル逢着等がある。接着による場合は、積層面の全面又は相欠り加工等の層剥離が想定される板状断熱材の外周部位等を除く面を再剥離が可能なウレタン系等の粘着接着剤で接着一体化させれば裁断加工部位の裁断片の層剥離が可能で必要な断熱構造は容易に形成できる。又、相欠り加工等の裁断片の層剥離、除去が想定される板状断熱材の外周側面に沿った帯状の部位は接着させず、その他の中央部等の部位面を限定的に接着する場合は、その接着面は再剥離が不要なためホットメルト接着剤やエポキシ等の硬化型接着剤で剥離が不能に接着一体化させてもよく、この場合、裁断加工該当部位には接着剤が介在していないため裁断加工片の層剥離、除去は容易となる。接着の種別は、点接着や線接着や帯状接着や全面接着によってなされ、断熱施工後の経時変化や断熱材の自重等で剥離しない接着強度と接着寿命があれば、接着種別は特に限定しない。
ミシン縫着の場合は、製畳用等の工業用ミシンで相欠り加工等の裁断片の層剥離が想定される板状断熱材の外周部位等を除く面にミシン掛けすれば、裁断加工後の層剥離は自在にできるので望ましいがミシン逢着は断熱材の弾性復元力でミシン糸を保持固定されるのでミシン逢着が部分的に損傷されたとしても実質的に積層一体化力は低下することは無く実用性が損なわれることは無い。又、裁断部や、層剥離部位が予め想定されない場合等の別のミシン逢着方法としては、ミシン糸に接着剤を塗布しながら逢着すれば、ミシン糸と断熱材との接着力や固着力が増大し、裁断、再剥離部とミシン逢着部がオーバーラップしミシン糸が切断されても、そこから糸がほつれて積層間の固着力が損傷、低下することが無く自在な裁断加工が可能となるので望ましい。裁断、剥離、除去部の断熱材とミシン糸の分離切断は断熱材の層間にカッターナイフを入れミシン糸を切断すれば容易に切断分離剥離できる。この場合、接着剤は、エポキシ系等の硬化型樹脂が望ましいが、実質的にミシン糸と断熱材が固定一体化できるものであれば粘着接着剤でもよく特に限定するものではない。
さらに、これらの板状断熱材を層剥離が可能な複数層構造に積層一体化させる際に、層間に、防湿性や輻射熱遮断等の効果のあるフイルム等の別の素材をサンドイッチ上に挟持させることも可能で本発明の効果を向上させることが出来るので必要に応じて適宜採用すればよい。又、別の層剥離が可能な板状断熱材の形態として、層剥離が可能な複数層構造が、複数からなる型内成形された板状断熱材の嵌挿用凹凸部を相互に嵌挿させ層剥離が可能に積層一体化させてなることによってなされる。
例えば、2層からなる3×6判の型内成形される板状断熱材を積層一体化させるには、例えば、相互の積層面の相対応する位置に、嵌挿用の球状凹部と球状凸部を形成させそれぞれが嵌挿固定されることによって相互の凹凸に係止力が発揮できる係止構造とすることで相互は必要な部位の層剥離が可能に積層一体化できるのである。球状凹凸の数は積層した層間が自重や断熱作業等の取り扱いで剥離せず隙間が形成しないように固着一体化され、裁断加工し層剥離、除去が必要な部位については、嵌挿用凹凸を引き剥がせば容易に再剥離、除去ができるように構成される。嵌挿凹凸は、個々が独立した多数の球状の凹凸が相互に対応して構成されていてもよく、又、断面が概円形の凸棒状と凹溝棒状が相互対応位置面に筋状に形成されていてもよく、嵌挿用凹凸の相互が嵌挿、係止、再剥離ができる構成であれば、形状や数は限定するものではないが、相互面の嵌挿用凹凸が左右上下に対照的に配列、形成させることにより、それらの外側面をそろえて積層することで単純矩形の板状断熱材とすることが可能である。
又、逆に、予め、相欠り構造の板状断熱材とすべく、相欠り寸法分だけ相互に嵌挿位置をずらして積層すれば、2側面が相欠りや4側面が相欠り構造等、任意な構成で嵌挿、積層することも可能となる。また、施工現場で嵌挿用凹凸部を剥がして積層を解除し、改めて任意の位置で再嵌挿させれば任意の形状に積層された板状断熱材を形成することも可能となる。これらの嵌挿凹凸を付形した板状断熱材の積層方法は、嵌挿凹凸の大小の寸法関係や嵌挿凹凸の先端が膨出部を有する等による係止形状が発現する嵌挿係止力のみで積層一体化させてもよく、接着剤と併用させてもよい。
又、別の層剥離が可能な複数層構造にする方法として、例えば、1の単層の板状断熱材を母材として、その側面側から断熱材の厚みを2等分する位置で、且つ、相欠り幅寸法と同等以上の深さまでニクロム線や鋸でスライス溝加工することにより部分的な複数層を形成させ、その複数層を相欠り等の様々な付形の目的や形状に合わせて裁断加工し裁断片を層剥離、除外されれば所期の形状の板状断熱材が得られるのである。又、本板状断熱材は、無裁断のまま使用すれば単純矩形の断熱材としても使用でき、スライス溝幅は1mm内外であり断熱性や強度で実用上の影響を与えることは無い。
次いで、図面を用いて本発明を説明するが、特に記述しなくとも、これらは本発明の実施態様の一例を開示するに過ぎないことから、これらの記載により、なんら本発明は制限されるものではない。
実施例1
図1(a)は、本発明の一実施態様を示すものであって、板状断熱材2aと板状断熱材2bがミシン逢着10にて層剥離が可能に積層一体化された板状断熱材2の斜視図である。本図では、板状断熱材2aと板状断熱材2bには、長辺方向と短辺方向に平行な切削・裁断用の罫線5が予め印刷され、弾性付与スリットと裁断用予備切り溝をかねた凹溝4aが付形されている。例えば、この罫線を目安に板状断熱材2a又は板状断熱材2bのいずれかの断熱材を裁断し、その切断片を層剥離、除去すれば相欠り構造が形成される。切削用の罫線5や凹溝4aは、必須ではなく、数も1〜3程度付形されていてもよい。
図1(b)は、板状断熱材2aと板状断熱材2bを層剥離が可能に積層一体化させた断面構造を示す断面図である。(イ)は、ミシン逢着10ラインに沿った板状断熱材2の断面図である。ミシン糸は発泡合成樹脂の弾性復元力で拘束、固定されているが、さらにミシン糸に接着剤を塗布して逢着すると積層一体化力は向上しミシン逢着10の一部が裁断されても板状断熱材2aと板状断熱材2bの一体化は堅固に維持されるので望ましい。(ロ)は、板状断熱材2a又は板状断熱材2が線接着11で積層一体化されている状態を示す断面図である。凹溝4aは一方の断熱材厚みの概1/2以上が望ましく幅は1mm〜3mm程度が望ましい。
図1(c)は、図1(a)を母材にして裁断加工し形成される断熱材間の接合目地部の断熱構造例の断面図である。(イ)は、相欠り構造9a/9bで平面接合された目地部の断面図である。一方の断熱材2の板状断熱材2aの面に、配管56を埋設する埋設溝56aが裁断、層剥離、除去されて形成されている。(ロ)は、板状断熱材2aと板状断熱材2bからなる板状断熱材2を用いた入隅(又は出墨)接合目地部を形成する相欠り構造9a/9bを示す断面図である。(ハ)は、壁の柱51と断熱材の取り合いを表す断面図で柱51の中心部で板状断熱材2aを突き当構造とし、更に板状断熱材2bが柱51を包含する構造に裁断加工した施工断面図である。従来の単層断熱材1の場合は柱面上で突き当て接合させるだけであり断熱気密性が劣り壁厚が厚くなる欠点があったが本構造は柱51を包含する構造にしているので断熱気密性が向上し、且つ、壁厚を薄く出来る利点がある。
(ニ)は、断熱材のT型接合の断面図で板状断熱材1が本発明の板状断熱材2に差し込み構造17で接合させた状態を表している。従来はT型に突き当てるだけでは断熱隙間が大きく気密テープ張りも困難であったが本構造とすることで気密性が確保され気密テープが不要で断熱性が向上する。(ホ)は、屋根部の斜め接合の断面図で板状断熱材1が本発明の断熱材2に斜め差し込み構造17で接合させた状態を表している。従来は斜め突き当は断熱隙間が大きく気密テープ張りも困難であったが本構造で解消される。(ヘ)は、屋根58と壁57の取り合い部の断面図で壁用断熱材2と屋根用断熱材2が変形の相欠り構造9c/9dで接合されるため断熱性や雨仕舞いや施工性が向上する。
実施例2
図2(a)は、型内成形された板状断熱材3aと板状断熱材3bの積層面に型内成型された嵌挿用凹凸3c/3dが付形されておりこの嵌挿用凹凸3c/3dの膨出部が相互に嵌挿係止し積層一体化された状態を示す板状断熱材3の斜視図である。板状断熱材3aと板状断熱材3bには、夫々、長辺や短辺に平行な非連続の弾性付与スリットと裁断用予備溝をかねた不連続の凹溝4bと凹溝4bの弾性劣化を防止する不連続部4cが設けられている。嵌挿用凹凸3c/3dは、板状断熱材3aと板状断熱材3bの積層面に対照形に付形されており、双方の4側面を面一に揃え積層すると単純矩形の板状断熱材3が形成される。この構成において、任意の側面の凹溝4を裁断し、裁断片を層剥離させて相欠り構造を形成させることが出来る。又、裁断等を行わず相欠りを設けたい任意の側面方向にその寸法分だけ板状断熱材3aと板状断熱材3bを相互にずらして嵌挿用凹凸3c/3dを嵌挿させて積層すれば相欠り構造の板状断熱材3が形成される。又、一旦、積層一体化された板状断熱材3の嵌挿用凹凸3c/3dを剥離して異なる方向にずらせて再嵌挿することで板状断熱材3の形態を任意に形成替えすることもできるのである。
図2(b)は、嵌挿用凹凸3c/3dの実施例を示す断面図である。(イ)は、図2(a)のA矢視図で板状断熱材3a側に嵌挿用凸3dを設け、対応する板状断熱材3b側に嵌挿用凹3cを設け相互に膨出部を形成させその膨出部によって積層一体化させた状態を表している。夫々の側面部には、予備切り溝と弾性スリットを兼ねた凹溝4bが設けられている。(ロ)は、膨出部を有する嵌挿用凹凸3c/3dが板状断熱材3aと板状断熱材3bに同形対照に設けられており、相互に嵌挿する事により板状断熱材3が形成され、再嵌挿も可能である。(ハ)は、嵌挿用凹凸3c/3dの膨出部の形成例を表すもので、球状の膨出部を13mm径とし球状緊縮首部を11mm径とすると嵌挿しやすく、再嵌挿も可能で嵌挿後の弾性劣化で脱落、剥離することは無く、長期安定的に係止、積層できるのである。図2(c)は、単純矩形に積層一体化させた板状断熱材3の長辺方向に平行な相欠り9a/9bを形成させるために裁断カットして形成させる工程と板状断熱材3aの面部を円形に裁断し裁断片を剥離除去して形成させた円形凹部の形成イメージを表す斜視図である。(ロ)は、4側面を相欠り9a/9bの加工をイメージする斜視図である。
実施例3
図3(a)は、1からなる単層で平板の板状断熱材6の4側面側から断熱材の厚みを部分的な2層(6a,6b)とするスライス溝6cを設け部分的な層剥離が可能な複数層構造を形成させた斜視図である。スライス溝6cはニクロム線や鋸歯で必要な深さまで切り込めばよい。図3(b)の(イ)は、スライス溝6cの断面詳細図で板状断熱材6が6aと6bに層分割されている。(ロ)は、2枚の板状断熱材6の接合目地部を相欠り構造とするために部分的な2層構造(6a,6b)を相欠りとするように夫々裁断し裁断片を除去し接合させた断面図である。
図3の(c)は、屋根断熱の実施例で棟垂木52と断熱材の取り合いを表す断面図で垂木52の中心部で板状断熱材6を突き当構造とし、更に板状断熱材6垂木52を包含する構造に部分的な2層構造の6bを裁断して敷設した施工断面図である。従来の単層断熱材1の場合は柱面上で突き当て接合させるだけで断熱気密性が劣り屋根厚が厚くなる欠点があったが本構造で断熱気密性が向上すると共に屋根厚が薄く出来る利点がある。図3(d)は、部分的な2層構造の板状断熱材6と従来の単層の板状断熱材1との断熱構造を表す断面図で部分的な2層構造部6aを裁断しコーキング材33の充填溝33aを形成させた実施例である。
実施例4
図4(a)は、押出発泡ポリスチレン樹脂製の板状断熱材7a,7b,7cからなる3層構造を単純矩形に積層一体化させた板状断熱材7の斜視図で、長辺に平行なミシン逢着10を中央に設け、短辺に平行なミシン逢着10を3本設けて積層一体化させてある。板状断熱材7の表面には、裁断加工等の加工の目安となる罫線5を印刷させている。図4(b)は、3層からなる板状断熱材7の断熱構造の実施例を示す断面図である。(イ)は、2層構造の板状断熱材2の1層側に差し込み溝15を裁断加工し、そこに、板状断熱材7を実(さね)構造とした実部の差込み断熱構造を形成させた実施例である。(ロ)は満場断熱材7の7aと7bに差し込み溝15を裁断加工して設け、板状断熱材1を差込構造とする断熱構造を形成させた実施例である。
(ハ)は、板状断熱材7aと板状断熱材7cに桟木58を装着させる差込溝15を裁断して設け桟木58を接着剤で固定し仕上げ材55を釘31でと止めてなる断熱間仕切壁の実施例である。(ニ)は、板状断熱材7の断熱材中に配管や電線等を埋設構造とする実施例で細い配管64には板状断熱材7aを裁断して埋設溝を設け、サイズが大の配管63の埋設溝は板状断熱材7a,7bを裁断して埋設溝を形成させた断面図である。従来は断熱材を掘り込むことが困難なため断熱材を除去しているため断熱欠損となるがこの課題が解消されるのである。(ホ)は電線配管の継電ボックス等の構造物を断熱材内に収納する実施例で断熱性を損なうことなく施工できる実施例である。(へ)は、鉄骨住宅等の複雑に入り組んだ構造材と板状断熱材の断熱構造の実施例である。通常これらの複雑な骨組み構造の構造材に単層の板状断熱材1を採用することは難しく、ガラスウール等の繊維系充填断熱材が多用されているが結露が発生し断熱性能が短期に低下しやすいが、複雑な建造物構造体に3層からなる板状断熱材7を適用した実施例の断面図で、従来の課題が解消されるのである。
実施例5
図5は、金型による複雑な形状の型内成形が適用できない小ロットで複雑な形状の断熱材が必要な時、複数層構造の板状断熱材8や7を母材として施工現場等で容易に所要する構造に裁断、形成させることが出来る実施例を表している。図5(a)は、図5(b)の(ロ)に示す2層からなる板状断熱材8aと8bをミシン逢着で積層一体化させた板状断熱材8を母材として裁断加工し通気層70を形成させた屋根用の通気層付断熱材の施工断面図である。母屋上の垂木56に載置させる構造で通気層付断熱材を形成、敷設しその上面に野地板53とアスファルトルーフィング56が敷設されている。本構成とすることで屋根から侵入する熱の遮熱断熱と通気層70が壁面の通気層と連結させることで高断熱構造が構成できるのである。
図5(b)の(イ)は、図5(a)の通気層付断熱材の斜視図である。(ロ)は、板状断熱材8が板状断熱材8aと8bをミシン逢着させた側面図である。図5(c)(イ)は、3層からなる板状断熱材7(7a,7b,7c)を母材に裁断形成させた通気層付断熱材の斜視図で通気層70の上部には7aから切り出した遮熱板7dが装着されており、屋根断熱・遮熱が効果的に発揮されるのである。板状断熱材7a,7b,7cの層剥離が可能な積層手段はウレタン系粘着接着剤によって行われており、裁断部の層剥離は可能であり接着面は長期安定的に接着力が保持されているのである。
実施例6
図6は、押出成形品等からなる平板の板状断熱材又は発泡ポリスチレン樹脂等の型内成形された板状断熱材を予め相欠り構造等の断熱気密構造を有する板状断熱材の形態に構成させて、層剥離が可能なミシン逢着や接着や凹凸嵌挿等により積層一体化させる板状断熱材の積層形態を表している。図6(a)は、2層の板状断熱材を積層させる前の相互をずらす方向のイメージを表す斜視図である。図6(b)は、長辺方向の相欠りを形成させた斜視図でミシン逢着10で積層一体化させている。図6(c)は、短辺方向の相欠りを形成させた斜視図でミシン逢着10で積層一体化させている。
図6(d)は、4辺に相欠りを形成させた斜視図でミシン逢着10で積層一体化させている。図6(e)は、3層からなる板状断熱材の4方向を実構造とした斜視図でミシン逢着10で積層一体化させている。図6(f)は、3層からなる板状断熱材の2方向を実構造とした斜視図でミシン逢着10で積層一体化させている。図6(g)は、2層からなる凹凸嵌挿部(3c/3d)が付形された型内成形の板状断熱材の嵌挿位置をずらすことにより様々に積層して板状断熱材を形成させることが可能なことを表す断面図である。図6(h)は、3層からなる凹凸嵌挿部(3c/3d)が付形された型内成形の板状断熱材の嵌挿位置をずらすことにより様々に積層して板状断熱材を形成させることが可能なことを表す断面図である。
実施例7
図7(a)は、従来の単層の板状断熱材を用いた外断熱構造の壁の断熱構造を表す斜視図である。柱外面で板状断熱材を突き当て、釘で止める以外は断熱材の側端面を順次突き当てて敷設してゆくが兵高度や傾き等で接合目地部には様々な隙間や凹凸や波うち等の住宅の断熱気密性の致命的な現象が多発し、そこを気密テープ30で縦横に接合するというテープの脱落や結露が発生しやすい極めて稚拙な方法で行われているのである。又、接合構造によっては、気密テープ処理が出来ない箇所や接続構造もありそのまま放置されている場合があるのである。
図7(b)は、従来の単層の板状断熱材1で敷設されている各種の断熱接合目地部の構造例である。(イ)は、平面状の突き当て構造の接合目地部の断面図で長さ方向に接合隙間20が蛇行拡大等で形成されている。(ロ)は、入隅、出隅の突き当て構造の接合目地部の断面図で長さ方向に接合隙間20が蛇行拡大等で形成されている。(ハ)は、T型接合構造の接合目地部の断面図で長さ方向に接合隙間2が蛇行拡大等で形成されている。(ニ)は、傾斜接合部の接合目地部の断面図で長さ方向に接合隙間20が蛇行拡大等で形成されている。(ホ)は、屋根接合部の接合目地部の断面図で長さ方向に接合隙間20が蛇行拡大等で形成されている。(へ)は、平板断熱材の突き当て部を気密テープ30で封緘した断面図である、テープ部の接合隙間20で結露やテープの脱落はがれが発生しやすい。(ト)は、従来の工場で単層の板状断熱材1をルーダー加工等で相欠りにプレカットしたものを接合した断面図である。建造物は現場での寸法誤差が大きいのでプレカットした目地等は隙間が大となったり敷設不能となりやすいので望ましくなく本発明の現場で任意の最適寸法に裁断加工することの効能はきわめて大きいのである。
このように既述した層剥離が可能に積層一体化させた板状断熱材とすることで、従来の単層の板状断熱材のように、そのまま敷設する場合にも、本発明は従来品と同等の敷設が可能であることは当然として、さらに、従来の大欠陥であった目地部の隙間や凹凸、不面一等の敷設に対し、隙間のない確実な断熱気密構造の接合目地部が形成されるのみならず、従来は、型内成形品以外は対応不能であった複雑な板状断熱材や断熱構造材を現場で迅速簡便に形成加工させることが可能で、施工部位ごとに応じた、より良好な断熱・機密構造を有する好ましい実施態様とすることが出来るのである。
本発明の一実施態様を示す2層からなる板状断熱材を示す斜視図と施工例の断面図である。 本発明の型内成型品を積層してなる実施例を示す斜視図と部分詳細図である。 本発明の単層板状断熱材を層分離可能とする実施例を示す斜視図と部分断面図である。 本発明の3層からなる実施例の斜視図と施工部分断面図である。 本発明の断熱構造化させてなる実施例の斜視図と部分施工断面図である。 本発明の他の実施例を示す斜視図と部分断面図である。 従来の板状断熱材の接合構造を示す斜視図と部分施工断面図である。 図7(a)は、従来の単層の板状断熱材を突き当てて敷設して形成される接合目地部を気密テープで封緘した斜視図である。
符号の説明
1 従来の単層の板状断熱材
2,2a,2b 押出成形板状断熱材
3,3a,3b 型内成形板状断熱材
3c/3d 嵌挿用凹凸部
4a 凹溝(弾性付与スリット、裁断用予備切り溝)
4b 不連続凹溝
4c 不連続部
5 罫線
9a/9b 相欠り切り構造
6,6a,6b 部分積層板状断熱材
6c スライス溝
7a,7b、7c 3層断熱構造材
8a,8b 2層断熱構造材
10 ミシン逢着
11 線接着
17 差し込み構造
32 粘着接着
50、52 59構造材
56、56a 埋設配管、埋設溝
55、57、58仕上げ材

Claims (8)

  1. 板状断熱材の全体又は部分が断熱材の厚み方向に沿って層剥離が可能な複数層構造に積層または形成させてなることを特徴とする発泡合成樹脂製板状断熱材。
  2. 層剥離が可能な複数層構造が、複数からなる平板の板状断熱材を層剥離が可能に積層一体化させてなることを特徴とする請求項1に記載の発泡合成樹脂製板状断熱材。
  3. 層剥離が可能な複数層構造が、複数からなる型内成形された板状断熱材の嵌挿用凹凸部を相互に嵌挿させ層剥離が可能に積層一体化させてなることを特徴とする請求項1に記載の発泡合成樹脂製板状断熱材。
  4. 層剥離が可能な複数層構造が、1からなる平板の板状断熱材の少なくとも1側面側から断熱材の厚みを複数層化する1以上の切り溝を設け部分的な複数層構造を形成させてなることを特徴とする請求項1に記載の発泡合成樹脂製板状断熱材
  5. 層剥離が可能な複数層構造で形成されてなる板状断熱材の断熱層を任意の形状に裁断加工や、層剥離させ相欠り構造等の断熱気密構造を有する板状断熱材を形成させてなることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の発泡合成樹脂製板状断熱材及びそれを用いた断熱構造
  6. 層剥離が可能な複数層構造を形成させる平板の板状断熱材又は型内成形された板状断熱材を予め相欠り構造等の断熱気密構造を有する板状断熱材の形態に構成させ層剥離を可能に積層一体化させてなることを特徴とる請求項1〜3のいずれか1項に記載の合成樹脂製板状断熱材及びそれを用いた断熱構造。
  7. 層剥離が可能な複数層構造で形成されてなる板状断熱材の表面側及び/又は裏面側の断熱材の表面に予め裁断加工用の罫線又は切り溝を付与させてなることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の合成樹脂製板状断熱材。
  8. 層剥離が可能な複数層構造で形成されてなる板状断熱材の表面側及び/又は裏面側の断熱材の側面側近傍に板状断熱材の長辺方向及び/又は短辺方向に弾性変形が可能な凹溝スリットを1以上付形してなることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の発泡合成樹脂製板状断熱材。
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