JP2017115351A - 屋根下葺シート - Google Patents

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Abstract

【課題】屋根葺き等の作業に際し、針孔や釘孔も生じず、防水効果を維持し、ゴミとして発生する剥離紙を無くし、施工の効率を低下させずに、作業員の転倒・滑落事故を防止して安全性が確保されるようにした屋根下葺シートを提供する。【解決手段】流通保存形態のロール巻きを解いた帯状の遮水シート(S)が屋根の野地板(50)に展張敷設される屋根下葺シート(100)であって、遮水シート(S)の貼着面(10)には、長手方向に粘着剤(30)を塗布した複数の帯状粘着領域(11〜16)が形成され、遮水シート(S)の貼着背面(20)であるとともに帯状粘着領域(11〜16)の裏側に位置する領域には、粘着剤(30)から粘着作用を受け難い剥離層(21〜26)が形成された。【選択図】図2

Description

本発明は木造家屋等の建築物の屋根構造において、漏水防止等を図るための、屋根の野地板上に貼り付けられる屋根下葺シートに関する。
木造家屋等の屋根構造は、一般に、棟木と敷桁間に多数本の垂木が互いに所定の間隔を以って架け渡し状態で支持されるとともに、これら垂木上に構造用合板等を張って野地板を構成する。屋根構造は、野地板の表面に屋根下葺シートを全面に亘って張り付ける(以下、「展張敷設」という)とともに、この屋根下葺シート上からリング釘を打ち付けて桟木を所定の間隔を以って固定する。屋根構造は、瓦の引っ掛け爪をそれぞれ桟木に掛け合わせるようにして下方から順に葺くことにより構成する。
屋根構造においては、屋根下葺シートとして、原紙にストレートアスファルトを浸透させて両面をコーティングしたアスファルト系シートや、合成樹脂系シート或いは樹皮等の天然素材系シートが従来一般に用いられている。屋根下葺シートは、もっぱら瓦の隙間や亀裂等から浸入する雨水等の屋内への漏れを防止する二次防水材として上述したように野地板上に張り付けられることから、確実な防水性が要求される。
ところで、木造家屋等に用いられる屋根下葺シートの主目的は、防水性を有して外部から浸入する雨水等を遮断することにある。しかしながら、従来の貼り付け方法として、タッカーで打つ針(ステープル)や釘により野地板に貼り付ける方法が一般的であった。その場合、これらの針(ステープル)や釘は、遮水のためのシートに針孔や釘孔を開けてしまい漏水の原因になるので、その点を改善することにより防水効果を高めたいという課題があった。
また、前記課題を解決するために、例えば特許文献1に示すように、針(ステープル)や釘を不要にした屋根下葺材も知られている。具体的には、遮水シートに剥離紙を貼り、該剥離紙側を内側にしてロール状に巻き、その巻終わり部の剥離紙を、これが対面するロール側に接着したことを特徴とし、ロールの巻終わり部の剥離紙の一部を剥がして遮水シートを露出させ、その先端を野地板に貼り、ロールを巻き戻しつつ順次貼って行くと、一周遅れで剥離紙が背面側に重なった状態で自然に剥がれていくように構成した、というものである。
特開2001−295429号公報
しかしながら、特許文献1における屋根下葺材は、ロールを巻き戻しつつ順次貼って行くと、一周遅れで剥離紙が背面側に重なった状態で自然に剥がれていくが、このとき、ロールを巻き戻しつつ順次貼った分の遮水シートの長さや面積に対応する剥離紙が必ず発生する。このように剥がした剥離紙は、ロールの引張り側において、展張貼着の作業進捗に応じて発生し、作業員の足元に散乱するので大変邪魔になる。その上、滑りやすい剥離紙は、屋根の上という高所で作業する者の安全確保の点から、速やかに作業領域から排除することが必要である。
本発明は、このような問題に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、粘着剤で野地板に貼り付けることにより、タッカーで打つ針(ステープル)や釘を不要にするとともに、針孔や釘孔も生じさせず、防水効果を高くするようにした屋根下葺シートを提供することにある。また、屋根葺き等の作業に際し、ゴミとして発生する剥離紙を無くすことにより、施工の効率を低下させずに、作業員の転倒・滑落事故を防止して安全性が確保されるようにした屋根下葺シートを提供することにある。
本発明は、このような目的を達成するためになされたもので、請求項1に係る屋根下葺シート(100)は、流通保存形態のロール巻きを解いた帯状の遮水シート(S)が屋根の野地板(50)に展張敷設される屋根下葺シート(100)であって、前記遮水シート(S)の貼着面(10)には、長手方向(X)に粘着剤(30)を塗布した複数の帯状粘着領域(11〜16)が形成され、前記遮水シート(S)の貼着背面(20)であるとともに前記帯状粘着領域(11〜16)の裏側に位置する領域には、前記粘着剤(30)から粘着作用を受け難い剥離層(21〜26)が形成されたことを特徴とする。
また、請求項2に係る屋根下葺シート(100)は、請求項1に記載の屋根下葺シート(100)において、複数の前記帯状粘着領域(11〜16)は、それぞれが前記遮水シート(S)の全幅Wよりもはるかに狭い第1の幅Bに形成され、これら第1の幅Bの全数分を合計しても前記全幅Wの1/10以下であり、前記剥離層(21〜26)は、前記第1の幅Bよりも広い第2の幅Cに形成され、該第2の幅Cは前記第1の幅Bの1.5〜10倍の範囲であることを特徴とする。
また、請求項3に係る屋根下葺シート(100)は、請求項2に記載の屋根下葺シート(100)において、前記遮水シート(S)の幅方向(Y)の一端から他端まで順番に規定された距離Y1,Y2,Y3,・・・,Y7,・・・,Ynを設けて並ぶ複数の基準点(1〜6)と、前記幅方向(Y)に隣接して展張敷設されるオーバーラップ幅Eを明示した重ね代(41,42)と、を備え、前記帯状粘着領域(11〜16)は、それぞれが前記基準点(1〜6)を含むとともに、前記長手方向(X)の全長(L)にわたって平行に延在し、下層側(60)と上層側(70)で前記重ね代(41,42)を合わせてオーバーラップした相手に対し、前記下層側(60)の前記剥離層(21〜26)に、前記上層側(70)の前記帯状粘着領域(11〜16)が重ならないように、前記第1の幅Bと、前記第2の幅Cと、前記オーバーラップ幅Eと、前記規定の距離Y1,Y2,Y3,・・・,Y7,・・・,Ynと、を設定したことを特徴とする。
また、請求項4に係る屋根下葺シート(100)は、請求項3に記載の屋根下葺シート(100)において、前記規定の距離はY1〜Y7であり、前記全幅Wを700〜1300mm、前記第1の幅Bを3〜7mm、前記第2の幅Cを7〜13mm、前記オーバーラップ幅Eを73〜137mm、前記規定の距離Y1〜Y7について、Y1,Y7を7〜48mm、Y2,Y4,Y6を73〜186mm、Y3,Y5を232〜360mm、に設定したことを特徴とする。
本発明によれば、屋根葺き等の作業に際し、粘着剤で野地板に貼り付けることにより、タッカーで打つ針(ステープル)や釘が不要になるとともに、針孔や釘孔も生じさせず、防水効果を高くするようにした屋根下葺シートを提供することが可能である。また、ゴミとして発生する剥離紙を無くすことにより、施工の効率を低下させずに、作業員の転倒・滑落事故を防止して安全性が確保されるようにした屋根下葺シートを提供することも可能である。
本発明に係る屋根下葺シート(以下、「本シート」ともいう)を展張敷設する手順について説明する側面(ロール端面)図である。 本シートをロール巻きした流通保存形態の側面(ロール端面)図であり、図2(A)は全体の側面図、図2(B)は巻き解き端緒部(以下、単に「端緒部」ともいう)を拡大した側面図である。 図1および図2に示した本シートを屋根の野地板に展張敷設した様子を説明するための平面図と、屋根の妻又は垂木に平行な平面による断面図である。 展張敷設された本シートのオーバーラップ部を説明するための、屋根の妻又は垂木に平行な平面による断面図である。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。なお、本シートの構成と、それを野地板上に展張敷設する手順を適宜あわせて説明する。
図1は、本シートを展張敷設する手順について説明する側面(ロール端面)図である。なお、図1は、後述する基準点1〜6のいずれか1点を長手方向Xに通過する線を含んでロール巻きを輪切りに切断した断面図と見ても良い。
図1に示す本シート100は、貼着面10を外側にロール巻きされており、屋根の野地板50の表面において、ロールを進行方向Gに転がすように回転(矢印F)させて解きながら展張敷設される。本シート100は、粘着剤で野地板に貼り付けることにより、タッカーで打つ針(ステープル)や釘を不要にするとともに、針孔や釘孔も生じさせず、防水効果を高くすることが可能である。
図2(A)は、本シートを流通や保存に適する形態にロール巻きした流通保存形態の全体側面(ロール端面)図である。なお、図2も、後述する基準点1〜6のいずれか1点を長手方向Xに通過する線を含んでロール巻きを輪切りに切断した断面図と見ても良い。本シート100は、例えば、全幅W=1m、全長L=10mを定尺とする不織布等の遮水シート(以下、「基材」ともいう)Sにより主要構成されている。
なお、本シート100は、その流通保存形態において、粘着剤30の塗布された貼着面10が最外周に露出しているため、その帯状粘着領域11〜16をゴミ付着等による粘着力低下の害から保護するために、専用の包装袋(不図示)に包装されている。包装袋は、流通保存形態の本シート100、すなわちロール巻き状態の全体を収容可能な大きさである。この包装袋の内面には、後述する粘着剤30から粘着作用を受け難い剥離層が形成されている。あるいは、包装袋の構成材料が、粘着作用を受け難い材料により形成されていても良い。
本シート100は、工場で生産され、ロール巻きして袋詰めした流通保存形態で流通保存される。また、本シート100は、流通途中の在庫保存等を経て消費地である木造住宅建築現場、又は屋根瓦の葺き替え施工現場まで運ばれる。その後、屋根の野地板50の上で、流通保存形態の包装袋からロール巻き状態で取り出され、そのロール巻きを解かれた帯状の遮水シートSが、展張敷設される。展張敷設の詳細な手順については後述する。
図2(B)は、図2(A)に示した本シート100の端緒部9を拡大した側面図である。図2(B)に示すように、本シート100を主要構成する遮水シートSは、平面視した表側(表側)の貼着背面20と、その裏側(下側)の貼着面10との区別がある。
遮水シートSの貼着背面20であって、しかも帯状粘着領域11〜16の裏側に位置する領域には、粘着剤(以下、「糊」ともいう)30から粘着作用を受け難い剥離層21〜26が形成されている。この剥離層21〜26は、本シート100をロール巻きした状態で、帯状粘着領域11〜16に対面し、微弱な粘着力で軽く接着される。そのため、本シート100が未使用の状態で、帯状粘着領域11〜16の糊面を剥離層21〜26が保護している限り、ゴミ等が付着せず粘着性能を維持される。
なお、上述した剥離層21〜26と帯状粘着領域11〜16との微弱な粘着力は、ロール巻きが自然には解けない最小限度であることが好ましい。なお、ロール巻きが自然に解ける程に粘着力が弱過ぎるならば、巻き解き端緒部9を、ロールの1周内側の貼着面10に、不図示の粘着テープ等で軽く固定することにより流通保存形態を維持すれば良い。
また、本シート100を巻き解して使用する際は、まず、包装袋からロール状態で取り出して、粘着力を維持した新鮮な糊面を露出させる。この帯状粘着領域11〜16を有する端緒部9近傍から野地板50に貼り、ロールを巻き戻しつつ順次貼って行くと、一周遅れ(ロールの内側)の帯状粘着領域11〜16が剥離層21〜26から自然に剥がれる。本シート100は、野地板50の上面において、ロールを巻き解きながらに展張敷設する作業を、作業員が1人で容易に施工可能である。
展張敷設の手順は、屋根の傾斜面における低い位置を先に、高い位置を後に、すなわち軒先に近い位置から棟に近い位置へと順に、棟と平行、すなわち傾斜方向と直角に貼り進められる。このとき、貼り付けている最中の帯状粘着領域11〜16の裏側の剥離層21〜26に対し、ロールの内側に1周遅れの帯状粘着領域11〜16は、密着状態から自然に剥がれるのでロールが解ける。
このようにして、本シート100は展張敷設される。なお、本シート100の剥離層21〜26は、基材Sの表面に薬剤を含浸させるなどして形成されている。したがって、剥離紙を貼り付けておらず、剥離紙を剥がして捨てる構成ではないため、ゴミが発生しない。そのため、作業員が剥離紙で足を滑らせこともなく、屋根から転落するような事故も防止できる。
遮水シートSは、屋根下葺材としての防水性を満足し、かつ、野地板50に対する密着性を兼ね備えたものである。即ち、野地板50全面に密着することにより、その後の屋根上葺材(瓦、金属瓦およびスレートなど)を固定する釘穴より雨水が侵入した場合でも野地板50全面に水が廻らないために優れた防水性能を発揮することとなる。なお、図3、図4において、野地板50の表面と、遮水シートSとの間に隙間があるように描かれているが、図解説明の便宜上のことであり、実際には、遮水シートSが野地板50に対して密着性をもって展張敷設されている。
また、遮水シートSの一例として、アスファルトを含浸させた合成繊維不織布が挙げられる。このアスファルトもストレートアスファルトか、ブローンアスファルトかは問わない。不織布の素材繊維も特に問わないが、ビニロン、ポリエステル等のプラスチック繊維が良い。厚さは35〜100g/mが適当である。また、粘着材30は施工時の温度(時期によって低温から高温までの幅広い)によっても自着するような配合にすることが望ましい。
図3は、図1および図2に示した本シートを屋根の野地板に展張敷設した様子を説明するための平面図と、屋根の妻又は垂木に平行な平面による断面図である。なお、木造家屋における切妻屋根の妻側から見た野地板50は、雨水を流して排水するために所定の傾斜角が設定されている。ただし、図3では紙面の都合により、野地板50を水平に描いている。図3に示すように、本シート100を主要構成する遮水シートSの貼着面10には、長手方向Xに粘着剤30を塗布した複数の帯状粘着領域11〜16が形成されている。
また、本シート100には、以下の詳細な寸法設定がある。まず、貼着面10には、一例として6本を図示する帯状粘着領域11〜16のそれぞれが、遮水シートSの全幅Wよりもはるかに狭い第1の幅Bに形成されている。これら第1の幅Bの全数分を合計しても全幅Wの1/10以下である。また、剥離層21〜26は、第1の幅Bよりも広い第2の幅Cに形成されている。また、本シート100は、粘着剤30で野地板50に貼り付けられるので、タッカーで打つ針(ステープル)や釘が不要になるとともに、針孔や釘孔も生じず、防水効果を高くすることが可能である。
この第2の幅Cは、第1の幅Bの1.5〜10倍の範囲である。本シート100は、例えば6本の剥離層21〜26について、後述する規定の距離に設定されて、平行に形成されており、剥離してゴミになるものではない。これらの剥離層21〜26は、その裏側に形成された帯状粘着領域11〜16により、野地板50に貼着・固定されて動かず、作業者が踏んでも移動しないため、大きな潤滑作用も生じ難い。したがって、剥離層21〜26を踏んだ人が、足を滑らせて転倒するような危険性は少ない。また、固定状態の剥離層21〜26の面積は、人の足裏面積に対して僅かな比率にとどまることも、潤滑作用を抑制して滑り難くしている。さらに、作業者の背中が、剥離層21〜26に圧し掛かった場合も同様である。したがって、作業者が踏んでも、転倒・滑落の危険性が少なくて済む。
また、本シート100には、基準点1〜n(例えば、3≦n≦10でもよいが、n=6を例示)と、重ね代41,42と、を備えている。基準点1〜6は、遮水シートSの幅方向Yの一端から他端まで順番に規定された距離Y1,Y2,Y3,・・・,Y7,・・・,Yn(Y1〜Y7として例示)を設けて並ぶように目印として設定された複数の点である。重ね代41,42は、幅方向Yに隣接して展張敷設されるオーバーラップ幅Eを明示した目印である。なお、オーバーラップ幅Eは、本シート100の全幅Wより広い屋根の傾斜面において、防水目的を達成するために不可欠である。なお、基準点1〜6は、規定の距離Y1,Y2,Y3,・・・,Y7を、正確に寸法規定するために設けた仮設の点であり、説明の便宜上の設定に過ぎない。一方、重ね代41,42は、作業員が作業の目安にするため、鮮明に印刷されている。
帯状粘着領域11〜16は、それぞれが基準点1〜6を含むとともに、長手方向Xの全長Lにわたって平行に延在している。本シート100は、第1の幅Bと、第2の幅Cと、オーバーラップ幅Eと、規定の距離Y1,Y2,Y3,・・・,Y7と、を設定している。なお、長手方向Xの全長Lについては、特に図示していないが、図2(A)のロール巻きを解いて直線状に伸ばした長さである。ただし、図2(A)は説明のための模式図に過ぎず、寸法関係を正確に読み取れるようにした設計図ではない。
図4は、展張敷設された本シートのオーバーラップ部を説明するための、屋根の妻又は垂木に平行な平面による断面図である。オーバーラップ幅Eにおける重ね代41,42の上下関係は、図4に示すとおりであり、屋根の野地板50において、勾配の低い方の重ね代42を下側にし、勾配の高い方の重ね代41を上側にして雨漏りを防ぐことはいうまでもない。図4に示すように、本シート100は、上述した寸法設定により、下層側60と上層側70で、それぞれの重ね代41,42を合わせてオーバーラップした相手に対し、下層側60の剥離層25,26に、上層側70の帯状粘着領域11,12は重ならない。
そのため、帯状粘着領域11〜16の粘着剤30が、剥離層21〜26に遮られることなく、有効に貼着作用する。したがって、流通保存形態のロール巻きを解いた帯状の遮水シートSが屋根の野地板50に、ムラ無く均等に展張敷設される。なお、上述のとおり、6本の細い帯状の剥離層21〜26は、たとえ作業員が踏んでも移動しないので、バナナの皮を踏んだ人が転倒するような危険性は少なく、転倒・滑落の危険性が少なくて済む。
本シート100は、全幅Wを700〜1300mm、第1の幅Bを3〜7mm、第2の幅Cを7〜13mm、オーバーラップ幅Eを73〜137mm、規定の距離Y1〜Y7について、Y1,Y7を7〜48mm、Y2,Y4,Y6を73〜186mm、Y3,Y5を232〜360mm、に設定することが好ましい。
本シート100は、第1の幅Bと、第2の幅Cと、オーバーラップ幅Eと、規定の距離Y1,Y2,Y3,・・・,Y7,・・・,Yn(Y7を超えるYnは例示を省略)と、について上述の数値設定をすることにより、下層側60と上層側70で重ね代41,42を合わせてオーバーラップした相手に対し、下層側60の剥離層21〜26に、上層側70の帯状粘着領域11〜16が重ならない。より良い具体的な数値設定については、以下の[実施例1]〜[実施例3]に示している。
実施例1は、以下の設定により好結果を得た。
全幅W=1000mm、第1の幅B=5mm、第2の幅C=10mm、オーバーラップ幅E=105mm、規定の距離Y1〜Y7について、Y1=10mm、Y7=40mm、Y2=105mm、Y4=155mm、Y6=100mm、Y3=290mm、Y5=300mm、に設定した。
実施例1の設定値を中心値として、±20%程度の許容範囲を考慮した設定値は、以下のとおりである。
800mm≦全幅W≦1200mm、4mm≦第1の幅B≦6mm、8mm≦第2の幅C≦12mm、84mm≦オーバーラップ幅E≦126mm、規定の距離Y1〜Y7について、8mm≦Y1≦12mm、32mm≦Y7≦48mm、84mm≦Y2≦126mm、124mm≦Y4≦186mm、80mm≦Y6≦120mm、232mm≦Y3≦348mm、240≦Y5≦360mm、に設定しても良い。
実施例1の設定値を中心値として、±30%程度の許容範囲を考慮した設定値は、以下のとおりである。
700mm≦全幅W≦1300mm、3mm≦第1の幅B≦7mm、7mm≦第2の幅C≦13mm、73mm≦オーバーラップ幅E≦137mm、規定の距離Y1〜Y7について、7mm≦Y1≦13mm、28mm≦Y7≦52mm、73mm≦Y2≦164mm、108mm≦Y4≦202mm、70mm≦Y6≦130mm、203mm≦Y3≦377mm、210≦Y5≦468mm、に設定しても良い。
以下、剥離層21〜26、目止め層(不図示)および遮水シートSについて、より詳細に説明する。
<剥離層>
本シート100は、貼着面10を外側にロール巻きされている。貼着面10には帯状粘着領域11〜16を有する。帯状粘着領域11〜16は、その遮水シートSを隔てた反対面、すなわち貼着背面20に剥離層21〜26が形成されている。剥離層21〜26は、ロールの内側に1周遅れて対面する帯状粘着領域11〜16に、微弱な接着力で接着される。この微弱な接着力によりロールが解けずに維持されており、微弱な接着力が剥がれることによりロールが解ける。ロールを解きながら本シート100は展張敷設される。
ロール巻き状態において、帯状粘着領域11〜16は、おのおのの幅Bよりも、それぞれが広い幅Cの剥離層21〜26により、外気に対してあたかも被覆されている。帯状粘着領域11〜16は、剥離層21〜26により外気から遮断されることにより、外気中のゴミ等を付着させず粘着性能を維持するように保護される。その一方で、剥離層21〜26は、粘着剤30から粘着作用を受け難いので、施工時に帯状粘着領域11〜16を露出させる必要に応じて痕跡を残さず容易に剥離できる。
この剥離層21〜26は、基材となる遮水シート(基材)Sにシリコーン樹脂を含浸又は塗布して形成する。ただし、剥離層21〜26は、基材Sとの間に目止め層を介在させて剥離層52を形成するための薬品が、基材Sに染み込むことを防止している。シリコーン樹脂は溶剤型と無溶剤型、エマルジョン型に分けられる。いずれもシリコーン樹脂塗工後に加熱してシリコーン樹脂を硬化させる(紫外線硬化型もある)。
<目止め層>
剥離層21〜26の下地となる目止め層にはポリエチレンが多く用いられ、厚みは数〜数十μmである。基材Sが浸透性の低い素材で構成されていれば、目止め層が存在しないものもある。また、基材Sとして一般的な紙に近い素材を使用している場合は、目止め層がクレーコート層やPVA(ポリビニルアルコール)層などで構成されている。
<遮水シート>
本シート100を主要構成する遮水シートSは、例えば、ポリプロビレン繊維、ポリエステル繊維、PET(ポリエチレン−テレフタレート)繊維、あるいは天然繊維等を素材とした通気性を有する不織布シートが用いられて形成されている。上述のように、本シート100は、長尺の長さL×所定幅Wを有するシート体であるため、これをロール巻きの流通保存形態にして提供される。なお、本シート100は、現場対応により、野地板50上に展張敷設された余剰部分等については、カッター等により容易に切断することが可能である。
以上説明したように、本発明に係る屋根下葺シートは、屋根葺き等の作業に際し、粘着剤で野地板に貼り付けるので、タッカーで打つ針(ステープル)や釘が不要になるとともに、針孔や釘孔も生じさせず、防水効果を高くすることが可能である。
また、本発明に係る屋根下葺シートは、ゴミとして発生する剥離紙を無くすことにより、施工の効率を低下させずに、作業員の転倒・滑落事故を防止して安全性が確保される。
本発明に係る屋根下葺シートは、木造瓦葺住宅をはじめとする各種屋根葺き材料を用いた屋根の下葺用遮水シートとして採用される可能性がある。これらの屋根について、新築時、又は瓦等の吹き替え時に利用される可能性がある。
1〜6 基準点、7 軸心孔、9 巻き解き端緒部、10 貼着面、11〜16 帯状粘着領域、20 貼着背面、21〜26 剥離層、30 粘着剤(糊)、31〜36 剥離紙、41,42 重ね代、50 野地板、60 下層側、70 上層側、100 屋根下葺シート、B 第1の幅、C 第2の幅、E オーバーラップ幅、F 正転方向、L 長手方向Xの全長、R 逆転方向、S 遮水シート、W 全幅、X 長手方向、Y1〜Y7,Yn 規定の距離

Claims (4)

  1. 流通保存形態のロール巻きを解いた帯状の遮水シートが屋根の野地板に展張敷設される屋根下葺シートであって、
    前記遮水シートの貼着面には、長手方向に粘着剤を塗布した複数の帯状粘着領域が形成され、
    前記遮水シートの貼着背面であるとともに前記帯状粘着領域の裏側に位置する領域には、前記粘着剤から粘着作用を受け難い剥離層が形成されたことを特徴とする屋根下葺シート。
  2. 複数の前記帯状粘着領域は、それぞれが前記遮水シートの全幅Wよりもはるかに狭い第1の幅Bに形成され、これら第1の幅Bの全数分を合計しても前記全幅Wの1/10以下であり、
    前記剥離層は、前記第1の幅Bよりも広い第2の幅Cに形成され、該第2の幅Cは前記第1の幅Bの1.5〜10倍の範囲であることを特徴とする請求項1に記載の屋根下葺シート。
  3. 前記遮水シートの幅方向の一端から他端まで順番に規定された距離Y1,Y2,Y3,・・・,Y7,・・・,Ynを設けて並ぶ複数の基準点と、
    前記幅方向に隣接して展張敷設されるオーバーラップ幅Eを明示した重ね代と、を備え、
    前記帯状粘着領域は、それぞれが前記基準点を含むとともに、前記長手方向の全長にわたって平行に延在し、
    下層側と上層側で前記重ね代を合わせてオーバーラップした相手に対し、前記下層側の前記剥離層に、前記上層側の前記帯状粘着領域が重ならないように、
    前記第1の幅Bと、前記第2の幅Cと、前記オーバーラップ幅Eと、前記規定の距離Y1,Y2,Y3,・・・,Y7,・・・,Ynと、を設定したことを特徴とする請求項2に記載の屋根下葺シート。
  4. 前記規定の距離はY1〜Y7であり、
    前記全幅Wを700〜1300mm、
    前記第1の幅Bを3〜7mm、
    前記第2の幅Cを7〜13mm、
    前記オーバーラップ幅Eを73〜137mm、
    前記規定の距離Y1〜Y7について、Y1,Y7を7〜48mm、Y2,Y4,Y6を73〜186mm、Y3,Y5を232〜360mm、
    に設定したことを特徴とする請求項3に記載の屋根下葺シート。
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