JP2018076647A - 建築用下地シート及びその貼付方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】接着剤付下地シートにおいて、ロール状に巻回した状態では接着剤がシート基材に接着しないようにする一方、シート幅方向に隣接する2枚のシート基材の各幅方向端部同士を重合させたときの両シート基材の接着力を十分に確保できるようにする。【解決手段】建築用下地シートにおいて、シート基材1の裏面1aにシート長さ方向に向けて細幅で複数本の接着剤塗布部11を設けている一方、シート基材1の表面1bには、上記各接着剤塗布部11がそれぞれ対応する部分に易剥離部21と該易剥離部21以外の部分に易接着部22とをそれぞれ設け、さらにシート幅方向端部寄りにある接着剤塗布部11と易接着部22とは、2枚のシート基材1,1の幅方向端部同士を所定幅だけ重合させた状態で重合幅部分における外側重合シート部10Aの裏面にある接着剤塗布部11が内側重合シート部10Bの表面にある易接着部22の位置に接合するように位置設定している。【選択図】 図1

Description

本願発明は、建築物における屋根下地材や壁面下地材として使用される建築用下地シート及びその貼付方法に関するものである。尚、以下の説明では、本願の建築用下地シートを単に下地シートということがある。
この種の下地シートの代表例として、瓦葺き屋根に使用されるルーフィングがあり、その中でもシート基材の裏面(下面)に接着剤を塗布しているものがある。そして、この種の接着剤付下地シートでは、シート基材裏面の接着剤を屋根板上面(本願の装着対象面となる)に接着させることで下地シートを屋根板上面に貼付し得るようになっている。尚、このように接着剤付下地シートを屋根板上面に貼付するようにしたものでは、接着剤を塗布していない下地シートのように屋根板上面にステープル打ちによる固定作業が不要になるとともに、ステープル打ちによって生じる針穴からの雨水浸入を未然に防止し得る機能を有している。
ところで、接着剤付下地シートにおいては、シート基材裏面に塗布される接着剤の塗布面積が広いほど下地シート貼付状態での接着力が強くなるが、例えばシート全面に接着剤を塗布したものでは、その接着剤の塗布量が多くなることで下地シートの製作コストが高くなる一方、装着対象面に貼付したときにシート中央部に空気溜まりができて該空気を排除しにくくなることがある。
又、この種の下地シートは、幅が1mで長尺(例えば20m程度の長さ)のシート基材をロール状に巻回した状態で商品化されていて、使用時にロールからシート基材を巻解きながら屋根板上面に貼付するようにしたものが主流であるが、接着剤付きのシート基材をロール状に巻回したものでは、シート基材裏面の接着剤がシート基材表面(ロール状態で接着剤が接触する面)に強く接着しないようにしておく必要がある。
このようにロール状態でシート基材裏面の接着剤をシート基材表面に強く接着させないための手法として、接着剤塗布部分の全面を剥離紙で被覆する方法(第1の手法)と、ロール状態でシート基材裏面の接着剤が接触するシート基材表面に該接着剤が剥がれ易くするための離型剤(例えばシリコン)を塗布しておく方法(第2の手法)とがある。
ところが、上記第1の手法(接着剤塗布部分の全面を剥離紙で被覆する)を用いたものでは、接着剤塗布部分が大面積であると、大面積の剥離紙が必要となる(コスト高になる)とともに、屋根板上面への貼付時にシート基材の巻解き作業と剥離紙の剥離作業を並行して行う必要があるので下地シート貼付作業が繁雑になるという難点がある。他方、上記第2の手法(シート基材表面に離型剤を塗布する)を用いたものでは、接着剤塗布部分が大面積であると、多量の離型剤が必要である(コスト高になる)とともに、離型剤塗布部は平滑なので(滑り易いので)下地シートを屋根板上面に貼付した状態でその上に人が載ると滑り易い(危険である)という難点がある。
ところで、シート基材裏面に塗布される接着剤量を少なくしたものとして、公知の文献の中には図11に示す接着剤付下地シート(ルーフィング)が知られている。尚、図11の接着剤付下地シートは、特開平7−189437号公報(特許文献1)に開示されたものである。
図11に示す公知の接着剤付下地シートは、所定幅(1m幅)を有する長尺(例えば20m)のシート基材101をロール状に巻回した状態で商品化されるものである。シート基材101の裏面101aには、シート長さ方向に向けて細幅(線状)で複数本の接着剤塗布部111,111・・を設けている。この各接着剤塗布部111は、3本を集約させたものが1箇所と1本ずつのものが2箇所あるが、各箇所の接着剤塗布部111はそれぞれ帯状の剥離紙121,121,121で被覆することによって、シート基材101をロール状に巻回したときに接着剤塗布部111がシート基材表面101bに直接接触しないようにしている。
そして、図11(公知例)の接着剤付下地シートを屋根板上面に貼付するには、シート基材101の先端側をロールから巻解くのと並行して各剥離紙121,121,121を剥がして、シート基材裏面101aの各接着剤塗布部111,111,111を露出させながら、シート基材裏面101aの接着剤塗布部111を屋根板上面に接着させていくことでシート基材101を屋根の軒と平行方向に向けて貼付することができる。
尚、図11の接着剤付き下地シートを屋根の流れ方向に一部(10cm幅程度)を重合させた状態で貼付する際には、先に屋根板上面に貼付した既設側シート基材101の上側端縁付近の表面101bに、貼付側シート基材の下側端縁付近の裏面101a(3本1組の接着剤塗布部111を設けた部分)を所定幅だけ重合させることによって、その重合部分のシート基材を接着剤塗布部で接着させることができる。
特開平7−189437号公報
ところで、図11(公知例)の下地シートでは、シート基材裏面101aの各接着剤塗布部111がそれぞれ細幅(線状)であるので、接着剤の塗布量が少ないものの、次のような問題点があった。
まず、シート基材101をロール状に巻回した状態で各接着剤塗布部111の接着剤がシート基材表面101bに接着しないようにするために、各接着剤塗布部111をそれぞれ剥離紙121で被覆しているが、その剥離紙被覆加工が非常に面倒であるという問題がある。
又、各接着剤塗布部111を被覆している各剥離紙121は、シート基材101を屋根板上面に貼付する前にシート基材裏面101aから剥がす必要があるが、シート基材101を屋根板上面に貼付するには、剥離紙121を剥がす作業とシート基材101を巻解く作業とを並行しながら行う必要があるので、シート基材貼付作業が非常に繁雑になるとともに、剥がした剥離紙121がゴミとなるという問題もある。
そこで、本願発明は、シート基材裏面に設けられる接着剤塗布部を細幅にし、且つシート基材をロール状に巻回した状態で接着剤塗布部の接着剤がシート基材表面に接着しない(容易に剥がれる)ようにするとともに、シート幅方向に隣接する2枚のシート基材の各幅方向端部同士を重合させたときの両シート基材の接着力を十分に確保できるようにした建築用下地シートを提供することを第1の目的としている一方、そのような建築用下地シートの好適な貼付方法を第2の目的としてなされたものである。
本願発明は、上記課題を解決するための手段として次の構成を有している。尚、本願の各請求項(1〜4)の発明の説明に当たっては、添付の図1〜図10に例示したものを参照する。
[本願請求項1の発明]
本願請求項1の発明は、添付の図1〜図5に例示するように、保管状態でシート基材1をロール状に巻回しておき、使用時にシート基材1をロールから巻解いて建築物の装着対象面2に貼付するようにした建築用下地シートを対象にしている。尚、図4及び図5の使用例では、本願の建築用下地シートを屋根下葺材(ルーフィング)として使用しているが、本願の建築用下地シートは建築物の壁面下地材として使用することもできる。又、以下の説明でも、本願の建築用下地シートを単に下地シートということがある。
本願請求項1の下地シートZは、シート基材1における装着対象面2に接する裏面1aに、シート幅方向に間隔をもち且つシート長さ方向に向けて細幅で複数本の接着剤塗布部11,11・・を設けている一方、シート基材1における上記裏面1aとは反対面である表面1bには、上記各接着剤塗布部11,11・・がそれぞれ対応する部分に該接着剤塗布部11の接着剤が剥離し易い易剥離部21,21・・と、該各易剥離部21,21・・以外の部分に接着剤塗布部11の接着剤が接着する易接着部22,22・・とをそれぞれ設けているとともに、シート基材1の幅方向各端部Za,Zb寄りにある接着剤塗布部11と易接着部22とは、2枚のシート基材1,1の幅方向端部Za,Zb同士を所定幅Wだけ重合させた状態で該重合幅W部分における外側重合シート部10Aの裏面1aにある接着剤塗布部11が内側重合シート部10Bの表面1bにある易接着部22の位置に接合するように位置設定していることを特徴としている。
シート基材裏面1aに設けている各接着剤塗布部11の接着剤は、軟質性状で長期に亘って適度の接着性を有するものである。他方、シート基材表面1bに設けている各易剥離部21は、ロール状態で接着剤塗布部11の接着剤が接合していても、シート基材1を巻解くときに該接着剤を容易に剥がし得る加工を施したもの(例えばシリコン等の離型剤を塗布したもの)である。
この請求項1の下地シートZは、幅が1m程度で所定長さ(例えば長さが20m程度)の帯状のシート基材1をロール状に巻回して製品化される。シート基材1の裏面1aに設けている各接着剤塗布部11,11・・の幅a(図2)や本数や間隔b(図2)等は、後述するように2枚の下地シートの幅方向端部Za,Zb同士を重合させたときの重合幅W(図2、図5)に関連して所定の条件の範囲内に設定されているとともに、シート基材1の表面1bに設けている各易剥離部21,21・・の幅cも所定の条件の範囲内に設定されている(各種寸法の具体例は、後述の実施例の項で説明する)。
この請求項1の下地シートZをロール状に巻回させた状態では、シート基材裏面1aに設けている各接着剤塗布部11,11・・がシート基材表面1bに接合しているが、各接着剤塗布部11,11・・はシート基材表面1bの易剥離部21,21・・にそれぞれ当接しているので、シート基材1の巻解き時にシート基材裏面1aの各接着剤塗布部11,11・・の接着剤がシート基材表面1bの各易剥離部21,21・・から容易に剥がれるようになる。
他方、この種の下地シートZは、例えば図4及び図5に示すように、シート幅方向に隣接する2枚の下地シートZ,Zの幅方向端部同士Za,Zbを所定幅Wだけ重合させた状態で貼付されるが、この重合幅Wは、屋根葺き工事における建築基準法の規定では100mm以上とされている。そして、該重合幅Wを100mmとした場合には、上記シート基材裏面1aの接着剤塗布部11は、下地シートZの幅方向端部Za,Zbから100mm以内の位置に少なくとも1本設ける必要がある(図示例のものでは、図5に示すように重合幅W内に端部と2番目との2本の接着剤塗布部11,11が位置している)。尚、各接着剤塗布部11,11・・の間隔は、等間隔でもよいし不等間隔でもよいが、要はシート幅方向に隣接する2枚の下地シートZ,Zの幅方向端部同士を所定幅W(W=100mm)だけ重合させた際に、該重合幅W部分における外側重合シート部10Aの裏面1aにある少なくとも1本(図5の例示では2本)の接着剤塗布部11が内側重合シート部10Bの表面1bにある易接着部22に接合する(接着剤が接着する)ようにすることが必要である。
ところで、本願請求項1の下地シートZでは、上記重合幅W部分における外側重合シート部10A側の接着剤塗布部11と内側重合シート部10B側の易接着部22との位置関係を上記のように設定しているので、シート幅方向に隣接する2枚の下地シートZ,Zの幅方向端部同士を所定幅Wだけ重合させた際に、該重合幅W部分において外側重合シート部10Aの裏面1aにある接着剤塗布部11が内側重合シート部10Bの表面1bにある易接着部22に確実に接合するようになる(接着剤塗布部11の接着剤が易接着部22に接着する)。
[本願請求項2の発明]
本願請求項2の発明は、上記請求項1の下地シートを用いて行う下地シートの貼付方法を対象にしている。
そして、この請求項2の下地シート貼付方法は、図6及び図7に例示するように、装着対象面(例えば屋根板上面)2に貼付した既設側下地シートZの長さ方向の端部Zcと上記装着対象面2の露出部分(下地シートの非貼付部分)に跨がって、同種の下地シートZ1を上記既設側下地シートZの貼付方向とは直交方向に向けた状態で貼付することを特徴としている。
この請求項2の下地シート貼付方法において、装着対象面が屋根板上面2である場合には、屋根板上面2に横向き方向に貼付される各下地シートZは、長さ方向の各端部Zc,Zcを屋根板の各端部(左右のケラバ部)から所定長さ(特に限定するものではないが図6及び図7の例では50cm程度の長さ)控えた位置に留めておき、その既設側下地シートZの長さ方向の端部Zcと残余の屋根板上面に跨がって同種(1m幅)の下地シートZを屋根流れ方向に向けて貼付する。
ところで、図6に示すように下地シートZを装着対象面2に対してシート長さ方向に向けて貼付したものでは、その既設側下地シートZの長さ方向の端部Zcは、図7に示すように各接着剤塗布部11,11・・がシート幅方向に間隔をもって装着対象面2に接着されていることにより、該既設側下地シートZの長さ方向の端部Zcにおいて各接着剤塗布部11,11間の接着剤が無い部分はシート基材裏面1aと装着対象面2との間に隙間ができる。そして、下地シートの上に瓦を葺設する前に降雨があると、既設側下地シートZの長さ方向の端部Zcにできた上記隙間から雨水が浸入するおそれがある。
そこで、この請求項2のように、既設側下地シートZの長さ方向の端部Zcと装着対象面の露出部分に跨がって、同種の下地シートZ1を既設側下地シートZの貼付方向とは直交方向に向けた状態で貼付すると、その追加の下地シートZ1のシート基材裏面1aにある接着剤塗布部11,11・・が既設側下地シートZの貼付方向とは直交方向(図6、図7では屋根流れ方向)に向いているので、同じ種類の下地シートZ1で既設側下地シートZの長さ方向の端部Zcにできる上記隙間を塞ぐことができる。
[本願請求項3の発明]
本願請求項3の発明も、上記請求項1の下地シートを用いて行う下地シートの貼付方法を対象にしている。
そして、この請求項3の下地シート貼付方法は、図8に例示するように、装着対象面2に2枚の下地シートZ,Zをシート長さ方向に継ぎ足して貼付した場合の両下地シートZ,Zの継ぎ足し部Zdの端部Zcを被覆する位置に、同種の下地シートZ2を上記既設側下地シートZの貼付方向とは直交方向に向けた状態で貼付することを特徴としている。
図8に示すように、2枚の下地シートZ,Zを長さ方向に継ぎ足す場合には、通常はその継ぎ足し部Zdに200mm以上の重合幅Xをとることが規定(義務付け)されているが、このように重合幅Xをとっても上側下地シートZの端部Zcには、図7の例示と同様にシート基材1の下面における接着剤塗布部11がない部分に隙間が形成されるので、そこから雨水が浸入することがある。
そこで、この請求項3の下地シート貼付方法は、2枚の下地シートZ,Zをシート長さ方向に継ぎ足した継ぎ足し部Zdの端部Zcを被覆する位置に、同種の下地シートZ2を既設側下地シートZの貼付方向とは直交方向に向けた状態で貼付することで、上側に重ねた既設側下地シートZの長さ方向の端部Zcにできる上記隙間を塞ぐことができる。
尚、2枚の下地シートZ,Zを長さ方向に単に継ぎ足す場合(本願の追加の下地シートZ2を使用しない場合)は、その継ぎ足し部Zdに200mm以上の重合幅Xをとることが規定(義務付け)されているが、本願の追加の下地シートZ2を使用する場合は、2枚の下地シートZ,Zを長さ方向に継ぎ足す場合に、該各下地シートZ,Zの各端部Zc,Zcを所定幅(例えば60〜70cm幅程度)だけ離間させておいても、その離間部分を跨いで追加の下地シートZ2(1m幅)で継ぎ足し部の各下地シート端部Zc,Zcを被覆できる。
[本願請求項4の発明]
本願請求項4の発明は、上記請求項2又は3の下地シート貼付方法において、図9及び図10に例示するように、既設側下地シートZの貼付方向とは直交方向に向けた状態で貼付する下地シートとして、請求項1の下地シートZを現場において1/2幅に裁断してなる半幅下地シートZ3を用いていることを特徴としている。
ところで、上記請求項2の場合の既設側下地シートZの端部Zcにできる隙間や、上記請求項3の場合の2枚の既設側下地シートZ,Zの継ぎ足し部Zdの端部Xcにできる隙間は、通常の下地シートZの幅(1m幅)より狭い幅(例えば50cm幅)の下地シートでも十分に塞ぐことができるが、通常幅(1m幅)の下地シートZのほかに半幅(50cm幅)の下地シートを別製作することは種類が多くなって繁雑となる一方、2種類の幅の下地シートを屋根板上で使い分けるのは面倒である。
そこで、本願請求項4の下地シート貼付方法では、通常幅(1m幅)だけの下地シートZを現場に搬入し、半幅(50cm幅)の下地シートZ3でよい箇所には、通常幅の下地シートZを現場(屋根上)で1/2幅に裁断して、その半幅下地シートZ3を用いるようにしている。
[本願請求項1の発明の効果]
本願請求項1の下地シートZは、シート基材1の裏面1aにシート長さ方向に向けて細幅で複数本の接着剤塗布部11,11・・を設け、シート基材1の表面1bには、各接着剤塗布部11,11・・がそれぞれ対応する部分に接着剤が剥離し易い易剥離部21,21・・と、該各易剥離部21,21・・以外の部分に接着剤塗布部11の接着剤が接着する易接着部22,22・・とをそれぞれ設けている。
そして、この請求項1の下地シートZでは、シート基材1をロール状に巻回した状態ではシート基材裏面1aにある各接着剤塗布部11,11・・がシート基材表面1bにある各易剥離部21,21・・にそれぞれ接しているが、この接触部は接着剤による接着力は非常に弱いものである。
従って、シート基材1をロールから巻解く際に特別な作業(例えば図11のように剥離紙の剥離作業)を行うことなく、シート基材裏面1aの各接着剤塗布部11をシート基材表面1bから容易に剥離させることができるので、接着剤付下地シートZであっても、シート基材1の巻解き作業が非常に簡単となるという効果がある。
又、この請求項1の下地シートZでは、シート基材1の幅方向各端部Za,Zb寄りにある接着剤塗布部11と易接着部22とは、2枚の下地シートの幅方向端部Za,Zb同士を所定幅Wだけ重合させた状態で該重合幅W部分における外側重合シート部10Aの裏面1aにある接着剤塗布部11が内側重合シート部10Bの表面1bにある易接着部22の位置に接合するように位置設定しているので、2枚の下地シートZ,Zの幅方向端部同士Za,Zbを所定幅Wだけ重合させた状態で装着対象面2に貼付するときに、両シート基材1,1の重合幅Wの範囲に接着剤による接着を実施できる。従って、既設側下地シートZに対して貼付側下地シートZを上記重合部分において接着剤で接着させながら貼付できるので、下地シート貼付時の位置決めを容易に行える(重合部を一度重合させたら位置ずれしない)という効果がある。
[本願請求項2の発明の効果]
本願請求項2の発明の下地シート貼付方法は、上記請求項1の下地シートを用いて、装着対象面2に貼付した既設側下地シートZの長さ方向の端部Zcと装着対象面2の露出部分(下地シートの非貼付部分)に跨がって、同種の下地シートZ1を既設側下地シートZの貼付方向とは直交方向に向けて重合させた状態で貼付するものである。
このように、既設側下地シートZの長さ方向の端部Zcと装着対象面2の露出部分に跨がって、同種の下地シートZ1を既設側下地シートZの貼付方向とは直交方向に向けた状態で貼付すると、その直交向きの下地シートZ1のシート基材裏面1aにある接着剤塗布部11,11・・が既設側下地シートZの貼付方向とは直交方向に向いているので、既設側下地シートZの長さ方向の端部Zcにできる隙間(下地シートと装着対象面との間にできる隙間)を確実に塞ぐことができるという効果がある。
又、既設側下地シートZの端部Zcに生じる隙間を塞ぐのに、該既設側下地シートZと同種の下地シートを使用するので、専用の隙間閉塞シートを用意しなくても使用中の下地シートを有効利用できるという効果がある。
[本願請求項3の発明の効果]
本願請求項3の発明の下地シート貼付方法は、上記請求項1の下地シートを用いて、装着対象面2に2枚の下地シートZ,Zをシート長さ方向に継ぎ足して貼付した場合の両下地シートZ,Zの継ぎ足し部Zdの端部Zcを被覆する位置に、同種の下地シートZ2を上記既設側下地シートZの貼付方向とは直交方向に向けた状態で貼付するものである。
このように、2枚の下地シートZ,Zの継ぎ足し部Zdの端部Zcを被覆する位置に、同種の下地シートZ2を既設側下地シートZの貼付方向とは直交方向に向けた状態で貼付すると、その直交向きの下地シートZ2で継ぎ足し部Zdにできる上記隙間を確実に塞ぐことができるとともに、この場合も、既設側下地シートZと同種の下地シートを使用するので、専用の隙間閉塞シートを用意しなくても使用中の下地シートを有効利用できるという効果がある。
[本願請求項4の発明の効果]
本願請求項4の発明の背景として、上記請求項2の場合の既設側下地シートZの端部Zcにできる隙間や、上記請求項3の場合の2枚の既設側下地シートZ,Zの継ぎ足し部Zdの端部Zcにできる隙間は、通常の下地シートZの全幅(1m幅)より狭い幅(例えば50cm幅)の下地シートでも十分に塞ぐことができるものである。
そこで、本願請求項4の下地シート貼付方法では、上記請求項2又は3の下地シート貼付方法において、既設側下地シートZの貼付方向とは直交方向に向けて重合させる下地シートとして、請求項1の下地シートZを現場において1/2幅に裁断してなる半幅下地シートZ3を用いている。
従って、本願請求項4の下地シート貼付方法では、上記請求項2又は請求項3の効果に加えて、上記直交方向に向けて重合させる下地シートの材料コストを低減させることができるとともに、シート幅の異なる2種類の下地シートを使用するものであっても、通常幅(1m幅)の1種類の下地シートZのみを現場(屋根板上)に搬入するだけで、2種類の幅の下地シートに使い分けることができる(共用できる)という効果がある。
本願実施例の下地シートの一部をロール体から巻解いた状態の斜視図である。 図1の下地シートのII−II部分の拡大断面図である。 図1の下地シートのIII−III部分における中央寄りシート部分の記載を省略した拡大断面図である。 図1の下地シートを装着対象面(屋根板上面)に貼付する際の説明図である。 図4の下地シート貼付状態でのV−V部分の拡大断面図である。 図1の下地シートを用いて行う下地シート端部の処理方法説明図(本願請求項2の対応図)である。 図6の下地シート貼付状態での一部拡大図である。 図1の下地シートを用いて行う下地シート継ぎ足し部の処理方法説明図(本願請求項3の対応図)である。 図6の変形例を示す下地シート端部の処理方法説明図(本願請求項4の対応図)である。 図8の変形例を示す下地シート継ぎ足し部の処理方法説明図(本願請求項4の対応図)である。 公知(特許文献1)の下地シートの一部をロール体から巻解いた状態の斜視図である。
以下、図1〜図10を参照して本願の実施例にかかる建築用下地シート及びその貼付方法を説明すると、この実施例では、建築用下地シートとして瓦葺き屋根(屋根板上面)に使用されるルーフィングが採用されている。尚、本願の建築用下地シートは、用途として屋根下地材のほかに建築物の壁面下地材としても使用できるものである。又、以下の説明でも、本願の建築用下地シートを単に下地シートと表現する。
図1〜図3に示す実施例の下地シートZは、幅が1mで長さが20m程度(規格品寸法)のシート基材1をロール状に巻回した状態で商品化されるものである。
シート基材1には、建築用下地材として用いられている汎用の防水シート(例えばアスファルト含浸シートやゴム系又はプラスチック系の防水シート)が使用可能である。
そして、この実施例の下地シートZでは、シート基材1の裏面1a(貼付時に屋根板上面2に接する面)に複数本の接着剤塗布部11,11・・を設けている一方、シート基材1の表面1b(貼付状態で上面となる面)に上記接着剤塗布部11の接着剤が剥がれ易い易剥離部21,21・・と該接着剤が接着する易接着部22,22・・とをそれぞれ設けている。
シート基材裏面1aの各接着剤塗布部11,11・・は、軟質状態の接着剤をそれぞれ細幅a(図2)でシート幅方向に所定間隔b(図2)をもって複数本塗布したものである。尚、図1の表示では、各接着剤塗布部11をそれぞれ1本の線で表しているが、この各接着剤塗布部11の実際の幅は、図2に符号aで示すように例えば8〜10mm程度の細幅のものである。又、この各接着剤塗布部11,11・・は、後述の易剥離部21と識別し易くするために、図2、図3、図5において黒く塗り潰して表示している。
各接着剤塗布部11,11・・は、図1の実施例では、シート基材1の幅方向に等間隔b(図2)をもって合計16本(この本数は特に限定するものではない)設けている。そして、この実施例では、シート基材1の幅が1m(規格幅)であるので、各接着剤塗布部11,11・・間の各間隔bとして1mを15等分したほぼ67mm程度に設定している。尚、シート基材1の幅方向各端部にも接着剤塗布部11がそれぞれ1本ずつ設けられている。
シート基材1の裏面1aに上記間隔b(b=ほぼ67mm)で複数本の接着剤塗布部11,11・・を設けると、後述するように2枚の下地シートZ,Zの幅方向端部Za,Zb同士を所定幅W(W=100mm)だけ重合させたときに(図4、図5参照)、図5に示すようにその重合幅W部分における外側重合シート部10Aの裏面1aにある2本の接着剤塗布部11,11が内側重合シート部10Bの上面にある易接着部22に接触するようになる。
シート基材1の表面1bに設けた上記易剥離部21は、シート基材裏面1aの上記接着剤塗布部11の接着剤が接触しても該接着剤が剥がれ易い加工を施したものである。この各易剥離部21,21・・の加工は、例えばシリコンのような離型剤を各接着剤塗布部11,11・・に対応する部分の反対面に塗布することで実施できる。尚、この各易剥離部21,21・・は、図2、図3、図5において識別し易くするために肉厚状態で表示しているが、実際には厚さを現せない程度の薄膜状のものである。
そして、この易剥離部21は、シート基材表面1bにおける上記各接着剤塗布部11,11・・がそれぞれ対応する部分に、該接着剤塗布部11の幅aよりやや広幅(図2の幅cで、c=例えば12〜15mm)の範囲で接着剤塗布部11,11・・と同本数(合計16本)設けている。
このように、シート基材表面1bにおけるシート基材裏面1aの各接着剤塗布部11,11・・が対応する部分にそれぞれ易剥離部21,21・・を設けておくと、シート基材1をロール状に巻回した状態では、図3に示すようにシート基材裏面1a側の各接着剤塗布部11,11・・がシート基材表面1b側の各易剥離部21,21・・にそれぞれ接触するが、各易剥離部21,21・・によりシート基材1の巻解き時に接着剤塗布部11の接着剤が容易に剥離するという機能が生じる。
シート基材表面1bにおける各易剥離部21,21・・以外の部分、即ち各易剥離部21,21・・が無い部分(図2の間隔d部分)は、接着剤塗布部11の接着剤が接着する易接着部22,22・・となっている。この各易接着部22,22・・は、図2に示すように、接着剤塗布部11,11間の間隔bから易剥離部21の幅cを減じたかなりの幅d(d=50mm強)を有していて、シート幅方向に隣接する2枚の下地シートZ,Zの端部同士を所定幅W(ほぼ100mm)だけ重合させたときに、貼付側下地シートZの接着剤塗布部11が既設側下地シートZの易剥離部21の範囲d内に余裕をもって位置するようになる。
尚、この実施例では、上記各接着剤塗布部11,11・・(及び各易剥離部21,21・・)をシート幅方向に等間隔bで設けているが、他の実施例では該各接着剤塗布部11,11・・(及び各易剥離部21,21・・)をシート幅方向に不等間隔で設けたものでもよい。その場合、シート幅方向の一端側付近(端縁から100mm以内)の各接着剤塗布部11,11(及び各易剥離部21,21)の間隔bとシート幅方向の他端側付近(端縁から100mm以内)の各接着剤塗布部11,11(及び各易剥離部21,21)の間隔とを相違させておき、一方の下地シートZの端部Zaと他方の下地シートZの端部Zbとを所定幅W(ほぼ100mm)だけ重合させたときに、その重合部分において一方の下地シートZの接着剤塗布部11と他方の下地シートZの易剥離部21とが位置ずれする(接着剤塗布部11が易接着部22に接合する)ようにする。
上記構成(図1〜図3)の下地シートZは、次のような機能を有している。
即ち、この実施例の下地シートZは、シート基材1をロール状に巻回した状態では、図3に示すように、シート基材裏面1aにある各接着剤塗布部11,11・・がシート基材表面1bの各易剥離部21,21・・に接しているが、該各接着剤塗布部11,11・・の接着剤は各易剥離部21,21・・には強く接着しないので、シート基材1をロールから巻解く際に特別な作業(例えば図11のように剥離紙の剥離作業)を行うことなく、シート基材裏面1aの各接着剤塗布部11をシート基材表面1bから容易に剥離させることができる。
又、この実施例の下地シートZは、図4及び図5に示すように、シート幅方向に隣接する2枚の下地シートZ,Zの端部Za,Zb同士を所定幅W(W=ほぼ100mm)だけ重合させた状態で装着対象面(屋根板上面)Pに貼付するものである。
そして、図4に示す下地シート貼付方法では、先に貼付した既設側下地シートZの上部側端部Za(シート基材表面1b)の上に、貼付側下地シートZの下部側端部Zb(シート基材裏面1a)を所定幅W(ほぼ100mm)だけ重合させなが貼付させていくが、このとき図5に示すように、既設側(下側)下地シートZの表面1bにある易接着部22(易剥離部21が無い部分)に貼付側(上側)下地シートZの裏面1aにある接着剤塗布部11が接合するように重合させる。
従って、図4及び図5の下地シート貼付方法では、ロール状態でシート基材裏面1aの各接着剤塗布部11,11・・がシート基材表面1bの各易剥離部21,21・・に接合する構成(接着剤がシート基材表面1bに強く接着しない構成)のものであっても、シート幅方向に隣接する2枚の下地シートZ,Zの端部同士を重合させるさせる際には、その重合部を有効に接着させることができるので、貼付側下地シートZの貼付作業を確実且つ簡単に行うことができる。
尚、屋根板上面2には、軒先から棟に至る全面積部分に複数枚の下地シートZ,Z・・を順次一部を重合させながら葺設していき、最終の棟付近に至る部分では、その余剰幅に合わせた小幅(例えば50cm幅)の下地シートを使用することがあるが、その場合は全幅の下地シート(1m幅で先に葺設したものと同じもの)を所定の小幅に裁断して使用することができる。そして、そのように小幅に裁断した下地シートでも、既設側(下側)下地シートに対して重合させる幅(100mm幅)部分は、貼付側下地シート(小幅)の接着剤塗布部11が既設側下地シートの易接着部22に接合するようになっている。
図6及び図7には、図1〜図3に示す本願実施例の下地シートZを用いて行う下地シート貼付方法を示している。尚、図6及び図7の下地シート貼付方法は、本願請求項2に対応するものである。
ところで、図6に示すように下地シートZを装着対象面2に対してシート長さ方向に向けて貼付したものでは、その既設側下地シートZの長さ方向の端部Zcは、図7に示すように各接着剤塗布部11,11・・がシート幅方向に間隔をもって装着対象面2に接着されていることにより、該既設側下地シートZの長さ方向の端部Zcにおいて各接着剤塗布部11,11間の接着剤が無い部分はシート基材裏面1aと装着対象面2との間に隙間ができる。そして、下地シートの上に瓦を葺設する前に降雨があると、既設側下地シートZの長さ方向の端部Zcにできた上記隙間から雨水が浸入するおそれがある。
そこで、図6及び図7に示す下地シート貼付方法では、装着対象面(屋根板上面)2に貼付した既設側下地シートZの長さ方向の端部(図示例では両端部)Zc,Zcに、同種・同幅の下地シートZ1,Z1を既設側下地シートZの貼付方向とは直交方向(屋根流れ方向)に向けて重合させた状態で貼付するものである。この場合、屋根板上面2に横向き方向に貼付される各下地シートZは、長さ方向の各端部Zc,Zcを屋根板の各端部(左右のケラバ部)から所定長さ(特に限定するものではないが図6及び図7の例では50cm程度の長さ)控えた位置に留めておき、その既設側下地シートZの長さ方向の端部Zcと残余の屋根板上面に跨がって同種(1m幅)の下地シートZを屋根流れ方向に向けて貼付する。尚、追加の下地シートZ1も、ロールから巻解きながら重合・貼付していき、該追加の下地シートZ1を必要長さだけ貼付させた後、ロールから切断する。
このように、既設側下地シートZの長さ方向の端部Zcに同種の下地シートZ1を既設側下地シートZの貼付方向とは直交方向に向けて重合させた状態で貼付すると、その追加下地シートZ1のシート基材裏面1aにある接着剤塗布部11,11・・が既設側下地シートZの貼付方向とは直交方向に向いているので、同じ種類の下地シートZ1で既設側下地シートZの長さ方向の端部Zcにできる上記隙間を塞ぐことができる。
この場合、既設側下地シートZの端部Zcに生じる隙間を塞ぐのに、該既設側下地シートZと同種の下地シートZ1を使用するので、専用の隙間閉塞シートを用意しなくても使用中の下地シートを有効利用できる。
ところで、図6及び図7の下地シート貼付方法では、屋根の流れ方向に向けて貼付される追加の下地シートZ1は、全幅(1m幅)のものを使用しているので、その幅(1m幅)を見越して、屋根板上面2に横向き方向に貼付される各下地シートZ,Z・・の長さ方向各端部Zc,Zcを、屋根板の各端部(左右のケラバ部)から例えば80〜85cm程度控えた位置に留めておくことができる。即ち、上記追加の下地シートZ1は、既設側下地シートZの端部Zcに対して例えば15〜20cm幅程度被さっていれば該既設側下地シートの端部Zcに生じる上記隙間を十分に塞ぐことができる。そして、このように既設側下地シートZの端部Zcと追加の下地シートZ1との重合幅を少なくすると、屋根板上面2に葺設する下地シートの全体量を節約できる。
図8には、図1〜図3に示す本願実施例の下地シートZを用いて行う他の下地シート貼付方法を示している。尚、図8の下地シート貼付方法は、本願請求項3に対応するものである。
ところで、装着対象面(屋根板上面)2に下地シートZを貼付していく際に、図8に示すように2枚の下地シートZ,Zをシート長さ方向に継ぎ足して貼付することがある。この継ぎ足し部Zdは通常では200mm以上の重合幅Xをとることが規定(義務付け)されているが、このように重合幅Xをとっても上側下地シートZの端部Zcには、図7と同様にシート基材1の下面おける接着剤塗布部11がない部分に隙間が形成されるので、そこから雨水が浸入することがある。
そこで、図8に示す下地シート貼付方法では、2枚の下地シートZ,Zをシート長さ方向に継ぎ足した継ぎ足し部Zdの端部Zcを被覆する位置に、同種の下地シートZ2を既設側下地シートZの貼付方向とは直交方向(屋根流れ方向)に向けた状態で貼付するものである。
このように、2枚の下地シートZ,Zの継ぎ足し部Zdの端部Zcに同種の下地シートZ2を既設側下地シートZの貼付方向とは直交方向に向けた状態で貼付すると、その追加下地シートZ2のシート基材裏面1aにある接着剤塗布部11,11・・が既設側下地シートZの貼付方向とは直交方向に向いているので、同じ種類の下地シートZ1で継ぎ足し部Zdの端部Zcにできる上記隙間を塞ぐことができる。尚、追加の下地シートZ2も、ロールから巻解きながら重合・貼付していき、該追加の下地シートZ2を必要長さだけ貼付させた後、ロールから切断する。
この場合も、継ぎ足し部Zdの端部Zcに生じる隙間を塞ぐのに、既設側下地シートZと同種の下地シートZ2を使用するので、専用の隙間閉塞シートを用意しなくても使用中の下地シートを有効利用できる。
尚、2枚の下地シートZ,Zを長さ方向に単に継ぎ足す場合(本願の追加の下地シートZ2を使用しない場合)は、その継ぎ足し部Zdに200mm以上の重合幅Xをとることが規定(義務付け)されているが、本願の追加の下地シートZ2を使用するものでは、2枚の下地シートZ,Zを長さ方向に継ぎ足す場合に、該各下地シートZ,Zの各端部Zc,Zcを所定幅(例えば60〜70cm幅程度)だけ離間させておいても、その離間部分を跨いで追加の下地シートZ2(1m幅)で継ぎ足し部の各下地シート端部Zc,Zcを被覆できる。
図9及び図10の各実施例に示す下地シート貼付方法は、それぞれ本願請求項4に対応するものであって、図9は本願請求項2(図6及び図7)の変形例であり、図10は本願請求項3(図8)の変形例である。
そして、図9の下地シート貼付方法では、装着対象面(屋根板上面)2に貼付した既設側下地シートZのシート長さ方向の端部Zcと装着対象面2の露出部分に跨がって同種の下地シートを既設側下地シートZの貼付方向とは直交方向に向けた状態で貼付する際に、上記既設側下地シートZと同種の下地シートZ(図9の鎖線図示)を現場において1/2幅(50cm幅)に裁断してなる半幅下地シートZ3を用いている。
この場合、屋根板上面2に横向き方向に貼付される各下地シートZは、長さ方向の各端部Zc,Zcを屋根板の各端部(左右のケラバ部)からシート幅(1m幅)の約1/4幅程度の長さ(図9の例で例えば25cm程度)控えた位置に留めておき、その既設側下地シートZの長さ方向の端部Zcと残余の屋根板上面に跨がって、元のシート幅(1m幅)を1/2幅(約50cm)に切断した半幅下地シートZ3を屋根流れ方向に向けて貼付する。
このとき、屋根板の各端部における左右いずれか一方側(図9では左側)において、全幅の下地シートZ(鎖線図示)を屋根板の端縁に沿って屋根流れ方向に張設した後(このとき既設側下地シートZに被る部分は強く押付けないでおくとよい)、その張設した追加下地シートZの1/2幅部分を符号Cで示すように裁断し、続いて既設側下地シートZの端部Zcを被覆する半幅下地シートZ3部分をロール根元部分で切断して端部被覆シートとして使用する一方、符号Z3′で示す残余の半幅下地シート部分を、他方側(図9では右側)の屋根板端部に端部被覆シートZ3として利用する。
この図9の半幅下地シートZ3で既設側下地シートZの端部Zcを被覆したものでも、該半幅下地シートZ3の幅が50cm程度あるので、既設側下地シートの端部Zc付近と屋根板の露出部分とに、シート裏面の接着剤塗布部11(図1〜図3参照)が4本ずつ程度接着することなる。従って、半幅下地シートZ3で被覆するものであっても、既設側下地シートZの端部Zcにできる上記隙間を確実に塞ぐことができる。
又、図9に示す下地シート貼付方法では、既設側下地シートZの端部Zc付近を直交方向に向けて被覆する下地シートとして半幅下地シートZ3を使用しているので、材料コストを低減させることができるとともに、シート幅の異なる2種類の下地シートを使用するものであっても、通常幅(1m幅)の1種類の下地シートZのみを現場(屋根板上)に搬入するだけで、2種類の幅の下地シートに使い分けることができる(共用できる)。
図10の下地シート貼付方法は、図8の変形例であって、この図10の下地シート貼付方法も、装着対象面(屋根板上面)2に2枚の下地シートZ,Zをシート長さ方向に継ぎ足して貼付する場合の、該継ぎ足し部Zdの端部Zcにできる上記隙間を塞ぐためのものである。
そして、この図10の下地シート貼付方法では、上記継ぎ足し部Zdの端部Zcを被覆する位置に、同種の下地シートZを現場において1/2幅(50cm幅)に裁断してなる半幅下地シートZ3を、既設側下地シートZの貼付方向とは直交方向に向けた状態で貼付するものである。
この場合、追加の半幅下地シートZ3は、図10に示すように、全幅(1m幅)のロール状下地シートZを巻解きながら、その下地シートの1/2幅程度を継ぎ足し部Zdに被覆した状態でシート幅の中央部を符号Cで示すように裁断して、必要部分(符号Z3部分)を継ぎ足し部Zd上に被せた後、ロール根元部分で切断して継ぎ足し部被覆シートとして使用する。又、符号Z3′で示す残余の半幅下地シート部分は、別の位置の継ぎ足し部Zdを被覆するのに使用することができる。
尚、図10に示すように、継ぎ足し部Zdに使用する半幅下地シートZ3は、該継ぎ足し部Zdのシート幅(1m)が比較的短いので、全幅の下地シートZをロールから巻解いた状態で必要長さ(1m強)だけ1/2幅に裁断した後、ロール根元部分で切断して、予め必要面積の半幅下地シートZ3に切り離したものを使用してもよい。
この図10の下地シート貼付方法でも、半幅下地シートZ3の幅が50cm程度あるので、上記継ぎ足し部Zdを十分に被覆できるとともに、該継ぎ足し部Zdの端部Zcの両側にシート裏面の接着剤塗布部11(図1〜図3参照)が4本ずつ程度接着することなる。従って、半幅下地シートZ3で被覆するものであっても、既設側下地シートZの端部Zcにできる上記隙間を確実に塞ぐことができる。
又、図10に示す下地シート貼付方法でも、既設側下地シートZの端部Zc付近を直交方向に向けて被覆する下地シートとして半幅下地シートZ3を使用しているので、材料コストを低減させることができるとともに、シート幅の異なる2種類の下地シートを使用するものであっても、通常幅(1m幅)の1種類の下地シートZのみを現場(屋根板上)に搬入するだけで、2種類の幅の下地シートに使い分けることができる(共用できる)。
ところで、屋根葺き工事において、屋根板の棟部や谷部には、それらの部位の両傾斜面に跨がって1枚ものの下地シートを葺設することが義務付けられているが、屋根板の棟部や谷部に葺設される下地シートの幅は、棟部の稜線や谷部の底線の左右をそれぞれ25cm幅程度ずつ被覆し得るものであればよいとされている。
そこで、図1〜図3の下地シートZの他の使用例として、該下地シートZの全幅(1m幅)を1/2幅に裁断して半幅下地シートにすると、屋根傾斜面への下地シート葺設作業に前後して屋根板の棟部や谷部に上記半幅下地シートを使用することができる。従って、本願の下地シートZでは、単一仕様のものであっても、同じ作業現場において使用範囲を拡大できる。
1はシート基材、1aはシート基材の裏面、1bはシート基材の表面、2は装着対象面(屋根板上面)、10Aは外側重合シート部、10Bは内側重合シート部、11は接着剤塗布部、21は易剥離部、22は易接着部、Wは重合幅、Zは下地シート、Za,Zbは下地シートの幅方向端部、Zcは下地シートの長さ方向の端部、Zdは継ぎ足し部、Z1,Z2は追加の下地シート、Z3は追加の半幅下地シートである。

Claims (4)

  1. 保管状態でシート基材(1)をロール状に巻回しておき、使用時に上記シート基材(1)をロールから巻解いて建築物の装着対象面(2)に貼付するようにした建築用下地シートであって、
    上記シート基材(1)における上記装着対象面(2)に接する裏面(1a)に、シート幅方向に間隔をもち且つシート長さ方向に向けて細幅で複数本の接着剤塗布部(11,11・・)を設けている一方、
    上記シート基材(1)における上記裏面(1a)とは反対面である表面(1b)には、上記各接着剤塗布部(11,11・・)がそれぞれ対応する部分に該接着剤塗布部(11)の接着剤を剥がれ易くした易剥離部(21,21・・)と、該各易剥離部(21,21・・)以外の部分に上記接着剤塗布部(11)の接着剤が接着する易接着部(22,22・・)とをそれぞれ設けているとともに、
    上記シート基材(1)の幅方向各端部(Za,Zb)寄りにある上記接着剤塗布部(11)と上記易接着部(22)とは、2枚の下地シートの幅方向端部(Za,Zb)同士を所定幅(W)だけ重合させた状態で該重合幅(W)部分における内側重合シート部(10B)の表面(1b)にある易接着部(22)の位置に外側重合シート部(10A)の裏面(1a)にある接着剤塗布部(11)が接合するように位置設定している、
    ことを特徴とする建築用下地シート。
  2. 請求項1の建築用下地シートを用いて行う建築用下地シートの貼付方法であって、
    上記装着対象面(2)に貼付した既設側下地シート(Z)のシート長さ方向の端部(Zc)と上記装着対象面(2)の露出部分とに跨がって、同種の下地シート(Z1)を上記既設側下地シート(Z)の貼付方向とは直交方向に向けた状態で貼付する、
    ことを特徴とする建築用下地シートの貼付方法。
  3. 請求項1の建築用下地シートを用いて行う建築用下地シートの貼付方法であって、
    上記装着対象面(2)に2枚の下地シート(Z,Z)をシート長さ方向に継ぎ足して貼付した場合の両下地シート(Z,Z)の継ぎ足し部(Zd)の端部(Zc)を被覆する位置に、同種の下地シート(Z2)を上記既設側下地シート(Z)の貼付方向とは直交方向に向けた状態で貼付する、
    ことを特徴とする建築用下地シートの貼付方法。
  4. 請求項2又は3において、
    既設側下地シート(Z)の貼付方向とは直交方向に向けて重合させる下地シートとして、上記請求項1の下地シート(Z)を現場において1/2幅に裁断してなる半幅下地シート(Z3)を用いている、
    ことを特徴とする建築用下地シートの貼付方法。
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