JP2011201835A - ホスホニウム化合物。 - Google Patents

ホスホニウム化合物。 Download PDF

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Abstract

【課題】新規なホスホニウム化合物を提供すること。
【解決手段】
下記式(1)で表されるホスホニウム化合物。
【化1】

[式中、Rは下記式(2)で表される基を示し、Xは一価のアニオンを示す。複数存在するRは、互いに同一でも異なっていてもよい。]
【化2】

[式中、nは0〜4の整数を示す。]
【選択図】なし

Description

本発明は、新規なホスホニウム化合物に関する。
ホスホニウム化合物は、カチオン重合触媒としての用途や、医薬中間体としての用途等、多様な用途が知られており、例えば、特許文献1には、ホスホニウム化合物を熱潜在性カチオン重合触媒として用いることが記載されている。
特開2004−083835号公報
本発明は、新規なホスホニウム化合物を提供することを目的とする。
すなわち、本発明は、下記式(1)で表されるホスホニウム化合物を提供する。

[式中、Rは下記式(2)で表される基を示し、Xは一価のアニオンを示す。複数存在するRは、互いに同一でも異なっていてもよい。]

[式中、nは0〜4の整数を示す。]
本発明に係るホスホニウム化合物において、複数存在するRのうち少なくとも3つは、互いに同一の基とすることができる。また、本発明に係るホスホニウム化合物において、nは、0又は1としてもよい。
本発明によれば、新規なホスホニウム化合物が提供される。
実施例1で得られたトリ(4−ブロモフェニル)ホスフィンのH−NMRチャートを表す図である。 実施例1で得られたトリ(4−ブロモフェニル)ホスフィンの31P−NMRチャートを表す図である。 実施例1で得られたテトラ(4−ブロモフェニル)ホスホニウムクロリドのH−NMRチャートを表す図である。 実施例1で得られたテトラ(4−ブロモフェニル)ホスホニウムクロリドの31P−NMRチャートを表す図である。 実施例1で得られた式(11)で表されるホスホニウム化合物のH−NMRチャートを表す図である。 実施例1で得られた式(11)で表されるホスホニウム化合物の13C−NMRチャートを表す図である。 実施例1で得られた式(11)で表されるホスホニウム化合物の31P−NMRチャートを表す図である。
以下、本発明に係るホスホニウム化合物の好適な実施形態について説明する。
本実施形態に係るホスホニウム化合物は、下記式(1)で表される化合物である。
式(1)中、Rは下記式(2)で表される基を示し、Xは一価のアニオンを示す。複数存在するRは互いに同一でも異なっていてもよく、製造の容易さの観点からは、複数存在するRのうち少なくとも3つが同一の基であることが好ましい。
式(2)中、nは0〜4の整数を示す。
式(2)で表される基としては、下記式(3)で表される基、下記式(4)で表される基が好ましい。式(3)及び式(4)中、nは0〜4の整数を示す。
また、式(2)で表される基としては、下記式(5)で表される基がより好ましい。式(5)中、nは0〜4の整数を示す。
式(2)で表される基としては、具体的には、例えば、下記式(6−1)、(6−2)、(6−3)、(6−4)、(7−1)、(7−2)、(7−3)、(8−1)、(8−2)、(8−3)、(8−4)、(8−5)、(8−6)、(8−7)、(8−8)、(8−9)で表される基が挙げられる。
本明細書中、一価のアニオンとは、一価の負電荷を帯びた原子又は原子団を意味する。一価のアニオンとしては、特に限定はなく、例えば、公知の一価のアニオンから選択することができる。
一価のアニオンとしては、例えば、フッ化物イオン(F)、塩化物イオン(Cl)、臭化物イオン(Br)ヨウ化物イオン(I)等のハロゲン化物イオン;トリフルオロ酢酸アニオン(CFCO )、テトラフルオロ安息香酸アニオン(CCO )等のカルボン酸アニオン;テトラフルオロホウ酸アニオン(BF )、テトラフェニルホウ酸アニオン(BPh )等のホウ酸アニオン;ヘキサフルオロリン酸アニオン(PF )等のリン酸アニオン;メチルスルホン酸アニオン(CHSO )、トリフルオロメチルスルホン酸アニオン(CFSO )、ベンゼンスルホン酸アニオン(CSO )、p−トルエンスルホン酸アニオン(CHSO )等のスルホン酸アニオン;過塩素酸アニオン(ClO );などが挙げられる。
これらのうち、溶媒への溶解性や単離工程の簡便さの点で、F、Cl、Br、I、BF 、BPh 、PF 、CFSO がより好ましい。
次に、本実施形態に係るホスホニウム化合物の好適な製造方法について説明する。
本実施形態に係るホスホニウム化合物のうち、式(1)におけるnが1〜4の整数であるもの(下記式(9−3)で表されるホスホニウム化合物)は、例えば、下記スキーム1に示す反応工程により製造することができる。スキーム1に示す式中、Arは下記式(9−4)で表される基を示し、Arは下記式(9−5)で表される基を示し、Arは下記式(9−6)で表される基を示す。Z及びZはハロゲン原子を示し、(A及びXは、一価のアニオンを示す。同一式中に複数存在するArは、互いに同一でも異なっていてもよく、同一式中に複数存在するZは、互いに同一でも異なっていてもよい。
式中、m、p及びqは0〜3の整数を示す。但し、m+qは0〜3であり、p+qは0〜3である。
すなわち、まず、三塩化ホスフィン(PCl)と求核試薬との反応により、式(9−1)で表される化合物を製造する。ここで、求核試薬としては、例えば、下記式(9−7)で表される化合物が挙げられ、より具体的には、例えば、ジハロゲン化ベンゼンを、n−ブチルリチウム等によってリチオ化したものを用いることができる。
式中、Zはハロゲン原子を示し、Mは、Li、Na、K又はMgZ(Zはハロゲン原子を示す。)を示す。
なお、上記求核試薬として、複数種の求核試薬を用いることにより、式(9−1)におけるArが互いに異なる化合物を得ることができる。このとき、複数種の求核試薬は、同時に三塩化ホスフィンとの反応に供してもよく、1種ずつ段階的に三塩化ホスフィンとの反応に供してもよい。
次いで、式(9−1)であらわされる化合物とザンドマイヤー試薬(Sandmeyer試薬)との反応により、式(9−2)で表される化合物を製造する。ここで、ザンドマイヤー試薬としては、例えば、下記式(9−8)で表される化合物が挙げられる。
式中、pは0〜3の整数を示し、Zはハロゲン原子を示し、(Aは一価のアニオンを示す。
ザンドマイヤー試薬は、例えば、ブロモアニリン塩酸塩と亜硝酸化合物とを反応させることで調製することができる。亜硝酸化合物としては、亜硝酸イソアミル等が挙げられる。
そして、式(9−2)で表される化合物とボロン酸化合物との、いわゆる鈴木カップリング反応により、式(9−3)で表されるホスホニウム化合物が得られる。具体的には、例えば、式(9−2)で表される化合物と式(9−9)で表されるボロン酸化合物とを、パラジウム化合物及び塩基の存在下で反応させることにより、式(9−3)で表されるホスホニウム化合物を製造することができる。
式中、qは0〜3の整数を示す。
鈴木カップリング反応に用いる塩基としては、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等の炭酸塩;リン酸塩;フッ化セシウム;アルコキシド化合物;などが挙げられる。
また、パラジウム化合物としては、例えば、塩化パラジウム、パラジウムジアセテート(Pd(OAc))、パラジウムジクロロビストリフェニルホスフィン(PdCl(PPh)、パラジウムテトラキストリフェニルホスフィン(Pd(PPh)等が挙げられる。なお、パラジウム化合物として、塩化パラジウム又はパラジウムジアセテートを用いる場合は、トリフェニルホスフィンなどの配位子を反応に供することが好ましい。
なお、上記ボロン酸化合物として、複数種のボロン酸化合物を用いることにより、式(9−3)におけるArが互いに異なるホスホニウム化合物を得ることができる。このとき、複数種のボロン酸化合物は、同時に式(9−2)で表される化合物との反応に供してもよく、1種ずつ段階的に式(9−2)で表される化合物との反応に供してもよい。
式(9−3)で表されるホスホニウム化合物は、アニオン交換反応により、Xを、任意の一価のアニオンに適宜変更することができる。
本実施形態に係るホスホニウム化合物はまた、下記スキーム2に示す反応工程によっても製造することができる。スキーム2に示す式中、Arは下記式(10−4)で表される基を示し、Arは下記式(10−5)で表される基を示し、Z及びZはハロゲン原子を示し、(A及びXは一価のアニオンを示す。同一式中に複数存在するArは、互いに同一でも異なっていてもよく、同一式中に複数存在するZは、互いに同一でも異なっていてもよい。
式中、r及びsは0〜4の整数を示す。
すなわち、まず、求核試薬として下記式(10−6)で表される化合物を用い、ザンドマイヤー試薬として下記式(10−7)で表される化合物を用いる他は、上記スキーム1において式(9−2)で表される化合物を製造する方法と同様の方法により、式(10−2)で表される化合物を製造する。
式中、Z及びZはハロゲン原子を示し、Mは、Li、Na、K又はMgZ(Zはハロゲン原子を示す。)を示し、(Aは一価のアニオンを示し、r及びsは0〜4の整数を示す。
次いで、式(10−2)で表される化合物とn−ブチルリチウムとの反応によりリチオ化物を生成せしめ、当該リチオ化物と二酸化炭素とを反応させることにより、式(10−3)で表されるホスホニウム化合物を製造することができる。
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。
以下、実施例により本発明をより具体的に説明するが、本発明は実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
下記工程1−1〜1−3により、下記式(11)で表されるホスホニウム化合物を製造した。
[工程1−1:トリ(4−ブロモフェニル)ホスフィンの合成]
反応容器に、1,4−ジブロモベンゼン124.00g(525.65mmol、東京化成(株)製)、脱気したテトラヒドロフラン513mlを入れ、アルゴン置換し、ドライアイス/アセトン溶媒で冷却した。−70℃以下でn−ブチルリチウム−ヘキサン溶液311.6ml(1.65M、514.14mmol、関東化学(株)製)を滴下し、滴下後すぐに、テトラヒドロフラン256ml(関東化学(株)製)に溶解した三塩化ホスフィン23.29g(169.59mmol、和光純薬工業(株)製)をゆっくり滴下した。
滴下後室温に昇温し、一夜攪拌した。翌日、反応液を減圧下濃縮し、濃縮残渣をシリカゲル(200g)に吸着した。これをシリカゲルカラム(φ:97mm、シリカゲル:1500g、展開溶媒:ヘプタン→ヘプタン/アセトン(19/1))より精製した。濃縮物にジイソプロピルエーテルを加え、晶祈後、ろ取、乾燥し、微褐色の粉末結晶のトリ(4−ブロモフェニル)ホスフィンを22.75g(収率26.88%)得た。
得られたトリ(4−ブロモフェニル)ホスフィンのH−NMR及び31P−NMRの結果を以下に示す。
H−NMR(300.4MHz,CDCl,TMS):δ=7.48(dd,J=8.3Hz,1.0Hz,6H,Ar),7.12(dt,J=8.2Hz,2.0Hz,6H,Ar)
31P−NMR(161.7MHz,CDCl,HPO internal reference):δ=−8.34
なお、工程1−1で得られたトリ(4−ブロモフェニル)ホスフィンは、下記式(11−1)で表される化合物である。
図1は、トリ(4−ブロモフェニル)ホスフィンのH−NMRチャートを表す図である。図1中、ピーク1及びピーク2はトリ(4−ブロモフェニル)ホスフィン由来のピークであり、ピーク3はクロロホルム由来のピークであり、ピーク4はジイソプロピルエーテル由来のピークであり、ピーク5はテトラメチルシラン由来のピークである。
また、図2は、トリ(4−ブロモフェニル)ホスフィンの31P−NMRチャートを表す図である。図2中、ピーク11はトリ(4−ブロモフェニル)ホスフィン由来のピークであり、ピーク12は内部標準物質であるリン酸由来のピークである。
[工程1−2:テトラ(4−ブロモフェニル)ホスホニウムクロリドの合成]
反応容器に、4−ブロモアニリン塩酸塩24.22g(116.17mmol)を入れ、アルゴン置換し、脱気したメタノール157mlを加え、溶解した。これに氷冷下、亜硝酸イソアミル16.7ml(124.31mmol、東京化成(株)製)を滴下し、30分攪拌し、反応溶液1とした。
別の反応容器に、トリ(4−ブロモフェニル)ホスフィン38.65g(77.46mmol)を入れ、アルゴン置換し、脱気したテトラヒドロフラン116mlを加え溶解した。これに氷冷下、反応溶液1を滴下し、30分攪拌した。次に、反応液を濃縮し、濃縮残渣にクロロホルムを加え、晶析した。晶析した結晶を遠心分離により分離し、クロロホルムで6回洗浄した。分離した結晶を乾燥し、ほぼ白色の粉末結晶のテトラ(4−ブロモフェニル)ホスホニウムクロリドを19.00g(収率35.5%)得た。
得られたテトラ(4−ブロモフェニル)ホスホニウムクロリドのH−NMR及び31P−NMRの結果を以下に示す。
H−NMR(300.4MHz,MeOH−d,TMS):δ=7.99(dq,J=8.9Hz,2.4Hz,8H,Ar),7.65(dt.J=8.9Hz,2.1Hz,8H,Ar)
31P−NMR(161.7MHz,MeOH−d,HPO internal reference):δ=23.08
なお、工程1−2で得られたテトラ(4−ブロモフェニル)ホスホニウムクロリドは、下記式(11−2)で表される化合物である。
図3は、得られたテトラ(4−ブロモフェニル)ホスホニウムクロリドのH−NMRチャートを表す図である。図3中、ピーク21及びピーク22はテトラ(4−ブロモフェニル)ホスホニウムクロリド由来のピークであり、ピーク23は水由来のピークであり、ピーク24はメタノール由来のピークであり、ピーク25はテトラメチルシラン由来のピークである。
また、図4は、得られたテトラ(4−ブロモフェニル)ホスホニウムクロリドの31P−NMRチャートを表す図である。図4中、ピーク31はテトラ(4−ブロモフェニル)ホスホニウムクロリド由来のピークであり、ピーク32は内部標準物質であるリン酸由来のピークである。
[工程1−3:式(11)で表されるホスホニウム化合物の合成]
反応容器に、テトラ(4−ブロモフェニル)ホスホニウムクロリド19.00g(27.52mmol)、p−カルボキシフェニルボロン酸20.09g(121.08mmol)、パラジウムビストリフェニルホスフィンジクロリド0.39g(0.55mmol、エヌ・イーケムキャット(株)製)、炭酸ナトリウム29.17mg(275.19mmol、ナカライテスク(株)製)、脱気したエタノール175ml、脱気した水70mlを入れ、アルゴン置換し、還流下3時間攪拌した。
3時間後、室温まで冷却し、水を285ml加え、全溶した。この水溶液をクロロホルムで3回洗浄した。得られた水層を氷冷し、これに濃塩酸40ml(37mM)を滴下、酸性化し、晶析物を得た。この晶析物を遠心分離により分離し、水で6回洗浄後、さらにアセトンで3回洗浄した。分離した結晶を乾燥し、微黄白色の結晶粉末の目的物(式(11)で表されるホスホニウム化合物)を15.62g(収率69.2%)得た。
得られたホスホニウム化合物のH−NMR、13C−NMR、31P−NMR及びMS(MALDI−TOF)測定の結果を以下に示す。
H−NMR(399.7MHz,DO with NaCO):δ=7.68(d,J=8.2Hz,8H,Ar),7.48(dd,J=8.2Hz,2.7Hz,8H,Ar),7.31(d,J=8.4Hz,8H,Ar),7.25(dd,J=8.4Hz,4.2Hz,8H,Ar)
13C−NMR(100.4MHz,DO with NaCO,1,4−Dioxane internal reference):174.77(OONa),166.62(OOH),147.38(d,J=2.5Hz,Ar),139.95(d,J=4.1Hz,Ar),138.39(Ar),135.18(m,Ar),130.68(Ar),129.20(m,Ar),127.56(Ar),116.77(d,J=92.7Hz,Ar)
31P−NMR(161.7MHz,DO with NaCO,HPO external reference):δ=20.67
MS:m/z=819.21(M
図5は、得られた式(11)で表されるホスホニウム化合物のH−NMRチャートを表す図である。図5中、ピーク41、ピーク42、ピーク43及びピーク44は、式(11)で表されるホスホニウム化合物由来のピークであり、ピーク45は水由来のピークであり、ピーク46はアセトン由来のピークである。
また、図6は、得られた式(11)で表されるホスホニウム化合物の13C−NMRチャートを表す図である。図6中、ピーク52、ピーク53、ピーク54、ピーク55、ピーク56、ピーク57、ピーク58、ピーク59及びピーク60は式(11)で表されるホスホニウム化合物由来のピークであり、ピーク51は式(11)で表されるホスホニウム化合物の−COOH基とNaCOとの反応により生じた−COONa基由来のピークであり、ピーク61は内部標準物質である1,4−ジオキサン由来のピークである。
また、図7は、得られた式(11)で表されるホスホニウム化合物の31P−NMRチャートを表す図である。図7中、ピーク71は式(11)で表されるホスホニウム化合物由来のピークである。
(実施例2)
下記の工程2−1により、下記式(12)で表されるホスホニウム化合物を製造した。
[工程2−1:式(12)で表されるホスホニウム化合物の合成]
反応容器に、テトラ(4−ブロモフェニル)ホスホニウムクロリド5.00g(7.24mmol)、m−カルボキシフェニルボロン酸5.28g(31.84mmol)、パラジウムビストリフェニルホスフィンジクロリド0.10g(0.14mmol、エヌ・イーケムキャット(株)製)、炭酸ナトリウム7.67mg(72.37mmol、ナカライテスク(株)製)、脱気したエタノール50ml、脱気した水20mlを入れ、アルゴン置換し、還流下3時間攪拌した。
3時間後、室温まで冷却し、水を50ml加え、全溶した。この水溶液をクロロホルムで3回洗浄した。得られた水層を氷冷し、これに濃塩酸10ml(37mM)を滴下、酸性化し、晶析物を得た。この晶析物を遠心分離により分離し、水で6回洗浄後、さらにアセトンで3回洗浄した。分離した結晶を乾燥し、微黄白色の結晶粉末の目的物(式(12)で表されるホスホニウム化合物)を3.28g(収率51.9%)得た。
得られたホスホニウム化合物のH−NMR、13C−NMR、31P−NMR及びMS(MALDI−TOF)測定の結果を以下に示す。
H−NMR(399.7MHz,DO with NaCO):δ=8.3−8.4(m,8H,Ar),8.0−8.1(m,8H,Ar),7.82(m,4H,Ar),7.4−7.6(m,12H,Ar),7.2−7.3(m,8H,Ar)
13C−NMR(100.4MHz,DO with NaCO,1,4−Dioxane internal reference):169.43(OONa),161.39(OOH),136.4(m,Ar),134.5(m,Ar),133.1(m,Ar),130.1(m,Ar),129.0(m,Ar),127.7(Ar),117.3(m,Ar)
31P−NMR(161.7MHz,DO with NaCO,HPO external reference):δ=20.31
MS:m/z=819.31(M
(実施例3)
下記の工程3−1により、下記式(13)で表されるホスホニウム化合物を製造した。
[工程3−1:式(13)で表されるホスホニウム化合物の合成]
反応容器に、テトラ(4−ブロモフェニル)ホスホニウムクロリド5.00g(7.24mmol)、o−カルボキシフェニルボロン酸5.25g(31.84mmol)、パラジウムビストリフェニルホスフィンジクロリド0.11g(0.14mmol、エヌ・イーケムキャット(株)製)、炭酸ナトリウム7.50mg(72.37mmol、ナカライテスク(株)製)、脱気したエタノール50ml、脱気した水20mlを入れ、アルゴン置換し、還流下3時間攪拌した。
3時間後、室温まで冷却し、水を50ml加え、全溶した。この水溶液をクロロホルムで3回洗浄した。得られた水層を氷冷し、これに濃塩酸10ml(37mM)を滴下、酸性化し、晶析物を得た。この晶析物を遠心分離により分離し、水で6回洗浄後、さらにアセトンで3回洗浄した。分離した結晶を乾燥し、微黄白色の結晶粉末の目的物(式(13)で表されるホスホニウム化合物)を3.51g(収率59.1%)得た。
得られたホスホニウム化合物のH−NMR、13C−NMR、31P−NMR及びMS(MALDI−TOF)測定の結果を以下に示す。
H−NMR(399.7MHz,DO with NaCO):δ=8.2(m,4H,Ar),7.6−7.7(m,8H,Ar),7.5(m,8H,Ar),7.4(m,4H,Ar),7.3(m,8H,Ar)
13C−NMR(100.4MHz,DO with NaCO,1,4−Dioxane internal reference):169.41(OONa),161.33(OOH),136.5(m,Ar),134−135(m,Ar),130.8(m,Ar),129.0(m,Ar),127.5(Ar),117.1(m,Ar)
31P−NMR(161.7MHz,DO with NaCO,HPO external reference):δ=20.34
MS:m/z=819.11(M
(実施例4)
下記の工程4−1により、下記式(14)で表されるホスホニウム化合物を製造した。
[工程4−1:式(14)で表されるホスホニウム化合物の合成]
反応容器に、テトラ(4−ブロモフェニル)ホスホニウムクロリド5.00g(7.24mmol)に脱気したジエチルエーテル80mlを加え、アルゴン置換し、ドライアイス/アセトン冷媒に浸し、−78℃まで冷却した。次に、ブチルリチウム−ヘキサン溶液27mL(1.6M)を加え、3時間攪拌した。
別の容器にドライアイスを入れ、Ar置換した後に、減圧にしてドライアイスを昇華させることにより生じた炭酸ガスをキャニューレによって上記の反応容器へ吹き込んだ。5時間後、室温まで冷却し、水を50ml加え、全溶した。この水溶液をクロロホルムで3回洗浄した。得られた水層を氷冷し、これに濃塩酸10ml(37mM)を滴下、酸性化し、晶析物を得た。この晶析物を遠心分離により分離し、水で6回洗浄後、さらにアセトンで3回洗浄した。分離した結晶を乾燥し、微黄白色の結晶粉末の目的物(下記式(14)で表されるホスホニウム化合物)を2.10g(収率56.3%)得た。
得られたホスホニウム化合物のH−NMR、13C−NMR、31P−NMR及びMS(MALDI−TOF)測定の結果を以下に示す。
H−NMR(399.7MHz,DO with NaCO):δ=8.0(d,J=8.2Hz,8H,Ar),7.5(dd,J=8.1Hz,8H,Ar)
13C−NMR(100.4MHz,DO with NaCO,1,4−Dioxane internal reference):177.6(OONa),169.3(OOH),134.1(m,Ar),130.3(m,Ar),123.8(m,Ar)
31P−NMR(161.7MHz,DO with NaCO,HPO external reference):δ=20.7
MS:m/z=551.68(M
本発明に係るホスホニウム化合物は、カチオン重合触媒としての用途や、医薬中間体として、有用である。

Claims (3)

  1. 下記式(1)で表されるホスホニウム化合物。

    [式中、Rは下記式(2)で表される基を示し、Xは一価のアニオンを示す。複数存在するRは、互いに同一でも異なっていてもよい。]

    [式中、nは0〜4の整数を示す。]
  2. 複数存在するRのうち、少なくとも3つが同一の基である、請求項1記載のホスホニウム化合物。
  3. nが0又は1である、請求項1又は2記載のホスホニウム化合物。
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