JP2011198932A - 図形データの表示方法および図形データ表示装置 - Google Patents

図形データの表示方法および図形データ表示装置 Download PDF

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Abstract

【課題】これまでよりも短時間に図形のレイアウトを表示することができる図形データの表示方法を提供する。
【解決手段】ピクセルマップデータPMが不揮発性記憶手段から取得される。ピクセルマップデータPMに基づきディスプレイの画面上に拡大率に応じて図形のレイアウトが表示される。ピクセルマップデータPMは図形データに基づき作成される。図形データは、第m階層(mはnより小さい自然数)の特定域ごとに第(m+1)階層で図形のレイアウトを特定するn階(nは2以上の自然数)の階層構造を有する。
【選択図】図6

Description

本発明は、第m階層(mはnより小さい自然数)の特定域ごとに第(m+1)階層で図形のレイアウトを特定するn階(nは2以上の自然数)の階層構造を有する図形データに基づき図形のレイアウトを表示する図形データの表示方法に関する。
電子ビーム描画装置といった荷電粒子ビーム描画装置は広く知られる。電子ビーム描画装置では感光性樹脂材のキャンバスに電子ビームで図形すなわち回路パターンが描画される。回路パターンの描画にあたって電子ビーム描画装置には個々の半導体チップごとにレイアウトデータが取り込まれる。描画に先立ってレイアウトデータは描画データに変換される。描画データではクラスター域といった微小単位区域ごとに図形のレイアウトが特定される。図形のレイアウトはディスプレイの画面上で検証されることができる。
特開2007−324229号公報
検証にあたって画面上で図形のレイアウトは例えば拡大表示される。この拡大表示にあたって作業者は表示範囲を指定する。指定された表示範囲内で全ての描画データは検出される。検出された描画データに基づきピクセルマップデータは作成される。拡大率が変化するたびにピクセルマップデータは作成される。拡大率が変化するたびに表示範囲内で全ての描画データが読み出される。ピクセルマップデータの作成にかなりの処理時間が費やされる。表示完了まで待機時間の短縮が望まれる。
本発明は、上記実状に鑑みてなされたもので、これまでよりも短時間に図形のレイアウトを表示することができる図形データの表示方法を提供することを目的とする。本発明は、そういった表示方法を実現することができる図形データ表示装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の第1側面によれば、第m階層(mはnより小さい自然数)の特定域ごとに第(m+1)階層で図形のレイアウトを特定するn階(nは2以上の自然数)の階層構造を有する図形データに基づき作成され、1画面の画素ごとに表示情報を指定するピクセルマップデータを不揮発性記憶装置から取得する工程と、取得した前記ピクセルマップデータに基づき、ディスプレイの画面上に拡大率に応じて前記図形のレイアウトを表示する工程とを備える図形データの表示方法が提供される。
本発明の第2側面によれば、第m階層(mはnより小さい自然数)の特定域ごとに第(m+1)階層で図形のレイアウトを特定するn階(nは2以上の自然数)の階層構造を有する図形データを格納する不揮発性記憶手段と、前記不揮発性記憶手段から取得する前記図形データに基づき、1画面の画素ごとに表示情報を指定するピクセルマップデータを作成し、作成した前記ピクセルマップデータを前記不揮発性記憶手段に格納するピクセルマップデータ作成手段と、前記不揮発性記憶手段から前記ピクセルマップデータを取得し、取得した前記ピクセルマップデータに基づき画素ごとに表示情報を特定する画像信号を出力する表示処理手段と、前記画像信号に基づき、画面上に拡大率に応じて前記図形のレイアウトを表示する表示手段とを備える図形データ表示装置が提供される。
本発明によれば、これまでよりも短時間に図形のレイアウトを表示することができる図形データの表示方法は提供される。そういった表示方法を実現することができる図形データ表示装置は提供される。
荷電粒子ビーム描画システムの構成を概略的に示す図である。 制御手段の構成を概略的に示すブロック図である。 描画データの構造を概略的に示す概念図である。 描画データで特定される図形を概略的に示す概念図である。 ショットデータで特定される図形を概略的に示す概念図である。 第1実施形態に係るピクセルマップデータの構造を示す概念図である。 表示処理の手順を概略的に示すフローチャートである。 ピクセルマップデータの作成手順を概略的に示すフローチャートである。 ピクセルマップデータの保存手順を概略的に示すフローチャートである。 第2実施形態に係るピクセルマップデータの構造を示す概念図である。 ピクセルマップデータの作成手順を概略的に示すフローチャートである。
以下、添付図面を参照しつつ本発明の一実施形態を説明する。
図1は荷電粒子ビーム描画システムの一具体例すなわち電子ビーム描画システム11の構成を概略的に示す。電子ビーム描画システム11は荷電粒子ビーム描画装置すなわち電子ビーム描画装置12を備える。電子ビーム描画装置12では感光性樹脂材のキャンバスに電子ビームで図形が描画される。すなわち、感光性樹脂材は電子ビームで露光される。感光性樹脂材は例えば電子ビームの照射に応じて固化する。図形のレイアウトは描画データで特定される。こういった電子ビーム描画装置12は例えば半導体チップ用マスク原版の作成にあたって利用される。なお、荷電粒子ビームには、電子ビームのほか、例えばイオンビームといった荷電粒子ビームが含まれる。
電子ビーム描画システム12はデータ変換装置13を備える。データ変換装置13は電子ビーム描画装置12に接続される。データ変換装置13は電子ビーム描画装置12に描画データを供給する。描画データは、前述のように電子ビームで描き出される図形のレイアウトを特定する。半導体チップ用マスク原版の作成にあたって描画データには回路パターンが書き込まれる。回路パターンは図形の集合体で特定される。描画に先立ってレイアウトデータは描画データに変換される。描画データではクラスター域といった微小単位区域ごとに図形のレイアウトが特定される。描画データは台形や矩形、三角形といった図形の形状、大きさおよび位置を特定する。描画データの生成にあたってデータ変換装置13にはレイアウトデータが取り込まれる。
データ変換装置13は図形データ表示装置を兼ねる。図形データ表示装置はいわゆるレイアウトビューワーを提供する。図形データ表示装置は例えばピクセルマップデータに基づきディスプレイの画面上に回路パターンを表示する。回路パターンは、描画データで特定される図形のレイアウトとして表示される。ピクセルマップデータは例えば描画データに基づき生成される。ピクセルマップデータの詳細は後述される。
電子ビーム描画装置12は描画ユニット14を備える。描画ユニット14では電子ビームで図形の集合体が描画される。電子ビーム描画装置12は制御ユニット15をさらに備える。制御ユニット15は描画ユニット14に接続される。制御ユニット15は描画ユニット14の動作を制御する。制御にあたって制御ユニット15は各種の制御信号を出力する。制御信号は例えばショットデータに基づき生成される。制御ユニット15は描画データに基づきショットデータを生成する。ショットデータの詳細は後述される。
描画ユニット14は土台17を備える。土台17には描画室18が区画される。描画室18内にはXYステージ19が配置される。XYステージ19は上向きの試料受け面19aを区画する。試料受け面19aは例えば任意の水平面内すなわちxy平面内で広がる。試料受け面19aは重力方向に直交する。XYステージ19は水平面内すなわちxy平面内で試料受け面19aの移動を実現する。こういった移動の実現にあたってXYステージ19には所定の駆動機構が組み込まれる。駆動機構は例えば案内レールとリニアモーターとで構成されればよい。
描画ユニット14は電子ビーム鏡筒21を備える。電子ビーム鏡筒21は土台17に接続される。電子ビーム鏡筒21の内部空間は描画室18から連続する。電子ビーム鏡筒21内には電子銃22および電子光学系23が組み込まれる。電子銃22は、XYステージ19の水平面に直交する鉛直方向に電子を放出する。電子は電子ビーム23を形成する。電子ビーム23は電子光学系24を通過してXYステージ19の試料受け面19aに至る。
電子光学系24は第1アパーチャ板25および第2アパーチャ板26を備える。第1および第2アパーチャ板25、26は電子銃22およびXYステージ19の間に配置される。第1および第2アパーチャ板25、26は、電子ビーム23を遮蔽する板材から形成される。第1および第2アパーチャ板25、26にはそれぞれ開口25a、26aが形成される。開口25aは例えば矩形の輪郭を有する。電子ビーム23は開口25a、26aを通過する。
電子光学系24は第1偏向器27、第2偏向器28および第3偏向器29をさらに備える。第1偏向器27は電子銃22および第1アパーチャ板25の間に配置される。第2偏向器28は第1アパーチャ板25および第2アパーチャ板26の間に配置される。第3偏向器29は第2アパーチャ板26およびXYステージ19の間に配置される。第1、第2および第3偏向器27、28、29は電磁気の働きで電子ビーム23の進行方向を制御する。
電子光学系24は照明レンズ31、投影レンズ32および対物レンズ33をさらに備える。照明レンズ31は電子銃22および第1アパーチャ板25の間に配置される。照明レンズ31は電磁気の働きで開口25aに対して電子ビーム23を集光する。投影レンズ32は第1アパーチャ板25および第2アパーチャ板26の間に配置される。投影レンズ32は電磁気の働きで開口26aに対して電子ビーム23を集光する。対物レンズ33は第2アパーチャ板26およびXYステージ19の間に配置される。対物レンズ33はXYステージ19上の感光性樹脂のキャンバスに対して電子ビーム23を集光する。
制御ユニット15はブランキング制御部35を備える。ブランキング制御部35は第1偏向器27に接続される。ブランキング制御部35は第1偏向器27に駆動信号を供給する。駆動信号の供給に応じて第1偏向器27は例えば第1進行方向および第2進行方向の間で電子ビーム23の進行方向を切り替える。電子ビーム23が第1進行方向に向けられると、電子ビーム23は第1アパーチャ板25の開口25aを通過する。電子ビーム23が第2進行方向に向けられると、電子ビーム23は開口25aの外側で第1アパーチャ板25に衝突する。電子ビーム23の進行は遮られる。こうしてブランキング制御に応じて電子ビーム23の照射および遮断が切り替えられる。
制御ユニット15は可変成形ビーム制御部36を備える。可変成形ビーム制御部36は第2偏向器28に接続される。可変成形ビーム制御部36は第2偏向器28に駆動信号を供給する。駆動信号の供給に応じて第2偏向器28は電子ビーム23の進行方向を変更する。電子ビーム34の経路は第2アパーチャ板26の開口26aに対して相対的に調整される。その結果、電子ビーム23の経路は部分的に第2アパーチャ板26で遮られる。こうして電子ビーム23の断面形状は開口25aの輪郭と開口26aの輪郭とで成形される。可変成形ビームは確立される。
制御ユニット15は偏向制御部37を備える。偏向制御部37は第3偏向器29に接続される。偏向制御部37は第3偏向器29に駆動信号を供給する。駆動信号の供給に応じて第3偏向器29は電子ビーム23の進行方向を変更する。こうして電子ビーム23のビームスポットはXYステージ19の試料受け面19a上で移動する。
制御ユニット15はステージ駆動制御部38を備える。ステージ駆動制御部38はXYステージ19に接続される。ステージ駆動制御部38はXYステージ19に駆動信号を供給する。駆動信号の供給に応じてXYステージ19の移動は制御される。こうして不動の電子銃22に対してXYステージ19の位置は相対的に変更される。XYステージ19の移動に応じてXYステージ19上で対物レンズ33に対して所定の照射範囲は位置決めされる。XYステージ19の静止中、XYステージ19上では第3偏向器29の働きで電子ビーム23のビームスポットは当該照射範囲内で移動することができる。
制御ユニット15は制御回路39を備える。制御回路39はブランキング制御部35、可変成形ビーム制御部36、偏向制御部37およびステージ駆動制御部38に接続される。制御回路39はブランキング制御部35、可変成形ビーム制御部36、偏向制御部37およびステージ駆動制御部38の動作を制御する。その結果、XYステージ19の試料受け面19aには所定の大きさで所定の形状のビームスポットが間欠的に照射される。照射のたびにビームスポットの位置は移動する。
制御ユニット15は例えば2台の不揮発性記憶手段すなわちハードディスク駆動装置(HDD)41a、41bおよびメモリー42を備える。HDD41a、41bおよびメモリー42は制御回路39に接続される。例えばHDD41aには所定のソフトウェアプログラムが格納される。制御回路39はソフトウェアプログラムに基づき様々な演算処理を実行する。実行にあたってソフトウェアプログラムは一時的にメモリー42に取り込まれる。ソフトウェアプログラムは例えばCD−ROM(コンピューター読み出し専用のコンパクトディスク)その他の可搬性記憶媒体からHDD41aに取り込まれてもよく、LAN(ローカルエリアネットワーク)やインターネットといったネットワークからHDD41aに取り込まれてもよい。
制御ユニット15はデータ処理回路43を備える。データ処理回路43は制御回路39およびHDD41a、41bに接続される。データ処理回路43は描画データに基づきショットデータを生成する。ショットデータの生成にあたって制御回路39はデータ処理回路43に指令信号を供給する。データ処理回路43は例えばHDD41b内の仮想メモリーにショットデータを格納する。制御信号の生成にあたって制御回路39は仮想メモリーからショットデータを取り込む。HDD41a内の仮想メモリーには例えば描画データが格納される。ショットデータの生成にあたってデータ処理回路43はHDD41aから描画データを取得する。描画データは例えばインターフェース回路44を通じてHDD41aに取り込まれればよい。
ショットデータは、電子ビーム23で描き出される図形を特定する。ただし、ショットデータでは、描画データで特定される図形は簡素化される。すなわち、描画データで特定される図形は細分化される。細分化された図形の集合体で回路パターンは特定される。ショットデータは単純な矩形や三角形といった図形の形状、大きさおよび位置を特定する。個々の図形は例えば1照射ごとの電子ビーム23のビームスポットに相当する。
データ変換装置13はデータ処理手段51すなわちデータ処理回路を備える。データ処理手段51はレイアウトデータに基づき描画データを生成する。レイアウトデータではセルといった区域ごとに図形のレイアウトが特定される。セルはクラスター域の集合体に相当する。レイアウトデータはCAD(コンピューター支援設計)データに基づき作成される。CADデータは例えば回路パターンのポリゴンデータを特定する。なお、データ処理手段51は複数のデータ処理回路で構成されてもよい。この場合には、個々のデータ処理回路で並列的に描画データが生成されればよい。こういった描画データの生成にあたって個々のデータ処理回路には並列にレイアウトデータファイルが取り込まれればよい。レイアウトデータファイルは例えば特定の大きさの領域ごとに図形のレイアウトを特定すればよい。
データ変換装置13は制御手段52すなわち制御回路を備える。制御手段52にはデータ処理手段51が接続される。制御手段52はデータ処理手段51の動作を制御する。例えば前述のようにデータ処理手段51が複数のデータ処理回路で構成される場合には、制御手段52は個々のデータ処理回路に1つ1つのレイアウトデータファイルを割り当てる。
データ変換装置13は例えば2台の不揮発性大容量記憶手段53a、53bすなわちHDDを備える。不揮発性大容量記憶手段53a、53bは制御手段52に接続される。制御手段52は例えばインターフェース回路54を通じてレイアウトデータを取り込む。制御手段52は不揮発性大容量記憶手段53aにレイアウトデータを格納する。インターフェース回路54は例えばLANやインターネットに接続されればよい。その他、インターフェース回路54は例えばCD−ROM駆動装置といった可搬性記憶媒体駆動装置や例えばUSBコネクターといった可搬性記憶媒体接続装置で構成されてもよい。制御手段52の働きに応じてデータ処理手段51は不揮発性大容量記憶手段53bに描画データを格納する。制御手段52はインターフェース回路55を通じて電子ビーム描画装置12の制御ユニット15に描画データを送り込む。インターフェース回路55は制御ユニット15のインターフェース回路44に接続される。
データ変換装置13は例えば入力手段56すなわち入力装置を備える。入力装置には例えばキーボードやマウスが用いられればよい。入力手段56は制御手段52に接続される。入力手段56は制御手段52に電気信号を供給する。キーボードの電気信号は個々のキー操作を特定する。マウスの電気信号は個々のマウス操作を特定する。
データ変換装置13は例えば表示手段57すなわちディスプレイ装置を備える。表示手段57は制御手段52に接続される。制御手段52は表示手段57に画像信号を供給する。画像信号では、ディスプレイ装置の個々の画素ごとに表示情報が特定される。表示情報は例えば画素の色情報を特定する。こうした色情報には例えばRGB情報が用いられてもよく白黒を示すバイナリ情報が用いられてもよい。制御手段52は表示手段57の表示情報および入力手段56の電気信号に基づきコマンドを特定することができる。コマンドには例えば表示コマンドや表示終了コマンド、スクロールコマンド、表示拡大コマンド、表示縮小コマンド、データ作成コマンドが含まれる。これらコマンドの詳細は後述される。
図2に示されるように、制御手段52は描画データ生成手段61すなわち描画データ生成回路を備える。描画データ生成手段61は描画データの生成を管理する。描画データの生成にあたって描画データ生成手段61はレイアウトデータを取得する。描画データ生成手段61は不揮発性大容量記憶手段53aにレイアウトデータを格納する。描画データ生成手段61はデータ処理手段51に描画データの生成および保存を指示する。描画データ生成手段61は制御回路52の要求に応じて電子ビーム描画装置12の制御ユニット15に描画データを受け渡す。
制御手段52は表示処理手段62すなわち表示処理回路を備える。表示処理手段62は回路パターンの表示処理を管理する。表示処理にあたって表示処理手段62はピクセルマップデータに基づき画像信号を出力する。画像信号では画素ごとに表示情報が特定される。表示処理手段62の処理手順は後述される。
制御手段52はピクセルマップデータ作成手段63すなわちピクセルマップデータ作成回路を備える。ピクセルマップデータ作成手段63は描画データに基づきピクセルマップデータを作成する。ピクセルマップデータ作成手段63の処理手順は後述される。
制御手段52はピクセルマップデータ保存手段64すなわちピクセルマップデータ保存回路を備える。ピクセルマップデータ保存手段64はピクセルマップデータの恒久的保存を管理する。ピクセルマップデータ保存手段64の処理手順は後述される。
制御手段52は階層データ検索手段65すなわち階層データ検索回路をさらに備える。階層データ検索手段65はピクセルマップデータの作成にあたって描画データから1階層データを検索する。後述されるように、描画データはn階(nは2以上の自然数)の階層構造を有する。第m階層(mはnより小さい自然数)の特定域ごとに第(m+1)階層で要素図形のレイアウトが特定される。このとき、第m階層では個々の要素図形が1つの特定域を仕切る。こうして第1階層から第n階層まで階が上がるにつれて特定域は細分化される。要素図形のレイアウトは個々の階層ごとに区分けされる。1階層データは1つの階層で要素図形のレイアウトを特定する。
制御手段52は要素図形抽出手段66すなわち要素図形抽出回路をさらに備える。要素図形抽出手段66はピクセルマップデータの作成にあたって階層データから要素図形を抽出する。検索された1階層データで全ての要素図形は特定される。
制御手段52は要素図形選別手段67すなわち要素図形選別回路をさらに備える。要素図形選別手段67はピクセルマップデータの作成にあたって1階層データの要素図形から特定条件の要素図形を選別する。要素図形の選別にあたって要素図形選別手段67は第1閾値、第2閾値および第3閾値を利用する。第1〜第3閾値は例えば不揮発性大容量記憶手段53aに予め格納されればよい。その他、第1〜第3閾値の保存にあたってデータ変換装置13は例えばフラッシュメモリーといった不揮発性記憶手段(図示されず)を備えてもよい。選別の処理にあたって第1〜第3閾値はメモリーに一時的に保持されてもよい。要素図形選別手段67の処理手順は後述される。
制御手段52はピクセル生成手段68すなわちピクセル生成回路をさらに備える。ピクセル生成手段68はピクセルマップデータの作成にあたって個々の画素ごとに表示情報を生成する。この表示情報に基づき画像信号は生成される。
なお、制御手段52は例えば演算処理回路71とメモリー72との組み合わせで構成されてもよい。演算処理回路71は、ソフトウェアプログラムの実行に基づき、前述の描画データ生成手段61の機能、表示処理手段62の機能、ピクセルマップデータ作成手段63の機能、ピクセルマップデータ保存手段64の機能、階層データ検索手段65の機能、要素図形抽出手段66の機能、要素図形選別手段67の機能およびピクセル生成手段68の機能を実現すればよい。これら機能の実現にあたってソフトウェアプログラムは例えば一時的にメモリー72に取り込まれればよい。こうしたソフトウェアプログラムは不揮発性大容量記憶手段53aに格納されればよい。ソフトウェアプログラムは例えばCD−ROM(コンピューター読み出し専用のコンパクトディスク)その他の可搬性記憶媒体から不揮発性大容量記憶手段53aに取り込まれてもよく、LAN(ローカルエリアネットワーク)やインターネットといったネットワークから不揮発性大容量記憶手段53aに取り込まれてもよい。
いま、半導体チップ用マスク原版が作成される場面を想定する。半導体チップ用マスク原版の作成にあたってガラス基板は用意される。ガラス基板の表面には例えば金属膜が積層される。金属膜は例えばクロム(Cr)で形成される。金属膜の表面に感光性樹脂材すなわちレジスト材が積層される。CADデータに基づき電子ビーム描画システムでレジスト材に回路パターンが描き込まれる。電子ビームの露光に基づきレジスト材は固化する。
その後、ガラス基板の表面でレジスト材に現像処理が施される。レジスト材は例えば現像液に曝される。未露光のレジスト材は現像液に溶解する。固化したレジスト材は金属膜の表面に残存する。こうして金属膜の表面にはレジスト膜の回路パターンが形成される。
次いで、金属膜にはエッチング処理が施される。エッチング処理には例えばウェットエッチングが用いられる。レジスト膜の輪郭の外側で金属膜はエッチング液に曝される。こうしてレジスト膜の輪郭の外側で金属膜は流し落とされる。レジスト膜が除去されると、ガラス基板の表面には金属膜の回路パターンが残存する。こうして半導体チップ用マスク原版は作成される。
回路パターンの描画にあたってガラス基板はXYステージ19の試料受け面19a上に受け止められる。描画データがデータ変換装置13から電子ビーム描画装置12に送り込まれる。描画データは例えば一時的にHDD41aの仮想メモリーに保存される。図3に示されるように、この描画データは第1階層〜第5階層すなわち5階(n=5)の階層構造を備える。第1階層CPはチップレイアウトデータを有する。チップレイアウトデータでは1枚のフォトマスクの全域といった特定域内で半導体チップCP1…といった要素図形のレイアウトが特定される。レイアウトの特定にあたって半導体チップCP1…ごとに形状、大きさおよび位置が特定される。個々の半導体チップCP1…は複数のフレーム域FR1、FR2…に等分割される。
第2階層FRはフレーム数と同数のフレームレイアウトデータを備える。個々のフレームレイアウトデータは個々のフレーム域FR1、FR2…に関連づけられる。フレームレイアウトデータではチップCP1…といった特定域ごとにフレーム域FR1、FR2…といった要素図形のレイアウトが特定される。レイアウトの特定にあたってフレーム域FR1、FR2…ごとに形状、大きさおよび位置が特定される。個々のフレーム域FR1、FR2…は複数のブロック域BL00、BL01…に等分割される。
第3階層BLはブロック数と同数のブロックレイアウトデータを備える。個々のブロックレイアウトデータは個々のブロック域BL00、BL01…に関連づけられる。ブロックレイアウトデータではフレーム域FR1、FR2…といった特定域ごとにブロック域BL00、BL01…といった要素図形のレイアウトが特定される。レイアウトの特定にあたってブロック域BL00、BL01…ごとに形状、大きさおよび位置が特定される。個々のブロック域BL00、BL01…ごとにセルCL1、CL2…が特定される。
第4階層CLはセル数と同数のセルレイアウトデータを備える。個々のセルレイアウトデータは個々のセルCL1、CL2…に関連づけられる。セルレイアウトデータではブロック域BL00、BL01…といった特定域ごとにセルCL1、CL2…といった要素図形のレイアウトが特定される。レイアウトの特定にあたってセルCL1、CL2…ごとに形状、大きさおよび位置が特定される。個々のセルCL1、CL2…ごとに要素図形FG1、FG2…が特定される。
第5階層FGは要素図形数と同数の図形レイアウトデータを備える。個々の図形レイアウトデータは個々の要素図形FG1、FG2…に関連づけられる。図形レイアウトデータではセルCL1、CL2…といった特定域ごとに要素図形FG1、FG2…のレイアウトが特定される。レイアウトの特定にあたって要素図形FG1、FG2…ごとに形状、大きさおよび位置が特定される。要素図形FG1、FG2…の集合体で回路パターンは描かれる。図4に示されるように、描画データでは回路パターンは例えば台形TP1〜TP4や矩形、正方形SQ1、三角形TR1、TR2の集合体で描かれる。
データ処理回路43は描画データをショットデータに変換する。HDD41aからデータ処理回路43に描画データは引き渡される。データ処理回路43はHDD41bの仮想メモリーに一時的にショットデータを格納する。このとき、ショットデータでは、図5に示されるように、回路パターンの特定にあたって描画データの要素図形TP1〜TP4、SQ1、TR、TR2すなわち台形、矩形、正方形および三角形は矩形rt1〜rt15や三角形tr1〜tr10に細分化される。ショットデータでは個々の要素図形rt1〜rt15、tr1〜tr10は電子ビーム23のビームスポットに相当する。
制御回路39はショットデータに基づき制御信号を生成する。制御信号は制御回路39からブランキング制御部35、可変成形ビーム制御部36、偏向制御部37およびステージ駆動制御部38に供給される。供給される制御信号に応じて第1偏向器27、第2偏向器28、第3偏向器29およびXYステージ19は動作する。その結果、ガラス基板上のレジスト材には所定の大きさで所定の形状のビームスポットが間欠的に照射される。照射のたびにビームスポットの位置は移動する。こうしてレジスト材の露光は実現される。
次に、データ変換装置13の表示手段57で描画データに基づき図形のレイアウトが表示される場面を想定する。まず、第1実施形態に係るピクセルマップデータの構造を簡単に説明する。図6に示されるように、ピクセルマップデータPM…、PM(n−3)、PM(n−2)、PM(n−1)は所定の拡大率で表示対象の全域にわたって画素の表示情報を指定する。拡大率が増大すると、表示対象の全域に含まれる画素数は増大する。例えば表示対象がxy平面内でx方向およびy方向にそれぞれ2倍ずつ拡大されると、表示対象の全域は4倍の画素数で表現される。1画面SCの画素数は例えば1280×1024(17インチディスプレイ相当)に設定される。ただし、1画面SCの画素数はディスプレイの解像度に応じて任意に設定されればよい。
拡大率は「1」から拡大率Zまでの間で複数の区間S…、S(n−3)、S(n−2)、S(n−1)に分割される。個々の区間S…、S(n−3)、S(n−2)、S(n−1)ごとにピクセルマップデータPM…、PM(n−3)、PM(n−2)、PM(n−1)は作成される。1つの区間S…、S(n−3)、S(n−2)、S(n−1)では1つのピクセルマップデータPM…、PM(n−3)、PM(n−2)、PM(n−1)に基づき表示処理が実行される。すなわち、ピクセルマップデータPM…、PM(n−3)、PM(n−2)、PM(n−1)で描かれる表示が区間S…、S(n−3)、S(n−2)、S(n−1)内の拡大率Zに応じて拡大縮小される。拡大率Zの区間S…、S(n−3)、S(n−2)、S(n−1)が切り替わると、ピクセルマップデータPM…、PM(n−3)、PM(n−2)、PM(n−1)は切り替えられる。
いま、拡大率がチップサイズに設定される(拡大率Z=1)と、ディスプレイの画面SC上には最大限に大きい半導体チップCP1の全体像が表示される。サイズの表示範囲は、画面SCに最大限に広がるフレーム域CP1の大きさに相当する。ブロックサイズの表示範囲は、画面SCに最大限に広がるブロック域BL00、BL01…の大きさに相当する。セルサイズの表示範囲は、画面SCに最大限に広がる最大のセルCL1、CL2…の大きさに相当する。ここでは、例えば拡大率の区間S〜S(n−2)(以下「区間Sv」という)に対して1つ目のピクセルマップデータPM(n−2)が作成され、拡大率の区間S(n−1)(以下「区間Sw」という)に対して2つ目のピクセルマップデータPM(n−1)が作成されると想定する。
図7に示されるように、制御手段52の表示処理手段62がステップS1で表示コマンドを受領すると、ステップS2で表示処理手段62は例えば不揮発性大容量記憶手段53bからピクセルマップデータPM(n−2)を取得する。ステップS3ではピクセルマップデータPM(n−2)内で表示領域が特定される。特定された表示領域はディスプレイ装置の1画面に収まる。ここでは、最初の表示領域として半導体チップCP1の全域が指定される。ステップS4で表示処理手段62はピクセルマップデータPM(n−2)に基づき画像信号を生成する。画像信号には個々の画素ごとに表示情報が記述される。ここでは、画素の表示情報に基づき半導体チップCP1の全体像が特定される。画像信号は表示手段57に供給される。画像信号に基づき表示手段57の画面上に図形のレイアウトが表示される。ここでは、半導体チップCP1の全体像が画面上に映し出される。半導体チップCP1は画面に最大限に広がる。
表示処理手段62はコマンドの入力を監視する。例えばステップS5で「表示終了」コマンドが確認されると、表示処理手段62は図形のレイアウトの表示を終了する。例えばステップS6で「スクロール」コマンドが確認されると、ステップS4で表示処理手段62は画面の表示を変更する。表示処理手段62はスクロールの向きや移動量に応じてピクセルマップデータPM(n−2)内で表示範囲を特定する。表示範囲は徐々に移動する。ピクセルマップデータPM(n−2)に基づき画面は更新される。ステップS7で「拡大」コマンドが確認されると、ステップS8で表示処理手段62は拡大率Zと規定値Zとを比較する。拡大率Zが規定値Z以下であれば、すなわち、拡大率Zが区間Sv、Sw内であれば、表示処理手段62はステップS9で拡大率の区間Sv、Swを特定する。拡大率の変化に拘わらず区間Svが維持されれば、ステップS3で表示処理手段62は表示領域を特定する。ステップS4で表示処理手段62は画面の表示を変更する。表示処理手段62は、区間Svに割り当てられたピクセルマップデータPM(n−2)に基づき拡大率に応じて表示を拡大する。ステップS7で「縮小」コマンドが確認されると、同様に、ステップS8で拡大率Zと規定値Zとが比較される。拡大率Zが規定値Z以下であれば、表示処理手段62はステップS9で拡大率の区間Sv、Swを特定する。拡大率の変化に拘わらず区間Svが維持されれば、ステップS3で表示処理手段62は表示領域を特定する。ステップS4で表示処理手段62は画面の表示を変更する。表示処理手段62は、区間Svに割り当てられたピクセルマップデータPM(n−2)に基づき拡大率に応じて表示を縮小する。なお、表示の拡大や縮小の指定にあたって入力手段56のズーム機能が用いられてもよく画面上の矩形枠で表示範囲が指定されてもよい。
ステップS9で拡大率Zの区間Sv、Swに変更が確認されると、表示処理手段62はステップS2で新たにピクセルマップデータPM(n−1)を取得する。ステップS3ではピクセルマップデータPM(n−1)内で表示領域が特定される。ステップS4でピクセルマップデータPM(n−1)に基づき図形のレイアウトが画面上に表示される。その後、前述と同様な処理が繰り返される。
ステップS8で拡大率Zが規定値Zを超えると、表示処理手段62はステップS10でピクセルマップデータ作成手段63にピクセルマップデータの作成を指示する。ピクセルマップデータ作成手段63は、画面の大きさに応じて指定される表示範囲内で図形のレイアウトを特定する。ここでは、ピクセルマップデータ作成手段63は第5階層すなわち図形レイアウトデータで特定される要素図形FG1、FG2…のレイアウトに基づき当該1画面分のピクセルマップデータを作成する。表示処理手段62は、ピクセルマップデータ作成手段63から作成されたピクセルマップデータを引き取る。ステップS11で表示処理手段62は例えば不揮発性大容量記憶手段53bの仮想メモリーに一時的にピクセルマップデータを格納する。格納されたピクセルマップデータに基づき表示処理手段62はステップS4で画像信号を生成する。画像信号は表示手段57に供給される。表示手段57の画面上に図形のレイアウトは表示される。
前述のように、拡大率の区間S…、S(n−3)、S(n−2)、S(n−1)内では図形のレイアウトの表示にあたってピクセルマップデータPM…、PM(n−3)、PM(n−2)、PM(n−1)が利用される。ピクセルマップデータPM…、PM(n−3)、PM(n−2)、PM(n−1)は実際の表示に先立って予め用意されることから、その場で描画データから画像信号が生成される場合に比べて、短い時間で画像信号は生成されることができる。その結果、表示時間は短縮化される。作業者の待機時間は短縮化されることができる。
しかも、前述のように、拡大率Zが規定値Zを超えると、画像信号の生成にあたってピクセルマップデータPM(n−2)、PM(n−1)の利用は回避される。すなわち、規定値Zは、ピクセルマップデータPM(n−2)、PM(n−1)に基づく画像信号の生成と、描画データに基づく画像信号の生成とを切り替える際に閾値として機能する。規定値Zの設定にあたってピクセルマップデータのデータ量と表示速度とが比較考量される。ピクセルマップデータは半導体チップCP1の全域に対して作成されることから、拡大率が増大すれば指数関数的にピクセルマップデータのデータ量は増大する。表示範囲の検索にあたって多くの時間が費やされる。反対に、拡大率が特定の拡大率を超えると、表示範囲に含まれる要素図形は減少する。したがって、描画データから画像信号が生成される際に計算の処理量は減少する。計算の処理量が減少すれば、表示時間は減少する。規定値Zの働きで表示時間は最小化されることができる。
次に、「ピクセルマップデータの作成」処理手順を詳述する。図8に示されるように、ステップT1で階層データ検索手段65は描画データから特定の階層データを検索する。検索にあたって階層データ検索手段65はピクセルマップデータ作成手段63から指示を受ける。拡大率に応じて1つの階層データが検索される。例えば前述の区間Sの拡大率であれば、階層データ検索手段65はチップサイズの描画データすなわち第1階層CPのチップレイアウトデータを抽出する。前述の区間S(n−2)の拡大率であれば、第4階層CLのセルレイアウトデータが抽出される。前述の区間S(n−1)の拡大率であれば、第5階層FGすなわち最下層の図形レイアウトデータが抽出される。前述のステップS10では、ステップS3で特定される表示領域に応じて最下層の図形レイアウトデータが階層データとして抽出される。
階層データが特定されると、ステップT2で要素図形抽出手段66が階層データ内で要素図形を抽出する。例えば第4階層CLのセルレイアウトデータが抽出されると、セルレイアウトデータ内で全て要素図形すなわちセルCL1、CL2…が抽出される。第5階層FGの図形レイアウトデータが抽出されると、図形レイアウトデータ内で全て要素図形すなわち図形FG1、FG2…が抽出される。前述のステップS10では指定された表示範囲内で全て要素図形すなわち図形FG1、FG2…が第5階層FGの図形レイアウトデータから抽出される。ただし、要素図形の抽出にあたって必ずしも全ての構成要素が抽出される必要はない。
要素図形が抽出されると、要素図形選別手段67は全ての要素図形の中から特定の要素図形を選別する。選別にあたって要素図形の大きさすなわちサイズが判別される。要素図形の大きさは画素数で特定される。例えば指定された拡大率で要素図形の大きさがx方向およびy方向にいずれも第1閾値および第2閾値に満たないと、ステップT5でピクセル生成手段68は該当する画素に要素図形用の表示情報を関連づける。例えばセルレイアウトデータ内で特定のセルCLの大きさがx方向およびy方向にいずれも5個の画素に満たないと、該当する画素は塗り潰される。すなわち、画素の表示情報は決定される。したがって、これらセルCLに対応する図形レイアウトデータの読み込みは省略されることができる。図形レイアウトデータに基づく計算処理は割愛されることができる。制御手段52の処理負担は軽減される。
ステップT3で、指定された拡大率で要素図形の大きさが少なくともx方向およびy方向のいずれか一方に第1閾値に達すると、ステップT6で下層データから対応の描画データが抽出される。例えばセルレイアウトデータ内で特定のセルCLの大きさがx方向またはy方向に10個の画素を超えると、対応の図形レイアウトデータが抽出される。抽出された図形レイアウトデータは例えば不揮発性大容量記憶手段53aの仮想メモリーその他に一時的に保存される。こうして特定の大きさの要素図形ではさらに細分化された要素図形の描画データが抽出される。
ステップT4で、指定された拡大率で要素図形の大きさが少なくともx方向およびy方向のいずれか一方に第2閾値を超えると、ステップT7で平均図形数が算出される。平均図形数は、抽出された要素図形に関連づけられる下層データのデータ量に相当する。例えばセルCL全体のデータ量と、予め決められる1要素図形FGあたりのデータ量とに基づき平均図形数は特定される。ステップT8で平均図形数が第3閾値(例えば2個)以上であれば、ステップT5で、該当する画素は塗り潰される。ステップT8で平均図形数が第3閾値に満たないと、ステップT6で下層データから対応の描画データが抽出される。
ステップT9で全ての要素図形に対して選別が実施されたか否かが判断される。全ての要素図形で選別が実施されていれば、ステップT10で、選別された要素図形に関連する下層データの有無が判断される。前述のように、抽出された描画データは不揮発性大容量記憶手段53aの仮想メモリーに保存される。下層データが確認されると、再びステップT2でその下層データから要素図形が抽出される。最下層の図形レイアウトデータには特定域すなわち要素図形ごとに関連する下層データは存在しない。この場合には、要素図形FGの大きさに拘わらず、ステップT5で、該当する要素図形に要素図形用の表示情報が関連づけられる。例えば関連する画素は塗り潰される。こうして全ての要素図形で処理が完了すると、特定された階層データに対応してピクセルマップデータはできあがる。前述のステップS10では指定された表示範囲内で1画面分のピクセルマップデータができあがる。
次に、ピクセルマップデータの保存方法を説明する。図9に示されるように、保存の開始にあたってステップV1でピクセルマップデータ保存手段64はデータ作成コマンドを受領する。データ作成コマンドは例えば作業者の操作に応じて供給される。作業者の操作は、前述のように、表示手段57の表示情報および入力手段56の電気信号に基づき特定されればよい。その他、制御手段52の描画データ生成手段61は、描画データの生成や保存の完了時に自動的にピクセルマップデータ保存手段64にデータ作成コマンドを供給してもよい。
ステップV2でピクセルマップデータ保存手段64は拡大率の指定を受け付ける。拡大率は任意に設定される。前述のように、拡大率ごとにピクセルマップデータは作成される。拡大率は予め設定されてもよい。その他、拡大率は作業者の指定に基づき設定されてもよい。拡大率は例えば不揮発性大容量記憶手段53aにデータファイルとして保存されればよい。
ステップV3でピクセルマップデータ保存手段64はピクセルマップデータ作成手段63にピクセルマップデータの作成を指示する。ピクセルマップデータ作成手段63は前述の「ピクセルマップデータの作成」処理手順に従ってピクセルマップデータを作成する。このとき、いずれの拡大率でもピクセルマップデータは第1階層CPすなわち半導体チップCP1の全体に対して作成される。ここでは、ピクセルマップデータは半導体チップCP1の全域に対して作成される。
ステップV4でピクセルマップデータ保存手段64はデータファイルにピクセルマップデータを保存する。データファイルは例えば個々のフレーム域FR1、FR2…、個々のブロック域BL00、BL01…、個々のセルCL1、CL2…および個々の要素図形FG1、FG2…ごとに作成されてもよい。こうしてピクセルマップデータのデータファイルは個々に対応する描画データのデータファイルに関連づけられることができる。データファイルは例えば不揮発性大容量記憶手段53bに格納される。データファイルは不揮発性大容量記憶手段53bに恒久的に保存される。したがって、データファイルは一時的に保存される仮想ファイルとは区別される。作業者の指令に基づき意図的にデータファイルが削除されない限り、データファイルは不揮発性大容量記憶手段53b内に維持される。ステップV5で全ての拡大率に対してピクセルマップデータの作成が確認されると、処理は終了する。
次に、第2実施形態に係るピクセルマップデータの構造を簡単に説明する。図10に示されるように、ピクセルマップデータは個々の階層CLごとに予め決められた閾値よりも大きい特定域すなわち要素図形CL1、CL3ごとに作成される。こういった構造によれば、第4階層CLのピクセルマップデータではセルCL1、CL3以外の領域でピクセルマップデータの生成および保存は割愛されることができる。ピクセルマップデータのデータファイルの容量は縮小される。表示処理にあたって表示処理手段は要素図形CL1、CL2ごとのピクセルマップデータに基づき画像信号を生成すればよい。
次に、第2実施形態に係るピクセルマップデータの作成手順を簡単に説明する。図11に示されるように、ステップW1で階層データ検索手段65は描画データから特定の階層データを検索する。拡大率に応じて1つの階層データが検索される。例えば前述の区間S(n−2)の拡大率であれば、第4階層CLのセルレイアウトデータが抽出される。ここでは、第1階層CP、第2階層FRおよび第3階層BLでは全域が固定サイズの要素図形で埋め尽くされることから、ピクセルマップデータの作成にあたってデータ容量の減少は見込まれない。したがって、これら第1階層CP、第2階層FRおよび第3階層BLは選択されない。同様に、第5階層FGでは個々の要素図形に下層データが割り当てられないことから、表示時間はそれほど要素図形の大きさに依存しない。その結果、要素図形の大きさに応じて要素図形が選別されても表示時間の短縮化はそれほど期待されることができない。したがって、第5階層FGが選択される必要はない。
階層データが特定されると、ステップW2で要素図形抽出手段66が階層データ内で要素図形を抽出する。例えば第4階層CLのセルレイアウトデータが抽出されると、セルレイアウトデータ内で全て要素図形すなわちセルCL1、CL2…が抽出される。ただし、要素図形の抽出にあたって必ずしも全ての構成要素が抽出される必要はない。
要素図形が抽出されると、要素図形選別手段67は全ての要素図形の中から特定の要素図形を選別する。選別にあたって要素図形の大きさすなわちサイズが判別される。要素図形の大きさは画素数で特定される。例えば指定された拡大率で要素図形の大きさがx方向およびy方向にいずれも指定の閾値に満たないと、その要素図形に対してピクセルマップデータの作成は回避される。ステップW2で次の要素図形CL3が抽出される。要素図形CL3の大きさが判別される。
指定された拡大率で要素図形の大きさが少なくともx方向およびy方向のいずれか一方に指定の閾値に達すると、ピクセル生成手段68は当該要素図形に対してステップW4でピクセルマップデータを生成する。例えば第4階層CLに基づき特定の拡大率でピクセルマップデータが作成される際には指定の閾値の働きでセルCL1、CL3が抽出される。セルC2、CL4はピクセルマップデータの対象から外される。ピクセルマップデータの生成にあたって、セルCL1、CL3に従属する下層データすなわち図形レイアウトデータは利用される。
ステップW5で全ての要素図形に対して選別およびピクセルマップデータの作成が完了するまで、ステップW2〜W5の処理は繰り返される。こうして指定の拡大率で指定の閾値以上の大きさを有する要素図形にピクセルマップデータは作成される。こういったピクセルマップデータは例えばピクセルマップデータの保存にあたって例えばステップV3で利用されればよい。保存にあたってセルCL1、CL3のピクセルマップデータの配置は例えば前述の階層構造CP、FR、BL、CLに基づき特定されればよい。
なお、前述の表示処理は、例えば前述の描画データといった図形のレイアウトデータに基づき図形のレイアウトが表示される場合だけでなく、例えばCADデータといった図形のレイアウトデータに基づき図形のレイアウトが表示される場合に利用されてもよい。すなわち、前述の表示処理は、第m階層(mはnより小さい自然数)の特定域ごとに第(m+1)階層で図形のレイアウトを特定するn階(nは2以上の自然数)の階層構造を有する図形データに基づき図形のレイアウトを表示する際に広く利用されることができる。
13 図形データ表示装置(データ変換装置)、53b 不揮発性記憶装置および不揮発性記憶手段、57 ディスプレイ(表示手段)、62 表示処理手段、63 ピクセルマップデータ作成手段、BL 第(n−2)階層、BL00、BL01… 特定域としてのブロック域、CL 第(n−1)階層、CL1、CL2… 特定域としてのセル、CP 第1階層、CP1… 特定域としての半導体チップ、FG 第n階層、FR 第(n−3)階層、FR1、FR2… 特定域としてのフレーム域、PM ピクセルマップデータ。

Claims (5)

  1. 第m階層(mはnより小さい自然数)の特定域ごとに第(m+1)階層で図形のレイアウトを特定するn階(nは2以上の自然数)の階層構造を有する図形データに基づき作成され、1画面の画素ごとに表示情報を指定するピクセルマップデータを不揮発性記憶装置から取得する工程と、
    取得した前記ピクセルマップデータに基づき、ディスプレイの画面上に拡大率に応じて前記図形のレイアウトを表示する工程と
    を備えることを特徴とする図形データの表示方法。
  2. 請求項1に記載の図形データの表示方法において、
    前記レイアウトの表示にあたって、予め決められた拡大率より大きい拡大率が指定されると、前記画面の大きさに応じて指定される表示範囲内で前記図形のレイアウトを特定し、特定した前記レイアウトに基づき、1画面の画素ごとに表示情報を指定する画像信号を生成することを特徴とする図形データの表示方法。
  3. 請求項1に記載の図形データの表示方法において、
    前記ピクセルマップデータは第1階層の全域に対して作成されることを特徴とする図形データの表示方法。
  4. 請求項1に記載の図形データの表示方法において、
    前記ピクセルマップデータは、個々の階層ごとに予め決められた閾値よりも大きい前記特定域ごとに作成されることを特徴とする図形データの表示方法。
  5. 第m階層(mはnより小さい自然数)の特定域ごとに第(m+1)階層で図形のレイアウトを特定するn階(nは2以上の自然数)の階層構造を有する図形データを格納する不揮発性記憶手段と、
    前記不揮発性記憶手段から取得する前記図形データに基づき、1画面の画素ごとに表示情報を指定するピクセルマップデータを作成し、作成した前記ピクセルマップデータを前記不揮発性記憶手段に格納するピクセルマップデータ作成手段と、
    前記不揮発性記憶手段から前記ピクセルマップデータを取得し、取得した前記ピクセルマップデータに基づき画素ごとに表示情報を特定する画像信号を出力する表示処理手段と、
    前記画像信号に基づき、画面上に拡大率に応じて前記図形のレイアウトを表示する表示手段と
    を備えることを特徴とする図形データ表示装置。
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