JP2011198778A - 熱発電デバイスの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】電気的、熱的および機械的に良好な接合を有する熱発電デバイスを作製する製造方法を提供すること。
【解決手段】周期的にスリットを有する金属ブロックを形成する工程と、熱電材料からなる流動体を作製する工程と、前記流動体を前記金属ブロックのスリット部に充填する工程と、前記熱電材料が充填された金属ブロックを切削加工によって切り出す工程とを備える。
【選択図】図1

Description

本発明は熱エネルギーから電気エネルギーへの直接変換を行う熱発電デバイスに関する。
熱発電は、物質の両端に印加された温度差に比例して起電力が生じるゼーベック効果を利用し、熱エネルギーを直接電気エネルギーに変換する技術である。この技術は、僻地用電源、宇宙用電源、軍事用電源等で実用化されている。
従来の熱発電デバイスは、キャリアの符号が異なるp型半導体とn型半導体を組み合わせ、熱的に並列に、かつ電気的に直列につないだ、いわゆるπ型構造と呼ばれる構成となっている。
熱電変換デバイスに用いられる熱電変換材料の性能は性能指数Zまたは絶対温度をかけて無次元化された性能指数ZTで評価される事が多い。ZTは、物質のS=ゼーベック係数、ρ=電気抵抗率、κ=熱伝導率、を用いて、ZT=ST/ρκで記述される量である。また一方で、ゼーベック係数Sと電気抵抗率ρだけを考慮したS/ρはパワーファクターと呼ばれ、温度差を一定とした場合の熱電材料の発電性能の良否を決定する基準となる。
現在、熱電変換材料として実用化されているBiTeは、ZTが1程度、パワーファクターが40〜50μW/cmKであり、現状では比較的高い特性を持つが、それでも通常のπ型のデバイス構成にした場合には発電性能はあまり高くなく、より多くの用途において実用化されていない。
一方、π型以外のデバイス構成として、自然あるいは人工的に作られた積層構造における熱電気特性の異方性を利用したものが古くから提案されている(非特許文献1を参照)。
しかし、非特許文献1によれば、このようなデバイスではZTの改善が見られないことから、熱発電用途ではなく、主に赤外線センサなど測定用途への応用が想定された開発が行われている。
そういった中、本発明者らは金属と熱電材料であるBiとからなる異種材料の積層構造における熱電気特性の異方性を利用したデバイスにおいて、積層体における各材料の厚さの比(以下、積層比と書く)と積層方向の傾斜角度を適切に選択することによってパワーファクターがBi単独、あるいは優れた熱電材料とされるBiTeのパワーファクターを大きく上回ることを見いだし、これを利用した熱発電デバイスを発明した(特許文献1)。
異種材料からなる人工的な積層構造を有するデバイスの作製にあたっては、異種材料の接合界面において電気伝導および熱伝導が阻害されないだけでなく、デバイス全体の機械的強度を確保するために空隙の無い強固な接合を形成する必要がある。
従来の積層体の製造方法は、予め板状に成形された材料を交互に重ね、積層方向に1軸圧力を加えながら加熱する事によって積層体を形成し、後に切削によって素子を作製するのが一般的であった。
例えば非特許文献2によれば、PbとBiTeの板材を交互に重ね、BiTeの融点以下である320℃のAr雰囲気中において0.1barで積層方向に1軸加圧して積層体をまず作製する。その後の工程の切削によって積層方向が傾斜したようなデバイスを作製する方法が開示されている。
しかし、上記のような方法では加える1軸圧力が低すぎた場合には空隙無く十分に密着した接合を有する積層体を得ることができない。一方、加える1軸圧力が高すぎた場合には少なくとも一方の板材が押しつぶされて変形してしまうので、積層比を制御することが困難となる。また、1軸加圧する際の雰囲気温度が低すぎた場合には十分に密着した接合を形成することができない。一方、雰囲気温度が高すぎた場合には少なくとも一方の板材が軟化または溶融してわずかな加圧によっても押しつぶされてしまうので積層比を維持することができない。
従って1軸加圧により積層体を作製するには、積層比を維持するために雰囲気温度を少なくとも構成材料の融点あるいは軟化点以下にしなければならない。
さらには接合界面に空隙の少ない良好な接合を形成するために板材の表面を研磨するなどして予めなめらかにしておく工程を別途設ける必要がある。
特許第4078392号公報 THERMOELECTRICS HANDBOOK,Chapter 45,CRC Press(2006) Applied Physics Letters,Vol.89,Page.192103(2006)
前述の通り、人工的な積層構造を有する熱発電デバイスの従来の製造方法では、電気伝導および熱伝導を阻害せず、かつ機械的強度の高い接合を、積層比を維持しながら安定して形成することは困難である。
そこで、本発明は、周期的にスリットを有する金属ブロックのスリット部に、熱電材料からなる流動体を充填し、固化させた後に切削加工を施すことによって、従来より高い雰囲気温度において積層体を形成することを可能とし、電気的、熱的および機械的に良好な接合を有する熱発電デバイスを精度良く作製する製造方法を提供する。
前記従来の課題を解決するために、本発明の熱発電デバイスの製造方法は、第1電極と、前記第1電極に対向する第2電極と、前記第1電極および前記第2電極との間に挟まれ、かつ前記第1電極および前記第2電極のいずれにも電気的に接続された積層体とを具備し、前記積層体は複数の熱電材料層と複数の金属層とが交互に積層されてなり、前記複数の熱電材料層および前記複数の金属層が、前記第1電極と前記第2電極とが対向する方向に対して傾斜している、熱発電デバイスの製造方法であって、スリット部を周期的に有する金属ブロックを形成する工程と、熱電材料からなる流動体を前記金属ブロックのスリット部に充填する工程と、前記スリット部に充填する熱電材料からなる流動体を固化する工程と、前記熱電材料が充填された金属ブロックを切削加工によって、前記スリット部が前記第1電極と前記第2電極とが対向する方向に対して傾斜するように、切り出す工程と、前記切り出された金属ブロックを前記第1電極および前記第2電極との間に挟む工程と、を具備する。
本発明の熱発電デバイスの製造方法によれば、電気伝導および熱伝導を阻害せず、かつ機械的強度の高い接合を、積層比を維持しながら安定して形成することができる。
以下本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1における熱発電デバイスの製造工程を示した図である。本実施の形態における熱発電デバイスの製造工程は、金属ブロックに周期的にスリット部を形成する工程(S1)と、金属ブロックのスリット部に熱電材料を充填する工程(S2)と、熱電材料がスリット部に充填された金属ブロックを切削加工し、熱電材料と金属からなる積層体を切り出す工程(S3)と、積層体を挟むように第1電極と第2電極を作製工程(S4)と、からなる。
図2は、本発明の実施の形態1における熱発電デバイスの構成を示した図である。
図2において、平行に配置された第1電極21と第2電極22によって積層体23を挟んだような構成で熱発電デバイスが形成されている。積層体23は熱電材料24と金属25が交互に積層されて構成され、その層に平行な方向26は電極の対向方向27に対して角度θだけ傾斜している。角度θと積層比の好適な範囲は金属24と熱電材料23との組み合わせによって異なる。
例えば特許文献1に開示されているCuとBiの組み合わせであればθは20°以上60°以下の範囲が好ましく、CuとBiの積層比は40:1〜5:1の範囲であることが好ましい。
このように構成された熱発電デバイスを駆動する際に、電極の対向方向27に対して直交する方向に温度差を印加する。そうすると、温度勾配が生じる方向28は電極の対向方向27に対して直交する方向である。発生した電力は第1電極21と第2電極22を介して取り出される。具体的には図3に示したように、熱発電デバイス31の電極を配置しない一方の面に高温部32を、他方の面に低温部33を密着させて熱発電デバイスに対して温度差を印加する。この構成において、温度勾配が生じる方向34は図3に示したように電極の対向方向に対して垂直となる。
本発明の熱発電デバイスにおける金属は、電気伝導および熱伝導の良い材料であれば特に限定されない。具体的にはCu、Ag、Al、Au等が良い。
本発明の熱発電デバイスにおける熱電材料は、温度を上昇させた際に昇華せずに溶融する材料、または溶媒やバインダーとの混合などによりスラリー状にできる材料であれば特に限定されない。具体的には、温度を上昇させた際に昇華せずに溶融する材料として、Bi、BiTeあるいはこれらにSb、Seなどによるドーピングを行ったもの、YbAl、PbTeなどが良い。また、溶媒やバインダーとの混合などによりスラリー状にできる材料としてはSr0.5CoO、Ca0.5CoO、SrTiOにLaまたはNbを添加したものなどが良い。
本発明の熱発電デバイスにおける第1電極21および第2電極22は電気伝導の良い材料であれば特に限定されない。具体的にはCu、Ag、Mo、W、Al、Ti、Cr、Au、Pt、In等の金属またはTiN、スズ添加酸化インジウム(ITO)、SnO等の窒化物または酸化物が良い。また、はんだや導電性ペーストを用いることもできる。
実施の形態1の熱発電デバイスの製造工程について説明する。まず、図4のような周期的にスリット部を有する金属ブロックを作製する(図1のS1)。スリット部の形成にあたっては、金属ブロックにドリルおよびエンドミルなどの切削工具を用いた加工によって行うことができる。より狭いスリット幅が必要であれば、ワイヤーカットによってスリット部を形成することもできる。ワイヤーカットを用いる場合は、図5に示すように一部を一筆書き様に加工を行っても良い。また、金属板にエッチングあるいはレーザー加工などの方法で周期的に長穴状の貫通口を形成したものを複数枚重ねて接合することによってスリットのあいた金属ブロックを作製することもできる。さらに、鋳造によって金属ブロックを作製しても良い。金属ブロックへのスリット部の形成にあたっては、熱発電デバイスの最終的な形状を考慮して、直方体状の金属ブロックの外形線に対してスリット部を予め傾斜させて作製してもよい。また、初めに外形線に対して任意の方向に並んだにスリット部を作製し、後の切削加工において切り出す方向を調整することにより、外形線に対してスリット部が傾斜したような積層体を作製することもできる。
次に熱電材料からなる流動体を作製する工程について説明する。
熱電材料を加熱して溶融させ融液にする場合、容器に熱電材料を入れ、電気炉やホットプレートなどの加熱手段を用いて熱電材料を融点以上に加熱して溶融を行う。容器の材質は特に限定されないが、熱電材料が固化した後に固着しないような、溶融した熱電材料とのぬれ性が悪いセラミックあるいはカーボンなどからなる容器を用いることが好ましい。熱電材料の形状は粒状、粉末状、板状、塊状など様々な形態の物を用いることができる。熱電材料を加熱する際の雰囲気は特に限定されないが、熱電材料としてBiなどの単体、BiTeなどの金属間化合物または合金を用いる場合、可能な限り熱電材料の酸化を防ぐために真空雰囲気、アルゴン、ヘリウム、窒素などの不活性ガス雰囲気、または水素、一酸化炭素、アンモニアなどを含む還元性ガス雰囲気中で熱電材料の溶融を行うことが好ましい。
熱電材料の粉末をスラリー状にする場合、溶媒は粉末を分散できるものであれば特に限定されない。分散を促進するための界面活性剤や、固化した際の強度を促進するためのバインダーを適宜添加しても良い。
次に熱電材料からなる流動体を金属ブロックのスリット部に充填する工程(図1のS2)について説明する。前述した方法で作製した周期的にスリットを有する金属ブロックを容器に入れ、この容器に前述した方法で作製した熱電材料からなる流動体を流し入れる。こうすることにより金属ブロックのスリット部に熱電材料の流動体が充填される。容器の材質は特に限定されないが、熱電材料が固化した後に固着しないような、熱電材料とのぬれ性が悪いセラミックあるいはカーボンなどからなる容器を用いることが好ましい。また、より確実に熱電材料の充填を行うためには、金属ブロックが熱電材料からなる流動体中に完全に埋没するように流動体で容器を満たすことが好ましい。流動体として熱電材料の融液を用いる場合は、充填途中で融液が固化しないよう、金属ブロックおよび容器を熱電材料の融点以上に加熱しておくことが好ましい。また、可能な限り金属の酸化を防ぐために真空雰囲気、アルゴン、ヘリウム、窒素などの不活性ガス雰囲気、または水素、一酸化炭素、アンモニアなどを含む還元性ガス雰囲気中で熱電材料の充填を行うことが好ましい。
さらに、熱電材料からなる流動体として熱電材料の融液を用いる場合、熱電材料の溶融と金属ブロックのスリット部への充填を同時に行うこともできる。この場合は固体状の熱電材料と金属ブロックを一つの容器に入れ、電気炉やホットプレートなどの加熱手段で加熱を行う。
金属ブロックのスリット幅が狭い、あるいは熱電材料の融液の粘性が高い場合は金属ブロックのスリット部に熱電材料からなる流動体が完全に入り込まず空隙ができてしまうことがある。これを避けるために、金属ブロックを熱電材料からなる流動体に埋没させた後、ガスを導入して加圧することで熱電材料を金属ブロックのスリット部に隙間無く充填することができる。この際用いるガスは特に限定されないが、可能な限り金属の酸化を防ぐためにアルゴン、ヘリウム、窒素などの不活性ガス、または水素、一酸化炭素、アンモニアなどを含む還元性ガスを用いることが好ましい。
熱電材料からなる流動体の充填が完了した後、熱電材料の固化を行う。熱電材料からなる流動体が熱電材料の融液の場合、熱電材料が充填された金属ブロック全体を室温まで冷却することによって熱電材料を固化することができる。この際、固化が均一に行われるように、電気炉中などで温度を制御しながら冷却を行うことが好ましい。また、熱電材料からなる流動体が熱電材料の粉末および溶媒等からなるスラリーである場合、熱電材料が充填された金属ブロック全体を電気炉などで加熱し、スラリー中の溶媒を気化させるとともに熱電材料からなる粉末を焼結させることによって熱電材料を固化することができる。スラリーの固化が完了した後、温度を制御しながら室温まで冷却を行う。
前述のような方法で作製した熱電材料が充填された金属ブロックを、切削加工によって切り出す際の方法(図1のS3)は特に限定されないが、ダイヤモンドカッターなどの刃物を用いる方法や、ワイヤーカットなど放電加工によって行うことができる。切削加工で生じるバリやワイヤーカットで生じるワイヤー材料の固着物等を除去するために、さらに研磨工程を設けても良い。この際機械的研磨、電解研磨、化学研磨など様々な方法を用いることができる。
第1電極11および第2電極12の作製方法(図1のS4)は、蒸着法、スパッタ法などの気相成長の他に、導電性ペーストの塗布、めっき、溶射、はんだによる接合など様々な方法を用いることができる。
また、金属ブロックの一部が第1電極11および第2電極12に供するように、金属部分を一部残した形で切削加工を行うことで熱発電デバイスを形成することもできる。
(実施の形態2)
図6は本発明の実施の形態2における熱発電デバイスの構成を示した図である。この熱発電デバイスは、隣り合う積層体の傾斜方向が互いに逆向きとなり、かつ電気的に直列接続されたものである。本実施の形態における熱発電デバイスは実施の形態1と同様の工程で作製されるが、具体的には以下に示すような金属ブロックを作製することで図6のようなデバイスの一括形成が可能となる。
本実施の形態における金属ブロックはエッチングなどの方法により予め周期的に開口部が設けられた薄板を重ねて加圧しながら加熱を行い、接合することにより作製される。この際図7に示したように開口部の位置が少しずつずれたようなパターンの薄板を重ねることによって薄板の積層方向に対して傾斜したようなスリットを有する金属ブロックを作製することができる。このようにして得られる金属ブロックに熱電材料を充填した後、隣り合う積層体が直列接続された形となるよう、切削加工を行うことで図6に示したような素子を得ることができる。
本実施の形態における熱発電デバイスを構成するにあたり、積層体を電気的に直列に接続する他に、図8に示すように電気的に並列に接続しても良い。積層体を直列に接続する利点は、電力を取り出す際の電圧を大きくすることにある。積層体を並列に接続すると、熱発電デバイス全体の内部抵抗を小さくすることの他に、電気的な接続が一部断線してもデバイス全体としての電気的な接続を保つことにも利点がある。すなわち、これら直列および並列接続を適切に組み合わせる(例えば、図8を参照)ことによって、高い発電能力を有する熱発電デバイスを構成することができる。また、図9に一例を示したように、電気的接続の仕方を工夫することにより、より適用面積の広いデバイスを構成することができる。
以下、本発明のより具体的な実施例を説明する。
(実施例1)
金属ブロックの材料としてCuを、熱電材料としてBi0.5Sb1.5Teを用いて熱発電デバイスを作製した。
まず30mm×60mm×5mmのCuブロックにドリルおよびエンドミルを用いて、図3に示すような幅1mm、長辺に対する傾斜角度30°のスリットを周期的に形成した。Cuブロックの表面を清浄にするために、96%硫酸と30%過酸化水素水を3:1の比で混合し、さらに純水で10倍に希釈した液中に10分間浸漬し、洗浄を行った。
こうして得られたCuブロックを、31mm×61mm×15mmの開口部を有するカーボンからなる容器に入れ、さらにこの容器を直径約1mmから5mmの粒状のBi0.5Sb1.5Teで満たし、電気炉の中に設置した。
次に電気炉内をロータリーポンプを用いて約5Paに減圧した後、加熱を開始し、700℃まで昇温し、Bi0.5Sb1.5Teの溶融を行った。
電気炉内を700℃で30分間保持した後、ロータリーポンプのバルブを閉めて減圧を停止し、1L/minの流量でArガスを導入し、大気圧まで昇圧することによってCuブロックのスリット部へのBi0.5Sb1.5Teの充填を行った。この状態で2時間保持した後、室温まで5時間かけて冷却し、Bi0.5Sb1.5Teの固化を行った。
このようにして得られたBi0.5Sb1.5Teが充填されたCuブロックを、ワイヤーカットにより切削することで20mm×50mm×4mmの外形を有するCuとBi0.5Sb1.5Teの積層体を得た。
この積層体の両端にAuからなる第1電極および第2電極をスパッタ法により作製し、第1電極と第2電極の対向方向に対して積層構造が30°傾斜しており、CuとBi0.5Sb1.5Teとの積層比が10:1である、図2のような熱発電デバイスを得た。
(実施例2)
金属ブロックの材料としてAlを、熱電材料としてSr0.9La0.1TiOを用いて熱発電デバイスを作製した。
まず20mm×30mm×0.1mmのAlの板材に対し、レーザー加工によってAl板材の長辺に対して35°傾斜した1mm×20mmの長方形状の貫通穴を長辺方向に7mm周期で形成した。このように作製した開口部を有するAl板を100枚重ね、Ar雰囲気中で600℃、積層方向に10MPaの圧力をかけて接合を行い、図3のような周期的なスリットを有する、20mm×30mm×10mmAlブロックを作製した。
別途、平均粒径が約1μmのSr0.9La0.1TiO粉末、水酸化ストロンチウム、硝酸チタンを純水中に加え、Sr0.9La0.1TiOが約46重量%、水酸化ストロンチウム、硝酸チタンがそれぞれ約2重量%となるようなスラリーを作製した。
こうして作製したAlブロックとSr0.9La0.1TiOスラリーを、オートクレーブの中に設置した。
次にオートクレーブ内をいったんロータリーポンプで真空引きして3時間保持した後、Arガスを導入し2気圧まで圧力を上げ、温度を200℃に昇温して1時間保持した。
次に室温まで冷却した後に試料を電気炉に移し、Ar雰囲気中において500℃で3時間保持してSr0.9La0.1TiOの固化を行った後、室温まで5時間かけて冷却を行った。
このようにして得られたSr0.9La0.1TiOが充填されたAlブロックを、ワイヤーカットにより切削することで15mm×25mm×9mmの外形を有するAlとSr0.9La0.1TiOの積層体を得た。
この積層体の両端にAuからなる第1電極および第2電極をスパッタ法により作製し、第1電極と第2電極の対向方向に対して積層構造が35°傾斜しており、AlとSr0.9La0.1TiOとの積層比が6:1である、図2のような熱発電デバイスを得た。
(実施例3)
金属ブロックの材料としてCuを、熱電材料としてBiを用いて熱発電デバイスを作製した。
まず60mm×60mm×0.1mmのCuの板材に対し、エッチングによって縦0.6mm×横0.4mmの長方形状の貫通穴が周期的に存在するようなパターンを作製した。同様に、貫通穴の位置が貫通穴の短辺方向に0.2mmずれているようなパターンを有するCu板を複数種類作製し、これらを適切な順序で合計30枚重ね、Ar雰囲気中で900℃、積層方向に10MPaの圧力をかけて接合を行うことで、図6のような積層方向に傾斜したような周期的なスリットを有する、60mm×60mm×3mmの平板状のCuプレートを作製した。
こうして得られたCuプレートを、カーボンからなる容器に入れ、さらにこの容器を直径約1mmから5mmの粒状のBiで満たし、電気炉の中に設置した。
次に電気炉内をロータリーポンプを用いて約5Paに減圧した後、加熱を開始し、400℃まで昇温し、Biの溶融を行った。
電気炉内を400℃で30分間保持した後、ロータリーポンプのバルブを閉めて減圧を停止し、1L/minの流量でArガスを導入し、大気圧まで昇圧することによってCuプレートのスリット部へのBiの充填を行った。この状態で2時間保持した後、室温まで5時間かけて冷却し、Biの固化を行った。
このようにして得られたBiが充填されたCuプレートを、ワイヤーカットにより切削することで、プレート内の短冊状の積層体の長手方向に対して積層構造が23°傾斜しており、CuとBiとの積層比が5:1である、図5のような熱発電デバイスを得た。
以上のように、本願発明では、予め周期的にスリットを有する金属ブロックに熱電材料からなる流動体を充填し、その後に熱電材料を固化する工程を用いることで、積層比を維持しながら高い雰囲気温度での積層体の作製が可能となる。これにより金属と熱電材料との間に電気的、熱的、および機械的に良好な接合を有する積層体を形成することができる。金属と熱電材料の積層比は予め形成する金属ブロックのスリット幅によって制御することができ、かつ本発明の製造方法においては積層方向に1軸圧力を加える工程が必要ないので、金属と熱電材料の積層比を維持することが容易となり、高性能の熱発電デバイスを安定して作製することができる。すなわち熱と電気とのエネルギー変換の応用を促進させるものであり、本発明の工業的価値は高い。
本発明にかかる熱発電デバイスは、優れた発電特性を有しており、自動車や工場から排出される排ガスなどの熱を用いた発電機として利用可能である。
また、小型の携帯発電機などの用途にも応用できる。
本発明の実施の形態1における熱発電デバイスの製造工程を示した図 本発明の実施の形態1における熱発電デバイスの構成を示した図 本発明の実施の形態1における熱発電デバイスを駆動する際の構成を示した図 本発明の実施の形態1における金属ブロックの外観を示した図 本発明の実施の形態1における金属ブロックの外観を示した図 本発明の実施の形態2における熱発電デバイスの構成を示した図 本発明の実施の形態2における金属ブロックの外観および断面を示した図 本発明の実施の形態2における熱発電デバイスの構成を示した図 本発明の実施の形態2における熱発電デバイスの構成を示した図
符号の説明
21 第1電極
22 第2電極
23 積層体
24 熱電材料
25 金属
26 層に平行な方向
27 電極の対向方向
28 温度勾配が生じる方向
31 熱発電デバイス
32 高温部
33 低温部
34 温度勾配が生じる方向

Claims (7)

  1. 第1電極と、前記第1電極に対向する第2電極と、前記第1電極および前記第2電極との間に挟まれ、かつ前記第1電極および前記第2電極のいずれにも電気的に接続された積層体とを具備し、前記積層体は複数の熱電材料層と複数の金属層とが交互に積層されてなり、前記複数の熱電材料層および前記複数の金属層が、前記第1電極と前記第2電極とが対向する方向に対して傾斜している、熱発電デバイスの製造方法であって、
    スリット部を周期的に有する金属ブロックを形成する工程と、
    熱電材料からなる流動体を前記金属ブロックのスリット部に充填する工程と、
    前記スリット部に充填する熱電材料からなる流動体を固化する工程と、
    前記熱電材料が充填された金属ブロックを切削加工によって、前記スリット部が前記第1電極と前記第2電極とが対向する方向に対して傾斜するように、切り出す工程と、
    前記切り出された金属ブロックを前記第1電極および前記第2電極との間に挟む工程と、
    を具備する、
    前記熱発電デバイスの製造方法。
  2. 前記スリットを有する金属ブロック形成する工程において、
    開口部を有する金属板を複数枚重ねて接合して金属ブロックを形成することを特徴とする、
    請求項1に記載の熱発電デバイスの製造方法。
  3. 前記熱電材料からなる流動体が、
    熱電材料を加熱して溶融させた融液であることを特徴とする、
    請求項1および2に記載の熱発電デバイスの製造方法。
  4. 前記熱電材料からなる流動体が、
    熱電材料の粉体に溶媒を添加してスラリー状にしたものであることを特徴とする、
    請求項1および2に記載の熱発電デバイスの製造方法。
  5. 請求項3に記載の熱発電デバイスの製造方法であって、
    熱電材料を加熱して溶融させ、融液を作製する工程において、
    真空中、あるいは不活性ガス雰囲気中において行うことを特徴とする、
    熱発電デバイスの製造方法。
  6. 前記熱電材料からなる流動体を前記金属ブロックのスリット部に充填する工程において、
    不活性ガスまたは還元性ガスを導入して加圧することを特徴とする、
    請求項1から5に記載の熱発電デバイスの製造方法。
  7. 前記熱電材料からなる流動体を前記金属ブロックのスリット部に充填する工程において、
    不活性ガスまたは還元性ガスの圧力を1気圧以上とすることを特徴とする、
    請求項6に記載の熱発電デバイスの製造方法。
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