JPH11298052A - 熱電素子、熱電材料及び熱電材料の製造方法 - Google Patents

熱電素子、熱電材料及び熱電材料の製造方法

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JPH11298052A
JPH11298052A JP10097603A JP9760398A JPH11298052A JP H11298052 A JPH11298052 A JP H11298052A JP 10097603 A JP10097603 A JP 10097603A JP 9760398 A JP9760398 A JP 9760398A JP H11298052 A JPH11298052 A JP H11298052A
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thermoelectric
thermoelectric material
thermoelectric element
porous metal
porosity
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JP10097603A
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Inventor
Seiichi Suenaga
誠一 末永
Hirotaka Inagaki
浩貴 稲垣
Keizo Shimamura
慶三 島村
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Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】高温で高い耐熱性・ 耐酸化性を示し、コンパク
トで安定して高効率の熱電素子を提供する。 【解決手段】 多孔質金属で形成された熱電材料と、こ
の熱電材料の高温側もしくは低温側の接合部のうち少な
くとも一方の端面に形成された気孔率5%以下の電極3
とを備えることを特徴とする熱電素子。また、材料内に
温度分布が生じることで起電力を発生させる金属材料か
らなり、開気孔率が20%以下の多孔質体である。ま
た、材料内に温度分布が生じることで起電力を発生させ
る金属材料からなり、この材料中に分散した分散材を含
有している。また、熱電材料と、この熱電材料の高温側
もしくは低温側の接合部のうち少なくとも一方の端面に
形成された気孔率5%以下の電極とを備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、熱を電気エネルギ
ーに変換する熱電材料、特に、多孔質金属熱電材料、こ
の多孔質金属熱電材料を使用した多孔質金属熱電素子及
び多孔質金属熱電材料の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】地球温暖化等の環境問題を受けて、世の
中では省エネルギー・クリーンエネルギー等の問題が重
要になってきている。高温源と低温源の温度差を電気エ
ネルギーに変換する、いわゆるゼーベック効果を利用す
る熱電発電は、炭酸ガス等の排ガスを発生させずどこで
も簡単に設置できることから環境に悪影響を与えない発
電として注目されている。
【0003】熱電材料の性能は、物質の熱起電力、電気
抵抗、熱伝導率の三つの特性の組み合わせで式(1)で
現すことができる。 Z=α2 /(ρ・κ) ・・・(1) ここで、Z:熱電性能指数(K-1)、α:熱起電力(μ
V/K)、 ρ:電気比抵抗(Ω・cm)、κ:熱伝導率(W/(c
m・K)) さらに、実際は、Zに温度差(ΔT)をかけて無次元化
した値ZTを使う。
【0004】式(1)から分かる様に、高い性能を達成
するためには高い熱起電力、低い電気抵抗、低い熱伝導
率を併せ持つことが必要で、さらに発電としては温度差
が大きいことが高効率につながる。
【0005】一般に熱電材料として利用が検討されてい
るものは、Si、Ge、In、Sb、Te、Bi等の元
素を主成分とする半導体熱電材料が中心である。しか
し、半導体熱電材料は金属熱電材料と比較して、電気抵
抗が大きく、さらに一般的に耐酸化性に乏しく高温の熱
源を利用した発電には向かないという問題がある。
【0006】一方、熱電対材料に代表される金属熱電材
料は、電気抵抗が小さく耐酸化性にも優れているが、熱
起電力が小さく、熱伝導率が大きいという問題がある。
この中で特に熱起電力の問題は、式(1)より分かる様
に熱電材料の性能に二乗で効いてくることから金属熱電
材料の実用上最大の問題である。
【0007】以上述べた様に、半導体熱電材料・金属熱
電材料のいずれもがその特性上に問題点を有することか
ら、性能の高い熱電材料が無いという問題点がある。一
方、高効率で無駄の無い発電を行うためには、余剰の高
温と低温の熱源を確保することが重要である。この見地
からは、ごみ焼却炉等の捨てられている熱を利用するこ
とが近年注目されているが、この場合、冷却源が無いの
で、熱伝導率が低い半導体熱電材料しか適用できない。
しかし、半導体熱電材料では、高温耐酸化性・高温強度
等の問題から、高温側の温度を高くできない。
【0008】そこで、水・空気等により強制冷却するこ
とにより高温安定性に優れた金属熱電材料等の適用も検
討されたが、従来の金属熱電材料では、熱起電力が低く
出力が大きく取り出せないという問題がある。さらに、
従来の金属熱電材料では、金属熱電材料の特性以外に高
温強度が低いという問題がある。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、これら従来
の熱電材料と熱電発電に関する問題を解決するためにな
されたものである。すなわち、発電効率が高く、耐酸化
性に優れている金属熱電材料と、この金属熱電材料を使
って、発電効率の高い熱電素子を提供するものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、多孔質金属よ
りなる熱電材料を用いた熱電素子である。多孔質金属熱
電材料を用いると、通常の凝固金属熱電材料を用いた場
合より、熱電材料に温度差が付けやすく、熱起電力が大
きくとれる。
【0011】すなわち、金属熱電材料の欠点である、熱
起電力の低さと熱伝導率の高さを改善することによっ
て、発電効率の高い多孔質金属熱電材料を提供するもの
である。
【0012】従って、第1の発明は、多孔質金属で形成
された熱電材料と、この熱電材料の高温側もしくは低温
側の接合部のうち少なくとも一方の端面に形成された気
孔率5%以下の電極とを備えることを特徴とする熱電素
子である。
【0013】本発明者らは、電極の気孔率が5%を超え
ると、この電極の熱伝導が急激に悪くなることを見出し
た。このため、この電極での熱損失が非常に大きくな
り、熱電材料に温度差をつけにくくなる。
【0014】第1の発明は、電極での熱伝導を良くし、
この電極での熱損失を軽減することによって、熱電材料
に温度差をつけやすくなり、発電効率を高めるという作
用・効果を有する。
【0015】尚、上述した電極は、その内部に気孔が少
ないため、電気抵抗が小さく、及び、熱流体等が熱電材
料へ侵入するのを防げ、熱電材料に温度差をつけやす
い。従って、発電効率を高めることができる。
【0016】第2の発明は、材料内に温度分布が生じる
ことで起電力を発生させる金属材料からなり、開気孔率
が20%以下の多孔質体であることを特徴とする熱電材
料である。
【0017】この第2の発明によれば、多孔質金属熱電
材料中の開気孔は必要以上に多くないことが好ましい。
なぜなら、材料の強度が低下し接合部の界面強度等を維
持するのが困難だからである。この点から材料内を貫通
する連続孔はできるだけ少ない方が好ましい。
【0018】さらに、この第2の発明の作用・効果は、
材料の開気孔率が20%以下である時に材料の電気的特
性・機械的特性ともに良好に維持できる。なぜなら、開
気孔率が20%を超えると、電極接合部等の界面におい
て、ろう付け法などにより接合を行なう場合には、ろう
材が材料中に進入し、電気的短絡が起こるからである。
【0019】第2の発明の材料としては、更に、閉気孔
のみから構成される多孔質金属熱電材料でも良い。この
場合、この材料の閉気孔率は0.1%以上20%以下で
あることが好ましい。なぜなら、熱流体等が熱電材料へ
侵入するのを防げ、熱電材料に温度差をつけやすいから
である。
【0020】第3の発明は、材料内に温度分布が生じる
ことで起電力を発生させる金属材料からなり、この材料
中に分散した分散材を含有していることを特徴とする熱
電材料である。
【0021】第3の発明の作用・効果は、多孔質金属熱
電材料の熱起電力が上がることである。第4の発明は、
第2乃至第3の発明に記載の熱電材料と、この熱電材料
の高温側もしくは低温側の接合部のうち少なくとも一方
の端面に形成された気孔率5%以下の電極とを備えるこ
とを特徴とする熱電素子である。
【0022】第5の発明は、熱電材料の原料となる金属
元素の酸化物を2種類以上混合する混合工程と、混合し
た酸化物を焼結する焼結工程と、前記混合工程及び前記
焼結工程の少なくとも一方に挿入し、酸化物を還元する
工程とを備えることを特徴とする熱電材料の製造方法で
ある。
【0023】この第5の発明の作用・効果は、多孔質金
属熱電材料を構成する金属元素の酸化物を混合・焼結す
る過程のいずれかに還元過程を挿入することによって、
粒径の制御が容易になるので、気孔の制御が容易にな
り、目的とする多孔質金属熱電材料を作成することであ
る。
【0024】尚、還元過程は焼結直前に行うのが最も好
ましい。還元してから焼結するまでに、再び酸化する可
能性があるからである。焼結時の温度、時間及びプレス
圧力によって、金属熱電材料中の気孔率を制御すること
が可能である。
【0025】第6の発明は、プラズマ溶射法により熱電
材料の原料となる金属粉末を多孔質状に成膜する工程を
備えることを特徴とする熱電材料の製造方法である。こ
の第6の発明の作用・効果は、Ar等の不活性雰囲気下
でプラズマ溶射を行う方法を用いることによって、減圧
プラズマ溶射法を使わなくとも大気の酸化による影響を
極力低減でき、減圧プラズマ溶射法では作成することが
困難な気孔率が大きい皮膜を作成することができ、十分
な気孔率を得ることができる。
【0026】プラズマ溶射法を用いる場合は、金属熱電
材料の粉末と同時にこの粉末とは異なる分散材も混合さ
せて溶射することが好ましい。これによって焼結温度が
高くなるため、発電時の金属熱電材料の焼結・粒成長を
抑制し、特性低下を極力低減できるからである。
【0027】このプラズマ溶射法を用いると、数十ミク
ロンの金属膜を熱電素子として使えるため、通常の金属
を切削して作成した熱電素子に比べ、同じ熱電装置の厚
さで直列ターン数をかせげるので、起電力を大きくとれ
る。これによって、熱電装置のコンパクト化が可能にな
る。
【0028】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面を
用いて詳細に説明する。図1は、本発明の第1の実施形
態である多孔質金属熱電素子を用いた熱電装置の素子接
合部の概略図である。ここでは、p型多孔質金属熱電材
料1とn型多孔質金属熱電材料2の接合部の一つには、
気孔率5%以下の電極板3を用いている。この接合によ
れば、電極での熱伝導が良いため、この電極での熱損失
が軽減される、従って、熱電材料に温度差をつけやすく
なり、発電効率を高めることができる。
【0029】尚、上述した電極は、その内部に気孔が少
ないため、電気抵抗が小さく、及び、熱流体等が熱電材
料へ侵入するのを防げ、熱電材料に温度差をつけやす
い。従って、発電効率を高めることができる。
【0030】具体的には、溶融・ 凝固法により作製した
純度99%以上の金属材料を挙げることができる。電極
板3の接合には、ろう付け法、固相接合法等を使うこと
ができる。この際、多孔質金属熱電材料に貫通孔があい
ていると、ろう付け時にろう材が内部浸透し、電気的短
絡となる危険性がある。ろう材としては、Ag−Cu共
晶ろう材、Ag−Cu−Ti等の活性金属ろう材等を用
いることができる。
【0031】さらに、図1では、電極板3の外側に均熱
板4を設けている。均熱板4としては、電気的に絶縁性
があり、熱伝導率が高いものが好ましい。例えば、Si
C、AlN等である。この均熱板4によって、各熱電素
子の高温側の接合部において温度が一定になり、また、
各熱電素子の低温側の接合部において温度が一定にな
り、発電効率が上がる。
【0032】図2は、p型多孔質金属熱電材料1とn型
多孔質金属熱電材料2との接合において、低温側と高温
側の両方で電極板3を用いた素子接合構造の概略図であ
る。こうすることによって、素子全体が発電に寄与する
ことができ、熱電素子本来の性能を100%発揮するこ
とができる。尚、電極板の外側には、前述の理由から、
均熱板4を設けている。
【0033】図3は、多孔質金属熱電素子の低温側、高
温側の両方での接合に電極板3を用いて、p型多孔質金
属熱電材料1とn型多孔質金属熱電材料2の繰り返しタ
ーンを直列に接合し、外部電極5を接合したの熱電装置
の概略図である。
【0034】多孔質金属熱電材料としては、例えば、C
u−45at%Ni、Ni−10at%Cr等が挙げら
れる。これらの原料粉末を所定の組成に混合するか、ま
たは、アトマイズ合金粉末を原料として用いてもよい。
【0035】さらに、原料粉末として、CuO、NiO
等の金属熱電材料の構成元素の酸化物を混合した粉末を
用いることもできる。この場合、焼結プロセスの前ある
いは焼結プロセス中に、これら酸化物の混合粉末を還元
するプロセスをいれることにより、所定の金属熱電材料
を得ることができる。酸化物混合粉末を還元することに
よって、金属中の気孔が制御し易くなる。還元プロセス
としては、例えば、水素還元法をあげることができる。
【0036】さらに、金属粉末をスタート原料とする場
合は、これらの原料粉末が混合粉末の場合、前記組成に
なるように粉末を秤量し、ボールミル等を用いて均一に
混合する。尚、アトマイズ合金粉末の場合には、直接焼
結工程に入ってもよい。
【0037】カーボン製等のジグを用いて、不活性雰囲
気中で高温焼結さらに、高温プレスする。この際、多孔
質金属熱電材料の気孔率が目的のものとなるようにプレ
ス圧・温度・時間等を制御する。
【0038】ここで、気孔率について説明する。気孔に
は、固体外部から気体や液体が進入できる開気孔と、外
部と遮断されている閉気孔がある。気孔率Pとは、開気
孔率Po と閉気孔率Pc の和である。
【0039】P=Po +Pc …(2) 真密度ρt は、多孔質材料の質量wと気孔を含まない真
の体積Vs で式(3)から求まる。
【0040】ρt =w/ Vs …(3) 見掛け密度ρa は、w、 Vs 及び全閉気孔の体積Vc
で式(4)から求まる。
【0041】 ρa = w/( Vs + Vc ) …(4) かさ密度ρb は、w、Vs 、Vc 及び全開気孔の体積V
o で式(5)から求まる。
【0042】 ρb = w/( Vs + Vc + Vo ) …(5) したがって、気孔率P及び閉気孔率Pc は、式(6)、
(7)から求まるので、 P=(1−ρb /ρt )×100 …(6) Pc =(1−ρa /ρt )×100 …(7) 式(2)より、開気孔率Po も求まる。
【0043】また、原材料としては、分散材を混合した
混合粉末を用いることもできる。分散材としては、酸化
Al、酸化Mg、酸化Si等の熱膨張係数の小さいもの
が好ましい。分散材の体積率は0.5%以上50%以下
であることが好ましく、1%以上10%以下であること
が好ましい。
【0044】焼結後はそのままの形状でその後のプロセ
スへ用いても良いが、多孔質金属熱電材料を円柱・角柱
状等に切り出しても良い。次に、本発明の第2の実施形
態として、プラズマ溶射法を用いて作成した多孔質金属
熱電素子作成方法について説明する。
【0045】図4(a)は、本発明の第2の実施形態で
あるプラズマ溶射法を用いて作成した、溶射多孔質金属
熱電素子(以下、溶射熱電素子という)の断面図であ
る。プラズマ溶射法としては、減圧・大気プラズマ溶射
法等を用いることができる。大気プラズマ溶射法を用い
る場合、アトマイズ粉末を用いることが好ましい。ま
た、粒径は、溶射条件に依存して、完全に粉末を溶融さ
せるものを選ぶことが好ましい。例えば、1μm〜10
0μmの範囲の粉末を挙げることができる。
【0046】これらアトマイズ粉末をホッパーに入れ、
30V−850Aの出力で溶射を行う。溶射を行う際の
基板6の材料は、酸化Al、酸化Si、酸化Mg、及び
アクリル系の耐熱樹脂等の電気抵抗が大きくて熱伝導率
が小さいものが好ましい。多孔質金属熱電材料として
は、例えば、n型多孔質金属熱電材料にCu−45at
%Ni、p型多孔質金属熱電材料にNi−10at%C
rを用いることができる。
【0047】p型多孔質金属熱電材料1とn型多孔質金
属熱電材料2を、熱的・電気的に絶縁な絶縁層7を挟む
ことにより交互に積層し、端部でp型とn型の接合部を
設けることにより、直列ターン数を稼ぐ。絶縁層7の材
料は、基板6と同じ材料でよい。また、基板6と熱電素
子である金属溶射膜との密着性を良くするため、基材6
の表面にはあらかじめ、基材6と同じ材料が溶射されて
いることが好ましい。
【0048】また、基材6の端部には、図4(b)に示
すように、Cu等の電極が溶射熱電素子内電極8とし
て、機械的または化学的に接合されていることが好まし
い。なぜなら、これにより基材6の表裏に溶射を施すこ
とができるからである。
【0049】図4(a)に示すように成膜し、積層した
後は、図4(a)中の切断面Aの位置で端部を切り落と
し、平坦な面を出す。尚、成膜時は切り落としシロを考
慮して成膜する。
【0050】図5に切り出し後の溶射熱電素子の断面図
を示す。次に、溶射熱電素子を接合により組み合わせ
て、さらに、均熱板及び外部電極5を接合し、図6
(a)に示す溶射熱電装置を作成する。図6(b)は、
溶射熱電装置内の溶射熱電素子間の接合部の拡大図であ
る。溶射熱電素子間を溶射熱電素子外電極9によって接
合している。
【0051】また、図7に示すように円柱基材10の表
面に回転させながら、同様に溶射することによって円柱
半径厚みが増す方向に成膜し、積層して、円柱熱電素子
11を作成しても良い。その後、円柱熱電素子外電極1
2を作成する。尚、円柱熱電素子内電極11は溶射前
に、あらかじめ円柱基材10の端部に機械的・化学的に
接合している。さらに、円柱基材10の形状は、円筒で
あっても良い。
【0052】図8は、複数の円柱熱電素子を均熱板に接
合し、均熱板に穴を開けて、リード線14をで素子間を
接合した接合構造の概略図である。尚、第1、第2の実
施形態の熱電装置は、当然、縦、横、厚さの3方向に重
ねて使用することもできる。
【0053】
【実施例】以下、本発明の実施例及び比較例を示して、
本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの例
に限定されるものではない。 (実施例1)粒径40μmのCu−45at%Ni粉末
をArアトマイズ法により作成し原料とした。
【0054】原料粉末作成後は真空炉内に移し、カーボ
ンのジグを用いて、900℃1時間ホットプレスを行っ
た。この際、0.2t/cm2 の圧力をかけた。このよ
うにして、直径20mm、高さ10mmの円柱型のn型
多孔質金属熱電素子を作成した。得られた多孔質金属熱
電素子の気孔率を測定したところ、開気孔率が5%、閉
気孔率が1%であった。
【0055】上述のn型多孔質金属熱電素子をCuを標
準電極として0℃と300℃の温度差における熱起電力
を測定したところ、16mVであった。 (比較例1)一方、上述のCu−45at%Niと同組
成で同形状の溶融凝固合金のn型熱電素子を作成し、実
施例1と同じ条件で0℃と300℃の温度差における熱
起電力を測定したところ、12mVで有った。この金属
熱電材料の相対密度は100%であった。
【0056】(実施例2)粒径40μmのNi−10a
t%Cr粉末をArアトマイズ法により作成し原料とし
た。原料粉末作成後は真空炉内に移し、カーボンのジグ
を用いて、1100℃で1時間ホットプレスを行った。
この際、0.2t/cm2 の圧力をかけた。
【0057】このようにして、直径20mm、高さ10
mmの円柱型のp型多孔質金属熱電素子を作成した。得
られた多孔質金属熱電素子の気孔率を測定したところ、
開気孔率が10%であり、閉気孔率が2%であった。こ
のp型多孔質金属熱電素子をCuを標準電極として0℃
と300℃の温度差における熱起電力を測定したとこ
ろ、12mVであった。
【0058】(比較例2)一方、上述のNi−10at
%Crと同組成で同形状の溶融凝固合金のp型熱電素子
を作成し、実施例2と同じ条件で0℃と300℃との温
度差における熱起電力を測定したところ、9mVで有っ
た。この材料の相対密度は100%であった。
【0059】(実施例3)実施例1と実施例2に記載の
多孔質金属熱電素子を用いて、図3に示すような、熱電
素子の総面積が0.25m×0.25m=0.0625
2、厚さが1cmとなるような、熱電装置を作成し
た。発電に必要な熱電素子の有効体積は、0.25m×
0.25m×0.01mとした。
【0060】こうして得られた熱電装置の整合負荷にお
ける出力を測定したところ、0℃と500℃の温度差に
おける出力は1.5kWであった。この熱電装置を面積
が0.5m2 になるように組み合わせて、ガスタービン
の500℃の排ガスと燃料のLNGとを使って発電を試
みたところ、12kWの出力が取り出せた。
【0061】(比較例3)また、比較例1と比較例2で
得られた金属熱電素子を用いて実施例3と同様の熱電装
置を作成し、実施例3と同様の条件で発電を試みたとこ
ろ、出力は6kWであった。
【0062】(実施例4)粒径40μmのCu−45a
t%Ni粉末をArアトマイズ法により作成し原料とし
た。原料粉末作成後は真空炉内に移し、カーボンのジグ
を用いて、900℃で1時間ホットプレスを行った。こ
の際、0.1t/cm2 の圧力をかけた。
【0063】このようにして、直径20mm、高さ10
mmの円柱型のn型多孔質金属熱電素子を作成した。次
に、この熱電素子の表面をレーザを用いて溶融させ、内
部を密閉した。
【0064】得られた多孔質金属熱電素子の気孔率を測
定したところ、閉気孔率が10%、開気孔率が1%であ
った。この熱電素子の0℃と300℃の温度差における
熱起電力を測定したところ、17mVであった。
【0065】(比較例4)一方、上述のCu−45at
%Niと同組成で同形状の溶融凝固合金の熱電素子を作
成し、実施例4と同じ条件で0℃と300℃との温度差
における熱起電力を測定したところ、12mVで有っ
た。この材料の相対密度は100%であった。
【0066】(実施例5)粒径40μmのCu−45a
t%Ni(n型)とNi−10at%Cr(p型)粉末
のArアトマイズ粉末を原料粉末として、大気プラズマ
溶射装置を使い、図4に示すような構造で、酸化Si基
板上にn型とp型の積層膜を層間に酸化Alの熱的・電
気的絶縁膜を挟むことにより作成し、溶射熱電素子を形
成した。
【0067】溶射熱電素子層の単一層の厚さは100μ
m、溶射熱電素子の積層回数は、n型、p型それぞれ1
0ターンずつであった。この溶射熱電素子をCuを標準
電極として0℃と300℃の温度を両端に付けて熱起電
力を測定したところ、270mVであった。
【0068】(比較例5)また、溶融凝固後圧延により
作成した、厚さ100μmの同一組成、同一形状のp
型、n型熱電材料を積層して同一構造の熱電素子を作成
して、0℃と300℃との温度差における熱起電力を測
定したところ、200mVであった。
【0069】(実施例6)粒径30μmのCu−45a
t%Ni粉末をArアトマイズ法により作成し原料とし
た。原料粉末作成後は真空炉内に移し、カーボンのジグ
を用いて、900℃5時間ホットプレスを行った。この
際、0.5t/cm2 の圧力をかけた。
【0070】このようにして、直径20mm、高さ10
mmの円柱型のn型多孔質金属熱電素子を作成した。得
られた多孔質金属熱電素子の気孔率を測定したところ、
開気孔率が0%、閉気孔率が0.5%であった。
【0071】上述のn型多孔質金属熱電素子をCuを標
準電極として0℃と300℃の温度差における熱起電力
を測定したところ、15mVであった。 (比較例6)一方、上述のCu−45at%Niと同組
成で同形状の溶融凝固合金のn型熱電素子を作成し、実
施例6と同じ条件で0℃と300℃の温度差における熱
起電力を測定したところ、11mVで有った。この金属
熱電材料の相対密度は100%であった。
【0072】(実施例7)実施例1と実施例2に記載の
多孔質金属熱電素子を用いて、図3に示すような、熱電
素子の総面積が0.25m×0.25m=0.0625
2、厚さが1cmとなるような、熱電装置を作成し
た。発電に必要な熱電素子の有効体積は、0.25m×
0.25m×0.01mとした。
【0073】こうして得られた熱電装置の整合負荷にお
ける出力を測定したところ、0℃と400℃の温度差に
おける出力は1.2kWであった。この熱電装置を面積
が0.5m2 になるように組み合わせて、ガスタービン
の500℃の排ガスと燃料のLNGとを使って発電を試
みたところ、9.6kWの出力が取り出せた。
【0074】(比較例7)また、実施例1と実施例2で
得られた多孔質金属熱電素子を用いて実施例7と同様の
熱電装置を作成した。この時用いた電極材は、相対密度
65%の多孔質Cuで、貫通孔が存在していた。
【0075】この熱電装置を用いて実施例7と同様の条
件で発電を試みたところ、出力は8kWであった。 (実施例8)粒径10μmのCu−45at%Ni粉末
をArアトマイズ法により作成した。前記Cu−45a
t%Ni粉末に、粒径1μmのAl23 粉末を混合
し、遊星ボールミルにより1日混合した。混合後の組成
を測定したところ、 Cu−45at%Ni中に3vo
l%のAl23 が混合した粉末であった。
【0076】前記粉末を原料とし、真空炉内に移し、カ
ーボンのジグを用いて、850℃−10時間ホットプレ
スを行った。この際、0.5t/cm2 の圧力をかけ
た。このようにして、直径20mm、高さ10mmの円
柱型のn型多孔質金属熱電素子を作成した。得られた多
孔質金属熱電素子の気孔率を測定したところ、開気孔率
が0%、閉気孔率が5%であった。
【0077】上述のn型多孔質金属熱電素子をCuを標
準電極として0℃と300℃の温度差における熱起電力
を測定したところ、17mVであった。 (比較例8)一方、上述のCu−45at%Niと同組
成で同形状の溶融凝固合金のn型熱電素子を作成し、実
施例8と同じ条件で0℃と300℃の温度差における熱
起電力を測定したところ、12mVで有った。この金属
熱電材料の相対密度は100%であった。
【0078】
【発明の効果】本発明によれば、従来の金属熱電素子よ
り発電効率が高く、耐酸化性に優れている多孔質金属熱
電素子と、この多孔質金属熱電素子を使って、発電効率
の高い熱電装置を提供することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の多孔質金属熱電素子間の接合を表す
概略図である。
【図2】 本発明の多孔質金属熱電素子間の接合を表す
概略図である。
【図3】 本発明の熱電装置の概略図である。
【図4】 本発明の溶射熱電素子の断面図である。
【図5】 本発明の切り出し後の溶射熱電素子の断面図
である。
【図6】 本発明の溶射熱電装置の概略図である。
【図7】 本発明の円柱熱電素子の概略図である。
【図8】 本発明の円柱熱電素子の接合構造の概略図で
ある。
【符号の説明】
1 p型多孔質金属熱電材料 2 n型多孔質金属熱電材料 3 電極板 4 均熱板 5 外部電極 6 基板 7 絶縁層 8 溶射熱電素子内電極部 9 溶射熱電素子間電極部 10 円柱基材 11 円柱熱電素子 12 円柱熱電素子電極 13 円柱熱電素子間電極 14 リード線

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 多孔質金属で形成された熱電材料と、こ
    の熱電材料の高温側もしくは低温側の接合部のうち少な
    くとも一方の端面に形成された気孔率5%以下の電極と
    を備えることを特徴とする熱電素子。
  2. 【請求項2】 材料内に温度分布が生じることで起電力
    を発生させる金属材料からなり、開気孔率が20%以下
    の多孔質体であることを特徴とする熱電材料。
  3. 【請求項3】 材料内に温度分布が生じることで起電力
    を発生させる金属材料からなり、この材料中に分散した
    分散材を含有していることを特徴とする熱電材料。
  4. 【請求項4】 請求項2乃至3記載の熱電材料と、この
    熱電材料の高温側もしくは低温側の接合部のうち少なく
    とも一方の端面に形成された気孔率5%以下の電極とを
    備えることを特徴とする熱電素子。
  5. 【請求項5】 熱電材料の原料となる金属元素の酸化物
    を2種類以上混合する混合工程と、混合した酸化物を焼
    結する焼結工程と、前記混合工程及び前記焼結工程の少
    なくとも一方に挿入し、酸化物を還元する工程とを備え
    ることを特徴とする熱電材料の製造方法。
  6. 【請求項6】 プラズマ溶射法により熱電材料の原料と
    なる金属粉末を多孔質状に成膜する工程を備えることを
    特徴とする熱電材料の製造方法。
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