JP5463204B2 - 熱電素子およびその製造方法、ならびに熱電モジュール - Google Patents

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この発明は、熱エネルギを電気エネルギに変換したり、電気エネルギを熱エネルギに変換する熱電モジュールに用いられる熱電素子およびその製造方法、ならび熱電モジュールに関する。
近年、自動車や各産業において発生する廃熱を回収し、電気エネルギに変換して利用するといった試みがなされている。熱エネルギを電気エネルギに変換する熱電モジュールは、トムソン効果、ペルチェ効果、ゼーベック効果と呼ばれる熱電効果を利用して、2種類の熱電素子を組み合わせて構成されている。たとえば、熱電材料として半導体を用いた熱電モジュールとしては、従来、p型熱電材料からなる複数のp型熱電素子と、n型熱電材料からなる複数のn型熱電素子と、複数のp型熱電素子と複数のn型熱電素子とを交互に直列接続する電極とを備えており、電極が、p型熱電素子およびn型熱電素子に、はんだ付やろう付などにより金属接合されたものが用いられている。
しかしながら、上述したような熱電モジュールにより熱エネルギを電気エネルギに変化する場合には、熱電モジュールが加熱された状態となるので、熱エネルギにより元素の活性化エネルギが高くなって元素拡散が生じる。その結果、はんだやろう材からなる接合層に含まれる元素が熱電材料に拡散するとともに、熱電材料に含まれる元素が接合層に拡散し、熱電素子の性能が低下する。
このような問題を解決するために、焼結体または溶製体からなる熱電材料と、電極材料とがプラズマ接合された熱電モジュール(特許文献1参照)や、熱電材料と電極材料とが放電プラズマ焼結された熱電モジュール(特許文献2参照)が知られていた。
しかしながら、特許文献1および2記載の熱電モジュールの場合、熱エネルギを電気エネルギに変化する際に加熱されると、熱エネルギにより元素の活性化エネルギが高くなって元素拡散が生じる結果、熱電材料と電極材料との間で相互に元素が拡散し、熱電材料の性能が低下する。
そこで、熱電材料への元素の拡散を防止するために、熱電材料における電極との接合部に、TiまたはTi合金からなる拡散防止層が設けられている熱電素子を用いた熱電モジュールが提案されている(特許文献3参照)。
特許文献3記載の熱電モジュールの熱電素子は、予め焼結された熱電材料にTiまたはTi合金を溶射したり、予め焼結された熱電材料に、予め形成されたTiまたはTi合金からなる拡散防止部材を放電プラズマ焼結することによりつくられている。ところが、Tiの融点が熱電材料の融点よりもはるかに高いので、特許文献3記載の方法では熱電材料がダメージを受けることになり、熱電材料の性能が低下する。しかも、熱電材料に拡散防止層を溶射する方法によれば、十分な膜厚を持った拡散防止層を形成するのは困難であるとともに、拡散防止層の気孔率が高くなって電気抵抗が増大する。また、予め焼結された熱電材料に予め形成された拡散防止部材を放電プラズマ焼結する方法によれば、熱電材料とTiまたはTi合金との融点が大きく異なるので、実際には、両者を接合することは困難である。さらに、特許文献3には、熱電材料粉末と予め形成されたTiまたはTi合金からなる拡散防止部材とを用意し、熱電材料粉末を放電プラズマ焼結して熱電材料をつくるとともに、上記拡散防止部材を熱電材料に放電プラズマ焼結することによって熱電素子をつくる方法も記載されている。しかしながら、この場合、実際には、熱電材料粉末とTiまたはTi合金との融点が大きく異なるので、熱電材料粉末の焼結体を形成することは可能であるが、当該焼結体に拡散防止部材を強固に接合することはできない。
特開平10−65222号公報 特開平10−74986号公報 特開2003−309294号公報
この発明の目的は、上記問題を解決し、電極材料と金属接合した際に熱電材料と電極材料との間での元素の相互拡散を防止しうる熱電素子およびその製造方法、ならびに熱電モジュールを提供することにある。
本発明は、上記目的を達成するために以下の態様からなる。
1)Sbを含む合金からなる熱電材料における電極との接合部に拡散防止層が設けられている熱電素子であって、
拡散防止層が、Ti粉末および/またはTi合金粉末とAl粉末とからなり、かつAl粉末の含有量が10〜20wt%である混合粉末の焼結体で形成されている熱電素子。
2)熱電材料が、スクッテルダイト型結晶構造を有する合金である上記1)記載の熱電素子。
3)熱電材料が、Sbを含む合金粉末の放電プラズマ焼結体で形成され、拡散防止層が、Ti粉末および/またはTi合金粉末とAl粉末との混合粉末からなる放電プラズマ焼結体で形成されている上記1)または2)記載の熱電素子。
4)上記1)記載の熱電素子を製造する方法であって、ダイス内に、Ti粉末および/またはTi合金粉末とAl粉末とからなり、かつAl粉末の含有量が10〜20wt%である混合粉末、Sbを含む合金粉末、ならびにTi粉末および/またはTi合金粉末とAl粉末とからなり、かつAl粉末の含有量が10〜20wt%である混合粉末をこの順序で入れることにより、ダイス内に混合粉末層、Sbを含む合金粉末層および混合粉末層を形成し、混合粉末層、Sbを含む合金粉末層および混合粉末層の粉末を同時に放電プラズマ焼結することによって、熱電材料および拡散防止層を形成する熱電素子の製造方法。
5)Ti粉末および/またはTi合金粉末、Al粉末、ならびにSbを含む合金粉末の粒径が5〜100μmである上記4)記載の熱電素子の製造方法。
6)放電プラズマ焼結時の焼結温度が600〜750℃、焼結圧力が35〜50MPaである上記4)または5)記載の熱電素子の製造方法。
7)p型熱電材料およびp型熱電材料における電極との接合面に設けられた拡散防止層からなる複数のp型熱電素子と、n型熱電材料およびn型熱電材料における電極との接合面に設けられた拡散防止層からなる複数のn型熱電素子と、複数のp型熱電素子と複数のn型熱電素子とを交互に直列接続する電極とを備えており、p型熱電素子およびn型熱電素子が、上記1)〜3)のうちのいずれかに記載の熱電素子からなり、電極が、p型熱電素子およびn型熱電素子の拡散防止層に金属接合されている熱電モジュール。
上記1)〜3)の熱電素子によれば、拡散防止層中のTiおよび/またはTi合金の働きによって、電極材料と金属接合した際に、熱電材料と電極材料との間での元素の相互拡散を防止することが可能になる。
ここで、拡散防止層を形成する焼結体を、Ti粉末および/またはTi合金粉末とAl粉末とからなり、かつAl粉末の含有量が10〜20wt%である混合粉末で形成するのは、次の理由による。すなわち、拡散防止効果は、Tiおよび/またはTi合金だけで得られるが、TiおよびTi合金の融点は、スクッテルダイト型結晶構造を有する合金からなる熱電材料に比べて極めて高いので、Ti粉末および/またはTi合金粉と、熱電材料を形成するSbを含む合金粉末とを同時に焼結することはできない。しかしながら、Alの融点は、Tiおよび/またはTi合金の融点に比べてかなり低いので、混合粉末を焼結する際には、Alの少なくとも一部を溶融させることにより、溶融したAlを介してTi粉末および/またはTi合金粉末を接合するとともに、Ti粉末および/またはTi合金粉末間の隙間を溶融したアルミニウムで埋めることによって、焼結体を得ることができる。しかも、Alは、Tiおよび/またはTi合金の拡散防止効果を妨げることがない。
上記3)の熱電素子は、上記4)の方法により製造することが可能になるが、この場合、特許文献3記載の予め焼結された熱電材料に拡散防止層を溶射したり、予め焼結された熱電材料に予め焼結された拡散防止部材を放電プラズマ焼結する方法のように、熱電材料がダメージを受けることがなく、熱電材料の性能低下を防止することができる。しかも、電極材料と金属接合した際に、熱電材料と電極材料との間での元素の相互拡散を防止するのに十分な膜厚を有する拡散防止層を簡単に形成することができるとともに、拡散防止層の気孔率が低くなって電気抵抗が低減される。さらに、熱電材料および拡散防止層を同時に形成することができるので、特許文献3記載の熱電材料粉末と予め形成されたTiまたはTi合金からなる拡散防止部材とを用意し、熱電材料粉末を放電プラズマ焼結して熱電材料をつくるとともに、上記拡散防止部材を熱電材料に放電プラズマ焼結することによって熱電素子をつくる方法に比べて、生産性が向上して工業的に有利である。
上記4)の熱電素子の製造方法よれば、特許文献3記載の熱電材料に拡散防止層を溶射したり、熱電材料に拡散防止層を放電プラズマ焼結する方法のように、熱電材料がダメージを受けることがなく、熱電材料の性能低下を防止することができる。しかも、電極材料と金属接合した際に、熱電材料と電極材料との間での元素の相互拡散を防止するのに十分な膜厚を有する拡散防止層を簡単に形成することができるとともに、拡散防止層の気孔率が低くなって電気抵抗が低減される。さらに、熱電材料および拡散防止層を同時に形成することができるので、特許文献3記載の熱電材料粉末と予め形成されたTiまたはTi合金からなる部材とを用意し、熱電材料粉末を放電プラズマ焼結して熱電材料をつくるとともに、上記部材を熱電材料に放電プラズマ焼結することによって熱電素子をつくる方法に比べて、生産性が向上して工業的に有利である。
なお、拡散防止層を形成する焼結体を、Ti粉末および/またはTi合金粉末とAl粉末とからなり、かつAl粉末の含有量が10〜20wt%である混合粉末で形成する理由は、上述したとおりである。
この発明による熱電素子を用いた熱電モジュールを示す斜視図である。 図1の要部を拡大して示す垂直断面図である。
以下、この発明の実施形態を、図面を参照して説明する。
図1はこの発明による熱電素子を用いた熱電モジュールの全体構成を示し、図2はその要部の構成を示す。
図1において、熱電モジュール(1)は、複数のp型熱電素子(2)と、複数のn型熱電素子(3)と、すべてのp型熱電素子(2)とすべてのn型熱電素子(3)とを交互に直列接続する複数の電極(4)とを備えており、一端のp型熱電素子(2)および他端のn型熱電素子(3)に、電極(4)を介してリード線(6)が接続されている。
熱電モジュール(1)の上下両側にはそれぞれ電気絶縁板(7)が配置されており、一方の電気絶縁板(7)、ここでは上側電気絶縁板(7)の上側に高温側熱交換器(図示略)が配置され、同他方の電気絶縁板(7)、ここでは下側電気絶縁板(7)の下側に低温側熱交換器(図示略)が配置されている。そして、矢印Xで示すように、高温側熱交換器により熱を加えるとともに、低温側熱交換器により熱を奪うことによって、各熱電素子(2)(3)の高温側と低温側とに大きな温度差が生じて起電力が発生し、2本のリード線(6)間に電気抵抗負荷を与えると、矢印Yで示すように電流が流れる。
図2に示すように、p型熱電素子(2)およびn型熱電素子(3)は、Sbを含む合金粉末の放電プラズマ焼結体からなる角柱状の熱電材料(8)における電極(4)との接合部、すなわち上下両端面に、Ti粉末および/またはTi合金粉末とAl粉末とからなり、かつAl粉末の含有量が10〜20wt%である混合粉末の放電プラズマ焼結体よりなる拡散防止層(9)が設けられたものである。
熱電材料(8)を形成する合金としては、REx(Fe−yMy)Sb12(REはLa、Ceのうち少なくとも一種、MはTi、Zr、Sn、Pbからなる群から選ばれた少なくとも一種。0<x≦1、0≦y<1)で表されるフィルドスクッテルダイト型の希土類合金からなる半導体が採用可能である。この合金はp型熱電素子(2)の熱電材料(8)に好適に用いられる。この合金中には、Pb、As、Si、Al、Fe、Mo、W、C、O、Nなど不可避不純物を含んでもよく、焼結体の形態で用いられる。また結晶構造はスクッテルダイト型結晶構造であるのがより好ましい。上記希土類合金では、xが0.01より少ないと熱伝導度が悪化して特性が低下し、yが0.15を超えると、ゼーベック係数および電気伝導度両面において著しく低下するため0.15以下が好ましい。またyが0.01未満では添加による性能向上が不十分なので0.01以上が好ましい。上記の範囲内でMを添加すると、ゼーベック係数と電気伝導度の向上が両立できる。
また、熱電材料(8)を形成する合金としては、REx(Co−yMy)Sb12(REはLa、Ceのうち少なくとも一種、MはTi、Zr、Sn、Pbからなる群から選ばれた少なくとも一種。0<x≦1、0≦y<1)で表される希土類合金からなる半導体も採用可能である。この合金はn型熱電素子(3)に好適に用いられる。この希土類合金は、この中にPb、As、Si、Al、Fe、Mo、W、C、O、Nなど不可避不純物を含んでもよく、焼結体の形態で用いられる。また結晶構造はスクッテルダイト型結晶構造であるのがより好ましい。この希土類合金では、xが0.01より少ないと熱伝導度が悪化して特性が低下し、yが0.15を超えると、ゼーベック係数および電気伝導度両面において著しく低下するため0.15以下が好ましい。またyが0.01未満では添加による性能向上が不十分なので0.01以上が好ましい。上記の範囲内でMを添加すると、おもにゼーベック係数が向上できるため、性能が向上できる。
拡散防止層(9)の厚みは50〜300μm程度であることが好ましい。拡散防止層(9)を形成する焼結体を、Ti粉末および/またはTi合金粉末とAl粉末とからなり、かつAl粉末の含有量が10〜20wt%である混合粉末で形成するのは、次の理由による。すなわち、拡散防止効果は、Tiおよび/またはTi合金だけで得られるが、TiおよびTi合金の融点は、スクッテルダイト型結晶構造を有する合金からなる熱電材料に比べて極めて高いので、Ti粉末および/またはTi合金粉と、熱電材料を形成するSbを含む合金粉末とを同時に焼結することはできない。しかしながら、Alの融点は、Tiおよび/またはTi合金の融点に比べてかなり低いので、混合粉末を焼結する際には、Alの少なくとも一部を溶融させることにより、溶融したAlを介してTi粉末および/またはTi合金粉末を接合するとともに、Ti粉末および/またはTi合金粉末間の隙間を溶融したアルミニウムで埋めることによって、焼結体を得ることができる。また、焼結の過程において、Ti粉末および/またはTi合金粉末と、Al粉末との界面において、拡散が生じるので、形成された拡散防止層が強固になる。しかも、Alは、Tiおよび/またはTi合金の拡散防止効果を妨げることがない。しかしながら、混合粉末中のAlの含有量が10wt%未満であると、Ti粉末および/またはTi合金粉末間の隙間を埋めるのに不足して得られた拡散防止層(9)の気孔率が高くなり、20wt%を超えると、焼結がうまくいかなくなるとともに、得られた拡散防止層(9)の拡散防止効果が不足するからである。なお、混合粉末において、Ti粉末および/またはTi合金粉末とAl粉末との合計量は100wt%である。Ti粉末としては、純度が99.0wt%以上のものを用いることが好ましい。その理由は、純度が99.0wt%のTi粉末を用いた場合、Ti粉末に含まれる不純物が熱電材料(8)の性能に対して悪影響を及ぼすおそれがあるからである。Ti合金粉末としては、たとえばTi−6wt%Al−4wt%Vや、Ti−3wt%Al−2.5wt%VなどのTi含有量が99.0wt%以上のものを用いることが好ましい。さらに、Al粉末としては純度が99.0wt%以上のものを用いることが好ましい。その理由は、純度が99.0wt%のAl粉末を用いた場合、Al粉末に含まれる不純物が熱電材料(8)の性能に対して悪影響を及ぼすおそれがあるからである。
P型熱電素子およびn型熱電素子は、次の方法で製造される。
ダイス内に、Ti粉末および/またはTi合金粉末とAl粉末との混合粉末、上述した熱電材料を構成するSbを含む合金粉末、ならびにTi粉末および/またはTi合金粉末とAl粉末との混合粉末をこの順序で入れることにより、ダイス内に混合粉末層、Sbを含む合金粉末層および混合粉末層を形成する。混合粉末中のAl粉末の含有量は10〜20wt%である。また、Ti粉末および/またはTi合金粉末、Al粉末、ならびにSbを含む合金粉末の粒径は、放電プラズマ焼結に適切な5〜100μmであることが好ましい。ついで、混合粉末層、Sbを含む合金粉末層および混合粉末層の粉末を同時に放電プラズマ焼結する。放電プラズマ焼結時の焼結温度は600〜750℃、焼結圧力は35〜50MPaであることが好ましい。すなわち、焼結温度の場合は、上記範囲外であれば焼結が不完全になるおそれがある。また、焼結圧力の場合は、35MPa未満では焼結が不完全になり、50MPaを超えるとサイズの保持が困難になるおそれがある。こうして、熱電材料(8)および拡散防止層(9)からなる熱電素子(2)(3)が製造される。
次に、この発明の具体的実施例を、比較例とともに説明する。
実施例1
黒鉛製ダイス内に、平均粒径50μm、純度99.0wt%のTi粉末と、平均粒径50μm、純度99.0wt%のAl粉末とからなり、かつAl粉末の含有量が10wt%である混合粉末、La0.3FeSb4.0からなる平均粒径5μmのp型熱電材料粉末、および平均粒径50μm、純度99.0wt%のTi粉末と、平均粒径50μm、純度99.0wt%のAl粉末とからなり、かつAl粉末の含有量が10wt%である混合粉末をこの順序で入れることにより、ダイス内に混合粉末層、p型熱電材料粉末層および混合粉末層を形成し、ダイス内に臨むように1対の電極を配置した。その後、焼結温度650℃、焼結圧力50MPaの条件で放電プラズマ焼結を行い、p型熱電材料粉末の放電プラズマ焼結体からなるp型熱電材料の上下両端面に、混合粉末の放電プラズマ焼結体からなりかつ厚みが100μmの拡散防止層が設けられたp型熱電素子を作製した。
実施例2
p型熱電材料粉末の代わりに、Ce0.15CoSb3.0からなる平均粒径5μmのn型熱電材料粉末を使用したことを除いては、上記実施例1と同様にして、n型熱電素子を作製した。
上記実施例1および2の場合、熱電材料粉末の焼結および混合粉末の焼結を同時に行うことができるとともに、形成された熱電材料と拡散防止層との接合が極めて強固である熱電素子を製造することができた。また、形成された拡散防止層の気孔率は低く、強固であった。
比較例1
黒鉛製ダイス内に、Al10wt%を含み、残部Tiおよび不可避不純物からなる平均粒径150μmのTi合金粉末と、La0.3FeSb4.0からなる平均粒径5μmのp型熱電材料粉末と、Al10wt%を含み、残部Tiおよび不可避不純物からなる平均粒径150μmのTi合金粉末とをこの順序で入れることにより、ダイス内にTi合金粉末層、p型熱電材料粉末層およびTi合金粉末層を形成し、ダイス内に臨むように1対の電極を配置した。その後、焼結温度650℃、焼結圧力50MPaの条件で放電プラズマ焼結を行った。
比較例2
p型熱電材料粉末の代わりに、Ce0.15CoSb3.0からなる平均粒径5μmのn型熱電材料粉末を使用したことを除いては、上記比較例1と同様にして、放電プラズマ焼結を行った。
比較例3
黒鉛製ダイス内に、平均粒径50μm、純度99.0wt%のTi粉末と、La0.3FeSb4.0からなる平均粒径5μmのp型熱電材料粉末と、平均粒径50μm、純度99.0wt%のTi粉末とをこの順序で入れることにより、ダイス内にTi粉末層、p型熱電材料粉末層およびTi粉末層を形成し、ダイス内に臨むように1対の電極を配置した。その後、焼結温度650℃、焼結圧力50MPaの条件で放電プラズマ焼結を行った。
比較例4
p型熱電材料粉末の代わりに、Ce0.15CoSb3.0からなる平均粒径5μmのn型熱電材料粉末を使用したことを除いては、上記比較例3と同様にして、放電プラズマ焼結を行った。
上記比較例1〜4の場合、熱電材料粉末を焼結して熱電材料を形成することができたが、Ti粉末およびTi合金粉末からなる焼結体層はポーラスで気孔率が高く、拡散防止層としては機能しないことが分かった。また、形成された熱電材料とTi粉末およびTi合金粉末からなる焼結体層との接合は極めて脆弱であった。
比較例5
黒鉛製ダイス内に、平均粒径50μm、純度99.0wt%のTi粉末と、La0.3FeSb4.0からなる平均粒径5μmのp型熱電材料粉末の焼結体よりなるp型熱電材料と、平均粒径50μm、純度99.0wt%のTi粉末とをこの順序で入れることにより、ダイス内にTi粉末層、p型熱電材料およびTi粉末層を形成し、ダイス内に臨むように1対の電極を配置した。その後、焼結温度800℃、焼結圧力50MPaの条件で放電プラズマ焼結を行った。
比較例6
p型熱電材料の代わりに、Ce0.15CoSb3.0からなる平均粒径5μmのn型熱電材料粉末の焼結体よりなるn型熱電材料を使用したことを除いては、上記比較例3と同様にして、放電プラズマ焼結を行った。
上記比較例5および6の場合、焼結温度が熱電材料の融点を超えているため、熱電材料とTi粉末焼結体とが接合された熱電素子を作製することはできなかった。
この発明による熱電素子は、熱エネルギを電気エネルギに変換したり、電気エネルギを熱エネルギに変換する熱電モジュールに好適に用いられる。
(1):熱電モジュール
(2)(3):熱電素子
(4):電極
(8):熱電材料
(9):拡散防止層

Claims (7)

  1. Sbを含む合金からなる熱電材料における電極との接合部に拡散防止層が設けられている熱電素子であって、
    拡散防止層が、Ti粉末および/またはTi合金粉末とAl粉末とからなり、かつAl粉末の含有量が10〜20wt%である混合粉末の焼結体で形成されている熱電素子。
  2. 熱電材料が、スクッテルダイト型結晶構造を有する合金である請求項1記載の熱電素子。
  3. 熱電材料が、Sbを含む合金粉末の放電プラズマ焼結体で形成され、拡散防止層が、Ti粉末および/またはTi合金粉末とAl粉末との混合粉末からなる放電プラズマ焼結体で形成されている請求項1または2記載の熱電素子。
  4. 請求項1記載の熱電素子を製造する方法であって、ダイス内に、Ti粉末および/またはTi合金粉末とAl粉末とからなり、かつAl粉末の含有量が10〜20wt%である混合粉末、Sbを含む合金粉末、ならびにTi粉末および/またはTi合金粉末とAl粉末とからなり、かつAl粉末の含有量が10〜20wt%である混合粉末をこの順序で入れることにより、ダイス内に混合粉末層、Sbを含む合金粉末層および混合粉末層を形成し、混合粉末層、Sbを含む合金粉末層および混合粉末層の粉末を同時に放電プラズマ焼結することによって、熱電材料および拡散防止層を形成する熱電素子の製造方法。
  5. Ti粉末および/またはTi合金粉末、Al粉末、ならびにSbを含む合金粉末の粒径が5〜100μmである請求項4記載の熱電素子の製造方法。
  6. 放電プラズマ焼結時の焼結温度が600〜750℃、焼結圧力が35〜50MPaである請求項4または5記載の熱電素子の製造方法。
  7. p型熱電材料およびp型熱電材料における電極との接合面に設けられた拡散防止層からなる複数のp型熱電素子と、n型熱電材料およびn型熱電材料における電極との接合面に設けられた拡散防止層からなる複数のn型熱電素子と、複数のp型熱電素子と複数のn型熱電素子とを交互に直列接続する電極とを備えており、p型熱電素子およびn型熱電素子が、請求項1〜3のうちのいずれかに記載の熱電素子からなり、電極が、p型熱電素子およびn型熱電素子の拡散防止層に金属接合されている熱電モジュール。
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