JP2011197036A - 画像形成装置及び画像形成方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】多色を所望の色合いで精度よく再現できる画像形成装置を提供する。
【解決手段】単色のトナーパターンを中間転写ベルト上に形成させ(S601)、転写前のトナーパターンの濃度と、転写後のトナーパターンの残存濃度とを取得し(S604、S605)、転写前の濃度の値に基づき入力画像データの階調値を補正する第1階調補正テーブルを作成し(S608)、当該テーブルにより階調値を補正した場合よりも、残存濃度分だけ階調値が大きくなるように入力画像データの階調値を補正する第2階調補正テーブルを、転写前の濃度の値と残存濃度とに基づき作成し(S613)、多色の画像データが入力された場合に、その色濃度データの内、中間転写ベルト上において最下層に重ね合わされる色を除く色濃度データの階調値を、第1階調補正テーブルにより補正し、最下層の色の色濃度データの階調値を、第2階調補正テーブルにより補正する。
【選択図】図6

Description

本発明は、電子写真方式の複写機やプリンタ等の画像形成装置に関し、特に画像形成装置において出力画像の階調補正をする技術に関する。
電子写真方式の複写機やプリンタ等の画像形成装置においては、入力画像の階調が、記録シートに転写された出力画像においてリニアに(比例関係になるように)再現されないため、入力された画像データを、階調補正曲線(γ補正曲線)に基づいて階調補正して、出力画像の階調が入力画像の階調とリニアに再現されるように調整されている。
又、機内の温湿度の変化や感光体ドラム等の部品の劣化等により、感光体ドラムへのトナー付着量が変化するため、γ補正曲線を定期的に更新することが要求される。
このため、画像形成装置には、階調補正に用いるγ補正曲線を定期的に更新する機能が設けられている。例えば、特許文献1には、所定の階調値を有する画像データに基づき階調補正用の各色のトナーパターンを像担持体上にそれぞれ形成し、形成した各色のトナーパターンの濃度を反射型の測定センサを用いて測定し、測定結果に基づいてγ補正曲線を作成することにより、γ補正曲線を定期的に更新する技術が開示されている。
これにより、出力画像における階調再現性を常に良好に保つことができ、記録シート上に形成される各色の画像の濃度の安定化を図ることができる。
特開2006−259261号公報
しかしながら、上記従来技術による階調補正技術では、出力画像として複数種類の単色のトナーを重ね合わせて多色を再現しようとする場合に、所望の色合いとズレが生じる場合がある。例えば、トナー像を中間転写ベルト上に一次転写させた後、記録シート上に二次転写させて出力画像を再現させる方式の画像形成装置では、複数種類の単色のトナーを中間転写ベルト上で重ね合わせて多色の混色画像を再現しようとする場合に、中間転写ベルト上に重ね合わされた最下層のトナーについては、単色の画像を再現する場合と同様に2次転写後にその一部が中間転写ベルト上に残トナーとして残ってしまう(図13(a)、(b)参照)。その結果、最下層のトナーについては記録シートに全量が転写されないのに対し、中間転写ベルトと非接触の最下層以外のトナーは、記録シートにほぼ全量が転写されるので、最下層のトナーとそれ以外のトナーとの間で記録シートに転写されるトナー量の転写率に差が生じてしまうからである。
つまり、各色について作成されたγ補正曲線を用いて、出力画像の階調補正を行う場合に、この転写率の差が考慮されずに出力画像の各色の階調値が決定されるので、例えば、各色が同一階調値になるように階調値が決定されたとしても、記録シート上に実際に再現される画像においては、最下層の色の階調だけ、他の色より転写率の差分に相当する分だけ階調が小さくなってしまい、その結果、多色が混色された出力画像の色合いが所望の色合いで再現されないという不具合が生じる。
本発明は、上述のような問題に鑑みて為されたものであって、多色が混色された出力画像を再現する場合においても、所望の色合いで精度よく再現することが可能な画像形成装置及び画像形成方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明の一形態に係る画像形成装置は、像担持体上に形成される単色のトナーパターンの濃度に基づいて入力画像データの階調補正を行い、階調補正後の画像データに基づいて像担持体上に重ね合わさるように形成された各色のトナー像を、記録シートに転写してカラー画像を形成する画像形成装置であって、階調補正用の単色のトナーパターンを前記像担持体上に形成する形成手段と、前記像担持体上の転写前の前記トナーパターンの濃度と、前記トナーパターンを転写した後に前記像担持体上に残存している前記トナーパターンの残存濃度とを取得する取得手段と、転写前の前記トナーパターンの濃度の値に基づいて入力画像データの階調値を補正するための第1階調補正テーブルを作成する第1作成手段と、前記第1階調補正テーブルを用いて階調値を補正した場合よりも、前記残存濃度に相当する分だけ階調値が大きくなるように入力画像データの階調値を補正するための第2階調補正テーブルを、転写前の前記トナーパターンの濃度の値と前記残存濃度とに基づいて作成する第2作成手段と、多色の画像データが入力された場合に、当該画像データの示す色濃度データの内、前記像担持体上において最下層に重ね合わされる色を除く色濃度データの階調値を、前記第1階調補正テーブルを用いて補正し、最下層の色の色濃度データの階調値を、前記第2階調補正テーブルを用いて補正する補正手段と、を備える。
ここで、前記像担持体は、中間転写ベルトであり、前記中間転写ベルト上のトナー像を記録シートに転写する2次転写ローラを備え、前記取得手段は、前記中間転写ベルト上の転写前の前記トナーパターンの濃度と、前記トナーパターンを前記二次転写ローラに転写した後に前記中間転写ベルト上に残存しているトナーパターンの残存濃度とを検出する検出手段と、検出した残存濃度に基づいて前記トナーパターンを記録シートに転写した場合におけるトナーパターンの残存濃度を決定する決定手段と、決定した前記残存濃度を取得する残存濃度取得手段と、を有することとすることができる。
さらに、前記第2作成手段は、転写前の前記トナーパターンの濃度の値を、前記残存濃度分だけ減算した値に補正し、当該補正値にもとづいて前記第2階調補正テーブルを作成することとすることができる。
又、本発明の一形態に係る画像形成方法は、像担持体上に形成される単色のトナーパターンの濃度に基づいて入力画像データの階調補正を行い、階調補正後の画像データに基づいて像担持体上に重ね合わさるように形成された各色のトナー像を、記録シートに転写してカラー画像を形成する画像形成装置における画像形成方法であって、階調補正用の単色のトナーパターンを前記像担持体上に形成する形成ステップと、前記像担持体上の転写前の前記トナーパターンの濃度と、前記トナーパターンを転写した後に前記像担持体上に残存している前記トナーパターンの残存濃度とを取得する取得ステップと、転写前の前記トナーパターンの濃度の値に基づいて入力画像データの階調値を補正するための第1階調補正テーブルを作成する第1作成ステップと、前記第1階調補正テーブルを用いて階調値を補正した場合よりも、前記残存濃度に相当する分だけ階調値が大きくなるように入力画像データの階調値を補正するための第2階調補正テーブルを、転写前の前記トナーパターンの濃度の値と前記残存濃度とに基づいて作成する第2作成ステップと、多色の画像データが入力された場合に、当該画像データの示す色濃度データの内、前記像担持体上において最下層に重ね合わされる色を除く色濃度データの階調値を、前記第1階調補正テーブルを用いて補正し、最下層の色の色濃度データの階調値を、前記第2階調補正テーブルを用いて補正する補正ステップと、
を含むこととすることができる。
ここで、前記像担持体は、中間転写ベルトであり、前記中間転写ベルト上のトナー像を記録シートに転写する2次転写ローラを備え、前記取得ステップは、前記中間転写ベルト上の転写前の前記トナーパターンの濃度と、前記トナーパターンを前記二次転写ローラに転写した後に前記中間転写ベルト上に残存しているトナーパターンの残存濃度とを検出する検出ステップと、検出した残存濃度に基づいて前記トナーパターンを記録シートに転写した場合におけるトナーパターンの残存濃度を決定する決定ステップと、決定した前記残存濃度を取得する残存濃度取得ステップと、を含むこととすることができる。
さらに、前記第2作成ステップにおいて、転写前の前記トナーパターンの濃度の値を、前記残存濃度分だけ減算した値に補正し、当該補正値にもとづいて前記第2階調補正テーブルを作成することとすることができる。
上記構成を備えることにより、多色の画像データ入力された場合に、像担持体上において最下層に重ね合わされる色を除く色であって、転写時に像担持体上にトナーが残存しない色の色濃度データについては、残存濃度が考慮されていない第1階調補正テーブルを用いて階調補正が行われ、転写時に像担持体上にトナーの一部が残存する最下層の色の色濃度データについては、第1階調補正テーブルを用いて階調補正を行った場合に比べて残存濃度に相当する分だけ階調値が大きくなるように、第2階調補正テーブルを用いて階調補正が行われるようにすることができる。その結果、多色が混色された出力画像を再現する場合において、最下層の色とそれ以外の色との間に生じる、像担持体上におけるトナー残存濃度差に起因する階調値の誤差を少なくすることができ、出力画像を所望の色合いで精度よく再現することができる。
ここで、前記補正手段は、単色の画像データが入力された場合に、当該画像データの示す色濃度データの階調値を、前記第2階調補正テーブルを用いて補正することとしてもよい。又、前記補正ステップにおいて、単色の画像データが入力された場合に、当該画像データの示す色濃度データの階調値を、前記第2階調補正テーブルを用いて補正することとしてもよい。
これにより、転写時に像担持体上にトナーの一部が残存する単色の画像データについては、第1階調補正テーブルを用いて階調補正を行った場合に比べて残存濃度に相当する分だけ階調値が大きくなるように、第2階調補正テーブルを用いて階調補正が行われるので、単色の画像データにおける階調補正の精度を高めることができる。
ここで、前記トナーパターンは、前記像担持体上において記録シートが通紙される通紙領域以外の非通紙領域に形成されることとしてもよい。
これにより、階調補正用のトナーパターンが像担持体上の非通紙領域に形成されるので、記録シート上へのトナー像の印刷処理と並行して階調補正用のトナーパターンを形成することができる。従って、階調補正用のトナーパターンの形成に起因する印刷処理の遅延時間を少なくすることができる。
画像形成装置10の全体の構成を示す図である。 制御部14の構成を示すブロック図である。 画像信号処理部105の構成を示す図である。 γ補正用LUTの具体例を示す。 最下層色特定テーブルの具体例を示す。 γ補正データ作成処理の動作を示すフローチャートである。 γ補正データ作成処理時における中間転写ベルト21と二次転写ローラ35の位置関係の変化を示す図である。 中間転写ベルト21上に形成された各色のトナーパターンの具体例を示す。 トナーパターンを構成するパッチの配列の具体例を示す。 γ補正データ作成処理において作成される測定曲線、差分測定曲線、残トナー補正曲線の具体例を示す。 γ補正データ作成処理において作成される第2γ補正曲線の具体例を示す。 画像データγ補正処理の動作を示すフローチャートである。 二次転写の前後において中間転写ベルト上に担持されているトナーの様子を示す図である。
以下、本発明に係る画像形成装置の実施の形態を、フルカラーのタンデム型画像形成装置(以下、単に「画像形成装置」という。)を例にして説明する。
(1)画像形成装置の全体の構成
図1は、本実施の形態に係る画像形成装置10の全体の構成を示す図である。
同図に示すように、画像形成装置10は、周知の電子写真方式により画像を形成するものであり、画像プロセス部11と、給紙部12と、定着部13と、制御部14と、画像読取部15等から構成される。この画像形成装置10は、ネットワーク(例えばLAN)に接続されて、外部の端末装置(不図示)からのプリントジョブの実行指示を受け付けると、その指示に基づいてシアン、マゼンタ、イエロー、およびブラック色からなるカラーの画像形成を実行する。
以下、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各再現色をY、M、C、Kと表し、各再現色に関連する構成部分の番号にこのY、M、C、Kを添字として付加する。
画像プロセス部11は、駆動ローラ22と従動ローラ23により張架された中間転写ベルト21の下方に、Y〜K色のそれぞれに対応する作像ユニット20Y、20M、20C、20Kを列設してなり、さらに、アクチュエータ39を通じて中間転写ベルト21と圧接、離間が可能な二次転写ローラ35を備えている。又、従動ローラ23の下方には、中間転写ベルト21上に残留するトナーを除去するためのクリーナ24が配置されている。クリーナ24は、中間転写ベルト21と圧接、離間が可能なように構成され、制御部14により圧接、離間が制御される。
各作像ユニット20Y〜20Kは、感光体ドラム1Y〜1Kと、その周囲に配設された帯電器2Y〜2K、露光部3Y〜3K、現像器4Y〜4K、1次転写ローラ5Y〜5Kおよび感光体ドラムを清掃するためのクリーナ6Y〜6Kなどからなる。
現像器4Y〜4Kには、対応する感光体ドラムにトナーを供給するための現像ローラ41Y〜41Kが設けられており、各現像ローラ41Y〜41Kには、図示しない現像バイアス電源部により個別にバイアス電圧が印加される。
上記のような画像プロセス部11の構成において、例えば、感光体ドラム1K上へのブラックのトナー像の作像は、感光体ドラム1Kを帯電器2Kにより一様に帯電させた後、露光部3Kから射出されたレーザビームLで露光走査して静電潜像を形成した後、現像器4Kの現像ローラ41Kからトナーの供給を受けて顕像化することによりなされる。
このように作像されたブラックのトナー像は、一次転写ローラ5Kと感光体ドラム1K間に作用する静電力により中間転写ベルト21上に一次転写される。他色の作像ユニット20Y,20M,20Cによるトナー像の作像動作も上記と同様にして行われる。なお、各作像ユニットにおける作像動作は、各色のトナー像が中間転写ベルト21上の同位置に多重転写されるように所定のタイミングずつずらして実行される。
二次転写ローラ35は、アクチュエータ39の図1には図示されていない駆動ロッド(後述する図7の駆動ロッド391参照)の先端部に回転可能に軸支されており、アクチュエータ39の駆動により、中間転写ベルト21に圧接されたり、中間転写ベルト21から離間されたりする。アクチュエータ39の駆動は、制御部14により制御される。このアクチュエータ39としては、例えばソレノイドや直動モータなどを用いることができるが、これに限定されず、たとえば偏心カムを用いることも可能である。
又、二次転写位置351の下流側の中間転写ベルト21に沿った位置には、γ補正曲線作成用に中間転写ベルト21上に形成されるトナーパターンを検出するための一組のパターン検出センサ25が、中間転写ベルト21の幅方向(中間転写ベルト21の走行方向と直交する方向)の両側にそれぞれ配置されている。パターン検出センサ25としては、例えば、LEDなどの発光素子とフォトダイオードなどの受光素子を備え、トナーパターンの反射濃度を検出する反射型の光電センサを用いることができる。ここで、反射濃度とは、測定対象物への投射光量をI0とし、測定対象物からの反射光量をIとするとき、D=−logI/I0の式によって表されるDのことをいう。
なお、中間転写ベルト21が透光性の材料で構成されている場合には、バターン検出センサ25として、発光部と受光部とからなる透過式の濃度検出センサを用いることができる。
給紙部12は、転写紙などの記録シートSを保持し、保持している記録シートSを二次転写位置351まで搬送するものであって、当該記録シートSを収納する給紙カセット31と、給紙カセット31内の記録シートSを搬送路37上に1枚ずつ繰り出す繰り出しローラ32と、中間搬送ローラ対33と、二次転写位置351に送り出すタイミングをとるためのタイミングローラ対34とからなる。
上記トナー像の作像のタイミングに合わせて、給紙部12から二次転写位置351に記録シートSが搬送され、二次転写ローラ35と駆動ローラ22間に作用する静電力により、中間転写ベルト21上のトナー像が記録シートS上に二次転写される。トナー像が転写された記録シートSは、定着部13で熱定着された後、排出ローラ対36を介して、排紙トレイ38上に排出される。
画像読取部15としては、原稿画像をCCDセンサで読み取ってR,G,Bの画像データを生成する公知のものが使用され、原稿台に載置された原稿を、スキャナを移動させてスキャンするミラースキャン方式のものや、スキャナを固定させて原稿を原稿搬送装置で移動しながら原稿画像を読み取るシートスルー方式のものなどがあるが、原稿画像をカラーで読み取ることができれば、特に限定されない。
(2)制御部14の構成
図2は、制御部14の構成を示すブロック図である。同図に示すように、制御部14は、主な構成要素として、CPU101、通信インターフェース(I/F)部102、ROM103、RAM104、画像信号処理部105、γ補正データ作成部106、γ補正用LUT記憶部107、パターン画像記憶部108、濃度変換用LUT記憶部109、最下層色特定テーブル記憶部110、画像データ記憶部111などを備える。
通信I/F部102は、LANカード、LANボードといったLANに接続するためのインターフェースである。ROM103には、画像形成動作を実行するために必要なプログラムのほか、後述するγ補正データ作成処理を実行するためのプログラム、当該処理において用いる、後述する補正係数、後述する画像データγ補正処理を実行するためのプログラムなどが格納されている。RAM104は、CPU101のプログラム実行時のワークエリアとして用いられる。
画像信号処理部105は、画像読取部15で原稿をスキャンして得られたR,G,Bの電気信号をそれぞれデジタル信号に変換し、Y,M,C,Kの再現色の画像データを生成する。図3は、画像信号処理部105の構成を示す図である。同図に示すように、画像信号処理部105は、A/D変換部1051、シェーディング補正部1052、LOG変換部1053、UCR(下色除去)・BP(墨加刷)処理部1054、色補正部1055、γ補正部1056、空間周波数補正部1057を備える。
A/D変換部1051は、画像読取部15より得られたR,G,Bの電気信号(反射率データ)をR,G,Bの多値デジタル信号に変換する。シェーディング補正部1052は、画像読取部15のスキャナの露光ランプの照射ムラやCCDセンサの感度ムラを解消するために設けられている。具体的には、シェーディング補正部1052は、プレスキャン時に原稿ガラス台に設置された白色基準板を読み込んで、このときの画像データの読取値から各画素の乗算比率を定めてRAM104に記憶させ、原稿読取時に、各画像データにRAM104に記憶させた乗算比率を乗算して画像データの補正を行う。
LOG変換部1053は、シェーディング補正部1052において補正された画像データを濃度データに変換する。なお、外部端末から画像データを受信した場合、それらはR,G,Bの色濃度データである場合が多いので、上述したA/D変換部1051、シェーディング補正部1052、LOG変換部1053におけるデータ処理は特に必要ない。
UCR・BP処理部1054は、黒色の再現を改善するため、R,G,Bの3色のデータの共通部分を黒色のデータとして計算するとともに、3色のデータの各値から黒色のデータの値を差し引いた値に所定の係数を乗じて色補正部1055に出力する。
色補正部1055は、入力された3色のデータに所定のマスキング係数を乗じてC,M,Yの色濃度データを生成する。R,G,BとC,M,Yは、相互に補色の関係にあり濃度は等しい筈であるが、実際は、CCDセンサ内のフィルタR,G,Bの透過特性と画像形成装置の各トナーC,M,Yの反射特性は、それぞれリニアには変化しないので、色補正部1055では、入力された3色のデータに所定のマスキング係数を乗じて線型補正を加えて、C,M,Yの色濃度データを生成して、Kの色濃度データとともにγ補正部1056に出力する。γ補正部1056は、後述する画像データγ補正処理を行うことにより、画像データのY,M,C,Kの各色濃度データの階調値の補正を行う。補正後のY,M,C,Kの各色濃度データは、空間周波数補正部1057においてデータのスムージング等を行った後、画像データ記憶部111に格納される。
図2の説明に戻って、γ補正データ作成部106は、後述するγ補正データ作成処理を行う。γ補正用LUT記憶部107は、後述するγ補正データ作成処理により作成されたγ補正用LUTを記憶している。ここで、γ補正用LUTとは、読取られた原稿濃度と画像として出力される出力画像濃度とがリニアな関係(比例関係)を満足するように、原稿濃度の階調値を補正値に変換するためのテーブルのことをいい、Y,M,C,Kの各色について作成され、記憶されている。図4は、γ補正用LUTの具体例を示す。
γ補正用LUTには、原稿の画像データが多色(Y,M,C,Kの内、2成分以上の階調値が0より大きい画像データ)である場合に、中間転写ベルト21上の最下層となる色を除く色の色濃度データ(階調値)に対して用いられるγ補正用第1LUTと、原稿の画像データが単色(Y,M,C,Kの内、3成分の階調値が0を示す画像データ)である場合の各単色の色濃度データ及び多色の最下層となる色の色濃度データに対して用いられるγ補正用第2LUTと、がある。γ補正用第1及び第2LUTの作成方法については、後述するγ補正データ作成処理の説明において詳述する。
図2の説明に戻って、パターン画像記憶部108は、γ補正曲線を作成するための各色(Y,M,C,Kの各色)のトナーパターンを示す画像データ(以下、「トナーパターンデータ」という。)を記憶している。各色のトナーパターンデータは、少なくとも2つ以上の階調値を示す画像データから構成される。例えば、トナーパターンデータとして、0、30、60、90、120、150、180、210、240の各階調値を示す所定幅のパッチが連続して並んで形成されるトナーパターンを示す画像データを用いることができる。
各色のトナーパターンは、後述するγ補正データ作成処理において中間転写ベルト21上に副走査方向(中間転写ベルト21の走行する方向)に形成され、トナーパターンを構成する1つのパッチの副走査方向の幅は、パターン検出センサ25の副走査方向の検出幅以上であって、トナーパターンが中間転写ベルト21上を走行中に当該トナーパターンを構成する各パッチの濃度をパターン検出センサ25で検出するのに必要な幅が設定される。濃度変換用LUT記憶部109は、Y,M,C,Kの各色について、反射濃度と階調値との対応関係を示す濃度変換用ルックアップテーブル(濃度変換用LUT)を記憶している。最下層色特定テーブル記憶部110は、最下層色特定テーブルを記憶している。
ここで、「最下層色特定テーブル」とは、複数種類の色濃度データの組み合わせと、当該組み合わせの各色濃度データの色のトナーを中間転写ベルト21上に重ね合わせた場合に、最下層になるトナー色(以下、「最下層色」という。)との対応関係を示すテーブルのことをいう。図5は、最下層色特定テーブルの具体例を示す。図2の説明に戻って、画像データ記憶部111は、画像データγ補正処理により階調値が補正された画像データを記憶している。
(3)γ補正データ作成処理
図6は、γ補正データ作成部106の行うγ補正データ作成処理の動作を示すフローチャートである。γ補正データ作成処理は、例えば、画像形成装置10の電源が投入された時や、電源投入後、所定時間経過した時若しくは所定枚数の印刷処理が完了した時や現像器4Y〜4Kの何れかのトナーが交換された時などに実行される。図7(a)は、γ補正データ作成処理の起動時における、中間転写ベルト21と二次転写ローラ35の位置関係を示す図である。
γ補正データ作成部106は、γ補正データ作成処理の起動時には、図7(a)に示すように、中間転写ベルト21と二次転写ローラ35が、離間状態になるように、アクチュエータ39を制御する。図7(a)、(b)において、符号1Y〜1Kは、感光体ドラムを、符号5Y〜5Kは、一次転写ローラを、符号21は、中間転写ベルトを、符号22は、駆動ローラを、符号23は、従動ローラを、符号24は、クリーナを、符号25は、パターン検出センサを、符号35は、二次転写ローラを、符号39は、アクチュエータを、符号391は、駆動ロッドをそれぞれ表す。
γ補正データ作成部106は、各色のトナーパターンデータをパターン画像記憶部108より読み出し、各色のトナーパターンデータに基づくトナーパターンを画像プロセス部11に形成させる(ステップS601)。具体的には、中間転写ベルト21上に複数のトナーパターンを形成する。
図8は、中間転写ベルト21上に形成された各色のトナーパターンの具体例を示す。同図の符号21は、中間転写ベルト21を、符号Y1,M1,C1,K1、Y2,M2,C2,K2は、それぞれ,色が、Y,M,C,Kのトナーパターンを、符号211は、記録シートSが通紙されず、記録シートSに中間転写ベルト21上のトナー像が転写されない非通紙領域を、符号212は、記録シートSが通紙され、記録シートSに中間転写ベルト21上のトナー像が転写される通紙領域をそれぞれ表す。同図に示すように、各色のトナーパターンは、中間転写ベルト21上の両側の、非通紙領域211に形成されている。ここでは、各色の一組目のY1,M1,C1,K1のトナーパターンについては、二次転写ローラ35に二次転写されない状態で、反射濃度がパターン検出センサ25により検出され、各色の二組目のY2,M2,C2,K2のトナーパターンについては、二次転写ローラ35に二次転写された後に中間転写ベルト21上に残る残存トナーパターンにおける反射濃度がパターン検出センサ25により検出されるものとする。
なお、各色のトナーパターンを構成するパッチは、図9に示すように、二次転写後においても、前後のパッチと重ならないように所定の間隔を置いて配列されているものとする。同図に示す各パッチ内の数字は、当該パッチの階調値を示す。又、各色のトナーパターンの長さは、二次転写ローラ35の周長よりも短いものとする。トナーパターンが二次転写ローラ35の周長より長いと、二次転写ローラ35の周長に相当するトナーパターンが二次転写ローラ35に二次転写された後に、二次転写ローラ35に二次転写されたトナーパターンが、中間転写ベルト21上の残りのトナーパターン上に再転写されてしまい、反射濃度が正しく検出されなくなるからである。
図6の説明に戻って、γ補正データ作成部106は、画像プロセス部11へのトナーパターンの形成指示後、所定時間経過したか否かを監視することにより、中間転写ベルト21上に形成された各色の一組目のトナーパターンが、二次転写位置351を通過したか否かを判定する(ステップS602)。
ここで、所定時間は、画像プロセス部11へのトナーパターンの形成指示の時点を起点とし、その後、図7(b)に示すように、中間転写ベルト21上に形成された符号701で表す一組目の各色のトナーパターンの全てが、二次転写位置351を通過する時点を終点とする時間に相当し、当該時間は、予め求められてROM103内に格納されているものとする。図7(b)の符号702は、二組目の各色のトナーパターンを表す。
各色の一組目のトナーパターンが、二次転写位置351を通過すると(ステップS602:YES)、γ補正データ作成部106は、図7(b)に示すように、アクチュエータ39を通じて二次転写ローラ35を中間転写ベルト21に圧接させた後(ステップS603)、パターン検出センサ25より、一組目の各色のトナーパターンの反射濃度の検出結果と二次転写後の二組目の各色の残存トナーパターンの反射濃度の検出結果をそれぞれ取得する(ステップS604、605)。
次に、γ補正データ作成部106は、一組目の各色のトナーパターンを構成する各階調値のパッチの反射濃度の検出結果と、当該パッチの階調値との対応関係に基づいて、各色について測定曲線を作成し(ステップS606)、作成した各測定曲線の逆関数となる曲線を第1γ補正曲線として作成する(ステップS607)。
さらに、γ補正データ作成部106は、濃度変換用LUT記憶部109に記憶されている各色についての濃度変換用LUTを参照して、各色についての第1γ補正曲線の反射濃度を階調値に変換して、各色について、入力画像データの階調値(原稿濃度の階調値)と補正後の階調値(補正値)との対応関係を示すγ補正用第1LUTを作成し、γ補正用LUT記憶部107に記憶させる(ステップS608)。
次に、γ補正データ作成部106は、二組目の各色の残存トナーパターンを構成する各階調値のパッチの反射濃度の検出結果に、ROM103に予め記憶されている補正係数を乗算して、各色のトナーパターンを二次転写ローラ35ではなく、記録シートに二次転写した場合における各色の残存トナーパターンを構成する各階調値のパッチの反射濃度の指標値として算出する(ステップS609)。
ここで、補正係数は、各色のトナーパターンを二次転写ローラ35に二次転写した場合と、記録シートに二次転写した場合とで、二次転写後の中間転写ベルト21上におけるトナーパターンの残存濃度をそれぞれ、パターン検出センサ25を用いて予め測定しておき、両者の残存濃度の比(記録シートに二次転写した場合における残存濃度/二次転写ローラ35に二次転写した場合における残存濃度)を補正係数として求めることができる。当該補正係数は、各色のトナーパターンについて別々に定めることとしてもよいし、各色について求めた補正係数の平均値をトナーパターンの色にかかわらず一律に定めることとしてもよい。
このようにして定めた補正係数をROM103に記憶させておくことにより、当該補正係数を用いて各色の残存トナーパターンを構成する各階調値のパッチの反射濃度の指標値を算出することができる。
算出した各色の残存トナーパターンを構成する各階調値のパッチの反射濃度の指標値と当該パッチの階調値との対応関係に基づいて、各色について残トナー補正曲線を作成する(ステップS610)。さらに、γ補正データ作成部106は、各色について作成した測定曲線と、当該色について作成した残トナー補正曲線との差分を算出し、算出値に基づいて差分測定曲線を作成し(ステップS611)、作成した各差分測定曲線の逆関数となる曲線を第2γ補正曲線として作成する(ステップS612)。
次に、γ補正データ作成部106は、濃度変換用LUT記憶部109に記憶されている各色についての濃度変換用LUTを参照して、各色についての第2γ補正曲線の反射濃度を階調値に変換して、各色について、入力画像データの階調値(原稿濃度の階調値)と補正後の階調値(補正値)との対応関係を示すγ補正用第2LUTを作成し、γ補正用LUT記憶部107に記憶させる(ステップS613)。
これにより、二次転写ローラ35に二次転写されない残存トナー分の反射濃度が差し引かれた状態でγ補正曲線が作成されるので、多色の画像データに基づいて出力画像を再現する場合において、トナーの一部が中間転写ベルト21上に残存する最下層の色の色濃度データについての、γ補正曲線を用いた階調補正におけるトナー残存濃度に起因する階調補正値の誤差を小さくすることができる。その結果、多色の画像データにおける階調補正の精度を高めることができる。
図10は、γ補正データ作成処理において作成される測定曲線、差分測定曲線、残トナー補正曲線の具体例を示す。同図に示すグラフの縦軸は、反射濃度を示し、横軸は、階調値を示す。同図の符号901は、差分測定曲線を、符号902は、測定曲線を、符号903は、残トナー補正曲線を示す。測定曲線902と残トナー補正曲線903との差分をとることにより、差分測定曲線901が作成される。
図11は、γ補正データ作成処理において作成される第2γ補正曲線の具体例を示す。同図に示すグラフの縦軸は、反射濃度を示し、横軸は、階調値を示す。同図の符号901は、図10に示す差分測定曲線を、符号1001は、入力画像と出力画像の反射濃度がリニアの関係となる目標階調を示す直線を、符号911は、差分測定曲線901の逆関数となる第2γ補正曲線を示す。又、図11の符号902は、図10に示す測定曲線を、符号912は、測定曲線902の逆関数となる第1γ補正曲線を示す。
図11に示すように、二次転写時に中間転写ベルト21上に残存する残存トナー濃度分を補正することなく作成される第1γ補正曲線912を用いた場合には、求められる出力画像の反射濃度は、yとなるのに対し、残存トナー濃度分が補正されて作成される第2γ補正曲線911を用いた場合には、求められる出力画像の反射濃度はy+Δyとなり、残存トナー濃度分に相当するΔy分だけ、求められる反射濃度が大きくなる。
従って、二次転写時に中間転写ベルト21上にトナーの一部が残存する単色や多色の最下層色の色濃度データの階調補正を行う場合には、第2γ補正曲線に基づいて作成されたγ補正用第2LUTを用いることにより、再現される画像において階調が、所望の階調よりも小さくならないようにすることができる。その結果、多色が混色された出力画像の色合いが所望の色合いで再現されないという不具合が生じるのを有効に防止することができる。
(4)画像データγ補正処理
図12は、γ補正部1056が行う画像データγ補正処理の動作を示すフローチャートである。γ補正部1056は、色補正部1055より、Y,M,C,Kの各色濃度データが画像データとして入力されると(ステップS1201)、各色濃度データの示す階調値に基づいて、入力された画像データが単色か否かを判定する(ステップS1202)。
単色でない場合に(ステップS1202:NO)、γ補正部1056は、最下層色特定テーブル記憶部110に記憶されている最下層色特定テーブルを参照して、入力された画像データの示す多色(階調値が0でない色濃度データの色の組み合わせ)に対応する最下層色を特定する(ステップS1203)。
さらに、γ補正部1056は、画像データの示すY,M,C,Kの各色濃度データの内、最下層色に該当する色濃度データについては、γ補正用LUT記憶部107に記憶されているγ補正用第2LUTを用いて、階調値を対応する補正値に変換して階調値を補正し、最下層色に該当しない色濃度データについては、γ補正用第1LUTを用いて、階調値を対応する補正値に変換して階調値を補正する(ステップS1204)。
ステップS1202において、入力された画像データが単色である場合には、γ補正部1056は、γ補正用LUT記憶部107に記憶されているγ補正用第2LUTを用いて、階調値を対応する補正値に変換して階調値を補正する(ステップS1205)。
これにより、多色の画像データに基づいて、複数種類の単色のトナーを中間転写ベルト上で重ね合わせて多色が混色された出力画像を再現しようとする場合において、二次転写時にトナーの一部が中間転写ベルト21上に残存する最下層色については、残存トナー分に相当する分だけ、階調値が大きくなるように階調値を補正することが可能なγ補正用第2LUTを用いて階調補正がされる。従って、γ補正用第1LUTを用いて階調補正した場合に比べ、残存トナーに起因する階調値のズレが小さくなるように補正することができ、最下層の色の画像データの階調値について、階調補正の精度を高めることができる。その結果、多色が混色された出力画像を所望の色合いで精度よく再現することができる。
<補足>
以上、本発明に係る画像形成装置について、実施の形態に基づいて説明したが、本発明はこの実施の形態に限られないことは勿論である。
(1)本実施の形態においては、Y,M,C,Kの各色のトナーパターンにおける残存トナーパターンの反射濃度を、各トナーパターンを二次転写ローラ35に二次転写した後に中間転写ベルト21上に残存しているトナーパターンの反射濃度を測定することにより検出することとしたが、各トナーパターンを記録シートに二次転写した後に中間転写ベルト21上に残存しているトナーパターンの反射濃度を測定することにより検出することとしてもよい。この場合には、図6に示すγ補正データ作成処理において、補正係数を用いて検出値を補正する処理(ステップS609)を省略することができる。
(2)本実施の形態においては、Y,M,C,Kの各色のトナーパターンにおける二次転写前の反射濃度の検出と二次転写後の残存トナーパターンにおける反射濃度の検出を行うため、各色について2つのトナーパターンを形成することとしたが、1つのトナーパターンで両方の反射濃度を検出することとしてもよい。具体的には、二次転写ローラ35及びクリーナ24を中間転写ベルト21から離間させた状態で、二次転写前のトナーパターンの反射濃度をパターン検出センサ25により検出し、その後、二次転写ローラ35を中間転写ベルト21に圧接し、中間転写ベルト21上のトナーパターンを周回させて二次転写位置351を通過させた後に二次転写後の残存トナーパターンの反射濃度をパターン検出センサ25により検出することとしてもよい。
又、記録シートの印刷処理時に中間転写ベルト21上の非通紙領域に各色のトナーパターン形成し、印刷処理を実行しながら、各色の残存トナーパターンにおける反射濃度をパターン検出センサ25により検出することとしてもよい。この場合における二次転写ローラ35に転写されたトナーパターンのクリーニング操作は、記録シートが二次転写位置351に搬送されてから、次の記録シートが二次転写位置へ搬送されるまでの間に行うこととする。クリーニング操作は、二次転写時と逆バイアスの電圧を二次転写ローラ35に印加することにより行われ、当該電圧の印加は、制御部14によって制御される。
又、各色のトナーパターンを形成する領域は、転写ベルト21上の非通紙領域に限定されず、通紙領域に形成することとしてもよい。
(3)本実施の形態に係るγ補正データ作成処理及び画像データγ補正処理を適用できる画像形成装置のタイプは、フルカラーのタンデム型画像形成装置に限定されない。例えば、特許文献(特開2000-172043号公報)に開示されている画像形成装置、具体的には、潜像を担持する感光体ドラムと、現像剤を担持・搬送する複数本の現像器によって、感光体ドラム上に複数色のトナー像を重ね合わせるように形成後、転写材に一括転写するカラー画像形成装置(当該特許文献図1参照)にも適用できる。
(4)本実施の形態においては、図6のステップS609において用いる補正係数を記録シートの種類に係らず定めておくこととしたが、厚紙、普通紙、写真用高質紙等の記録シートの種類毎に補正係数を定めておくこととしてもよい。この場合、記録シートの種類毎に該当する補正係数を用いて、各色の残存トナーパターンを構成する各階調値のパッチの反射濃度の指標値を算出し、算出した各指標値に基づいて、記録シートの種類毎に残トナー補正曲線、第2γ補正曲線、γ補正用第2LUTを作成し、入力される画像データに基づく画像が印刷される記録シートの種類に対応するγ補正用第2LUTを用いて、図12のステップS1204、ステップS1205の階調値の補正処理を行うこととしてもよい。
(5)本実施の形態においては、Y,M,C,Kの各色について、残存トナーパターンの反射濃度を検出することとしたが、何れか一色についてのみ検出することとし、当該色について検出した残存トナーパターンの検出結果に基づいて、各色に共通の残トナー補正曲線を作成することとしてもよい。
又、各色について検出した残存トナーパターンの反射濃度の平均値を算出し、当該算出結果に基づいて各色に共通の残トナー補正曲線を作成することとしてもよい。或いは、残存トナーパターンを直接検出せず、例えば、画像形成装置10の製造者側で予め各色又はY,M,C,Kの何れか一色について、残存トナーパターンの反射濃度を検出しておき、その検出結果に基づいて残トナー補正曲線を作成し、ROM103等の記録媒体に記憶させておくこととしてもよい。この場合には、残存トナーパターンの反射濃度の検出処理を行うことなく、ROM103等の記録媒体から残トナー補正曲線を読み出すことにより、残トナー補正曲線を作成し、γ補正データ作成処理を実行することができる。
(6)本実施の形態においては、各色について差分測定曲線を作成し、作成した差分測定曲線に基づいてγ補正用第2LUTを作成することとしたが、γ補正用第2LUTを作成する方法は、上記方法に限定されない。例えば、各色について差分測定曲線を作成する代わりに、各色について作成した残トナー補正曲線の逆関数をとることにより、残トナー補正曲線のγ補正曲線を作成し、第1γ補正曲線と残トナー補正曲線のγ補正曲線との差分をとることにより、差分γ補正曲線を作成し、作成した差分γ補正曲線に基づいてγ補正用第2LUTを作成することとしてもよい。
本発明は、電子写真方式の複写機やプリンタ等の画像形成装置に関し、特に画像形成装置において出力画像の階調補正をする技術として利用できる。
1Y〜1K 感光体ドラム
2Y〜2K 帯電器
3Y〜3K 露光部
4Y〜4K 現像器
5Y〜5K 1次転写ローラ
10 画像形成装置
11 画像プロセス部
12 給紙部
13 定着部
14 制御部
15 画像読取部
20Y〜20K 作像ユニット
21 中間転写ベルト
22 駆動ローラ
23 従動ローラ
24 クリーナ
25 パターン検出センサ
32 繰り出しローラ
33 中間搬送ローラ対
34 タイミングローラ対
35 2次転写ローラ
36 排出ローラ対
37 搬送路
38 排紙トレイ
39 アクチュエータ
41Y〜41K 現像ローラ
101 CPU
102 通信インターフェース(I/F)部
103 ROM
104 RAM
105 画像信号処理部
106 γ補正データ作成部
107 γ補正用LUT記憶部
108 パターン画像記憶部
109 濃度変換用LUT記憶部
110 最下層色特定テーブル記憶部
111 画像データ記憶部

Claims (10)

  1. 像担持体上に形成される単色のトナーパターンの濃度に基づいて入力画像データの階調補正を行い、階調補正後の画像データに基づいて像担持体上に重ね合わさるように形成された各色のトナー像を、記録シートに転写してカラー画像を形成する画像形成装置であって、
    階調補正用の単色のトナーパターンを前記像担持体上に形成する形成手段と、
    前記像担持体上の転写前の前記トナーパターンの濃度と、前記トナーパターンを転写した後に前記像担持体上に残存している前記トナーパターンの残存濃度とを取得する取得手段と、
    転写前の前記トナーパターンの濃度の値に基づいて入力画像データの階調値を補正するための第1階調補正テーブルを作成する第1作成手段と、
    前記第1階調補正テーブルを用いて階調値を補正した場合よりも、前記残存濃度に相当する分だけ階調値が大きくなるように入力画像データの階調値を補正するための第2階調補正テーブルを、転写前の前記トナーパターンの濃度の値と前記残存濃度とに基づいて作成する第2作成手段と、
    多色の画像データが入力された場合に、当該画像データの示す色濃度データの内、前記像担持体上において最下層に重ね合わされる色を除く色濃度データの階調値を、前記第1階調補正テーブルを用いて補正し、最下層の色の色濃度データの階調値を、前記第2階調補正テーブルを用いて補正する補正手段と、
    を備えることを特徴とする画像形成装置。
  2. 前記像担持体は、中間転写ベルトであり、
    前記中間転写ベルト上のトナー像を記録シートに転写する2次転写ローラを備え、
    前記取得手段は、
    前記中間転写ベルト上の転写前の前記トナーパターンの濃度と、前記トナーパターンを前記二次転写ローラに転写した後に前記中間転写ベルト上に残存しているトナーパターンの残存濃度とを検出する検出手段と、
    検出した残存濃度に基づいて前記トナーパターンを記録シートに転写した場合におけるトナーパターンの残存濃度を決定する決定手段と、
    決定した前記残存濃度を取得する残存濃度取得手段と、
    を有する
    ことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
  3. 前記第2作成手段は、
    転写前の前記トナーパターンの濃度の値を、前記残存濃度分だけ減算した値に補正し、当該補正値にもとづいて前記第2階調補正テーブルを作成する
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の画像形成装置。
  4. 前記補正手段は、単色の画像データが入力された場合に、当該画像データの示す色濃度データの階調値を、前記第2階調補正テーブルを用いて補正する
    ことを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の画像形成装置。
  5. 前記トナーパターンは、前記像担持体上において記録シートが通紙される通紙領域以外の非通紙領域に形成される
    ことを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載の画像形成装置。
  6. 像担持体上に形成される単色のトナーパターンの濃度に基づいて入力画像データの階調補正を行い、階調補正後の画像データに基づいて像担持体上に重ね合わさるように形成された各色のトナー像を、記録シートに転写してカラー画像を形成する画像形成装置における画像形成方法であって、
    階調補正用の単色のトナーパターンを前記像担持体上に形成する形成ステップと、
    前記像担持体上の転写前の前記トナーパターンの濃度と、前記トナーパターンを転写した後に前記像担持体上に残存している前記トナーパターンの残存濃度とを取得する取得ステップと、
    転写前の前記トナーパターンの濃度の値に基づいて入力画像データの階調値を補正するための第1階調補正テーブルを作成する第1作成ステップと、
    前記第1階調補正テーブルを用いて階調値を補正した場合よりも、前記残存濃度に相当する分だけ階調値が大きくなるように入力画像データの階調値を補正するための第2階調補正テーブルを、転写前の前記トナーパターンの濃度の値と前記残存濃度とに基づいて作成する第2作成ステップと、
    多色の画像データが入力された場合に、当該画像データの示す色濃度データの内、前記像担持体上において最下層に重ね合わされる色を除く色濃度データの階調値を、前記第1階調補正テーブルを用いて補正し、最下層の色の色濃度データの階調値を、前記第2階調補正テーブルを用いて補正する補正ステップと、
    を含むことを特徴とする画像形成方法。
  7. 前記像担持体は、中間転写ベルトであり、
    前記中間転写ベルト上のトナー像を記録シートに転写する2次転写ローラを備え、
    前記取得ステップは、
    前記中間転写ベルト上の転写前の前記トナーパターンの濃度と、前記トナーパターンを前記二次転写ローラに転写した後に前記中間転写ベルト上に残存しているトナーパターンの残存濃度とを検出する検出ステップと、
    検出した残存濃度に基づいて前記トナーパターンを記録シートに転写した場合におけるトナーパターンの残存濃度を決定する決定ステップと、
    決定した前記残存濃度を取得する残存濃度取得ステップと、
    を含むことを特徴とする請求項6に記載の画像形成方法。
  8. 前記第2作成ステップにおいて、
    転写前の前記トナーパターンの濃度の値を、前記残存濃度分だけ減算した値に補正し、当該補正値にもとづいて前記第2階調補正テーブルを作成する
    ことを特徴とする請求項6又は7に記載の画像形成方法。
  9. 前記補正ステップにおいて、単色の画像データが入力された場合に、当該画像データの示す色濃度データの階調値を、前記第2階調補正テーブルを用いて補正する
    ことを特徴とする請求項6〜8の何れかに記載の画像形成方法。
  10. 前記トナーパターンは、前記像担持体上において記録シートが通紙される通紙領域以外の非通紙領域に形成される
    ことを特徴とする請求項6〜9の何れかに記載の画像形成方法。
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