JP2013120277A - 画像形成装置および階調補正方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】像担持体の走行方向において画像ムラまたは反射ムラが生じている場合、適切な階調補正を行うことができる画像形成装置および階調補正方法を提供する。
【解決手段】画像形成部40は、中間転写ベルト421の走行方向に沿ってそれぞれ濃度が異なる複数の階調パッチを第1の検出対象領域500に転写し、走行方向において第1の検出対象領域500と同じ位置に位置する第2の検出対象領域510に最高濃度の黒ベタ画像である基準パッチを転写する。濃度検出センサー43は、階調パッチの反射濃度と基準パッチの反射濃度とをそれぞれ検出する。階調補正部(制御部10および画像処理部30)は、基準パッチの反射濃度に基づいて、階調パッチの反射濃度から算出される階調パッチの出力階調値を補正し、補正した出力階調値と階調パッチの入力階調値とから画像形成部40の階調特性を取得して、その階調特性に基づく階調補正データを生成する。
【選択図】図3

Description

本発明は、画像形成装置および階調補正方法に関する。
一般に、電子写真方式の画像形成装置であるプリンター、複写機、ファクシミリ等は、帯電した感光体ドラムに対して画像データに基づくレーザー光を照射することにより静電潜像を形成し、この静電潜像に着色粒子であるトナーを付着させることにより静電潜像を可視化してトナー像を形成する。そして、このトナー像を直接または間接的に用紙に転写させた後、定着器において加熱、加圧して定着させることにより用紙に画像を形成する。
このような画像形成装置では、感光体ドラム、現像剤等の経時的な劣化や、装置周辺の環境(温度、湿度)の変動等によって、出力画像(用紙に形成された画像)の画質が低下するという問題がある。具体的には、入力画像の階調が出力画像に忠実に再現されないという現象が生じる。そこで、従来の画像形成装置では、入力画像の階調等を出力画像に安定して再現させるための画像安定化制御が行われるようになっている(例えば、特許文献1を参照)。
画像安定化制御としては、例えば、像担持体としての中間転写ベルトに形成されたCMYKの各色トナーパターンの濃度を光センサーで検出し、この検出結果(階調特性)に基づいて階調補正データを生成し、帯電電位、現像電位、露光量等の画像形成条件にフィードバックさせる階調補正(ガンマ補正)等がある。
特許文献1には、所定の階調値を有する画像データに基づき階調補正用の各色のトナーパターンを像担持体上にそれぞれ形成し、形成した各色のトナーパターンの濃度を反射型の濃度検出センサーを用いて測定し、測定結果に基づいてガンマ補正曲線を作成し、ガンマ補正曲線を定期的に更新する画像形成装置が開示されている。
特開2006−259261号公報
上述した画像安定化制御においては、像担持体上に形成されたトナーパターンの濃度を正確に検出し、現在の階調特性を正確に把握する必要がある。しかしながら、像担持体上に形成されたトナーパターンを構成する複数の階調パッチにおいて、いわゆる画像ムラの影響が含まれてしまうおそれがある。画像ムラとは、画像形成部を構成する部材である現像ローラ、感光体または転写ベルト等の疲労等により、用紙に出力される出力画像の濃度が像担持体の走行方向において薄くなったり濃くなったりする現象をいう。このような場合、像担持体の走行方向において用紙上に形成される複数の階調パッチの濃度検出結果には画像ムラの影響が含まれる。そのため、特に高濃度の階調パッチでは、濃度検出結果が正確でなくなる。それゆえ、複数の階調パッチの濃度検出結果から算出された画像形成部の階調特性は正確ではなく、この階調特性に基づいて階調補正を行っても、適切な画像安定化制御とならない。
また、像担持体上に形成されたトナーパターンを構成する複数の階調パッチにおいて、いわゆる反射ムラの影響が含まれてしまうおそれがある。反射ムラとは、像担持体のベース面において、像担持体の走行方向に沿って凹凸のばらつきが生じることにより、そのベース面に静電潜像を形成するためのレーザー光を当てた際の反射率にばらつきが生じる現象をいう。このような場合、像担持体の走行方向において用紙上に形成される複数の階調パッチの濃度検出結果には反射ムラの影響が含まれる。そのため、特に低濃度の階調パッチでは、濃度検出結果が正確でなくなる。それゆえ、複数の階調パッチの濃度検出結果から算出された画像形成部の階調特性は正確ではなく、この階調特性に基づいて階調補正を行っても、適切な画像安定化制御とならない。
本発明は、像担持体の走行方向において画像ムラまたは反射ムラが生じている場合、適切な階調補正を行うことができる画像形成装置および階調補正方法を提供することを目的とする。
本発明に係る画像形成装置は、像担持体の走行方向に沿って、それぞれ濃度が異なる複数の階調パッチを前記像担持体に転写する画像形成部と、
前記像担持体において前記複数の階調パッチが転写された第1の検出対象領域の色の濃度と、前記像担持体の幅方向において第1の検出対象領域と異なる位置に位置し、かつ、前記像担持体の走行方向において前記第1の検出対象領域と同じ位置に位置する第2の検出対象領域の色の濃度とをそれぞれ検出する濃度検出部と、
前記第2の検出対象領域の濃度に基づいて、前記第1の検出対象領域の濃度から算出される前記複数の階調パッチの出力階調値を補正し、補正した出力階調値と前記複数の階調パッチの入力階調値とから前記画像形成部の階調特性を取得して、当該取得した階調特性に基づく前記階調補正データを生成する階調補正部とを備える。
また、本発明に係る階調補正方法は、画像形成部が、像担持体の走行方向に沿って、それぞれ濃度が異なる複数の階調パッチを前記像担持体に転写する第1のステップと、
濃度検出部が、前記像担持体において前記複数の階調パッチが転写された第1の検出対象領域の色の濃度と、前記像担持体の幅方向において第1の検出対象領域と異なる位置に位置し、かつ、前記像担持体の走行方向において前記第1の検出対象領域と同じ位置に位置する第2の検出対象領域の色の濃度とをそれぞれ検出する第2のステップと、
階調補正部が、前記第2の検出対象領域の濃度に基づいて、前記第1の検出対象領域の濃度から算出される前記複数の階調パッチの出力階調値を補正し、補正した出力階調値と前記複数の階調パッチの入力階調値とから前記画像形成部の階調特性を取得して、当該取得した階調特性に基づく前記階調補正データを生成する第3のステップとを有する。
本発明によれば、像担持体の走行方向において画像ムラまたは反射ムラが生じている場合、適切な階調補正を行うことができる画像形成装置および階調補正方法を提供することができる。
本発明に係る第1の実施の形態を示す画像形成装置の縦断面図である。 本発明に係る第1の実施の形態を示す画像形成装置の制御ブロック図である。 濃度検出センサーと第1の検出対象領域および第2の検出対象領域との位置関係を示す図である。 本発明に係る第1の実施の形態で用いるパッチ群の構成を示す図である。 本発明に係る第1の実施の形態を示す画像形成装置における階調補正動作例を示すフローチャートである。 本発明に係る第1の実施の形態で採用される階調特性曲線および階調補正曲線を示す図である。 本発明に係る第2の実施の形態で用いるパッチ群の構成を示す図である。 本発明に係る第2の実施の形態を示す画像形成装置における階調補正動作例を示すフローチャートである。 本発明に係る第3の実施の形態で用いるパッチ群の構成を示す図である。 本発明に係る第3の実施の形態を示す画像形成装置における階調補正動作例を示すフローチャートである。
(第1の実施の形態)
以下、本発明に係る第1の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。図1、2に示す画像形成装置1は、電子写真プロセス技術を利用した中間転写方式のカラー画像形成装置である。画像形成装置1は、感光体ドラム413上に形成されたC(シアン)、M(マゼンタ)、Y(イエロー)、K(ブラック)の各色トナー像を中間転写ベルト421に転写(一次転写)し、中間転写ベルト421上で4色のトナー像を重ね合わせた後、用紙に転写(二次転写)することにより、画像を形成する。
また、画像形成装置1には、CMYKの4色にそれぞれ対応する感光体ドラム413を中間転写ベルト421の走行方向に直列配置し、中間転写ベルト421に一回の手順で各色のトナー像を順次転写させるタンデム方式が採用されている。
図1、2に示すように、画像形成装置1は、制御部10、操作表示部20、画像処理部30、画像形成部40、搬送部50および定着部60を備えて構成されている。
制御部10は、CPU(Central Processing Unit)11、ROM(Read Only Memory)12、RAM(Random Access Memory)13等を備える。CPU11は、ROM12から処理内容に応じたプログラムを読み出してRAM13に展開し、展開したプログラムと協働して画像形成装置1の各ブロックの動作を制御する。このとき、記憶部72に格納されている各種データが参照される。記憶部72は、例えば不揮発性の半導体メモリ(いわゆるフラッシュメモリ)またはハードディスクドライブにより構成される。
制御部10は、通信部71を介して、LAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)等の通信ネットワークに接続された外部装置(例えばパーソナルコンピューター)との間で各種データの送受信を行う。制御部10は、例えば、外部装置から送信された画像データを受信し、この画像データ(入力画像データ)に基づいて用紙に画像を形成させる。通信部71は、例えばLANカード等の通信制御カードにより構成される。
操作表示部20は、例えばタッチパネル付の液晶ディスプレイ(LCD:Liquid Crystal Display)により構成され、表示部21および操作部22として機能する。表示部21は、制御部10から入力される表示制御信号に従って、各種操作画面、画像の状態表示、各機能の動作状況等の表示を行う。操作部22は、テンキー、スタートキー等の各種操作キーを備えている。操作部22は、ユーザによる各種入力操作を受け付けて、その入力操作に対応する操作信号を制御部10に出力する。
画像処理部30は、入力画像データに対して、初期設定またはユーザ設定に応じたデジタル画像処理を行う回路等を備えている。例えば、画像処理部30は、制御部10の制御下で、階調補正データにより階調補正テーブルを生成して階調補正を行う。なお、制御部10および画像処理部30は、本発明の階調補正部として機能する。
また、画像処理部30は、入力画像データに対して、階調補正の他、色補正、シェーディング補正等の各種補正処理または、圧縮処理等を行う。これらの処理が行われたデジタル画像データに基づいて、画像形成部40は制御される。
画像形成部40は、入力画像データに基づいて、Y成分、M成分、C成分、K成分の各有色トナーによる画像を形成するための画像形成ユニット41Y、41M、41C、41K、中間転写ユニット42および濃度検出センサー43等を備えている。
Y成分、M成分、C成分、K成分用の画像形成ユニット41Y、41M、41C、41Kは、同様の構成を有する。図示および説明の便宜上、共通する構成要素は同一の符号で示し、それぞれを区別する場合には符号にY、M、C、またはKを添えて示す。図1では、Y成分用の画像形成ユニット41Yの構成要素についてのみ符号を付し、その他の画像形成ユニット41M、41C、41Kの構成要素については符号を省略している。
画像形成ユニット41の構成を画像形成ユニット41Yにより説明することとする。画像形成ユニット41Yは、露光装置411、現像装置412、感光体ドラム413、帯電装置414およびドラムクリーニング装置415等を備えている。
感光体ドラム413は、例えばアルミニウム製の導電性円筒体(アルミ素管)の周面に、アンダーコート層(UCL:Under Coat Layer)、電荷発生層(CGL:Charge Generation Layer)、電荷輸送層(CTL:Charge Transport Layer)を順次積層した負帯電型の有機感光体(OPC:Organic Photo-conductor)である。
帯電装置414は、光導電性を有する感光体ドラム413の表面を一様に負極性に帯電させる。露光装置411は、例えば半導体レーザーで構成され、感光体ドラム413に対して各色成分の画像に対応するレーザー光を照射する。感光体ドラム413にレーザー光を照射すると、感光体ドラム413の電荷発生層で正電荷が発生し、電荷輸送層の表面まで輸送される。そして、感光体ドラム413の表面電荷(負電荷)が中和される。感光体ドラム413の表面には、周囲との電位差により各色成分の静電潜像が形成される。
現像装置412は、各色成分の現像剤を収容している。現像剤は、例えば、小粒径のトナーとキャリアーとからなる二成分現像剤である。現像装置412は、感光体ドラム413の表面に各色成分のトナーを付着させることにより静電潜像を可視化してトナー像を形成する。なお、トナーは、1成分トナーであっても良い。
ドラムクリーニング装置415は、感光体ドラム413の表面に摺接されるドラムクリーニングブレードを有する。一次転写後に感光体ドラム413の表面に残存する転写残トナーは、ドラムクリーニングブレードによって掻き取られ、除去される。
中間転写ユニット42は、中間転写体となる中間転写ベルト421、一次転写ローラー422、二次転写ローラー423、駆動ローラー424、従動ローラー425およびベルトクリーニング装置426等を備える。なお、中間転写ベルト421は、本発明の像担持体として機能する。
中間転写ベルト421は、無端状ベルトで構成され、駆動ローラー424および従動ローラー425に張架される。中間転写ベルト421は、駆動ローラー424の回転により矢印A方向に一定速度で走行する。一次転写ローラー422によって、中間転写ベルト421が感光体ドラム413に圧接されると、中間転写ベルト421に各色トナー像が順次重ねて一次転写される。そして、中間転写ベルト421が二次転写ローラー423によって用紙Sに圧接されると、中間転写ベルト421に一次転写されたトナー像が用紙Sに二次転写される。
ベルトクリーニング装置426は、中間転写ベルト421の表面に摺接されるベルトクリーニングブレードを有する。二次転写後に中間転写ベルト421の表面に残存する転写残トナーは、ベルトクリーニングブレードによって掻き取られ、除去される。
濃度検出センサー43は、トナー像が用紙Sに二次転写される二次転写位置よりも中間転写ベルト421の走行方向上流側に、中間転写ベルト421に対向して配置される。図3に示すように、濃度検出センサー43は、例えば中間転写ベルト421の幅方向の両側部のそれぞれに対向して2つ配置される。中間転写ベルト421の幅方向は、中間転写ベルト421の走行方向と直交する方向である。濃度検出センサー43は、中間転写ベルト421表面の色の濃度を検出する。具体的には、濃度検出センサー43は、中間転写ベルト421の幅方向の両側部である非画像形成領域に位置する第1の検出対象領域500および第2の検出対象領域510の濃度を検出する。図3において、画像形成領域は、入力画像データに基づいて、画像形成ユニット41によりトナー像が形成され得る領域である。非画像形成領域は、画像形成ユニット41によりトナー像が形成されない領域である。
濃度検出センサー43には、例えば、発光ダイオード(LED:Light Emitting Diode)などの発光素子と、フォトダイオード(PD:Photodiode)などの受光素子とを備え、トナーパターンの濃度を反射濃度として検出する反射型の光センサーを適用することができる。トナーパターンの反射濃度は、検出対象物への入射光量をI0、検出対象物からの反射光量をIとしたとき、−log(I/I0)で表される。なお、濃度検出センサー43は、本発明の濃度検出部として機能する。
中間転写ベルト421上に形成されたトナー像の濃度が高い像ほど反射光量Iは小さく、濃度検出センサー43から出力されるセンサー出力値(反射濃度)は大きくなる。トナー像の濃度が高い像は、例えば、最高濃度の黒ベタ画像である。逆に、中間転写ベルト421上に形成されたトナー像の濃度が低い像ほど反射光量Iは大きく、濃度検出センサー43から出力されるセンサー出力値は小さくなる。トナー像の濃度が低い像は、例えば、白ベタ画像または、トナー像が形成されない中間転写ベルト421のベース面である。
なお、濃度検出センサー43の数、配置は上述した態様に限定されない。つまり、中間転写ベルト421上の第1の検出対象領域500および第2の検出対象領域510の濃度を検出できればよい。例えば、濃度検出センサー43の数は1つでも良い。この場合は、第1の検出対象領域500および第2の検出対象領域510の両方の濃度を1つのセンサーで検出する必要がある。そのため、濃度検出センサー43の検出可能範囲を考慮し、中間転写ベルト421の幅方向において第1の検出対象領域500と第2の検出対象領域510との間の距離をなるべく近づけるのが望ましい。例えば、第1の検出対象領域500と第2の検出対象領域510とを中間転写ベルト421の幅方向の両側部である非画像形成領域の一方に形成する。また、中間転写ベルト421が透光性の材料で構成されている場合には、濃度検出センサー43として、発光素子と受光素子とが中間転写ベルト421を挟んで対向配置される透過型の光センサーを適用することができる。
定着部60は、ベルト加熱方式により構成される。すなわち、定着部60は、定着ニップ部を形成する上側加圧部と下側加圧部とを有する。上側加圧部は、加熱ローラーと定着ローラーとを有する。加熱ローラーと定着ローラーとの間には、無端状の定着ベルトが所定のベルト張力で張架されている。下側加圧部は、加圧ローラーを有する。加圧ローラーは定着ベルトを介して定着ローラーに所定の定着荷重で押圧される。このようにして、定着ローラーと加圧ローラーとの間には、用紙Sを狭持して搬送する定着ニップ部が形成される。定着部60は、搬送されてきた用紙Sを定着ニップ部で加熱、加圧することにより、用紙Sにトナー像を定着させる。
搬送部50は、給紙部51、搬送機構52および排紙部53等を備える。給紙部51を構成する2つの給紙トレイユニット51a、51bには、坪量やサイズ等に基づいて識別された用紙S(例えば、規格用紙または特殊用紙)が予め設定された種類ごとに収容される。
給紙トレイユニット51a、51bに収容されている用紙Sは、最上部から一枚ずつ送出され、レジストローラー52a等の複数の搬送ローラーを備えた搬送機構52により画像形成部40に搬送される。このとき、レジストローラー52aが配設されたレジスト部により、給紙された用紙Sの傾きが補正されるとともに搬送タイミングが調整される。そして、画像形成部40において、中間転写ベルト421のトナー像が用紙Sの画像形成面に一括して二次転写され、定着部60において定着処理が行われる。定着処理が行われた用紙Sは、排紙ローラー53aを備えた排紙部53により画像形成装置1の外に排紙される。
このように、画像形成装置1は、画像形成部40において、入力画像データに基づいて、露光装置411により感光体ドラム413に静電潜像を形成させ、現像装置412により感光体ドラム413にトナーを付着させることにより静電潜像を現像してトナー像を形成し、感光体ドラム413に形成されたトナー像を中間転写ベルト421に転写させる。
また、画像形成装置1は、濃度検出センサー43を備えている。この濃度検出センサー43は、中間転写ベルト421上の第1の検出対象領域500および第2の検出対象領域510の濃度を検出する。画像形成装置1は、階調補正部(画像処理部30および制御部10)を備えている。階調補正部は、濃度検出センサー43による検出結果に基づいて階調補正データを生成し、この生成された階調補正データを用いて階調補正を行う。
次に、濃度検出センサー43により濃度が検出される第1の検出対象領域500および第2の検出対象領域510の詳細について説明する。図3に示すように、第2の検出対象領域510は、中間転写ベルト421の幅方向において第1の検出対象領域500と異なり、中間転写ベルト421の走行方向において第1の検出対象領域500と同じ位置に位置する。第1の検出対象領域500および第2の検出対象領域510の幅は、各検出対象領域500、510の濃度が濃度検出センサー43により精度良く検出されるように、濃度検出センサー43の検出幅以上に設定される。
第1の検出対象領域500には、図4(a)に示すように、中間転写ベルト421の走行方向に沿って、10個の階調パッチP1〜P10が画像形成部40により連続して転写される。
階調パッチP1〜P10は、階調補正データを生成するための階調パッチであり、濃度が段階的に変化する。
本実施の形態では、階調パッチP1〜P10を形成するための入力画像の濃度である入力階調値が、濃淡変化を256階調で表現したとき、0(白ベタ)から255(黒ベタ)に段階的に変化する。すなわち、複数の階調パッチP1〜P10が、中間転写ベルト421の走行方向の下流(先に形成される側)から上流(後で形成される側)に向かって濃度が低くなるように配置されている。
階調パッチP1〜P10は、先頭の階調パッチP10から順次、濃度検出センサー43により反射濃度を検出される。反射濃度は、中間転写ベルト421表面の色の濃度に相当する。
第2の検出対象領域510には、図4(b)に示すように、中間転写ベルト421の走行方向に沿って、10個の基準パッチP11〜P20が画像形成部40により連続して転写される。
基準パッチP11〜P20は、中間転写ベルト421の走行方向において画像ムラが発生しているか否かを判定するためのパッチであり、同一の濃度(入力階調値)で形成される。ここでは、基準パッチP11〜P20として、最高濃度(入力階調値が255)の黒ベタ画像を用いる。画像ムラが発生していると判定された場合、基準パッチP11〜P20は、階調パッチP1〜P10とともに、階調補正データを生成するために利用される。
基準パッチP11〜P20は、先頭の基準パッチP20から順次、濃度検出センサー43により反射濃度を検出される。
基準パッチP11〜P20の反射濃度に基づいて、画像ムラが発生しているか否かを判定することができる。画像ムラが発生していない場合は、基準パッチP11〜P20の反射濃度がほぼ同等となるのに対して、画像ムラが発生している場合は、基準パッチP11〜P20の反射濃度が大きくばらつくためである。特に、高濃度の画像は、画像ムラの影響を受けやすい傾向にある。そこで、本実施の形態では、基準パッチP11〜P20として、最高濃度の黒ベタ画像を用いている。よって、画像ムラが発生しているか否かを容易に判定することができる。
画像ムラが発生している場合、濃度検出センサー43による階調パッチP1〜P10の検出結果から得られる画像形成部40の階調特性は、画像ムラが発生していない場合の検出結果から得られる階調特性とは異なり、正確な階調特性とはいえない。この階調特性に基づいて階調補正を行っても、適切な画像安定化制御とならない。
そこで、本実施の形態では、画像ムラが発生している場合には、濃度検出センサー43による階調パッチP1〜P10の検出結果だけでなく、濃度検出センサー43による基準パッチP11〜P20の検出結果も利用し、画像形成部40の正確な階調特性を取得した上で、適切な階調補正データを生成する階調補正データ生成処理を行う。具体的には、図5に示すフローチャートに従って、階調補正データ生成処理が行われる。
図5に示す階調補正データ生成処理は、例えば画像形成装置1の電源が投入されることに伴い、CPU11がROM12に格納されている所定のプログラムを実行することにより実現される。また、この階調補正データ生成処理は、前回の階調補正データ生成後、所定時間経過したとき、所定枚数の画像形成が完了したとき、またはスリープモード(省電力モード)から復帰したとき等、定期的に行われるのが望ましい。
まず、制御部10は、画像形成ユニット41Kを制御することにより、階調パッチP1〜P10を中間転写ベルト421上の第1の検出対象領域500に形成させる(ステップS100)。階調パッチP1〜P10の画像データは、例えばROM12に記憶されている。
次に、制御部10は、画像形成ユニット41Kを制御することにより、基準パッチP11〜P20を中間転写ベルト421上の第2の検出対象領域510に形成させる(ステップS120)。基準パッチP11〜P20の画像データは、例えばROM12に記憶されている。
次に、制御部10は、濃度検出センサー43による階調パッチP1〜P10、基準パッチP11〜P20の検出結果を取得する(ステップS140)。取得された検出結果は、一時的にRAM13に記憶される。中間転写ベルト421上に形成された階調パッチP1〜P10、基準パッチP11〜P20は、濃度検出センサー43の検出領域を通過した後、ベルトクリーニング装置426により除去される。
次に、制御部10は、基準パッチP11〜P20の反射濃度に基づいて、中間転写ベルト421の走行方向において画像ムラが発生しているか否かについて判定する(ステップS160)。例えば、制御部10は、基準パッチP11〜P20の反射濃度の平均値を算出し、その算出した平均値から所定値以上外れた反射濃度を有する基準パッチが1つでも存在する場合、画像ムラが発生していると判定する。
もし、画像ムラが発生していると制御部10にて判定された場合(ステップS160にてYES)、制御部10は、ステップS140における検出結果に基づいて、階調パッチP1〜P10の出力階調値を算出する(ステップS180)。具体的には、制御部10は、階調パッチP1〜10の反射濃度CPn(CP1〜CP10)について、基準パッチP11〜20の反射濃度CP(n+10)(CP11〜CP20)を使用することにより、階調パッチP10(黒ベタ)の規格化値が0、階調パッチP1(白ベタ)の規格化値が255で表されるように、下式(1)に従って8ビットで規格化して出力階調値を算出する。
出力階調値={(CPn−CP(n+10))/(CP1−CP(n+10))}×255 ・・・(1)
例えば、階調パッチP5の出力階調値を算出する場合には、階調パッチP5の反射濃度CP5を下式(2)に従って8ビットで規格化して算出する。
出力階調値={(CP5−CP15)/(CP1−CP15)}×255 ・・・(2)
また、階調パッチP8の出力階調値を算出する場合には、階調パッチP8の反射濃度CP8を下式(3)に従って8ビットで規格化して算出する。
出力階調値={(CP8−CP18)/(CP1−CP18)}×255 ・・・(3)
以上のように、階調パッチP1〜P10の出力階調値を算出する場合、中間転写ベルト421の走行方向において算出対象の階調パッチと同じ位置に位置する基準パッチの反射濃度を用いている。これは、画像ムラが発生している場合、中間転写ベルト421の走行方向において同じ位置に位置する階調パッチおよび基準パッチは同様の画像ムラの影響を受けると考えられるためである。なお、階調パッチP1〜P10の出力階調値を算出する場合、階調パッチP1の反射濃度CP1を共通して使用している。これは、最低濃度の階調パッチP1が画像ムラの影響をほとんど受けないためである。
一方、画像ムラが発生していないと判定された場合(ステップS160にてNO)、制御部10は、ステップS140における検出結果に基づいて、階調パッチP1〜P10の出力階調値を算出する(ステップS200)。具体的には、制御部10は、反射濃度を出力階調値に変換する変換テーブルを参照することにより、階調パッチP1〜10の反射濃度CPn(CP1〜CP10)から階調パッチP1〜P10の出力階調値を算出する。変換テーブルは、例えばROM12に記憶されている。
ステップS220では、制御部10は、階調パッチP1〜P10の入力階調値と、ステップS180またはS200において算出された出力階調値とを対応付けて、階調特性曲線を生成する。この階調特性曲線は、例えば図6の曲線L1で表される。
次に、制御部10は、ステップS220で生成された階調特性曲線L1に基づいて、入力画像の階調値を出力画像に忠実に再現させる、すなわち図6に示す目標階調特性L0が得られるように入力画像の階調値を補正するためのガンマ補正曲線L2を生成する(ステップS240)。この階調補正曲線L2は、目標階調特性L0に関して階調特性曲線L1と線対称な曲線で表される。入力階調値をx、出力階調値をyとし、階調特性曲線L1をy=f(x)で表した場合、目標階調特性L0はy=xとなるので、階調補正曲線L2は階調特性曲線L1の逆関数(y=f-1(x))となる。
最後に、制御部10は、ステップS240で生成された階調補正曲線L2に基づいて、入力階調値と、この入力階調値が補正されるべき補正階調値と、を対応付けた階調補正データにより階調補正テーブルを生成して更新する(ステップS260)。階調補正データは、例えばRAM13に記憶される。以降の画像形成時には、更新された階調補正データを参照して階調補正が行われ、補正階調値に基づいて画像形成条件が決定される。ステップS260の処理が完了することによって、画像形成装置1は、階調補正データ生成処理を終了する。
以上詳しく説明したように、第1の実施の形態では、中間転写ベルト421の走行方向に沿って、それぞれ濃度が異なる複数の階調パッチP1〜P10を第1の検出対象領域500に転写し、基準パッチP11〜P20を第2の検出対象領域510に転写する。濃度検出センサー43は、第1の検出対象領域500に位置する階調パッチP1〜P10の反射濃度と第2の検出対象領域510に位置する基準パッチP11〜P20の反射濃度とを検出する。そして、基準パッチP11〜P20の反射濃度に基づいて、階調パッチP1〜P10の反射濃度から算出される階調パッチP1〜P10の出力階調値を補正し、当該補正した出力階調値と階調パッチP1〜P10の入力階調値とから画像形成部40の階調特性を取得して、当該取得した階調特性に基づく階調補正データを生成する。
このように構成した第1の実施の形態によれば、中間転写ベルト421の走行方向において画像ムラが発生している場合、画像ムラの影響を受けやすい基準パッチP11〜P20の反射濃度を使用することにより、階調パッチP1〜P10間でばらつく画像ムラの影響をキャンセルして、階調パッチP1〜P10の出力階調値を正しく算出することができる。その結果から得られる階調特性は、画像ムラが発生していない場合の検出結果から得られる階調特性に近いものとなる。それゆえ、この階調特性に基づいて階調補正を行うことによって適切な画像安定化制御を行うことができる。
また、第1の実施の形態では、画像ムラが発生しているか否かについて判定し、発生していると判定した場合に限り、階調パッチP1〜P10の反射濃度と基準パッチP11〜P20の反射濃度とに基づいて階調パッチP1〜P10の出力階調値を算出する。これにより、画像ムラが発生していない場合、階調パッチP1〜P10の出力階調値を算出するとき、基準パッチP11〜P20の反射濃度を利用して画像ムラの影響をキャンセルするための計算処理を不必要に行うことを防止することができる。
また、第1の実施の形態では、濃度検出センサー43は、階調パッチP1〜P10の反射濃度と基準パッチP11〜P20の反射濃度とを同時に検出する。これにより、階調パッチP1〜P10の出力階調値を算出するために必要な階調パッチP1〜P10および基準パッチP11〜P20の反射濃度を短い時間で取得することができ、ひいては階調補正処理を短い時間で行うことができる。
また、第1の実施の形態では、第1の検出対象領域500および第2の検出対象領域510が、中間転写ベルト421の幅方向の両側部である非画像形成領域に位置する。これにより、画像形成処理が行われている場合でも、上述の階調補正処理を行うことができる。
なお、上記第1の実施の形態では、基準パッチP11〜P20の濃度が最高濃度である例について説明したが、中間調の濃度であってもよい。ただし、階調パッチP1〜P10の出力階調値を算出する場合、画像ムラの影響を効果的にキャンセルするためには、画像ムラの影響を最も受けやすい最高濃度であることが望ましい。
また、上記第1の実施の形態において、基準パッチP11〜P20の配置位置は、第1の実施の形態で示した位置に限定されない。要は、階調パッチP1〜P10および基準パッチP11〜P20が、中間転写ベルト421の走行方向においてそれぞれ同じ位置に位置していれば良い。
また、上記第1の実施の形態では、画像ムラが発生していると判定した場合に限り、階調パッチP1〜P10の反射濃度と基準パッチP11〜P20の反射濃度とに基づいて階調パッチP1〜P10の出力階調値を算出する例について説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、画像ムラが発生していないと判定した場合でも、階調パッチP1〜P10の反射濃度と基準パッチP11〜P20の反射濃度とに基づき、上式(1)に従って出力階調値を算出しても良い。
また、上記第1の実施の形態では、階調パッチP1〜P10の反射濃度と基準パッチP11〜P20の反射濃度とを同時に検出する例について説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、中間転写ベルト421の1周目において階調パッチP1〜P10の反射濃度を検出する一方、中間転写ベルト421の2周目において基準パッチP11〜P20の反射濃度を検出するようにしても良い。ただし、階調補正処理を短い時間で行う観点からは、階調パッチP1〜P10および基準パッチP11〜P20の反射濃度を短い時間で取得することが望まれ、階調パッチP1〜P10の反射濃度と基準パッチP11〜P20の反射濃度とを同時に検出する方が好ましい。
また、上記第1の実施の形態では、画像形成ユニット41Kを制御することにより、階調パッチP1〜P10および基準パッチP11〜P20を中間転写ベルト421上に形成させる例について説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、画像形成ユニット41C,41M,41Yの何れかを制御することにより、階調パッチP1〜P10および基準パッチP11〜P20を中間転写ベルト421上に形成させるようにしても良い。
第1の実施の形態では、中間転写ベルト421の走行方向において画像ムラが発生している場合に好適な階調補正の手法として、階調パッチP1〜P10の反射濃度と基準パッチP11〜P20の反射濃度とを使用して画像形成部40の階調特性を求めることについて説明した。
(第2の実施の形態)
第2の実施の形態は、中間転写ベルト421の走行方向において反射ムラが発生している場合に好適な手法を開示する。画像形成装置1の基本構成については、第1の実施の形態と同様であるので説明を省略する。
図7は、第2の実施の形態で用いるパッチ群の構成を示す図である。図3で示した第1の検出対象領域500には、図7(a)に示すように、中間転写ベルト421の走行方向に沿って、10個の階調パッチP1〜P10が画像形成部40により連続して転写される。階調パッチP1〜P10は、第1の実施の形態で説明したものと同様であるので説明を省略する。
第2の検出対象領域510には、図7(b)に示すように、中間転写ベルト421の走行方向に沿って、10個の基準パッチP21〜P30が形成される。基準パッチP21〜P30は、中間転写ベルト421の走行方向において反射ムラが発生しているか否かを判定するためのパッチであり、同一の濃度で形成される。ここでは、基準パッチP21〜P30として、最低濃度(入力階調値が0)である中間転写ベルト421のベース面を用いる。言い換えると、基準パッチP21〜P30は、画像形成部40によって実際にはトナー像が転写されない領域である。反射ムラが発生していると判定された場合、基準パッチP21〜P30は、階調パッチP1〜P10とともに、階調補正データを生成するために利用される。
基準パッチP21〜P30は、先頭の基準パッチP30から順次、濃度検出センサー43により反射濃度を検出される。
基準パッチP21〜P30の反射濃度に基づいて、中間転写ベルト421の走行方向において反射ムラが発生しているか否かを判定することができる。反射ムラが発生しない場合は、基準パッチP21〜P30の反射濃度がほぼ同等となるのに対して、反射ムラが発生する場合は、基準パッチP21〜P30の反射濃度が大きくばらつくためである。特に、低濃度の画像は、反射ムラの影響を受けやすい傾向にある。そこで、本実施の形態では、基準パッチP21〜P30として、最低濃度である中間転写ベルト421のベース面を用いている。よって、反射ムラが発生しているか否かを容易に判定することができる。
反射ムラが発生している場合、濃度検出センサー43による階調パッチP1〜P10の検出結果から得られる画像形成部40の階調特性は、反射ムラが発生していない場合の検出結果から得られる階調特性とは異なり、正確な階調特性とはいえない。この階調特性に基づいて階調補正を行っても、適切な画像安定化制御とならない。
そこで、本実施の形態では、反射ムラが発生している場合には、濃度検出センサー43による階調パッチP1〜P10の検出結果だけでなく、濃度検出センサー43による基準パッチP11〜P20の検出結果も利用し、画像形成部40の正確な階調特性を取得した上で、適切な階調補正データを生成する階調補正データ生成処理を行う。具体的には、図8に示すフローチャートに従って、階調補正データ生成処理が行われる。
図8に示す階調補正データ生成処理は、例えば画像形成装置1の電源が投入されることに伴い、CPU11がROM12に格納されている所定のプログラムを実行することにより実現される。また、この階調補正データ生成処理は、前回の階調補正データ生成後、所定時間経過したとき、所定枚数の画像形成が完了したとき、またはスリープモードから復帰したとき等、定期的に行われるのが望ましい。
まず、制御部10は、画像形成ユニット41Kを制御することにより、階調パッチP1〜P10を中間転写ベルト421上の第1の検出対象領域500に形成させる(ステップS500)。階調パッチP1〜P10の画像データは、例えばROM12に記憶されている。なお、第1の実施の形態とは異なり、第2の検出対象領域510には、画像形成部40によりトナー像が転写されない。つまり、第2の検出対象領域510を構成する基準パッチP21〜P30として、最低濃度である中間転写ベルト421のベース面が用いられる。
次に、制御部10は、濃度検出センサー43による階調パッチP1〜P10、基準パッチP21〜P30の検出結果を取得する(ステップS520)。取得された検出結果は、一時的にRAM13に記憶される。中間転写ベルト421上に形成された階調パッチP1〜P10、基準パッチP21〜P30は、濃度検出センサー43の検出領域を通過した後、ベルトクリーニング装置426により除去される。
次に、制御部10は、基準パッチP21〜P30の反射濃度に基づいて、中間転写ベルト421の走行方向において反射ムラが発生しているか否かについて判定する(ステップS540)。例えば、制御部10は、基準パッチP21〜P30の反射濃度の平均値を算出し、その算出した平均値から所定値以上外れた反射濃度を有する基準パッチが1つでも存在する場合、反射ムラが発生していると判定する。
もし、反射ムラが発生していると制御部10にて判定された場合(ステップS540にてYES)、制御部10は、ステップS520における検出結果に基づいて、階調パッチP1〜P10の出力階調値を算出する(ステップS560)。具体的には、制御部10は、各階調パッチP1〜10の反射濃度CPn(CP1〜CP10)について、基準パッチP21〜30の反射濃度CP(n+20)(CP21〜CP30)を使用することにより、階調パッチP10(黒ベタ)の規格化値が0、階調パッチP1(白ベタ)の規格化値が255で表されるように、反射ムラの影響をキャンセルしつつ、下式(5)に従って8ビットで規格化して出力階調値を算出する。
出力階調値={(CPn−CP10)/(CP(n+20)−CP10)}×255 ・・・(5)
例えば、階調パッチP5の出力階調値を算出する場合には、階調パッチP5の反射濃度CP5を下式(6)に従って8ビットで規格化して算出する。
出力階調値={(CP5−CP10)/(CP25−CP10)}×255 ・・・(6)
また、階調パッチP8の出力階調値を算出する場合には、階調パッチP8の反射濃度CP8を下式(7)に従って8ビットで規格化して算出する。
出力階調値={(CP8−CP10)/(CP28−CP10)}×255 ・・・(7)
以上のように、階調パッチP1〜P10の出力階調値を算出する場合、中間転写ベルト421の走行方向において算出対象の階調パッチと同じ位置に位置する基準パッチの反射濃度を用いている。これは、反射ムラが発生している場合、中間転写ベルト421の走行方向において同じ位置に位置する階調パッチおよび基準パッチは同様の反射ムラの影響を受けると考えられるためである。なお、階調パッチP1〜P10の出力階調値を算出する場合、階調パッチP10の反射濃度CP10を共通して使用している。これは、最高濃度の階調パッチP10は反射ムラの影響をほとんど受けないためである。
一方、反射ムラが発生していないと判定された場合(ステップS540にてNO)、制御部10は、ステップS520における検出結果に基づいて、階調パッチP1〜P10の出力階調値を算出する(ステップS580)。具体的には、制御部10は、反射濃度を出力階調値に変換する変換テーブルを参照することにより、階調パッチP1〜10の反射濃度CPn(CP1〜CP10)から階調パッチP1〜P10の出力階調値を算出する。変換テーブルは、例えばROM12に記憶されている。
ステップS600では、制御部10は、階調パッチP1〜P10の入力階調値と、ステップS560またはS580において算出された出力階調値とを対応付けて、階調特性曲線を生成する。この階調特性曲線は、例えば図6の曲線L1で表される。以下、ステップS620およびS640における処理は、第1の実施の形態で説明したステップS240およびS260と同様であるので説明を省略する。
以上詳しく説明したように、第2の実施の形態では、中間転写ベルト421の走行方向に沿って、それぞれ濃度が異なる複数の階調パッチP1〜P10を第1の検出対象領域500に転写し、基準パッチP21〜P30を第2の検出対象領域510に転写する。濃度検出センサー43は、第1の検出対象領域500に位置する階調パッチP1〜P10の反射濃度と第2の検出対象領域510に位置する基準パッチP21〜P30の反射濃度とを検出する。そして、基準パッチP21〜P30の反射濃度に基づいて、階調パッチP1〜P10の反射濃度から算出される階調パッチP1〜P10の出力階調値を補正し、当該補正した出力階調値と階調パッチP1〜P10の入力階調値とから画像形成部40の階調特性を取得して、当該取得した階調特性に基づく階調補正データを生成する。
このように構成した第2の実施の形態によれば、中間転写ベルト421の走行方向において反射ムラが発生している場合、反射ムラの影響を受けやすい基準パッチP21〜P30の反射濃度を使用することにより、階調パッチP1〜P10間でばらつく反射ムラの影響をキャンセルして、階調パッチP1〜P10の出力階調値を正しく算出することができる。その結果から得られる階調特性は、画像ムラが発生していない場合の検出結果から得られる階調特性に近いものとなる。それゆえ、この階調特性に基づいて階調補正を行うことによって適切な画像安定化制御を行うことができる。
なお、上記第2の実施の形態では、基準パッチP21〜P30の濃度が最低濃度である例について説明したが、中間調の濃度であってもよい。ただし、階調パッチP1〜P10の出力階調値を算出する場合、反射ムラの影響を効果的にキャンセルするためには、反射ムラの影響を最も受けやすい最低濃度であることが望ましい。
また、上記第2の実施の形態において、基準パッチP21〜P30の配置位置は、第2の実施の形態で示した位置に限定されない。要は、階調パッチP1〜P10および基準パッチP21〜P30が、中間転写ベルト421の走行方向においてそれぞれ同じ位置に位置していれば良い。
また、上記第2の実施の形態では、反射ムラが発生していると判定した場合に限り、階調パッチP1〜P10の反射濃度と基準パッチP21〜P30の反射濃度とに基づいて階調パッチP1〜P10の出力階調値を算出する例について説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、反射ムラが発生していないと判定した場合でも、階調パッチP1〜P10の反射濃度と基準パッチP21〜P30の反射濃度とに基づき、上式(5)に従って出力階調値を算出しても良い。
また、上記第2の実施の形態では、画像形成ユニット41Kを制御することにより、階調パッチP1〜P10を中間転写ベルト421上に形成させる例について説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、画像形成ユニット41C,41M,41Yの何れかを制御することにより、階調パッチP1〜P10を中間転写ベルト421上に形成させるようにしても良い。
第2の実施の形態では、中間転写ベルト421の走行方向において反射ムラが発生している場合に好適な階調補正の手法として、階調パッチP1〜P10の反射濃度と基準パッチP21〜P30の反射濃度とを使用して画像形成部40の階調特性を求めることについて説明した。
(第3の実施の形態)
第3の実施の形態は、中間転写ベルト421の走行方向において画像ムラおよび反射ムラの少なくとも何れかが発生している場合に好適な階調補正の手法を開示する。画像形成装置1の基本構成については、第1の実施の形態、第2の実施の形態と同様であるので説明を省略する。
図9は、第3の実施の形態で用いるパッチ群の構成を示す図である。図3で示した第1の検出対象領域500には、図9(a)に示すように、中間転写ベルト421の走行方向に沿って、10個の階調パッチP1〜P10が画像形成部40により連続して転写される。階調パッチP1〜P10は、第1の実施の形態で説明したものと同様であるので説明を省略する。
第2の検出対象領域510には、図9(b)に示すように、中間転写ベルト421の走行方向に沿って、10個の基準パッチP31〜P40が形成される。基準パッチP31〜P40は、中間転写ベルト421の走行方向において画像ムラおよび反射ムラの少なくとも何れかが発生しているか否かを判定するためのパッチである。パッチP31〜P40の各々は、画像形成部40により最高濃度の黒ベタ画像が転写される領域(以下、最高濃度領域と称する)と、画像形成部40によりトナー像が転写されない領域(以下、最低濃度領域と称する)とを有する。本実施の形態では、最低濃度領域は、最低濃度である中間転写ベルト421のベース面の領域である。画像ムラおよび反射ムラの少なくとも何れかが発生していると判定された場合、基準パッチP31〜P40は、階調パッチP1〜P10とともに、階調補正データを生成するために利用される。
基準パッチP31〜P40における最高濃度領域および最低濃度領域は、先頭の基準パッチP40から順次、濃度検出センサー43により反射濃度を検出される。
基準パッチP31〜P40における最高濃度領域の反射濃度に基づいて、中間転写ベルト421の走行方向において画像ムラが発生しているか否かを判定することができる。画像ムラが発生しない場合は、基準パッチP31〜P40における最高濃度領域の反射濃度がほぼ同等となるのに対して、画像ムラが発生する場合は、基準パッチP31〜P40における最高濃度領域の反射濃度が大きくばらつくためである。特に、高濃度の画像は、画像ムラの影響を受けやすい傾向にある。そこで、本実施の形態では、基準パッチP31〜P40の最高濃度領域として最高濃度の黒ベタ画像を用いている。よって、画像ムラが発生しているか否かを容易に判定することができる。
また、基準パッチP31〜P40における最低濃度領域の反射濃度に基づいて、中間転写ベルト421の走行方向において反射ムラが発生しているか否かを判定することができる。反射ムラが発生しない場合は、基準パッチP31〜P40における最低濃度領域の反射濃度がほぼ同等となるのに対して、反射ムラが発生する場合は、基準パッチP31〜P40における最低濃度領域の反射濃度が大きくばらつくためである。特に、低濃度の画像は、反射ムラの影響を受けやすい。そこで、本実施の形態では、基準パッチP31〜P40の最低濃度領域として最低濃度である中間転写ベルト421のベース面を用いている。よって、中間転写ベルト421の走行方向において反射ムラが発生しているか否かを容易に判定することができる。
中間転写ベルト421の走行方向において画像ムラおよび反射ムラの少なくとも何れかが発生している場合、階調パッチP1〜P10の検出結果から得られる画像形成部40の階調特性は、画像ムラおよび反射ムラの何れも発生していない場合の検出結果から得られる階調特性とは異なり、正確な階調特性とはいえない。この階調特性に基づいて階調補正を行っても、適切な画像安定化制御とならない。
そこで、本実施の形態では、画像ムラおよび反射ムラの少なくとも何れかが発生している場合には、濃度検出センサー43による階調パッチP1〜P10の検出結果だけでなく、濃度検出センサー43による基準パッチP31〜P40の検出結果も利用し、画像形成部40の正確な階調特性を取得した上で、適切な階調補正データを生成する階調補正データ生成処理を行う。具体的には、図10に示すフローチャートに従って、階調補正データ生成処理が行われる。
図10に示す階調補正データ生成処理は、例えば画像形成装置1の電源が投入されることに伴い、CPU11がROM12に格納されている所定のプログラムを実行することにより実現される。また、この階調補正データ生成処理は、前回の階調補正データ生成後、所定時間経過したとき、所定枚数の画像形成が完了したとき、またはスリープモードから復帰したとき等、定期的に行われるのが望ましい。
まず、制御部10は、画像形成ユニット41Kを制御することにより、階調パッチP1〜P10を中間転写ベルト421上の第1の検出対象領域500に形成させる(ステップS700)。階調パッチP1〜P10の画像データは、例えばROM12に記憶されている。
次に、制御部10は、画像形成ユニット41Kを制御することにより、基準パッチP31〜P40を中間転写ベルト421上の第2の検出対象領域510に形成させる(ステップS720)。基準パッチP31〜P40の画像データは、例えばROM12に記憶されている。
次に、制御部10は、濃度検出センサー43による階調パッチP1〜P10、基準P31〜P40の検出結果を取得する(ステップS740)。取得された検出結果は、一時的にRAM13に記憶される。中間転写ベルト421上に形成された階調パッチP1〜P10、基準パッチP31〜P40は、濃度検出センサー43の検出領域を通過した後、ベルトクリーニング装置426により除去される。
次に、制御部10は、基準パッチP31〜P40の反射濃度に基づいて、中間転写ベルト421の走行方向において画像ムラおよび反射ムラの両方が発生しているか否かについて判定する(ステップS760)。例えば、制御部10は、基準パッチP31〜P40における最高濃度領域の反射濃度の平均値を算出し、その算出した平均値から所定値以上外れた反射濃度を有する基準パッチが1つでも存在する場合、画像ムラが発生していると判定する。また、制御部10は、基準パッチP31〜P40における最低濃度領域の反射濃度の平均値を算出し、その算出した平均値から所定値以上外れた反射濃度を有する基準パッチが1つでも存在する場合、反射ムラが発生していると判定する。
もし、画像ムラおよび反射ムラの両方が発生していると制御部10にて判定された場合(ステップS760にてYES)、制御部10は、ステップS740における検出結果に基づいて、階調パッチP1〜P10の出力階調値を算出する(ステップS820)。具体的には、制御部10は、階調パッチP1〜10の反射濃度CPn(CP1〜CP10)について、基準パッチP31〜40における最高濃度領域の反射濃度CPB(n+30)(CPB31〜CPB40)、最低濃度領域の反射濃度CPC(n+30)(CPC31〜CPC40)を使用することにより、階調パッチP10(黒ベタ)の規格化値が0、階調パッチP1(白ベタ)の規格化値が255で表されるように、下式(9)に従って8ビットで規格化して出力階調値を算出する。
出力階調値={(CPn−CPB(n+30))/(CPC(n+30)−CPB(n+30))}×255 ・・・(9)
例えば、階調パッチP5の出力階調値を算出する場合には、階調パッチP5の反射濃度CP5を下式(91)に従って8ビットで規格化して算出する。
出力階調値={(CP5−CPB35)/(CPC35−CPB35)}×255 ・・・(91)
また、階調パッチP8の出力階調値を算出する場合には、階調パッチP8の反射濃度CP8を下式(92)に従って8ビットで規格化して算出する。
出力階調値={(CP8−CPB38)/(CPC38−CPB38)}×255 ・・・(92)
以上のように、階調パッチP1〜P10の出力階調値を算出する場合、中間転写ベルト421の走行方向において算出対象の階調パッチと同じ位置に位置する基準パッチの反射濃度を用いている。これは、画像ムラおよび反射ムラが発生している場合、中間転写ベルト421の走行方向において同じ位置に位置する階調パッチおよび基準パッチは同様の画像ムラおよび反射ムラの影響を受けると考えられるためである。
一方、画像ムラおよび反射ムラの両方が発生していないと判定された場合(ステップS760にてNO)、制御部10は、画像ムラのみが発生しているか否かについて判定する(ステップS780)。もし、画像ムラのみが発生していると制御部10にて判定された場合(ステップS780にてYES)、制御部10は、ステップS740における検出結果に基づいて、階調パッチP1〜P10の出力階調値を算出する(ステップS840)。具体的には、制御部10は、各階調パッチP1〜10の反射濃度CPn(CP1〜CP10)について、基準パッチP31〜40における最高濃度領域の反射濃度CPB(n+30)(CPB31〜CPB40)を使用することにより、階調パッチP10の規格化値が0、階調パッチP1の規格化値が255で表されるように、下式(10)に従って8ビットで規格化して出力階調値を算出する。
出力階調値={(CPn−CPB(n+30))/(CP1−CPB(n+30))}×255 ・・・(10)
例えば、階調パッチP5の出力階調値を算出する場合には、階調パッチP5の反射濃度CP5を下式(101)に従って8ビットで規格化して算出する。
出力階調値={(CP5−CPB35)/(CP1−CPB35)}×255 ・・・(101)
また、階調パッチP8の出力階調値を算出する場合には、階調パッチP8の反射濃度CP8を下式(102)に従って8ビットで規格化して算出する。
出力階調値={(CP8−CPB38)/(CP1−CPB38)}×255 ・・・(102)
以上のように、階調パッチP1〜P10の出力階調値を算出する場合、中間転写ベルト421の走行方向において算出対象の階調パッチと同じ位置に位置する基準パッチの反射濃度を用いる。これは、画像ムラが発生している場合、中間転写ベルト421の走行方向において同じ位置に位置する階調パッチおよび基準パッチは同様の画像ムラの影響を受けると考えられるためである。なお、階調パッチP1〜P10の出力階調値を算出する場合、階調パッチP1の反射濃度CP1を共通して使用している。これは、最低濃度の階調パッチP1は画像ムラの影響をほとんど受けないためである。
一方、画像ムラのみが発生していないと判定された場合(ステップS780にてNO)、制御部10は、反射ムラのみが発生しているか否かについて判定する(ステップS800)。もし、反射ムラのみが発生していると制御部10にて判定された場合(ステップS800にてYES)、制御部10は、ステップS740における検出結果に基づいて、階調パッチP1〜P10の出力階調値を算出する(ステップS860)。具体的には、制御部10は、各階調パッチP1〜10の反射濃度CPn(CP1〜CP10)について、基準パッチP31〜40における最低濃度領域の反射濃度CPC(n+30)(CPC31〜CPC40)を使用することにより、階調パッチP10の規格化値が0、階調パッチP1の規格化値が255で表されるように、下式(11)に従って8ビットで規格化して出力階調値を算出する。
出力階調値={(CPn−CP10)/(CPC(n+30)−CP10)}×255 ・・・(11)
例えば、階調パッチP5の出力階調値を算出する場合には、階調パッチP5の反射濃度CP5を下式(111)に従って8ビットで規格化して算出する。
出力階調値={(CP5−CP10)/(CPC35−CP10)}×255 ・・・(111)
また、階調パッチP8の出力階調値を算出する場合には、階調パッチP8の反射濃度CP8を下式(112)に従って8ビットで規格化して算出する。
出力階調値={(CP8−CP10)/(CPC38−CP10)}×255 ・・・(112)
以上のように、階調パッチP1〜P10の出力階調値を算出する場合、中間転写ベルト421の走行方向において算出対象の階調パッチと同じ位置に位置する基準パッチの反射濃度を用いている。これは、反射ムラが発生している場合、中間転写ベルト421の走行方向において同じ位置に位置する階調パッチおよび基準パッチは同様の反射ムラの影響を受けると考えられるためである。なお、階調パッチP1〜P10の出力階調値を算出する場合、階調パッチP10の反射濃度CP10を共通して使用している。これは、最高濃度の階調パッチP10は反射ムラの影響をほとんど受けないためである。
一方、反射ムラのみが発生していないと判定された場合(ステップS800にてNO)、制御部10は、ステップS740における検出結果に基づいて、階調パッチP1〜P10の出力階調値を算出する(ステップS880)。具体的には、制御部10は、制御部10は、反射濃度を出力階調値に変換する変換テーブルを参照することにより、階調パッチP1〜10の反射濃度CPn(CP1〜CP10)から階調パッチP1〜P10の出力階調値を算出する。変換テーブルは、例えばROM12に記憶されている。
ステップS900では、制御部10は、階調パッチP1〜P10の入力階調値と、ステップS820〜S880の何れかにおいて算出された出力階調値とを対応付けて、階調特性曲線を生成する。この階調特性曲線は、例えば図6の曲線L1で表される。以下、ステップS920およびS940における処理は、第1の実施の形態で説明したステップS240およびS260と同様であるので説明を省略する。
以上詳しく説明したように、第3の実施の形態では、中間転写ベルト421の走行方向に沿って、それぞれ濃度が異なる複数の階調パッチP1〜P10を第1の検出対象領域500に転写し、基準パッチP31〜P40を第2の検出対象領域510に形成する。濃度検出センサー43は、第1の検出対象領域500に位置する階調パッチP1〜P10の反射濃度と第2の検出対象領域510に位置する基準パッチP31〜P40の反射濃度とを検出する。そして、基準パッチP31〜P40の反射濃度に基づいて、階調パッチP1〜P10の反射濃度から算出される階調パッチP1〜P10の出力階調値を補正し、当該補正した出力階調値と階調パッチP1〜P10の入力階調値とから画像形成部40の階調特性を取得して、当該取得した階調特性に基づく階調補正データを生成する。
このように構成した第3の実施の形態によれば、中間転写ベルト421の走行方向において画像ムラおよび反射ムラの少なくとも何れかが発生している場合、画像ムラおよび反射ムラの影響を受けやすい基準パッチP31〜P40の反射濃度を使用することにより、階調パッチP1〜P10間でばらつく画像ムラおよび反射ムラの影響をキャンセルして、階調パッチP1〜P10の出力階調値を正しく算出することができる。その結果から得られる階調特性は、画像ムラおよび反射ムラの何れも発生していない場合の検出結果から得られる階調特性に近いものとなる。それゆえ、この階調特性に基づいて階調補正を行うことによって適切な画像安定化制御を行うことができる。
なお、上記第3の実施の形態では、基準パッチP31〜P40における最高濃度領域の濃度が最高濃度である例について説明したが、中間調の濃度であってもよい。ただし、階調パッチP1〜P10の出力階調値を算出する場合、画像ムラの影響を効果的にキャンセルするためには、画像ムラの影響を最も受けやすい最高濃度であることが望ましい。
また、上記第3の実施の形態では、基準パッチP31〜P40における最低濃度領域の濃度が最低濃度である例について説明したが、中間調の濃度であってもよい。ただし、階調パッチP1〜P10の出力階調値を算出する場合、反射ムラの影響を効果的にキャンセルするためには、反射ムラの影響を最も受けやすい最低濃度であることが望ましい。
また、上記第3の実施の形態において、基準パッチP31〜P40の配置位置は、第3の実施の形態で示した位置に限定されない。要は、階調パッチP1〜P10および基準パッチP31〜P40が、中間転写ベルト421の走行方向においてそれぞれ同じ位置に位置していれば良い。
また、上記第3の実施の形態において、基準パッチP31〜P40における最高濃度領域および最低濃度領域の態様は、第3の実施の形態で示した態様に限定されない。要は、基準パッチP31〜P40の各々が、最高濃度領域および最低濃度領域をそれぞれ有していれば良い。
また、上記第3の実施の形態では、画像ムラおよび反射ムラの少なくとも何れかが発生していると判定した場合、階調パッチP1〜P10の反射濃度と基準パッチP31〜P30の反射濃度とに基づいて階調パッチP1〜P10の出力階調値を算出する例について説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、画像ムラおよび反射ムラの何れも発生していないと判定した場合でも、階調パッチP1〜P10の反射濃度と基準パッチP31〜P40の反射濃度とに基づき、上式(9)〜(11)の何れかに従って出力階調値を算出しても良い。
また、上記第3の実施の形態では、画像ムラのみが発生していると判定した場合、階調パッチP1〜P10の反射濃度と基準パッチP31〜P30の反射濃度とに基づいて、上式(10)に従って階調パッチP1〜P10の出力階調値を算出する例について説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、階調パッチP1〜P10の反射濃度と基準パッチP31〜P40の反射濃度とに基づき、上式(9)に従って出力階調値を算出しても良い。
また、上記第3の実施の形態では、反射ムラのみが発生していると判定した場合、階調パッチP1〜P10の反射濃度と基準パッチP31〜P30の反射濃度とに基づいて、上式(11)に従って階調パッチP1〜P10の出力階調値を算出する例について説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、階調パッチP1〜P10の反射濃度と基準パッチP31〜P40の反射濃度とに基づき、上式(9)に従って出力階調値を算出しても良い。
また、上記第3の実施の形態では、画像形成ユニット41Kを制御することにより、階調パッチP1〜P10および基準パッチP31〜P40を中間転写ベルト421上に形成させる例について説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、画像形成ユニット41C,41M,41Yの何れかを制御することにより、階調パッチP1〜P10および基準パッチP31〜P40を中間転写ベルト421上に形成させるようにしても良い。
また、上記第1〜第3の実施の形態では、第1の検出対象領域500および第2の検出対象領域510が、中間転写ベルト421の非画像形成領域に位置する例について説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、中間転写ベルト421の画像形成領域に位置するようにしても良い。
また、上記第1〜第3の実施の形態において、階調パッチの数、配置態様は、第1〜第3の実施の形態で示したものに限定されない。
また、上記第1〜第3の実施の形態では、中間転写ベルト421が本発明の像担持体として機能する例について説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、中間転写体として設けられる感光体ドラム、または用紙が像担持体として機能するようにしても良い。また、本発明は、単色画像を形成するモノクロの画像形成装置に適用することもできる。
その他、上記第1〜第3の実施の形態は、何れも本発明を実施するにあたっての具体化の一例を示したものに過ぎず、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。すなわち、本発明はその要旨、またはその主要な特徴から逸脱することなく、様々な形で実施することができる。
1 画像形成装置
10 制御部(階調補正部)
20 操作表示部
21 表示部
22 操作部
30 画像処理部(階調補正部)
40 画像形成部
41、41Y、41M、41C、41K 画像形成ユニット
411 露光装置
412 現像装置
413 感光体ドラム
414 帯電装置
415 ドラムクリーニング装置
42 中間転写ユニット
421 中間転写ベルト
422 一次転写ローラー
423 二次転写ローラー
424 駆動ローラー
425 従動ローラー
426 ベルトクリーニング装置
43 濃度検出センサー(濃度検出部)
50 搬送部
51 給紙部
51a、51b 給紙トレイユニット
52 搬送機構
52a レジストローラー
53 排紙部
53a 排紙ローラー
60 定着部
71 通信部
72 記憶部

Claims (8)

  1. 像担持体の走行方向に沿って、それぞれ濃度が異なる複数の階調パッチを前記像担持体に転写する画像形成部と、
    前記像担持体において前記複数の階調パッチが転写された第1の検出対象領域の色の濃度と、前記像担持体の幅方向において第1の検出対象領域と異なる位置に位置し、かつ、前記像担持体の走行方向において前記第1の検出対象領域と同じ位置に位置する第2の検出対象領域の色の濃度とをそれぞれ検出する濃度検出部と、
    前記第2の検出対象領域の濃度に基づいて、前記第1の検出対象領域の濃度から算出される前記複数の階調パッチの出力階調値を補正し、補正した出力階調値と前記複数の階調パッチの入力階調値とから前記画像形成部の階調特性を取得して、当該取得した階調特性に基づく前記階調補正データを生成する階調補正部と、
    を備える画像形成装置。
  2. 前記第2の検出対象領域は、前記画像形成部により最高濃度のトナー像が転写される領域である請求項1に記載の画像形成装置。
  3. 前記第2の検出対象領域は、前記画像形成部によりトナー像が転写されないベース面の領域である請求項1に記載の画像形成装置。
  4. 前記第2の検出対象領域において、前記複数の階調パッチの各々と前記像担持体の走行方向において同じ位置の各領域は、前記画像形成部により最高濃度のトナー像が転写される領域と、前記画像形成部によりトナー像が転写されないベース面の領域とを有する請求項1に記載の画像形成装置。
  5. 前記階調補正部は、前記第2の検出対象領域の濃度に基づいて、前記像担持体の走行方向においてムラが発生しているか否かについて判定し、ムラが発生していると判定した場合に限り、前記第1の検出対象領域の濃度と前記第2の検出対象領域の濃度とに基づいて前記複数の階調パッチの出力階調値を算出する請求項1〜4の何れか1項に記載の画像形成装置。
  6. 前記濃度検出部は、前記第1の検出対象領域の濃度と前記第2の検出対象領域の濃度とを同時に検出する請求項1〜5の何れか1項に記載の画像形成装置。
  7. 前記第1の検出対象領域および前記第2の検出対象領域は、前記像担持体の幅方向の両側部である非画像形成領域に位置する請求項1〜6の何れか1項に記載の画像形成装置。
  8. 画像形成部が、像担持体の走行方向に沿って、それぞれ濃度が異なる複数の階調パッチを前記像担持体に転写する第1のステップと、
    濃度検出部が、前記像担持体において前記複数の階調パッチが転写された第1の検出対象領域の色の濃度と、前記像担持体の幅方向において第1の検出対象領域と異なる位置に位置し、かつ、前記像担持体の走行方向において前記第1の検出対象領域と同じ位置に位置する第2の検出対象領域の色の濃度とをそれぞれ検出する第2のステップと、
    階調補正部が、前記第2の検出対象領域の濃度に基づいて、前記第1の検出対象領域の濃度から算出される前記複数の階調パッチの出力階調値を補正し、補正した出力階調値と前記複数の階調パッチの入力階調値とから前記画像形成部の階調特性を取得して、当該取得した階調特性に基づく前記階調補正データを生成する第3のステップと、
    を有する階調補正方法。
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