JP2011196245A - バルブタイミング調整装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 カムトルク駆動時に進角室および遅角室からの油抜けを防止するバルブタイミング調整装置を提供する。
【解決手段】バルブタイミング調整装置1の装置本体10に内蔵された制御弁部40は、進角ポート、遅角ポート、進角ドレンポート、遅角ドレンポート、及び、供給ポートを一軸上に有し、駆動装置30のシャフト35が所定ストロークだけ前進することによりスプール50が移動して各ポートの接続状態を制御する。油圧駆動時にはオイルポンプ4からの作動油供給により、カムトルク駆動時にはカムシャフト2のカムトルクにより、ベーンロータ16がハウジング12に対して相対回動できる。カムトルク駆動時に選択される接続状態では、進角ドレンポートおよび遅角ドレンポートが遮断され、進角室および遅角室内の作動油の排出が防止される。
【選択図】図1

Description

本発明は、内燃機関の吸気弁または排気弁を開閉するタイミングを変更可能なバルブタイミング調整装置に関する。
従来、内燃機関のクランクシャフトと同期回転するタイミングチェーンとスプロケットを経由してカムシャフトを駆動し、このカムシャフトのカム機構を利用して吸気弁または排気弁を開閉駆動するバルブタイミング調整装置が知られている。スプロケット等からカムシャフトに駆動力を伝達するとき、スプロケットの回転位相とカムシャフトの回転位相との位相差を調整することにより、吸気弁または排気弁の開閉タイミングを調整している。
一般に、バルブタイミング調整装置は、スプロケット等と一体に結合されるハウジングと、このハウジングと連動して回転するとともにハウジングに対し回動位相を変更可能なベーンロータとを備え、このベーンロータがカムシャフトを駆動し回転する構成になっている。ベーンロータの回転方向の進角側に形成される進角室、及び、回転方向の遅角側に形成される遅角室に油圧供給源から作動油が供給されることにより、ベーンロータが油圧駆動されてハウジングに対して相対回動する。
また、バルブタイミング調整装置では、内燃機関の運転中、吸気弁または排気弁からのスプリング反力等によって、周期的に変動する正負のカムトルクがカムシャフトを経由してベーンロータに作用する。負トルクは、ベーンロータがハウジングに対して進角方向に相対回動するよう作用し、正トルクは、ベーンロータがハウジングに対して遅角方向に相対回動するよう作用する。
ベーンロータがカムトルクの作用を受ける際、進角室と遅角室との間で作動油が流出入することにより、ベーンロータは、ハウジングに対する回動位置を変更するように油圧による駆動時以外に、カムトルクによって駆動可能となる。内燃機関の運転中、内燃機関の回転数等などの運転条件に応じて、油圧駆動またはカムトルク駆動のうち、好ましい駆動方法が選択される。油圧駆動とカムトルク駆動における作動油の油路を切り換えるための装置は、例えば、特許文献1、2に開示されている。
特許第4059673号公報 特開2009−530526号公報
特許文献1の装置は、パルス駆動回路、圧力駆動回路、及び、パルス駆動回路と圧力駆動回路を選択するスイッチ手段を備える。「パルス駆動」はカムトルク駆動に相当し、「圧力駆動」は油圧駆動に相当する。パルス駆動回路は、進角室と遅角室との間で流体を流すための経路である。圧力駆動回路は、オイルポンプから進角室および遅角室へ作動油を供給し、また、進角室および遅角室から油溜めへ作動油を排出する経路である。そして、スイッチ手段として、パルス駆動回路に流体を流すためのバルブ、及び、圧力駆動回路に流体を流すためのバルブがそれぞれ別に備えられ、別制御されている。そのため、バルブの数が複数必要で、設置スペースが大きくなるという問題がある。
特許文献2の装置は、互いに逆方向に作用するシリンダ室A、Bを有する油圧ピストンを備える。シリンダ室A、Bには、「カムトルク」に対応する外力が交互に、又は一方向にのみ作用する。また、シリンダ室Aまたはシリンダ室Bに作動油を供給し、あるいは作動油の供給を停止する3位置型の切換弁を備える。ここで、ピストンがシリンダ室A側からシリンダ室B側へ移動する場合において、シリンダ室Bの作動油をシリンダ室Aに流入させる切換位置では、シリンダ室Bの作動油はシリンダ室Aに流入するとともにオイルパンにも排出されて「油抜け」する。したがって、シリンダ室Aへ流入されるべき作動油が不足し、シリンダAが減圧状態となることで、隙間からエアを吸収するおそれがある。
本発明は、このような点に鑑みて創作されたものであり、その目的は、油圧駆動とカムトルク駆動における作動油の油路を一つの制御弁で切換可能であり、また、カムトルク駆動時に進角室および遅角室からの油抜けを防止するバルブタイミング調整装置を提供することにある。
請求項1〜4に記載のバルブタイミング調整装置によると、内燃機関の駆動力を駆動軸から従動軸に伝達する動力伝達系に設けられ、この従動軸の回転力により吸気弁または排気弁を開閉するとともに、吸気弁または排気弁の開閉タイミングを変更可能である。
このバルブタイミング調整装置は、ハウジング、ベーンロータ、制御弁スプール、制御弁スリーブ、供給逆止弁、及び、駆動手段を備える。
ハウジングは、内燃機関の駆動軸のもつ駆動力を受けて回転する。
ベーンロータは、ハウジングに収容され、吸気弁または排気弁を開閉する従動軸とともに回転し、ハウジングに対し所定角度範囲で相対回動可能な複数のベーン部、ベーン部の回転方向の一方側に形成され圧力が上昇するとハウジングに対しベーン部を進角側に回転位相を変更する進角室、及び、ベーン部の回転方向の他方側に形成され圧力が上昇するとハウジングに対しベーン部を遅角側に回転位相を変更する遅角室を有する。
制御弁スプールは、複数のランド部を有し、進角室および遅角室に作動油を供給または排出する油路を切換可能である。
制御弁スリーブは、制御弁スプールを往復移動可能に収容し、進角室に連通する進角ポート、遅角室に連通する遅角ポート、ランド部との相対位置によって進角ポートに連通可能でかつ油溜めに連通する進角ドレンポート、ランド部との相対位置によって遅角ポートに連通可能でかつ油溜めに連通する遅角ドレンポート、及び、油圧供給源に連通する供給ポート、を一軸上に有する。
供給逆止弁は、油圧供給源から供給ポートへの方向の流れを許容するとともに、その逆方向の流れを禁止する。
駆動手段は、制御弁スリーブに対し制御弁スプールを駆動する。
制御弁スプールは、進角逆止弁と遅角逆止弁とを備える。進角逆止弁は、供給ポートから進角ポートへの方向の流れを許容するとともに、その逆方向の流れを禁止する。遅角逆止弁は、供給ポートから遅角ポートへの方向の流れを許容するとともに、その逆方向の流れを禁止する。
さらに、請求項2のバルブタイミング調整装置は、制御弁スリーブに対する制御弁スプールの軸方向相対位置の切換について、進角ポートと進角ドレンポートとを遮断する状態と、遅角ポートと遅角ドレンポートとを遮断する状態とを同時に選択可能である。
以上の構成により、バルブタイミング調整装置は、制御弁スリーブに対する制御弁スプールの軸方向相対位置の切換について、下記のモードの切換が可能である。
(1)進角ポートと進角ドレンポートとを連通し、遅角ポートと遅角ドレンポートとを遮断し、供給ポートから遅角ポートへの流れを許容する第1モード。
(2)進角ポートと進角ドレンポートとを遮断し、遅角ポートと遅角ドレンポートとを遮断し、進角ポートから遅角ポートへの流れを許容する第2モード。
(3)進角ポートと進角ドレンポートとを遮断し、遅角ポートと遅角ドレンポートとを遮断し、進角ポートと遅角ポートとの間の流れを停止する第3モード。
(4)進角ポートと進角ドレンポートとを遮断し、遅角ポートと遅角ドレンポートとを遮断し、遅角ポートから進角ポートへの流れを許容する第4モード。
(5)遅角ポートと遅角ドレンポートとを連通し、進角ポートと進角ドレンポートとを遮断し、供給ポートから進角ポートへの流れを許容する第5モード。
なお、上記の5モード以外のモードの切換が可能であってもかまわない。
第1モードは、油圧駆動でベーンロータを遅角方向へ相対回動させるとき選択される。
第2モードは、カムトルク駆動にてベーンロータを遅角方向へ相対回動させるとき選択される。
第3モードは、油圧駆動およびカムトルク駆動でベーンロータの相対駆動を停止させるときに選択される。また、内燃機関の停止時に選択可能である。
第4モードは、カムトルク駆動にてベーンロータを進角方向へ相対回動させるとき選択される。
第5モードは、油圧駆動でベーンロータを進角方向へ相対回動させるとき選択される。
すなわち、油圧駆動では第1、第3、第5モードを切り換え、カムトルク駆動では第2、第3、第4モードを切り換える。
上記の5モードを切り換えるための駆動手段は、例えば、互いに反対方向へ作用するソレノイドとリターンスプリングとから構成され、ソレノイドへの通電電流を制御することにより電磁吸引力の大きさを変化させ、制御弁スプールの移動ストロークを制御する。電磁吸引力の作用方向を「進み側」、リターンスプリングの付勢方向を「戻り側」とすると、駆動手段の作動時には制御弁スプールは進み側へ移動し、駆動手段の非作動時には制御弁スプールは戻り側へ移動する。ここで、ソレノイドとリターンスプリングとの配置によって、「進み側」を第5モード側とすることも、「進み側」を第1モード側とすることもできる。
これにより、駆動手段によって制御弁スプールが制御弁スリーブに対して相対移動し、上記の5モードにより各ポートの接続状態を切換可能である。よって、一つの制御弁で油圧駆動とカムトルク駆動との油路の切換が可能であり、設置スペースを削減できる。
また、供給逆止弁によって、供給ポートから油圧供給源への作動油の逆流による油抜けが常に防止できる。カムトルク駆動時に選択される第2、第3、及び、第4モードでは、進角ドレンポートおよび遅角ドレンポートが遮断されるため、進角室および遅角室内の作動油が油溜めに排出されることはなく、進角室および遅角室が減圧状態となることが防止される。よって、隙間から進角室または遅角室にエアを吸収するおそれがない。
さらに、内燃機関の停止時に選択される「デフォルトモード」において、「進角ポートと進角ドレンポートとを遮断する状態と、遅角ポートと遅角ドレンポートとを遮断する状態とを同時に選択」することにより、進角室および遅角室から油溜めへの作動油の排出が防止される。これにより、次回の内燃機関の始動性が良好となる。
「進角ポートと進角ドレンポートとを遮断し、遅角ポートと遅角ドレンポートとを遮断する状態」は、前記5つのモードと別に設定されるモードにより実現することができ、あるいは、第3モードを利用して実現することができる。
前記5つのモードと別にデフォルトモードを設定する場合、バルブタイミング調整装置が吸気弁側に適用されるか、排気弁側に適用されるかによって、好ましい構成が異なる。
バルブタイミング調整装置が内燃機関の吸気弁に適用される場合は、運転初期にベーンロータが最遅角位置にあることが好ましい。そこで、最遅角位置を取り得る第1モードに隣接してデフォルトモードを設定することが好ましい。
一方、バルブタイミング調整装置が内燃機関の排気弁に適用される場合は、運転初期にベーンロータが最進角位置にあることが好ましい。そこで、最進角位置を取り得る第5モードに隣接してデフォルトモードを設定することが好ましい。
また、第3モードをデフォルトモードとして利用する場合、一般に、駆動手段としてのソレノイドバルブ等が内燃機関の停止時には作動しないため、例えば、制御弁スプールを戻り側へ付勢するリターンスプリングに加え、制御弁スプールを進み側へ付勢するデフォルトスプリングを設け、両スプリングの荷重が第3モードの位置でバランスするように設定する。また、駆動装置は、制御弁スプールを進み側へ押すことに加え、制御弁スプールを戻り側へ引く。
この構成により、別に専用のデフォルトモードを設けることなく、デフォルトモードを簡易に実現することができる。
請求項3に記載のバルブタイミング調整装置は、進角ドレンポートから油溜めへの通路に、進角室内の作動油が自重により油溜めへ流れ落ちることを防止する油抜け防止弁を備える。この構成により、第1モードをデフォルトモードとすることができる。
油抜け防止弁は、例えば、弾性体からなり、所定圧力以上の圧力によって開弁するリードバルブである。
バルブタイミング調整装置が内燃機関の吸気弁に適用される場合、第1モードで油圧駆動がされるときには、進角室の容積減少に伴って油圧が上昇した作動油が油抜け防止弁を押し開いて油溜めへ排出される。しかし、油圧駆動源による油圧供給が停止すると、進角室と遅角室の内圧が平衡してベーンロータの相対回動が停止する。そして、進角室の作動油の自重、すなわち進角室と油溜めとのヘッド差による圧力のみが油抜け防止弁にかかる。ここで、油抜け防止弁は、作動油の自重によっては開弁しない。したがって、第1モードをデフォルトモードとしても、進角室からの油抜けを防止することができる。
この構成により、別に専用のデフォルトモードを設けることなく、簡易に第1モードをデフォルトモードとすることができる。
請求項4に記載のバルブタイミング調整装置は、遅角ドレンポートから油溜めへの通路に、遅角室内の作動油が、自重により油溜めへ流れ落ちることを防止する油抜け防止弁を備える。この構成により、第5モードをデフォルトモードとすることができる。
バルブタイミング調整装置が内燃機関の排気弁に適用される場合は、請求項3の構成に代えて請求項4の構成が採用される。作用、効果は、請求項3に係るものと同様である。
請求項5〜10に記載のバルブタイミング調整装置では、ベーンロータは、さらに、径方向の外側にベーン部が取り付けられるボス部を有し、制御弁スリーブがベーンロータのボス部の径内方向の内壁に設けられる。また、制御弁スリーブの進角ポート、遅角ポート、及び、供給ポートは、それぞれ、ボス部に設けられる進角油路、遅角油路、及び、供給油路を経由して進角室、遅角室、及び、油圧供給源に連通する。
これにより、トータルのスペースや配管部品等が削減できる。また、制御弁から進角室、遅角室までの距離が短くなることで、油圧の減衰や脈動を最小限にすることができる。
特に、請求項9に記載のバルブタイミング調整装置では、制御弁スリーブは、従動軸としてのカムシャフトと同軸に結合される。例えば、制御弁スリーブの軸方向端部に雄ねじ部が設けられ、カムシャフトに締結される。これにより、制御弁スリーブは、ベーンロータのボス部に嵌合して、ベーンロータをカムシャフトに対して同軸に支持することができる。
さらに、請求項10に記載のバルブタイミング調整装置では、制御弁スリーブにツバ部が設けられ、ツバ部がベーンロータに当接することでベーンロータがカムシャフトに結合可能である。
これにより、ベーンロータとカムシャフトを締結するボルトの機能を制御弁スリーブが兼ねるため、部品点数やスペースを削減できる。
本発明の第1実施形態によるバルブタイミング調整装置の断面図である。 本発明の第1実施形態によるバルブタイミング調整装置が適用される内燃機関を示す模式図である。 (a):本発明の第1実施形態のバルブタイミング調整装置の最遅角位置を示す図1のA−O1−O2−O3−O4−A断面図である。(b):(a)のC−C断面図である。 本発明の第1実施形態によるバルブタイミング調整装置のデフォルトモードを示す(a)要部拡大図、(b)油圧回路模式図である。 本発明の第1実施形態によるバルブタイミング調整装置の第1モードを示す(a)要部拡大図、(b)油圧回路模式図である。 本発明の第1実施形態によるバルブタイミング調整装置の第2モードを示す(a)要部拡大図、(b)油圧回路模式図である。 本発明の第1実施形態によるバルブタイミング調整装置の第3モードを示す(a)要部拡大図、(b)油圧回路模式図である。 本発明の第1実施形態によるバルブタイミング調整装置の第4モードを示す(a)要部拡大図、(b)油圧回路模式図である。 本発明の第1実施形態によるバルブタイミング調整装置の第5モードを示す(a)要部拡大図、(b)油圧回路模式図である。 本発明の第1実施形態によるバルブタイミング調整装置の第2モードでのカムトルク駆動を説明する説明図である。 本発明の第2実施形態によるバルブタイミング調整装置の第3モードを示す(a)要部拡大図、(b)油圧回路模式図である。 本発明の第3実施形態によるバルブタイミング調整装置の断面図である。 (a):本発明の第3実施形態のバルブタイミング調整装置の最遅角位置を示す図12のD−Q1−Q2−Q3−Q4−D断面図である。(b):(a)のF−F断面図である。(c):(a)のG−G断面図である。 (a):本発明の第3実施形態によるバルブタイミング調整装置の第1モードを示す油圧回路模式図である。(b):本発明の第4実施形態によるバルブタイミング調整装置の第1モードを示す油圧回路模式図である。 本発明の第5実施形態によるバルブタイミング調整装置のデフォルトモードを示す断面図である。
(第1実施形態)
以下、本発明のバルブタイミング調整装置の第1実施形態を図1〜図10に基づいて説明する。バルブタイミング調整装置1は、図2に示すように、内燃機関としての内燃機関96の吸気弁90側に適用され、クランクシャフト97と所定の位相差で吸気弁90を開閉する装置である。
スプロケット11はカムシャフト2に同軸に設置されている。排気弁ギア91はカムシャフト92に、駆動軸ギア98はクランクシャフト97に、それぞれ同軸に設置されている。カムシャフト2はカム3により吸気弁90を開閉し、カムシャフト93は排気弁カム93により排気弁94を開閉する。チェーン95がスプロケット11、排気弁ギア92、及び、駆動軸ギア98に巻き掛けられて周回することにより、クランクシャフト97の駆動力がスプロケット11、排気弁ギア92に伝達され、これらが同期して回転する。
クランクシャフト97は、特許請求の範囲に記載の「駆動軸」に相当し、吸気弁90側のカムシャフト2は、特許請求の範囲に記載の「従動軸」に相当する。
まず、バルブタイミング調整装置1の概略について図1、図3に基づいて説明する。図1に示すバルブタイミング調整装置1の断面図は、図3(a)のB−P1−P2−P3−P4−P5−B断面図に相当する。
バルブタイミング調整装置1は、装置本体10および駆動装置30から構成される。
装置本体10は、主に、スプロケット11、ハウジング12、フロントプレート13、ブッシング15、及び、ベーンロータ16を含み、また、制御弁部40を内蔵している。
装置本体10は、ブッシング15がカムシャフト2に結合することにより、内燃機関96のシリンダヘッドに組み付けられる。カムシャフト2、ブッシング15、及び、ベーンロータ16は、結合されて一体に回転する。
一方、スプロケット11、ハウジング12、及び、フロントプレート13は、一体に結合され、スプロケット11にチェーン95が巻き掛けられてクランクシャフト97と同期して回転する。
装置本体10において、ハウジング12に対するベーンロータ16の相対回動位置が変化することによりバルブタイミングを調整する。ここで、「進角させる」とはバルブタイミングを早めることをいい、「遅角させる」とはバルブタイミングを遅らせることをいう。図3に示す回転方向が「進角方向」であり、その逆方向が「遅角方向」である。また、対象物の進角方向の側を「進角側」といい、対象物の遅角方向の側を「遅角側」という。また、ベーンロータ16がハウジング12に対して相対回動する「所定角度範囲内」の上下限を「最進角位置」および「最遅角位置」という。図3は、最遅角位置での図1のA−O1−O2−O3−O4−A断面図である。
駆動装置30は、装置本体10に対向して内燃機関カバー99に取り付けられている。駆動装置30は、例えばソレノイドバルブであり、ECU(内燃機関制御ユニット)からの指示により通電されて、シャフト35を前進させる。制御弁部40は、制御弁スプール50(以下「スプール」という。)が制御弁スリーブ(以下「スリーブ」という。)41内を摺動するスプール弁である。スプール50のスプールキャップ53の球面部53aにシャフト35が当接し、シャフト35が所定ストロークだけ前進することにより、スプール50は、図1の右方向へ移動し、装置本体10の油路位置を切り換える。駆動装置30は、特許請求の範囲に記載の「駆動手段」に相当する。
装置本体10の駆動に用いられる作動油は、オイルポンプ4によって、オイルタンク5から供給配管70を経由して供給される。また、作動油は、進角ドレン配管78および遅角ドレン配管79を経由して、オイルタンク5に排出される。オイルポンプ4は、特許請求の範囲に記載の「油圧供給源」に相当し、オイルタンク5は、特許請求の範囲に記載の「油溜め」に相当する。
続いて、装置本体10の各部の構成について詳細に説明する。以下の説明では、図1の左側を「前側」、図1の右側を「後側」と表す。
スプロケット11はハウジング12の後側に位置し、フロントプレート13はハウジング12の前側に位置する。フロントプレート13側からハウジング12のボルト孔12hを貫通して、スプロケット11のタップ孔11cにボルト14が締結される。
ハウジング12には、シュー部12a、12b、12c、及び、中央壁部12dが形成される。シュー部12a、12b、12cは、中央壁部12dを中心として3方向に放射状に膨らんで設けられる。シュー部12a、12b、12cのそれぞれの周方向の間には中央壁部12dの内壁面が形成され、その断面は円弧状をなす。また、シュー部12a、12b、12cのそれぞれの内壁面の断面も円弧状をなす。シュー部12a、12b、12cのそれぞれの進角側および遅角側の壁は中央壁部12dとつながっている。
ブッシング15は、スプロケット11の径内方向に相対回動自在に収容される。ブッシング15は、インロー部15bがカムシャフト2の先端部2aに嵌合するとともに、後側の端面がカムシャフト2のツバ部2bに当接してカムシャフト2と同軸に組み付けられる。
ベーンロータ16は、ハウジング12の径内方向に相対回動自在に収容される。ベーンロータ16は、インロー部16eがブッシング15の先端部15aに嵌合してブッシング15と同軸に組み付けられる。
そして、制御弁部40を構成するスリーブ41の雄ねじ部41gが、ベーンロータ16のボス部16dに設けられる内壁16h、及び、ブッシング15に設けられる嵌合孔15hを貫通してカムシャフト2のタップ孔2cに締結される。このとき、後述するツバ部41fがベーンロータ16の端面16fに当接すことにより、ベーンロータ16、ブッシング15、及び、制御弁部40は、カムシャフト2に固定される。
ベーンロータ16は、ボス部16d、及び、ボス部16dの径外方向の外壁16gに取り付けられるベーン部16a、16b、16cからなる。ボス部16dはハウジング12の中央壁部12dに、ベーン部16a、16b、16cは、それぞれ、シュー部12a、12b、12cに収容される。
なお、ベーン部16aのみ、他のベーン部16b、16cよりも周方向の幅が大きく、最遅角位置では、ベーン部16aの遅角側の側面がシュー部12aの遅角側の内壁に当接し、最進角位置では、ベーン部16aの進角側の側面がシュー部12aの進角側の内壁に当接するように形成されている。一方、ベーン部16b、16cの遅角側の側面、進角側の側面は、最遅角位置、最進角位置でシュー部12b、12cの内壁に当接しない。
上記の構成により、下記3組の進角室と遅角室が形成される。
(a)シュー部12aとべーン部16aとボス部16dとに囲まれる空間において、ベーン部16aの遅角側の空間は進角室61を形成し、ベーン部16aの進角側の空間は遅角室64を形成する。
(b)シュー部12bとべーン部16bとボス部16dとに囲まれる空間において、ベーン部16bの遅角側の空間は進角室62を形成し、ベーン部16bの進角側の空間は遅角室65を形成する。
(c)シュー部12cとべーン部16cとボス部16dとに囲まれる空間において、ベーン部16cの遅角側の空間は進角室63を形成し、ベーン部16cの進角側の空間は遅角室66を形成する。
ボス部16dの外周部とベーン部16a、16b、16cの外周部には、それぞれ、ハウジング12の内壁面に面し、摺動部クリアランスからの内部漏れを防止するためのシール部材17が、板ばね18に付勢される状態で装着される。
ボス部16dには、制御弁部40へ作動油を供給する供給油路75、制御弁部40から進角室61〜63へ連通する進角油路73、及び、制御弁部40から遅角室64〜66へ連通する遅角油路74が設けられる。
作動油は、供給配管70から、カムシャフト2の供給油路71、ブッシング15の供給油路72を経由して供給油路75へ供給される。図3(b)に示すように、供給油路72と供給油路75との境界の弁室67に供給逆止弁85が設けられる。供給逆止弁85は、弾性体からなるリードバルブであり、供給油路72から供給油路75への方向の流れを許容し、その逆方向の流れを禁止する。したがって、内燃機関が停止したときでも、供給油路75内の作動油が供給配管70側へ逆流することが防止される。
ブッシング15には、進角室61〜63内の作動油をオイルタンク4へ排出するための進角ドレン油路76が設けられる。進角ドレン油路76は、ベーンロータ16を貫通して設けられる進角ドレン油路77を経由して、進角ドレン配管78へ接続される。
(制御弁部)
次に、制御弁部40について、図4〜図9を参照して説明する。なお、図4〜図9において、断面の向こう側に現れる線の図示は一部省略してある。制御弁部40は、スリーブ41、スプール50、止め輪42、及び、リターンスプリング48を備える。
スリーブ41は略円筒状であり、外径側に嵌合軸部41a、ツバ部41f、雄ねじ部41gを有し、内径側に摺動孔41hを有している。摺動孔41hの口元付近には止め輪溝41kが設けられ、摺動孔41hの底面はスプリング座面41jとなっている。
スリーブ41の嵌合軸部41aには、進角ドレンポート46、進角ポート43、供給ポート45、遅角ポート44が、リターンスプリング48側からシャフト35側に向かう軸方向にこの順で設けられている。進角ドレンポート46は、周方向の4箇所に、摺動孔41hから嵌合軸部41aに連通して設けられる。進角ポート43、供給ポート45、遅角ポート44は、周方向の4箇所に、摺動孔41hから嵌合軸部41aに連通して設けられ、さらに、摺動孔41hの内周、及び、嵌合軸部41aの外周に沿って溝が形成されることにより、4箇所に分かれた作動油が合流するようになっている。また、スリーブ41が嵌合するベーンロータ16およびブッシング15側の内周側には、各ポート位置に対応して周方向に溝が設けられる。
スリーブ41は、嵌合軸部41aがボス部16dの内壁16hおよびブッシング15の嵌合孔15hに嵌合し、また、ツバ部41fがベーンロータ16の端面16fに当接し、雄ねじ部41gがカムシャフト2の雌ねじ孔2cに螺合して組み付けられる。この組み付け状態において、進角ドレンポート46は、ブッシング15の進角ドレン油路76に連通する。進角ポート43、供給ポート45、遅角ポート44は、それぞれ、ベーンロータ16の進角油路73、供給油路75、遅角油路74に連通する。
スプール50は、スプール本体51、逆止弁ホルダ52、スプールキャップ53、進角逆止弁81、遅角逆止弁82、進角逆止弁スプリング83、遅角逆止弁スプリング8から構成される。
スプール本体51の外径側には、延長支持ランド51a、進角支持ランド51b、進角切換ランド51c、遅角切換ランド51d、遅角支持ランド51eが、リターンスプリング48側からシャフト35側に向かう軸方向にこの順で設けられている。また、リターンスプリング48側の端面51iに凹部が設けられ、凹部の底面がスプリング座面51jとなっている。
スプール本体51の内径側には、口元側に雌ねじ部51gが設けられ、雌ねじ部51gの奥に有底の収容孔51hが設けられる。
延長支持ランド51aと進角支持ランド51bとの間隙には、周方向に溝が設けられる。また、進角支持ランド51bと進角切換ランド51cとの間隙、進角切換ランド51cと遅角切換ランド51dとの間隙、及び、遅角切換ランド51dと遅角支持ランド51eとの間隙には、周方向に溝が設けられ、さらに、周方向の4箇所に、収容孔51hとスリーブ41の摺動孔41hとを連通する通路が設けられる。
逆止弁ホルダ52は、円筒状で、収容孔51hの底側に組み付けられる方の端部に進角逆止弁室52aが設けられ、反対側の端部に遅角逆止弁室52bが設けられる。軸方向の略中央には、軸方向に直交する十字方向に共通接続路52eが設けられる。進角逆止弁室52aの底部には、共通接続路52eに連通する進角接続路52cが設けられ、遅角逆止弁室52bの底部には、共通接続路52eに連通する進角接続路52dが設けられる。
また、進角逆止弁室52aおよび遅角逆止弁室52bの壁部には、周方向の4箇所に、逆止弁ホルダ52の外径側に連通する通路が形成されている。
上述のように、スリーブ41、スプール本体51、逆止弁ホルダ52には、いずれも、周方向に4箇所の通路が設けられている。それらの通路は、図3にて便宜上、上下左右の十字方向に図示されているが、4箇所の通路の方向はこれに限らず、各々の部材についてフリーな方向に配置される。
進角逆止弁室52aには、進角逆止弁81が逆止弁スプリング83によって底部側に付勢されるように収容され、遅角逆止弁室52bには、遅角逆止弁82が逆止弁スプリング84によって底部側に付勢されるように収容されている。
進角逆止弁81は、端面が進角逆止弁室52aの底部の座面に当接したとき進角接続路52cを塞ぎ、端面が進角逆止弁室52aの座面から離れたとき進角接続路52cを開放する。遅角逆止弁82は、端面が遅角逆止弁室52bの底部の座面に当接したとき遅角接続路52dを塞ぎ、端面が遅角逆止弁室52bの座面から離れたとき遅角接続路52dを開放する。
進角逆止弁81は、共通接続路52eと進角逆止弁室52aとの間に、逆止弁スプリング83の荷重以上の差圧による力が生じたときに開弁する。遅角逆止弁82は、共通接続路52eと遅角逆止弁室52bとの間に、逆止弁スプリング84の荷重以上の差圧による力が生じたときに開弁する。
上記のように進角逆止弁81、遅角逆止弁82、及び、逆止弁スプリング83、84を収容した逆止弁ホルダ52は、スプール本体51の収容孔51hに収容され、スプールキャップ53の雄ねじ部53bがスプール本体51の雌ねじ部51gに螺合されることによって固定される。以上がスプール50の構成である。
スプール50は、スプリング座面51jとスプリング座面41jの間にリターンスプリング48を設置した状態で、スリーブ41の摺動孔41hに往復移動可能に収容される。スリーブ41の止め輪41kに止め輪42が係止されることで、スプール50は、シャフト35側への移動が規制される。すなわち、シャフト35による駆動を受けないとき、スプール50のシャフト35側の端面51kは、リターンスプリング48の付勢力によって止め輪42に当接している。
スプール50の小径部51fとスリーブ41の摺動孔41hとの間の空間は、遅角ドレンポート47を形成する。遅角ドレンポート47は、遅角ドレン配管79に接続される。
装置本体10が内燃機関96のシリンダヘッドに組み付けられると、駆動装置30のシャフト35の先端がスプールキャップ53の球面部53aに当接する。そして、シャフト35が所定ストローク前進してスプールキャップ53の球面部53aを押すことにより、スプール50は、リターンスプリング48の付勢力に抗してリターンスプリング48側へ移動する。その結果、スプール50の位置がデフォルトモード、及び、第1〜第5モードの計6モードで変化する。
以下、図4〜図9を参照して、各モードにおける各ポートの接続状態を説明する。図4〜図9の各(a)は、制御弁部の要部拡大図であり、各(b)は油圧回路模式図である。要部拡大図は、各ポート43〜47間の連通または遮断状態を実体に則して示す。油圧回路模式図は、各ポート43〜47間の作動油の流れの許容または禁止状態を模式的に示す。また、以下の説明では、シャフト35の前進方向を「進み方向」、リターンスプリング48の付勢方向を「戻り方向」と表し、リターンスプリング48側を「進み側」、シャフト35側を「戻り側」と表す。
デフォルトモードでは、図4に示すように、シャフト35が最後退位置にあり、スプール50は、リターンスプリング48の付勢力によって、戻り側の端面51kが止め輪42に当接する。デフォルトモードでは、進角ポート43と供給ポート45とは、進角支持ランド51bによって遮断され、遅角ポート44と供給ポート45とは、遅角切換ランド51dによって遮断される。また、進角ポート43と進角ドレンポート46とは、延長支持ランド51aによって遮断され、遅角ポート44と遅角ドレンポート47とは、遅角支持ランド51eによって遮断される。
したがって、進角室61〜63および遅角室64〜66内の作動油が排出されないため、共通接続路52eと遅角逆止弁室52bとの間、及び、共通接続路52eと進角逆止弁室52aとの間に差圧が生じず、遅角逆止弁82および進角逆止弁81は開弁しない。よって、デフォルトモードでは、作動油はいずれのポート間にも流れない。
第1モードでは、図5に示すように、進角ポート43と進角ドレンポート46とが、延長支持ランド51aと進角支持ランド51bとの間隙を通じて連通し、進角室61〜63内の作動油がオイルタンク5へ排出可能となる。それに伴い、オイルポンプ4から遅角室64〜66への作動油の供給が可能となる。また、遅角逆止弁室52bと遅角ポート44とが、遅角切換ランド51dと遅角支持ランド51eとの間隙を通じて連通する。そのため、供給ポート45からの供給油圧によって共通接続路52eと遅角逆止弁室52bとの間に差圧が発生し、遅角逆止弁82が開弁し、共通接続路52e、遅角接続路52dを経由して供給ポート45と遅角ポート44とが連通する。一方、遅角ポート44と遅角ドレンポート47とは、遅角支持ランド51eによって遮断される。
第2モードでは、図6に示すように、進角ポート43と供給ポート45とが、進角支持ランド51bと進角切換ランド51cとの間隙を通じて連通し、進角室61〜63内の作動油が流出可能となる。それに伴い、遅角室64〜66へ作動油が流入可能となる。また、遅角逆止弁室52bと遅角ポート44とが、遅角切換ランド51dと遅角支持ランド51eとの間隙を通じて連通する。そのため、共通接続路52eと遅角逆止弁室52bとの間に差圧が発生し、遅角逆止弁82が開弁し、共通接続路52e、遅角接続路52dを経由して進角ポート43から遅角ポート44への流れが許容される。
また、進角ポート43と進角ドレンポート46とは、進角支持ランド51bによって遮断され、遅角ポート44と遅角ドレンポート47とは、遅角支持ランド51eによって遮断される。したがって、進角室61〜63および遅角室64〜66内の作動油は、オイルタンク5へ排出されない。これは、第3モード、第4モードで同様である。
第3モードでは、図7に示すように、進角ポート43と供給ポート45とは、進角切換ランド51cによって遮断され、遅角ポート44と供給ポート45とは、遅角切換ランド51dによって遮断される。
また、上述のように、進角室61〜63および遅角室64〜66内の作動油が流出しないため、共通接続路52eと遅角逆止弁室52bとの間、及び、共通接続路52eと進角逆止弁室52aとの間に差圧が生じず、遅角逆止弁82、進角逆止弁81は開弁しない。よって、デフォルトモードと同様に、第3モードでは、作動油はいずれのポート間にも流れない。
第4モードは、図8に示すように、第2モードに対して進角と遅角の位置が逆になる。すなわち、遅角ポート44と供給ポート45とが、遅角支持ランド51eと遅角切換ランド51dとの間隙を通じて連通し、遅角室64〜66内の作動油が流出可能となる。それに伴い、進角室61〜63へ作動油が流入可能となる。また、進角逆止弁室52aと進角ポート43とが、進角切換ランド51cと進角支持ランド51bとの間隙を通じて連通する。そのため、共通接続路52eと進角逆止弁室52aとの間に差圧が発生し、進角逆止弁81が開弁し、共通接続路52e、進角接続路52aを経由して遅角ポート43から進角ポート43への流れが許容される。
第5モードでは、図9に示すように、シャフト35が最大に前進してスプール50の進み側の端面51iがスプリング座面41jに当接する。
第5モードは、第1モードに対して進角と遅角の位置が逆になる。すなわち、遅角ポート44と遅角ドレンポート47とが、スリーブ41の摺動孔41hと遅角支持ランド51eとの間隙を通じて連通し、遅角室64〜66内の作動油がオイルタンク5へ排出可能となる。それに伴い、オイルポンプ4から進角室61〜63への作動油の供給が可能となる。また、進角逆止弁室52aと進角ポート43とが、進角切換ランド51cと進角支持ランド51bとの間隙を通じて連通する。そのため、供給ポート45からの供給油圧によって共通接続路52eと進角逆止弁室52aとの間に差圧が発生し、進角逆止弁81が開弁し、共通接続路52e、進角接続路52cを経由して供給ポート45と進角ポート43とが連通する。一方、進角ポート43と進角ドレンポート46とは、進角支持ランド51bによって遮断される。
(バルブタイミング調整装置の作動)
次に、バルブタイミング調整装置1の作動を、油圧駆動とカムトルク駆動に分けて説明する。
ECUからの指示によって駆動装置30のコイルに流れる通電電流が制御され、電磁吸引力が変化して、シャフト35の前進ストロークが制御される。すると、シャフト35がスプールキャップ53の球面部53aを押すため、シャフト35の前進ストロークに応じて、スプール50の位置がデフォルトモード、第1〜第5モードの間で切り換えられる。
(油圧駆動)
第1モードでは、オイルポンプ4から供給される作動油は、供給配管70→供給油路71、72→供給ポート45→共通接続路52e→遅角接続路52d→遅角ポート44→遅角油路74を経由して遅角室64〜66に流入し、ベーンロータ16は遅角方向に相対回動する。一方、進角室61〜63の作動油は、進角油路73→進角ポート43→進角ドレンポート46→進角ドレン油路76、77→進角配管78を経由してオイルタンク5に排出される。これにより、カムシャフト2のバルブタイミングが遅らされる。
第1モードでベーンロータ16を最遅角位置とした後、デフォルトモードに切り換えて内燃機関の運転を停止することにより、次回の始動時には、ベーンロータ16が最遅角位置にあるデフォルトモードから運転を開始することとなる。
第5モードでは、オイルポンプ4から供給される作動油は、供給配管70→供給油路71、72→供給ポート45→共通接続路52e→進角接続路52c→進角ポート43→進角油路73を経由して進角室61〜63に流入し、ベーンロータ16は進角方向に相対回動する。一方、遅角室64〜66の作動油は、遅角油路74→遅角ポート44→遅角ドレンポート47→遅角配管79を経由してオイルタンク5に排出される。これにより、カムシャフト2のバルブタイミングが早められる。
ベーンロータ16が進角方向あるいは遅角方向へ相対回動している途中で第3モードに切り換えると、進角室61〜63および遅角室64〜66の作動油の流出入が遮断され、ベーンロータ16は中間位置に保持され、所望のバルブタイミングを得ることができる。
このように、第1、第3、第5モードを切り換えることによって、油圧駆動をすることができる。油圧駆動は、内燃機関の低速回転時にはオイルポンプ4がほとんど油圧を発生せず性能が低下するという欠点がある反面、内燃機関の高速回転時に有利である。
(カムトルク駆動)
内燃機関の運転中、吸気弁90からのスプリング反力等によって、カムシャフト2を介してカムトルクがベーンロータ16に作用する。カムトルクは、図10に示すように、ベーンロータ16をハウジング12に対して進角方向に作用する負トルクと、ベーンロータ16をハウジング12に対して遅角方向に作用する正トルクが周期的に変動する。ここで、一周期をTで表すと、およそT/2毎に負トルクと正トルクが交番する。
第3モードでは、進角室61〜63および遅角室64〜66の作動油は流出入できないため、ベーンロータ16はカムトルクによって駆動されず、そのままの位置に保持される。
第2モードでは、作動油は進角室61〜63から遅角室64〜66へ流入可能となるため、ベーンロータ16は、正トルクを受けている間(図10のt1〜t2、t3〜t4、t5〜t6)、遅角方向に角度Δθずつ断続的に相対回動する。これにより、カムシャフト2のバルブタイミングが遅らされる。
第4モードでは、ベーンロータ16は、負トルクを受けている間、同様に、進角方向に断続的に相対回動する。これにより、カムシャフト2のバルブタイミングが早められる。
このように、第2、第3、第4モードを切り換えることによって、カムトルク駆動をすることができる。カムトルク駆動は、内燃機関の高速回転時には追従性が低下するという欠点がある反面、内燃機関の低速回転時に有利である。そのため、内燃機関始動時のクランキング中、オイルポンプ4の油圧が上昇する前に、カムトルク駆動によってカムシャフト2を所望の位相に調整することが可能である。
例えば、HEV(ハイブリッド電気自動車)では、内燃機関の圧縮比を膨張比よりも下げて熱効率を改善したアトキンソンサイクルが採用される場合が多く、低温時の内燃機関始動時におけるシリンダ内の温度上昇不足が発生し、内燃機関始動が不可能となる場合がある。これを回避するため、モータで高回転のクランキングをする必要が生じ、電池容量を増大させなければならなくなる。しかし、内燃機関始動時にカムトルク駆動を利用してカムシャフト2の位相を進角させることにより、低温時でもシリンダ温度が上昇し、内燃機関始動が可能となる。
(効果)
バルブタイミング調整装置1は、一つの制御弁部40によって、デフォルトモードおよび第1〜第5モードを切り換え、油圧駆動とカムトルク駆動における作動油の油路の切換が可能である。そして、カムトルク駆動時に選択される第2、第3、及び、第4モードでは、進角ドレンポート46および遅角ドレンポート47は常時遮断されており、進角室61〜63および遅角室64〜66の作動油はオイルタンク5に排出されない。したがって、進角室61〜63および遅角室64〜66の平均内圧は一定に維持され、減圧状態となることが防止される。よって、隙間から進角室61〜63または遅角室64〜66にエアを吸収するおそれがない。
また、デフォルトモードで進角ドレンポート46および遅角ドレンポート47は遮断されており、供給ポート45の供給側には供給逆止弁85が設けられているため、内燃機関の停止中に、進角室61〜63および遅角室64〜66の作動油が抜けることがなく、次回の機関始動性が良好となる。
さらに、スリーブ41がベーンロータ16のボス部16dの径内方向の内壁16hに設けられる。言い換えれば、制御弁部40が装置本体10に内蔵されており、スリーブ41の進角ポート43、遅角ポート44、及び、供給ポート45は、それぞれ、ボス部16dに設けられる進角油路73、遅角油路74、及び、供給油路75を経由して進角室61〜63、遅角室64〜65、及び、オイルポンプ4に連通する。
これにより、トータルのスペースや配管部品等が削減できる。また、制御弁部40から進角室61〜63、遅角室64〜66までの距離が短くなることで、油圧の減衰や脈動を最小限にすることができる。
加えて、スリーブ41は、雄ねじ部41gによりカムシャフト2と同軸に結合される。これにより、スリーブ41は、ボス部16dの内壁16hに嵌合して、ベーンロータ16をカムシャフト2に対して同軸に支持することができる。
また、スリーブ41にツバ部41fが設けられ、ツバ部41fがベーンロータ16の端面16fに当接することでベーンロータ16がカムシャフト2に結合可能である。
これにより、ベーンロータ16とカムシャフト2を締結するボルトの機能をスリーブ41が兼ねるため、部品点数やスペースを削減できる。
以下、本発明の第2〜第5実施形態について図面に基づいて説明する。なお、第1実施形態と実質的に同一の部位には同一の符号を付し、説明を省略する。
(第2実施形態)
本発明の第2実施形態を図11に基づいて説明する。第2実施形態のバルブタイミング調整装置は、第3モードをデフォルトモードとする。なお、図11(b)の油圧回路模式図は、第1実施形態の第3モードを示す図7(b)と同一である。
第2実施形態では、第1実施形態の構成に加え、スプール50の戻り側にデフォルトスプリング座面51mが設けられ、止め輪42とデフォルトスプリング座面51mとの間に、デフォルトスプリング49が設置される。デフォルトスプリング49の荷重は、デフォルトスプリング49の荷重とリターンスプリング48の荷重とのバランスによってスプール50が第3モードに位置するように設定される。
さらに、シャフト39は、スプールキャップ54に一体に結合される。なお、スプールキャップ54には球面部は設けられない。
第2実施形態における駆動装置30において、非通電時にスプール50が第3モードに位置するように、シャフト39が配置される。すなわち、第3モードがデフォルトモードとなる。第3モードから第4モード、第5モードへの駆動は、第1実施形態と同様、シャフト39がリターンスプリング48の付勢力に抗して、スプール50を進み側へ押す。一方、第3モードから第2モード、第1モードへの駆動は、シャフト39がデフォルトスプリング49の付勢力に抗して、スプール50を戻り側へ引く。
第2実施形態では、第1実施形態のように専用のデフォルトモードを設ける必要がなく、5つのモードを切り換えることにより、簡易な構成で本発明の「制御弁を一つにする効果」、「油抜け防止効果」、「制御弁内蔵効果」を奏することができる。
(第3実施形態)
本発明の第3実施形態を図12、図13、図14(a)に基づいて説明する。図12に示すバルブタイミング調整装置1の断面図は、図13(a)のE−R1−R2−R3−R4−R5−E断面図に相当する。また、図13(b)に示すF−F断面図は、第1実施形態のB−B断面図である図3(b)と同一である。
第3実施形態では、図13(c)に示すように、ブッシング15の進角ドレン通路76とハウジング12の進角ドレン通路77との境界の弁室68に油抜け防止弁86が設けられる。油抜け防止弁86は、供給逆止弁85と同様に弾性体からなるリードバルブであり、基本的には、進角ドレン通路76から進角ドレン通路77への方向の流れを許容し、その逆方向の流れを禁止する逆止弁である。
ただし、この形態での油抜け防止弁86の機能は、許容方向の流れの圧力が所定圧力以上のときにのみ開弁することである。すなわち、許容方向の流れであっても圧力が所定圧力未満であれば開弁しない。この所定圧力は、進角室61〜63内の作動油の自重による圧力、すなわち進角室61〜63とオイルタンク5とのヘッド差による圧力よりも高く、オイルポンプ4の吐出圧に比べて充分に低い圧力であればよい。なお、図14(a)では、逆止弁の下流側にばね記号を付すことにより、上記の機能を表示した。
これにより、第1モードでオイルポンプ4からの油圧供給が停止されて保持されたとき、進角室61〜63内の作動油が自重によりオイルタンク5に流れ落ちることを防止できるため、第1モードをデフォルトモードとすることができる。したがって、第1実施形態のように専用のデフォルトモードを設ける必要がない。また、第2実施形態のようにデフォルトスプリングを設け、シャフトとスプールキャップを結合する必要がない。よって、デフォルトモードをより簡易に実現し、第1、第2実施形態と同様の効果を奏することができる。
(第4実施形態)
第3実施形態では、進角ドレンポート46からオイルタンク5への通路に油抜け防止弁86が設けられた。第4実施形態では、図14(b)に示すように、さらに、遅角ドレンポート47からオイルタンク5への通路に油抜け防止弁87が設けられる。
これにより、第1モードのみならず、第5モードでオイルポンプ4からの油圧供給が停止されて保持されたときにも、遅角室64〜66内の作動油が自重によりオイルタンク5に流れ落ちることを防止でき、第1〜第3実施形態と同様の効果を奏することができる。
(第5実施形態)
第5実施形態は、図15に示すように、制御弁が装置本体と別に設置されるバルブタイミング調整装置1の実施形態である。
装置本体100には制御弁部が内蔵されておらず、外部の制御弁装置400を介して作動油が供給され、また、作動油を排出する。
独立した制御弁装置400は、電磁駆動部300および制御弁部40を備え、オイルポンプ4から装置本体100への作動油の供給、及び、装置本体100からオイルタンク5への作動油の排出を制御する。電磁駆動部300は、特許請求の範囲に記載の「駆動手段」に相当する。
電磁駆動部300は、固定コア33、可動コア34、シャフト35、コイル36、ヨーク37を備えている。固定コア33、可動コア34、及び、ヨーク37は磁性材料から形成されて磁気回路を構成する。シャフト35は可動コア34に圧入されており、可動コア34と一体に往復移動可能である。コイル36は、通電により磁界を発生する。固定コア33の磁気遮断部33aは、両側の磁気を遮断する。
制御弁部40は、第1実施形態の制御弁部と同様の構成である。供給ポート45は、逆止弁85を介してオイルポンプ4に接続され、進角ドレンポート46および遅角ドレンポート47は、オイルタンク5に接続される。進角ポート43および遅角ポート44は、進角配管730および遅角配管740を経由して装置本体100に接続される。
コイル36に通電することにより上記磁気回路に電磁吸引力が発生し、可動コア34が固定コア33に吸引されて、可動コア34およびシャフト35が図15の左方向へ移動する。すると、シャフト35が、リターンスプリング48の付勢力に抗してスプール50を図15の左方向、すなわち進み方向へ押す。
ECUからの指示によりコイル36への通電電流が制御されることによって電磁吸引力の大きさが変化し、シャフト35の移動ストロークが制御される。これにより、制御弁装置400において、デフォルトモードおよび第1〜第5モードの切換が可能となる。
第5実施形態では、装置本体100と制御弁装置400とが別体であり、トータルのスペースは大きくなる。しかし、装置本体100自体は小型化できるため、特にシリンダヘッドの取り付け部分のスペースを削減したい場合に有利である。
また、第1〜第4実施形態と同様、カムトルク駆動時および内燃機関停止時に、進角室61〜63および遅角室64〜66からの油抜けを防止することができる。
さらに、制御弁装置400を既存の装置本体100に組み合わせることにより、既存のシステムからの改造が容易である。
(その他の実施形態)
(ア)バルブタイミング調整装置1は、吸気弁90側に限らず排気弁94側に適用されてもよい。その場合、ベーンロータの最進角位置をデフォルトとするため、第1実施形態に対応する実施形態では、第5モードの進み側にデフォルトモードを設定すればよい。駆動装置は、非作動時にシャフトが最前進位置にあるようにすればよい。
また、第3実施形態に対応する実施形態では、第5モードをデフォルトモードとし、遅角ドレン通路に油抜け防止弁を設ければよい。なお、第4実施形態では、進角ドレン通路および遅角ドレン通路に油抜け防止弁が設けられているので、駆動装置の非作動時のシャフト位置を変更すれば、そのまま排気弁側に適用できる。
(イ)同様に、第5実施形態に対応する制御弁を排気弁側のバルブタイミング調整装置に適用する場合には、進角配管と遅角配管を入れ替えればよい。
(ウ)駆動装置は、ソレノイドバルブとリターンスプリングによって構成されるものに
限らない。駆動装置自身がスプールを押し引きする場合は、リターンスプリング、あるいは第2実施形態のデフォルトスプリングはなくてもよい。
また、他の機構でシャフトを所定ストロークだけ前進させるものであってもよい。例えば、モータなどの回転運動をラックピニオン機構によって直線運動に変換する装置や、ボールねじを用いた装置等のリニアアクチュエータであってもよい。
(エ)内燃機関の停止中でも、駆動装置が別のエネルギー源によって作動可能としてもよい。それにより、第2実施形態のように駆動装置がスプールを戻り側へ引く機構を有しなくても、第3モードをデフォルトモードとすることができる。
(オ)進角ドレン配管に接続されるオイルタンクと、遅角ドレン配管に接続されるオイルタンクは同一である必要はなく別々であってもよい。また、油溜めとしてオイルタンクに代えてオイルパンを使用してもよい。
(カ)内燃機関の駆動力をタイミングチェーンを経由して受けるスプロケットを用いた実施形態に本発明を適用した例について説明したが、タイミングプーリを用いた例に本発明を適用してもよい。
以上、本発明はこのような実施形態に限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲において、種々の形態で実施することができる。
1:バルブタイミング調整装置、2:カムシャフト(従動軸)、3:カム、4:オイルポンプ(油圧供給源)、5:オイルタンク(油溜め)、10、100:装置本体、11:スプロケット、12:ハウジング、13:フロントプレート、15:ブッシング、16:ベーンロータ、16a〜16c:ベーン部、16d:ボス部、16e:インロー部、16f:端面、16g:外壁、16h:内壁、
30:駆動装置(駆動手段)、300:電磁駆動部(駆動手段)、35、39:シャフト、40:制御弁部、400:制御弁装置、41:スリーブ(制御弁スリーブ)、41a:嵌合軸部、41f:ツバ部、41g:雄ねじ部、41h:摺動孔、41j:スプリング座面、41k:止め輪溝、42:止め輪、43:進角ポート、44:遅角ポート、45:供給ポート、46:進角ドレンポート、47:遅角ドレンポート、48:リターンスプリング、49:デフォルトスプリング、
50:スプール(制御弁スプール)、51:スプール本体、51a:延長支持ランド、51b:進角支持ランド、51c:進角切換ランド、51d:遅角切換ランド、51e:遅角支持ランド、51f:小径部、51g:雌ねじ部、51h:収容孔、51i:端面、51j:スプリング座面、51k:端面、51m:デフォルトスプリング座面、52:逆止弁ホルダ、52a:進角逆止弁室、52b:遅角逆止弁室、52c:進角接続路、52d:遅角接続路、52e:共通接続路、53、54:スプールキャップ、53a:球面部、53b:雄ねじ部
61〜63:進角室、64〜66:遅角室、67、68:弁室、
70:供給配管、71、72、75:供給油路、73:進角油路、730:進角配管、74:遅角油路、740:遅角配管、76、77:進角ドレン油路、78:進角ドレン配管、79:遅角ドレン配管
81:進角逆止弁、82:遅角逆止弁、83、84:逆止弁スプリング、85:供給逆止弁、86、87:油抜け防止弁
90:吸気弁、94:排気弁、95:チェーン、96:内燃機関、97:クランクシャフト(駆動軸)、99:内燃機関カバー

Claims (10)

  1. 内燃機関の駆動力を駆動軸から従動軸に伝達する動力伝達系に設けられ、この従動軸の回転力により吸気弁または排気弁を開閉するとともに、吸気弁または排気弁の開閉タイミングを変更可能なバルブタイミング調整装置であって、
    内燃機関の駆動軸のもつ駆動力を受けて回転するハウジングと、
    前記ハウジングに収容され、吸気弁または排気弁を開閉する従動軸とともに回転し、前記ハウジングに対し所定角度範囲で相対回動可能な複数のベーン部、前記ベーン部の回転方向の一方側に形成され圧力が上昇すると前記ハウジングに対し前記ベーン部を進角側に回転位相を変更する進角室、及び、前記ベーン部の回転方向の他方側に形成され圧力が上昇すると前記ハウジングに対し前記ベーン部を遅角側に回転位相を変更する遅角室を有するベーンロータと、
    複数のランド部を有し前記進角室および前記遅角室に作動油を供給または排出する油路を切換可能な制御弁スプールと、
    前記制御弁スプールを往復移動可能に収容し、前記進角室に連通する進角ポート、前記遅角室に連通する遅角ポート、前記ランド部との相対位置によって前記進角ポートに連通可能でかつ油溜めに連通する進角ドレンポート、前記ランド部との相対位置によって前記遅角ポートに連通可能でかつ油溜めに連通する遅角ドレンポート、及び、油圧供給源に連通する供給ポート、を有する制御弁スリーブと、
    前記油圧供給源から前記供給ポートへの方向の流れを許容するとともに、その逆方向の流れを禁止する供給逆止弁と、
    前記制御弁スリーブに対し前記制御弁スプールを駆動する駆動手段と、
    を備え、
    前記制御弁スプールは、
    前記供給ポートから前記進角ポートへの方向の流れを許容するとともに、その逆方向の流れを禁止する進角逆止弁と、
    前記供給ポートから前記遅角ポートへの方向の流れを許容するとともに、その逆方向の流れを禁止する遅角逆止弁と、
    を設けていることを特徴とするバルブタイミング調整装置。
  2. 前記制御弁スリーブに対する前記制御弁スプールの軸方向相対位置の切換について、前記進角ポートと前記進角ドレンポートとを遮断する状態と、前記遅角ポートと前記遅角ドレンポートとを遮断する状態とを同時に選択可能であることを特徴とする請求項1に記載のバルブタイミング調整装置。
  3. 前記進角ドレンポートから前記油溜めへの通路に、前記進角室内の作動油が自重により油溜めへ流れ落ちることを防止する油抜け防止弁を備えることを特徴とする請求項1または2に記載のバルブタイミング調整装置。
  4. 前記遅角ドレンポートから前記油溜めへの通路に、前記遅角室内の作動油が自重により油溜めへ流れ落ちることを防止する油抜け防止弁を備えることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のバルブタイミング調整装置。
  5. 内燃機関の駆動力を駆動軸から従動軸に伝達する動力伝達系に設けられ、この従動軸の
    回転力により吸気弁または排気弁を開閉するとともに、吸気弁または排気弁の開閉タイミングを変更可能なバルブタイミング調整装置であって、
    内燃機関の駆動軸のもつ駆動力を受けて回転するハウジングと、
    前記ハウジングに収容され、吸気弁または排気弁を開閉する従動軸とともに回転し、前記ハウジングに対し所定角度範囲で相対回動可能な複数のベーン部、前記ベーン部の回転方向の一方側に形成され圧力が上昇すると前記ハウジングに対し前記ベーン部を進角側に回転位相を変更する進角室、前記ベーン部の回転方向の他方側に形成され圧力が上昇すると前記ハウジングに対し前記ベーン部を遅角側に回転位相を変更する遅角室、及び、径外方向の外壁に前記ベーン部が取り付けられるボス部、を有するベーンロータと、
    複数のランド部を有し前記進角室および前記遅角室に作動油を供給または排出する油路を切換可能な制御弁スプールと、
    前記ボス部の径内方向の内壁に設けられ、前記制御弁スプールを往復移動可能に収容し、前記ボス部に設けられる進角油路を経由して前記進角室に連通する進角ポート、前記ボス部に設けられる遅角油路を経由して前記遅角室に連通する遅角ポート、前記ランド部との相対位置によって前記進角ポートに連通可能でかつ油溜めに連通する進角ドレンポート、前記ランド部との相対位置によって前記遅角ポートに連通可能でかつ油溜めに連通する遅角ドレンポート、及び、前記ボス部に設けられる供給油路を経由して油圧供給源に連通する供給ポート、を有する制御弁スリーブと、
    前記油圧供給源から前記供給ポートへの方向の流れを許容するとともに、その逆方向の流れを禁止する供給逆止弁と、
    前記制御弁スリーブに対し前記制御弁スプールを駆動する駆動手段と、
    を備え、
    前記制御弁スプールは、
    前記供給ポートから前記進角ポートへの方向の流れを許容するとともに、その逆方向の流れを禁止する進角逆止弁と、
    前記供給ポートから前記遅角ポートへの方向の流れを許容するとともに、その逆方向の流れを禁止する遅角逆止弁と、
    を設けていることを特徴とするバルブタイミング調整装置。
  6. 前記制御弁スリーブに対する前記制御弁スプールの軸方向相対位置の切換について、前記進角ポートと前記進角ドレンポートとを遮断する状態と、前記遅角ポートと前記遅角ドレンポートとを遮断する状態とを同時に選択可能であることを特徴とする請求項5に記載のバルブタイミング調整装置。
  7. 前記進角ドレンポートから前記油溜めへの通路に、前記進角室内の作動油が自重により油溜めへ流れ落ちることを防止する油抜け防止弁を備えることを特徴とする請求項5または6に記載のバルブタイミング調整装置。
  8. 前記遅角ドレンポートから前記油溜めへの通路に、前記遅角室内の作動油が自重により油溜めへ流れ落ちることを防止する油抜け防止弁を備えることを特徴とする請求項5〜7のいずれか一項に記載のバルブタイミング調整装置。
  9. 前記制御弁スリーブは、前記従動軸と同軸に結合されることを特徴とする請求項5〜8のいずれか一項に記載のバルブタイミング調整装置。
  10. 前記制御弁スリーブにツバ部が設けられ、前記ツバ部が前記ベーンロータに当接することで前記ベーンロータが前記従動軸に結合可能であることを特徴とする請求項9に記載のバルブタイミング調整装置。
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