JP2011196235A - 燃料噴射弁 - Google Patents

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Abstract

【課題】安定した燃料噴射特性を発揮する。
【解決手段】外周面11aから凹む凹部14の径方向内側に薄肉部17を形成の磁性パイプ11と、磁性パイプ11内に収容され、弁部材40と共に移動する可動コア30と、磁性パイプ11内に固定され、薄肉部17の径方向内側にて可動コア30と対向する固定コア20と、内周面61aが凹部14の軸方向両側にて磁性パイプ11の外周面11aに装着されるスプール61と、スプール61に巻回され、可動コア30を固定コア20へ吸引するための通電により、磁性パイプ11と両コア20,30間を通過する磁束を発生する電磁コイル62と、磁性パイプ11とスプール61との装着界面70,71及び電磁コイル62を覆う樹脂ハウジング63と、スプール61から径方向内側へ突出し、凹部14内に隙間部82,84を残した状態で凹部14と軸方向接触する接触突起80とを備える。
【選択図】図2

Description

本発明は、内燃機関への燃料噴射を弁部材の往復移動により断続する燃料噴射弁に関する。
従来、磁性材からなる磁性パイプ内において、弁部材と共に往復移動する可動コアを固定コアに対向配置し、それら両コア間と磁性パイプとを通過して可動コアを固定コアへ吸引するための磁束を、電磁コイルへの通電により発生する燃料噴射弁が、知られている。
こうした燃料噴射弁の一種に、磁性パイプにおいて外周面から凹む凹部の径方向内側に薄肉部を形成し、当該薄肉部の径方向内側において両コアを対向させるように構成したものが、特許文献1に開示されている。かかる構成によれば、電磁コイルへの通電により発生する磁束は、磁性パイプにおける透磁率よりも凹部内の透磁率が低いことに起因して、当該パイプのうち凹部の凹み分だけ薄い薄肉部では通過し難くなる。その結果、薄肉部の径方向内側にて磁束が通過し易くなる両コア間では、可動コアを固定コアへ吸引する磁気吸引力が当該磁束の密度に応じて増大するので、可動コアと共に移動する弁部材の応答性を高めることが可能となるのである。
特開2009−108805号公報
さて、特許文献1に開示の燃料噴射弁では、電磁コイルが巻回される筒状のスプールの内周面は、凹部の軸方向両側にて筒状の磁性パイプの外周面に装着され、その装着界面と電磁コイルとが樹脂成形材によって覆われている。そのため、スプール内周面と磁性パイプ外周面との装着界面へ樹脂成形時の成形圧力に応じて浸入する樹脂成形材は、当該外周面から凹んだ凹部よりも径方向内側の薄肉部にまで到達して、薄肉部を変形させるおそれがある。ここで薄肉部の変形は、両コア間における磁束密度の増減を招来するため、弁部材の応答性、ひいては燃料噴射特性にバラツキが生じてしまうのである。
本発明は、以上説明した問題に鑑みてなされたものであって、その目的は、安定した燃料噴射特性を発揮する燃料噴射弁を提供することにある。
請求項1に記載の発明は、内燃機関への燃料噴射を弁部材の往復移動により断続する燃料噴射弁であって、磁性材よりなり、外周面から凹む凹部の径方向内側に薄肉部を形成する筒状の磁性パイプと、磁性パイプ内に収容され、燃料噴射を断続するために弁部材と共に往復移動する可動コアと、磁性パイプ内に固定され、薄肉部の径方向内側において可動コアと対向する固定コアと、内周面が凹部の軸方向両側にて磁性パイプの外周面に装着される筒状のスプールと、スプールに巻回され、可動コアを固定コアへ吸引するための通電により、磁性パイプと両コア間とを通過する磁束を発生する電磁コイルと、樹脂成形材よりなり、磁性パイプとスプールとの装着界面並びに電磁コイルを覆う樹脂ハウジングと、スプールから径方向内側へ突出し、凹部内に隙間部を残した状態で当該凹部と軸方向に接触する接触突起と、を備えることを特徴としている。
このように請求項1に記載の発明によると、電磁コイルが巻回される筒状スプールの内周面は、筒状の磁性パイプにおいて薄肉部を径方向内側に形成する凹部の軸方向両側で当該パイプの外周面に装着され、その装着界面と電磁コイルとが樹脂ハウジングにより覆われる。故に、樹脂成形材よりなる樹脂ハウジングの樹脂成形時には、スプール内周面と磁性パイプ外周面との装着界面へ成形圧力に応じて浸入する樹脂成形材が、当該外周面から凹む凹部よりも径方向内側の薄肉部にまで到達して、薄肉部を変形させることが懸念される。
しかし、請求項1に記載の発明によると、スプールから径方向内側へ突出する接触突起が凹部と軸方向に接触してシールを形成することで、そのシール部分よりも径方向内側の薄肉部には装着界面への浸入材が到達し難くなるので、当該薄肉部の変形は回避され得る。さらに、請求項1に記載の発明によると、隙間部を残した状態で接触突起が接触する凹部内では、磁性パイプにおけるよりも低い透磁率が確保され得るので、電磁コイルへの通電により発生する磁束は、当該パイプのうち凹部の凹み分だけ薄い薄肉部では通過し難くなる。これらによれば、薄肉部の径方向内側にて対向する両コア間では通過し易くなることで、可動コアを固定コアへ吸引する磁気吸引力を増大させ得る磁束につき、その密度のバラツキを抑制することができる。したがって、可動コアと共に移動する弁部材の応答性を高めて、安定した燃料噴射特性を発揮することが可能となるのである。
請求項2に記載の発明によると、凹部の軸方向両側にてスプールの内周面が磁性パイプの外周面に装着されてなる装着界面のうち、それら各装着界面を覆う樹脂ハウジングの覆部から凹部までの距離が短い方の装着界面を、短距離界面と定義したとき、接触突起は、スプールにおける接触突起の軸方向両側のうち、短距離界面側にて凹部と接触する。ここで樹脂成形材は、凹部の軸方向両側の装着界面のうち、樹脂ハウジングによる覆部から凹部までの距離が短い短距離界面を通じた方が、当該凹部にまで浸入し易い。しかし、接触突起はその軸方向両側のうち短距離界面側にて凹部と接触してシールを形成するので、短距離界面への浸入材であっても、そのシール部分から径方向内側の薄肉部には到達し難くなる。これによれば、装着界面への浸入材が到達することによる薄肉部の変形回避効果を高めて、安定した燃料噴射特性の発揮に貢献することができる。
請求項3に記載の発明によると、接触突起は、磁性パイプの軸方向において凹部との間に隙間部を挟む。このように、磁性パイプの軸方向において接触突起との間に隙間部を挟む凹部内では、磁性パイプにおけるよりも低い透磁率の確保が確実となるので、両コア間での磁束密度を高めて、安定した燃料噴射特性の発揮に貢献することができる。
請求項4に記載の発明によると、スプールにおいて隙間部の軸方向両側に設けられる接触突起は、それぞれ凹部と接触する。このように、スプールにおいて隙間部の軸方向両側の接触突起がそれぞれ凹部と接触することで、凹部の軸方向両側の装着界面に対し薄肉部がシールされ得る。これによれば、装着界面への浸入材が到達することによる薄肉部の変形回避効果を高めて、安定した燃料噴射特性の発揮に貢献することができる。さらに、スプールから突出する各接触突起が磁性パイプの凹部に隙間部の軸方向両側で接触することによれば、電磁コイルの巻回されたスプールは、磁性パイプに対し軸方向に位置決めされ得る。故に、電磁コイルへの通電により正規密度の磁束を両コア間に発生させて、安定した燃料噴射特性を発揮することもできるのである。
請求項5に記載の発明によると、接触突起は、磁性パイプの径方向において薄肉部と嵌合する。このように、スプールから突出する接触突起が磁性パイプの径方向において薄肉部と嵌合することにより、当該薄肉部を補強し得る。これによれば、薄肉部の変形に起因する両コア間での磁束密度のバラツキにつき抑制効果を高めて、安定した燃料噴射特性の発揮に貢献することができる。
請求項6,7に記載の発明によると、接触突起は、磁性パイプの径方向において凹部との間に隙間部を挟む。このように、磁性パイプの径方向において接触突起との間に隙間部を挟む凹部内では、磁性パイプにおけるよりも低い透磁率の確保が確実となるので、両コア間での磁束密度を高めて、安定した燃料噴射特性の発揮に貢献することができる。
請求項7に記載の発明によると、接触突起は、スプールにおける接触突起の軸方向両側にて凹部と接触する。このように、スプールにおける接触突起の軸方向両側にて当該突起が凹部と接触することで、凹部の軸方向両側の装着界面に対し薄肉部がシールされ得る。これによれば、装着界面への浸入材が到達することによる薄肉部の変形回避効果を高めて、安定した燃料噴射特性の発揮に貢献することができる。さらに、スプールから突出する接触突起がその軸方向両側で磁性パイプの凹部と接触することによれば、電磁コイルを巻回されるスプールは、磁性パイプに対し軸方向に位置決めされ得る。故に、電磁コイルへの通電により正規密度の磁束を両コア間に発生させて、安定した燃料噴射特性を発揮することもできるのである。
請求項8に記載の発明によると、スプールにおいて周方向に連続した環状の接触突起は、磁性パイプにおいて周方向に連続した環状の凹部と軸方向に接触するので、それら周方向の全域でシールを形成し得る。これによれば、装着界面への浸入材が到達することによる薄肉部の変形回避効果を高めて、安定した燃料噴射特性の発揮に貢献することができる。
請求項9に記載の発明によると、スプールにおいて周方向に並んで設けられる接触突起は、磁性パイプにおいて周方向に連続した環状の凹部と軸方向に接触することにより、相互間に当該凹部内の隙間部を形成する。このように磁性パイプの周方向に連続した環状の凹部内では、スプールの周方向に並ぶ接触突起の相互間に隙間部が形成されるので、磁性パイプにおけるよりも低い透磁率の確保が確実となる。これによれば、両コア間での磁束密度を高めて、安定した燃料噴射特性の発揮に貢献することができる。
請求項10に記載の発明によると、接触突起は、磁性パイプの周方向に沿って凹部に面接触する。このように、磁性パイプの周方向に沿って接触突起が凹部に面接触することで、シール面積が増大し得る。これによれば、装着界面への浸入材が到達することによる薄肉部の変形回避効果を高めて、安定した燃料噴射特性の発揮に貢献することができる。
請求項11に記載の発明によると、接触突起は、磁性パイプの周方向に沿って凹部に線接触する。このように、磁性パイプの周方向に沿って接触突起が凹部に線接触することで、シール圧が増大し得る。これによれば、装着界面への浸入材が到達することによる薄肉部の変形回避効果を高めて、安定した燃料噴射特性の発揮に貢献することができる。
請求項12に記載の発明によると、可動コアは、薄肉部に対し径方向内側にて摺動する。このように、可動コアが径方向内側にて摺動する薄肉部は、可動コアの当該摺動を阻害する変形につき、上述した接触突起のシール作用によって回避され得る。これによれば、弁部材と共に移動する可動コアの摺動不良に起因した燃料噴射特性にバラツキが生じる事態を、抑制することができる。
請求項13に記載の発明によると、固定コアは、薄肉部の径方向内側に圧入される。このように、径方向内側に固定コアが圧入される薄肉部は、当該圧入を阻害する変形につき、上述した接触突起のシール作用によって回避され得る。これによれば、固定コアの圧入不良に起因して燃料噴射特性にバラツキが生じる事態を、抑制することができる。
本発明の第一実施形態による燃料噴射弁を示す断面図である。 図1の要部を拡大して示す断面図である。 図2のスプールを示す断面図である。 図3のIV−IV線矢視図である。 図2の要部をさらに拡大して示す断面図である。 図5の変形例を示す断面図である。 図5の変形例を示す断面図である。 図5の変形例を示す断面図である。 図1の燃料噴射弁の製造方法について説明するための断面図である。 本発明の第二実施形態による燃料噴射弁のスプールを拡大して示す断面図である。 図10のXI−XI線矢視図である。 本発明の第三実施形態による燃料噴射弁のスプールを拡大して示す断面図である。 図12のスプールを示す断面図である。 本発明の第四実施形態による燃料噴射弁のスプールを拡大して示す断面図である。 図14のスプールを示す断面図である。 本発明の第五実施形態による燃料噴射弁のスプールを拡大して示す断面図である。 本発明の第六実施形態による燃料噴射弁のスプールを拡大して示す断面図である。 本発明の第七実施形態による燃料噴射弁のスプールを拡大して示す断面図である。 図12の変形例を示す断面図である。 図12の変形例を示す断面図である。
以下、本発明の複数の実施形態を図面に基づいて説明する。尚、各実施形態において対応する構成要素には同一の符号を付すことにより、重複する説明を省略する。
(第一実施形態)
図1は、本発明の第一実施形態による燃料噴射弁1を示している。燃料噴射弁1は、内燃機関としてのガソリンエンジンに設置され、当該ガソリンエンジンの燃焼室(図示しない)へ燃料を噴射する。尚、かかる適用形態以外にも、例えば燃料噴射弁1は、ガソリンエンジンの燃焼室に連通する吸気通路へ燃料を噴射するものであってもよいし、内燃機関としてのディーゼルエンジンの燃焼室へ燃料を噴射するものであってもよい。
(基本部分)
以下、燃料噴射弁1の基本部分について、詳細に説明する。燃料噴射弁1は、弁ハウジング10、固定コア20、可動コア30、弁部材40、弾性部材50、並びに駆動部60を備えている。
弁ハウジング10は、磁性パイプ11、ノズルボディ12及び噴孔部材13等から構成されている。図1,2に示すように磁性パイプ11は、磁性材により円筒状に形成されており、軸方向の中間部に凹部14を有している。凹部14は、磁性パイプ11の外周面11aから径方向内側へ凹み且つ当該パイプ11の周方向に連続して延伸する円環溝状に、形成されている。したがって、磁性パイプ11は、凹部14の軸方向両側部分15,16よりも凹部14の径方向内側部分(即ち、凹部14の底部)17につき薄肉化され、当該内側部分により薄肉部17を形成している。このような薄肉部17は、凹部14の軸方向両側部分15,16間にて通過する磁束を、制限可能である。尚、以下においては、凹部14の軸方向両側部分15,16を、薄肉部17よりも径方向厚さの厚い厚肉部15,16として説明する。
図1に示すように磁性パイプ11の一端部は、燃料ポンプ(図示しない)から燃料が供給される供給入口18を形成している。磁性パイプ11の他端部には、ノズルボディ12を介して噴孔部材13が装着されている。ここで、金属材により円筒状に形成されるノズルボディ12は、供給入口18への供給燃料を流通させる燃料通路19を磁性パイプ11と共同して区画していると共に、当該通路19の下流側端部に弁座12aを有している。金属材により有底円筒状に形成される噴孔部材13は、弁座12aよりも下流側の底部において燃料通路19に連通する噴孔13aを、外部(本実施形態では、燃焼室)へ向けて開口させている。
図1,2に示すように固定コア20は、磁性材によって円筒状に形成されており、磁性パイプ11内に固定されている。本実施形態の固定コア20は、薄肉部17及び燃料上流側(供給入口18側)の厚肉部15に対し同軸上に配置され、それら各部17,15の径方向内側に圧入されている。軸方向に燃料孔21が貫通する固定コア20は、供給入口18から燃料通路19を介して当該孔21へ流入した燃料を、その下流側に配置の可動コア30側へ向かって流出させる。
可動コア30は、磁性材によって段付円筒状に形成されており、磁性パイプ11内に往復移動可能に収容されている。本実施形態の可動コア20は、薄肉部17及び燃料下流側(噴孔13a側)の厚肉部16に対し同軸上に配置され、当該薄肉部17の径方向内側において任意の移動位置で固定コア20と軸方向に対向する。可動コア30は、径方向外側へ突出して径方向内側から薄肉部17に摺動する円環状の摺動突部31を、軸方向の固定コア20側の端部に有している。このように摺動突部31が薄肉部17に摺動することによって案内作用を受ける可動コア30は、軸方向に正確に移動可能となっている。図1に示すように、燃料孔32が軸方向に貫通する可動コア30は、固定コア20の燃料孔21から当該孔32へと流入した燃料を、その下流側に配置の弁部材40側へ向かって流出させる。
弁部材40は、非磁性材によって有底円筒状に形成されており、磁性パイプ11内及びノズルボディ12内に跨って往復移動可能に収容されている。本実施形態の弁部材40は、燃料下流側の厚肉部16及びノズルボディ12に対し同軸上に配置され、燃料上流側の可動コア30内に開口端部が嵌入装着されている。これにより弁部材40は、可動コア30と一体となって往復移動可能となっている。弁部材40は、その開口端部から底端部側へ向かって軸方向に延伸する縦燃料孔43と、周壁を径方向に貫通する複数の横燃料孔45とを有している。これにより弁部材40は、可動コア30の燃料孔32から縦燃料孔43へ流入した燃料を、その下流側となる各横燃料孔45を通じてノズルボディ12内の燃料通路19へと流出させる。
弁部材40は、弁座12aに対して当接可能な当接部40aを、燃料下流側の底端部に有している。弁部材40が当接部40aを弁座12aから離座させる燃料上流側へ向かって軸方向移動する開弁作動時には、燃料通路19の燃料が噴孔13aから燃焼室へ噴射される。また一方、当接部40aを弁座12aに着座させる燃料下流側へ向かって弁部材40が軸方向移動する閉弁作動時には、噴孔13aから燃焼室への燃料噴射が遮断される。このように弁部材40は、軸方向両側への往復移動によって噴孔13aを開閉することにより、燃焼室への燃料噴射を断続可能となっている。
弾性部材50は、金属製の圧縮コイルスプリングであり、固定コア20の燃料孔21内に同軸上に収容されている。弾性部材50の一端部は、固定コア20の燃料孔21内に圧入固定されたアジャスティングパイプ22により係止されており、また弾性部材50の他端部は、可動コア30により係止されている。これにより弾性部材50は、要素22,30間にて圧縮されて弾性変形することにより、燃料下流側(弁座12a側)へ向かって可動コア30を付勢する。
駆動部60は、スプール61、電磁コイル62、樹脂ハウジング63、ヨークハウジング64、ヨークプレート65、コネクタ66及びターミナル67等から構成されている。図1,2に示すようにスプール61は、樹脂成形材によって円筒状に形成されており、磁性パイプ11に対し同軸上に外嵌されている。本実施形態のスプール61の内周面61aは、薄肉部17を形成する凹部14の軸方向両側において磁性パイプ11の外周面11aをなす各厚肉部15,16の外周面部15a,16aに、周方向の全域で嵌合装着されている。これによりスプール61は、凹部14の開口を径方向外側から覆蓋した形となっている。
電磁コイル62は、スプール61に金属線材を巻回してなり、全体としてスプール61と同軸上の円筒状を呈している。樹脂ハウジング63は、樹脂成形によって円筒容器状に形成されており、電磁コイル62を径方向外側から覆っている。ヨークハウジング64は磁性材によって形成され、樹脂ハウジング63を挟んだ電磁コイル62の径方向外側部分から、磁性パイプ11の一方の厚肉部16に到るまでの間を接続している。ヨークプレート65は磁性材によって形成され、樹脂ハウジング63及びヨークハウジング64を挟んだ電磁コイル62の径方向外側部分から、磁性パイプ11の他方の厚肉部15に到るまでの間を接続している。
図1に示すようにコネクタ66は、樹脂ハウジング63と同じ樹脂成形材により、当該ハウジング63と一体に成形されている。コネクタ66には、外部の制御回路(図示しない)と電磁コイル62との間を電気接続するターミナル67が埋設されており、当該制御回路によって電磁コイル62への通電が制御されるようになっている。ここで、電磁コイル62が通電によって励磁するときには、ヨークハウジング64、磁性パイプ11の厚肉部16、可動コア30、固定コア20及び磁性パイプ11の厚肉部15が共同して形成する磁気回路に、磁束が流れる。その結果、磁束が通過する両コア30,20間には、可動コア30を燃料上流側の固定コア20側へ向かって吸引する磁気吸引力が、発生する。このとき、磁性パイプ11において薄肉部17を通過する磁束の密度が低くなるほど、可動コア30に対する磁気吸引力は増大することとなる。尚、通電の停止によって電磁コイル62が消磁するときには、上述の磁気回路に磁束が流れなくなるため、両コア30,20間において磁気吸引力が消失する。
このように構成された燃料噴射弁1の開弁作動では、電磁コイル62への通電が開始されることで、磁気吸引力が可動コア30に作用する。すると、弁部材40と共に可動コア30は、弾性部材50の付勢に抗して固定コア20側へと吸引されることで、当該固定コア20と当接して停止する。その結果、弁座12aから当接部40aが離座した状態となるので、噴孔13aから燃料が噴射されるのである。
また、こうした開弁作動後における燃料噴射弁1の閉弁作動では、電磁コイル62への通電が停止されることで、可動コア30に作用する磁気吸引力が消失する。すると、弁部材40と共に可動コア30は、弾性部材50により弁座12a側へと付勢されることで、弁部材40の底端部をノズルボディ12に当接させて停止する。その結果、弁座12aに当接部40aが着座した状態となるので、噴孔13aからの燃料噴射が停止するのである。
(特徴部分)
次に、第一実施形態の燃料噴射弁1の特徴部分について、詳細に説明する。図2に示すように、径方向外側から電磁コイル62を覆う円筒容器状の樹脂ハウジング63は、スプール61のフランジ部61b,61c(図3も参照)を介して軸方向両側からも当該コイル62を覆っている。これにより、スプール61の内周面61aと磁性パイプ11の外周面11a(各厚肉部15,16の外周面部15a,16a)とが凹部14の軸方向両側にて形成する装着界面(嵌合界面)70,71については、樹脂ハウジング63の軸方向両端部68,69により、それぞれ覆われている。即ち樹脂ハウジング63は、装着界面70,71の軸方向縁部を周方向全域にて覆う端部により、それぞれ覆部68,69を形成しているのである。
ここで、各装着界面70,71の軸方向長さについては、一方の厚肉部15が形成する装着界面70よりも、他方の厚肉部16が形成する装着界面71の方が短い。これにより、装着界面71を覆う覆部69から凹部14までの距離は、装着界面70を覆う覆部68から凹部14までの距離よりも短くなっており、当該短距離側の界面71が短距離界面71として定義されている。このように厚肉部16側の覆部69と軸方向に近接して設けられている凹部14に対し、燃料噴射弁1では、スプール61から突出する接触突起80が係合接触しているのである。
具体的に接触突起80は、図2〜4に示すように、スプール61の内周面61aから径方向内側へ突出し且つ台形の軸方向断面をもって当該スプール61の周方向に連続して延伸する円環突起状を、呈している。かかる円環突起状の接触突起80は、同軸上に位置する円環溝状の凹部14のうち短距離界面71側の内側面14aに対し、一方の外側面80aを図2,5に示す如く軸方向に接触させている。ここで、本実施形態において外側面80aと内側面14aとは、径方向内側(薄肉部17側)へ向かうに従って凹部14及び接触突起80の各軸方向幅を縮小し且つ互いに補完するテーパ状に形成されることにより、周方向に沿って互いに面接触している。
尚、接触突起80において外側面80aとは軸方向反対側の外側面80bは、図2,3,5に示すように本実施形態では、径方向及び周方向に沿って広がる円環帯状に形成されているが、例えば図6に示す変形例の如く、径方向内側へ向かうに従って接触突起80の軸方向幅を縮小するテーパ状に形成してもよい。逆に、図7に示す変形例の如く接触突起80の外側面80aと凹部14の内側面14aとを、接触突起80の外側面80bに準じて、径方向及び周方向に沿って広がる円環帯状に形成して互いに面接触させてもよい。また、図6の変形例を図8に示す如くさらに変形して、三角形の軸方向断面をもって周方向に延伸する形状に、接触突起80を形成してもよい。
さらに、本実施形態において接触突起80の軸方向幅は、図2,5に示すように、凹部14の軸方向幅よりも小さく設定されている。これにより接触突起80は、その周方向に沿って連続する円環状の隙間部82を、凹部14の装着界面70側の内側面14bとの間に軸方向において挟んでいる。尚、本実施形態において内側面14bは、径方向内側(薄肉部17側)へ向かうに従って凹部14の軸方向幅を縮小するテーパ状に形成されている。またさらに、図2,4,5に示す本実施形態において接触突起80の内径は、薄肉部17の外周面となる凹部14の底面14cの外径よりも、大きく設定されている。これにより接触突起80は、その周方向に沿って連続する円環状の隙間部84を、径方向において凹部14の底面14cとの間に挟んでいる。
このような特徴的構成を備えた燃料噴射弁1の製造工程において、樹脂ハウジング63を形成するには、樹脂ハウジング63が電磁コイル62とヨーク要素64,65との間に介装されていない燃料噴射弁1として、図9に示す如き弁前駆体2を準備する。次に、樹脂ハウジング63及びコネクタ66の外形を補完する形状にキャビティ3を形成する成形金型4を型閉して、当該キャビティ3内に図9の如く弁前駆体2をセットする。続いて、成形金型4を型締めした状態下、射出器(図示しない)から可塑状態の樹脂成形材を所定の成形圧力にてキャビティ3内へと射出する。尚、本実施形態において樹脂成形材としては、例えばポリアミド系樹脂等が用いられ、また成形圧力としては、例えば10〜300MPa等に設定される。
このとき、弁前駆体2においてスプール61と磁性パイプ11との装着界面70,71は、各々の軸方向縁部が電磁コイル62とヨーク要素64,65との間を通じてキャビティ3に露出しているため、成形圧力を受ける樹脂成形材は、それら縁部へ浸入するおそれがある。ここで装着界面70,71のうち、それらの軸方向縁部を成形後に覆うことになる覆部68,69から凹部14までの距離が短い方の短距離界面71を通じては、当該凹部14にまで樹脂成形材が浸入し易い。
しかし、弁前駆体2においては、短距離界面71側にて接触突起80が凹部14と軸方向に係合接触しているので、その接触箇所よりも径方向内側に位置する薄肉部17は、当該界面71に対してシールされることとなる。ここで特に、本実施形態において接触突起80と凹部14との接触は、周方向に連続する面接触によって実現されているので、周方向全域にて広面積のシールが形成され得る。故に、短距離界面71への浸入材であっても、接触突起80と凹部14との接触部分がなすシール部分から薄肉部17までは、到達し難い。したがって、成形圧力を受ける樹脂成形材によって薄肉部17が変形する事態を、回避することができるのである。
こうして薄肉部17の変形を招くことなく、樹脂成形材をキャビティ3内に充填した後には、当該成形材の冷却固化により樹脂ハウジング63及びコネクタ66を一体成形し、さらに磁性パイプ11内に要素40,30,20等を収容して、図1,2の如く燃料噴射弁1を完成させる。この完成した燃料噴射弁1において、接触突起80との間に軸方向の隙間部82及び径方向の隙間84が残された状態となる凹部14内では、磁性パイプ11の形成磁性材よりも低い透磁率が、当該隙間部82の空気によって十分に確保され得る。
故に、電磁コイル62への通電によって発生する磁束は、磁性パイプ11において厚肉部15,16よりも凹部14の凹み分だけ薄い薄肉部17を、通過し難くなる。その結果、薄肉部17の径方向内側にて対向する両コア20,30間では、それら各コア20,30が隣接する厚肉部15,16を通じて磁束が通過し易くなるので、可動コア30を固定コア20へ吸引する磁気吸引力が増大する。しかも、上述の如く樹脂ハウジング63の成形時に薄肉部17の変形が回避され得ることから、当該変形に起因する通過磁束の密度バラツキが両コア20,30間にて抑制されて、可動コア30に対する磁気吸引力が正規の大きさで発生することになる。したがって、このような第一実施形態によれば、可動コア30と共に移動する弁部材40の応答性を高めて、安定した燃料噴射特性を発揮することができるのである。
加えて、樹脂ハウジング63の成形後に固定コア20が圧入され且つ可動コア30が内部を摺動することになる薄肉部17は、それら圧入及び摺動を阻害する変形について、上述の如き接触突起80のシール作用によって回避され得る。したがって、固定コア20の圧入不良や、弁部材40と共に移動する可動コア30の摺動不良を惹起することなく、安定した燃料噴射特性を発揮することも、できるのである。
(第二実施形態)
図10,11に示すように、本発明の第二実施形態は第一実施形態の変形例である。第二実施形態においてスプール61の内周面61aから径方向内側の円環溝状の凹部14内へと突出する接触突起280は、当該スプール61の周方向に並んで複数設けられ、当該周方向の相互間に隙間部286を形成している。各接触突起280は、第一実施形態の接触突起80と同様な台形の軸方向断面を、有している。これにより各接触突起280は、内側面14aと面接触するテーパ状の外側面280aを形成していると共に、内側面14bとの間に隙間部82を挟む円環帯状の外側面280bを形成している。
尚、各接触突起280については、第一実施形態の接触突起80に準じて内径設定されることにより、円環状の隙間部284を、径方向において凹部14の底面14cとの間に挟んでいる。また、第一実施形態の図6,7,8の各変形例と同様、テーパ状の外側面280a,280bを有する接触突起280や、内側面14a,14bと面接触する円環帯状の外側面280a,280bを有した接触突起280、あるいは三角形の軸方向断面を有する接触突起280等を採用してもよい。
このような第二実施形態によると、各接触突起280と凹部14との間においては、スプール61及び磁性パイプ11の軸方向及び径方向にそれぞれ隙間部82,284が残されるだけでなく、それら要素61,11の周方向にも隙間部286が残されることとなる。これによれば、磁性パイプ11におけるよりも低い透磁率を凹部14内において確保することが確実となるので、両コア20,30間を通過する磁束の密度を高めて、安定した燃料噴射特性の発揮に貢献することができるのである。
(第三実施形態)
図12,13に示すように、本発明の第三実施形態は第一実施形態の変形例である。第三実施形態においてスプール61の内周面61aからは、接触突起80とは別の接触突起380が径方向内側の凹部14内へと突出している。スプール61に対して接触突起380は、接触突起80から軸方向の装着界面70側へ離間した箇所を周方向に連続して延伸する円環突起状に形成されており、軸方向に台形の軸方向断面を有している。かかる円環突起状の接触突起380は、同軸上に位置する円環溝状の凹部14のうち装着界面70側の内側面14bに対して、接触突起80とは反対側の外側面380aを軸方向に接触させている。ここで、本実施形態において外側面380aと内側面14bとは、径方向内側(薄肉部17側)へ向かうに従って凹部14及び接触突起380の各軸方向幅を縮小し且つ互いに補完するテーパ状に形成されることにより、周方向に沿って面接触している。
さらに、台形の軸方向断面を有する本実施形態の接触突起380において、外側面380aとは軸方向反対側の外側面380bは、径方向及び周方向に沿って広がる円環帯状に形成されている。これにより、互いに向き合う接触突起380の外側面380bと接触突起80の外側面80bとの間には、周方向に沿って連続する円環状の隙間部382が、軸方向に挟まれている。
尚、接触突起380については、第一実施形態で説明した接触突起80に準じて内径設定されていることにより、円環状の隙間部384を、凹部14の底面14cとの間に径方向において挟んでいる。また、本実施形態の図6,7,8の各変形例と同様、テーパ状の外側面380a,380bを有する接触突起380や、内側面14a,14bと面接触する円環帯状の外側面380a,380bを有した接触突起380、あるいは三角形の軸方向断面を有する接触突起380を採用してもよい。
このような第三実施形態によると、隙間部382の軸方向両側の接触突起380,80がそれぞれ凹部14と接触することにより、樹脂ハウジング63の成形時には、当該凹部14の軸方向両側の界面70,71に対して薄肉部17がシールされ得る。これによれば、軸方向距離の短い短距離界面71への浸入材だけでなく、軸方向距離の長い界面70への浸入材が到達することによる薄肉部17の変形も回避して、安定した燃料噴射特性を発揮することができる。さらに、軸方向両側の接触突起380,80がそれぞれ凹部14と接触することで、電磁コイル62の巻回されるスプール61は、磁性パイプ11に対し軸方向に位置決めされ得る。これによれば、電磁コイル62への通電により正規の密度の磁束を両コア20,30間に発生させて、安定した燃料噴射特性を発揮することもできるのである。
(第四実施形態)
図14,15に示すように、本発明の第四実施形態は第一実施形態の変形例である。第四実施形態において接触突起480の軸方向幅は、凹部14の軸方向幅と比べて、実質的に同一又は薄肉部17の変形を招かない程度に僅かに大きく設定されている。これにより、円環突起状の接触突起480は、軸方向両側の外側面480a,480bを、円環溝状の凹部14の内側面14a,14bとそれぞれ接触させている。
ここで、本実施形態において外側面480aと内側面14aとは、径方向内側(薄肉部17側)へ向かうに従って凹部14及び接触突起480の各軸方向幅を縮小し且つ互いに補完するテーパ状に形成されることにより、周方向に沿って面接触している。また同様に、外側面480bと内側面14bとは、径方向内側(薄肉部17側)へ向かうに従って凹部14及び接触突起480の各軸方向幅を縮小し且つ互いに補完するテーパ状に形成されることにより、周方向に沿って面接触している。
尚、接触突起480については、第一実施形態の接触突起80に準じて内径設定されていることにより、円環状の隙間部484を、凹部14の底面14cとの間に径方向において挟んでいる。したがって、本実施形態では、接触突起480と凹部14との間に、径方向の隙間部484のみが形成された形となっている。また、第一実施形態の図7の変形例と同様、内側面14a,14bと面接触する円環帯状の外側面480a,480bを有した接触突起480等を採用してもよい。
このような第四実施形態によると、接触突起480がその軸方向両側にて凹部14と接触することにより、樹脂ハウジング63の成形時には、当該凹部14の軸方向両側の界面70,71に対して薄肉部17がシールされ得る。これによれば、軸方向距離の短い短距離界面71への浸入材だけでなく、軸方向距離の長い界面70への浸入材が到達することによる薄肉部17の変形も回避して、安定した燃料噴射特性を発揮することができる。さらに接触突起480は、軸方向両側にて凹部14と接触することで当該凹部14と軸方向に嵌合した状態となるので、電磁コイル62の巻回されるスプール61は、磁性パイプ11に対し軸方向に位置決めされ得る。これによれば、電磁コイル62への通電により正規の密度の磁束を両コア20,30間に発生させて、安定した燃料噴射特性を発揮することもできる。
またさらに第四実施形態によると、接触突起480との間に径方向の隙間部484が残された状態となる凹部14内では、磁性パイプ11の形成磁性材よりも低い透磁率が、当該隙間部482の空気によって確保され得る。これによれば、可動コア30に対する磁気吸引力が第一実施形態と同様の原理により増大するので、弁部材40の高い応答性に応じた燃料噴射特性につき、上述の如くして安定させることができるのである。
(第五実施形態)
図16に示すように、本発明の第五実施形態は第一実施形態の変形例である。第五実施形態の円環突起状の接触突起580について、凹部14のテーパ状の内側面14aと軸方向接触する外側面580aは、外方へ向かって凸となる円弧形の軸方向断面を有し且つスプール61の径方向内側(薄肉部17側)へ向かうに従って接触突起580の軸方向幅を縮小する湾曲凸面状に、形成されている。これにより、内側面14aに対して外側面580aは、周方向に沿って線接触する形となっている。
尚、接触突起580については、第一実施形態の接触突起80に準じて内径設定されていることにより、円環状の隙間部584を、凹部14の底面14cとの間に径方向において挟んでいる。また、接触突起580において凹部14の内側面14aとの間に隙間部82を挟む外側面580bについては、第一実施形態の外側面80bと同様な円環帯状に形成されているが、例えば外側面580aに準じた湾曲凸面状や、第一実施形態の図6の変形例に準じたテーパ状であってもよい。
このような第五実施形態によると、接触突起580が凹部14に周方向の全域で線接触するので、樹脂ハウジング63の成形時にシール圧が増大し得る。これによれば、短距離界面71への浸入材が到達することによる薄肉部17の変形回避効果を高めて、安定した燃料噴射特性の発揮に貢献することができるのである。
(第六実施形態)
図17に示すように、本発明の第六実施形態は第五実施形態の変形例である。第六実施形態において円環溝状の凹部614は、短距離界面71側の内側面614aにつき、軸方向に接触する接触突起580の外側面580aを補完する湾曲凸面状に、形成されている。即ち、内側面614aは、外側面580aに沿って凹となる円弧形の軸方向断面を有し且つ磁性パイプ11の径方向内側(薄肉部17側)へ向かうに従って凹部614の軸方向幅を縮小する湾曲凹面状に、形成されている。これにより、内側面614aに対して外側面580aは、周方向に沿って面接触する形となっている。
尚、凹部614において接触突起580の外側面580aとの間に隙間部82を形成する内側面(図示しない)については、内側面614aに準じた湾曲凹面状に形成されるが、当該隙間部82を形成可能な限りで他の形状に形成されてもよい。また、本実施形態の接触突起580は、凹部614のうち薄肉部17の外周面となる底面614c、並びに外側面614aとの間に、円環状の隙間部684を径方向において挟んでいる。
このような第六実施形態によると、接触突起580が凹部614に周方向の全域で面接触するので、樹脂ハウジング63の成形時にシール圧が増大し得る。これによれば、短距離界面71への浸入材が到達することによる薄肉部17の変形回避効果を高めて、安定した燃料噴射特性の発揮に貢献することができるのである。
(第七実施形態)
図18に示すように、本発明の第七実施形態は第一実施形態の変形例である。第七実施形態において接触突起780の内径は、薄肉部17の外周面となる凹部14の底面14cの外径に対し、実質的に同一又は薄肉部17の変形を招かない程度に僅かに小さく設定されている。これにより接触突起780は、薄肉部17に嵌合して径方向に位置決めされているのである。尚、これ以外の点については、第一実施形態の接触突起80と同様の形状又はその変形例が採用可能である。
このような第七実施形態によると、接触突起780が径方向外側から嵌合する薄肉部17は、当該突起780によって補強され得るので、樹脂ハウジング63の成形時における変形回避効果が高められる。したがって、安定した燃料噴射特性の発揮に貢献することができるのである。
(他の実施形態)
以上、本発明の複数の実施形態について説明したが、本発明はそれらの実施形態に限定して解釈されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲内において種々の実施形態に適用することができる。
具体的に第三実施形態では、図19に変形例を示すように、短距離界面71側の接触突起80を形成しない構成としてもよい。さらに第一及び第三〜第七実施形態では、第二実施形態に準じて接触突起80,380,480,580,780を、スプール61の周方向に並ぶように複数設けて、当該周方向の相互間に隙間部を形成する構成としてもよい。またさらに第三、第五及び第六実施形態では、図20に変形例(同図は、第三実施形態の変形例)を示すように、第七実施形態に準じて接触突起80,380,580を、薄肉部17に対し径方向において嵌合させてもよい。加えて第二実施形態では、凹部14を磁性パイプ11の周方向に並ぶように複数設けて、それら各凹部14内に各接触突起280を突出させることで、側面14a,280a同士の軸方向接触並びに隙間部の形成を実現してもよい。尚、この場合には、各凹部14と各接触突起280との間において周方向に隙間部を形成してもよい。さらに加えて第一〜第七実施形態では、可動コア30に弁部材40を装着しないで、例えば可動コア30を一部の移動領域では弁部材40から独立して移動させ、残部の移動領域では弁部材40と共に可動コア30を移動させるように変更してもよい。
1 燃料噴射弁、2 弁前駆体、3 キャビティ、4 成形金型、10 弁ハウジング、11 磁性パイプ、11a 外周面、13a 噴孔、14,614 凹部、14a,14b,614a 内側面、14c 底面、15,16 軸方向両側部分・厚肉部、15a,16a 外周面部、17 径方向内側部分・薄肉部、20 固定コア、30 可動コア、40 弁部材、50 弾性部材、60 駆動部、61 スプール、61a 内周面、61b,61c フランジ部、62 電磁コイル、63 樹脂ハウジング、64 ヨークハウジング、65 ヨークプレート、66 コネクタ、68,69 軸方向両端部・覆部、70 装着界面、71 装着界面・短距離界面、80,380,480,580,780 接触突起、80a,80b,280a,280b,380a,380b,480a,480b,580a,580b 外側面、82,84,284,286,382,384,484,584,684 隙間部

Claims (13)

  1. 内燃機関への燃料噴射を弁部材の往復移動により断続する燃料噴射弁であって、
    磁性材よりなり、外周面から凹む凹部の径方向内側に薄肉部を形成する筒状の磁性パイプと、
    前記磁性パイプ内に収容され、前記燃料噴射を断続するために前記弁部材と共に往復移動する可動コアと、
    前記磁性パイプ内に固定され、前記薄肉部の径方向内側において前記可動コアと対向する固定コアと、
    内周面が前記凹部の軸方向両側にて前記磁性パイプの前記外周面に装着される筒状のスプールと、
    前記スプールに巻回され、前記可動コアを前記固定コアへ吸引するための通電により、前記磁性パイプと前記両コア間とを通過する磁束を発生する電磁コイルと、
    樹脂成形材よりなり、前記磁性パイプと前記スプールとの装着界面並びに前記電磁コイルを覆う樹脂ハウジングと、
    前記スプールから径方向内側へ突出し、前記凹部内に隙間部を残した状態で当該凹部と軸方向に接触する接触突起と、
    を備えることを特徴とする燃料噴射弁。
  2. 前記凹部の軸方向両側にて前記スプールの前記内周面が前記磁性パイプの前記外周面に装着されてなる装着界面のうち、それら各装着界面を覆う前記樹脂ハウジングの覆部から前記凹部までの距離が短い方の前記装着界面を、短距離界面と定義したとき、
    前記接触突起は、前記スプールにおける前記接触突起の軸方向両側のうち、前記短距離界面側にて前記凹部と接触することを特徴とする請求項1に記載の燃料噴射弁。
  3. 前記接触突起は、前記磁性パイプの軸方向において前記凹部との間に前記隙間部を挟むことを特徴とする請求項1又は2に記載の燃料噴射弁。
  4. 前記スプールにおいて前記隙間部の軸方向両側に設けられる前記接触突起は、それぞれ前記凹部と接触することを特徴とする請求項1又は2に記載の燃料噴射弁。
  5. 前記接触突起は、前記磁性パイプの径方向において前記薄肉部と嵌合することを特徴とする請求項3又は4に記載の燃料噴射弁。
  6. 前記接触突起は、前記磁性パイプの径方向において前記凹部との間に前記隙間部を挟むことを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の燃料噴射弁。
  7. 前記接触突起は、前記磁性パイプの径方向において前記凹部との間に前記隙間部を挟み、
    前記接触突起は、前記スプールにおける前記接触突起の軸方向両側にて前記凹部と接触することを特徴とする請求項1又は2に記載の燃料噴射弁。
  8. 前記スプールにおいて周方向に連続した環状の前記接触突起は、前記磁性パイプにおいて周方向に連続した環状の前記凹部と軸方向に接触することを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載の燃料噴射弁。
  9. 前記スプールにおいて周方向に並んで設けられる前記接触突起は、前記磁性パイプにおいて周方向に連続した環状の前記凹部と軸方向に接触することにより、相互間に当該凹部内の前記隙間部を形成することを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載の燃料噴射弁。
  10. 前記接触突起は、前記磁性パイプの周方向に沿って前記凹部に面接触することを特徴とする請求項1〜9のいずれか一項に記載の燃料噴射弁。
  11. 前記接触突起は、前記磁性パイプの周方向に沿って前記凹部に線接触することを特徴とする請求項1〜9のいずれか一項に記載の燃料噴射弁。
  12. 前記可動コアは、前記薄肉部に対し径方向内側にて摺動することを特徴とする請求項1〜11のいずれか一項に記載の燃料噴射弁。
  13. 前記固定コアは、前記薄肉部の径方向内側に圧入されることを特徴とする請求項1〜12のいずれか一項に記載の燃料噴射弁。
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