JP2011194588A - マット調積層フィルム及び該フィルムからなる包装材 - Google Patents

マット調積層フィルム及び該フィルムからなる包装材 Download PDF

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Abstract

【課題】 従来の包装材に求められている包装適性、機械的強度や表面滑り性の性能を損なうことなく、印刷やその他の基材のラミネート等を行なわずに、且つ添加剤等を使用しなくても充分なマット感が得られる積層フィルム及び該フィルムからなる包装材を提供すること。
【解決手段】 プロピレン系樹脂と、メルトフローレートが1g/10分以下の高密度ポリエチレンとを含有し、前記プロピレン系樹脂と前記高密度ポリエチレンとの使用割合が20/80〜70/30の範囲である表面樹脂層(A)と、プロピレン系樹脂を含有してなる単層または多層の基材樹脂層(B)と、が積層されてなるマット調積層フィルムであって、積層フィルムの表面樹脂層(A)の、JIS B−0601に基づく表面粗さ(Ra)が0.5〜2.0であることを特徴とするマット調積層フィルム。
【選択図】 なし

Description

本発明は、食品、雑貨、雑誌等を包装する包装材に関するものであって、詳しく表面に印刷を施したり、和紙等をラミネートしたりすることなしに、単体でも使用することが可能なマット調(つや消し性)の積層フィルム及び該フィルムからなる包装材に関する。
近年、包装材に求められる意匠の多様化により、パンやその他食品の包装に、表面がつや消し性を有するマット調フィルムのニーズが高まっている。マット調フィルムは、一般の透明フィルムに比べ、和紙に近い風合いを有するため、内容物の高級感を引き出すものである。最近では、マット調フィルムは食品以外の包装材としても一般的に使用されているため、包装材メーカーは、透明性のあるフィルムに対しより曇り度の高いマット印刷を施したり、和紙をラミネートしたりすることで差別化品を販売してきた。しかしながら、環境保護や生産性向上の観点からは、包装材の軽量化・薄膜化は喫緊の課題であり、従来の包装材としての特性を損なうことがなく、単体でもより高いマット調を有するフィルムが求められている。
本発明者らは、このようなニーズの多様化に対応するため、多層化フィルムにより、曇り度が高く、且つ表面滑り性も良好なマット調フィルムを既に提供している(例えば、特許文献1参照。)。前記特許文献1では、表面樹脂層に異なるプリピレン系樹脂を複数混合してマット調として曇り度を向上させ、且つスリップ剤を配合して表面の滑り性を確保するものである。しかしながらその曇り度は70%程度であり、より高いマット感を得ることができず、且つスリップ剤を併用する点から生産性(コストや原料調達の煩雑性、得られるフィルムの均一性など)に関しての問題点をはらむものであり、更なる改良方法が求められている。
特開2004−58503号公報
本発明の課題は、上記のような問題に鑑みなされたものであり、従来の包装材に求められている包装適性、機械的強度や表面滑り性の性能を損なうことなく、印刷やその他の基材のラミネート等を行なわずに、且つ添加剤等を使用しなくても充分なマット感が得られる積層フィルム及び該フィルムからなる包装材を提供することである。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究した結果、プロピレン系樹脂と高密度ポリエチレンとを特定比率で混合した混合物を含有する樹脂層と、プロピレン系樹脂を含有する樹脂層との、少なくとも2層を積層してなるフィルムが、従来包装材に求められていた性能を損なわずに、より優れたマット感を発現することを見出し、本発明を完成した。
即ち、本発明は、プロピレン系樹脂(a1)と、メルトフローレートが1g/10分以下の高密度ポリエチレン(a2)とを含有し、前記プロピレン系樹脂(a1)と前記高密度ポリエチレン(a2)との使用割合(質量比)(a1)/(a2)が20/80〜70/30の範囲である表面樹脂層(A)と、
プロピレン系樹脂(b1)を含有してなる単層または多層の基材樹脂層(B)と、が積層されてなるマット調積層フィルムであって、積層フィルムの表面樹脂層(A)の、JIS B−0601に基づく表面粗さ(Ra)が0.5〜2.0であることを特徴とするマット調積層フィルム、及び該フィルムからなる包装材を提供するものである。
本発明の積層フィルムは、高い剛性と機械的な強度を有し、単体での使用が可能で、従来にないマット感を発現する。さらに基材樹脂層同士または同種の樹脂容器に融着可能であり、表面滑り性にも優れるため、包装材としての適性に優れるものである。従って、高級感を引き出すために使用される食品用、特には常温で保管・移送されるパン用包装袋として好適に用いることができる。
本発明の積層フィルムにおける表面樹脂層(A)には、プロピレン系樹脂(a1)と、メルトフローレートが1g/10分以下の高密度ポリエチレン(a2)とを含有する。その使用割合としては、得られるフィルムに充分なマット感(高曇り度と低光沢度)を発現させるために、前記プロピレン系樹脂(a1)と前記高密度ポリエチレン(a2)との質量比(a1)/(a2)が20/80〜70/30の範囲であることを必須とするものである。高密度ポリエチレン(a2)の使用割合がこれよりも低い場合には、目的とするマット感が得られにくく、一方、使用割合がこれよりも高い場合には、得られるフィルムの機械的な強度、特に衝撃強度が不足し、実用レベルの包装袋が得られにくい。
前記プロピレン系樹脂(a1)としては、例えば、プロピレン単独重合体、プロピレン−α−オレフィン共重合体、たとえばプロピレン−エチレン共重合体、プロピレン−ブテン−1共重合体、プロピレン−エチレン−ブテン−1共重合体、メタロセン触媒系ポリプロピレンなどが挙げられる。これらはそれぞれ単独で使用してもよいし、併用してもよい。得られる積層フィルムにおけるマット感と、表面粗さの調整が容易である点から、プロピレン単独重合体、プロピレン−エチレンブロック共重合体を用いることが好ましく、これらを混合使用することが特に好ましい。
また、これらのプロピレン系樹脂(a1)は、MFR(230℃)が0.5〜30.0g/10分で、融点が120〜165℃であるものが好ましく、より好ましくは、MFR(230℃)が2.0〜15.0g/10分で、融点が125〜162℃のものである。MFR及び融点がこの範囲であれば、製袋時のフィルムの収縮が少なく、更にフィルムの成膜性も向上する。
又、前記高密度ポリエチレン(a2)は、メルトフローレート(190℃、21.18N)が1g/10分以下であることを必須とするものである。メルトフローレートが1g/10分を超えると、成膜性が劣り、均一なフィルムが得られにくくなる。特に好ましいメルトフローレートは0.05〜0.8g/10分の範囲である。
更に前記高密度ポリエチレン(a2)の密度としては、0.935〜0.970g/cmの範囲であるが、得られる積層フィルムのマット感・機械的な強度・フィルムの均一性等の観点から0.940〜0.965g/cmの範囲であることがより好ましい。
本発明の積層フィルムにおいて、表面樹脂層(A)のJIS B−0601に基づく表面粗さ(Ra)は0.5〜2.0であることを必須とするものである。この範囲の表面粗さであることによって、その他の成分(スリップ剤等の添加剤)を併用しなくても、表面滑り性に優れるフィルムが得られ、製袋後の移送時や、内容物を充填してから自動包装機等によって包装する際の作業性が向上する。
前記表面粗さ(Ra)の範囲にするためには、前述のように前記プロピレン系樹脂(a1)と前記高密度ポリエチレン(a2)とを、前述の割合で用いればよく、特に調整を必要とするものではないが、より簡便に所望の表面粗さにするためには、プロピレン単独重合体とプロピレン−エチレンブロック共重合体とを併用することが好ましい。
本発明の積層フィルムは、前述の特定の表面樹脂層(A)を、プロピレン系樹脂(b1)を含有してなる単層または多層の基材樹脂層(B)に積層してなるものである。この様な多層構造のフィルムとすることによって、単体使用でもマット感があり、又包装袋用途としての強度等を発現することが可能となる。
前記プロピレン系樹脂(b1)としては、前記プロピレン系樹脂(a1)として例示したものを何れも使用することができ、同一のものであっても、異なるものを組み合わせて使用することができる。この様に、表面樹脂層(A)と基材樹脂層(B)とで同系の樹脂を用いることにより、積層フィルムの層間強度を強めることができる。特に好ましく用いることができるのは、プロピレン−エチレン共重合体である。又、本発明の効果を損なわない範囲において、その他のオレフィン系樹脂、例えば、超低密度ポリエチレン(VLDPE)、線状低密度ポリエチレン(LLDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)等のポリエチレン樹脂や、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレン−メチルメタアクリレート共重合体(EMMA)、エチレン−エチルアクリレート共重合体(EEA)、エチレン−メチルアクリレート(EMA)共重合体、エチレン−エチルアクリレート−無水マレイン酸共重合体(E−EA−MAH)、エチレン−アクリル酸共重合体(EAA)、エチレン−メタクリル酸共重合体(EMAA)等のエチレン系共重合体;更にはエチレン−アクリル酸共重合体のアイオノマー、エチレン−メタクリル酸共重合体のアイオノマー等を併用しても良い。
特に、包装袋として用いる場合には、機械的強度とヒートシール性とのバランスに優れる点から、基材樹脂層(B)が多層構造であることが好ましく、いわゆる中間層(i)とシール層(ii)とからなる構成を有するものであることが好ましい。
前記中間層(i)は、シール層(ii)と表面樹脂層(A)との中間にある層であり、得られる積層フィルムの強度・剛性を高めるとともに、表面樹脂層(A)のマット感をより強調できる点から、プロピレン−エチレンブロック共重合体と直鎖状低密度ポリエチレンとの混合物を用いることが好ましい。このときの使用割合としては、プロピレン−エチレンブロック共重合体/直鎖状低密度ポリエチレン=95/5〜70/30の範囲であることがより好ましい。
前記シール層(ii)は、積層フィルムのシール層(ii)同士、又はその他の材質からなる容器等にヒートシール際に容易にシール強度が得られるように設計するものであり、得られる積層フィルムの用途によって、樹脂種を選択することができる。特に包装袋として用い、シール層(ii)同士をヒートシールする場合に、適度なシール強度が得られる点から、プロピレン−エチレンランダム共重合体を含有するものであることが好ましい。更に、シール強度を調整するためには、エチレン−α−オレフィン共重合体を併用することも可能である。
本発明の積層フィルムは、単体でもフィルムとして充分な強度を有するために、その全厚として20〜50μmの範囲であることが好ましく、特にパン等の比較的軽量な内容物の包装用等に使用する場合には、25〜40μmであることが好ましい。
更に、積層フィルムに対して充分なマット感(高曇り度と低光沢度)を与えるためには、表面樹脂層(A)が全厚の10〜30%になるようにすることが好ましい。
前記の各樹脂層(A)又は(B)には、必要に応じて、防曇剤、帯電防止剤、熱安定剤、造核剤、酸化防止剤、滑剤、アンチブロッキング剤、離型剤、紫外線吸収剤、着色剤等の成分を本発明の目的を損なわない範囲で添加することができる。
本発明の積層フィルムの製造方法としては、特に限定されないが、例えば、樹脂層(A)、樹脂層(B)に用いる各樹脂又は樹脂混合物を、それぞれ別々の押出機で加熱溶融させ、共押出多層ダイス法やフィードブロック法等の方法により溶融状態で(A)/(B)の順で積層した後、インフレーションやTダイ・チルロール法等によりフィルム状に成形する共押出法が挙げられる。この共押出法は、各層の厚さの比率を比較的自由に調整することが可能で、衛生性に優れ、コストパフォーマンスにも優れた多層フィルムが得られるので好ましい。さらに、本発明で用いるプロピレン系樹脂(a1)と、高密度ポリエチレン(a2)には、両者間で融点の差が大きいため、共押出加工時にフィルム外観が劣化する場合がある。このような劣化を抑制するためには、比較的高温で溶融押出を行うことができるTダイ・チルロール法が好ましい。
本発明の積層フィルムは、上記の製造方法によって、実質的に無延伸の多層フィルムとして得られるため、真空成形による深絞り成形等の二次成形も可能となる。
さらに、表面樹脂層(A)に印刷等を行なう場合には、印刷インキとの接着性等を向上させるため、前記樹脂層(A)に表面処理を施すことが好ましい。このような表面処理としては、例えば、コロナ処理、プラズマ処理、クロム酸処理、火炎処理、熱風処理、オゾン・紫外線処理等の表面酸化処理、あるいはサンドブラスト等の表面凹凸処理を挙げることができるが、好ましくはコロナ処理である。
本発明の積層フィルムからなる包装材としては、食品、薬品、工業部品、雑貨、雑誌等の用途に用いる包装袋、容器、容器の蓋材等が挙げられる。特に、マット感が従来になく優れる点から、和紙等に似た包装材を提供でき、高級感を引き出すために用いる食品用等に好適に用いることができる。
前記包装袋は、本発明の積層フィルムの基材樹脂層(B)をヒートシール層として、樹脂層(B)同士を重ねてヒートシール、あるいは樹脂層(A)と樹脂層(B)とを重ね合わせてヒートシールすることにより、ヒートシール樹脂層(B)を内側として形成した包装袋であることが好ましい。例えば当該積層フィルム2枚を所望とする包装袋の大きさに切り出して、それらを重ねて3辺をヒートシールして袋状にした後、ヒートシールをしていない1辺から内容物を充填しヒートシールして密封することで包装袋として用いることができる。さらには自動包装機によりロール状のフィルムを円筒形に端部をシールした後、上下をシールすることにより包装袋を形成することも可能である
また、樹脂層(B)とヒートシール可能な別のフィルムを重ねてヒートシールすることにより包装袋・容器・容器の蓋を形成することも可能である。その際、使用する別のフィルムとしては、比較的機械強度の弱いLDPE、EVA、ポリプロピレン等のフィルムを用いることができる。また、LDPE、EVA、ポリプロピレン等のフィルムと、比較的引き裂き性の良い延伸フィルム、例えば、二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(OPET)、二軸延伸ポリプロピレンフィルム(OPP)等とを貼り合わせたラミネートフィルムも用いることができる。
次に、実施例及び比較例を挙げて本発明をより詳しく説明する。以下、特に断りのない限り、「部」は質量基準である。
実施例1
表面樹脂層(A)として、プロピレン単独重合体(密度:0.90g/cm、MFR:9g/10分間)40部と高密度ポリエチレン(密度:0.955g/cm、MFR:0.35g/10分間)40部とプロピレン−エチレンブロック共重合体(密度:0.91g/cm、MFR:7g/10分間)20部とからななる混合物を用いた。また、中間層(i)として、プロピレン−エチレンブロック共重合体(密度:0.91g/cm、MFR:7g/10分間)90部と直鎖状低密度ポリエチレン〔密度:0.905g/cm、MFR:4g/10分〕10部とからなる混合物を用いた。更に、シール層(ii)としてプロピレン−エチレン共重合体(エチレン由来成分含量:5.8%、密度:0.90g/cm、MFR:6g/10分間)75部と結晶性エチレン−1−オクテン共重合体(密度:0.88g/cm、MFR:3g/10分)25部とからなる混合物を用いた。これらをそれぞれ3台の押出機に供給し、表面樹脂層(A)と中間層(i)とシール層(ii)の平均厚さの比が3:5:2となるように共押出して、厚さ30μmの3層フィルムを成形した。次いで、得られた3層フィルムの表面樹脂層(A)に、表面エネルギーが36mN/mになるようにコロナ放電処理を施して、積層フィルムを得た。
実施例2
実施例1の表面樹脂層(A)として、プロピレン単独重合体50部/高密度ポリエチレン50部に代えた以外は実施例1と同様に行い、厚さ30μmの3層からなる共押出多層フィルムを得た。次いで、得られたフィルムの表面樹脂層(A)の表面を、実施例1と同様に表面エネルギーが36mN/mになるようにコロナ放電処理を施した。
実施例3
実施例1の表面樹脂層(A)を、プロピレン単独重合体30部、高密度ポリエチレン30部、プロピレン−エチレンブロック共重合体40部に代えた以外は実施例1と同様に行い、厚さ30μmの3層からなる積層フィルムを得た。次いで、得られたフィルムの表面樹脂層(A)の表面を、実施例1と同様に表面エネルギーが36mN/mになるようにコロナ放電処理を施した。
比較例1
表面樹脂層(A)として、プロピレン−エチレンブロック共重合体(密度:0.91g/cm、MFR:7g/10分間)を用い、中間層(i)として、プロピレン−エチレンブロック共重合体(密度:0.91g/cm、MFR:7g/10分間)を用い、更に、シール層(ii)としてプロピレン−エチレン共重合体(エチレン由来成分含量:5.8%、密度:0.90g/cm、MFR:6g/10分間)75部と結晶性エチレン−1−オクテン共重合体(密度:0.88g/cm、MFR:3g/10分)25部とからなる混合物を用いた。これらをそれぞれ3台の押出機に供給し、表面樹脂層(A)と中間層(i)とシール層(ii)の平均厚さの比が3:5:2となるように共押出して、厚さ30μmの3層フィルムを成形した。次いで、得られた3層フィルムの表面樹脂層(A)に、表面エネルギーが36mN/mになるようにコロナ放電処理を施して、積層フィルムを得た。
比較例2
比較例1の表面樹脂層(A)を、プロピレン単独重合体15部、高密度ポリエチレン15部、プロピレン−エチレンブロック共重合体60部に代えた以外は比較例1と同様に行い、厚さ30μmの3層からなる共押出多層フィルムを得た。次いで、得られた積層フィルムの表面樹脂層(A)の表面を、実施例1と同様に表面エネルギーが36mN/mになるようにコロナ放電処理を施した。
上記の実施例1〜3及び比較例1〜2で得られた積層フィルムを用いて、下記の試験及び評価を行った。
曇り度の測定
得られたフィルムを用い、JIS K7105に基づき、フィルム1枚についてヘーズメーター(日本電飾工業株式会社製)を用いて曇り度(単位:%)測定した。
光沢度の測定
得られたフィルムを用い、JIS K7105に基づき、フィルム1枚について光沢計(スガ試験機株式会社製)を用いて光沢度(単位:%)を測定した。
表面粗さ(Ra)の測定
得られたフィルムを用い、JIS B−0601に基づき、フィルム1枚について東京精密社製 SURFCOM 480Aを用いて表面粗さ(Ra)を測定した。
剛性の測定
得られたフィルムを用い、ASTM D−882に基づき、23℃における1%接線モジュラス(単位:MPa)を、フィルム製造時の押出方向(以下、「MD」という。)について、テンシロン引張試験機〔株式会社エー・アンド・デー製〕を用いて測定した。
衝撃強度の測定
得られたフィルムを用い、23℃に状態調整された恒温室内で、サンプルを6時間保持した後、直径25.4mmの球状の衝撃頭を用いてフィルムインパクト法で測定した。
摩擦係数値の測定
得られたフィルムを用い、ASTM D−1894に基づき、23℃中で、表層側面同志の静摩擦係数値と動摩擦係数値を測定した。
包装適性評価
得られたフィルムを用い、シール層が内側になるようにして横ピロー包装機〔フジキカイ株式会社製「FW−3400/B αV」〕にセットし、底部の上シールバー温度130℃、下シールバー温度130℃、センター(背貼り部)シール温度を140℃、製袋速度60個/分の条件で、ピロー包装袋(縦180mm、横150mm)を作製した。当フィルムを横ピロー包装機〔フジキカイ株式会社製「FW−3400/B αV」〕で包装する場合、横ピロー包装機でフィルムを送る際に、フィルムが一定以上の剛性を有していないと、センターシールのズレやのシワの発生により、包装不良が発生しやすくなる。また、フィルムが一定以上の耐熱性を有していないと、フィルムをシールする際に、フィルムがシールバーへ融着し、包装出来なくなる。そこで、包装適性を、次の基準で評価した。
○:剛性が600MPa以上、摩擦係数値が0.3以下であり、フィルムが問題なく送られ、かつ、シールバーへのフィルムの融着が無いもの。
×:フィルムを送る際にズレやシワが発生し、さらに、シールバーへの融着がある。
上記で得られた結果を表1に示す。
Figure 2011194588
本発明の積層フィルムは、高いマット感を発現する。また、優れた包装適性、表面滑り性・機械的強度も有する。したがって、本発明の積層フィルムは、意匠性を付与する食品用途や、その他薬品、工業部品、雑貨、雑誌等を包装する包装材に好適である。

Claims (7)

  1. プロピレン系樹脂(a1)と、メルトフローレートが1g/10分以下の高密度ポリエチレン(a2)とを含有し、前記プロピレン系樹脂(a1)と前記高密度ポリエチレン(a2)との使用割合(質量比)(a1)/(a2)が20/80〜70/30の範囲である表面樹脂層(A)と、
    プロピレン系樹脂(b1)を含有してなる単層または多層の基材樹脂層(B)と、が積層されてなるマット調積層フィルムであって、
    積層フィルムの表面樹脂層(A)の、JIS B−0601に基づく表面粗さ(Ra)が0.5〜2.0であることを特徴とするマット調積層フィルム。
  2. 前記プロピレン系樹脂(a1)が、プロピレン単独重合体とプロピレン−エチレンブロック共重合体との混合物である請求項1記載のマット調積層フィルム。
  3. 前記プロピレン系樹脂(b1)が、プロピレン−エチレン共重合体である請求項1又は2記載のマット調積層フィルム。
  4. 前記基材樹脂層(B)が、中間層(i)とシール層(ii)とからなり、前記中間層(i)が、更に直鎖状低密度ポリエチレンを含有するものである請求項1〜3の何れか1項記載のマット調積層フィルム。
  5. 曇り度が75%以上であり、且つ光沢度が5%以下である請求項1〜3の何れか1項記載のマット調積層フィルム。
  6. 請求項1〜5の何れか1項記載のマット調積層フィルムからなることを特徴とする包装材。
  7. 食品用の包装袋である請求項6記載の包装材。
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