JP2024051697A - 延伸ポリエチレンフィルム、包装材および食品包装体 - Google Patents

延伸ポリエチレンフィルム、包装材および食品包装体 Download PDF

Info

Publication number
JP2024051697A
JP2024051697A JP2022157993A JP2022157993A JP2024051697A JP 2024051697 A JP2024051697 A JP 2024051697A JP 2022157993 A JP2022157993 A JP 2022157993A JP 2022157993 A JP2022157993 A JP 2022157993A JP 2024051697 A JP2024051697 A JP 2024051697A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
polyethylene film
stretched polyethylene
less
stretched
layer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2022157993A
Other languages
English (en)
Inventor
正之 櫻井
和樹 橋詰
拓也 田村
いずみ 桂川
裕之 若木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsui Chemicals Tohcello Inc
Original Assignee
Mitsui Chemicals Tohcello Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsui Chemicals Tohcello Inc filed Critical Mitsui Chemicals Tohcello Inc
Priority to JP2022157993A priority Critical patent/JP2024051697A/ja
Priority to PCT/JP2023/034851 priority patent/WO2024071085A1/ja
Publication of JP2024051697A publication Critical patent/JP2024051697A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Wrappers (AREA)
  • Laminated Bodies (AREA)

Abstract

【課題】柔軟性が向上した、延伸ポリエチレンフィルムを提供する。【解決手段】高密度ポリエチレン層1(101)と、中密度ポリエチレン層(102)と、高密度ポリエチレン層2(103)と、をこの順で含む延伸ポリエチレンフィルムであって、前記中密度ポリエチレン層の、JIS K 7112:1999に準拠して測定される密度が、910kg/m3以上935kg/m3以下である。【選択図】図1

Description

本発明は、延伸ポリエチレンフィルム、包装材および食品包装体
に関する。
包装用フィルムの分野において、使用素材や層構成などを工夫して種々の性能を向上させる試みが知られている。
特許文献1には、基材層と、ヒートシール層とを備え、ループ長50mm及び押込み長10mmの条件で測定されるコシ強度がTD方向で70mN以上であり、ポリエチレンの含有量が90質量%以上である積層フィルムが開示され、この積層フィルムは、リサイクルできるとともに、スタンディングパウチの自立性を十分に確保できる、と記載されている。
特許文献2には、延伸ポリエチレンフィルムと、接着層と、ヒートシール性ポリエチレン層とを少なくとも備え、接着層が、無溶剤型接着剤を含み、延伸ポリエチレンフィルムが、高密度ポリエチレン(HDPE)及び中密度ポリエチレン(MDPE)のうち少なくとも1つを含む、包装材料用ポリエチレン積層体が開示され、この包装材料用ポリエチレン積層体は、環境への負荷を顕著に低減することができると共に、高い印刷適性及び強度を有する、と記載されている。
特許文献3には、ポリエチレンフィルム基材と、ポリエチレンフィルム層と、を備え、前記ポリエチレンフィルム基材は、ポリエチレン、光安定剤および架橋剤を含む電子線照射層であり、前記ポリエチレンフィルム層は、ポリエチレンを含み、前記ポリエチレンフィルム基材を設けた面とは反対の面が、ヒートシール性を有する、ポリエチレン共押フィルムが開示され、このポリエチレン共押フィルムは、経時的な劣化を抑制することができ、さらに耐熱性および強度がさらに改善されている、と記載されている。
特許文献4には、熱可塑性樹脂にて構成された基材層の少なくとも一方の面上に、無機層状化合物および水溶性高分子を含む分散液を塗布して形成されたガスバリア層と、カチオン性樹脂と水酸基を有する樹脂とを含むオーバーコート層と、接着剤層と、シーラント層とが順次積層された多層フィルムが記載され、この多層フィルムは、ヒートシール性およびガスバリア性に優れると記載されている。
特開2022-053864号公報 特開2022-079510号公報 特開2018-008455号公報 特開2009-241359号公報
近年の環境意識の高まり、とりわけ海洋プラスチック汚染の問題のクローズアップ等により、包装用フィルムには社会の厳しい目が向けられている。そして、従来にも増して、包装用フィルムのリサイクル推進が求められるようになってきている。換言すると、「リサイクルしやすさ」を考慮して包装用フィルムを設計・製造することが求められつつある。
これまでの包装用フィルムの多くは、多種の素材を積層させることで所望の効果(強度、気体バリア性など)を得ていた。例えば、特許文献4に記載の多層フィルムは、ガスバリア層、オーバーコート層、接着剤層およびシーラント層の4層を少なくとも備える。しかし、多種の素材が積層されることで、リサイクルのしにくさに繋がっていた。
包装用フィルムをリサイクルしやすいようにする観点からは、例えば、包装用フィルムをできるだけ単純な層構成とすることが考えられる。
層構成の単純化の点では、極論的には、包装用フィルムを「単層」とすることが考えられる。また、単層としないまでも、全体として、一種の材料を高含量で配合するような多層構造として、リサイクルのし易さを考慮した、特許文献1~3のような例がある。
本発明者らは、比較的低コストで汎用的な包装材料であるポリエチレンフィルムを用いて、包装用フィルムに求められることがある諸特性について予備検討した。検討の結果、ポリエチレン「単層」のフィルムは、柔軟性に劣ることがわかった。
本発明は、柔軟性が改善された延伸ポリエチレンフィルムおよびそのような延伸ポリエチレンフィルムにより構成された包装材を提供する。
[1]
高密度ポリエチレン層1と、
中密度ポリエチレン層と、
高密度ポリエチレン層2と、
をこの順で含む延伸ポリエチレンフィルムであって、
前記中密度ポリエチレン層の、JIS K 7112:1999に準拠して測定される密度が、910kg/m以上935kg/m以下である、延伸ポリエチレンフィルム。
[2]
前記延伸ポリエチレンフィルムの全体を100質量%としたとき、前記延伸ポリエチレンフィルム中の、前記高密度ポリエチレン層1と前記高密度ポリエチレン層2の合計量が、25質量%以上85質量%以下である、[1]に記載の延伸ポリエチレンフィルム。
[3]
前記高密度ポリエチレン層1および前記高密度ポリエチレン層2の、JIS K 7112:1999に準拠して測定される密度が、それぞれ940kg/m以上970kg/m以下である、[1]または[2]に記載の延伸ポリエチレンフィルム。
[4]
前記高密度ポリエチレン層1および前記高密度ポリエチレン層2の、ASTM D1238に準拠し、190℃、2.16kg荷重の条件で測定されるMFRがそれぞれ0.01g/10分以上20g/10分以下である、[1]~[3]のいずれかに記載の延伸ポリエチレンフィルム。
[5]
前記中密度ポリエチレン層の、ASTM D1238に準拠し、190℃、2.16kg荷重の条件で測定されるMFRが0.01g/10分以上20g/10分以下である、[1]~[4]のいずれかに記載の延伸ポリエチレンフィルム。
[6]
前記延伸ポリエチレンフィルムにおいて、小角X線散乱(SAXS)測定から求められる、MD方向の回折角2θが0.2~0.4°の範囲におけるピークの半値全幅(FWHM)が0.20°以下である、[1]~[5]のいずれかに記載の延伸ポリエチレンフィルム。
[7]
前記延伸ポリエチレンフィルムにおいて、示差走査熱量計を用いて、昇温速度10℃/分で-50℃から200℃まで昇温する過程と、200℃で10分間保つ等温過程と、降温速度10℃/分で200℃から-50℃まで降温する過程とからなる一回目の示差走査熱量測定(1stRun)と、
昇温速度10℃/分で-50℃から200℃まで昇温する過程からなる二回目の示差走査熱量測定(2ndRun)と、
を続けて行ったとき、
前記一回目の示差走査熱量測定により得られたDSC曲線1において、10℃以上160℃以下の範囲に吸熱ピークAが観察され、前記吸熱ピークAの融解熱量(ΔH)が、110J/g以上162J/g以下である、[1]~[6]のいずれかに記載の延伸ポリエチレンフィルム。
[8]
前記延伸ポリエチレンフィルムにおいて、JIS K 7136:2000に準拠して測定される前記延伸ポリエチレンフィルム1枚あたりのHazeが16.0%以下である、[1]~[7]のいずれかに記載の延伸ポリエチレンフィルム。
[9]
JIS K7127:1999に準拠し、引張試験機を用いて測定温度23±2℃、50±5%RH、引張速度5mm/minの条件で測定される、前記延伸ポリエチレンフィルムのMD方向の引張弾性率TとTD方向の引張弾性率Tとの合計値が、1600MPa以上2900MPa以下である、[1]~[8]のいずれかに記載の延伸ポリエチレンフィルム。
[10]
JIS C2151:2019に準拠して、100℃で15分間加熱処理した際の、前記延伸ポリエチレンフィルムのMD方向の熱収縮率が5.5%以下である、[1]~[9]のいずれかに記載の延伸ポリエチレンフィルム。
[11]
JIS C2151:2019に準拠して、120℃で15分間加熱処理した際の、前記延伸ポリエチレンフィルムのMD方向の熱収縮率が25.0%以下である、[1]~[10]のいずれかに記載の延伸ポリエチレンフィルム。
[12]
前記延伸ポリエチレンフィルムの少なくとも一方の表面がコロナ処理面である、[1]~[11]のいずれかに記載の延伸ポリエチレンフィルム。
[13]
前記延伸ポリエチレンフィルムの少なくとも一方の表面がコロナ未処理面であり、
前記延伸ポリエチレンフィルムの前記コロナ未処理面側同士を貼り合わせるように140℃でヒートシールした時の熱融着強度が4.0N/15mm以下である、[1]~[12]のいずれかに記載の延伸ポリエチレンフィルム。
[14]
JIS Z 0238:1998に準拠し、引張試験機を用いて、T型剥離、クロスヘッドスピード:300mm/分の条件で測定される、前記延伸ポリエチレンフィルムのMD方向のラミネート強度が0.7N/15mm以上10.0N/15mm以下である、[1]~[13]のいずれかに記載の延伸ポリエチレンフィルム。
[15]
前記延伸ポリエチレンフィルム全体の厚さが10μm以上100μm以下である、[1]~[14]のいずれかに記載の延伸ポリエチレンフィルム。
[16]
食品包装用フィルムである、[1]~[15]のいずれかに記載の延伸ポリエチレンフィルム。
[17]
[1]~[16]のいずれかに記載の延伸ポリエチレンフィルムを用いた包装材。
[18]
[17]に記載の包装材と、
前記包装材内の食品と、を含む食品包装体。
本発明によれば、柔軟性が向上した、延伸ポリエチレンフィルムを提供することができる。
本発明に係る実施形態の延伸ポリエチレンフィルムの構造の一例を模式的に示した断面図である
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて説明する。なお、本明細書では、数値範囲を示す「A~B」は特に断りがなければ、A以上B以下を表す。
<延伸ポリエチレンフィルム>
本実施形態に係る延伸ポリエチレンフィルム(100)は、高密度ポリエチレン層1(101)と、中密度ポリエチレン層(102)と、高密度ポリエチレン層2(103)と、をこの順で含み、前記中密度ポリエチレン層の、JIS K 7112:1999に準拠して測定される密度が、910kg/m以上935kg/m以下である。
本実施形態に係る延伸ポリエチレンフィルムによれば、中密度ポリエチレン層が、高密度ポリエチレン層1および高密度ポリエチレン層2に挟まれている三層構造とし、前記中密度ポリエチレン層の密度を上記範囲とすることにより、柔軟性を向上させることができる。
なお、本明細書において、柔軟性とは、突刺性、耐屈曲性、引き裂き強度にて表されるものであり、突刺性、耐屈曲性および引き裂き強度の性能バランスで評価することができる。また、本明細書において柔軟性とは、柔軟でありつつ、フィルムが破れにくく、引き裂きにくいことを表す。
本実施形態に係る延伸ポリエチレンフィルムにおいて、中密度ポリエチレン層の、JIS K 7112:1999に準拠して測定される密度は、延伸ポリエチレンフィルムの柔軟性をより向上させる観点から、910kg/m以上、より好ましくは915kg/m以上であり、また935kg/m以下、より好ましくは932kg/m以下、さらに好ましくは930kg/m以下、さらに好ましくは928kg/m以下である。また、本実施形態に係る延伸ポリエチレンフィルムにおいて、中密度ポリエチレン層の、JIS K 7112:1999に準拠して測定される密度は、柔軟性および熱寸法安定性の性能バランスをより向上させる観点から、好ましくは917kg/m以上、より好ましくは918kg/m以上である。
以下、延伸ポリエチレンフィルムを構成する材料についてさらに説明する。
中密度ポリエチレン層の、ASTM D1238に準拠し、190℃、2.16kg荷重の条件で測定されるメルトフローレート(MFR)は、加工性をより向上させる観点から、好ましくは0.01g/10分以上、より好ましくは0.1g/10分以上、さらに好ましくは0.5g/10分以上、さらに好ましくは1.0g/10分以上であり、また、延伸ポリエチレンフィルムの引き裂き性を維持しつつ、延伸ポリエチレンフィルムのコシをより良好とする観点から、好ましくは20g/10分以下、より好ましくは10g/10分以下、さらに好ましくは5g/10分以下、さらに好ましくは4g/10分以下である。
中密度ポリエチレン層の示差走査熱量計(DSC)で測定される融点は、加工性や接着性を維持しつつ、耐熱性やコシをより良好とする観点から、好ましくは110℃以上、より好ましくは115℃以上であり、また、耐熱性を維持しつつ、接着性をより良好とする観点から、好ましくは135℃以下、より好ましくは130℃以下、さらに好ましくは128℃以下である。
中密度ポリエチレン層を構成するポリエチレンとして2種類以上のポリエチレンを用いる場合、中密度ポリエチレン層の密度、MFRおよび融点は、公知の方法で2種類以上のポリエチレンをメルトブレンドして得られた混合物についての測定値を採用することができる。中密度ポリエチレン層の融点は、最大融解ピークのピーク温度を採用することができる。
本実施形態に係る延伸ポリエチレンフィルムにおいて、高密度ポリエチレン層1および高密度ポリエチレン層2の合計量は、透明性、剛性、耐熱性、スリップ性、熱融着強度および柔軟性の性能バランスをより向上させる観点から、延伸ポリエチレンフィルム全体に対して、好ましくは25質量%以上、より好ましくは30質量%以上、さらに好ましくは35質量%以上、さらに好ましくは40質量%以上、さらに好ましくは45質量%以上であり、また延伸ポリエチレンフィルムの柔軟性をより向上させる観点から、好ましくは85質量%以下、より好ましくは83質量%以下、さらに好ましくは80質量%以下、さらに好ましくは70質量%以下、さらに好ましくは65質量%以下である。
本実施形態の延伸ポリエチレンフィルムにおいて、高密度ポリエチレン層1と、高密度ポリエチレン層2とは、同じ材料を用いて形成されていてもよいし、異なる材料を用いて形成されていてもよいが、異なった材料を用いる場合、以下の、高密度ポリエチレン層1および高密度ポリエチレン層2における構成を満たすことが好ましい。
高密度ポリエチレン層1および高密度ポリエチレン層2における、高密ポリエチレンの含有量は、透明性、剛性、耐熱性、スリップ性および熱融着強度の性能バランスをより向上させる観点から高密度ポリエチレン層1および高密度ポリエチレン層2全体に対して、それぞれ、好ましくは80質量%以上、より好ましくは85質量%以上、さらに好ましくは90質量%以上、さらに好ましくは95質量%以上、さらに好ましくは98質量%以上である。高密度ポリエチレン層1および高密度ポリエチレン層2における、高密度ポリエチレンの含有量の上限に制限はないが、例えばそれぞれ、100質量%以下である。
高密度ポリエチレン層1および高密度ポリエチレン層2の、JIS K 7112:1999に準拠して測定される密度は、耐熱性、透明性、機械的特性、剛性等の各種性能のバランスをより一層良好にする観点から、それぞれ好ましくは940kg/m以上、より好ましくは943kg/m以上、さらに好ましくは945kg/m以上であり、また柔軟性と剛性のバランスをより良好とする観点から、好ましくは970kg/m以下、より好ましくは968kg/m以下、さらに好ましくは965kg/m以下、さらに好ましくは960kg/m以下、さらに好ましくは955kg/m以下、さらに好ましくは950kg/m以下である。
高密度ポリエチレン層1および高密度ポリエチレン層2を構成する高密度ポリエチレンの、JIS K 7112:1999に準拠して測定される密度は、耐熱性、透明性、機械的特性、剛性等の各種性能のバランスをより一層良好にする観点から、それぞれ好ましくは940kg/m以上、より好ましくは943kg/m以上、さらに好ましくは945kg/m以上であり、また柔軟性と剛性のバランスをより良好とする観点から、好ましくは970kg/m以下、より好ましくは968kg/m以下、さらに好ましくは965kg/m以下、さらに好ましくは960kg/m以下、さらに好ましくは955kg/m以下、さらに好ましくは950kg/m以下である。
高密度ポリエチレン層1および高密度ポリエチレン層2の、ASTM D1238に準拠し、190℃、2.16kg荷重の条件で測定されるメルトフローレート(MFR)は、流動性および成形性をより向上させる観点から、それぞれ好ましくは0.01g/10分以上、より好ましくは0.1g/10分以上、さらに好ましくは0.5g/10分以上であり、また、延伸ポリエチレンフィルムの引き裂き性を維持しつつ、延伸ポリエチレンフィルムのコシをより良好とする観点から、好ましくは20g/10分以下、より好ましくは10g/10分以下、さらに好ましくは5g/10分以下、さらに好ましくは3g/10分以下、さらに好ましくは2g/10分以下である。
高密度ポリエチレン層1および高密度ポリエチレン層2を構成する高密度ポリエチレンの、ASTM D1238に準拠し、190℃、2.16kg荷重の条件で測定されるメルトフローレート(MFR)は、流動性および成形性をより向上させる観点から、それぞれ好ましくは0.01g/10分以上、より好ましくは0.1g/10分以上、さらに好ましくは0.5g/10分以上であり、また、延伸ポリエチレンフィルムの引き裂き性を維持しつつ、延伸ポリエチレンフィルムのコシをより良好とする観点から、好ましくは20g/10分以下、より好ましくは10g/10分以下、さらに好ましくは5g/10分以下、さらに好ましくは3g/10分以下、さらに好ましくは2g/10分以下である。
高密度ポリエチレン層1および高密度ポリエチレン層2の示差走査熱量計(DSC)で測定される融点は、熱寸法安定性、耐熱性、機械的特性、剛性、製袋性、流動性および成形性等のバランスをより向上させる観点から、それぞれ好ましくは120℃以上、より好ましくは125℃以上であり、そして好ましくは135℃以下、より好ましくは133℃以下である。
高密度ポリエチレン層1および高密度ポリエチレン層2を構成する高密度ポリエチレンの示差走査熱量計(DSC)で測定される融点は、熱寸法安定性、耐熱性、機械的特性、剛性、製袋性、流動性および成形性等のバランスをより向上させる観点から、それぞれ好ましくは120℃以上、より好ましくは125℃以上であり、そして好ましくは135℃以下、より好ましくは133℃以下である。
高密度ポリエチレン層を構成するポリエチレンとして2種類以上のポリエチレンを用いる場合、高密度ポリエチレン層の密度、MFRおよび融点は、公知の方法で2種類以上のポリエチレンをメルトブレンドして得られた混合物についての測定値を採用することができる。高密度ポリエチレン層の融点は、最大融解ピークのピーク温度を採用することができる。
本実施形態の延伸ポリエチレンフィルムの少なくとも一方の表面がコロナ処理面(コロナ放電照射による表面改質された表面)であることが好ましい。本実施形態の延伸ポリエチレンフィルムの少なくとも一方の表面をコロナ処理面とすることにより、本実施形態の延伸ポリエチレンフィルムの印刷特性、コーティング特性および他のフィルムとの貼り合わせ特性等をより向上させることができる。
高密度ポリエチレン層1、高密度ポリエチレン層2および中密度ポリエチレン層は、本発明の目的を損なわない範囲内において、各種の添加剤を含んでもよい。添加剤としては、耐熱安定剤、耐候安定剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、滑剤、スリップ剤、核剤、アンチブロッキング剤、帯電防止剤、防曇剤、顔料、染料、無機または有機の充填剤、などを挙げることができる。
高密度ポリエチレン層1および高密度ポリエチレン層2の厚さは、透明性、剛性、耐熱性、スリップ性および熱融着強度のバランスをより向上させる観点から、それぞれ、好ましくは1μm以上、より好ましくは3μm以上であり、そして好ましくは17μm以下、より好ましくは15μm以下、さらに好ましくは10μm以下、さらに好ましくは7μm以下である。
なお、高密度ポリエチレン層1および高密度ポリエチレン層2の厚さは、同じであっても異なっていてもよいが、延伸ポリエチレンフィルムの機械的強度を、高密度ポリエチレン層1側と高密度ポリエチレン層2側で均一にする観点から、同じであることが好ましい。
中密度ポリエチレン層の厚さは、延伸ポリエチレンフィルムの柔軟性を向上させる観点から、好ましくは2μm以上、より好ましくは3μm以上、さらに好ましくは5μm以上、さらに好ましくは8μm以上であり、そして好ましくは30μm以下、より好ましくは25μm以下、さらに好ましくは20μm以下、さらに好ましくは15μm以下、さらに好ましくは13μm以下、さらに好ましくは11μm以下である。
延伸ポリエチレンフィルム全体の厚さは、延伸ポリエチレンフィルムの引き裂き性を維持し、機械的強度をより向上させる観点から、好ましくは10μm以上、より好ましくは13μm以上、さらに好ましくは15μm以上であり、そして延伸ポリエチレンフィルムの引き裂き性、取り扱い性、成形性、製袋適性、軽量性等をより向上させる観点から、好ましくは100μm以下、より好ましくは70μm以下、さらに好ましくは50μm以下、さらに好ましくは40μm以下、さらに好ましくは30μm以下、さらに好ましくは25μm以下である。
次に、延伸ポリエチレンフィルムの物性について説明する。
本実施形態の延伸ポリエチレンフィルムにおいて、JIS K7127:1999に準拠し、引張試験機を用いて、測定温度23±2℃、50±5%RH、引張速度5mm/minの条件で測定される、延伸ポリエチレンフィルムのMD方向の引張弾性率Tは、延伸ポリエチレンフィルムの熱寸法安定性、成形性、機械的特性、透明性、製袋性、取扱い性および包装適性のバランスをより向上させる観点から、好ましくは800MPa以上、より好ましくは850MPa以上、さらに好ましくは900MPa以上、さらに好ましくは950MPa以上、さらに好ましくは1000MPa以上であり、また、延伸ポリエチレンフィルムの熱寸法安定性、製袋性および包装適性のバランスをより向上させる観点から、好ましくは1500MPa以下、より好ましくは1450MPa以下、さらに好ましくは1400MPa以下、さらに好ましくは1350MPa以下である。
延伸ポリエチレンフィルムのTD方向の引張弾性率Tは、延伸ポリエチレンフィルムの成形性、機械的特性、透明性、製袋性、取扱い性および包装適性のバランスをより向上させる観点から、好ましくは700MPa以上、より好ましくは750MPa以上、さらに好ましくは800MPa以上、さらに好ましくは850MPa以上、さらに好ましくは900MPa以上であり、また、延伸ポリエチレンフィルムの製袋性および包装適性のバランスをより向上させる観点から、好ましくは1400MPa以下、より好ましくは1300MPa以下、さらに好ましくは1200MPa以下、さらに好ましくは1150MPa以下である。
本実施形態の延伸ポリエチレンフィルムにおいて、JIS K7127:1999に準拠し、引張試験機を用いて、測定温度23±2℃、50±5%RH、引張速度5mm/minの条件で測定される、延伸ポリエチレンフィルムのMD方向の引張弾性率TとTD方向の引張弾性率Tとの合計値は、透明性、剛性、耐熱性と、熱融着強度および熱寸法安定性の性能バランスのバランスをより良好とし、さらに延伸ポリエチレンフィルムのコシをより良好とするの観点から、好ましくは1600MPa以上、より好ましくは1700MPa以上、さらに好ましくは1800MPa以上、さらに好ましくは1900MPa以上、さらに好ましくは2000MPa以上、さらに好ましくは2050MPa以上であり、また、延伸ポリエチレンフィルムの成形時に切断などのトラブルが発生しにくくなり、フィルムの連続延伸成形が容易になり、工業的な連続生産性をより向上させる観点から、好ましくは2900MPa以下、より好ましくは2800MPa以下、さらに好ましくは2700MPa以下、さらに好ましくは2600MPa以下、さらに好ましくは2500MPa以下、さらに好ましくは2400MPa以下である。
このような引張弾性率はフィルムのコシを定量的に測定する代用値であり、例えば、延伸ポリエチレンフィルムに含まれる高密度ポリエチレン層1、高密度ポリエチレン層2および中密度ポリエチレン層の種類や含有割合、延伸ポリエチレンフィルムの厚みや延伸倍率等を調整することにより調整することができる。
本実施形態の延伸ポリエチレンフィルムにおいて、JIS K 7136:2000に準拠して測定される延伸ポリエチレンフィルム1枚あたりのHazeは、延伸ポリエチレンフィルムの透明性をより向上させる観点から、好ましくは16.0%以下、より好ましくは15.8%以下、さらに好ましくは15.5%以下、さらに好ましくは15.3%以下、さらに好ましくは15.0%以下である。延伸ポリエチレンフィルム1枚あたりのHazeの下限に制限はないが、たとえば0.1%以上であり、1.0%以上であってもよく、3.0%以上であってもよく、5.0%以上であってもよい。
本実施形態の延伸ポリエチレンフィルムにおいて、小角X線散乱(SAXS)測定から求められる、MD方向の回折角2θが0.2~0.4°の範囲におけるピークの半値全幅(FWHM)は、延伸ポリエチレンフィルム表層の結晶化度を高めて脆弱層の形成を抑制し、スリップ性を良好とする観点から、好ましくは0.20°以下である。延伸ポリエチレンフィルムのMD方向の回折角2θが0.2~0.4°の範囲におけるピークの半値全幅(FWHM)は、製膜性、製袋加工性、ラミネート強度および熱寸法安定性をより向上させる観点から、好ましくは0.05°以上、より好ましくは0.10°以上、さらに好ましくは0.13°以上、さらに好ましくは0.15°以上である。
このような小角X線散乱(SAXS)測定から求められる、MD方向の回折角2θが0.2~0.4°の範囲におけるピークの半値全幅(FWHM)は、例えば、延伸ポリエチレンフィルムに含まれる高密度ポリエチレン層1、高密度ポリエチレン層2および中密度ポリエチレン層の種類や含有割合、延伸ポリエチレンフィルムの厚みや延伸倍率等を調整することにより調整することができる。
延伸ポリエチレンフィルムにおいて、示差走査熱量測定により得られるDSC曲線における吸熱ピークAの融解熱量(ΔH)は、延伸ポリエチレンフィルムの厚みムラをより抑制する観点から、好ましくは110J/g以上、より好ましくは120J/g以上、さらに好ましくは130J/g以上、さらに好ましくは140J/g以上、さらに好ましくは145J/g以上、さらに好ましくは150J/g以上であり、そして好ましくは162J/g以下、より好ましくは160J/g以下である。
示差走査熱量測定により得られるDSC曲線における吸熱ピークAの融解熱量(ΔH)は、以下のようにして測定される。
延伸ポリエチレンフィルムから約5.0mgの試験片を切り出す。次いで、当該試験片に対し、示差走査熱量計を用いて、窒素気流下で、昇温速度10℃/分で-50℃から200℃まで昇温する過程と、200℃で10分間保つ等温過程と、降温速度10℃/分で200℃から-50℃まで降温する過程とからなる一回目の示差走査熱量測定(1stRun)と、昇温速度10℃/分で-50℃から200℃まで昇温する過程からなる二回目の示差走査熱量測定(2ndRun)と、を続けて行う。
一回目の示差走査熱量測定により得られるDSC曲線1において、10℃以上160℃以下の範囲に観察される吸熱ピークAから融解熱量(ΔH)(J/g)を求める。ここで、上記吸熱ピークAの熱量は、吸熱ピークAを含む融解吸熱カーブと、ベースラインとで囲まれる面積を求めることで算出される。ベースラインは、吸熱ピークAの前後において、Heat Flowを時間で微分し、Deriv. Heat Flowを表示し、Deriv. Heat Flowの変化が始まる点(すなわち、Deriv. Heat Flowのフラット領域が終了する点)と、Deriv. Heat Flowの変化が終わる点(すなわち、Deriv. Heat Flowがフラット領域に入る点)と、を結んだ線とする。
また、10℃以上160℃以下の範囲に複数の吸熱ピークが観察される場合は、最大ピークを吸熱ピークAとする。
本実施形態の延伸ポリエチレンフィルムにおいて、100℃で15分間加熱処理した際の、延伸ポリエチレンフィルムのMD方向の熱収縮率は、熱寸法安定性および製袋性をより向上させる観点から、好ましくは5.5%以下、より好ましくは5.0%以下、さらに好ましくは4.5%以下、さらに好ましくは4.3%以下、さらに好ましくは4.1%以下であり、そして0.1%以上であってもよく、0.5%以上であってもよく、1.0%以上であってもよく、1.5%以上であってもよく、2.0%以上であってもよい。
また、延伸ポリエチレンフィルムの熱収縮率は、JIS C2151:2019に準拠して測定することができる。
本実施形態の延伸ポリエチレンフィルムにおいて、120℃で15分間加熱処理した際の、延伸ポリエチレンフィルムのMD方向の熱収縮率は、熱寸法安定性および製袋性をより向上させる観点から、好ましくは25.0%以下、より好ましくは23.0%以下、さらに好ましくは22.0%以下であり、そして1.0%以上であってもよく、5.0%以上あってもよく、10.0%以上であってもよく、15.0%以上であってもよい。
延伸ポリエチレンフィルムの少なくとも一方がコロナ未処理面である場合において、延伸ポリエチレンフィルムのコロナ未処理面側を貼り合わせるようにして140℃で熱融着した時の熱融着強度は、耐熱性をより良好とする観点から、好ましくは4.0N/15mm以下、より好ましくは3.8N/15mm以下である。熱融着強度の下限に制限はないが、例えば0.1N/15mm以上である。
熱融着強度は以下のように測定される。
15mm幅に切断した延伸ポリエチレンフィルム2枚のコロナ未処理面同士を、140℃、圧力2.0kgf、シール時間1.0秒の条件で熱融着することにより積層フィルムを得る。次いで、15mm幅に切り出した積層フィルムを用いて、90°剥離、剥離速度300mm/分、MD方向への引張の条件で、2枚の延伸ポリエチレンフィルムを剥離し、そのときの剥離強度を熱融着強度(N/15mm)とする。
本実施形態の延伸ポリエチレンフィルムにおいて、JIS Z 0238:1998に準拠して測定される、ラミネート強度は、接着性および易開封性のバランスをより良好とする観点から、好ましくは0.7N/15mm以上、より好ましくは0.8N/15mm以上であり、また好ましくは10.0N/15mm以下、より好ましくは5.0N/15mm以下、さらに好ましくは3.0N/15mm以下、さらに好ましくは2.0N/15mm以下である。
なお、ラミネート強度は以下のように測定される。
延伸ポリエチレンフィルムから297cm×210cmの試験片を切り出し、当該試験片のコロナ処理面側と、一方の面がコロナ処理された厚み50μmのキャストLLDPEフィルムのコロナ処理面側とを、エステル系接着剤で貼りあわせて、40℃、3日間のエージングを行う。次いで、15mm幅に試験片を切り出し、引張試験機を用い、JIS Z 0238:1998に準拠し、剥離角度:90°、チャック間距離:100mm、クロスヘッドスピード:300mm/分でMD方向に剥離した際の剥離強度を求め、ラミネート強度とする。
本実施形態の延伸ポリエチレンフィルムにおいて、スリップテスターにより測定される、延伸ポリエチレンフィルムの表面の静摩擦係数(tanθ)は、好ましくは0.20以上、より好ましくは0.25以上であり、また好ましくは0.65以下、より好ましくは0.60以下、さらに好ましくは0.55以下、さらに好ましくは0.50以下である。
延伸ポリエチレンフィルムの高密度ポリエチレン層1または高密度ポリエチレン層2のいずれか一方がコロナ処理されている場合、延伸ポリエチレンフィルム表面の静摩擦係数(tanθ)は、処理面同士、未処理面同士、処理面と未処理面のいずれにおいて測定されてもよい。
特に延伸ポリエチレンフィルムの取り扱い性をより高めることができるという点では、コロナ未処理面側表面の静摩擦係数(tanθ)が上記範囲内であることが好ましい。延伸ポリエチレンフィルムのコロナ未処理側表面の静摩擦係数(tanθ)は、好ましくは0.20以上、より好ましくは0.25以上であり、また好ましくは0.65以下、より好ましくは0.60以下、さらに好ましくは0.55以下、さらに好ましくは0.50以下である。
延伸ポリエチレンフィルム表面のコロナ未処理面側表面の静摩擦係数(tanθ)は、以下の方法で測定される。
50mm×75mmのサイズに切断した延伸ポリエチレンフィルムを2枚(以下、延伸ポリエチレンフィルム1および2とする。)準備し、そのうちの1枚の延伸ポリエチレンフィルム1をコロナ未処理面側が上になるように傾斜板に固定する。次いで、もう1枚の延伸ポリエチレンフィルム2のコロナ未処理面側とは反対側の表面の中心に底面(サイズが41mm×26mm)が真鍮から構成されている摩擦体を固定し、摩擦体の上に、摩擦体から延伸ポリエチレンフィルム2にかかる質量が150gとなるように重りを取り付ける。次いで、2枚の延伸ポリエチレンフィルム1、2のコロナ未処理面側の面同士を重ねる。次いで、傾斜板を1°/secの速度で傾斜させ、上部の延伸ポリエチレンフィルム2が滑り出したときの角度θからtanθの値を求める。
コロナ処理面側表面の静摩擦係数(tanθ)を測定する場合は、上記コロナ未処理面側表面の静摩擦係数(tanθ)の測定方法において、コロナ未処理面側をコロナ処理面側に置き換えて測定する。
本実施形態の延伸ポリエチレンフィルムにおいて、JIS Z1707:1997に準拠して、23±2℃、50±5%RHの条件で測定される、コロナ処理面から、コロナ未処理面方向への突き刺し強度は、包装体の裂けをより抑制する観点から、好ましくは2.5N以上、より好ましくは3.0N以上、さらに好ましくは4.0N以上であり、また、好ましくは8.0N以下、より好ましくは7.8N以下、さらに好ましくは7.5N以下、さらに好ましくは7.3N以下、さらに好ましくは7.0N以下である。
軽荷重引裂試験機を用いて測定される、延伸ポリエチレンフィルムのMD方向の引き裂き強度は、製膜性、製袋加工性をより良好とする観点から、好ましくは100mN以上、より好ましくは150mN以上、さらに好ましくは200mN以上、さらに好ましくは230mN以上、さらに好ましくは250mN以上であり、また延伸ポリエチレンフィルムのヒートシール性およびコシを維持しつつ、引き裂き性をより一層良好なものとする観点から、好ましくは500mN以下、より好ましくは490mN以下、さらに好ましくは450mN以下である。
このような引き裂き強度を達成するためには、延伸ポリエチレンフィルムに含まれる高密度ポリエチレン層1、高密度ポリエチレン層2および中密度ポリエチレン層のそれぞれの密度や厚み等を適宜調整すればよい。
なお、MD方向の引き裂き強度は以下のように測定される。
延伸ポリエチレンフィルムから、MD方向に63.5mm、TD方向に50mmの試験片を切り出す。上記試験片1枚について、軽荷重引裂試験機を用いて、振り子おもり重量:96.09g、引裂長さ:12.7mm、振り子持ち上げ角:90°の条件にて、MD方向の引き裂き強度(mN)を測定する。
軽荷重引裂試験機は、例えば株式会社東洋精機製作所製、型式-Dのものを用いることができる。
本実施形態の延伸ポリエチレンフィルムにおいて、ゲルボフレックステスターを用いて、屈曲角度:440度、屈曲速度:40回/分、-30℃の雰囲気下で、3000回の屈曲試験で測定される、延伸ポリエチレンフィルムのピンホール発生数は、好ましくは2500個/m以下、より好ましくは2300個/m以下、さらに好ましくは2200個/m以下、さらに好ましくは2100個/m以下、さらに好ましくは2000個/m以下である。
延伸ポリエチレンフィルムのピンホール発生数の下限値に制限は無いが、例えば100個/m以上であり、300個/m以上であってもよく、500個/m以上であってもよく、800個/m以上であってもよい。
上記ピンホール発生数は、本実施形態の延伸ポリエチレンフィルムの耐屈曲性能の指標を表しており、ピンホール発生数が少ないほど、耐屈曲性能が良好であることを意味している。
延伸ポリエチレンフィルムのピンホール発生数が上記範囲内にあることにより、低温充填時や低温輸送時における屈曲によるピンホールの発生をより抑制させることができる。
なお、ゲルボフレックステスターは、例えばテスター産業株式会社製のものを用いることができる。
<高密度ポリエチレン層および中密度ポリエチレン層の同定について>
本実施形態の延伸ポリエチレンフィルムが、高密度ポリエチレン層1と、中密度ポリエチレン層と、高密度ポリエチレン層2とからなることは、一例として、延伸ポリエチレンフィルムを断面切削した上で、各層の融点の測定を行うことで、判断することができる。
高密度ポリエチレン層1および高密度ポリエチレン層2の融点は、例えば130℃以上140℃以下の範囲を示し、中密度ポリエチレン層の融点は、例えば110℃以上129℃以下の範囲を示す。
<延伸ポリエチレンフィルムの製造方法>
本実施形態の延伸ポリエチレンフィルムは、配向結晶性をより良好とし、機械的強度をより高める観点から、一軸または二軸に延伸されており、生産性をより良好とする観点から、一軸延伸されていることが好ましい。またMD方向に一軸延伸することにより、MD方向の引張弾性率Tをより向上させることができる。
延伸ポリエチレンフィルムは、例えば、高密度ポリエチレン層1を形成するための高密度ポリエチレン樹脂と、中密度ポリエチレン層を形成するための中密度ポリエチレン樹脂と、高密度ポリエチレン層2を形成するための高密度ポリエチレン樹脂とを、この順となるように、フィルム状に共押出成形して得たフィルムを、公知の一軸延伸法、同時二軸延伸法あるいは逐次二軸延伸法等の延伸フィルム製造方法を用いて延伸することにより得ることができる。
成形装置および成形条件としては特に限定されず、従来公知の成形装置および成形条件を採用することができる。成形装置としては、T-ダイ押出機、多層T-ダイ押出機、インフレーション成形機あるいは多層インフレーション成形機等を用いることができる。
一軸延伸法、二軸延伸法の条件は、例えば公知の延伸ポリエチレンフィルムの製造条件を採用することができる。より具体的には、一軸延伸法であれば、例えば、縦延伸温度を100℃~145℃、縦延伸倍率を4.5~6倍の範囲にすればよい。逐次二軸延伸法では、例えば、縦延伸温度を100℃~145℃、縦延伸倍率を4.5~6倍の範囲、横延伸温度を110℃~160℃、横延伸倍率を9~11倍の範囲にすればよい。
<延伸ポリエチレンフィルムの用途/包装材/食品包装体>
本実施形態の延伸ポリエチレンフィルムは、具体的には、食品包装用フィルムとして好適に使用することができる。
また、本実施形態の延伸ポリエチレンフィルムは、包装材として好適に用いることができる。
包装材とする際は、本実施形態の延伸ポリエチレンフィルムのみを用いて包装材としてもよいし、他の層を積層して包装材としてもよい。他の層としては、基材層、コーティング層、接着層、ヒートシール層等が挙げられる。なお、リサイクルのし易さの観点からは、これらの層を積層する場合、ポリエチレン系の樹脂で形成されていることが好ましい。
また、本実施形態の包装材は、食品包装体に好適に使用することができる。食品包装体は、例えば、食品を包装することを目的として使用され、具体的には、本実施形態の包装材と、包装材内の食品と、を含む。
食品包装体は、用途に応じて、食品包装体の一部のみが本実施形態の包装材で構成されていてもよいし、食品包装体の実質上全部が本実施形態の包装材で構成されていてもよい。
延伸ポリエチレンフィルムや包装材から食品包装体を製造する方法は特に限定されない。ヒートシールや溶断など、包装材/包装体の分野で公知の方法を適宜用いることができる。
本実施形態に係る延伸ポリエチレンフィルムは良好な柔軟性が求められる食品包装体に用いることが好ましい。食品包装体の形態は、例えば合掌袋やスタンディングパウチ(パウチ包装)であることができる。これらの形態は、柔軟性を良好とすることができる点で好ましい。
また、本実施形態の延伸ポリエチレンフィルムや包装材により食品包装体(包装袋など)を構成する場合、コロナ処理面が内表面側であり、コロナ未処理面が外表面側であることが好ましい。
また、前述したように延伸ポリエチレンフィルムに、さらに他の層を積層する場合、コロナ処理面側に積層することが好ましい。すなわち本実施形態の延伸ポリエチレンフィルム用いた積層体を食品包装体(包装袋など)に用いる場合、本実施形態の延伸ポリエチレンフィルム側が食品包装体の最外層となることが好ましい。
食品包装体に包装される食品は限定されないが、例えば、焼き菓子、米菓、スナック菓子、ふりかけ、穀物粉末等が挙げられる。
以上、本発明の実施形態について述べたが、これらは本発明の例示であり、上記以外の様々な構成を採用することができる。また、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれる。
<原料>
実施例および比較例で用いた原料について以下に示す。
なお、密度については、JIS K 7112:1999に準拠して測定した。MFRについては、ASTM D1238に準拠し、190℃、2.16kg荷重の条件で測定した。融点については、示差走査熱量計(DSC)を用いて測定した。
(高密度ポリエチレン)
・高密度ポリエチレン(HDPE1):密度:949kg/m、MFR:1.1g/10分、融点:130℃
(中密度ポリエチレン)
・中密度ポリエチレン(MDPE1):密度:916kg/m、MFR:2.3g/10分、融点:116℃
・中密度ポリエチレン(MDPE2):密度:918kg/m、MFR:3.8g/10分、融点:116℃
・中密度ポリエチレン(MDPE3):密度:923kg/m、MFR:1.5g/10分、融点:121℃
・中密度ポリエチレン(MDPE4):密度:925kg/m、MFR:1.9g/10分、融点:122℃
・中密度ポリエチレン(MDPE5):密度:937kg/m、MFR:1.8g/10分、融点:127℃
・中密度ポリエチレン(MDPE6):密度:942kg/m、MFR:2.9g/10分、融点:127℃
<延伸ポリエチレンフィルムの製造>
表1に示す配合にて、実施例および比較例の、高密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレンを、この順でフィルム状となるようT-ダイ押出成形しキャストシートを得た後、キャストシートに一軸延伸処理を行った。そして一軸延伸後キャストシートの高密度ポリエチレン2層側にコロナ処理を行い、各例の延伸ポリエチレンフィルムを作製した。押出条件および一軸延伸条件を以下に示す。
多層押出成形機:60mmφ多層T-ダイ押出成形機(スクリュー:L/D=27、スクリュー精機社製)
押出設定温度:230℃、加工速度:25m/min
縦延伸温度:110~130℃
縦延伸倍率:5倍
得られた各例の延伸ポリエチレンフィルムについて以下の評価をそれぞれおこなった。得られた結果を表1にそれぞれ示す。
<延伸ポリエチレンフィルムの小角X線散乱(SAXS)測定>
各例の延伸ポリエチレンフィルムにおいて、フィルムのMD方向を上下、TD方向を左右とし、X線源方向とフィルム面とのなす角が垂直となすように測定フィルムを以下の装置にセットした。以下の装置、条件で小角X線散乱(SAXS)測定を行った。
装置:RIGAKU社製、製品名:UltimaIV(小角散乱アタッチメント系)
X線入射方向:フィルム法線方向
X線波長:0.15418nm
光学ユニット仕様:
1.光学系選択スリット;小角散乱用0.03mm(=1st.スリット)
2.DS;散乱防止スリット1.00mm(=2nd.スリット)
3.入射側ソーラスリット;フレキシブル光学系の5°を使用
4.1st.~2nd.スリット間距離;70mm
5.2nd.~試料間距離;98mm
6.真空パス長;100mm(受光スリットボックス前面、専用台に設置)
7.RS, SS;散乱スリット 0.20mm、受光スリット0.10mm
8.カメラ長;285mm
9.受光側ソーラスリット;フレキシブル光学系の5°を使用
10.単色化;無(多層膜ミラーによって入射側で単色化)
11.検出器:RIGAKU社シンチレーション検出器(HV:762 V)(一次元)
X線照射条件:
A.走査軸:2theta
B.測定方法:連続
C.スキャン開始角度:0.1°
D.スキャン終了角度:1.0°
E.サンプリング幅:0.02°
F.スキャンスピード:0.5°/min
G.電圧・電流:40kV-40mA
H.試料積層枚数:十分な散乱強度を得るため、試料方位を揃えた状態で、約0.5mmになるように積層させた。
上記測定条件から得られたX線散乱パターンに対して検出器の空気散乱補正を行い、SAXSプロフィールI(q)を得た。SAXSプロフィールI(q)の結晶長周期由来のピークの散乱ベクトルの大きさを式(1)から回折角θを算出し、これをブラッグの式(2)に代入し、結晶長周期(d)を算出した。
q=4πsinθ/λ ・・・(1)
θ:回折角
q:散乱ベクトルの大きさ
λ:X線波長
2dsinθ=λ ・・・(2)
d:結晶長周期
θ:回折角
λ:X線波長
また、ニチアス技術時報(2014)2号 No.365 散乱法による結晶性高分子材料の構造解析を参考とし、SAXSプロフィールI(q)を下記(3)にてフーリエ変換することで、電子密度相関関数γ(r)を算出した。γ(r)には構造のキャラクタリゼーションに直接用いることができる特別な性質があり、構造情報として得られた各例の延伸ポリエチレンフィルムの非晶厚(da)を算出した。また、rは距離(nm)を示す。
Figure 2024051697000002
また、結晶長周期(d)から非晶厚を差し引いた値を結晶厚(dc)として算出した
また、MD方向の回折角2θが0.2~0.4°の範囲におけるピークの半値全幅(FWHM)を、X線解析ソフトウェアPDXL-2(RIGAKU社製)を用いて算出した。具体的には、上記で得られたSAXSプロフィールI(q)から空気散乱除去した。得られた値を、上記ソフトウェアを用いて、結晶散乱と非晶散乱に分離し、以下(解析条件)による結晶散乱のピークフィッティング結果より、MD方向の回折角2θが0.2~0.4°の範囲におけるピークの半値全幅(FWHM)を算出した。
(解析条件)
フィッティングピーク形状:分割型擬Voigt関数
結晶子サイズ分布タイプ:ローレンツモデル
<示差走査熱量測定>
各例の延伸ポリエチレンフィルムから約5.0mgの試験片を切り出した。次いで、当該試験片に対し、示差走査熱量計(製品名:Q200DSC TAインスツルメント社製)を用いて、窒素気流下で、昇温速度10℃/分で-50℃から200℃まで昇温する過程と、200℃で10分間保つ等温過程と、降温速度10℃/分で200℃から-50℃まで降温する過程とからなる一回目の示差走査熱量測定(1stRun)と、昇温速度10℃/分で-50℃から200℃まで昇温する過程からなる二回目の示差走査熱量測定(2ndRun)と、を続けて行った。
一回目の示差走査熱量測定により得られるDSC曲線1において、10℃以上160℃以下の範囲に観察される吸熱ピークAから融解熱量(ΔH)(J/g)を求めた。
<ヘイズ>
JIS K7136:2000に準拠し、ヘーズメーター(日本電色工業株式会社製、NDH5000)を用いて、各例の延伸ポリエチレンフィルム1枚あたりのヘイズを測定した。
<引張弾性率>
各例の延伸ポリエチレンフィルムから15mm×15cmの試験片を切り出した。次いで、オリエンテック社製引張試験機を用いて、JIS K7127:1999に準拠し、測定温度23±2℃、50±5%RH、引張速度5mm/minの条件で上記試験片のMD方向の引張弾性率TおよびTD方向の引張弾性率Tをそれぞれ測定した。得られた値から、TおよびTの合計値を算出した。
<100℃での延伸ポリエチレンフィルムのMD方向の熱収縮率>
100℃での延伸ポリエチレンフィルムのMD方向の熱収縮率は、JIS C2151:2019に準拠して測定した。
各例の延伸ポリエチレンフィルムから10cm×10cmの試験片を切り出した。このとき、試験片は熱風循環式の恒温槽(ADVANTEC社製、製品名:DRM620DE)内で、力を加えない状態でつり下げて加熱した。次いで、上記試験片を100℃で15分間加熱処理した。加熱処理後の試験片のMD方向の長さをMD100[cm]とし、MD方向の熱収縮率[%]を100×(10-MD100)/10により算出した。上記測定を3回実施し、得られた測定値の平均値を、100℃での延伸ポリエチレンフィルムの熱収縮率として採用した。
<120℃での延伸ポリエチレンフィルムのMD方向の熱収縮率>
120℃での延伸ポリエチレンフィルムのMD方向の熱収縮率は、JIS C2151:2019に準拠して測定した。
各例の延伸ポリエチレンフィルムから10cm×10cmの試験片を切り出した。このとき、試験片は熱風循環式の恒温槽(ADVANTEC社製、製品名:DRM620DE)内で、力を加えない状態でつり下げて加熱した。次いで、上記試験片を120℃で15分間加熱処理した。加熱処理後の試験片のMD方向の長さをMD120[cm]とし、MD方向の熱収縮率[%]を100×(10-MD120)/10により算出した。上記測定を3回実施し、得られた測定値の平均値を、120℃での延伸ポリエチレンフィルムの熱収縮率として採用した。
<静摩擦係数>
50mm×75mmのサイズに切断した各例の延伸ポリエチレンフィルムを2枚(以下、延伸ポリエチレンフィルム1および2とする。)準備し、そのうちの1枚の延伸ポリエチレンフィルム1をコロナ未処理面側が上になるように傾斜板に固定した。次いで、もう1枚の延伸ポリエチレンフィルム2のコロナ未処理面側とは反対側の表面の中心に底面(サイズが41mm×26mm)が真鍮から構成されている摩擦体を固定し、摩擦体の上に、摩擦体から延伸ポリエチレンフィルム2にかかる質量が150gとなるように重りを取り付けた。次いで、2枚の延伸ポリエチレンフィルム1、2のコロナ未処理面側の面同士を重ねた。次いで、傾斜板を1°/secの速度で傾斜させ、上部の延伸ポリエチレンフィルム2が滑り出したときの角度θからtanθの値を求め、コロナ未処理面側表面の静摩擦係数とした。
<熱融着強度>
15mm幅に切断した各例の延伸ポリエチレンフィルム2枚のコロナ未処理面同士を、140℃、圧力2.0kgf、シール時間1.0秒の条件で熱融着することにより積層フィルムを得た。次いで、得られた積層フィルムを15mm幅に切り出し、90°剥離、剥離速度300mm/分、MD方向への引張の条件で、2枚の延伸ポリエチレンフィルムを剥離し、そのときの剥離強度を熱融着強度(N/15mm)とした。
<ラミネート強度>
各例の延伸ポリエチレンフィルムから297cm×210cmの試験片を切り出し、当該試験片のコロナ処理面側と、一方の面がコロナ処理された厚み50μmのキャストLLDPEフィルム(三井化学東セロ製、TUX FCS#50)のコロナ処理面側とを、エステル系接着剤(三井化学製タケラックA310/タケネートA3/酢酸エチル)=12/1/7)で貼りあわせて、40℃、3日間のエージングを行いサンプルとした。当該サンプルを、15mm幅に切り出し、引張り試験機(オリエンテック社製テンシロン万能試験機RTC-1225)を用い、JIS Z 0238:1998に準拠して、剥離角度:90°、チャック間距離:100mm、クロスヘッドスピード:300mm/分の条件でMD方向に剥離した際の剥離強度を求め、ラミネート強度とした。
<突き刺し強度>
柔軟性の指標として、以下のように突き刺し強度の測定を行った。
各例の延伸ポリエチレンフィルムから、幅60mm、長さ200~300mmの試験片をそれぞれ切り出した。次いで、オリエンテック社製のテンシロンRTC-1225を用いて、JIS Z1707:1997に準拠して、23±2℃、50±5%RHの条件で、コロナ処理面から、コロナ未処理面方向への突き刺し強度(N)を測定した。
<耐屈曲性能>
柔軟性の指標として、以下のように耐屈曲性の評価を行った。
各例の延伸ポリエチレンフィルムから297cm×210cmの試験片を切り出し、ゲルボフレックステスター(テスター産業株式会社製)を用いて、屈曲角度440度、屈曲速度40回/分で、-30℃の雰囲気下で、3000回の屈曲試験を行った後、屈曲試験後の試験片で袋をつくり、三菱ガス化学製のエージレスシールチェック液でピンホール発生数を測定した。
<引き裂き強度>
柔軟性の指標として、以下のように引き裂き強度の測定を行った。
各例の延伸ポリエチレンフィルムから、MD方向に63.5mm、TD方向に50mmの試験片を切り出した。上記試験片1枚について、軽荷重引裂試験機(株式会社東洋精機製作所製、型式-D)を用いて、振り子おもり重量:96.09g、引裂長さ:12.7mm、振り子持ち上げ角:90°の条件にて、MD方向の引き裂き強度(mN)を測定した。
延伸ポリエチレンフィルムの柔軟性を、以下の基準で評価した。
(基準)
A(良好):以下の(i)~(iii)の全てを満たす
B(不良):以下の(i)~(iii)の中で満たさない項目が1つ以上ある
(i)突き刺し強度が、2.5N以上である。
(ii)耐屈曲性(ピンホール発生数)が、2500個/m以下である。
(iii)MD方向の引き裂き強度が、100mN以上である。
Figure 2024051697000003
実施例の延伸ポリエチレンフィルムを用いた場合、柔軟性(突き刺し強度、耐屈曲性および引き裂き強度の性能バンラス)が向上した食品包装用フィルムを得ることができた。
100 延伸ポリエチレンフィルム
101 高密度ポリエチレン層1
102 中密度ポリエチレン層
103 高密度ポリエチレン層2

Claims (18)

  1. 高密度ポリエチレン層1と、
    中密度ポリエチレン層と、
    高密度ポリエチレン層2と、
    をこの順で含む延伸ポリエチレンフィルムであって、
    前記中密度ポリエチレン層の、JIS K 7112:1999に準拠して測定される密度が、910kg/m以上935kg/m以下である、延伸ポリエチレンフィルム。
  2. 前記延伸ポリエチレンフィルムの全体を100質量%としたとき、前記延伸ポリエチレンフィルム中の、前記高密度ポリエチレン層1と前記高密度ポリエチレン層2の合計量が、25質量%以上85質量%以下である、請求項1に記載の延伸ポリエチレンフィルム。
  3. 前記高密度ポリエチレン層1および前記高密度ポリエチレン層2の、JIS K 7112:1999に準拠して測定される密度が、それぞれ940kg/m以上970kg/m以下である、請求項1または2に記載の延伸ポリエチレンフィルム。
  4. 前記高密度ポリエチレン層1および前記高密度ポリエチレン層2の、ASTM D1238に準拠し、190℃、2.16kg荷重の条件で測定されるMFRがそれぞれ0.01g/10分以上20g/10分以下である、請求項1~3のいずれかに記載の延伸ポリエチレンフィルム。
  5. 前記中密度ポリエチレン層の、ASTM D1238に準拠し、190℃、2.16kg荷重の条件で測定されるMFRが0.01g/10分以上20g/10分以下である、請求項1~4のいずれかに記載の延伸ポリエチレンフィルム。
  6. 前記延伸ポリエチレンフィルムにおいて、小角X線散乱(SAXS)測定から求められる、MD方向の回折角2θが0.2~0.4°の範囲におけるピークの半値全幅(FWHM)が0.20°以下である、請求項1~5のいずれかに記載の延伸ポリエチレンフィルム。
  7. 前記延伸ポリエチレンフィルムにおいて、示差走査熱量計を用いて、昇温速度10℃/分で-50℃から200℃まで昇温する過程と、200℃で10分間保つ等温過程と、降温速度10℃/分で200℃から-50℃まで降温する過程とからなる一回目の示差走査熱量測定(1stRun)と、
    昇温速度10℃/分で-50℃から200℃まで昇温する過程からなる二回目の示差走査熱量測定(2ndRun)と、
    を続けて行ったとき、
    前記一回目の示差走査熱量測定により得られたDSC曲線1において、10℃以上160℃以下の範囲に吸熱ピークAが観察され、前記吸熱ピークAの融解熱量(ΔH)が、110J/g以上162J/g以下である、請求項1~6のいずれかに記載の延伸ポリエチレンフィルム。
  8. 前記延伸ポリエチレンフィルムにおいて、JIS K 7136:2000に準拠して測定される前記延伸ポリエチレンフィルム1枚あたりのHazeが16.0%以下である、請求項1~7のいずれかに記載の延伸ポリエチレンフィルム。
  9. JIS K7127:1999に準拠し、引張試験機を用いて測定温度23±2℃、50±5%RH、引張速度5mm/minの条件で測定される、前記延伸ポリエチレンフィルムのMD方向の引張弾性率TとTD方向の引張弾性率Tとの合計値が、1600MPa以上2900MPa以下である、請求項1~8のいずれかに記載の延伸ポリエチレンフィルム。
  10. JIS C2151:2019に準拠して、100℃で15分間加熱処理した際の、前記延伸ポリエチレンフィルムのMD方向の熱収縮率が5.5%以下である、請求項1~9のいずれかに記載の延伸ポリエチレンフィルム。
  11. JIS C2151:2019に準拠して、120℃で15分間加熱処理した際の、前記延伸ポリエチレンフィルムのMD方向の熱収縮率が25.0%以下である、請求項1~10のいずれかに記載の延伸ポリエチレンフィルム。
  12. 前記延伸ポリエチレンフィルムの少なくとも一方の表面がコロナ処理面である、請求項1~11のいずれかに記載の延伸ポリエチレンフィルム。
  13. 前記延伸ポリエチレンフィルムの少なくとも一方の表面がコロナ未処理面であり、
    前記延伸ポリエチレンフィルムの前記コロナ未処理面側同士を貼り合わせるように140℃でヒートシールした時の熱融着強度が4.0N/15mm以下である、請求項1~12のいずれかに記載の延伸ポリエチレンフィルム。
  14. JIS Z 0238:1998に準拠し、引張試験機を用いて、T型剥離、クロスヘッドスピード:300mm/分の条件で測定される、前記延伸ポリエチレンフィルムのMD方向のラミネート強度が0.7N/15mm以上10.0N/15mm以下である、請求項1~13のいずれかに記載の延伸ポリエチレンフィルム。
  15. 前記延伸ポリエチレンフィルム全体の厚さが10μm以上100μm以下である、請求項1~14のいずれかに記載の延伸ポリエチレンフィルム。
  16. 食品包装用フィルムである、請求項1~15のいずれかに記載の延伸ポリエチレンフィルム。
  17. 請求項1~16のいずれかに記載の延伸ポリエチレンフィルムを用いた包装材。
  18. 請求項17に記載の包装材と、
    前記包装材内の食品と、を含む食品包装体。
JP2022157993A 2022-09-30 2022-09-30 延伸ポリエチレンフィルム、包装材および食品包装体 Pending JP2024051697A (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2022157993A JP2024051697A (ja) 2022-09-30 2022-09-30 延伸ポリエチレンフィルム、包装材および食品包装体
PCT/JP2023/034851 WO2024071085A1 (ja) 2022-09-30 2023-09-26 延伸ポリエチレンフィルム、包装材および食品包装体

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2022157993A JP2024051697A (ja) 2022-09-30 2022-09-30 延伸ポリエチレンフィルム、包装材および食品包装体

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2024051697A true JP2024051697A (ja) 2024-04-11

Family

ID=90622664

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2022157993A Pending JP2024051697A (ja) 2022-09-30 2022-09-30 延伸ポリエチレンフィルム、包装材および食品包装体

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2024051697A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP7140105B2 (ja) 積層フィルム及び食品包装袋
JP5458991B2 (ja) マット調積層フィルム及び該フィルムからなる包装材
TWI755577B (zh) 積層薄膜及食品包裝袋
JP5716286B2 (ja) 共押出多層フィルム及び該フィルムからなる包装材
WO2017018283A1 (ja) 積層フィルム及び包装材
WO2024071085A1 (ja) 延伸ポリエチレンフィルム、包装材および食品包装体
WO2024071092A1 (ja) 延伸ポリエチレンフィルム、包装材および食品包装体
WO2024071084A1 (ja) 延伸ポリエチレンフィルム、包装材および食品包装体
JP2020055637A (ja) 植物由来ポリエチレンを含むシーラントフィルム用ポリエチレン系樹脂組成物およびシーラントフィルム
JP4872344B2 (ja) ヒートシール性積層ポリプロピレン系樹脂フイルム及び包装体
JP5429852B2 (ja) 包装体
JP2024051697A (ja) 延伸ポリエチレンフィルム、包装材および食品包装体
JP2024051698A (ja) 延伸ポリエチレンフィルム、包装材および食品包装体
JP2024051484A (ja) 延伸ポリエチレンフィルム、包装材および食品包装体
JP7259243B2 (ja) 植物由来ポリエチレンを含むシーラントフィルム用ポリエチレン系樹脂組成物およびシーラントフィルム
TW202417257A (zh) 延伸聚乙烯薄膜、包裝材料與食品包裝體
JP6839924B2 (ja) 蓋材
TW202417258A (zh) 延伸聚乙烯薄膜、包裝材料與食品包裝體
TW202415547A (zh) 延伸聚乙烯薄膜、包裝材料與食品包裝體
JP7343065B2 (ja) 積層体、包装体及び包装物品
JP7153255B1 (ja) 複合フィルム、積層フィルムおよびそれを用いた積層体
WO2023033159A1 (ja) 積層体、包装体及び包装物品
WO2023058374A1 (ja) 積層体、包装体及び包装物品
JP2020055636A (ja) 植物由来ポリエチレンを含むシーラントフィルム用ポリエチレン系樹脂組成物およびシーラントフィルム
WO2022234761A1 (ja) 複合フィルム、積層フィルムおよびそれを用いた積層体