JP2011191214A - サーモパイル型赤外線センサおよびその製造方法 - Google Patents

サーモパイル型赤外線センサおよびその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】サーモパイルにおける冷接点の赤外線の影響を低減し、より感度よく、正確に計測ができるサーモパイル型赤外線センサを提供する。
【解決手段】サーモパイルの形成部において、冷接点側を含む所定領域のみが赤外線遮へい層で覆われる。赤外線遮へい層は金属の台座部と金属で接続する構造をとる。赤外線遮へい層の熱は、効率よく放熱される。そのため、赤外線遮へい層の温度は冷接点側に伝わり難く、冷接点の温度上昇を防ぐことができる構造を備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、熱源から放射される赤外線を検知して電気信号に変換する赤外線センサ、特に、温度変化を異種金属の接点の起電力に反映させる熱電対が複数直列接続されたサーモパイルを備えたサーモパイル型赤外線センサに関する。
サーモパイル型赤外線センサは、周知のように基板上に形成した異種金属の互いの端部を接点として接続した熱電対を複数直列接続することによりサーモパイルが構成されている。これにより、ゼーベック効果を利用して赤外線の放射吸収による温度変化を熱起電力として検出(出力)する。一般に、サーモパイル型赤外線センサでは、赤外線を受光する熱吸収体の熱伝導影響下に入るサーモパイルの各接点を温接点と呼ぶ。また、上記熱吸収体の熱伝導の影響が少ない方のサーモパイルの各接点を冷接点と呼ぶ。冷接点は、温度変化に際し基準温度となる接点である。
特開2002−156283号公報 特開平5−126643号公報
図14は、従来のサーモパイル型赤外線センサ100の要部を示す断面図である。サーモパイル型赤外線センサ100は、例えばP型の単結晶Si基板101に支えられた熱を伝え難い絶縁層上102にサーモパイルを有する。サーモパイルは、異種金属の互いの端部を接点として接続した熱電対を複数直列接続して構成される。サーモパイルにおける温接点108側は、絶縁基材102の中央付近にあり、下の基板は熱容量を懸念してエッチング除去される。温接点108側近傍には外部からの赤外線を受光する赤外線吸収層113が配される。また、サーモパイルにおける冷接点107側は温度変化に際し基準温度となる接点である。冷接点107側は絶縁層102の周辺付近にあり、下の基板101は絶縁層102を支える形態となっている。サーモパイルは、保護膜105により覆われ、その上に赤外線吸収層113が配置される。赤外線吸収層113が赤外線を受けて温度変化すると、これに伴い温接点108も温度変化する。サーモパイルの冷接点107側は、保護膜105により覆われ、その上に赤外線遮へい層106が配置される。赤外線遮へい層106が冷接点107側に照射される赤外線を反射し、または赤外線を吸収し、直接に冷接点107が赤外線により温度上昇することを防ぐ形態となっている。温接点108と冷接点107の間で生じる起電力(出力電圧)は、温接点と冷接点間の接点間温度差に依存する。
しかしながら、赤外線吸収層113に吸収されるべき赤外線は、一部が冷接点107側に到達し、その一部が赤外線遮へい層106に吸収され、赤外線遮へい層106の温度が上昇し、その熱が基板101および、冷接点107を温めてしまう問題があった。これにより、冷接点107の予期せぬ温度上昇が現れ、実際の温接点と冷接点間の接点間温度差が小さくなる。よって、サーモパイルにおける起電力(出力電圧)が小さくなるため、感度の低下や計測誤差が生じる問題に至る。
本発明は上記のような事情を考慮してなされたもので、サーモパイルにおける冷接点の赤外線の影響を低減し、より感度よく、正確に計測ができるサーモパイル型赤外線センサを提供しようとするものである。
本発明は、上記課題を解決するため、以下の手段を採用する。
本発明に係る赤外線センサは、電気的に絶縁性を有するフィルムと、前記フィルムの一方の面側に配置されたサーモパイルと、前記フィルムの一部を覆う赤外線遮へい層と、前記フィルムを支持する台座部と、を備えたサーモパイル型赤外線センサにおいて、前記フィルムは、樹脂を主成分とする材料で構成され、前記サーモパイルは、一部または全体が前記フィルムに埋没し、前記フィルムの面方向に沿って直列に接合された複数の膜状熱電対からなり、前記膜状熱電対は、互いに接合された2種類の膜状材料からなり、前記複数の膜状熱電対のうち、一の膜状熱電対における第1の膜状材料との一端側と、前記一の膜状材料における第2の膜状材料の一端側とを接続した温接点を前記フィルムの中央部側に配置するとともに、前記一の膜状熱電対における第1の膜状材料の他端側と、前記一の膜状熱電対に隣接する膜状熱電対における前記第2の膜状材料の他端側とを接続した冷接点を前記フィルムの外周部分に配置し、前記赤外線遮へい層は、前記フィルムの一方の面側において前記冷接点を、前記フィルムの一方の面の外周部分に形成された絶縁層を介して覆うとともに、前記フィルムの外周部分から延出して配置され、前記台座部は、前記フィルムの他方の面側における前記冷接点が配置された部分に配置された第1の台座部と、前記赤外線遮へい層における前記フィルムと対向する面側における外周部分から延出して配置された部分に配置され、前記第1の台座部と熱的に絶縁されるとともに、前記赤外線遮へい層と熱的に接続する第2の台座部と、で構成されることを特徴とする。
この発明によれば、赤外線センサのうち受光部(熱電対の温接点形成領域)が、熱伝導率の低い樹脂のフィルムで構成されているので、熱電対の温接点とそれ以外の領域とでの温度差を大きく取ることができる。そのため、赤外線センサの感度をより大きくすることができる。また、受光により温度上昇が生ずる膜状熱電対の温接点とこれと対をなす冷接点との間の温度差を大きく取ることができるため、出力電圧をより大きくすることができる。また膜状熱電対が樹脂フィルムに埋没しているので、受光部(膜状熱電対の温接点周辺)の温度均一性が高まり、安定的な出力を与えることができるサーモパイル型赤外線センサを提供できる。さらに、赤外線センサが台座部を介して配線基板等に実装されることになるので、熱電対が配線基板等に対して離間配置されることになる。そのため、サーモパイルの熱絶縁性を確保することができる。また、台座部は冷接点下に配置された第1の台座部と赤外線遮へい層下に配置され、第1の台座部と熱絶縁された第2の台座部とに分割されている。これにより、赤外線による冷接点の温度上昇を防ぎ、サーモパイルの感度をさらに向上させることができる。また、被測定物から照射される赤外線が赤外遮へい層によって冷接点に直接照射されない。これにより、赤外線による冷接点の温度上昇を防ぎ、サーモパイルの感度を向上させることができる。
本発明に係る赤外線センサは、前記台座部がめっき法により析出される金属からなることを特徴とする。前記フィルムの他方の面および前記赤外遮へい層の前記フィルムと対向する面に電気的に導電性を有する導電層が形成され、前記第1の台座部が、前記フィルムに接合する導電層から析出され、前記第2の台座部が、前記赤外遮へい部に接合する前記導電層から析出されることを特徴とする。この発明によれば、例えばサーモパイルに膜状熱電対を採用した場合には、温度上昇を極力避ける必要がある膜状熱電対の冷接点から台座部を伝って熱が放熱され易くなる。そして、赤外線遮へい層の熱が台座部から放熱されやすくなる。そのため、冷接点の温度上昇を防ぐことができるので、温接点と冷接点との温度差が大きくなり、膜状熱電対の起電力を大きくすることができる。その結果、高感度(出力)の赤外線センサを提供できる。また、基板等に実装する際に、他の部品とともに、はんだ付けにより実装することができる。
本発明に係る赤外線センサは、前記めっき法により析出される材料が、ニッケル、金、白金、ロジウム、鉄、パラジウム、銅から選ばれる材料、またはこれらから選ばれる材料を主成分とする材料であることを特徴とする。
本発明に係る赤外線センサは、前記第1の台座部および前記第2の台座部がシリコンからなることを特徴とする。
また、前記赤外線遮へい層が、赤外線反射層であることを特徴とする。さらに、前記赤外線反射層が、めっき法により析出される金属からなることを特徴とする。この発明によれば、被測定物から照射される赤外線が赤外反射層によって反射される。一部吸収することにより生じた熱は接続する第2の台座部により放熱される。これにより、赤外線による冷接点の温度上昇を防ぐと共に、赤外反射層の温度上昇を抑制することができる。
また、前記赤外線遮へい層が、赤外線吸収層であることを特徴とする。さらに、前記赤外線吸収層が、金黒またはNiCr合金などの赤外線吸収性が高い金属からなることを特徴とする。この発明によれば、被測定物から照射される赤外線が赤外吸収膜によって吸収されることになる。吸収することにより生じた熱は接続する金属の台座部により放熱される。これにより、赤外線による冷接点の温度上昇を防ぐと共に、実装時の周辺部材からの迷光や二次ふく射等による誤差を低減することができる。
また、本発明に係る赤外線センサは、前記フィルムの他方の面側における温接点が配置された部分に、赤外線吸収層を形成させることを特徴とする。この発明によれば、被測定物から照射される赤外線が赤外吸収膜によって吸収されることになる。そのため、赤外吸収膜で吸収した赤外線によって、熱電対の温接点側を速やかに温度上昇させることができる。これにより、サーモパイルの感度をさらに向上させることができる。
また、本発明に係る赤外線センサは、前記第1の台座部および前記第2の台座部が、実装により配線基板と熱的に接合することを特徴とする。
本発明に係る赤外線センサの製造方法は、基板の外周部分に、赤外線遮へい層を形成する赤外線遮へい層形成工程と、前記赤外線遮へい層上の一部に、絶縁層を形成する絶縁層形成工程と、前記絶縁層上及び前記基板上に、膜状熱電対を構成する第1の材料からなる第1の薄膜パターンを形成し、前記膜状熱電対を構成する第2の材料からなり、前記第1の薄膜パターンと接合する第2薄膜パターンを形成するとともに、前記第1の薄膜パターンと前記第2の薄膜パターンとの接点である温接点および冷接点をそれぞれ前記基板上および前記絶縁層上に形成してサーモパイルを形成するサーモパイル形成工程と、前記サーモパイルを覆うように、電気的に絶縁性を有する樹脂を主成分とするフィルムを形成するフィルム層形成工程と、前記フィルムの前記冷接点が配置された部分に第1の台座部を形成し、前記赤外線遮へい層の露出した部分に第2の台座部を形成する台座部形成工程と前記基板を剥離する剥離工程と、を備えていることを特徴とする。
また、本発明に係る赤外線センサの製造方法は、基板上に剥離層を形成する剥離層形成工程と、前記剥離層の外周部分に、赤外線遮へい層を形成する赤外線遮へい層形成工程と、前記赤外線遮へい層上の前記剥離層の中央部側に、絶縁層を形成する絶縁層形成工程と、前記絶縁層上及び前記剥離層上に、膜状熱電対を構成する第1の材料からなる第1の薄膜パターンを形成し、前記膜状熱電対を構成する第2の材料からなり、前記第1の薄膜パターンと接合する第2薄膜パターンを形成するとともに、前記第1の薄膜パターンと前記第2の薄膜パターンとの接点である温接点および冷接点をそれぞれ前記剥離層上および前記絶縁層上に形成してサーモパイルを形成するサーモパイル形成工程と、前記サーモパイルを覆うように、電気的に絶縁性を有する樹脂を主成分とするフィルムを形成するフィルム層形成工程と、前記フィルムの前記冷接点が配置された部分に第1の台座部を形成し、前記赤外線遮へい層の露出した部分に第2の台座部を形成する台座部形成工程と、前記剥離層を除去する剥離工程と、を備えていることを特徴とする。
この発明によれば、基板との分離が容易である剥離層を形成し、この剥離層上に形成された熱電対上にフィルム層を形成することにより、熱電対をフィルム層に埋没させることができる。次いで、接合体を剥離層と一体分離することで、基板から接合体を容易に分離することができる。その後、剥離層をエッチング等の手段により除去することにより、熱電対が樹脂製フィルムに埋没された赤外線センサを製造することができる。
また、本発明に係る赤外線センサの製造方法は、前記台座部形成工程において、前記赤外遮へい層上および前記フィルム上に電気的に導電性を有する導電層を形成し、前記第1の台座部および前記第2の台座部がそれぞれ前記フィルムおよび前記赤外遮へい層に接合する導電層から析出されることを特徴とする。
また、本発明に係る赤外線センサの製造方法は、前記台座部形成工程において、前記導電層を形成した後、前記導電層の基板の端部に形成された部分、前記導電層のフィルムの中央部に形成された部分および前記導電層の前記フィルムの端部に形成された部分に、フォトレジスト層を形成することを特徴とする。
また、本発明に係る赤外線センサの製造方法は、前記第1の台座部および前記第2の台座部が、めっき法により析出される金属からなることを特徴とする。
本発明によれば、赤外線遮へい層の温度は冷接点側に伝わり難く、冷接点の温度上昇を防ぐことができる。これにより、サーモパイルにおける冷接点の赤外線の影響を低減し、より感度よく、正確に計測ができるサーモパイル型赤外線センサを提供することができる。
本発明の第一実施形態に係るサーモパイル型赤外線センサをサーモパイル形成面方向と主要部断面を表す図である。 本発明の第一実施形態に係るサーモパイル型赤外線センサのサーモパイル形成面方向断面を表す図である。 本発明の第一実施形態に係るサーモパイル型赤外線センサを作製するための工程のうち、剥離層を形成する工程を示す説明図である。 本発明の第一実施形態に係るサーモパイル型赤外線センサを作製するための工程のうち、赤外線遮へい層を形成する工程を示す説明図である。 本発明の第一実施形態に係るサーモパイル型赤外線センサを作製するための工程のうち、絶縁層を形成する工程を示す説明図である。 本発明の第一実施形態に係るサーモパイル型赤外線センサを作製するための工程のうち、膜状熱電対を構成する第一の材料からなる薄膜パターンと第二の材料からなる薄膜パターンを形成する工程を示す説明図である。 本発明の第一実施形態に係るサーモパイル型赤外線センサを作製するための工程のうち、受光部等を構成することとなる電気的に絶縁性を有する樹脂を主成分とする層を形成する工程を示す説明図である。 本発明の第一実施形態に係るサーモパイル型赤外線センサを作製するための工程のうち、膜状熱電対の冷接点からの熱を放熱し、冷接点の温度を一定に保つための金属部を形成する工程を示す説明図である。 本発明の第一実施形態に係るサーモパイル型赤外線センサを作製するための工程のうち、膜状熱電対の冷接点からの熱を放熱し、冷接点の温度を一定に保つための金属部を形成する工程を示す説明図である。 本発明の第一実施形態に係るサーモパイル型赤外線センサを作製するための工程のうち、基板と剥離層を剥離する工程と剥離層を除去する工程を示す説明図である。 本発明の第一実施形態に係るサーモパイル型赤外線センサモジュールを配線基板に実装した断面を表す図である。 本発明の第二実施形態に係るサーモパイル型赤外線センサの主要部断面を表す図である。 本発明の第三実施形態に係るサーモパイル型赤外線センサの主要部断面を表す図である。 従来のサーモパイル型赤外線センサの主要部断面を表す図である。
本発明に係る第一実施形態について、図面に基づいて説明する。
図1(a)は、本発明の第一実施形態であるサーモパイル型赤外線センサをサーモパイル形成面方向から示したものであり、図1(b)は、図1(a)におけるA−Aにおける断面を表す図面である。
図1に示すように、サーモパイル型赤外線センサ1は、フィルム2と、第1の薄膜状熱電対材料3及び第2の薄膜状熱電対材料4が対となって構成された複数の膜状熱電対と、第1の台座部15と第2の台座部16とを有し、膜状熱電対はフィルム2の中に埋没している。
フィルム2は、電気的に絶縁性を有する樹脂を主成分とする材料で構成されており、厚さ方向から見て平面視矩形状のものである。フィルム2の材料として、例えば紫外線硬化型のエポキシ系フォトレジストを用いることができる。また、フィルム2は、その外周側において台座部15に支持され、中央部において台座部1に架け渡されるとともに、赤外線の輻射を受光する受光部とを構成している。すなわち、本実施形態のサーモパイル型赤外線センサは、フィルム2の外周部分が台座部15に支持されたメンブレン構造をとっている。
図2は、図1(a)の赤外遮へい層6を省略した図である。点線で示された領域が赤外遮へい層6を示している。
図2に示すように、複数対の膜状熱電対は、第1の薄膜状熱電対材料3及び第2の薄膜状熱電対材料4が交互に直列接続されることでサーモパイルを構成している。具体的に、各膜状熱電対は、一の膜状熱電対における第1の薄膜状熱電対材料3の一端側と、一の膜状熱電対における第2の薄膜状熱電対材料4の一端側とが接続された温接点8がフィルム2の受光部上に配置される一方、一の膜状熱電対における第1の薄膜状熱電対材料3の他端側と、一の膜状熱電対に隣接する膜状熱電対における第2の薄膜状熱電対材料4の他端側とが接続された冷接点7がフィルム2の台座1上に配置されている。これにより、複数の膜状熱電対が直列接続された状態でフィルム2内に埋没されている。
そして、複数の膜状熱電対の最終端には、それぞれ出力電極(接続用端子部)14に接続されており、膜状熱電対に発生する電圧は、最終端である出力電極14にて取り出されるようになっている。
図1に示すように、第1の台座部15と第2の台座部は分割した構造である。また、第1の台座部15および第2の台座部16は、中央に貫通孔を有する矩形枠型形状のものであり、その一方側の開口縁を覆うようにフィルム2が形成されている。また、第1の台座部15は、フィルムの冷接点が配置された部分に配置される。第2の台座部16は、赤外線遮へい層におけるフィルムと対向する面側における外周部分から延出して配置された部分に配置される。また、第2の台座部16は、赤外線遮へい層と熱的に接続する。なお、第1の台座部15および第2の台座部16は、例えば電気的な導電性を有する導電層9上にめっき層が形成されたものや、シリコンで形成されたものなどである。第1の台座部および前記第2の台座部が、めっきで形成される場合、ニッケル、金、白金、ロジウム、鉄、パラジウム、銅から選ばれる材料、またはこれらから選ばれる材料を主成分とする材料で形成することができる。また、第1の台座部15とフィルム2との間、および第2の台座部16と赤外線遮へい層6との間には導電層9が形成されている。導電層9は、フィルムおよび赤外遮へい層のフィルムと対向する面に形成される。
また、フィルムのサーモパイル側の面の冷接点7が配置された部分に絶縁層5が形成されている。絶縁層5上には、赤外線遮へい部6が形成されている。また、赤外線遮へい層は、フィルムの外周部分から延出して配置されている。絶縁層5は、例えば紫外線硬化型のエポキシ系フォトレジストで形成される。赤外線遮へい層(赤外線反射層)は、めっきで形成された場合、ニッケル、金、白金から選ばれる材料、またはこれらから選ばれる材料を主成分とする材料で形成することができる。
赤外線遮へい層6は、赤外線を反射することで遮へいする赤外線反射層、または赤外線を吸収することで遮へいする赤外線吸収層のいずれかで構成されている。赤外線遮へい層(赤外線反射層)は、スパッタリングで形成された場合、AlやAgなどの材料で形成することができる。赤外線遮へい層(赤外線吸収層)は、真空蒸着法で形成された場合、金黒等の材料で形成することができる。赤外線遮へい層(赤外線吸収層)は、スパッタリングで形成された場合、NiCrなどの材料で形成することができる。なお、フィルム2の材料に紫外線硬化型のエポキシ系フォトレジストを用いた場合、熱的な絶縁性も有する。そのため、冷接点と第2の台座部とをさらに熱絶縁することが可能である。
なお、図1では、フィルムのサーモパイル側の面が同一平面に形成されているが、製造方法によっては、同一平面に形成されない場合がある。
次に、このような構成からなるサーモパイル型赤外線センサ1の製造方法について説明する。図3から図10は、サーモパイル型赤外線センサの製造方法を示す工程図である。
図3は剥離層11を形成する剥離層形成工程を示めしている。
まず図3(a)に示すシリコンウエハからなる基板10を用意する。なお、基板10の材料は、シリコンに限らず、金属、ガラス、セラミックス等を用いることが可能である。
図3(b)、図3(c)は基板10上に剥離層11を形成する工程を示す図である。
図3(b)の工程では、基板10上に赤外線センサを基板10から容易に引き剥がすことができる剥離層11として、銅薄膜等を真空蒸着法により形成する。
さらに、図3(c)の工程では、図3(b)の工程で形成した剥離層11上にマスク等を用いてさらに剥離層11を基板の中央部に図3(b)と同様に形成する。これにより、基板10上に形成された剥離層11は凸状に構成される。この工程により、後述する赤外線遮へい層、絶縁層を形成しない領域を形成することができる。
図4は、赤外線遮へい層を形成する赤外線遮へい層パターン形成工程を示している。
図4(a)に示すように、ポジ型フォトレジスト等により、赤外線遮へい層6を形成する部分に開口部を有するフォトレジスト層12を形成する。具体的には、剥離層11の外周部及び基板10の中央部に形成された剥離層11上、すなわち剥離層の凸部分の上に形成する。これにより、基板10の中央部の剥離層11またはフォトレジスト層12と剥離層11の外周部との間に開口部が形成される。
次いで、図4(b)に示すように、電気めっき法により開口部に赤外線遮へい層6を形成する。図4(a)において、基板10の中央部の剥離層11および剥離層11の外周部にフォトレジスト層12を形成しているため、この部分には赤外線遮へい層6が形成されず、開口部のみに形成することができる。なお、赤外遮へい層6は、スパッタ、真空蒸着等でも形成できる。
その後、図4(c)に示すように、フォトレジスト層12をエッチングにより剥離する。
赤外線遮へい層6は、赤外線を反射することで遮へいする赤外線反射層、または赤外線を吸収することで遮へいする赤外線吸収層のいずれかで構成されている。
図5は、絶縁層5を形成する絶縁層形成工程を示している。
図5に示すように、電気的に絶縁性を有する材料、例えば紫外線硬化型のエポキシ系フォトレジストをスピンコート法により塗布しフォトレジスト層を形成する。その後、フォトレジスト層に対して露光、現像を行うことによりセンサの平面視の外形を形成するようにパターニングし、絶縁層5を形成する。なお、絶縁層5はポリイミド等を用いても構わない。なお、紫外線硬化型のエポキシ系フォトレジストなど熱的に絶縁性を有する材料を用いることで、冷接点へ熱を伝え難くすることが可能である。
図6は、第1の薄膜状熱電対材料3及び第2の薄膜状熱電対材料4からなる薄膜パターンを形成し、サーモパイルを形成するサーモパイル形成工程を示している。
図6(a)の工程では、第1の薄膜状熱電対材料3を絶縁層5及び剥離層11上にスパッタリング等の真空成膜技術を用いて成膜し第1の薄膜パターンを形成する。
さらに、図6(b)の工程で不要部分にマスクを行い、第2の薄膜状熱電対材料4を第1の薄膜状熱電対材料3、絶縁層5、及び剥離層上に図6(a)と同様の方法を用いて成膜し、第2の薄膜パターンを形成する。成膜後、マスクにエッチングを施し、さらに、第1の薄膜状熱電対材料3及び第2の薄膜状熱電対材料4、すなわち前記第1の薄膜パターンと前記第2の薄膜パターンとの熱電対接点である冷接点7及び温接点8を形成する。第1の薄膜状熱電対材料3と第2の薄膜状熱電対材料4の熱電材料はNiとAuなど様々な熱電材料の組み合わせが可能である。
さらに、膜状熱電対と同じ材料を用いて図2に記載した出力電極14を構成することで、膜状熱電対の形成工程と同時に出力電極14を形成することができる。よって、サーモパイル型赤外線センサを配線基板に実装する際、出力電極14と配線基板の電極パッドとをワイヤボンディングや導電性物質で電気的に接続するために、別途、出力電極を形成する必要が無い。そのため、実装面積を小さくすることができ、小型のサーモパイル型赤外線センサを提供できる。
図7は、フィルム2を形成するフィルム層形成工程を示している。
図7に示すように、紫外線硬化型のエポキシ系フォトレジストを剥離層11、赤外線遮へい層6、絶縁層5、第1の薄膜状熱電対材料3及び第2の薄膜状熱電対材料4を覆うようにスピンコート法により塗布し、フォトレジスト層を形成する。なお、フィルムは、電気的に絶縁性を有し、樹脂を主成分とする材料で形成することが可能である。その後、フォトレジスト層に対して露光、現像を行う。この工程で、フォトレジスト層のうち、剥離層11及び赤外線遮へい層6のうち外周部分、すなわちセンサの外周部分を構成する部分を除去する。これにより、残ったフォトレジスト層がフィルム2を形成することになる。このとき、薄膜状熱電対材料3,4及び出力電極14(図2)は、絶縁性フィルム2内に埋没することとなる。なお、フィルム2はポリイミド等を用いても構わない。また、これにより、赤外線遮へい層6は、フィルムの外周部分から延出して配置される部分を有している。
図8、図9は、膜状熱電対の冷接点7からの熱を放熱し、温接点8の温度を一定に保つための台座部15、16を形成する台座部形成工程を示している。
図8(a)はフィルム2上に電気的に導電性を有する導電層9を形成する工程を示す図である。この工程に置いて、スパッタリング等によりクロム、銅薄膜を順次形成することによりフィルム2上に導電層9を形成する。
図8(b)は、導電層9上にフォトレジスト層17を形成する工程を示す図である。この工程では、導電層9上にドライフィルムフォトレジストにより第1の台座部15、第2の台座部16となる部分に開口部を有するフォトレジスト層17を形成する。具体的にはフォトレジスト層17は、導電層9上の基板の端の部分、導電層9上のフィルム2の端の部分、および導電層9上のフィルム2の中央部に形成される。よって、開口部は、フィルムにおいて冷接点が配置された部分と、赤外線遮へい層のうちフィルムの外周部分から延出して配置された部分に形成されている。
図8(c)は、導電層9上の露出している部分にニッケルめっき層を形成する工程を示す図である。この工程では、導電層9を利用して、電気めっき法により30μmの厚みを有するニッケルめっき層(第1の台座部15、第2の台座部16)を形成する。なお、赤外線遮へい層6が導電性を有している場合、赤外線遮へい層6上に導電層9を形成しなくても第2の台座部16を形成することができる。
図9(a)は、フォトレジスト層17を剥離する工程を示す図である。図7の工程後、図9(a)に示すように、フォトレジスト層17をエッチングにより剥離する。
図9(b)は、導電層9の一部を除去し、第1の台座部15と第2の台座部16を熱的に絶縁する工程を示す図である。図9(b)に示すように、ニッケルめっき層(第1の台座部15、第2の台座部16)をマスキング層として、導電層9のうちニッケルめっき層を形成していない、すなわち露出している部分をエッチングにより除去する。これにより、熱的に絶縁された第1の台座部15及び第2の台座部16を形成する。この工程で、フィルム2内に複数の膜状熱電対及び出力電極14(図2)と、第1の台座部15及び第2の台座部16とを有するセンサ本体部分が剥離層11上に形成される。
図10は、基板10と剥離層11の界面からセンサ本体部を引き剥がす工程と、剥離層11をエッチングにより除去する剥離工程を示している。
図10(a)は、剥離層11の一部を除去する工程を示す図である。図10(a)に示すように、基板の外周部分において、剥離層の表面を露出している部分をエッチングにより除去する。
図10(b)は、基板10を剥離層11から剥離する工程を示す図である。図10(b)に示すように、基板10を剥離層11との界面で引き剥がす。
図10(c)は、剥離層11を除去する工程である。図10(c)に示すように、エッチングにより剥離層11を除去することにより、膜状熱電対及び出力電極14(図2)がフィルム2に埋没したサーモパイル型赤外線センサ1が作製される。
以上のように作製されたサーモパイル型赤外線センサ1は、温接点8が配置された受光部と、冷接点7が配置された放熱部とが熱伝導率の低いエポキシ樹脂等からなる絶縁性フィルム2であることから、冷接点7と温接点8との間に大きな温度差を作ることができる。これにより、出力電圧をより高くすることができる。同時に、膜状熱電対や出力電極14がフィルム2に埋没されているため、フィルム2の受光部表面は平坦面となる。そのため、受光部の温度均一性が高まり、安定的な出力を与えることができるサーモパイル型赤外線センサ1を提供できる。さらに、フィルム2の凹凸による放熱が最小化できるため、さらに感度を向上させることができる。
また、第1の台座部15を金属材料で形成することで、フィルム2の放熱部がフィルム2に対して十分熱伝導性が良い第1の台座部15に支持されることになる。その結果、温度上昇を極力避ける必要がある膜状熱電対の冷接点7から第1の台座部15を伝って熱が放熱され易くなるため、冷接点7の放熱効果が高まる。これにより、冷接点7の温度上昇を防ぐことができるので、冷接点7と温接点8との温度差を大きくすることができ、膜状熱電対の起電力を大きくすることができる。
また、前記フィルム2における前記熱電対の冷接点7側と重なる領域に赤外遮へい層6が配置される構成とした。この赤外遮へい層6により、被測定物から照射される温接点8側領域に吸収されるべき赤外線の一部が赤外遮へい層6によって吸収することにより生じた熱は、赤外遮へい層6と第2の台座部16が金属で接続されることにより効率よく放熱される。さらに、台座部は冷接点下に配置された第1の台座部15と赤外線遮へい層下に配置され、第1の台座部15と熱絶縁された第2の台座部16とに分割している。これにより、赤外線による冷接点7の温度上昇を防ぎ、サーモパイルの感度をさらに向上させることができる。 なお、本実施形態において、剥離層11を形成したが、剥離層11を形成せずに基板に直接赤外線遮へい層等を形成して、製造された赤外線センサを基板から剥離してもよい。
図11は、第一実施形態におけるサーモパイル型赤外線センサモジュール20の断面を示したものである。図11に示すように、サーモパイル型赤外線センサ1の第1の台座部15と第2の台座部16とがはんだ21付けにより実装され、サーモパイル型赤外線センサ1の第1の台座部15と第2の台座部16と、配線基板23の配線22が熱的に接続されている。これにより、第1の台座部15と第2の台座部16の熱を効率よく配線基板23の配線22に放熱することができる。これにより、他の部品とともに実装することができ、実装工程を簡略化、コストダウンを図ることができる。
次に、本発明の第二実施形態におけるサーモパイル型赤外線センサについて説明する。なお、第一実施形態と同様の構成については、その詳細な説明を省略する。第二実施形態におけるサーモパイル型赤外線センサにおいて、第1の台座部、第2の台座部、及び導電層9が異なる点を除き、第一実施形態と同様である。
図12は、本発明の第二実施形態におけるサーモパイル型赤外線センサ30の断面を示したものである。
図12に示すように、第二実施形態のサーモパイル型赤外線センサ30は、例えば、P型の単結晶Si基板24に支えられた熱を伝え難い絶縁基材25にサーモパイルを有する。サーモパイルは、異種金属3、4の互いの端部を接点として接続した熱電対を複数直列接続して構成される。上記異種金属は、AuとNiなど、組み合わせる金属は様々考えられる。絶縁基材25は、Si基板24のエッチングに耐えるSi3N4を含む薄膜である。前記絶縁基材25の端面に沿って伝熱層26が形成され、伝熱層26と冷接点7側の絶縁層27上には赤外線を遮へいする赤外線遮へい層6が配される。伝熱層26は、スパッタリング等により形成されるNi等の金属である。サーモパイルにおける温接点8側は、絶縁基材25の中央付近にあり、下のSi基板24は熱容量を懸念してエッチング除去される。サーモパイルにおける冷接点7側は、冷接点への熱の流入を懸念して、絶縁基材25の端部に沿った部分のSi基板24をエッチング除去し、Si基板24を2つに分離する。すなわち、分離されたSi基板24は第一実施形態の第1の台座部および第2の台座部に相当する。また、サーモパイルにおける冷接点7側は、絶縁基材25の周辺付近にあり、下のSi基板24は絶縁基材25を支える形態となっている。
サーモパイルは、赤外線を透過する絶縁層27により覆われている。温接点8側の絶縁層27上には赤外線を受光する赤外線吸収層13が配される。
以上の構造のサーモパイル型赤外線センサ30は、Si基板により第1の台座部および第2の台座部が形成されているため、外部からの赤外線が冷接点7側に照射されても、冷接点7に直接到達することはなく、冷接点7の温度上昇を抑えられ、測定感度が向上する。サーモパイル型赤外線センサ30は、他の製造プロセスで作成されたセンサ素子に、スパッタや、蒸着等の方法で伝熱層26、赤外線遮へい層6を形成させることで同構造を形成することができる。すなわち本実施形態においても、電気的に絶縁性を有するフィルムと、フィルムの一方の面側に配置されたサーモパイルと、フィルムの一部を覆う赤外線遮へい層と、フィルムを支持する台座部と、を備えたサーモパイル型赤外線センサにおいて、フィルムは、樹脂を主成分とする材料で構成され、サーモパイルは、一部または全体が前記フィルムに埋没し、前記フィルムの面方向に沿って直列に接合された複数の膜状熱電対からなり、膜状熱電対は、互いに接合された2種類の膜状材料からなり、複数の膜状熱電対のうち、一の膜状熱電対における第1の膜状材料との一端側と、一の膜状材料における第2の膜状材料の一端側とを接続した温接点を前記フィルムの中央部に配置するとともに、一の膜状熱電対における第1の膜状材料の他端側と、一の膜状熱電対に隣接する膜状熱電対における第2の膜状材料の他端側とを接続した冷接点をフィルムの外周部分に配置し、赤外線遮へい層は、フィルムの一方の面側において冷接点を、フィルムの一方の面の外周部分に形成された絶縁層を介して覆うとともに、フィルムの外周部分から延出して配置され、台座部は、前記フィルムの他方の面側における冷接点が配置された部分に配置された第1の台座部と、赤外線遮へい層におけるフィルムと対向する面側における外周部分から延出して配置された部分に配置され、第1の台座部と熱的に絶縁されるとともに、赤外線遮へい層と熱的に接続する第2の台座部と、で構成されている。
次に、本発明の第三実施形態におけるサーモパイル型赤外線センサについて説明する。
図13は、第三実施形態におけるサーモパイル型赤外線センサ40の断面を示したものである。なお、第一実施形態と同様の構成については、その詳細な説明を省略する。第三実施形態におけるサーモパイル型赤外線センサにおいて、フィルムの第1の台座部15が形成された側の面における温接点が形成された部分に、赤外線吸収層13が形成されていることを除き、第一実施形態と同様である。
図13に示すように、第三実施形態におけるサーモパイル型赤外線センサにおいて、フィルムの第1の台座部15が形成された側の面における温接点が形成された部分に、赤外線吸収層13が形成されている。赤外線吸収層13は、スパッタリングや真空蒸着等で形成するNiCr合金や金黒等である。被測定物から照射される赤外線が赤外吸収膜13によって吸収されることになる。そのため、赤外吸収膜で吸収した赤外線によって、熱電対の温接点8側を速やかに温度上昇させることができる。これにより、サーモパイルの感度をさらに向上させることができる。
1、30、40、100 サーモパイル型赤外線センサ
2 フィルム
3、 103 第一熱電材料
4、 104 第二熱電材料
5、 27、 102 絶縁層
6、 106 赤外線遮へい層
7、 107 冷接点
8、 108 温接点
9 導電層
10、 101 基板
11 剥離層
12、17 フォトレジスト層
13、113 赤外線吸収層
14 出力電極
15、16 台座部(金属)
20 サーモパイル型赤外線センサモジュール
21 はんだ
22 配線
23 配線基板
24 Si基板
25 絶縁基材
26 伝熱層
105 保護膜

Claims (15)

  1. 電気的に絶縁性を有するフィルムと、前記フィルムの一方の面側に配置されたサーモパイルと、前記フィルムの一部を覆う赤外線遮へい層と、前記フィルムを支持する台座部と、を備えたサーモパイル型赤外線センサにおいて、
    前記フィルムは、樹脂を主成分とする材料で構成され、
    前記サーモパイルは、一部または全体が前記フィルムに埋没し、前記フィルムの面方向に沿って直列に接合された複数の膜状熱電対からなり、
    前記膜状熱電対は、互いに接合された2種類の膜状材料からなり、前記複数の膜状熱電対のうち、一の膜状熱電対における第1の膜状材料との一端側と、前記一の膜状材料における第2の膜状材料の一端側とを接続した温接点を前記フィルムの中央部側に配置するとともに、前記一の膜状熱電対における第1の膜状材料の他端側と、前記一の膜状熱電対に隣接する膜状熱電対における前記第2の膜状材料の他端側とを接続した冷接点を前記フィルムの外周部分に配置し、
    前記赤外線遮へい層は、前記フィルムの一方の面側において前記冷接点を、前記フィルムの一方の面の外周部分に形成された絶縁層を介して覆うとともに、前記フィルムの外周部分から延出して配置され、
    前記台座部は、前記フィルムの他方の面側における前記冷接点が配置された部分に配置された第1の台座部と、前記赤外線遮へい層における前記フィルムと対向する面側における外周部分から延出して配置された部分に配置され、前記第1の台座部と熱的に絶縁されるとともに、前記赤外線遮へい層と熱的に接続する第2の台座部と、で構成されることを特徴とするサーモパイル型赤外線センサ。
  2. 前記第1の台座部および前記第2の台座部が、めっき法により析出される金属からなることを特徴とする請求項1に記載のサーモパイル型赤外線センサ。
  3. 前記フィルムの他方の面および前記赤外遮へい層の前記フィルムと対向する面に電気的に導電性を有する導電層が形成され、前記第1の台座部が、前記フィルムに接合する導電層から析出され、前記第2の台座部が、前記赤外遮へい部に接合する前記導電層から析出されることを特徴とする請求項2に記載のサーモパイル型赤外線センサ。
  4. 前記第1の台座部および前記第2の台座部が、ニッケル、金、白金、ロジウム、鉄、パラジウム、銅から選ばれる材料、またはこれらから選ばれる材料を主成分とする材料であることを特徴とする請求項2または請求項3に記載のサーモパイル型赤外線センサ。
  5. 前記赤外線遮へい層が、赤外線反射層であることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載のサーモパイル型赤外線センサ。
  6. 前記赤外線反射層が、めっき法により析出される金属からなることを特徴とする請求項5に記載したサーモパイル型赤外線センサ。
  7. 前記赤外線遮へい層が、赤外線吸収層であることを特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載したサーモパイル型赤外線センサ。
  8. 前記赤外線吸収層が、金黒またはNiCr合金などの赤外線吸収性が高い金属からなることを特徴とする請求項7に記載したサーモパイル型赤外線センサ。
  9. 前記フィルムの他方の面側における温接点が配置された部分に、赤外線吸収層を形成させることを特徴とする請求項1から8のいずれか一項に記載のサーモパイル型赤外線センサ。
  10. 前記第1の台座部および前記第2の台座部が、実装により配線基板と熱的に接合することを特徴とする請求項1から9のいずれか一項に記載のサーモパイル型赤外線センサ。
  11. 基板の外周部分に、赤外線遮へい層を形成する赤外線遮へい層形成工程と、
    前記赤外線遮へい層上の一部に、絶縁層を形成する絶縁層形成工程と、
    前記絶縁層上及び前記基板上に、膜状熱電対を構成する第1の材料からなる第1の薄膜パターンを形成し、前記膜状熱電対を構成する第2の材料からなり、前記第1の薄膜パターンと接合する第2薄膜パターンを形成するとともに、前記第1の薄膜パターンと前記第2の薄膜パターンとの接点である温接点および冷接点をそれぞれ前記基板上および前記絶縁層上に形成してサーモパイルを形成するサーモパイル形成工程と、
    前記サーモパイルを覆うように、電気的に絶縁性を有する樹脂を主成分とするフィルムを形成するフィルム層形成工程と、
    前記フィルムの前記冷接点が配置された部分に第1の台座部を形成し、前記赤外線遮へい層の露出した部分に第2の台座部を形成する台座部形成工程と、
    前記基板を剥離する剥離工程と、
    を備えていることを特徴とするサーモパイル型赤外線センサの製造方法。
  12. 基板上に剥離層を形成する剥離層形成工程と、
    前記剥離層の外周部分に、赤外線遮へい層を形成する赤外線遮へい層形成工程と、
    前記赤外線遮へい層上の前記剥離層の中央部側に、絶縁層を形成する絶縁層形成工程と、
    前記絶縁層上及び前記剥離層上に、膜状熱電対を構成する第1の材料からなる第1の薄膜パターンを形成し、前記膜状熱電対を構成する第2の材料からなり、前記第1の薄膜パターンと接合する第2薄膜パターンを形成するとともに、前記第1の薄膜パターンと前記第2の薄膜パターンとの接点である温接点および冷接点をそれぞれ前記剥離層上および前記絶縁層上に形成してサーモパイルを形成するサーモパイル形成工程と、
    前記サーモパイルを覆うように、電気的に絶縁性を有する樹脂を主成分とするフィルムを形成するフィルム層形成工程と、
    前記フィルムの前記冷接点が配置された部分に第1の台座部を形成し、前記赤外線遮へい層の露出した部分に第2の台座部を形成する台座部形成工程と、
    前記剥離層を除去する剥離工程と、
    を備えていることを特徴とするサーモパイル型赤外線センサの製造方法。
  13. 前記台座部形成工程において、前記赤外遮へい層上および前記フィルム上に電気的に導電性を有する導電層を形成し、前記第1の台座部および前記第2の台座部がそれぞれ前記フィルムおよび前記赤外遮へい層に接合する導電層から析出されることを特徴とする請求項11または請求項12に記載のサーモパイル型赤外線センサの製造方法。
  14. 前記台座部形成工程において、前記導電層を形成した後、前記導電層の基板の端部に形成された部分、前記導電層のフィルムの中央部側に形成された部分および前記導電層の前記フィルムの端部に形成された部分に、フォトレジスト層を形成することを特徴とする請求項13に記載のサーモパイル型赤外線センサの製造方法。
  15. 前記第1の台座部および前記第2の台座部が、めっき法により析出される金属からなることを特徴とする請求項14に記載のサーモパイル型赤外線センサの製造方法。
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