JP2011191214A - サーモパイル型赤外線センサおよびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】サーモパイルの形成部において、冷接点側を含む所定領域のみが赤外線遮へい層で覆われる。赤外線遮へい層は金属の台座部と金属で接続する構造をとる。赤外線遮へい層の熱は、効率よく放熱される。そのため、赤外線遮へい層の温度は冷接点側に伝わり難く、冷接点の温度上昇を防ぐことができる構造を備える。
【選択図】図1
Description
本発明に係る赤外線センサは、電気的に絶縁性を有するフィルムと、前記フィルムの一方の面側に配置されたサーモパイルと、前記フィルムの一部を覆う赤外線遮へい層と、前記フィルムを支持する台座部と、を備えたサーモパイル型赤外線センサにおいて、前記フィルムは、樹脂を主成分とする材料で構成され、前記サーモパイルは、一部または全体が前記フィルムに埋没し、前記フィルムの面方向に沿って直列に接合された複数の膜状熱電対からなり、前記膜状熱電対は、互いに接合された2種類の膜状材料からなり、前記複数の膜状熱電対のうち、一の膜状熱電対における第1の膜状材料との一端側と、前記一の膜状材料における第2の膜状材料の一端側とを接続した温接点を前記フィルムの中央部側に配置するとともに、前記一の膜状熱電対における第1の膜状材料の他端側と、前記一の膜状熱電対に隣接する膜状熱電対における前記第2の膜状材料の他端側とを接続した冷接点を前記フィルムの外周部分に配置し、前記赤外線遮へい層は、前記フィルムの一方の面側において前記冷接点を、前記フィルムの一方の面の外周部分に形成された絶縁層を介して覆うとともに、前記フィルムの外周部分から延出して配置され、前記台座部は、前記フィルムの他方の面側における前記冷接点が配置された部分に配置された第1の台座部と、前記赤外線遮へい層における前記フィルムと対向する面側における外周部分から延出して配置された部分に配置され、前記第1の台座部と熱的に絶縁されるとともに、前記赤外線遮へい層と熱的に接続する第2の台座部と、で構成されることを特徴とする。
図1(a)は、本発明の第一実施形態であるサーモパイル型赤外線センサをサーモパイル形成面方向から示したものであり、図1(b)は、図1(a)におけるA−Aにおける断面を表す図面である。
まず図3(a)に示すシリコンウエハからなる基板10を用意する。なお、基板10の材料は、シリコンに限らず、金属、ガラス、セラミックス等を用いることが可能である。
図3(b)、図3(c)は基板10上に剥離層11を形成する工程を示す図である。
図3(b)の工程では、基板10上に赤外線センサを基板10から容易に引き剥がすことができる剥離層11として、銅薄膜等を真空蒸着法により形成する。
図4(a)に示すように、ポジ型フォトレジスト等により、赤外線遮へい層6を形成する部分に開口部を有するフォトレジスト層12を形成する。具体的には、剥離層11の外周部及び基板10の中央部に形成された剥離層11上、すなわち剥離層の凸部分の上に形成する。これにより、基板10の中央部の剥離層11またはフォトレジスト層12と剥離層11の外周部との間に開口部が形成される。
赤外線遮へい層6は、赤外線を反射することで遮へいする赤外線反射層、または赤外線を吸収することで遮へいする赤外線吸収層のいずれかで構成されている。
図5に示すように、電気的に絶縁性を有する材料、例えば紫外線硬化型のエポキシ系フォトレジストをスピンコート法により塗布しフォトレジスト層を形成する。その後、フォトレジスト層に対して露光、現像を行うことによりセンサの平面視の外形を形成するようにパターニングし、絶縁層5を形成する。なお、絶縁層5はポリイミド等を用いても構わない。なお、紫外線硬化型のエポキシ系フォトレジストなど熱的に絶縁性を有する材料を用いることで、冷接点へ熱を伝え難くすることが可能である。
図7に示すように、紫外線硬化型のエポキシ系フォトレジストを剥離層11、赤外線遮へい層6、絶縁層5、第1の薄膜状熱電対材料3及び第2の薄膜状熱電対材料4を覆うようにスピンコート法により塗布し、フォトレジスト層を形成する。なお、フィルムは、電気的に絶縁性を有し、樹脂を主成分とする材料で形成することが可能である。その後、フォトレジスト層に対して露光、現像を行う。この工程で、フォトレジスト層のうち、剥離層11及び赤外線遮へい層6のうち外周部分、すなわちセンサの外周部分を構成する部分を除去する。これにより、残ったフォトレジスト層がフィルム2を形成することになる。このとき、薄膜状熱電対材料3,4及び出力電極14(図2)は、絶縁性フィルム2内に埋没することとなる。なお、フィルム2はポリイミド等を用いても構わない。また、これにより、赤外線遮へい層6は、フィルムの外周部分から延出して配置される部分を有している。
図13は、第三実施形態におけるサーモパイル型赤外線センサ40の断面を示したものである。なお、第一実施形態と同様の構成については、その詳細な説明を省略する。第三実施形態におけるサーモパイル型赤外線センサにおいて、フィルムの第1の台座部15が形成された側の面における温接点が形成された部分に、赤外線吸収層13が形成されていることを除き、第一実施形態と同様である。
2 フィルム
3、 103 第一熱電材料
4、 104 第二熱電材料
5、 27、 102 絶縁層
6、 106 赤外線遮へい層
7、 107 冷接点
8、 108 温接点
9 導電層
10、 101 基板
11 剥離層
12、17 フォトレジスト層
13、113 赤外線吸収層
14 出力電極
15、16 台座部(金属)
20 サーモパイル型赤外線センサモジュール
21 はんだ
22 配線
23 配線基板
24 Si基板
25 絶縁基材
26 伝熱層
105 保護膜
Claims (15)
- 電気的に絶縁性を有するフィルムと、前記フィルムの一方の面側に配置されたサーモパイルと、前記フィルムの一部を覆う赤外線遮へい層と、前記フィルムを支持する台座部と、を備えたサーモパイル型赤外線センサにおいて、
前記フィルムは、樹脂を主成分とする材料で構成され、
前記サーモパイルは、一部または全体が前記フィルムに埋没し、前記フィルムの面方向に沿って直列に接合された複数の膜状熱電対からなり、
前記膜状熱電対は、互いに接合された2種類の膜状材料からなり、前記複数の膜状熱電対のうち、一の膜状熱電対における第1の膜状材料との一端側と、前記一の膜状材料における第2の膜状材料の一端側とを接続した温接点を前記フィルムの中央部側に配置するとともに、前記一の膜状熱電対における第1の膜状材料の他端側と、前記一の膜状熱電対に隣接する膜状熱電対における前記第2の膜状材料の他端側とを接続した冷接点を前記フィルムの外周部分に配置し、
前記赤外線遮へい層は、前記フィルムの一方の面側において前記冷接点を、前記フィルムの一方の面の外周部分に形成された絶縁層を介して覆うとともに、前記フィルムの外周部分から延出して配置され、
前記台座部は、前記フィルムの他方の面側における前記冷接点が配置された部分に配置された第1の台座部と、前記赤外線遮へい層における前記フィルムと対向する面側における外周部分から延出して配置された部分に配置され、前記第1の台座部と熱的に絶縁されるとともに、前記赤外線遮へい層と熱的に接続する第2の台座部と、で構成されることを特徴とするサーモパイル型赤外線センサ。 - 前記第1の台座部および前記第2の台座部が、めっき法により析出される金属からなることを特徴とする請求項1に記載のサーモパイル型赤外線センサ。
- 前記フィルムの他方の面および前記赤外遮へい層の前記フィルムと対向する面に電気的に導電性を有する導電層が形成され、前記第1の台座部が、前記フィルムに接合する導電層から析出され、前記第2の台座部が、前記赤外遮へい部に接合する前記導電層から析出されることを特徴とする請求項2に記載のサーモパイル型赤外線センサ。
- 前記第1の台座部および前記第2の台座部が、ニッケル、金、白金、ロジウム、鉄、パラジウム、銅から選ばれる材料、またはこれらから選ばれる材料を主成分とする材料であることを特徴とする請求項2または請求項3に記載のサーモパイル型赤外線センサ。
- 前記赤外線遮へい層が、赤外線反射層であることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載のサーモパイル型赤外線センサ。
- 前記赤外線反射層が、めっき法により析出される金属からなることを特徴とする請求項5に記載したサーモパイル型赤外線センサ。
- 前記赤外線遮へい層が、赤外線吸収層であることを特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載したサーモパイル型赤外線センサ。
- 前記赤外線吸収層が、金黒またはNiCr合金などの赤外線吸収性が高い金属からなることを特徴とする請求項7に記載したサーモパイル型赤外線センサ。
- 前記フィルムの他方の面側における温接点が配置された部分に、赤外線吸収層を形成させることを特徴とする請求項1から8のいずれか一項に記載のサーモパイル型赤外線センサ。
- 前記第1の台座部および前記第2の台座部が、実装により配線基板と熱的に接合することを特徴とする請求項1から9のいずれか一項に記載のサーモパイル型赤外線センサ。
- 基板の外周部分に、赤外線遮へい層を形成する赤外線遮へい層形成工程と、
前記赤外線遮へい層上の一部に、絶縁層を形成する絶縁層形成工程と、
前記絶縁層上及び前記基板上に、膜状熱電対を構成する第1の材料からなる第1の薄膜パターンを形成し、前記膜状熱電対を構成する第2の材料からなり、前記第1の薄膜パターンと接合する第2薄膜パターンを形成するとともに、前記第1の薄膜パターンと前記第2の薄膜パターンとの接点である温接点および冷接点をそれぞれ前記基板上および前記絶縁層上に形成してサーモパイルを形成するサーモパイル形成工程と、
前記サーモパイルを覆うように、電気的に絶縁性を有する樹脂を主成分とするフィルムを形成するフィルム層形成工程と、
前記フィルムの前記冷接点が配置された部分に第1の台座部を形成し、前記赤外線遮へい層の露出した部分に第2の台座部を形成する台座部形成工程と、
前記基板を剥離する剥離工程と、
を備えていることを特徴とするサーモパイル型赤外線センサの製造方法。 - 基板上に剥離層を形成する剥離層形成工程と、
前記剥離層の外周部分に、赤外線遮へい層を形成する赤外線遮へい層形成工程と、
前記赤外線遮へい層上の前記剥離層の中央部側に、絶縁層を形成する絶縁層形成工程と、
前記絶縁層上及び前記剥離層上に、膜状熱電対を構成する第1の材料からなる第1の薄膜パターンを形成し、前記膜状熱電対を構成する第2の材料からなり、前記第1の薄膜パターンと接合する第2薄膜パターンを形成するとともに、前記第1の薄膜パターンと前記第2の薄膜パターンとの接点である温接点および冷接点をそれぞれ前記剥離層上および前記絶縁層上に形成してサーモパイルを形成するサーモパイル形成工程と、
前記サーモパイルを覆うように、電気的に絶縁性を有する樹脂を主成分とするフィルムを形成するフィルム層形成工程と、
前記フィルムの前記冷接点が配置された部分に第1の台座部を形成し、前記赤外線遮へい層の露出した部分に第2の台座部を形成する台座部形成工程と、
前記剥離層を除去する剥離工程と、
を備えていることを特徴とするサーモパイル型赤外線センサの製造方法。 - 前記台座部形成工程において、前記赤外遮へい層上および前記フィルム上に電気的に導電性を有する導電層を形成し、前記第1の台座部および前記第2の台座部がそれぞれ前記フィルムおよび前記赤外遮へい層に接合する導電層から析出されることを特徴とする請求項11または請求項12に記載のサーモパイル型赤外線センサの製造方法。
- 前記台座部形成工程において、前記導電層を形成した後、前記導電層の基板の端部に形成された部分、前記導電層のフィルムの中央部側に形成された部分および前記導電層の前記フィルムの端部に形成された部分に、フォトレジスト層を形成することを特徴とする請求項13に記載のサーモパイル型赤外線センサの製造方法。
- 前記第1の台座部および前記第2の台座部が、めっき法により析出される金属からなることを特徴とする請求項14に記載のサーモパイル型赤外線センサの製造方法。
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