JP2011191117A - 分析装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】試薬を収容した試薬容器300を収納するとともに、冷却された空気によって試薬容器300内の試薬を冷却する試薬庫40を備えた分析装置1である。前記試薬庫40内には、所定の液体を、その液面が冷却空気に触れるように貯留する液体貯留部110が設けられ、前記液体貯留部に前記液体を供給する液体供給部を備えている。
【選択図】 図6
Description
下記特許文献1には、試薬の冷却機能を有する試薬庫を備えた自動分析装置が開示されている。この自動分析装置の試薬庫は、底壁と外周壁とを有する試薬ケースと、この試薬ケースの上部開口を塞ぐ試薬カバーと、試薬ケース内に設けられ、複数本の試薬容器を保持するラックが載置される試薬テーブルと、試薬ケース内の空気を冷却する冷却部と、試薬ケース内の空気を循環させるファンとを備えている。
そして、この自動分析装置は、冷却部によって冷却された空気をファンにより循環させることによって、試薬庫内の試薬を冷却するように構成されている。
特許文献1に記載の自動分析装置の場合、試薬ケースの構造や試薬を保持するラックの形状等に工夫を施すことにより、試薬庫内の空気の流れを制御し、試薬容器の開口付近の空気流動を抑制することで、試薬の蒸発を防止している。しかし、試薬庫内の空気の流れを制御するのみでは試薬の蒸発を十分に抑制することは困難であった。
このような構成によって、試薬容器を保冷しつつ、冷却された空気による試薬の蒸発を抑制することができる。
このような構成によって、試薬庫内に外気が侵入するのを防止して結露の発生を抑制しつつ、試薬庫内の湿度を上昇させることができる。
このような構成によって液体貯留部内の液体の蒸発を促進し、試薬の蒸発を抑制することができる。
このような構成によって、液体貯留部に貯留された液体を容易に排出することができる。
このような構成によって、液体貯留部内の液体の量を所定に維持することができる。また、定量貯留状態の液体貯留部に対して新たな液体の供給を行うことによって、余剰となった古い液体を排出することができ、液体貯留部内の液体を部分的に入れ替えることが可能となる。
液体が液体貯留部内で長時間滞留していると、試薬庫内の冷却空気によって低温となり、蒸発し難くなるが、このような構成によって所定時間毎に又は継続的に液体貯留部内の液体をより高温の新しい液体と入れ替えることで、当該液体の蒸発を促進することができる。
このような構成によって、液体貯留部内の液体を全て排出することが可能となる。
このような構成によって、ユーザの手を介することなく液体貯留部内の液体を入れ替えることができる。
このような構成によって、ユーザの便宜等に応じて容易に液体貯留部内の液体を排出することができる。
この構成によれば、分析装置の稼働停止に伴って、液体貯留部内の液体を排出することができる。そのため、稼働停止中、液体貯留部に液体が放置されることによって細菌等が繁殖するのを防止することができる。
この構成によれば、送風部が冷却部によって冷却された冷却媒体に向けて送風することによって効率よく試薬庫内の空気を冷却することができ、しかも、冷却媒体の周囲に形成された液体貯留部内の液体に送風が届きやすくなるため、当該液体の蒸発をより促進することができる。
このような構成によって、送風部から送風された空気が冷却媒体の周囲に形成された液体貯留部内の液体により届きやすくなり、液体の蒸発をより促進することができる。
この構成によれば、試薬庫の内底面に設けた冷却媒体を利用して液体貯留部を形成することができ、液体貯留部を形成するための部材を別途必要としないので、試薬庫内の構成を簡素化することができる。
このような構成によって、洗浄部で使用する洗浄液と液体貯留部に貯留する液体とを共用することができ、液体貯留部に貯留する液体を別途準備しなくてもよい。
このような構成によって、液体貯留部に貯留するための液体の温度を上昇させ、その蒸発を促進することができる。
搬送機構部6は、図2に示されるように、測定機構部5に検体を供給するために、検体を収容した複数本の検体容器(試験管)13が保持された検体ラック14を搬送路6a上で左右方向に搬送し、検体容器13を所定の検体吸引位置15a,15bに位置づける機能を有している。また、搬送機構部6は、未処理の検体を収容した検体容器13が収納された検体ラック14をセットするためのラックセット領域6bと、処理済みの検体を収容した検体容器13が収納された検体ラック14を収容するためのラック収容領域6cとを搬送路6aの両端に有している。また、搬送機構部6は、検体容器13に貼付されたバーコードを読み取るための検体バーコードリーダ16を備えている。
測定機構部5は、搬送機構部6から供給された検体に対して光学的な測定を行うことにより、供給された検体に関する光学的な情報を取得することが可能なように構成されている。本実施の形態では、搬送機構部6の検体ラック14に載置された検体容器13から測定機構部5のキュベット内に分注された検体に対して光学的な測定が行われる。
また、第1試薬テーブル21及び第2試薬テーブル22は、試薬庫40(試薬保冷部)内に配置され、この第1試薬テーブル21及び第2試薬テーブル22上に試薬が収容された試薬容器300を保持する第1試薬容器ラック310及び第2試薬容器ラック320がセットされる。この試薬庫40の詳細について後述する。
制御装置4は、パーソナルコンピュータ401(PC)等からなり、図1に示されるように、制御部4aと、表示部4bと、情報を入力するためのキーボード4cとを含んでいる。制御部4aは、測定機構部5の制御部501に当該測定機構部5の動作開始信号を送信するとともに、測定機構部5で得られた検体の光学的な情報を分析するための機能を有している。また、表示部4bは、検体中に存在する干渉物質(ヘモグロビン、乳び(脂質)およびビリルビン)に関する情報と、制御部4aで得られた分析結果とを表示するために設けられている。
次に、測定装置2における動作の概要について説明する。まず、図2に示されるように、検体容器13を収容した検体ラック14を搬送機構部6のラックセット領域6bにセットすると、この検体ラック14は、ラックセット領域6bにおいて後端(図中上側)まで送られた後、搬送路6a上を左方向に搬送される。そして、検体容器13に貼付されたバーコードラベルが検体バーコードリーダ16によって読み取られ、続いて、検体容器13が所定の検体吸引位置15aに位置づけられる。なお、検体の吸引が全て終了した検体ラック14は、ラック収容領域6cに搬送される。
試薬庫40は、キュベット内の検体に添加される試薬を収容した試薬容器300を、低温(約10℃)で冷蔵保存するとともに、回転方向に搬送するために設けられている。試薬は、低温で保存されることによって変質が抑制される。また、試薬庫40内には、試薬を収容した試薬容器300を配置するとともに回転搬送を行う試薬配置部59が設けられている。
なお、冷却器80及び流動ファン88は、2個に限らず、3個以上設けてもよい。この場合、複数の冷却器80及び流動ファン88を、中心軸線Oの周りに等間隔に配置することにより試薬庫40内で冷却された空気を満遍なく均等に循環させることができる。
本実施の形態では、試薬庫40内の比較的広い範囲に形成された液体貯留部110に試薬以外の液体が貯留され、また、この液体は試薬よりも高温とされているので、専ら液体貯留部110内の液体の蒸発が促進され、試薬庫40内の湿度が上昇する。このため、試薬容器300内の試薬の蒸発を抑制することが可能となっている。
なお、液体貯留部110への液体の供給は、所定時間毎ではなく、検体分析装置1の稼働中あるいは保冷モードによるシャットダウン後に、継続的に行うことも可能である。このようにすれば、液体貯留部110内の液体の温度を、常時、試薬よりも高温に保つことができる。
そのため、図16で説明した液体供給動作において、液体貯留部110に対する液体の入れ替えには全排液口120を用いてもよい。この場合、ステップS25を経た後のステップS22において、液体貯留部110内に貯留されている液体を全排液口120から全て排出し、その後、液体供給部118によって所定量の液体を供給すればよい。このようにすれば、液体貯留部110内の液体を完全に入れ替えることができるという利点がある。ただし、この場合、液体供給部118だけでなく液体排出部119(開閉弁133)の動作制御も必要となるため、制御の簡素化の観点では定量排液口121を使用した液体の入れ替えを行う方が好ましい。
本願発明者は、液体貯留部110を設けたことによる効果、すなわち試薬の蒸発抑制効果を検証するために実験を行った。以下の表1は、その実験結果を示すものである。
この実験で使用した試薬容器は、第2試薬テーブル22に配置された6個の第2試薬容器ラック320のうち、1個おきに配置された3個の第2試薬容器ラック320に保持された各6本の試薬容器300と、第1試薬テーブル21に配置された全て(5個)の第1試薬容器ラック310に保持された各1本の試薬容器300である。表1中には、実験に使用した3つの第2試薬容器ラック320をそれぞれA〜Cと表記し、5つの第1試薬容器ラック310をa〜eと表記している。また、試薬容器300には、容量や上部開口の口径が異なった複数の種類(GW15,Cup,IRC5,SLD,SIRC17,GW5,P−FDP)を使用した。試薬にはRO水を代用し、各試薬容器300に対して定められた量だけ収容した。そして、所定の温度及び湿度で平衡状態となった試薬庫40内に試薬容器300をセットし、実験を行った。表1には、容器の種類と容量(液量)とを対応づけて記載している。
2: 測定装置
4: 制御装置
4a:制御部
21: 第1試薬テーブル(第1配置部)
22: 第2試薬テーブル(第2配置部)
40: 試薬庫
44: 凹部
59: 試薬配置部
65: 本体部
66: 蓋部
71: 試薬吸引孔
73: 蓋開閉検出センサ部
78: 伝熱層(冷却媒体)
80: 冷却器
88: 流動ファン(送風部)
90: 第1の隙間
92: 第2の隙間
95: 蓋用ヒータ
97: 第1駆動部
98: 第2駆動部
99: 動力伝達機構
300: 試薬容器
501:制御部
Claims (18)
- 試薬を収容した試薬容器を収納する試薬庫を備えた分析装置であって
前記試薬庫内に、所定の液体を、その液面が空気に触れるように貯留する液体貯留部が設けられ、
前記液体貯留部に前記液体を供給する液体供給部を備える分析装置。 - 前記試薬庫内の空気を冷却するための冷却部をさらに備え、
前記液体貯留部は、前記所定の液体を、その液面が冷却空気に触れるように貯留する、請求項1に記載の分析装置。 - 前記試薬庫が実質的に密閉されている請求項1又は2に記載の分析装置。
- 前記液体供給部は、前記試薬庫内の空気の温度よりも高温の液体を供給する請求項1〜3のいずれかに記載の分析装置。
- 前記液体貯留部に貯留された液体を前記試薬庫外へ排出する液体排出部をさらに備えている請求項1〜4のいずれかに記載の分析装置。
- 前記液体排出部が、前記液体貯留部内において所定量を超える液体を排出する定量排出部を含む請求項5に記載の分析装置。
- 前記液体貯留部に対して液体を供給するように、前記液体供給部を制御する制御部を備えている請求項6に記載の分析装置。
- 前記制御部は、液体貯留部に対して所定時間毎に又は継続的に液体を供給するように、前記液体供給部を制御する請求項7に記載の分析装置。
- 前記液体排出部が、前記液体貯留部内の全ての液体を排出可能な全排出部を含む請求項5に記載の分析装置。
- 前記液体貯留部から液体を排出し、さらに、前記液体貯留部に液体を供給するように、前記全排出部及び前記液体供給部を制御する制御部を備えている請求項9に記載の分析装置。
- 前記制御部は、所定時間毎に又は継続的に前記液体貯留部から液体を排出し、さらに、前記液体貯留部に液体を供給するように、前記全排出部及び前記液体供給部を制御する請求項10に記載の分析装置。
- 前記液体貯留部内の液体の排出指示を受け付ける排出指示受付部と、
この排出指示受付部によって受け付けられた排出指示に基づき、前記液体貯留部から液体を排出するように前記全排出部を制御する制御部と、をさらに備えている請求項9に記載の分析装置。 - 当該分析装置の稼働停止指示を受け付ける稼働停止指示受付部をさらに備え、
前記制御部は、この稼働停止指示受付部によって受け付けられた稼働停止指示に基づき、前記液体貯留部から液体を排出するように前記全排出部を制御する、請求項12に記載の分析装置。 - 前記試薬庫内に、
前記冷却部によって冷却される冷却媒体と、この冷却媒体に向けて送風する送風部と、を備え、
前記液体貯留部が前記冷却媒体の周囲に形成されている請求項2に記載の分析装置。 - 前記送風部が、前記冷却媒体の中心部からずれた位置に送風する請求項14に記載の分析装置。
- 前記試薬庫の内底面に前記冷却媒体が突出状に設けられ、
この冷却媒体の外側面と、前記冷却媒体が設けられた領域を除く前記試薬庫の内底面と、前記試薬庫の内側面とから前記液体貯留部が形成されている請求項14又は15に記載の分析装置。 - 前記試薬庫に収納された試薬を吸引する吸引部と、この吸引部の洗浄を行う洗浄部とをさらに備え、
前記液体貯留部に貯留される液体として、洗浄部で使用される洗浄液が用いられている請求項1〜16のいずれかに記載の分析装置。 - 前記液体貯留部に貯留するための液体を加温するヒータをさらに備えている請求項1〜17のいずれかに記載の分析装置。
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