図1は、ぱちんこ遊技機の前面側における基本的な構造を示す。以下、弾球遊技機として従来にいういわゆる第1種ぱちんこ遊技機を例に説明する。ぱちんこ遊技機10は、主に遊技機枠と遊技盤で構成される。ぱちんこ遊技機10の遊技機枠は、外枠11、前枠12、透明板13、扉14、上球皿15、下球皿16、および発射ハンドル17を含む。外枠11は、開口部分を有し、ぱちんこ遊技機10を設置すべき位置に固定するための枠体である。前枠12は、外枠11の開口部分に整合する枠体であり、図示しないヒンジ機構により外枠11へ開閉可能に取り付けられる。前枠12は、遊技球を発射する機構や、遊技盤を着脱可能に収容させるための機構、遊技球を誘導または回収するための機構等を含む。
透明板13は、ガラスなどにより形成され、扉14により支持される。扉14は、図示しないヒンジ機構により前枠12へ開閉可能に取り付けられる。上球皿15は、遊技球の貯留、発射レールへの遊技球の送り出し、下球皿16への遊技球の抜き取り等の機構を有する。下球皿16は、遊技球の貯留、抜き取り等の機構を有する。上球皿15と下球皿16の間にはスピーカ18が設けられており、遊技状態などに応じた効果音が出力される。
遊技盤50は、外レール54と内レール56により区画された遊技領域52上に、アウト口58、特別図柄表示装置61、演出表示装置60、始動入賞口(以下、「始動口」という)62、センター飾り64、大入賞口66、作動口68、一般入賞口72を含む。さらに遊技領域52には、図示しない複数の遊技釘や風車などの機構が設置される。始動口62は、遊技球の入球を検出するための始動入賞検出装置74と、始動口の普通電動役物を拡開させるための普通電動役物ソレノイド76を備える。始動入賞検出装置74は、始動口62への遊技球の入球を検出するセンサであり、入球時にその入球を示す始動入賞情報を生成する。一般入賞口72は、遊技球の入球を検出するための一般入賞検出装置73を備える。一般入賞検出装置73は、一般入賞口72への遊技球の入球を検出するセンサであり、入球時にその入球を示す一般入賞情報を生成する。大入賞口66は、遊技球の入球を検出するための入賞検出装置78と、大入賞口66を拡開させるための大入賞口ソレノイド80を備える。入賞検出装置78は、大入賞口66への遊技球の入球を検出するセンサであり、入球時にその入球を示す大入賞口入賞情報を生成する。
大入賞口66は、特別図柄192が所定の態様にて停止したときに「大当たり」として開放状態となる横長方形状の入賞口である。大入賞口66はアウト口58の上方等の位置に設けられる。大入賞口66の入賞検出装置78は、遊技球の通過を検出するセンサを備えて構成される。
遊技領域52の左方に設けられた特別図柄表示装置61および遊技領域52の略中央に設けられた演出表示装置60は、それぞれの画面に特別図柄192の変動と、特別図柄192に連動する装飾図柄190を含む演出画像の変動を表示する(以下、そうした表示を「図柄変動」または「変動表示」等という)。ここで、特別図柄192は、始動口62への遊技球の落入を契機として行われる抽選の結果に対応した図柄であり、その変動表示が停止されたときの図柄態様が当たりと定められた図柄であった場合、その停止図柄が表示されたタイミングが大当たり発生タイミングとなる。特別図柄表示装置61は、例えば7セグメントLEDで構成される表示手段である。演出表示装置60は、特別図柄192の変動表示と連動する形で装飾図柄190を変動表示する液晶ディスプレイである。装飾図柄190は、特別図柄192で示される抽選の結果表示を視覚的に演出するための図柄である。演出表示装置60は、装飾図柄190として、例えばスロットマシンのゲームを模した複数列の図柄変動の動画像を画面の中央領域に表示する。演出表示装置60は、この実施例では液晶ディスプレイで構成される。なお、特別図柄192は必ずしも演出的な役割をもつことを要しないため、本実施例では演出表示装置60の左下方の特別図柄表示装置61にて目立たない大きさで表示させるが、特別図柄自体に演出的な役割をもたせて装飾図柄を表示させないような手法を採用する場合には、特別図柄を演出表示装置60のような液晶ディスプレイに表示させてもよい。作動口68は、遊技盤50の左側方位置に設けられる。作動口68は、通過検出装置69を含む。通過検出装置69は、作動口68への遊技球の通過を検出するセンサであり、通過時にその通過を示す通過情報を生成する。作動口68への遊技球の通過は始動口62を拡開させるための抽選の契機となる。作動口68を遊技球が通過すると、所定時間、普通図柄と呼ばれる図柄が普通図柄表示装置59に変動表示される。普通図柄表示装置59は演出表示装置60の右下方に設けられる。所定時間の経過後に普通図柄の変動表示が停止すると、通常、50%から80%程度の確率で始動口62が所定時間拡開する。
演出表示装置60の周囲には、センター飾り64が設けられる。センター飾り64は、遊技球の流路、特別図柄表示装置61および演出表示装置60の保護、装飾等の機能を有する。演出表示装置60の下方には、抽選保留ランプ20が設けられ、その対称的な位置である遊技領域52の右下部には、普通図柄表示装置59の下に作動保留ランプ22が設けられている。抽選保留ランプ20は、4個のランプからなり、その点灯個数によって当否抽選の保留数を表示する。当否抽選の保留数は、図柄変動中または特別遊技中に始動口62へ入賞した抽選結果の個数であり、図柄変動がまだ実行されていない入賞球の数を示す。作動保留ランプ22もまた4個のランプからなり、その点灯個数によって普通図柄変動の保留数を表示する。普通図柄変動の保留数は、普通図柄の変動中に作動口68を通過した遊技球の個数であり、普通図柄の変動がまだ実行されていない普通図柄抽選の数を示す。操作ボタン82は、遊技者が遊技機側所定の指示へ入力するために操作するボタンである。操作ボタン82は、上球皿15近傍の外壁面に設けられる。
遊技者が発射ハンドル17を手で回動させると、その回動角度に応じた強度で上球皿15に貯留された遊技球が1球ずつ内レール56と外レール54に案内されて遊技領域52へ発射される。遊技者が発射ハンドル17の回動位置を手で固定させると一定の時間間隔で遊技球の発射が繰り返される。遊技領域52の上部へ発射された遊技球は、複数の遊技釘や風車に当たりながらその当たり方に応じた方向へ落下する。遊技球が一般入賞口72や始動口62、大入賞口66の各入賞口へ落入すると、その入賞口の種類に応じた賞球が上球皿15または下球皿16に払い出される。一般入賞口72等の各入賞口に落入した遊技球はセーフ球として処理され、アウト口58に落入した遊技球はアウト球として処理される。なお、各入賞口は遊技球が通過するゲートタイプのものを含み、本願において「落入」「入球」「入賞」というときは「通過」を含むものとする。
遊技球が始動口62に落入すると、特別図柄表示装置61および演出表示装置60において特別図柄192および装飾図柄190が変動表示される。特別図柄192および装飾図柄190の変動表示は、表示に先だって決定された表示時間の経過後に停止される。停止時の特別図柄192および装飾図柄190が大当たりを示す図柄である場合、通常遊技よりも遊技者に有利な遊技状態である特別遊技に移行し、大入賞口66の開閉動作が開始される。このときスロットマシンのゲームを模した装飾図柄190は、3つの図柄を一致させるような表示態様をとる。特別遊技において、大入賞口66は、約30秒間開放された後、または9球以上の遊技球が落入した後で一旦閉鎖される。このような大入賞口66の開閉が所定回数、例えば15回繰り返される。
特別遊技が発生した場合であってそのときの当たり停止図柄が特定の態様であった場合、特別遊技の終了後に特定遊技として確率変動遊技および変動短縮遊技が開始される。確率変動遊技においては、通常の確率状態より当たりの確率が高い抽選が行われ、比較的早期に新たな特別遊技が発生する。変動短縮遊技の実行中においては、普通図柄の変動表示時間が短縮されるとともに、始動口62が開放状態となる時間が相対的に長く設定される。
図2は、ぱちんこ遊技機の背面側における基本的な構造を示す。電源スイッチ40はぱちんこ遊技機10の電源をオンオフするスイッチである。メイン基板102は、ぱちんこ遊技機10の全体動作を制御し、特に始動口62へ入賞したときの抽選等、遊技動作全般を処理する。サブ基板104は、液晶ユニット42を備え、演出表示装置60における表示内容や複数の可動役物140の動作、遊技効果ランプ90の点灯を制御し、特にメイン基板102による抽選結果に応じて表示内容を変動させ、その演出の進行に沿って可動役物140や遊技効果ランプ90の点灯を作動させる。メイン基板102およびサブ基板104は、遊技制御装置100を構成する。セット基盤39は、賞球タンク44や賞球の流路、賞球を払い出す払出ユニット43等を含む。払出ユニット43は、各入賞口への入賞に応じて賞球タンク44から供給される遊技球を上球皿15へ払い出す。払出制御基板45は、払出ユニット43による払出動作を制御する。発射装置46は、上球皿15の貯留球を遊技領域52へ1球ずつ発射する。発射制御基板47は、発射装置46の発射動作を制御する。電源ユニット48は、ぱちんこ遊技機10の各部へ電力を供給する。
図3は、本実施例におけるぱちんこ遊技機10の機能ブロックを示す。ぱちんこ遊技機10において、遊技制御装置100は、始動口62、大入賞口66、一般入賞口72、作動口68、特別図柄表示装置61、演出表示装置60、普通図柄表示装置59、操作ボタン82、スピーカ18、遊技効果ランプ90のそれぞれと電気的に接続されており、各種制御信号の送受信を可能とする。遊技制御装置100は、遊技の基本動作だけでなく、図柄変動表示や可動役物140、電飾等の演出的動作も制御する。遊技制御装置100は、遊技の基本動作を含むぱちんこ遊技機10の全体動作を制御するメイン基板102と、図柄の演出等を制御するサブ基板104とに機能を分担させた形態で構成される。遊技制御装置100は、ハードウエア的にはデータやプログラムを格納するROMやRAM、演算処理に用いるCPU等の素子を含んで構成される。
本実施例におけるメイン基板102は、入球判定手段110、当否抽選手段112、図柄決定手段114、保留制御手段116、メイン表示制御手段118、特別遊技制御手段120、特定遊技実行手段122、開閉制御手段124を備える。本実施例におけるサブ基板104は、パターン記憶手段130、演出決定手段132、演出表示制御手段134、役物制御手段136を備える。なお、メイン基板102に含まれる各機能ブロックは、いずれかがメイン基板102ではなくサブ基板104に搭載されるかたちで構成されてもよい。同様に、サブ基板104に含まれる各機能ブロックは、いずれかがサブ基板104ではなくメイン基板102に搭載されるかたちで構成されてもよい。
入球判定手段110は、各入賞口への遊技球の入球を判定する。入球判定手段110は、始動入賞情報を受け取ると遊技球が始動口62に入賞したと判断し、大入賞口入賞情報を受け取ると遊技球が大入賞口66に入賞したと判断し、一般入賞情報を受け取ると遊技球が一般入賞口72に入賞したと判断する。入球判定手段110は、通過情報を受け取ると遊技球が作動口68を通過したと判断する。
当否抽選手段112は、始動口62への遊技球の入球を契機として、通常遊技より遊技者に有利な状態である特別遊技へ移行するか否かを判定するために乱数の値を当否抽選値として取得する。たとえば、当否抽選値は「0」から「65535」までの値範囲から取得される。なお、本願にいう「乱数」は、数学的に発生させる乱数でなくてもよく、ハードウエア乱数やソフトウエア乱数などにより発生させる疑似乱数でもよい。当否抽選手段112は、当否判定で参照する当否テーブルを複数保持する。複数の当否テーブルには、当たりまたは外れの判定結果と当否抽選値とが対応付けられており、対応付けられた当たりの範囲設定に応じて当否確率が定まる。当否抽選手段112は、通常時には通常確率による当否判定のための当否テーブルを参照し、確率変動時には通常確率より当たりの確率が高くなる当否テーブルを参照する。当否抽選手段112は、複数の当否テーブルのうちいずれかを参照し、当否抽選値が当たりであるか否かを判定する。当否抽選手段112による判定結果は、特別図柄表示装置61において特別図柄の形で変動表示される。また、当否抽選手段112による判定結果を演出的に示す装飾図柄が演出表示装置60において変動表示される。
図柄決定手段114は、特別図柄表示装置61に表示させる特別図柄の停止図柄と変動パターンを、当否抽選手段112による抽選の結果に応じて決定する。また、図柄決定手段114は、普通図柄表示装置59に表示させる普通図柄の停止図柄を抽選により決定する。停止図柄は、図柄変動の終了時に表示すべき図柄である。図柄決定手段114は、特別図柄や普通図柄の停止図柄を決定するために参照すべき図柄範囲テーブルや、変動パターンを決定するために参照すべきパターン決定テーブルを保持する。
図柄決定手段114は、特別図柄を決定するための図柄決定抽選値を取得し、当否抽選手段112による当否判定結果と図柄決定抽選値とに応じて特別図柄の停止図柄を決定する。図柄決定手段114は、当否抽選手段112による当否判定結果に応じて複数の変動パターンからいずれかのパターンを選択する。図柄決定手段114は、決定した停止図柄および変動パターンを示すデータをメイン表示制御手段118および演出決定手段132へ送出する。
図柄決定手段114は、特別図柄を変動表示させるときの変動開始から停止までの変動態様が定められた複数種の変動パターンを記憶する。複数種の変動パターンは、長短様々な変動時間をもつ。すなわち、各変動パターンには、その図柄変動の終了条件としてパターンごとに変動表示時間が定められており、その変動表示時間の経過時に特別図柄の変動が停止される。
図柄決定手段114は、遊技球が作動口68を通過した場合に、普通図柄を決定するための抽選乱数を取得し、その抽選乱数に応じて普通図柄の停止図柄を決定する。普通図柄の停止図柄が特定の図柄であった場合、開閉制御手段124が始動口62の普通電動役物を所定時間拡開する。
保留制御手段116は、当否抽選手段112により取得された当否抽選値を保留球として保持する。当否抽選値は、その保留数が所定の上限に達するまで蓄積される。保留数の上限は4である。
メイン表示制御手段118は、当否抽選手段112による抽選の結果を、図柄決定手段114により決定された変動パターンにしたがって特別図柄の変動表示として特別図柄表示装置61に表示させる。メイン表示制御手段118は、特別図柄の変動表示を開始するタイミングと停止するタイミングにて、変動開始コマンドと変動停止コマンドを演出表示制御手段134へ送信することにより、メイン表示制御手段118および演出表示制御手段134による変動表示が同期し、連動が保たれる。メイン表示制御手段118は、普通図柄の変動を普通図柄表示装置59に表示させる。
特別遊技制御手段120は、当否抽選手段112による当否抽選結果が当たりであった場合に、特別遊技の実行処理を制御する。特別遊技は、大入賞口66の開閉動作を複数回数連続して継続する遊技であり、1回の開閉を単位とした1回または複数回の単位遊技で構成される。単位遊技は例えば15回を上限として繰り返され、1回の単位遊技において大入賞口66を約30秒間開放させる。特別遊技制御手段120は、単位遊技の継続回数、大入賞口66の特定領域への通過検出の有無に基づいて、単位遊技を継続させるか否か、すなわち次回の単位遊技を開始するか否かを判定する。次回の単位遊技を開始するための継続条件が満足されない場合、または単位遊技の上限回数を消化した場合には、特別遊技を終了させる。
特定遊技実行手段122は、確率変動状態における遊技を制御する。特定遊技実行手段122は、当否抽選値が特定遊技へ移行すべき値であった場合、特別遊技後の遊技状態を確率変動状態へ移行させる。確率変動状態は原則として次の大当たりが発生するまで続行され、その間は当否抽選手段112による当たり判定の確率が高い値のまま維持される。
開閉制御手段124は、始動口62の普通電動役物や大入賞口66の開閉を制御する。開閉制御手段124は、普通図柄が特定の図柄で停止されると、普通電動役物ソレノイド76に開放指示を送り、始動口62を開放させる。また、開閉制御手段124は、特別遊技中、大入賞口ソレノイド80に開放指示を送り、大入賞口66を開放させる。
パターン記憶手段130は、装飾図柄を含む演出画像の表示パターンとして変動表示における変動開始から停止までの変動過程が定められた複数のパターンデータを保持する。表示パターンには、通常の外れ図柄を表示するときのパターンと、あと一つ図柄が揃えば大当たりとなるリーチ状態を経て外れ図柄を表示するときのパターンと、リーチ状態を経て大当たり図柄を表示するときのパターンが含まれる。特に、リーチ状態を経るときのパターンとしては、長短様々な変動時間をもつパターンが含まれる。本実施例では、さらに後述する疑似連続変動演出を前提としたミッション演出を伴うパターンも含まれている。各表示パターンには、その図柄変動の終了条件としてパターンごとに変動時間が定められており、その変動時間の経過時に図柄変動が停止される。演出決定手段132は、特別図柄の変動パターンに応じて、特別図柄と変動時間が等しい演出画像の変動パターンを選択する。
パターン記憶手段130が保持する複数の表示パターンは、装飾図柄を演出表示装置60の画面上に設定される有効ライン上に並ぶ複数種類の候補図柄の組み合わせとして表示する通常の変動パターン(以下、「通常変動パターン」という)と、いわゆるミッションパターンおよび疑似連続変動パターンを伴う特殊な変動パターン(以下、「特殊変動パターン」という)とを含む。
ミッションパターンは、特別遊技を発生させるための条件としてその達成を演出上遊技者に求める内容を表示する表示パターンである。本実施例では、装飾図柄が特定回数変動する間に特定の表示がなされれば特別遊技が発生することを示唆する。
疑似連続変動パターンは、一回の特別図柄の図柄変動が表示される間に装飾図柄が複数回変動されるように見せる表示パターンである。本実施例では、ミッションパターンによるミッション演出と疑似連続変動パターンによる疑似連続変動とが並行して実施される。すなわち、疑似連続変動パターンは、装飾図柄について通常の変動表示を見せた後で一旦変動停止したように見せ、その後、ミッション演出に関連して場合によっては一部の候補図柄を停止状態にホールドし、他の候補図柄の変動を再開する。このような演出が特別図柄の一回の変動中に複数回行われるが、その具体的演出内容については後述する。
演出決定手段132は、装飾図柄の停止図柄の組合せとその配置および変動パターンを、当否抽選手段112による抽選の結果、特別図柄の停止図柄、特別図柄の変動パターンに応じて決定する。演出決定手段132は、装飾図柄の停止図柄を決定するために参照すべき図柄範囲テーブルや、変動パターンを決定するために参照すべきパターンテーブルを保持する。
装飾図柄の停止図柄は、3つの図柄の組合せとして形成され、たとえば当否抽選手段112による判定結果が特別遊技への移行を示す場合は「777」や「111」のように3つの図柄が揃った組合せが選択される。この場合、装飾図柄として揃える数字には、特別図柄と同じ数字が選ばれるのが好ましい。たとえば、特別図柄が「3」の場合は装飾図柄が「333」となる。当否抽選手段112による判定結果が特別遊技へ移行しない旨を示す場合は、「312」や「946」のように3つの図柄が揃っていない組合せが選択される。ただし、当否判定結果が特別遊技へ移行しない旨を示す場合であって、リーチ付きの外れを示す特別図柄の変動パターンが選択された場合は、「191」や「727」のように一つだけ図柄が揃っていない組合せを選択する。演出決定手段132は、演出表示装置60の表示画面における有効ラインの数だけ、その有効ライン上に表示すべき複数の停止図柄の組合せを決定する。有効ラインの数は、通常時は一つとし、特定の変動パターンが選択されたときのみ複数の有効ラインに切り替える構成としてもよい。演出決定手段132は、装飾図柄の停止図柄と演出画像の変動パターンの情報を演出表示制御手段134へ送る。
演出表示制御手段134は、当否抽選手段112による当否抽選の結果として、選択された変動パターンデータにしたがって演出表示装置60へ演出画像を変動表示させる。演出表示制御手段134は、遊技効果ランプ90の点灯および消灯や、スピーカ18からの音声出力などの演出処理をさらに制御する。
役物制御手段136は、演出表示制御手段134から受け取る指示にしたがい、演出表示装置60における演出内容や遊技効果ランプ90の点滅過程に沿って、可動役物140を演出的に動作させる。
図4は、演出表示装置に表示される演出画像の画面例を表す説明図である。(a)は装飾図柄の通常の表示態様を示す画面例を表し、(b)は装飾図柄の各候補図柄が個別変動に切り替わったときの表示態様を示す画面例を表している。
同図(a)に示すように、通常の表示態様では、演出表示装置60の画面の表示領域200にスロットマシンのゲームを模した3列のリール形式の図柄が、それぞれ回転変動するように表示される。すなわち、図中の左領域にて回転する左図柄列202と、中央領域にて回転する中央図柄列204と、右領域にて回転する右図柄列206とが、図中一点鎖線にて示した仮想軸を中心にそれぞれ独立に縦スクロールにて回転変動する。各図柄列には、間にブランク図柄(図中の黒丸)を介して昇順または降順に配列された「1」〜「9」の数字からなる複数の候補図柄が表示される。また、装飾図柄の停止図柄を表示する際に各候補図柄が停止表示される表示指定領域が予め設定されている。図示の例では、「1」が表示された左上領域、「4」が表示された右上領域、「2」が表示された左下領域、「3」が表示された右下領域、「7」が表示された中央領域、およびそれらの間に配置された4つのブランク図柄が候補図柄の表示指定領域となっている。そして、図中二点鎖線にて示されるように、交差する2ラインと上中下の3ラインにより計5ラインが有効ラインとして形成される。図柄列の停止順序は図中括弧付き数字にて示すように、左図柄列202、右図柄列206、中央図柄列204の順となっている。有効ラインに停止表示される候補図柄によってリーチライン等が形成され得る。
一方、同図(b)に示すように、個別変動に切り替わると、上述した各図柄列から各候補図柄が切り離されたような態様になる。すなわち、各表示指定領域の図柄、つまり左上領域の左上図柄212、右上領域の右上図柄214、左下領域の左下図柄216、右下領域の右下図柄218、および中央領域の中央図柄220が、図中一点鎖線にて示した仮想軸を中心にそれぞれ独立に横回転にて回転変動する。各図柄領域には、「1」〜「9」の数字からなる複数の候補図柄のいずれかが表示される。そして、図中二点鎖線にて示されるように、交差する2ラインと上下のV字ラインにより計4ラインが有効ラインとして形成される。このように有効ライン数が変化することで、遊技者により特殊変動への移行が認識され得る。候補図柄の停止順序は図中括弧付き数字にて示すように、左上領域、右下領域、右上領域、左下領域、中央領域の順となっている。有効ラインに停止表示される候補図柄によってリーチライン等が形成され得る。
図5および図6は、特殊変動表示処理に用いられる特殊変動パターンテーブルを表す説明図である。図5は当否抽選が当たりのときに用いられる当たり用テーブル150を表し、図6は当否抽選が外れのときに用いられる外れ用テーブル152を表している。なお、各図において、ミッション内容は後述する疑似連続変動による内部的な処理の内容を表している。また、変動内容については便宜上その概略を表記している。
演出決定手段132は、特殊変動表示処理の表示パターンを決定する際に各テーブルを用いる。各テーブルの内容を示すパターンデータは、パターン記憶手段130に保持されている。本実施例では、演出決定手段132が特殊変動パターンを選択したときに、当否抽選の結果に基づいてミッション抽選が行われ、そのミッション演出に対応する図柄変動の内容が決定される。
各テーブルには、演出決定手段132が取得する乱数値に対応づけられるようにして、そのミッションの内容と図柄変動の内容が格納されている。演出決定手段132は、0〜15の範囲で生成される抽選値に応じてミッションの表示パターンと図柄の変動パターンを決定する。演出決定手段132は、その各パターンの決定に際し、当否抽選が当たりのときには当たり用テーブル150を参照し、当否抽選が外れのときには外れ用テーブル152を参照する。
すなわち、図5および図6に示すように、各テーブルにおいては、乱数値が「0」〜「5」のときに「3回転以内に『7』でリーチをかけろ!」という内容のミッション、乱数値が「6」〜「10」のときに「5回転以内にダブルリーチをかけろ!」という内容のミッション、乱数値が「11」〜「15」のときに「5回転以内に『3』で2回リーチをかけろ!」という内容のミッションが、それぞれ設定されている。
そして、図5の当たり用テーブル150においては、乱数値が「0」〜「2」のときに、1回転目は何ごともなく疑似連続変動を進め、2回転目で左下領域に「7」を停止状態で保持(ホールド)し、3回転目に右上領域に「7」を停止表示させることによりミッションが達成される設定となっている。一方、乱数値が「3」〜「5」のときには、1回転目は何ごともなく疑似連続変動を進め、2回転目で右上領域と右下領域に「7」をホールドし、3回転目に左上領域に「7」を停止表示させることによりミッションが達成される設定となっている。なお、この特殊変動表示処理における装飾図柄の変動は、上述した疑似連続変動であるため、その変動回数は特別図柄の変動回数には一致せず、特別図柄の1変動(当該変動)中に行われる仮想的な複数回の変動となっている。また、この疑似連続変動における変動停止は、最終的な停止態様として表示すべき図柄を完全に停止させる態様であってもよいし、その表示すべき図柄位置を中心としてその前後方向に連続的に微動させる態様であってもよい(以下同様)。
また、乱数値が「6」〜「8」のときには、1,2回転目は何ごともなく疑似連続変動を進め、3回転目に左下領域と右上領域に「3」でリーチ状態をホールドし、4回転目は何ごともなく疑似連続変動を進め、5回転目に左上領域と右下領域に「5」を停止表示させることによりミッションが達成される設定となっている。一方、乱数値が「9」,「10」のときには、1〜3回転目は何ごともなく疑似連続変動を進め、4回転目に左上領域と右下領域に「5」でリーチ状態をホールドし、5回転目に右上領域に「5」を停止表示させることによりミッションが達成される設定となっている。
さらに、乱数値が「11」〜「13」のときには、1回転目は何ごともなく疑似連続変動を進め、2回転目に左下領域に「3」をホールドし、3回転目は何ごともなく疑似連続変動を進め、4回転目に右上領域に「3」でリーチ表示を行う。そして、左下領域に「3」をホールドした状態で図柄変動を再開し、5回転目に右下領域に「3」を停止表示させることによりミッションが達成される設定となっている。一方、乱数値が「14」,「15」のときには、1回転目は何ごともなく疑似連続変動を進め、2回転目に右上領域と右下領域に「3」をホールドし、3回転目に左下領域に「3」でリーチ表示を行う。そして、右上領域と右下領域に「3」をホールドした状態で図柄変動を再開し、4回転目は何ごともなく疑似連続変動を進め、5回転目に左上領域に「3」を停止表示させることによりミッションが達成される設定となっている。
なお、乱数値が「11」〜「13」のときに、例えば4回転目のリーチ状態をホールドすることにより、5回転目における2回目のリーチが確定する(つまり、ミッション達成が確定する)プレミア的な演出を行うようにしてもよい。同様に、乱数値が「14」,「15」のときに、3回転目のリーチ状態をホールドすることにより、4回転目における2回目のリーチが確定する演出を行うようにしてもよい。
このように、ミッションの内容の一部が満たされた状態でその一部がホールドされることにより、そのミッションの第1段階が満たされ、第2段階としてそのミッションの内容の一部がホールドされた状態で図柄変動が再開され、最終的にミッションの全体が達成される。つまり、ミッションが段階的に達成されていく。
一方、図6に示した外れ用テーブル152においては、乱数値が「0」〜「2」のときに、1回転目は何ごともなく疑似連続変動を進め、2回転目で左下領域に「7」をホールドするが、3回転目に右上領域に「3」、右下領域に「5」を停止表示させることにより、ミッションが達成されない設定となっている。一方、乱数値が「3」〜「5」のときには、1回転目は何ごともなく疑似連続変動を進め、2回転目で右上領域と右下領域に「7」をホールドするが、3回転目に左上領域に「1」、左下領域に「4」を停止表示させることにより、ミッションが達成されない設定となっている。
また、乱数値が「6」〜「8」のときには、1,2回転目は何ごともなく疑似連続変動を進め、3回転目に左下領域と右上領域に「3」でリーチ状態をホールドするが、4回転目は何ごともなく疑似連続変動を進め、5回転目に左上領域に「2」、右下領域に「5」を停止表示させることにより、ミッションが達成されない設定となっている。一方、乱数値が「9」,「10」のときには、1〜3回転目は何ごともなく疑似連続変動を進め、4回転目に左上領域と右下領域に「5」でリーチ状態をホールドするが、5回転目に右上領域に「1」、左下領域に「3」を停止表示させることにより、ミッションが達成されない設定となっている。
さらに、乱数値が「11」〜「13」のときには、1回転目は何ごともなく疑似連続変動を進め、2回転目に左下領域に「3」をホールドし、3回転目は何ごともなく疑似連続変動を進め、4回転目に右上領域に「3」でリーチ表示を行う。そして、左下領域に「3」をホールドした状態で図柄変動を再開するが、5回転目に右上領域に「2」、右下領域に「1」を停止表示させることにより、ミッションが達成されない設定となっている。なお、このときには、左上領域にもリーチを構成する図柄は表示されない。一方、乱数値が「14」,「15」のときには、1回転目は何ごともなく疑似連続変動を進め、2回転目に右上領域と右下領域に「3」をホールドし、3回転目に左下領域に「3」でリーチ表示を行う。そして、右上領域と右下領域に「3」をホールドした状態で図柄変動を再開するが、4回転目は何ごともなく疑似連続変動を進め、5回転目に左上領域に「4」、左下領域に「5」を停止表示させることにより、ミッションが達成されない設定となっている。
このように、ミッションの内容の一部が満たされた状態でその一部がホールドされることにより、そのミッションの第1段階が満たされる。そして、第2段階としてミッションの内容の一部がホールドされた状態で図柄変動が再開されるが、最終的はミッションは達成されなくなる。
なお、以上に述べた特殊変動パターンテーブルの内容はあくまで一つの例示であり、そのミッションの種類の数、内容、変動内容等については適宜設定変更できることは言うまでもない。
図7および図8は、特殊変動処理が行われるときの装飾図柄の変動表示過程を表す説明図である。図7(a)〜(c)、図8(a)〜(c)の順に図柄変動が進行する様子が示されている。
通常変動パターンが選択された通常の図柄変動においては、上述のように、左図柄列202、中央図柄列204、右図柄列206が縦スクロールにて回転変動する。このとき、各図柄列の候補図柄により構成される装飾図柄の変動回数は、特別図柄の変動回数に一致する。そして、特殊変動パターンが選択されて特殊変動処理へ移行すると、上述した疑似連続変動がなされ、特別変動1回転のうちに装飾図柄が複数回変動・停止を繰り返す。図7および図8に示される複数回の変動は、特別図柄の1回の変動(当該変動)の間に行われるものである。
すなわち、図7(a)に示すように、縦スクロールにて図柄変動中に上述したミッション抽選の結果に基づくミッションの内容が演出表示装置60の表示領域200に表示される。図示の例では、「『7』でリーチをかけろ!」という文字が表示されている。なお、ここではミッションの表示においてはその達成期限である変動回転数については表示していない。これにより、通常変動の回転数(特別図柄の回転数に一致した回転数)であるのか、または疑似連続変動の回転数であるのかについて、遊技者の誤解が生じないようにしている。その後、図7(b)に示すように個別変動モードに切り替えられる。すなわち、各図柄列から有効ライン上の表示指定領域にある5つの候補図柄が分離されて、それぞれ左上図柄212、右上図柄214、左下図柄216、右下図柄218、中央図柄220となり、各表示指定領域において各図柄が横回転にて個別変動を行う。そして、疑似連続変動にて装飾図柄の複数回の変動が繰り返される。
そして、図8(a)に示すように図柄が停止表示されたときに、ミッション達成のための一部の候補図柄(図示の例では「7」)が表示されていると、図8(b)に示すように、その候補図柄についてはその停止状態が保持(ホールド)されたまま、他の候補図柄の変動が再開される。図示の例では、当否抽選が当たりであるときに、例えば次回以降の変動停止時に右上図柄214または右下図柄218として「7」が停止表示されるとリーチ状態となり、ミッションが達成される。このように、ミッションが段階的に達成される演出がなされ、そのミッションの内容を部分的に満たした状態になればこれが保持されるため、後続の図柄変動においてミッションを完全に達成する可能性が高くなるように見える。その結果、遊技者のミッション達成ひいては大当たりへの期待感を高めることができる。
図9は、ぱちんこ遊技機における基本的な動作過程を示すフローチャートである。同図に示す処理はループ処理として繰り返し実行される処理である。
まず、遊技球が始動口62、一般入賞口72、大入賞口66などへ入賞した場合や、遊技球が作動口68を通過した場合の処理を実行し(S10)、特別遊技中でなければ(S12のN)、当否抽選などの通常遊技の制御処理を実行し(S14)、特別遊技中であれば(S12のY)、特別遊技の制御処理を実行し(S16)、S10からS16までの処理における各種入賞に応じた賞球払出を処理する(S18)。
図10は、図9におけるS14の通常遊技制御処理を詳細に示すフローチャートである。 通常遊技制御処理において、当否抽選値の保留がなされている場合であって(S30のY)、図柄変動が表示中でなければ(S32のN)、当否抽選手段112が当否判定処理を実行する(S34)。その判定結果に応じてメイン表示制御手段118が変動表示を開始するとともに、変動開始コマンドを演出表示制御手段134へ送信し、これを受信した演出表示制御手段134が変動パターンデータにしたがって演出画像の変動表示を開始する(S36)。S30において当否抽選値が保留されていなかった場合は(S30のN)、S32からS36までの処理がスキップされ、S32において図柄変動が表示中であった場合は(S32のY)、S34およびS36の処理がスキップされる。続いて、図柄変動表示がすでに開始されていれば(S38のY)、図柄変動表示処理を実行し(S40)、図柄表示の停止タイミングに達したときには(S42のY)、表示中の図柄変動を停止する(S44)。一方、S38において図柄変動表示が開始されていないときは(S38のN)、S40からS44の処理をスキップする。また、S42において図柄表示の停止タイミングに達していないときは(S42のN)、S44の処理をスキップする。
ただし、後述する特殊変動パターンが選択されている場合には、S40において装飾図柄が仮想的な変動・停止を複数回繰り返すことになる。
図11は、図10におけるS40の変動表示処理を詳細に示すフローチャートである。 演出決定手段132により特殊変動パターンが選択されている場合には(S50のY)、演出表示制御手段134は、ミッション演出および疑似連動変動演出を伴う特殊変動表示処理を実行し(S52)、通常変動パターンが選択されている場合には(S50のN)、通常の図柄変動表示処理を実行する(S54)。
図12は、図11におけるS52の特殊変動表示処理を詳細に示すフローチャートである。
まず、ミッション演出中でなく(S60のN)、当否抽選の結果が当たりであれば(S62のY)、演出決定手段132が当たり用テーブル150を用いたミッション抽選を行う(S64)。演出表示制御手段134は、このミッション抽選によって選択されたミッションの演出を開始するとともに(S68)、上述した疑似連続変動のなかで選択された変動内容の実行を開始する(S70)。この場合、ミッションを部分的に満たす候補図柄が停止された時点でその候補図柄がホールドされ、同じ有効ライン上にある他の候補図柄の変動が再開される。このようにしてミッションが段階的に満たされた態様で図柄変動が繰り返されて進行し、最終的にミッションを達成した状態で図柄変動が停止される。
一方、当否抽選の結果が外れであれば(S62のN)、演出決定手段132が外れ用テーブル152を用いたミッション抽選を行う(S66)。演出表示制御手段134は、このミッション抽選によって選択されたミッションの演出を開始するとともに(S68)、上述した疑似連続変動のなかで選択された変動内容の実行を開始する(S69)。この場合、ミッションを部分的に満たす候補図柄が停止された時点でその候補図柄がホールドされ、同じ有効ライン上にある他の候補図柄の変動が再開される。このようにしてミッションが段階的に満たされた態様で図柄変動が繰り返されて進行するが、最終的にミッションが達成されない状態で図柄変動が停止される。
一方、S60において既にミッション演出中である場合には(S60のY)、S62〜S70の処理をスキップしてS52のフローを終了する。なお、図11のS54の通常の図柄変動表示処理においては、一般的な通常遊技における変動処理が実行されるので、ここではその説明を省略する。
図13は、図9のS16における特別遊技制御処理を詳細に示すフローチャートである。 まず、大入賞口66が開放済でなければ(S70のN)、演出表示制御手段134が特別遊技に対応する特別演出を開始し(S72)、開閉制御手段124が大入賞口66を開放する(S74)。大入賞口66が開放済であれば(S70のY)、S72およびS74をスキップする。大入賞口66が開放されてから所定の開放時間が経過した場合(S76のY)、または、開放時間が経過していないものの(S76のN)、大入賞口66へ遊技球が9球以上入球した場合(S78のY)、開閉制御手段124が大入賞口66を閉鎖させる(S80)。開放時間が経過しておらず(S76のN)、大入賞口66への入球数も9球以上に達していない場合は(S78のN)、S80以降の処理をスキップしてS16のフローを終了する。
S80における大入賞口66の閉鎖後、単位遊技のラウンド数が15に達していた場合(S82のY)、演出表示制御手段134は特別遊技の演出処理を終了させ(S84)、特別遊技制御手段120は特別遊技を終了させる(S86)。ラウンド数が15に達していなければ(S82のN)、ラウンド数に1を加算してS16のフローを終了する(S90)。
以上に説明したように、本実施例のぱちんこ遊技機10においては、特殊変動パターンが選択された場合、そのミッションの内容を部分的に満たす候補図柄が停止表示されると、その候補図柄の停止表示が保持されたまま、同じ有効ラインを構成する他の候補図柄の変動が再開される。すなわち、後続する図柄変動においてミッションが一部達成された状態で、そのミッションを完全に達成させる可能性のある他の候補図柄の変動が継続される。そして、当否抽選の結果が当たりであれば、そのミッションが達成された状態で当該他の候補図柄が表示される。つまり、ミッションが段階的に達成される点で特異な演出効果が発揮される。また、ミッションの内容を部分的に満たした状態が確保されるため、後続の図柄変動においてミッションを完全に達成する可能性が高くなり得るため、遊技者の期待感を一層高めることができる。
また、ミッション演出と疑似連続変動演出とが組み合わせられ、特別図柄の一回の変動中に装飾図柄について複数回の変動表示が行われる。すなわち、遊技者に対し、特別図柄の当該変動の中でミッションをクリアするチャンスが複数回あるように見せることができる。そして、その中でミッションの内容の一部を満たした候補図柄が順次停止されるため、当該変動の中で遊技者の期待感を徐々に高めていくことができる。また、疑似連続変動演出を採用したために、何回転目にミッション達成の図柄を見せるか、あるいはミッション期限を何回転目に設定するかを、ミッションの信頼性を確保したうえで調節することができる。
さらに、特殊変動パターンが選択されたときに、候補図柄の変動が図柄列ごとの縦スクロールから停止表示領域ごとの横回転に切り替えられ、変動図柄の数が増加されるとともに、各候補図柄の変動停止が他の候補図柄の変動に影響を与えないようにされる。その結果、例えば図柄列ごとの候補図柄の一体的な変動では、その図柄の組み合わせからミッションの達成が不可能と分かるような状況を少なくでき、ミッション達成の可能性を長く維持することができる。その結果、ミッション達成の可能性を演出上高めることができる。
また、この横回転の個別変動に切り替わったことが、ミッションの一部を満たす図柄のホールドチャンスにもなるため、遊技者の期待感や興趣が一層高められる。
以上、本発明を実施例をもとに説明した。この実施例はあくまで例示であり、それらの各構成要素や各処理プロセスの組み合わせにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。
例えば、本実施例においては、図4(b)に示したように、個別変動に切り替わったときに、各候補図柄を5つの停止表示領域のそれぞれに同じ大きさにて変動表示されるようにしたが、種々の変形例をとり得る。図14は、変形例にかかる演出画像の画面例を表す説明図である。
例えば図14(a)に示すように、他の候補図柄230の複数個分以上の大きさをもち、複数の有効ラインをまたぐように配置される特殊候補図柄232を、他の候補図柄230に混在させて変動表示させるようにしてもよい。図示の例では、表示領域200の左領域に他の候補図柄230の2つ分の大きさを有する特殊候補図柄232が設けられている。この特殊候補図柄232は、図中一点鎖線にて示した仮想軸を中心に横回転にて変動表示される。有効ライン数は、特殊候補図柄232を他の2つの候補図柄230に置き換えた場合、つまり図4(b)に示した実施例の態様と同じ計4ラインとなっている。この変形例では、遊技者に見た目のインパクトを与えることができる。また、ミッションとしてマルチラインリーチが指定された場合、その特殊候補図柄232がミッションの内容の一部を満たして停止表示された場合には、ミッション達成の確率が演出上2倍以上になり、遊技者の期待感が高められる。
また、図14(b)に示すように、左右にもV字状の有効ラインを形成し、計6ラインの有効ライン数としてもよい。図示の例では、特殊候補図柄232の存在により既にリーチが確保されるという特異な演出がなされる。この態様では、例えばミッションとしてマルチラインリーチが要求された場合に有利となる。その場合、特殊候補図柄232を最後に変動停止させ、そこでマルチラインリーチが確定するか否かのいわゆる煽りを行って遊技者の興趣を高めるようにしてもよい。また、ミッション演出によりマルチラインリーチを指定し、そのリーチ状態を構成する図柄が特定の図柄(例えば「7」など)であった場合、あるいはそのリーチラインの数が所定以上であった場合などに確変状態に移行したり、当たりを確定するようにしてもよい。
また、本実施例においては、ミッションの内容として、図5および図6に示したようにリーチ図柄に関連した内容としたが、要求する図柄の表示態様はリーチ状態に限られず、種々の表示態様を指定することができる。例えば、「左上図柄に『3』を出し、右上図柄に『1』を出せ!」といった具合に、特定の複数の表示指定領域にそれぞれ特定の図柄を表示させる内容であってもよい。あるいは、図柄ではなく、演出表示装置60の表示領域に図柄以外の特定の演出がなされることを要求するものであってもよい。例えば、演出が複数のステージA,B,Cから構成される場合、「ステージAへ移行して、Xという予告をだせ!」といったような要求内容であってもよい。いずれの場合にも、第1段階としてミッションの内容の一部を満たした態様の演出画像を表示させて図柄変動を停止させ、第2段階としてその一部を満たした演出画像の状態を部分的に保持しつつ疑似連続変動による図柄変動を再開する。そして、当否抽選の結果が当たりである場合には、後続する図柄変動においてミッションを達成した内容の演出画像を表示させるようにする。
さらに、本実施例では疑似連続変動演出を前提にミッション演出を行う例を示したが、必ずしも疑似連続変動としなくてもよい。例えば、特別図柄と同じタイミングで装飾図柄を変動させる通常変動において、その複数回の変動の間にミッションの一部を満たす候補図柄をホールドしてミッションの第1段階をクリアさせ、このホールド状態でミッションの第2段階として他の候補図柄の変動を再開し、その後の当否抽選が偶然に当たりとなったときに、そのタイミングでミッションを達成させる図柄変動を行ってもよい。この通常変動においては、演出表示装置60の表示領域にミッションの達成期限である変動回数を表示させるようにしてもよい。
また、疑似連続変動と通常変動とをまたぐよう、これらをからめてミッション演出を行ってもよい。例えば、疑似連続変動が終了して通常変動に移行した後もミッション演出を続けてもよい。その場合、通常変動において演出表示装置60の表示領域にミッションの達成期限である変動回数を表示させるようにしてもよい。あるいは、上記実施例も含め、疑似連続変動中であっても、演出表示装置60の表示領域にミッションの達成期限である変動回数を表示させるようにしてもよい。
なお、本実施例においては、本発明の弾球遊技機を、従来にいう第1種ぱちんこ遊技機として構成した例を示したが、第1種ぱちんこ遊技機の機能を複数直列または並列に実行可能な遊技機など、第1種ぱちんこ遊技機の機能を含むその他の遊技機として構成してもよい。